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三姉妹探偵団 1, 三姉妹探偵団01 chapter 08 (2)

三 姉妹 探偵 団 01chapter08(2)

珠美 は たちまち スパゲッティ を 平らげる と 、更に サンドイッチ を ペロリ 。

「病院 の 食事 じゃ 、餓死 しちゃう 」

「昨日 一晩 じゃ ない の 。

呆れた ! 多少 落ち着いて から 、夕里子 は 珠美 に 、片瀬 紀子 が 殺さ れた 事件 と 、今日 の 地下街 での 事件 を 話して やった 。

「 へえ !

じゃ 本当 な の ね 」

「あんた 、姉 を 信用 でき ない の ?

「私 が 信じる の は お金 だけ よ 」

こういう こと を 真面目に 言って いる ところ が 怖い のである 。

「で 、お姉ちゃん 、大丈夫 だった の ? 「この 通り 生きて る わ よ 」

「そう じゃ なくて 、さ 。

三 人 に 犯さ れ なかった ? 処女膜 再生 手術 って 高い の よ 、保険 きかない から 」

「ひっぱ たく ぞ 、もう !

と 夕里子 は 拳 を 振り上げた 。

「殴ったら 、お金 やら ない !

何しろ 大蔵 大臣 は 強い 。

夕 里子 は 渋々 拳 を おろした 。 珠美 は 鞄 を 開ける と 、

「じゃ 、まあ 事実 と 認めて 、千円 ほど 出し ましょう か 」

「 ケチ !

五千 円 に して よ 」

二人 は 、やや はた目 に は 見 っと も ない 交渉 を 続けて 、やっと 三千 円 で 手 を 打った 。

「それ で ね 、珠美 。

あんた に お 願い が ある んだ けど 」

「いくら くれる ?

夕 里子 は 無視 して 、

「ちょっと お 姉さん の 様子 が おかしい の よ ね 。

よく 見て て ほしい の 」

「新入 社員 の 五 月 病 じゃ ない ?

「そんな ん じゃ ない の よ 。

どうも ……安東 先生 に 熱 を 上げてる みたいな の 」

珠美 は 目 を 丸く して 、

「綾子 姉さん が ?

まさか !

と 笑い 出した 。

「冗談 じゃ ない の よ 。

どうも 変な の 。 安東 先生 て 、評判 どう ? 「安東 ねえ 。

悪く ない よ 。 だって 、親切 だし ね 、頼りがい ある し さ 。 うち の クラス だって 、二月 十四日 に ゃ バレンタイン ・チョコ 贈った の 、何人 か いた もん 」

「あんた は ?

「 馬鹿らしい !

女 は もらう の が 役目 よ 」

珠美 の 哲学 である 。

「そう ね 、安東 先生 と いえば 、結構 人気 は ある な 。 姉さん が 勝手に ポーッ と なって も 、別に いい じゃ ない 。 お 金 かかる わけで なし 」

「それ なら いい の よ 。

でも 、安東 先生 の 態度 も 気 に なる の 」

「 まさか !

奥さん 一緒に いる の よ 」

「でも 、帰り 遅い でしょ 」

「そう ねえ ……」

珠美 は ちょっと 考え込んで 、「まあ 、この ところ 、全然 夜 の 生活 は ない みたい ね 」

「あんた 、どうして そんな こと 分る の ?

「だって 、安東 の いびき が 聞こえる んだ もん 。

寝たら 即 、いびき よ 。 奥さん と 愛し合って たら 、いびき かけ ない じゃない 」

「あんた たち に 遠慮 して んじゃ ない の 」

「 まさか !

我慢 して られる もん じゃ ない わ よ 、男 なんて 」

どっち が 年上 か 分らない 。

「ともかく 、先生 と お姉さん の 様子 、よく 見てて 。

いい わ ね ? これ 、あんた の 役目 よ 」

「私 、只 の 仕事 って 嫌い な んだ けど ……」

珠美 は 夕里子 の にらみつける 目 に 押さ れて 、「まあ 、今回 は 我慢 する わ 」

と 言った 。

「当り前 でしょ 。

私 が こんな ひどい 目 に 遭って る んだ から 」

「殺人 が 二 つ 、文書 偽造 、窃盗 、婦女 暴行 か 。

だいぶ 賑やかに なって 来た わ ね 」

「暴行 未遂 」

と 、夕里子 が 訂正 する 。

「は いはい 。

──あ 、そう か ! と 、珠美 が ハッと した 。

「大変 だ ! 「どうした の ?

「片瀬 さん の 奥さん 、亡くなった んでしょ ?

お 葬式 出す の よ ね 、きっと ? 「そりゃ そう よ 」

「お香典 、いくら に する ?

夕 里子 は 、しっかり し すぎた 妹 も 困った もん だ 、と 思った 。

夕 里子 と 珠美 は 顔 を 見合わせた 。

やっぱり おかしい 、と 肯き 合う 。

「や あ 、済まん なあ 」

茶の間 へ 入って 来る と 、安東 が 言った 。

「家庭 料理 の 味 なんか 、久しぶり だ 」

「ちょっと 失礼 」

夕 里子 は 立ち上って 、台所 へ 入って 行った 。

「 姉さん !

気 でも 違った の ? と 声 を 低めて 、「カマボコ 切る のだ って 下手くそな くせに !

「いい の よ 。

出来て る の 買って 来た んだ もの 」

と 綾子 は 、デパート の 食料品 売場 の 袋 から 、おかず を 皿 へ 移し ながら 言った 。

夕 里子 は 胸 を 撫でおろした 。

どんな ひどい もの を 食べ させ られる か と 、気 が 気 で なかった のだ 。

「でも 、先生 、家庭 料理 だ と 思ってる わ よ 」

「いい の よ 。

〈 家庭 の 味 〉って コーナー で 買って 来た ん だ から 」

夕里子 は 、どうして 、こう も 我が 姉妹 の 発想 は 人間離れ して いる の か 、と 思った 。

「だけど 、そのまま じゃ だめ よ !

私 に かして 、いくら 何でも 、温め なきゃ 」

「 悪い わ ね 。

お 魚 なんか 、火 に かけたら 、真っ黒 に なり そうで ……」

「任せ と いて 。

お 姉さん 、お湯 でも 沸かし なさい よ 」

「 うん 。

それ 得意な の 」

と 、綾子 は 嬉し そうに 言った 。

「── 旨 い !

大した もん じゃ ない か 」

と 、食べ ながら 、安東 は しきりに 感心 する 。

「これ なら 、いつでも 嫁 に 行ける ぞ 」

綾子 が 、すっかり 頰 を 上気 させて 、ご飯 の おかわり など を よそっている 。

あんな こと した こと ない くせに 。

夕 里子 は 呆れて 物 も 言え なかった 。

「どう だ 、犯人 捜し は 進んどる の か ?

と 、安東 が 言った 。

「あ 、そうだ 。

忘れて た わ 」

と 、綾子 が 言った 。

「どうした の ?

「あの ね 、今日 会社 で 神田さん が 話して くれた の 」

「神田 さん って ……水口 淳子 と 親しかった って 人 ね 」

「 そう 。

ホテル で ね 、水口 淳子 と 一緒の 男性 を 見た こと ある んです って 」

夕 里子 は 、耳 を 疑って いた 。

「 一緒に いた 男 」 を 見た ……。

「じゃ 、犯人 を 見た の ?

「分 ん ない の 。

後ろ姿 だった らしい の よ 。 でも 聞いて みる と パパ じゃ ない の 。 全然 違う 感じ だった わ 」

「それ 以外 に 何 か ?

「 うん 。

ええ と ……何 だった か な 。 あ 、そうだ 。

つい この 間 、また その ホテル へ ね 、神田 さん 行った らしい 。 年中 行って る らしい んだ けど 。 そこ で 同じ 男らしい の を 見た んです って 」

夕 里子 は 、しばし ポカン と していた 。

そんな 凄い 情報 を 、忘れて た 、です って ? ──さすが に 夕里子 も 頭 へ 来て 、怒鳴ろう と した が 、そこ は 安東 の 前 で 、ぐっと こらえる 。

「それ は すぐ 警察 へ 知らせた 方 が いい わ 」

夕 里子 は 立ち上って 、「先生 、お 電話 を お借り し ます 」

「ああ 、いい と も 」

夕 里子 が 、茶の間 の 襖 を ガラリ と 開ける と 、目の前 に 安東 岐子 が 立って いて 、思わず 、

「 キャッ !

と 声 を 上げて しまった 。

「 お 、 お 帰り なさい ……」

「何 だ 岐子 、帰って た の か 」

と 、安東 が 言った 。

「気 が 付か なかった ぞ 。 早い じゃ ない か 。 さ 、食べろ よ 。 綾子 君 が 作って くれた 。 なかなか いける ぞ 」

安東 岐子 は 、青ざめた 顔 を こわばらせて 、茶の間 へ 入って 来た 。

何となく 、誰 も 動け なくて 、そのまま じっと 、息 を 殺して いた 。

「──何 だ 。

どうした ? と 、安東 が 言った 。

「そんなに この 女の子 の 料理 が 気に入った の なら 、この 子 と 結婚 なさったら いかがですか ?

と 、岐子 は 鋭い 声 で 言った 。

「おい 、妙な こと を 言う な よ 」

安東 は 顔 を しかめた 。

「綾子 君 は 、ただ 好意 で ──」

「私 が 何も 知ら ない と 思って る んです か !

岐子 が 叫んだ 。

綾子 は 怯えて 身 を 縮めた 。

「住む 家 が ない と いう から 面倒 を みて やって いる のに 、主人 に 色目 を 使う なんて …… 」

岐子 は 、綾子 を にらみつける と 、「この 泥棒 猫 !

と 言う なり 、平手 で 綾子 の 頰 を 打った 。

「私 ……何も ……」

綾子 が ワッ と 泣き出す 。

「 おい !

何て こと を する んだ ! 安東 が 腰 を 浮かした 。

「あなた は 黙って なさい !

岐子 が 金切り声 を 上げる 。

「こんな 子供 の どこ が いい の ! どうせ 男 の 学生 と すぐ 寝る 不良に 決ってる じゃ ありません か ! 「ひどい わ 、そんな ──」

綾子 が 泣きじゃくり ながら 言った 。

「私 ……何も やましい こと なんか あり ません ! 「そう だ と も 。

お前 の 邪推 と いう もん だ 、それ は 」

「だったら 、もう この 家 を 出て 行けば いい じゃないの !

いつまでも 図々しく 居座って 。 私 の 帰り が 遅い の を いい こと に して 、何 やってる か 知れた もん じゃない ! 夕 里子 は 、やっと 我 に 返って 、

「お姉さん 、ああ 言われてる んだ から 、出て行こう よ 」

と 、綾子 の 肩 に 手 を かけた 。

「 でも ……」

「ね 、今夜 一晩 ぐらい 、敦子 の 所 で 泊めて くれる わ よ 」

綾子 が 、安東 の 方 を 涙 に 濡れた 目 で 見た 。

安東 は 何 か 言い た げ に 口 を 開き かけた が 、岐子 の 険しい 目 に 出くわして 、そのまま 黙って しまった 。

「さあ 、持って行く もの が あったら 取って 来て 」

夕 里子 は 綾子 を 支えて 立たせ 、「珠美 、あんた も よ 」

「私 も かな 、やっぱり 」

「当り前 でしょ 」

珠美 が 肩 を すくめて 立ち上る 。

綾子 と 珠美 が 奥 の 部屋 へ 入って 行く と 、夕里子 は 、そこ に 正座 して 、

「どうも 長い 間 、姉 と 妹 が お世話に なって しまって 、申し訳 ありませ ん でした 」

と 頭 を 下げた 。

「 いや 。

教育 者 と して 当然の こと さ 」

と 、安東 は 言った 。

「何の 教育 を して いる の か ……」

と 岐子 が 、わざとらしく そっぽ を 向いて 言う 。

「つい 、ご 好意 に 甘えて しまって 、色々 不愉快な こと も あった と 思い ます 。

どう か 、許して 下さい 」

夕 里子 は 立ち上る と 、奥 から 出て 来た 綾子 と 珠美 を 玄関 の 方 へ 押しやった 。

表 に 出る と 、珠美 が フーッ と 息 を 吐いて 、

「凄い ねえ 、中年 女 の 嫉妬 って 」

と 言った 。

綾子 が 、立ち止って 、じっと 安東 の 家 を 振り返って いる 。

「 お 姉さん 」

と 、夕里子 は 促した 。

「 うん ……」

綾子 は 、また グスン と すすり 上げる と 、力なく 歩き 出した 。

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