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【怪談朗読】神社にまつわる怖い話・12話つめあわせ【女性朗読】Ghost stories read aloud, 10.鳥居 と 小屋

10.鳥居 と 小屋

鳥居 と 小屋

夏休み 友人達 と 肝試し に 行って きた 社会人 3 年目 の 男 3 人 と いう ある 意味 で 痛々しい メンバー だった が

後にも先にも これ 以上 は ない と 断言 できる くらい 恐ろしい 場所 だった そこ は 何処 に でも ありそうな 小さな 神社

いや 祠 と 言った 方 が 正しい かもしれない その 県 でば 有名な 心霊 スポット らしく

地元 の 連中 で さえ うかつ に 近づく こと は ない らしい 人気 の ない 山道 を 進んで いく と 道の脇 に 小さな コンクリート の 鳥居 か 見えて くる

と ネット の 口コミ で 前情報 を 得て いた ので その 場所 は あっさり と 見つける こと が でき た

目的地 に 着いた とき に は すでに 友人 の ショウ は 半泣き 状態 で 「俺 ここ で 待って る」

と 言って 入り口 の 鳥居 を くぐろう と も しなかった 仕方なく 俺 と テツヤ の 2人 だけ で 階段 を 降りる こと に した

鳥居 を くぐって 階段 を 下りて いく と 赤い 頭巾 を かぶった お地蔵さん が 佇んで おり

さらに 下 へ と 降りる と 6 畳 程度 の 木製 の 小屋 が あって その 中 に は 段ボール 箱 やら 祭具 やら が あちこち 散らかって いた

その また 更に 奥 の 方 へ 降りて いく と 結構 綺麗な 滝 が あって そこ に も 2 畳 程度 の ちっぽけな 小屋 が 立って いた

掲示板 の 口コミ に も あった 罪人 の 首 を 切った と いう 青銅 の 剣 は 滝 の すぐ 近く に 突き刺さって おり

すっかり 錆びて いた けど 何となく 触れる の は ヤバイ と 思って せめても の 記念 と いう こと で テツヤ と 2 人

携帯 で 写真 を 撮ったり ムービー を 撮ったり して いた その 時 突然 テツヤ が 携帯 を 見 ながら

「なんだ これ」 と 驚いた 声 を 上げた 心霊 写真 でも 取れた の か と 思って テツヤ の 携帯 を 覗き込んだ

そこ に は 流れ落ちる 滝 の 水 と 錆び ついた 青銅 の 剣 が 映って いる だけ これ の どこ が 変な の と テツヤ に 聞く と

「滝 の 水 なんで こんなに どす黒く なって んだ?」

携帯 の ムービー の 画質 なんて たか が 知れて いる だが ムービ に 映って いた 滝 の 水 が みるみる うち に 墨汁 みたいに 真っ黒い 液体 に 変わって

いく の が はっきり と 見て取れた 「なんだ これ? 気持ち 悪い」

など と テツヤ は ブツブツ 言い ながら 映像 を 削除 して いた まさか な と 思い つつ 俺 は 自分 の 携帯 の データフォルダ の サムネイル を 表示 した

入口 の 鳥居 の ところ から 写真 を 撮って いた のだ が 信じられない こと に 撮った 写真 の すべて に どす黒い

煙 の ような もの が 写って いた 特に 今先 滝 の 近く で テツヤ を 取った ばかりの 写真 は おぞましく

テツヤ の 顔面 と 両腕 しか 映って い なかった それ ら を 除いた 部分 は 全て 真っ黒に 塗りつぶさ れて いる みたいだった

「これ は ヤバイ だ ろ、 戻ろう ぜ」

あまりに 異様な 状況 に 戦慄 を 覚え 一刻 も 早く 車 に 戻る 為 階段 を 駆け上がった

階段 を 登って いる 途中 上 の 方 から 妙な 音 が 聞こえて きた

「ごっ ごっ ごっ」 何か が 何か と ぶつかり合う 音

ぎょっと しながら 不気味な 音 の 方 に 向かう と そこ は 例の 小屋 だった 6 畳 ほど の 小屋 の 中 に は 上 で 待って いる と 言った はずの ショウ が いた

あろう こと か ショウ は 直立 した まま 自分 の 頭 を 小屋 の 壁 に 打ち付けて いた 「ショウ 何 やって んだ よ? 早く 来い!」

ショウ の 手 を 引っ張って 無我夢中 で 階段 を ダッシュ で 上がり 走行 で 車 の エンジン を 入れて その 場 を 離れた

「おい、ショウ、 大丈夫 か? お前 何 やって た の? 上 で 待って る って 言った じゃん」 「だって、 おーいー から」

「お前ら おーいー し、 いたい から」 「え? 意味 わかんねー、 意味 わかんねー よ」

「本当に 大丈夫 か?」

俺 は 運転手 だった から うろ覚え だ けど 後部 座席 で テツヤ と ショウ が

こんな やり取り を して いた の は 記憶 して いる ショウ の 口 から は 何度 も 「おーいー

痛い」 と いう 言葉 が 出て きた。 ショウ は 体育 会系 で 下ネタ や くだらない ジョーク が 好きな やつ だ けど

この 時 は なぜ か しゃべる 内容 ばかり か 口調 まで どこ が おかしくて テツヤ は しきりに

ショウ の 体調 を 心配 して いた。 その後 国道 沿い の ガソリン スタンド で 燃料 を 補給 して から コンビニ で 飲み物 を 買おう と

いう 話 に なった コンビニ の 駐車場 で 車 を 降りた 途端 いきなり ショウ が

げーげー 吐き出した、 なんという か 普通の 吐き方 じゃ なかった

両手 の 指 を 口 の 中 に 突っ込んで 涙 とか 鼻水、 涎 とかも 垂れ流し で 吐瀉物 は ぼたぼた 落ち 続けて いた

とりあえず コンビニ で 水 を 買って ショウ に 飲ま せた

ショウ は 水 を 飲む と だいぶ 落ち着いた ようで さっき ほど の こと を 話し 始めた

ショウ の 口調 は いつも 通り に 戻って いた。 ショウ が いうには

コンクリート の 鳥居 を くぐった テツヤ と 俺 の 後ろ に もう 一組 二人 の 男 が いた

その 2人組 は 地蔵 の 近く に ある 小屋 に 入って それっきり 出て こなかった、 しばらく して から 小屋 の 中 から 「痛い! 痛い!」 と 悲鳴 の ような 声 が 聞こえて きた

で 気 が つけば、 ショウ は 小屋 の 中 に いた らしい。 テツヤ も 俺 も ショウ が これ だけ 冷静に あの 時 の 様子 を 見て いた こと に 驚いた が

写真 や ムービー に 映って いた 黒い 煙 や 黒い 滝 に ついて は 全く 心当たり が ない そう だった かく言う 俺ら も 後ろ に 二人 の 男 が いた こと や

「痛い! 痛い!」 と いう 悲鳴 に は 全く 心当たり が なかった。 結局 何も 分から ない まま だった けど、 あの 場所 に は 二度と 行く まい と 誓った

写真 に 写った 黒い 滝、 黒い 煙、 ショウ が 見た と いう 二人 の 男 は 一体 何 だった の か

謎 と 恐怖 だけ が 残った。

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