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昔話、日本語。, 彦一 さん の 不思議な 箱

彦一 さん の 不思議な 箱

むかし 、 むかし 、 彦一 さん と 言う とても 賢い 若者 が 住んで いました 。彦一 さん の 住んで いる 村 に は 、 お 金持ち の 庄屋 さん が 住んでいました 。 ある 日 、 庄屋 さん が 家 に 戻って くる と 、 大事に して いた つぼ が 割れて いました 。 家 で 働いて いる 誰か が 割った に 違いない のです が 、 誰 に 聞いて も 「 私 では ありません 。」と 言います 。 犯人 が わから ない 庄屋 さん は 、 彦一 さん に 相談 しました 。 する と 、 彦一 さん は 、「 わかりました 。 私 が 犯人 を 見つけましょう 。」 しばらく する と 、 彦一 さん は 、 神社 の 神主 さん を 連れて 庄屋 さん の 家 に やってきました 。 手 に は 古ぼけた 箱 を 持って います 。 そして 、 庄屋 ん の 家 で 働 く 人 を 全員 集めて 、 みんな の 前 で こう 言いました 。 「 この 箱 は 、 この 神社 に 古く から 伝わる 不思議な 箱 です 。 この 箱 に 自分 の 名前 を 書いた 紙 を 入れて くださ い 。 神主 ん が 祝詞 を 唱える と 、 紙 に 書かれた 名前 は みんな 消えて しまいます が 、 悪い こと を した 人 の 名前 だけ は 消え ず に 残ります 。」

そこ に いた みんな が 、 紙 に 自分 の 名前 を 書いて 箱 に 入れる と 、 彦一 かん は 、 神主 さん に 祝詞 を 唱えて もらいました 。 そして 、 箱 を 開けて 、 中 の 紙 を 見て みる と 、 名前 の 書いて ある 紙 は そのまま で 、 たった 一 枚 名前 の 書いて ない 紙 が 入っていました 。 庄屋 さん は 、「 これ は 、 どうした こと だ ? みんな が 犯人 で 、 一 人 だけ は 違う と いう こと です か ? 」 と 、 彦一 さん に たずねる と 、 彦一 さん は 、 首 を 振って こう 答えました 。 「 実は 、 この 箱 は なんでもない 箱 で 、 不思議な 箱 では ありません 。 つぼ を 割って しまった 犯人 が 、 自分 の 名前 だけ は 消え ない と 思い 、 初め から 名前 を 書か ないで 箱 に 入れた の です 。」

そこ で 、 一人一人 調べて いく と 、 名前 を 書か なかった の は 、 平吉 と いう 人 だ と わかりました 。 平吉 は 、「 すみません 。 私 が つぼ を 割りました 。 許して ください 。」 と 、 庄屋 さん に 謝った と いう こと です 。

おしまい 。

彦一 さん の 不思議な 箱 ひこいち|||ふしぎな|はこ Hikokazus geheimnisvolle Schachtel Hikokazu's mysterious box La scatola dei misteri di Hikokazu 히코이치의 신비한 상자 Hikokazu's mysterieuze doos A Caixa Misteriosa de Hikokazu Таинственная коробка Хикокадзу 彦一的神秘盒子

むかし 、 むかし 、 彦一 さん と 言う とても 賢い 若者 が 住んで いました 。彦一 さん の 住んで いる 村 に は 、 お 金持ち の 庄屋 さん が 住んでいました 。 ある 日 、 庄屋 さん が 家 に 戻って くる と 、 大事に して いた つぼ が 割れて いました 。 家 で 働いて いる 誰か が 割った に 違いない のです が 、 誰 に 聞いて も 「 私 では ありません 。」と 言います 。 犯人 が わから ない 庄屋 さん は 、 彦一 さん に 相談 しました 。 する と 、 彦一 さん は 、「 わかりました 。 私 が 犯人 を 見つけましょう 。」 しばらく する と 、 彦一 さん は 、 神社 の 神主 さん を 連れて 庄屋 さん の 家 に やってきました 。 ||ひこいち|||いう||かしこい|わかもの||すんで|い ました|ひこいち|||すんで||むら||||かねもち||しょうや|||すんで い ました||ひ|しょうや|||いえ||もどって|||だいじに|||||われて|い ました|いえ||はたらいて||だれ か||わった||ちがいない|||だれ||きいて||わたくし||あり ませ ん||いい ます|はんにん||||しょうや|||ひこいち|||そうだん|し ました|||ひこいち|||わかり ました|わたくし||はんにん||みつけ ましょう||||ひこいち|||じんじゃ||かんぬし|||つれて|しょうや|||いえ||やってき ました Once upon a time, there lived a very smart young man named Hikoichi. In the village where Mr. Hikoichi lives, a rich man, Mr. Shoya, lived. One day, when Mr. Shoya returned home, the acupuncture points he had cherished were broken. It must have been broken by someone working at home, but no matter who I ask, he says, "I'm not." Mr. Shoya, who does not know the criminal, consulted with Mr. Hikoichi. Then, Hikoichi said, "OK. I will find the criminal." After a while, Hikoichi came to Shoya's house with the priest of the shrine. 手 に は 古ぼけた 箱 を 持って います 。 て|||ふるぼけた|はこ||もって|い ます I have an old box in my hand. そして 、 庄屋 ん の 家 で 働 く 人 を 全員 集めて 、 みんな の 前 で こう 言いました 。 |しょうや|||いえ||はたら||じん||ぜんいん|あつめて|||ぜん|||いい ました Then he gathered all the people who worked at Shoya's house and said in front of them. 「 この 箱 は 、 この 神社 に 古く から 伝わる 不思議な 箱 です 。 |はこ|||じんじゃ||ふるく||つたわる|ふしぎな|はこ| "This box is a mysterious box that has been passed down from ancient times to this shrine. この 箱 に 自分 の 名前 を 書いた 紙 を 入れて くださ い 。 |はこ||じぶん||なまえ||かいた|かみ||いれて|| Please put a piece of paper with your name in this box. 神主 ん が 祝詞 を 唱える と 、 紙 に 書かれた 名前 は みんな 消えて しまいます が 、 悪い こと を した 人 の 名前 だけ は 消え ず に 残ります 。」 かんぬし|||のりと||となえる||かみ||かか れた|なまえ|||きえて|しまい ます||わるい||||じん||なまえ|||きえ|||のこり ます When the priest sings the congratulatory words, all the names written on the paper disappear, but only the name of the person who did the wrong thing remains. "

そこ に いた みんな が 、 紙 に 自分 の 名前 を 書いて 箱 に 入れる と 、 彦一 かん は 、 神主 さん に 祝詞 を 唱えて もらいました 。 |||||かみ||じぶん||なまえ||かいて|はこ||いれる||ひこいち|||かんぬし|||のりと||となえて|もらい ました When everyone there wrote their name on a piece of paper and put it in the box, Hikoichi Kan asked the priest to sing a congratulatory message. そして 、 箱 を 開けて 、 中 の 紙 を 見て みる と 、 名前 の 書いて ある 紙 は そのまま で 、 たった 一 枚 名前 の 書いて ない 紙 が 入っていました 。 |はこ||あけて|なか||かみ||みて|||なまえ||かいて||かみ|||||ひと|まい|なまえ||かいて||かみ||はいって い ました Then, when I opened the box and looked at the paper inside, I found that the paper with the name on it was the same, and there was only one piece of paper without the name on it. 庄屋 さん は 、「 これ は 、 どうした こと だ ? しょうや||||||| Mr. Shoya asked, "What's wrong with this? みんな が 犯人 で 、 一 人 だけ は 違う と いう こと です か ? ||はんにん||ひと|じん|||ちがう||||| Does that mean that everyone is the culprit and only one is different? 」 と 、 彦一 さん に たずねる と 、 彦一 さん は 、 首 を 振って こう 答えました 。 |ひこいち|||||ひこいち|||くび||ふって||こたえ ました When I asked Mr. Hikoichi, he shook his head and replied: 「 実は 、 この 箱 は なんでもない 箱 で 、 不思議な 箱 では ありません 。 じつは||はこ|||はこ||ふしぎな|はこ||あり ませ ん "Actually, this box is nothing, not a mysterious box. つぼ を 割って しまった 犯人 が 、 自分 の 名前 だけ は 消え ない と 思い 、 初め から 名前 を 書か ないで 箱 に 入れた の です 。」 ||わって||はんにん||じぶん||なまえ|||きえ|||おもい|はじめ||なまえ||かか||はこ||いれた|| The criminal who broke the acupoint thought that only his name would not disappear, so he put it in the box without writing the name from the beginning. "

そこ で 、 一人一人 調べて いく と 、 名前 を 書か なかった の は 、 平吉 と いう 人 だ と わかりました 。 ||ひとりひとり|しらべて|||なまえ||かか||||へいきち|||じん|||わかり ました When I looked it up one by one, I found that the person who didn't write the name was Heikichi. 平吉 は 、「 すみません 。 へいきち|| Heikichi said, "I'm sorry. 私 が つぼ を 割りました 。 わたくし||||わり ました I broke the pot. 許して ください 。」 ゆるして| please forgive me . " と 、 庄屋 さん に 謝った と いう こと です 。 |しょうや|||あやまった|||| I apologize to Mr. Shoya.

おしまい 。 The end.