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三姉妹探偵団 2 キャンパス篇, 三姉妹探偵団(2) Chapter 04 (1)

三姉妹 探偵団 (2) Chapter 04 (1 )

4 爆弾 プレゼント 「──佐々 本 、おい 、佐々 本 ! 」と 先生 に 呼ばれて 、今 まさに お弁当 の ふた を 開けよう と していた 夕里子 は 、いやな 顔 を した 。 「はい 」と 立ち上る 。 「事務室 で 呼んでる そうだ 。 早く 行け 」「はい 」お 昼 、食べて から じゃ だめですか 、と 、よほど 言おう か と 思った が 、そこ を ぐっと こらえた のは 、やはり 、夕里子 の 人間的 成長 を 物語っている ──というのは 、オーバー か 。 「何 だろう ね ? 」と 、片瀬 敦子 が 言った 。 「知ら ない 。 一応 、授業 料 だって 払って ん のに ね 」「ま 、ご ゆっくり どうぞ 」と 、敦子 は お弁当 を 食べ 始め ながら 、言った 。 「 裏切り者 ! 」と にらんで 、夕里子 は 渋々 教室 を 出た 。 事務室 へ 行って 、キョロキョロ している と 、「佐々本 さん ? 」 と 、 女子 事務 員 が 声 を かけて 来る 。 「はい 、そう です 」「あなた 、何か やった の ? 」と 、近づいて 来て 、低い 声 で 訊く 。 「やった 、って ……? 」「マリファナ と か 売春 と か ──」「私 が ? 」「だって 、刑事 さん が 、あなた の 話 を 聞きたい って 、来てる の よ 」夕里子 は 振り向いた 。 ──壁 に もたれて 、国友 刑事 が 涼しい 顔 で 立って いる 。 「──もう 、人 の 評判 を 落として ! 」と 、夕里子 は 笑い ながら 言った 。 「そんな つもり じゃ なかった んだ けど ね 」国友 は 澄まして 、「デート の 約束 を 果して もらわ なきゃ 、と思った んだよ 」「お 昼 休み に ? 」「忙しくて 、時間 が 取れ ない んだ 、夜 は 。 で 、たまたま 聞き込み で この 近く に 来た もん だ から ね 。 ──何でも 好きな もの を 食べて いい よ 」二人 は 、学校 の すぐ 向い に ある ソバ屋 に 入って いた 。 「何で もった って ……。 そういう セリフ は 、高級 フランス 料理 店 か 何 か で 言う もの よ 」「いや 、こいつ は 参った な 」と 、国友 は 苦笑い した 。 「ま 、それ は ボーナス の とき に でも ね 」「じゃ 、私 、天ぷら ソバ ! 」夕里子 は 、出来る だけ 高い もの を 選んだ 。 「──でも 、お 礼 言わ なきゃ 、と 思って た の 。 ありがとう 」「いい んだ よ 。 あれ ぐらい の こと なら 、いつでも お 役に立つ さ 」国友 は 、もり ソバ を 注文 した 。 「でも 、高く 取ら れる んじゃ ない かしら ? それ が ちょっと 気 に なって ──」「大丈夫 。 その辺 も 、金田 って プロダクション の 常務 に よく 言って ある よ 」「へえ 」夕里子 は 、ちょっと 意外 そうに 、「国友 さん って 、結構 大物 な の ね 」「どういたしまして 。 ──ただ 、向う は 、ちょっと 弱味 が ある の さ 」「弱味 ? 」 「 そう 。 ──去年 、暮れ 間近に なって 、大麻 を やった 芸能人 が 五 、六 人 捕まった だろう ? あの とき 、神山 田 タカシ も かなり 怪しかった んだ よ 」「へえ 。 でも 、あの 人 なら やり そうだ わ 」「まず 間違い ない と 思う ね 。 ただ 、どうしても 起訴 する ほど の 証拠 が 出て来なかった んだ 。 それ で 、事情 聴取 だけ で 終った 。 その 事実 を 、伏せて おいて やった から 、金田 が 感謝 してた の さ 」「それ で 言う こと を 聞いて くれた の ね 。 ──ちょっと 狡い じゃない ! 」「向う が 自主的に 協力 して くれた だけ さ 」と 、国友 は 言った 。 「──ソバ が 来た 。 さて 、食べよう か 」「お弁当 、あとで 食べよう っと 」夕里子 は 、割りばし を 割って 、「珠美 なら きっと お弁当 を 誰かに 売りつけてる だろう なあ 」──ところが 、二口 三口 食べた ところで 、国友 の ポケット で ピーッ と 音がした 。 「 ち ぇっ! 食事 中 だって いう のに 」国友 は ブツクサ 言い ながら 、ソバ 屋 の 入口 の 赤 電話 へ と 立って 行った 。 夕 里子 は 、熱い ソバ を フウフウ いい ながら 食べて いた 。 お 昼 休み の デート なんて の も 、なかなか 乙 な もん だ わ 。 ──この 次 は 授業 中 に 、国友 さん が いきなり 教室 に 乗り込んで 来て 、「佐々本 夕里子 ! 殺人 容疑 で 逮捕 する ! 神妙に しろ ! 」と か ──ちょっと 変 かな ? 「私 は 無実 です ! 」なんて 叫んだり して ね 。 で 、手錠 か 何 か かけられて 連行 されて 、外 で のんびり お食事 と か ……。 ばれたら 、国友 さん は クビ 、私 は 退学 だ わ 、きっと 。 でも ── ふと 真顔 に なって 、 夕 里子 は 赤 電話 に 向って いる 国友 の 背中 を 眺めた 。 いくら 国友 さん が 若い 、ったって 、私 と は 違う 。 あの 人 に して みれば 、私 は 「可愛い 女の子 」に 過ぎない んだ 。 私 だって ──そう よ 、私 だって 、貧乏 刑事 なんて 、いやだ わ 。 カッコ良く スポーツカー か 何 か 乗り回す 二枚目 で 、大 会社 の 社長 の 一人 息子 ……。 困る の は 、夕里子 に 、その 手 の 男性 に 憧れる 気持 が 、全く ない こと だった 。 むしろ 、夕里子 の 好み から いえば 、国友 みたいに 、お金 は なくて も 、人柄 が 良くて 、欠点 は 多少 あっても (多々 かな ? )どことなく 憎め ない 、ほのぼの と した もの を 持った 男性 に ひか れる のである 。 ──何 を 言って ん の ! まだ 十八 歳 の 高校生 の くせ して 。 まだまだ 、お姉さん だって 珠美 だって 、私 が いなきゃ やって いけない んだ から 。 そう よ 。 あと 七 、八 年 は 今 の まま で 頑張る しか ない 。 そう なったら 、国友 さん は もう 三十 過ぎ 。 ──お 嫁さん を もらって 、たまの 非番 の 日 に は 、子供 の 手 を 引いて 散歩 ……。 それ が 現実 って もの な んだ 。 いくら 好き でも 、二人 の 間 の 年齢 の 差 を 縮める わけに は いかない んだ から 。 いくら 好き でも 、か ……。 まだ 早い わ よ 、夕 里子 。 恋 だの 愛 だの って 口 に 出す の は 。 まだ 、あんた に は 、鍵 の かかる 日記帳 の 中 の 恋 が ふさわしい 。 しっかり者 、しっかり者 と 言われて 、およそ 乙女 っぽい ロマン や 夢 に は 無縁 みたいに 思われてる けど 、でも 、私 の 中 に だって 、少女 らしい 血 が 流れてる んだ 。 そう 。 あの 事件 の とき に は 、大いに 張り切って 、犯人 と 闘った けど 、本当 は 、「殺人 」なんか より も 「ロマンス 」の 方が ずっと 好きな んだ もの ……。 「──殺人 だ 」椅子 に 座る なり 、国友 が 言った 。 「 え ? 」「妙な こと に なった よ 」と 、国友 は 言った 。 真剣な 顔つき だ 。 「どうした の ? 」「綾子 君 の 通ってる 大学 だ 」「お姉さん の ? ──まさか お 姉さん が ? 」「いや 、そう じゃ ない 。 しかし 、多少 は 関係 が ある かも しれない よ 」「どういう こと ? 」「神 山田 タカシ の マネージャー が 殺さ れた んだ 」と 、国友 が 言った 。 「自分 で 、自分の 後頭部 を 叩き割る という 、器用な 奴 が いれば 別だ けど ね 」と 、検死官 が おっとり した 口調 で 言った 。 その 男 は 、固い 木 の 床 の 上 に 、うつ伏せ に なって 倒れて いた 。 外 は 明るくて 暖い くらい な のに 、この 講堂 の ステージ の 裏 は 、冷え冷え と していた 。 「凶器 は ? 」と 、国友 が 訊いた 。 「あそこ です よ 」若い 刑事 が 指さす 。 ステージ の 袖 に 近い 所 に 、大きな ハンマー が 落ちて いた 。 「 重そう だ な 」 と 、 国友 が 、 かがみ 込んで 眺める 。 「しかし 、女 だって 持てん こと は ない よ 。 大きい たって 、ハンマー だ 」検死官 は 天井 を 見上げて 、「ここ は 劇 で も やる の か ? 」と 言った 。 「文化祭 が 近い んです 」と 声 が した 。 メガネ を かけた 、女 学生 が 立って いる 。 「君 は ? 」 「 文化 祭 の 委員 長 を して いる 水口 と いいます 」 「 水口 君 か 」 なかなか しっかり した 、 優等 生 タイプ である 。 「三日 に は 、ここ で コンサート を やらなくてはならない んです 」と 、水口 恭子 は 言った 。 「二日目 から は 演劇部 の 公演 も あります 。 ここ は 使える でしょう か ? 」「そう だ ねえ ……。 たぶん 大丈夫 だ と 思う よ 。 よく 上司 に 言って おこう 」「よろしく お 願い します 」と 、水口 恭子 は 頭 を 下げた 。 「君 も 現場 に 居合せた んだった ね ? 」「はい 」「じゃ 、その とき の こと を 聞こう か 」国友 は 、水口 恭子 を 促して 、現場 を 離れた 。 講堂 は 、他の 建物 から は 少し 離れて いる 。 いや 、講堂 が 古い まま に 、 取り残さ れた 、と 言った 方が いい の かも しれない 。 外 に 出る と 、警官 の 姿 に 、何事 か と 学生 たち が 集まって 来て いた 。 水口 恭子 は 、国友 を 、学生 部 の 建物 の 方 へ と 案内 して 行った 。 「──死体 を 見付けた の は 、君 ? 」と 、歩き ながら 、国友 は 訊いた 。 「いいえ 」水口 恭子 は 首 を 振って 、「佐々本 さん です 」「佐々本 ? 」 「 ええ 。 びっくり し ました 」「そりゃ そう だろう 。 死体 を 見付けりゃ 、びっくり する さ 」「いえ 、そう じゃ ない んです 。 佐々 本 さん 、 とても 大人 しく て 、 気 の 弱 そうな人 な のに 、 死体 を 見付けて も 、 全然 あわて ないで 、 落ちつき払って ……。 感心 しちゃ い ました 」なるほど 、と 国友 は 思った 。 綾子 なら 、そう かも しれ ない 。 もっとも 、それ は 落ちついて いる と いう の と は 、ちょっと 違う が ……。 「失礼 ねえ 。 落ちついて る って 、みんな 感心 して たんだ よ 」「それ は 綾子 姉ちゃん の こと 、知ら ない から だよ 」珠美 が 言った 。 「ご飯 の おかわり やら ない よ ! 」「わ っ 、ごめん ごめん ! 」──夕食 の 席 は いつ に なく 重苦しく ──は なかった 。 殺人 事件 が あろう と も 、お腹 は 空く のである 。 もちろん 死体 は 除いて の 話 だ が 。 「でも 、国友 さん が 担当 して くれて 、良かった わ 」と 、綾子 は 言った 。 「怖い 人 に 、怒鳴られる ように 訊問 さ れたら 、何も 答えられなく なっちゃう 」「そんな こと より 、せっかくの コンサート が 中止 なんて こと 、ない でしょうね 」「それ は 大丈夫 みたい 。 もう 明日 から 準備 に かかって いい って 言ってた わ 」「そう じゃ なくて 、マネージャー が 死んじゃった から 、神山田 タカシ が 来ない んじゃないかって こと 」「ああ 、そう ね 。 訊 いて み なかった わ 」 「 頼りない 幹事 ね 」 と 、 夕 里子 は 苦笑 した 。 しかし 、国友 も 、その辺 は 気 を つかって くれる だろう 。 「それ を 逆手 に 取りゃ いい んだ よ 」と 、珠美 が 言った 。 「どういう こと ? 」「おたく の マネージャー が 学校 内 で 殺さ れて 、とても 迷惑 してる 。 本来 なら 中止 に する ところ だが 、学生 の 間 で 、ぜひ やって ほしい との 声 が ある ので 、慎重に 討議 の 結果 、開催 を 許可 する こと と した 。 その代り 、出演 料 など は 一切 お払い でき ませ ん 。 ──こう やる の よ 」「は は あ ……」綾子 も 夕里子 も 呆気 に 取られている 。 これ で なきゃ 、お金 は 貯まらない の かもしれない 、と 夕里子 は 思った 。 「──でも 、どうして マネージャー が 、そんな 所 で 殺さ れた の かしら ? 」と 、夕里子 は 言った 。 「大学 に 来た の は 初めて でしょ ? 」「と 思う けど ……。 人違い かも ね 」「人違い で 殴り殺す の ? 」「それ が 、人 の 頭 と 思わなかった 、とか ……」綾子 も 、さすがに 、「──ちょっと 無理 ね 、それは 」「そのとき は 、誰 が いた の ? 」「講堂 に 行った の は 、水口 さん と 石原 茂子 さん と 、私 。 それ に 死んだ 人 の 四人 よ 」「マネージャー 、黒木 って いった わ ね 」「そんな 名前 だった わ 」「その 人 が 、舞台 を 見て た わけ ね 」「うん 。 どんな 装置 が ある か 、広さ は どう か 、裏手 は どんな 風 か ……。 色々 、調べて おかない と 、本番 の とき 、困る んだ って 」「一人 で いた の ? 」「一 人 で 見る って 言って 、上って 行った の よ 、ステージ の 上 に 。 ──それ で 、なかなか 出て 来ない の 。 水口 さん は 、電話 を かけなきゃ いけない 、って 出て行って 、茂子 さん が 、恋人 を 待たせてる んで 、少し 遅れる って 連絡 しに 行った の 」「じゃ 、お姉さん が 一人 で 残った わけ ? 」 「 うん 。 でも 、いくら 待って も 、あの 黒木 って 人 、出て 来ない の 」「それ で 見に 行ったら 、死んで た 、って わけ ね 」「うん 。 ──可哀そう だった わ 。 きっと 痛かった でしょう ね 」「じゃ 、綾子 姉ちゃん が 一番 の 容疑者 だ 」と 、珠美 が アッサリ と言った 。 「変な こと 言わ ないで よ 」綾子 が 渋い 顔 に なった 。 「──玄関 に 誰 か 来てる 」と 、夕里子 が チャイム を 聞きつけて 言った 。 夕 里子 は インタホン の 受話器 を とった 。 「 はい 。 ──はい 、ちょっと お 待ち 下さい 」「誰 ? 」「お姉さん に 、だって 。

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