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昔話、日本語。, Hikoichi and the Living Umbrella

Hikoichi and the Living Umbrella

昔 、 昔 ある ところ に 、 彦一 さん と いう 人 が いました 彦一 さん は 遊んで ばかりで 、 全然 働きません でした 。 その うち 、 すっかり お 金 が なくなって しまいました 。 「 もう 食べる もの を 買う お 金 も ない な 。 どう しよう 。」 彦一 さん は 、「 傘 を 作って 売ろう ! 」 と 思いつき 、 傘 を 作る こと に しました 。 傘 屋 に なって も 、 そう 簡単に 傘 が 売れる わけ では ありません でした 。 「 なかなか 儲から ない な 、 どう しよ う 。 そう だ 、 看板 を 作ろう 。」 彦一 さん は 、 二 階 の 軒先 に 傘 を つるして 、 看板 に しました 。 この 傘 は 、 雨 が 降る と いつのまにか 傘 が 開き 、 晴れる と 傘 が 閉じて いる ので 、「 生きて いる 傘 だ ! ! 」 と 言って 、 町 の 人 たち の 間 で たいへん 評判 に なりました 。 おかげ で 彦一 さん は 傘 が 売れて 大 繁盛 しました 。 この 「 生きて いる 傘 」 の 評判 は 殿様 の ところ に も 及び 、 殿様 は その 傘 が ほしく なりました 。 さっそく 家来 を 彦一 さん の ところ に 行か せ 、「 その 生きて いる 傘 を ぜひ 譲って いただきたい 。」 と 伝えました 。 さあ 、 困った の は 彦一 さん です 。 実は 、 あの 傘 は 彦一 さん が 誰 に も 見られ ない ように こっそり と 晴れた 日 に は 閉じて 、 雨 の 日 に は 開いて いた ので し た 。 そこ で 、「 あの 傘 は たった 一 つ しか ない 家宝 な ので 、 殿様 と いえ ど 譲る わけ に は 参りません 。」 と 断りました 。 ところが 、 家来 は 「 お 金 は いくら で も 払います 。」 と 言った もの です から 、 彦一 さん は 大金 と 引き換え に 傘 を 売る こと に しました 傘 を 手 に した 殿様 は 大喜びで 、 傘 が いつ 開く か と 城 の 軒先 に 飾りました 。 雨 が いつ 降る か と 大変 楽しみに して いま した が 、 なかなか 雨 が 降りません 。 一 か月 ほど して 、 ようやく 雨 が 降りました 待ちに待った 殿様 は わくわく し ながら 傘 を 見ました が 、 傘 は 開きません 。 何 時間 待って も いっこうに 傘 が 開く 様子 は ありません でした 。 殿様 は すっかり 怒って しまい 、 彦一 さん を 呼び出しました 。 「 この 傘 は 雨 が 降る と 自分 で 開く と いう 生きた 傘 で は なかった か ? ぜ 、 雨 が 降って も 開か ぬ のじゃ ? 」 彦一 さん は 、「 それでは その 傘 を お 見せ ください 。」 殿様 の 家来 が 問題 の 傘 を 持ってきて 、 彦一 さん に 見せる と 、 彦一 さん は 顔色 を 変えて こう 言いました 。 「 これ は 大変だ 。 殿様 、 最後に この 傘 に 食べ物 を やった の は いつ です か ? 長い 間 、 なにも 食べて い なかった ようで 、 この 傘 は 死んで しまった のです 。」 殿様 は あっけにとられて なにも 言い 返せ なかった そうです 。

おしまい 。


Hikoichi and the Living Umbrella hikoichi|||living|umbrella Hikoichi und der lebende Regenschirm Hikoichi and the Living Umbrella Hikoichi e l'ombrello vivente Hikoichi en de levende paraplu Hikoichi e o guarda-chuva vivo Хикоити и живой зонтик 彦一与生命伞 彥一與生命傘

昔 、 昔 ある ところ に 、 彦一 さん と いう 人 が いました 彦一 さん は 遊んで ばかりで 、 全然 働きません でした 。 その うち 、 すっかり お 金 が なくなって しまいました 。 「 もう 食べる もの を 買う お 金 も ない な 。 どう しよう 。」 彦一 さん は 、「 傘 を 作って 売ろう ! 」 と 思いつき 、 傘 を 作る こと に しました 。 傘 屋 に なって も 、 そう 簡単に 傘 が 売れる わけ では ありません でした 。 「 なかなか 儲から ない な 、 どう しよ う 。 そう だ 、 看板 を 作ろう 。」 彦一 さん は 、 二 階 の 軒先 に 傘 を つるして 、 看板 に しました 。 むかし|むかし||||ひこいち||||じん||い ました|ひこいち|||あそんで||ぜんぜん|はたらき ませ ん||||||きむ|||しまい ました||たべる|||かう||きむ||||||ひこいち|||かさ||つくって|うろう||おもいつき|かさ||つくる|||し ました|かさ|や|||||かんたんに|かさ||うれる|||あり ませ ん|||もうから||||||||かんばん||つくろう|ひこいち|||ふた|かい||のきさき||かさ|||かんばん||し ました Es war einmal eine Person namens Hikoichi, die nur spielte und überhaupt nicht arbeitete. Unter ihnen ist mir das Geld ausgegangen. "Ich habe nicht mehr das Geld, um etwas zu essen zu kaufen. Was soll ich tun?" Hikoichi kam auf die Idee: "Lass uns einen Regenschirm machen und ihn verkaufen!" Selbst wenn Sie ein Regenschirmgeschäft wurden, war es nicht so einfach, Regenschirme zu verkaufen. Ja, lass uns ein Schild machen. “Hikoichi hängte einen Regenschirm an die Traufe im zweiten Stock und machte daraus ein Schild. Once upon a time, there was a person named Hikoichi, who was just playing and didn't work at all. Among them, I've run out of money. "I don't have the money to buy something to eat anymore. What should I do?" Hikoichi came up with the idea, "Let's make an umbrella and sell it!" And decided to make an umbrella. Even if you became an umbrella shop, it was not so easy to sell umbrellas. "It's not very profitable, what should I do? Yes, let's make a signboard." Hikoichi hung an umbrella on the eaves on the second floor and made it a signboard. この 傘 は 、 雨 が 降る と いつのまにか 傘 が 開き 、 晴れる と 傘 が 閉じて いる ので 、「 生きて いる 傘 だ ! |かさ||あめ||ふる|||かさ||あき|はれる||かさ||とじて|||いきて||かさ| This umbrella opens before you know it when it rains, and closes when it's sunny, so it's a "living umbrella!" ! 」 と 言って 、 町 の 人 たち の 間 で たいへん 評判 に なりました 。 |いって|まち||じん|||あいだ|||ひょうばん||なり ました !! It became very popular among the people in the town. おかげ で 彦一 さん は 傘 が 売れて 大 繁盛 しました 。 ||ひこいち|||かさ||うれて|だい|はんじょう|し ました Thanks to that, Mr. Hikoichi was very prosperous with the sale of umbrellas. この 「 生きて いる 傘 」 の 評判 は 殿様 の ところ に も 及び 、 殿様 は その 傘 が ほしく なりました 。 |いきて||かさ||ひょうばん||とのさま|||||および|とのさま|||かさ|||なり ました Der Ruf dieses "lebenden Regenschirms" hat sich auf den Herrn ausgebreitet, und der Herr wollte den Regenschirm. The reputation of this "living umbrella" has spread to the lord, and the lord wanted the umbrella. さっそく 家来 を 彦一 さん の ところ に 行か せ 、「 その 生きて いる 傘 を ぜひ 譲って いただきたい 。」 |けらい||ひこいち|||||いか|||いきて||かさ|||ゆずって|いただき たい I immediately sent my servant to Mr. Hikoichi and said, "I would like you to hand over the living umbrella." と 伝えました 。 |つたえ ました I told you. さあ 、 困った の は 彦一 さん です 。 |こまった|||ひこいち|| Now, the one who was in trouble was Mr. Hikoichi. 実は 、 あの 傘 は 彦一 さん が 誰 に も 見られ ない ように こっそり と 晴れた 日 に は 閉じて 、 雨 の 日 に は 開いて いた ので し た 。 じつは||かさ||ひこいち|||だれ|||み られ|||||はれた|ひ|||とじて|あめ||ひ|||あいて|||| In fact, that umbrella was secretly closed on a sunny day and open on a rainy day so that no one could see it. そこ で 、「 あの 傘 は たった 一 つ しか ない 家宝 な ので 、 殿様 と いえ ど 譲る わけ に は 参りません 。」 |||かさ|||ひと||||かほう|||とのさま||||ゆずる||||まいり ませ ん Dort: "Dieser Regenschirm ist ein Erbstück mit nur einem, also kann selbst der Herr ihn nicht verraten." There, "That umbrella is a heirloom with only one, so even the lord cannot give it away." と 断りました 。 |ことわり ました I declined. ところが 、 家来 は 「 お 金 は いくら で も 払います 。」 |けらい|||きむ|||||はらい ます However, the servant said, "I will pay any amount of money." と 言った もの です から 、 彦一 さん は 大金 と 引き換え に 傘 を 売る こと に しました |いった||||ひこいち|||たいきん||ひきかえ||かさ||うる|||し ました So Hikoichi decided to sell an umbrella in exchange for a lot of money. 傘 を 手 に した 殿様 は 大喜びで 、 傘 が いつ 開く か と 城 の 軒先 に 飾りました 。 かさ||て|||とのさま||おおよろこびで|かさ|||あく|||しろ||のきさき||かざり ました The lord, who picked up the umbrella, was overjoyed and hung it on the eaves of the castle, wondering when the umbrella would open. 雨 が いつ 降る か と 大変 楽しみに して いま した が 、 なかなか 雨 が 降りません 。 あめ|||ふる|||たいへん|たのしみに||||||あめ||ふり ませ ん I was very much looking forward to when it would rain, but it didn't rain easily. 一 か月 ほど して 、 ようやく 雨 が 降りました   待ちに待った 殿様 は わくわく し ながら 傘 を 見ました が 、 傘 は 開きません 。 ひと|かげつ||||あめ||ふり ました|まちにまった|とのさま|||||かさ||み ました||かさ||あき ませ ん About a month later, it finally rained. The long-awaited lord looked at the umbrella with excitement, but the umbrella did not open. 何 時間 待って も いっこうに 傘 が 開く 様子 は ありません でした 。 なん|じかん|まって|||かさ||あく|ようす||あり ませ ん| No matter how many hours I waited, the umbrella didn't seem to open anymore. 殿様 は すっかり 怒って しまい 、 彦一 さん を 呼び出しました 。 とのさま|||いかって||ひこいち|||よびだし ました The lord was completely angry and called Hikoichi-san. 「 この 傘 は 雨 が 降る と 自分 で 開く と いう 生きた 傘 で は なかった か ? |かさ||あめ||ふる||じぶん||あく|||いきた|かさ|||| "Isn't this an umbrella a living umbrella that opens by itself when it rains? ぜ 、 雨 が 降って も 開か ぬ のじゃ ? |あめ||ふって||あか|| It won't open even if it rains, right? 」 彦一 さん は 、「 それでは その 傘 を お 見せ ください 。」 ひこいち|||||かさ|||みせ| Hikoichi said, "Please show me the umbrella." 殿様 の 家来 が 問題 の 傘 を 持ってきて 、 彦一 さん に 見せる と 、 彦一 さん は 顔色 を 変えて こう 言いました 。 とのさま||けらい||もんだい||かさ||もってきて|ひこいち|||みせる||ひこいち|||かおいろ||かえて||いい ました When the lord's servant brought the umbrella in question and showed it to Hikoichi, Hikoichi changed his complexion and said: 「 これ は 大変だ 。 ||たいへんだ " That's big issue . 殿様 、 最後に この 傘 に 食べ物 を やった の は いつ です か ? とのさま|さいごに||かさ||たべもの||||||| Dear, when was the last time you ate this umbrella? 長い 間 、 なにも 食べて い なかった ようで 、 この 傘 は 死んで しまった のです 。」 ながい|あいだ||たべて|||||かさ||しんで|| It seems that he hadn't eaten anything for a long time, and this umbrella died. " 殿様 は あっけにとられて なにも 言い 返せ なかった そうです 。 とのさま||||いい|かえせ||そう です It seems that the lord was taken away and couldn't say anything.

おしまい 。