ぶんぶく 茶釜
昔々 、ある お寺 に おしょうさん が 住んで いました 。 ある 日 、おしょうさん は 見事な 茶釜 を 手に入れて 喜んで いました 。
「こりゃ いい もの を 見つけた 。 じつに いい 形 を し とる 。」
おしょう さん は 、茶釜 を 床の間 に 置いて 、毎日 大事に 眺めて いました 。
ある 日 の こと 、茶釜 を 眺めて いた おしょうさん は 「そう じゃ 、ながめて いて ばかり でも もったいない 。」 「こんな すばらしい 茶釜 の 茶 は どんなに おいしい ん じゃろう 。 さっそく お茶 を いれて みよう 。」
おしょう さん は 茶釜 に 水 を いれ 、火 に かけました 。 茶釜 は だんだん 熱く なって きます 。
ぶん ぶ く ぶん ぶ く 、 ぶん ぶ く ぶん ぶ く 。
もぞもぞ 、もぞもぞっと なに か 動いた か と 思う と 「あ ちち !あつい 、あつい !」と 茶釜 が 叫び だし 、茶釜 から タヌキ の しっぽ が 出てきました 。
「たいへんだ 茶釜 から しっぽ が で た わ い 。」
すぐに しっぽ は 引っ込みました が 、おしょうさん は 気味 が 悪く なり 、ふる 道具屋 の 男 へ 茶釜 を 売る こと に しました 。 ふる 道具 屋 の 男 は 、 良い 茶釜 が 手 に 入り 喜びました 。
「こんな 良い 茶釜 なら きっと 高く 売れる ぞ 、明日 街 に 売り に 行こう 。」
古 道具屋 の 男 は そう 思いました 。 その 日 の 夜 、どこ から とも なく 声 が 聞こえて きます 。
「 すみません 、 すみません 。 僕 は 茶釜 に 化けた タヌキ です 。 茶釜 の 中 で 寝てた ところ を おしょうさん に 持っていかれた ので 、茶釜 に 化けていた のです 。」
古 道具屋 の 男 は 驚いた ものの 、タヌキ の 話 を 聞いて いました 。
「どうか 、僕 を 売ら ないで ください 。僕 が 芸 を する ので 、見せ物 に して もらえれば 、きっと たくさん お金 が もらえます 。」
と タヌキ が いう ので 、次の 日 、男 は さっそく 街 に 出かけ 、タヌキ の 茶釜 の 見世物小屋 を 始めました 。
「さあ さ 、よって らっしゃい 、みて らっしゃい 、世にも 珍しい ぶんぶく 茶釜 が 綱渡り を する よ 。」 と 男 が いう と 、タヌキ は 踊り ながら つな を わたしました 。
「おお お みごと !日本 一 の たぬき だ 。」
「 すごい 、 すごい 。」
それ を 見た お客さん は 大喜び 。 それ から この 見せ物小屋 に は 毎日 たくさんの お客さん が 集まりました 。
こうして 男 と タヌキ は 幸せに 暮らしました 。
おしまい 。