生き返った カジカ
生き返った カジカ
むかし むかし 、 富山 の ある 村 で 、 村人 が 川原 に 集まって 春 祭り を して いました 。 この 日 は 朝 から 村人 たち が 野菜 や お みそ など を 持ちよって 、男 たち が 川 で とった カジカ と 一緒に 煮て 、おいしい 『カジカ汁 』を つくって 食べる のです 。
料理 は 簡単 で 、包丁 の 先 で カジカ の お腹 を すこし 裂き 、そこ から 腹わた を 取り出して 野菜 と 一緒に みそ汁 に する のです 。 みんな が 楽し そうに 料理 を して いる と 、一人 の 旅人 が 通り かかり ました 。 「お前 たち 、何 を して おる んだ ? 今日 が 何 の 日 か 、知らん の か ? 」「何の 日 って 、今日 は 村 の 春 祭り の 日 じゃ 。 春 祭り に は 、毎年 こうして 村 中 で カジカ 汁 を 食う こと に なっ とる んじゃ 。 体 が 温まって 、おいしい ぞ 。 もう すぐ 出来る から 、あんた も 一杯 、食って いったら どうじゃ 」何匹 も の カジカ の お腹 を 包丁 の 先 で 裂いて いた 男 が 言う と 、旅人 が 声高に 言い ました 。 「馬鹿 者 ! 今日 は 二十八 日 。 親 鶯 上人 ( しんら ん しょうにん ) と いう 、 偉い お 坊さん の 月 の ご 命日 ぞ 。 その 日 に 生き物 を 殺す と は 何事 か ! 」男 は びっくり して 、包丁 から 手 を はなし ました 。 すると お腹 を 裂かれて まな板 の 上 に のって いた カジカ が みんな 生き返って 、ピチピチ と はねだした の です 。 「大変 だ 。 はやく カジカ を 川 へ 戻す んだ ! 」村人 たち は 、急いで カジカ を 川 へ 逃がし ました 。
この 事 が あって から 、この 村 の 川 に 住む カジカ は 、みんな お腹 に 切られた ような くぼみ が ある そうです 。
おしまい