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乱歩奇譚 (Game of Laplace), Ranpo Kitan: Game of Laplace Episode 3

Ranpo Kitan : Game of Laplace Episode 3

( さち子 ) 大丈夫 ?

( さち子 ) こんな 所 で 寝 たら 凍え ちゃ う よ 。

( 影 男 ) 3 日 ほど 何 も 食べ て い なく て ね … 。

( 影 男 ) もう お 帰り 。 君 が 風邪 を ひ い て しまう 。

( さち子 ) お 兄 ちゃん これ 。

( 影 男 ) あっ … 。

あっ … 。

ありがとう … 。

♪ ~

( 小林 ) この 2 カ月 で 失踪 し た 少女 が 9 人 。

( 明智 ) また 失踪 か … 。

( 明智 ) 今度 は 机 に でも さ れ た か ?

( 加賀 美 ) 不謹慎 だ ぞ 。

( せきばらい )

今回 の 事件 は 影 男 に よる 犯行 の 可能 性 あり と み られ て いる 。

( 羽柴 ) 影 男 と いう の は ?

変装 の 達人 に し て 希 代 の 怪 盗 。

まあ 俺 に 言わ せ れ ば 義 賊 気取り の 変人 さ 。

やつ は 少女 愛 者 だ が

実際 に 少女 に 手 を 出し た と いう 話 は 聞か ない 。

( 加賀 美 ) 行方 不明 の 子 の 自宅 付近 で

紙袋 を かぶった 不審 者 の 目撃 情報 が あって ね 。

紙袋 ? やつ は

自ら が 影 男 で ある と 明かす とき 紙袋 を かぶる ん だ 。

( 小林 ) それ は 何 か 意 味 が ある ん です か ?

フン … やつ なり の ポリシー な ん じゃ ない か ?

( 小林 ) 影 男 大 怪 盗 少女 愛 者 。

明智 先輩 調査 する ん です よ ね ?

俺 に は 関係ない 事件 だ な 。

えー っ ! ? 明智 君 ホント に 君 は

興味 が ない 事件 に は 関わ ろ う と し ない ん だ な 。

だったら 僕 が 捜査 し ます 。 君 が ! ? いや それ は … 。

[ TEL ] 明智 先輩 が やら ない ん だったら

僕 が やり ます 。 いい でしょ ? ちょっと 失礼 。

好き に しろ 。 ホント です か ! ? やった ー !

分かった 。 いや どっち でも 。 適当 じゃ ない って 。

ああ 。

ああ 分かった から 。 それ じゃあ 。 フゥ … 。

警察 から か ?

いや 妹 から だ 。 夕飯 の メニュー の こと で な 。

電話 まで かけ て こ なく て いい のに 。 仕方ない やつ だ 。

ハァ … シスコン め 。 な っ ! ? 違う と 言って る だ ろ !

( せきばらい )

小林 君 誘拐 事件 の こと だ が 素人 の 捜査 は 容認 でき ない 。

今回 の 協力 要請 は なかった こと に し て くれ 。

では 。

≪ ( ドア の 閉まる 音 )

さて まず 聞き込み から 始め よっ か 。

聞き込み って … 小林 まさか 勝手 に 捜査 する つもり な の か ?

捜査 資料 に 失踪 し た 子 たち が よく 行って た 場所 が

リスト アップ さ れ て た ん だ 。 いや 待て 小林 … 。

≪ じゃあ 捜査 を 始める か 。

明智 さん ? 捜査 する 気 に なった ん です ね 。

まあ な 。 放っておく わけ に も いか ない だ ろ 。

あなた に も そんな 常識 的 な … 。

明智 先輩 じゃ ない 。 えっ ! ?

ほう … 。 すごい 。

本物 と 見分け が つき ませ ん 。

( 影 男 ) 小林 君 だ ね ? 君 と 話 を し たい 。

僕 も あなた に 興味 が あり ます 。

本当 に 紙袋 かぶって る ん だ な … 。

誘拐 犯 が なぜ 自ら 姿 を ?

≪ ( 少女 ) すみ ませ ~ ん ! ( 影 男 ) 少女 と いう 存在 は

私 に とって 神 に 等しい 。

( 少女 ) ありがとう ! ( 影 男 ) 故 に 私 は

少女 を 傷つける など 絶対 に し ない 。

まして 誘拐 など … 。

むしろ 私 は 誘拐 犯 を 追って いる 。

守る べき 少女 大曽根 さち子 君 が

やつ に 捕らわれ た 可能 性 が あって ね 。

漫画 喫茶 の 会員 カード ?

でも これ 女性 の カード です けど … 。

あっ なるほど 。 女装 し て 潜入 しろ と 。

僕 に おとり に なれ と いう ん です ね 。

何 ! ? ( 影 男 ) 私 は 少女 に だけ は

変装 でき なく て ね 。

君 が 少女 の ふり を し て 犯人 を あぶり出す 。

有効 な 方法 だ ろ う 。

待て 。 おとり なんて … 。 し … しかも 女装 なんて

さ せ られる わけな い だ ろ う !

おい 。 待て よ おい !

やら せ ない から な 絶対 ! 絶対 だ ぞ !

聞い てる の か ! ? お ー い !

( 影 男 ) < 大曽根 さち子 は 幼い とき に 母 を 亡くし た >

< それ でも 笑顔 を 絶やさ ず けなげ に 日々 を 生き て き た >

< ある 日 彼女 は 病 に 倒れ た >

( 医師 ) 頑張って 病気 を 治 そ う ね 。

( さち子 ) うん 。

( さち子 ) いつ 学校 に 行 ける よう に なる かな … 。

( 看護 師 ) えっ そう な の ? ( 看護 師 ) そう よ 。

母親 と 同じ 病気 。 ( 看護 師 ) じゃあ あの 子 も … 。

( さち子 の 父 ) 痛い 所 は ない かい ?

つらい こと が あったら 何でも 言う ん だ よ 。

うん 平気 。

お 父さん 仕事 が 忙しかったら 無理 に 来 なく て 大丈夫 だ よ 。

< 父親 は 娘 の 顔 を 見よ う と し なく なった >

< 死 ん だ 母 を 思い出し て つらい の だ ろ う と 思い

むしろ 彼女 は 父 を 気遣った >

( 男性 ) さち子 ちゃん は 今日 も いい 子 に し て た かな ?

うん 。 ご飯 も いっぱい 食べ て 偉い ね って 褒め られ た よ 。

< 別 の 病室 の 老人 が よく 彼女 の 所 を 訪れ て い た >

< 見舞い に 来る 人 は 少なかった が

老人 と 話し て いる とき 彼女 は いつも 笑顔 を 見せ た >

( さち子 の 父 ) そんな 金額 払 える わけない じゃ ない です か !

< 病 を 治す ため に 必要 な 手術 費用 は

あまり に も 莫大 だった >

( さち子 の 父 ) さち子 … すま ない … 。

う うん 。 私 平気 だ よ 。

( 看護 師 ) 元気 に なったら さち子 ちゃん は 何 が し たい ?

う ~ ん … 。

お 花見 ! 海 に も 行き たい し 遊園地 も いい な 。

でも … 。

一 番 は 学校 … 。

学校 に 行き たい … 。

学校 の みんな 私 の こと 忘れ ちゃ う よ … 。

( 看護 師 ) きっと もう すぐ … 。

もう すぐ よく なる から … 。

( さち子 の 泣き声 )

< 窓 から 見える 季節 の 移り変わり を

見慣れ て しまった ころ >

( さち子 の 父 ) さち子 手術 の 日 が 決まった ぞ !

手術 費 を 寄付 し て くれ た 人 が い た ん だ !

本気 な の か ? おとり に なる って 。

本気 だ よ 。 危険 だ !

9 人 も さらわ れ てる ん だ ぞ !

う ~ ん … 。 だったら 携帯 の GPS で

羽柴 君 が 僕 の 位置 を 分かる よう に し て おく よ 。

ん 。 それ なら 安心 でしょ ? だ … だけど … 。

あっ ! し … 下着 !

ここ こ … これ を 俺 は どう すれ ば … 。

どう も し ない で ちょっと 持って て くれ れ ば いい から 。

そ … そ そそ … そ っか 。 そう だ よ な 。

あっ … 。

どう かな ?

か … か … うん 。

い … いい ん じゃ ない か な 。 うん ?

深夜 の 漫画 喫茶 。

一 人 で やって 来る 少女 は 誘拐 犯 に とって 格好 の 獲物 だ 。

獲物 が 来 たら 運び やすい 席 を 勧め て あてがう 。

えっ あっ … 。

獲物 が 注文 し た 食べ物 に 睡眠 薬 を 入れ て 眠ら せ

店 内 の 監視 カメラ を 逃れる ため ダストボックス に 隠し て 運ぶ 。

運ぶ 途中 足 が 付き そう な 持ち物 は 全て 処分 する 。

これ で 整った 。

( 綿貫 ) 僕 の カワイイ 娘 たち 。

今日 から この 子 が 新しい お 姉さん や 。

( 少女 ) わ ー い ! ( 少女 ) 家族 が 増え て うれしい わ 。

( 少女 ) やった ー !

( 綿貫 ) 起き たら この 子 の 歓迎 会し よ な 。

( 綿貫 ) 彼女 の 服 を 用意 せ ん と いか ん な 。

≪ ( ドア の 開閉 音 )

潜入 成功 。 けど 手錠 が … 。

君 たち は 誘拐 さ れ た ん だ ね ?

拘束 さ れ て いる わけ で も ない の に 何で 逃げ ない の ?

( 少女 ) 逃げる … 。 ( 少女 ) 嫌 … 。

へ ぇ ~。

《 誘拐 犯 へ の 恐怖 かな … 》

《 逃げる 意思 を 持て なく なって る ん だ 》

ハァ ハァ … 。

明智 さん こ … 小林 が !

靴 脱げよ 。

そんな こと より も … 。

脱げ 。 分かり まし た よ !

小林 が さらわ れ た ん です !

影 男 が 小林 に おとり 捜査 を 提案 し て 。

俺 が もっと 強く 止め て い れ ば … 。

聞い て ます か ! ?

聞い て いる さ 影 男 だ ろ ?

問題 ない 。 えっ ?

君 が 出ろ 。 はっ ! ?

あ ~ 眠い 。 はい 明智 探偵 事務 所 です 。

はい 。 えっ ! ? はい 。

( 綿貫 の 母 ) 息子 が ご 迷惑 を お 掛け し て … 。

《 誘拐 犯 の 母親 ? 》

あっ … 。

≪ ( ドア の 開閉 音 )

≪ ( ドア の 開く 音 ) あっ 。

誘拐 に 協力 し てる ん です か ?

( 綿貫 の 母 ) いや … 。

彼女 は 協力 し て いる と いう より

自分 の 息子 に おびえ て 口出し でき ない だけ だ 。

あなた 影 男 さん ?

( 影 男 ) すま なかった ね 。 君 を 危険 に さらし て 。

あなた が 会員 カード に NGPS を 仕込 ん で い た こと

分かって まし た から 。

ここ は 犯人 の 家 の 敷地 内 に ある 倉庫 で ね

彼 の 家 は 裕福 な 元 土建 業者 だ 。

彼女 たち は 娘 と 呼ば れ て い まし た 。

この 空間 は きっと … 。

家庭 です 。

彼 は 家族 愛 を 求め て い た 。

いびつ な 人 な ん です ね 。

でも よかった です 。 捜し てる 少女 が 見つかって 。

あっ … 待て い ない 。 えっ ?

( 影 男 ) なぜ だ … 。

どこ だ 。 どこ に いる さち子 君 !

( 影 男 ) 君 たち 他 の 子 は どう し た ん だ ! ?

向こう の 壁 の 布 … 。

♪ ~

( 影 男 ) あっ … まさか … 。

( 影 男 ) ありがとう 。

( さち子 ) 私 の 方 こそ ありがとう 。

( 影 男 ) なぜ お礼 を ?

私 が 入院 し て た とき

毎日 お 見舞い に 来 て くれ た お じいさん は お 兄ちゃん だ よ ね ?

( 影 男 ) えっ ! ?

( さち子 ) 時々 看護 師 さん に も なって

私 の こと 励まし て くれ た 。

( 影 男 ) どう し て 私 の 変装 を … 。

分かる よ 。 声 も 姿 も 変わって て も

優しい 空気 は 同じ だ から 。

私 の 手術 代 出し て くれ た の も きっと お 兄ちゃん だ よ ね ?

あの 後 一 度 も 遊び に 来 て くれ なかった から

私 お礼 言う こと が でき なく て 。

( 影 男 ) 私 は 君 が 元気 に なって くれ た だけ で … 。

( さち子 ) ありがとう 。

お 兄ちゃん の おかげ で 私 の 体 治った よ 。

今 は 毎日 学校 が 楽しい の 。

友達 たくさん でき た ん だ 。

春 に は お 花見 し た よ 。 夏 に は 海 に 行った し 。

今度 は お 父さん の お 休み に 遊園地 に 行く ん だ 。

( 影 男 ) 毎日 幸せ かい ?

うん !

( 影 男 ) 着け て ごらん 。 きっと よく 似合う 。

何 これ ~ 気持ち 悪 ~ い 。

( 影 男 ) そう か 気持ち 悪い か 。 ハハッ 。

さち子 君 。 君 の 苦しい 時間 は 終わった ん だ 。

これ から は ずっと 幸せ な 時間 が 続く 。

もし また つらい こと が 降り掛かって も

必ず 私 が 助け に 行く 。

約束 だ 。 ( さち子 ) 約束 ?

( 影 男 ) そう 。 約束 だ 。

( 影 男 ) やく … そく … 。

( 影 男 ) すま ない … 。

約束 … 守 れ なかった … 。

( 影 男 の 泣き声 )

≪ ( ドア の 開く 音 )

( 綿貫 ) 誰 なん ?

何 して ん の ? 何 や ? 君 。

( 影 男 ) うわ ー ! !

( 綿貫 ) う っ … 何 する ん や 。

( 影 男 ) ぐ は っ !

( 影 男 ) う う う … 。 ( 綿貫 ) 君 影 男 か ?

ネット の 噂 じゃ 聞い て た けど な 。

僕 あんた の 格好 まね て 娘 を 家 に 招待 し た こと も ある ん や 。

( 影 男 ) なぜ 殺し た … 。 ( 綿貫 ) あ ?

( 影 男 ) なぜ さち子 君 を 殺し た ー !

さち子 ? ああ 大曽根 さち子 な 。

あいつ は 僕 の 娘 に な ろ う と せ ん かった ん や 。

せ や から な すぐ に 砕 い て セメント に 混ぜ て

壁 に し て もう てん 。

僕 の 娘 に なら へん 少女 は い らん わ 。

( 影 男 ) いら ない 少女 など い ない !

全て の 少女 が 幸せ に なる 権利 が ある !

( 影 男 ) ぐ あっ !

( 影 男 ) う っ ! う う … 。

( 綿貫 ) うん ? ( 影 男 ) さち子 君 は

幸せ に … な れる はず だった !

ずっと … 幸せ が … 続く はず だった !

( 綿貫 ) いいかげん に しい や 。 ( 影 男 ) ぐ っ !

( 影 男 ) さち子 君 の … 幸せ を … 笑顔 を … !

君 うっとうしい で 。

( 影 男 ) ぐ あっ ! 奪った … 幸せ を … !

( 綿貫 ) 君 怖い わ 。

( 影 男 ) 許さ ない … 許さ ない … 許さ … ない … 許さ ない !

( 綿貫 ) 怖 っ 。 しつこい しつこい で ! ホンマ !

( 影 男 ) 許さ ない ! 許さ ない ! 許さ ない !

ひ い … ! ( 影 男 ) 許さ な い ー っ ! !

≪ ( 加賀 美 ) そこ まで だ 綿貫 !

小林 ! 小林 は どこ だ ! ?

( 中村 ) 焦る な よ お 坊ちゃん 。

( 綿貫 ) あっ … 来る な !

僕 の 家庭 を また 壊し に 来た ん か ー !

あっ おい !

( 綿貫 ) あ あっ !

綿貫 未 成年 者 誘拐 の 容疑 で 逮捕 する !

影 男 から 電話 が あって この 場所 を 教え て くれ た ん だ 。

小林 最初 から 携帯 なんて 役 に 立た ない って

分かって た ん だ な 。 君 を 巻き込み たく なかった から 。

あっ … 。 バカ 頼れ よ 僕 を 。

あっ … ごめん 。

ん ?

どう し た ん です か ? 加賀 美 さん 。

いや … 綿貫 は 以前 に も 未 成年 の 少女 に 対し て

事件 を 起こし て いる ん だ 。

その とき は 精神 鑑定 で 無罪 釈放 に なって ね 。

再 犯 者 だった ん です か ? ああ 。

それ と 小林 君 無事 だった から よかった もの の

勝手 な 捜査 は … 。 ≪ ( 中村 ) 加賀 美 警視 !

影 男 が 見当たり ませ ん よ 。 あっ … 。

( 中村 ) 逃げ られ まし た か ね … 。

( 加賀 美 ) そう です か … 。

引き続き 影 男 の 捜査 は 続け ま しょ う 。

結局 影 男 に 使わ れ て しまった な 。

関わる つもり は なかった ん だ が … 。

小林 が 無事 だった から よかった じゃ ない です か 。

その 湿布 は ? あの デブ を やった とき に な 。

痛め た ん です か ?

蹴った とき に 股 関節 も 脱臼 し た 。

あっ 。 少年 湿布 を 買って き て くれ !

( トイレ の 水 を 流す 音 )

は ー い 。 で も 本当 に 無事 で

よ か … た ! ? はっ はっ ! ? 待て ! 小林 !

何で また その 格好 な ん だ ! ? ハァ ~。

普段 から この 方 が 捜査 し やすい か と … 。

頭痛 が ひどい … 。 だ ー ! 駄目 だ 駄目 だ 破廉恥 だ !

そんなに 足 出し て 。 肌色 の 面積 が 多 過ぎる じゃ ない か !

♪ ~


Ranpo Kitan : Game of Laplace Episode 3 Ranpo Kitan: Game of Laplace Episode 3 乱步奇谈:拉普拉斯游戏第3集

( さち子 ) 大丈夫 ? さちこ|だいじょうぶ

( さち子 ) こんな 所 で 寝 たら 凍え ちゃ う よ 。 さちこ||しょ||ね||こごえ|||

( 影 男 ) 3 日 ほど 何 も 食べ て い なく て ね … 。 かげ|おとこ|ひ||なん||たべ|||||

( 影 男 ) もう お 帰り 。 君 が 風邪 を ひ い て しまう 。 かげ|おとこ|||かえり|きみ||かぜ|||||

( さち子 ) お 兄 ちゃん これ 。 さちこ||あに||

( 影 男 ) あっ … 。 かげ|おとこ|

あっ … 。

ありがとう … 。

♪ ~

( 小林 ) この 2 カ月 で 失踪 し た 少女 が 9 人 。 こばやし||かげつ||しっそう|||しょうじょ||じん

( 明智 ) また 失踪 か … 。 あけち||しっそう|

( 明智 ) 今度 は 机 に でも さ れ た か ? あけち|こんど||つくえ||||||

( 加賀 美 ) 不謹慎 だ ぞ 。 かが|び|ふきんしん||

( せきばらい )

今回 の 事件 は 影 男 に よる 犯行 の 可能 性 あり と み られ て いる 。 こんかい||じけん||かげ|おとこ|||はんこう||かのう|せい||||||

( 羽柴 ) 影 男 と いう の は ? はしば|かげ|おとこ||||

変装 の 達人 に し て 希 代 の 怪 盗 。 へんそう||たつじん||||まれ|だい||かい|ぬす

まあ 俺 に 言わ せ れ ば 義 賊 気取り の 変人 さ 。 |おれ||いわ||||ただし|ぞく|きどり||へんじん|

やつ は 少女 愛 者 だ が ||しょうじょ|あい|もの||

実際 に 少女 に 手 を 出し た と いう 話 は 聞か ない 。 じっさい||しょうじょ||て||だし||||はなし||きか|

( 加賀 美 ) 行方 不明 の 子 の 自宅 付近 で かが|び|ゆくえ|ふめい||こ||じたく|ふきん|

紙袋 を かぶった 不審 者 の 目撃 情報 が あって ね 。 かみぶくろ|||ふしん|もの||もくげき|じょうほう|||

紙袋 ? やつ は かみぶくろ||

自ら が 影 男 で ある と 明かす とき 紙袋 を かぶる ん だ 。 おのずから||かげ|おとこ||||あかす||かみぶくろ||||

( 小林 ) それ は 何 か 意 味 が ある ん です か ? こばやし|||なん||い|あじ|||||

フン … やつ なり の ポリシー な ん じゃ ない か ? ふん||||ぽりしー|||||

( 小林 ) 影 男 大 怪 盗 少女 愛 者 。 こばやし|かげ|おとこ|だい|かい|ぬす|しょうじょ|あい|もの

明智 先輩 調査 する ん です よ ね ? あけち|せんぱい|ちょうさ|||||

俺 に は 関係ない 事件 だ な 。 おれ|||かんけいない|じけん||

えー っ ! ? 明智 君 ホント に 君 は ||あけち|きみ|ほんと||きみ|

興味 が ない 事件 に は 関わ ろ う と し ない ん だ な 。 きょうみ|||じけん|||かかわ||||||||

だったら 僕 が 捜査 し ます 。 君 が ! ? いや それ は … 。 |ぼく||そうさ|||きみ||||

[ TEL ] 明智 先輩 が やら ない ん だったら |あけち|せんぱい|||||

僕 が やり ます 。 いい でしょ ? ちょっと 失礼 。 ぼく|||||||しつれい

好き に しろ 。 ホント です か ! ? やった ー ! すき|||ほんと||||-

分かった 。 いや どっち でも 。 適当 じゃ ない って 。 わかった||||てきとう|||

ああ 。

ああ 分かった から 。 それ じゃあ 。 フゥ … 。 |わかった||||

警察 から か ? けいさつ||

いや 妹 から だ 。 夕飯 の メニュー の こと で な 。 |いもうと|||ゆうはん||めにゅー||||

電話 まで かけ て こ なく て いい のに 。 仕方ない やつ だ 。 でんわ|||||||||しかたない||

ハァ … シスコン め 。 な っ ! ? 違う と 言って る だ ろ ! |||||ちがう||いって|||

( せきばらい )

小林 君 誘拐 事件 の こと だ が 素人 の 捜査 は 容認 でき ない 。 こばやし|きみ|ゆうかい|じけん|||||しろうと||そうさ||よう にん||

今回 の 協力 要請 は なかった こと に し て くれ 。 こんかい||きょうりょく|ようせい|||||||

では 。

≪ ( ドア の 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

さて まず 聞き込み から 始め よっ か 。 ||ききこみ||はじめ||

聞き込み って … 小林 まさか 勝手 に 捜査 する つもり な の か ? ききこみ||こばやし||かって||そうさ|||||

捜査 資料 に 失踪 し た 子 たち が よく 行って た 場所 が そうさ|しりょう||しっそう|||こ||||おこなって||ばしょ|

リスト アップ さ れ て た ん だ 。 いや 待て 小林 … 。 りすと|あっぷ||||||||まて|こばやし

≪ じゃあ 捜査 を 始める か 。 |そうさ||はじめる|

明智 さん ? 捜査 する 気 に なった ん です ね 。 あけち||そうさ||き|||||

まあ な 。 放っておく わけ に も いか ない だ ろ 。 ||ほうっておく|||||||

あなた に も そんな 常識 的 な … 。 ||||じょうしき|てき|

明智 先輩 じゃ ない 。 えっ ! ? あけち|せんぱい|||

ほう … 。 すごい 。

本物 と 見分け が つき ませ ん 。 ほんもの||み わけ||||

( 影 男 ) 小林 君 だ ね ? 君 と 話 を し たい 。 かげ|おとこ|こばやし|きみ|||きみ||はなし|||

僕 も あなた に 興味 が あり ます 。 ぼく||||きょうみ|||

本当 に 紙袋 かぶって る ん だ な … 。 ほんとう||かみぶくろ|||||

誘拐 犯 が なぜ 自ら 姿 を ? ゆうかい|はん|||おのずから|すがた|

≪ ( 少女 ) すみ ませ ~ ん ! ( 影 男 ) 少女 と いう 存在 は しょうじょ||||かげ|おとこ|しょうじょ|||そんざい|

私 に とって 神 に 等しい 。 わたくし|||かみ||ひとしい

( 少女 ) ありがとう ! ( 影 男 ) 故 に 私 は しょうじょ||かげ|おとこ|こ||わたくし|

少女 を 傷つける など 絶対 に し ない 。 しょうじょ||きずつける||ぜったい|||

まして 誘拐 など … 。 |ゆうかい|

むしろ 私 は 誘拐 犯 を 追って いる 。 |わたくし||ゆうかい|はん||おって|

守る べき 少女 大曽根 さち子 君 が まもる||しょうじょ|おおそね|さちこ|きみ|

やつ に 捕らわれ た 可能 性 が あって ね 。 ||とらわれ||かのう|せい|||

漫画 喫茶 の 会員 カード ? まんが|きっさ||かいいん|かーど

でも これ 女性 の カード です けど … 。 ||じょせい||かーど||

あっ なるほど 。 女装 し て 潜入 しろ と 。 ||じょそう|||せんにゅう||

僕 に おとり に なれ と いう ん です ね 。 ぼく|||||||||

何 ! ? ( 影 男 ) 私 は 少女 に だけ は なん|かげ|おとこ|わたくし||しょうじょ|||

変装 でき なく て ね 。 へんそう||||

君 が 少女 の ふり を し て 犯人 を あぶり出す 。 きみ||しょうじょ||||||はんにん||あぶりだす

有効 な 方法 だ ろ う 。 ゆうこう||ほうほう|||

待て 。 おとり なんて … 。 し … しかも 女装 なんて まて|||||じょそう|

さ せ られる わけな い だ ろ う !

おい 。 待て よ おい ! |まて||

やら せ ない から な 絶対 ! 絶対 だ ぞ ! |||||ぜったい|ぜったい||

聞い てる の か ! ? お ー い ! ききい|||||-|

( 影 男 ) < 大曽根 さち子 は 幼い とき に 母 を 亡くし た > かげ|おとこ|おおそね|さちこ||おさない|||はは||なくし|

< それ でも 笑顔 を 絶やさ ず けなげ に 日々 を 生き て き た > ||えがお||たやさ||||ひび||いき|||

< ある 日 彼女 は 病 に 倒れ た > |ひ|かのじょ||びょう||たおれ|

( 医師 ) 頑張って 病気 を 治 そ う ね 。 いし|がんばって|びょうき||ち|||

( さち子 ) うん 。 さちこ|

( さち子 ) いつ 学校 に 行 ける よう に なる かな … 。 さちこ||がっこう||ぎょう|||||

( 看護 師 ) えっ そう な の ? ( 看護 師 ) そう よ 。 かんご|し|||||かんご|し||

母親 と 同じ 病気 。 ( 看護 師 ) じゃあ あの 子 も … 。 ははおや||おなじ|びょうき|かんご|し|||こ|

( さち子 の 父 ) 痛い 所 は ない かい ? さちこ||ちち|いたい|しょ|||

つらい こと が あったら 何でも 言う ん だ よ 。 ||||なんでも|いう|||

うん 平気 。 |へいき

お 父さん 仕事 が 忙しかったら 無理 に 来 なく て 大丈夫 だ よ 。 |とうさん|しごと||いそがしかったら|むり||らい|||だいじょうぶ||

< 父親 は 娘 の 顔 を 見よ う と し なく なった > ちちおや||むすめ||かお||みよ|||||

< 死 ん だ 母 を 思い出し て つらい の だ ろ う と 思い し|||はは||おもいだし||||||||おもい

むしろ 彼女 は 父 を 気遣った > |かのじょ||ちち||きづかった

( 男性 ) さち子 ちゃん は 今日 も いい 子 に し て た かな ? だんせい|さちこ|||きょう|||こ|||||

うん 。 ご飯 も いっぱい 食べ て 偉い ね って 褒め られ た よ 。 |ごはん|||たべ||えらい|||ほめ|||

< 別 の 病室 の 老人 が よく 彼女 の 所 を 訪れ て い た > べつ||びょうしつ||ろうじん|||かのじょ||しょ||おとずれ|||

< 見舞い に 来る 人 は 少なかった が みまい||くる|じん||すくなかった|

老人 と 話し て いる とき 彼女 は いつも 笑顔 を 見せ た > ろうじん||はなし||||かのじょ|||えがお||みせ|

( さち子 の 父 ) そんな 金額 払 える わけない じゃ ない です か ! さちこ||ちち||きんがく|はら||||||

< 病 を 治す ため に 必要 な 手術 費用 は びょう||なおす|||ひつよう||しゅじゅつ|ひよう|

あまり に も 莫大 だった > |||ばくだい|

( さち子 の 父 ) さち子 … すま ない … 。 さちこ||ちち|さちこ||

う うん 。 私 平気 だ よ 。 ||わたくし|へいき||

( 看護 師 ) 元気 に なったら さち子 ちゃん は 何 が し たい ? かんご|し|げんき|||さちこ|||なん|||

う ~ ん … 。

お 花見 ! 海 に も 行き たい し 遊園地 も いい な 。 |はなみ|うみ|||いき|||ゆうえんち|||

でも … 。

一 番 は 学校 … 。 ひと|ばん||がっこう

学校 に 行き たい … 。 がっこう||いき|

学校 の みんな 私 の こと 忘れ ちゃ う よ … 。 がっこう|||わたくし|||わすれ|||

( 看護 師 ) きっと もう すぐ … 。 かんご|し|||

もう すぐ よく なる から … 。

( さち子 の 泣き声 ) さちこ||なきごえ

< 窓 から 見える 季節 の 移り変わり を まど||みえる|きせつ||うつりかわり|

見慣れ て しまった ころ > みなれ|||

( さち子 の 父 ) さち子 手術 の 日 が 決まった ぞ ! さちこ||ちち|さちこ|しゅじゅつ||ひ||きまった|

手術 費 を 寄付 し て くれ た 人 が い た ん だ ! しゅじゅつ|ひ||きふ|||||じん|||||

本気 な の か ? おとり に なる って 。 ほんき|||||||

本気 だ よ 。 危険 だ ! ほんき|||きけん|

9 人 も さらわ れ てる ん だ ぞ ! じん|||||||

う ~ ん … 。 だったら 携帯 の GPS で |||けいたい|||

羽柴 君 が 僕 の 位置 を 分かる よう に し て おく よ 。 はしば|きみ||ぼく||いち||わかる||||||

ん 。 それ なら 安心 でしょ ? だ … だけど … 。 |||あんしん|||

あっ ! し … 下着 ! ||したぎ

ここ こ … これ を 俺 は どう すれ ば … 。 ||||おれ||||

どう も し ない で ちょっと 持って て くれ れ ば いい から 。 ||||||もって||||||

そ … そ そそ … そ っか 。 そう だ よ な 。

あっ … 。

どう かな ?

か … か … うん 。

い … いい ん じゃ ない か な 。 うん ?

深夜 の 漫画 喫茶 。 しんや||まんが|きっさ

一 人 で やって 来る 少女 は 誘拐 犯 に とって 格好 の 獲物 だ 。 ひと|じん|||くる|しょうじょ||ゆうかい|はん|||かっこう||えもの|

獲物 が 来 たら 運び やすい 席 を 勧め て あてがう 。 えもの||らい||はこび||せき||すすめ||

えっ あっ … 。

獲物 が 注文 し た 食べ物 に 睡眠 薬 を 入れ て 眠ら せ えもの||ちゅうもん|||たべもの||すいみん|くすり||いれ||ねむら|

店 内 の 監視 カメラ を 逃れる ため ダストボックス に 隠し て 運ぶ 。 てん|うち||かんし|かめら||のがれる||||かくし||はこぶ

運ぶ 途中 足 が 付き そう な 持ち物 は 全て 処分 する 。 はこぶ|とちゅう|あし||つき|||もちもの||すべて|しょぶん|

これ で 整った 。 ||ととのった

( 綿貫 ) 僕 の カワイイ 娘 たち 。 わたぬき|ぼく|||むすめ|

今日 から この 子 が 新しい お 姉さん や 。 きょう|||こ||あたらしい||ねえさん|

( 少女 ) わ ー い ! ( 少女 ) 家族 が 増え て うれしい わ 。 しょうじょ||-||しょうじょ|かぞく||ふえ|||

( 少女 ) やった ー ! しょうじょ||-

( 綿貫 ) 起き たら この 子 の 歓迎 会し よ な 。 わたぬき|おき|||こ||かんげい|かいし||

( 綿貫 ) 彼女 の 服 を 用意 せ ん と いか ん な 。 わたぬき|かのじょ||ふく||ようい||||||

≪ ( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

潜入 成功 。 けど 手錠 が … 。 せんにゅう|せいこう||てじょう|

君 たち は 誘拐 さ れ た ん だ ね ? きみ|||ゆうかい||||||

拘束 さ れ て いる わけ で も ない の に 何で 逃げ ない の ? こうそく|||||||||||なんで|にげ||

( 少女 ) 逃げる … 。 ( 少女 ) 嫌 … 。 しょうじょ|にげる|しょうじょ|いや

へ ぇ ~。

《 誘拐 犯 へ の 恐怖 かな … 》 ゆうかい|はん|||きょうふ|

《 逃げる 意思 を 持て なく なって る ん だ 》 にげる|いし||もて|||||

ハァ ハァ … 。

明智 さん こ … 小林 が ! あけち|||こばやし|

靴 脱げよ 。 くつ|ぬげよ

そんな こと より も … 。

脱げ 。 分かり まし た よ ! ぬげ|わかり|||

小林 が さらわ れ た ん です ! こばやし||||||

影 男 が 小林 に おとり 捜査 を 提案 し て 。 かげ|おとこ||こばやし|||そうさ||ていあん||

俺 が もっと 強く 止め て い れ ば … 。 おれ|||つよく|とどめ||||

聞い て ます か ! ? ききい|||

聞い て いる さ 影 男 だ ろ ? ききい||||かげ|おとこ||

問題 ない 。 えっ ? もんだい||

君 が 出ろ 。 はっ ! ? きみ||でろ|

あ ~ 眠い 。 はい 明智 探偵 事務 所 です 。 |ねむい||あけち|たんてい|じむ|しょ|

はい 。 えっ ! ? はい 。

( 綿貫 の 母 ) 息子 が ご 迷惑 を お 掛け し て … 。 わたぬき||はは|むすこ|||めいわく|||かけ||

《 誘拐 犯 の 母親 ? 》 ゆうかい|はん||ははおや

あっ … 。

≪ ( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

≪ ( ドア の 開く 音 ) あっ 。 どあ||あく|おと|

誘拐 に 協力 し てる ん です か ? ゆうかい||きょうりょく|||||

( 綿貫 の 母 ) いや … 。 わたぬき||はは|

彼女 は 協力 し て いる と いう より かのじょ||きょうりょく||||||

自分 の 息子 に おびえ て 口出し でき ない だけ だ 。 じぶん||むすこ||||くちだし||||

あなた 影 男 さん ? |かげ|おとこ|

( 影 男 ) すま なかった ね 。 君 を 危険 に さらし て 。 かげ|おとこ||||きみ||きけん|||

あなた が 会員 カード に \ NGPS を 仕込 ん で い た こと ||かいいん|かーど||||しこ|||||

分かって まし た から 。 わかって|||

ここ は 犯人 の 家 の 敷地 内 に ある 倉庫 で ね ||はんにん||いえ||しきち|うち|||そうこ||

彼 の 家 は 裕福 な 元 土建 業者 だ 。 かれ||いえ||ゆうふく||もと|どけん|ぎょうしゃ|

彼女 たち は 娘 と 呼ば れ て い まし た 。 かのじょ|||むすめ||よば|||||

この 空間 は きっと … 。 |くうかん||

家庭 です 。 かてい|

彼 は 家族 愛 を 求め て い た 。 かれ||かぞく|あい||もとめ|||

いびつ な 人 な ん です ね 。 ||じん||||

でも よかった です 。 捜し てる 少女 が 見つかって 。 |||さがし||しょうじょ||みつかって

あっ … 待て い ない 。 えっ ? |まて|||

( 影 男 ) なぜ だ … 。 かげ|おとこ||

どこ だ 。 どこ に いる さち子 君 ! |||||さちこ|きみ

( 影 男 ) 君 たち 他 の 子 は どう し た ん だ ! ? かげ|おとこ|きみ||た||こ||||||

向こう の 壁 の 布 … 。 むこう||かべ||ぬの

♪ ~

( 影 男 ) あっ … まさか … 。 かげ|おとこ||

( 影 男 ) ありがとう 。 かげ|おとこ|

( さち子 ) 私 の 方 こそ ありがとう 。 さちこ|わたくし||かた||

( 影 男 ) なぜ お礼 を ? かげ|おとこ||お れい|

私 が 入院 し て た とき わたくし||にゅういん||||

毎日 お 見舞い に 来 て くれ た お じいさん は お 兄ちゃん だ よ ね ? まいにち||みまい||らい||||||||にいちゃん|||

( 影 男 ) えっ ! ? かげ|おとこ|

( さち子 ) 時々 看護 師 さん に も なって さちこ|ときどき|かんご|し||||

私 の こと 励まし て くれ た 。 わたくし|||はげまし|||

( 影 男 ) どう し て 私 の 変装 を … 。 かげ|おとこ||||わたくし||へんそう|

分かる よ 。 声 も 姿 も 変わって て も わかる||こえ||すがた||かわって||

優しい 空気 は 同じ だ から 。 やさしい|くうき||おなじ||

私 の 手術 代 出し て くれ た の も きっと お 兄ちゃん だ よ ね ? わたくし||しゅじゅつ|だい|だし||||||||にいちゃん|||

あの 後 一 度 も 遊び に 来 て くれ なかった から |あと|ひと|たび||あそび||らい||||

私 お礼 言う こと が でき なく て 。 わたくし|お れい|いう|||||

( 影 男 ) 私 は 君 が 元気 に なって くれ た だけ で … 。 かげ|おとこ|わたくし||きみ||げんき||||||

( さち子 ) ありがとう 。 さちこ|

お 兄ちゃん の おかげ で 私 の 体 治った よ 。 |にいちゃん||||わたくし||からだ|なおった|

今 は 毎日 学校 が 楽しい の 。 いま||まいにち|がっこう||たのしい|

友達 たくさん でき た ん だ 。 ともだち|||||

春 に は お 花見 し た よ 。 夏 に は 海 に 行った し 。 はる||||はなみ||||なつ|||うみ||おこなった|

今度 は お 父さん の お 休み に 遊園地 に 行く ん だ 。 こんど|||とうさん|||やすみ||ゆうえんち||いく||

( 影 男 ) 毎日 幸せ かい ? かげ|おとこ|まいにち|しあわせ|

うん !

( 影 男 ) 着け て ごらん 。 きっと よく 似合う 。 かげ|おとこ|つけ|||||にあう

何 これ ~ 気持ち 悪 ~ い 。 なん||きもち|あく|

( 影 男 ) そう か 気持ち 悪い か 。 ハハッ 。 かげ|おとこ|||きもち|わるい||

さち子 君 。 君 の 苦しい 時間 は 終わった ん だ 。 さちこ|きみ|きみ||くるしい|じかん||おわった||

これ から は ずっと 幸せ な 時間 が 続く 。 ||||しあわせ||じかん||つづく

もし また つらい こと が 降り掛かって も |||||ふりかかって|

必ず 私 が 助け に 行く 。 かならず|わたくし||たすけ||いく

約束 だ 。 ( さち子 ) 約束 ? やくそく||さちこ|やくそく

( 影 男 ) そう 。 約束 だ 。 かげ|おとこ||やくそく|

( 影 男 ) やく … そく … 。 かげ|おとこ||

( 影 男 ) すま ない … 。 かげ|おとこ||

約束 … 守 れ なかった … 。 やくそく|しゅ||

( 影 男 の 泣き声 ) かげ|おとこ||なきごえ

≪ ( ドア の 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 綿貫 ) 誰 なん ? わたぬき|だれ|

何 して ん の ? 何 や ? 君 。 なん||||なん||きみ

( 影 男 ) うわ ー ! ! かげ|おとこ||-

( 綿貫 ) う っ … 何 する ん や 。 わたぬき|||なん|||

( 影 男 ) ぐ は っ ! かげ|おとこ|||

( 影 男 ) う う う … 。 ( 綿貫 ) 君 影 男 か ? かげ|おとこ||||わたぬき|きみ|かげ|おとこ|

ネット の 噂 じゃ 聞い て た けど な 。 ねっと||うわさ||ききい||||

僕 あんた の 格好 まね て 娘 を 家 に 招待 し た こと も ある ん や 。 ぼく|||かっこう|||むすめ||いえ||しょうたい|||||||

( 影 男 ) なぜ 殺し た … 。 ( 綿貫 ) あ ? かげ|おとこ||ころし||わたぬき|

( 影 男 ) なぜ さち子 君 を 殺し た ー ! かげ|おとこ||さちこ|きみ||ころし||-

さち子 ? ああ 大曽根 さち子 な 。 さちこ||おおそね|さちこ|

あいつ は 僕 の 娘 に な ろ う と せ ん かった ん や 。 ||ぼく||むすめ||||||||||

せ や から な すぐ に 砕 い て セメント に 混ぜ て ||||||くだ|||せめんと||まぜ|

壁 に し て もう てん 。 かべ|||||

僕 の 娘 に なら へん 少女 は い らん わ 。 ぼく||むすめ||||しょうじょ||||

( 影 男 ) いら ない 少女 など い ない ! かげ|おとこ|||しょうじょ|||

全て の 少女 が 幸せ に なる 権利 が ある ! すべて||しょうじょ||しあわせ|||けんり||

( 影 男 ) ぐ あっ ! かげ|おとこ||

( 影 男 ) う っ ! う う … 。 かげ|おとこ||||

( 綿貫 ) うん ? ( 影 男 ) さち子 君 は わたぬき||かげ|おとこ|さちこ|きみ|

幸せ に … な れる はず だった ! しあわせ|||||

ずっと … 幸せ が … 続く はず だった ! |しあわせ||つづく||

( 綿貫 ) いいかげん に しい や 。 ( 影 男 ) ぐ っ ! わたぬき|||||かげ|おとこ||

( 影 男 ) さち子 君 の … 幸せ を … 笑顔 を … ! かげ|おとこ|さちこ|きみ||しあわせ||えがお|

君 うっとうしい で 。 きみ||

( 影 男 ) ぐ あっ ! 奪った … 幸せ を … ! かげ|おとこ|||うばった|しあわせ|

( 綿貫 ) 君 怖い わ 。 わたぬき|きみ|こわい|

( 影 男 ) 許さ ない … 許さ ない … 許さ … ない … 許さ ない ! かげ|おとこ|ゆるさ||ゆるさ||ゆるさ||ゆるさ|

( 綿貫 ) 怖 っ 。 しつこい しつこい で ! ホンマ ! わたぬき|こわ|||||

( 影 男 ) 許さ ない ! 許さ ない ! 許さ ない ! かげ|おとこ|ゆるさ||ゆるさ||ゆるさ|

ひ い … ! ( 影 男 ) 許さ な い ー っ ! ! ||かげ|おとこ|ゆるさ|||-|

≪ ( 加賀 美 ) そこ まで だ 綿貫 ! かが|び||||わたぬき

小林 ! 小林 は どこ だ ! ? こばやし|こばやし|||

( 中村 ) 焦る な よ お 坊ちゃん 。 なかむら|あせる||||ぼっちゃん

( 綿貫 ) あっ … 来る な ! わたぬき||くる|

僕 の 家庭 を また 壊し に 来た ん か ー ! ぼく||かてい|||こわし||きた|||-

あっ おい !

( 綿貫 ) あ あっ ! わたぬき||

綿貫 未 成年 者 誘拐 の 容疑 で 逮捕 する ! わたぬき|み|せいねん|もの|ゆうかい||ようぎ||たいほ|

影 男 から 電話 が あって この 場所 を 教え て くれ た ん だ 。 かげ|おとこ||でんわ||||ばしょ||おしえ|||||

小林 最初 から 携帯 なんて 役 に 立た ない って こばやし|さいしょ||けいたい||やく||たた||

分かって た ん だ な 。 君 を 巻き込み たく なかった から 。 わかって|||||きみ||まきこみ|||

あっ … 。 バカ 頼れ よ 僕 を 。 |ばか|たよれ||ぼく|

あっ … ごめん 。

ん ?

どう し た ん です か ? 加賀 美 さん 。 ||||||かが|び|

いや … 綿貫 は 以前 に も 未 成年 の 少女 に 対し て |わたぬき||いぜん|||み|せいねん||しょうじょ||たいし|

事件 を 起こし て いる ん だ 。 じけん||おこし||||

その とき は 精神 鑑定 で 無罪 釈放 に なって ね 。 |||せいしん|かんてい||むざい|しゃくほう|||

再 犯 者 だった ん です か ? ああ 。 さい|はん|もの|||||

それ と 小林 君 無事 だった から よかった もの の ||こばやし|きみ|ぶじ|||||

勝手 な 捜査 は … 。 ≪ ( 中村 ) 加賀 美 警視 ! かって||そうさ||なかむら|かが|び|けいし

影 男 が 見当たり ませ ん よ 。 あっ … 。 かげ|おとこ||みあたり||||

( 中村 ) 逃げ られ まし た か ね … 。 なかむら|にげ|||||

( 加賀 美 ) そう です か … 。 かが|び|||

引き続き 影 男 の 捜査 は 続け ま しょ う 。 ひきつづき|かげ|おとこ||そうさ||つづけ|||

結局 影 男 に 使わ れ て しまった な 。 けっきょく|かげ|おとこ||つかわ||||

関わる つもり は なかった ん だ が … 。 かかわる||||||

小林 が 無事 だった から よかった じゃ ない です か 。 こばやし||ぶじ|||||||

その 湿布 は ? あの デブ を やった とき に な 。 |しっぷ||||||||

痛め た ん です か ? いため||||

蹴った とき に 股 関節 も 脱臼 し た 。 けった|||また|かんせつ||だっきゅう||

あっ 。 少年 湿布 を 買って き て くれ ! |しょうねん|しっぷ||かって|||

( トイレ の 水 を 流す 音 ) といれ||すい||ながす|おと

は ー い 。 で も 本当 に 無事 で |-||||ほんとう||ぶじ|

よ か … た ! ? はっ はっ ! ? 待て ! 小林 ! |||||まて|こばやし

何で また その 格好 な ん だ ! ? ハァ ~。 なんで|||かっこう||||

普段 から この 方 が 捜査 し やすい か と … 。 ふだん|||かた||そうさ||||

頭痛 が ひどい … 。 だ ー ! 駄目 だ 駄目 だ 破廉恥 だ ! ずつう||||-|だめ||だめ||はれんち|

そんなに 足 出し て 。 肌色 の 面積 が 多 過ぎる じゃ ない か ! |あし|だし||はだいろ||めんせき||おお|すぎる|||

♪ ~