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2 - Harry Potter, 9.1.2 壁 に 書か れた 文字 - The Writing on the Wall

9.1.2 壁 に 書か れた 文字 - The Writing on the Wall

何 を して いる の 、 と ハリー や ロン が 話しかけて も 、 ろくすっぽ 返事 も して くれ なかった 。

何 を して いる の か が 、 やっと 次の 水曜日 に なって わかった 。

魔法 薬 の 授業 の あと 、 スネイプ は ハリー を 居残ら せて 、 机 に 貼り ついた フジツボ を こそ げ 落 す ように 言いつけた 。

遅く なった 昼食 を 急いで 食べ 終える と 、 ハリー は 図書 館 で ロン に 会おう と 階段 を 上って 行った 。

ちょうど むこう から やってきた 、 ハッフルパフ 寮 の ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー は 薬草 学 で 一緒だった こと が ある ので 、 ハリー は 挨拶 を しよう と 口 を 開き かけた 。

すると ハリー の 姿 に 気づいた ジャスティン が 、 急に 回れ 右 して 反対の 方向 へ 急ぎ足 で 行って しまった 。

ロン は 図書 館 の 奥 の 方 で 、 魔法 史 の 宿題 の 長 さ を 計って いた 。

ピンズ 先生 の 宿題 は 「 中世 に おける ∃ ーロッパ 魔法使い 会議 」 に ついて 、 メートル の 長 さ の 作文 を 書く こと だった 。

「 まさか 。 まだ 二十 センチ も 足りない なんて ......」 ロン は ぷり ぷり して 羊 皮 紙 から 手 を 離した 。 羊 皮 紙 は また くるり と 丸まって しまった 。 「 ハーマイオニー なんか 、 もう 一 メートル 四十 センチ も 書いた んだ ぜ 、 しかも 細かい 字 で 」 「 ハーマイオニー は どこ ?」 ハリー も 巻尺 を 無造作に つかんで 、 自分 の 宿題 の 羊 皮 紙 を 広げ ながら 聞いた 。 「 どっか あの 辺 だ よ 」 ロン は 書棚 の あたり を 指差した 。 「 また 別の 本 を 探して る 。 あいつ 、 クリスマス まで に 図書 館 中 の 本 を 全部 読んで しまう つ も り じゃ ない か 」

ハリー は ロン に 、 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー が 逃げて 行った こと を 話した 。

「 なんで そんな こと 気 に する ん だい 。 僕 、 あいつ 、 ちょっと 間抜けだって 思って た よ 」 ロン は できる だけ 大きい 字 で 宿題 を 書きなぐり ながら 言った 。 「 だって ロック ハート が 偉大だ と か 、 バカバカしい こと を 言って た じゃ ない か ......」

ハーマイオニー が 書棚 と 書棚 の 間 から ひょいと 現れた 。 イライラ して いる ようだった が 、 やっと 二 人 と 話す 気 に なった らしい 。

「『 ホグワーツ の 歴史 』 が 全部 貸し出されて る の 」 ハーマイオニー は 、 ロン と ハリー の 隣 に 腰掛けた 。 「 しかも 、 あと 二 週間 は 予約 で いっぱい 。 わたし の を 家 に 置いて こな けり や よかった 。 残 念 。 でも 、 ロックハート の 本 で いっぱいだった から 、 トランク に 入り きら なかった の 」

「 どうして その 本 が 欲しい の ?」

ハリー が 聞いた 。

「 みんな が 借り た がって いる 理由 と 同じ よ 。 『 秘密の 部屋 』 の 伝説 を 調べたい の 」 「 それ 、 な んな の ?」 ハリー は 急き込んだ 。 「 まさに 、 その 疑問 よ 。 それ が どうしても 思い出せ ない の 」 ハーマイオニー は 唇 を 噛んだ 。

「 しかも 他 のど の 本 に も 書いて ない の ――」

「 ハーマイオニー 、 君 の 作文 見せて 」

ロン が 時計 を 見 ながら 絶望 的な 声 を 出した 。

「 ダメ 。 見せられ ない 」 ハーマイオニー は 急に 厳しく なった 。 「 提出 まで に 十 日 も あった じゃ ない 」

「 あと たった 六 センチ な んだ けど なあ 。 いい よ 、 いい よ ......」

ベル が 鳴った 。 ロン と ハーマイオニー は ハリー の 先 に 立って 、 二 人 で ロゲンカ し ながら 魔法 史 の クラス に 向かった 。

魔法 史 は 時間割 の 中 で 一 番 退屈な 科目 だった 。 担当 の ピンズ 先生 は 、 ただ 一 人 の ゴースト 先 生 で 、 唯一 おもしろい の は 、 先生 が 、 毎回 黒板 を 通り抜けて クラス に 現れる こと だった 。 し わ しわ の 骨董 品 の ような 先生 で 、 聞く ところ に よれば 、 自分 が 死んだ こと に も 気づか なかった らしい 。 ある 日 、 立ち上がって 授業 に 出かける とき 、 生身 の 体 を 職員 室 の 暖炉 の 前 の 肱 掛 椅子 に 、 そのまま 置き忘れて きた と いう 。 それ から も 、 先生 の 日課 は ちっとも 変わって い な い のだ 。

今日 も いつも の ように 退屈だった 。 ピンズ 先生 は ノート を 開き 、 中古 の 電気 掃除 機 の よう な 、 一本調子の 低い 声 で ブーンブーン と 読み上げ はじめた 。

ほとんど クラス 全員 が 催眠 術 に かかった ように ぼ ーっと なり 、 時々 、 はっと 我 に 返って は 、 名前 と か 年号 と か の ノート を とる 間 だけ 日 を 覚まし 、 また すぐ 眠り に 落ちる のだった 。 先生 が 三十 分 も 読み上げ 続けた ころ 、 今 まで 一 度 も なかった こと が 起きた 。 ハーマイオニー が 手 を 挙げた のだ 。 ピンズ 先生 は ちょうど 一二八九 年 の 国際 魔法 戦士 条約 に ついて の 、 死に そうに 退屈な 講義 の 真っ最中 だった が 、 チラッ と 目 を 上げ 、 驚いた ように 見つめた 。 「 ミス ―― あー ?」

「 グレンジャー です 。 先生 、『 秘密の 部屋 』 に ついて 何 か 教えて いただけません か 」 ハーマイオニー は はっきり した 声 で 言った 。 口 を ポカン と 開けて 窓 の 外 を 眺めて いた ディーン ・ トーマス は 催眠 状態 から 急に 覚醒 した 。

両腕 を 枕 に して いた ラベンダー ・ ブラウン は 頭 を 持ち上げ 、 ネビル の 肘 は 机 から ガクッ と 滑 り 落ちた 。

ピンズ 先生 は 目 を パチクリ した 。

「 わたし が お 教え し とる の は 魔法 史 です 」 干からびた 声 で 、 先生 が ゼーゼー と 言った 。 「 事実 を 教え とる のであり 、 ミス ・ グレンジャー 。 神話 や 伝説 で は ない んであります 」 先生 は コホン と チョーク が 折れる ような 小さな 音 を たてて 咳払い し 、 授業 を 続けた 。 「 同じ 年 の 九 月 、 サルジニア 魔法使い の 小 委員 会 で ...... 先生 は ここ で つっかえた 。 ハーマイオニー の 手 が また 空中 で 揺れて いた 。

「 ミス ・ グラント ?」

「 先生 、 お 願い です 。 伝説 と いう の は 必ず 事実 に 基づいて いる の では ありません か ?」 ピンズ 先生 は ハーマイオニー を じ ーっと 見つめた 。 その 驚き よう と きたら 、 先生 の クラス を 途中 で 遮る 生徒 は 、 先生 が 生きて いる 間 も 死んで か らも 、 ただ の 一 人 も い なかった に 違いない 、 と ハリー は 思った 。

「 ふむ 」

ピンズ 先生 は 考え ながら 言った 。

「 然り 、 そんなふうに も 言えましょう 。 たぶん 」

先生 は ハーマイオニー を まじまじ と 見た 。 まるで 今 まで 一 度 も 生徒 を まともに 見た こと が な いか の ようだった 。

「 しかしながら です 。 あなた が おっしゃる ところ の 伝説 は と いえば 、 これ は まことに 人 騒が せ な もの であり 、 荒唐無稽な 話 と さえ 言える もの で あ ......?」

しかし 、 いまや クラス 全体 が ピンズ 先生 の 一言 一言 に 耳 を 傾けて いた 。

先生 は 見る と も なく ぼんやり と 全 生徒 を 見渡した 。

どの 顔 も 先生 の 方 を 向いて いる 。

こんなに 興味 を 示さ れる こと など 、 かつて なかった 先生 が 、 完全に まごついて いる の が ハ リー に は わかった 。

「 あー 、 よろしい 」 先生 が 噛みしめる ように 語り 出した 。

「 さて ......『 秘密の 部屋 』 と は ...... 皆さん も 知って の 通り 、 ホグワーツ は 一千 年 以上 も 前 ― ― 正確な 年号 は 不明である から に して ―― その 当時 の 、 最も 偉大なる 四 人 の 魔女 と 魔法使い たち に よって 、 創設 さ れた のであります 。 創設 者 の 名前 に ちなみ その 四 つ の 学 寮 を 、 次の よ う に 名づけた のであります 。 すなわち 、 ゴドリック ・ グリフィンドール 、 ヘルガ ・ ハッフル パフ 、 ロウエナ ・ レイブンクロー 、 そして サラザール ・ スリザリン 。 彼ら は マグル の 詮索 好 きな 目 から 遠く 離れた この 地 に 、 ともに この 城 を 築いた のであります 。 なぜならば 、 その 時 代 に は 魔法 は 一般 の 人々 の 恐れる ところ であり 、 魔女 や 魔法使い は 多大なる 迫害 を 受けた か ら で あります 」 先生 は ここ で 一息 入れ 、 漠然と クラス 全体 を 見つめ 、 それ から 続き を 話しだした 。 「 数 年 の 間 、 創設 者 たち は 和気 藹 々 で 、 魔法 力 を 示した 若者 たち を 探し出して は 、 この 城 に 誘って 教育 した のであります 。 しかしながら 、 四 人 の 間 に 意見 の 相違 が 出て きた 。 スリザリ ン と 他の 三 人 と の 亀裂 は 広がって 行った 。 スリザリン は 、 ホグワーツ に は 選別 さ れた 生徒 の み が 入学 を 許さ れる べきだ と 考えた 。 魔法 教育 は 、 純粋に 魔法 族 の 家系 に のみ 与えられる べ き だ と いう 信念 を 持ち 、 マグル の 親 を 持つ 生徒 は 学ぶ 資格 が ない と 考えて 、 入学 さ せる こと を 嫌った のであります 。 しばらく して 、 この 間 題 を めぐり 、 スリザリン と グリフィンドール が 激しく 言い争い 、 スリザリン が 学校 を 去った のであります 」 ピンズ 先生 は ここ で また いったん 口 を 閉じた 。 口 を すぼめる と 、 しわ くちゃ な 年寄り 亀 の ような 顔 に なった 。

「 信頼 できる 歴史 的 資料 は ここ まで しか 語って くれ ん のであります 。 しかし こうした 真摯な 事実 が 、『 秘密の 部屋 』 と いう 空想 の 伝説 に より 、 暖味 な もの に なって おる 。 スリザリン が この 城 に 、 他の 創設 者 に は まったく 知られて いない 、 隠さ れた 部屋 を 作った と いう 話 が あ る 。 その 伝説 に よれば 、 スリザリン は 『 秘密の 部屋 』 を 封印 し 、 この 学校 に 彼 の 真 の 継承 者 が 現れる とき まで 、 何 人 も その 部屋 を 開ける こと が でき ない ように した と いう 。 その 継承 者 のみ が 『 秘密の 部屋 』 の 封印 を 解き 、 その 中 の 恐怖 を 解き放ち 、 それ を 用いて この 学校 から 魔法 を 学ぶ に ふさわしから ざる 者 を 追放 する と いう 」

先生 が 語り 終える と 、 沈黙 が 満ちた 。 が 、 いつも の ピンズ 先生 の 授業 に つきもの の 、 眠気 を 誘う 沈黙 で は なかった 。 みんな が 先生 を 見つめ 、 もっと 話して ほしい と いう 落ち着か ない 空気 が 漂って いた 。 ピンズ 先生 は かすかに 困惑 した 様子 を 見せた 。

「 もちろん 、 すべて は 戯言 で あります 。 当然 ながら 、 そのような 部屋 の 証 を 求め 、 最高の 学 識 ある 魔女 や 魔法使い が 、 何度 も この 学校 を 探索 した のであります が 、 そのような もの は 存 在 し なかった のであります 。 だまさ れ やすい 者 を 怖がら せる 作り話 で あります 」 ハーマイオニー の 手 が また 空中 に 挙がった 。 「 先生 ――『 部屋 の 中 の 恐怖 』 と いう の は 具体 的に どういう こと です か ?」

「 なんらか の 怪物 だ と 信じられて おり 、 スリザリン の 継承 者 のみ が 操る こと が できる と い う 」 ピンズ 先生 は 干からびた 甲高い 声 で 答えた 。 生徒 が こわごわ 互いに 顔 を 見合わせた 。 「 言って おきましょう 。 そんな もの は 存在 し ない 」 ピンズ 先生 が ノート を パラパラ と めくり ながら 言った 。 「『 部屋 』 など ない 、 したがって 怪物 は おら ん 」

「 でも 、 先生 」

シェーマス ・ フィネガン だ 。

「 もし 『 部屋 』 が スリザリン の 継承 者 に よって のみ 開けられる なら 、 他の 誰 も 、 それ を 見 つ ける こと は でき ない 、 そう でしょう ?」 「 ナンセンス 。 オッフラハーティ 君 」

ピンズ 先生 の 声 が ますます 険しく なった 。 「 歴代 の ホグワーツ 校長 、 女 校 長先 生方 が 、 何も 発見 し なかった のだ から して ――」 「 でも 、 ピンズ 先生 」

パーパティ ・ パチル が キンキン 声 を 出した 。 「 そこ を 開ける の に は 、 闇 の 魔術 を 使わ ない と いけない ので は ――」

「 ミス ・ ペニーフェザー 、 闇 の 魔術 を 使わ ない から と いって 、 使え ない と いう こと に は なら ない 」 ピンズ 先生 が ピシャッ と 言い返した 。

「 繰り返し で は あります が 、 もし ダンブルドア の ような 方 が ――」 「 でも 、 スリザリン と 血 が つながって いない と いけない ので は ...?。 です から ダンブルドア は 」

ディーン ・ トーマス が そう 言い かけた ところ で 、 ピンズ 先生 は もう たくさんだ と ばかり び し り と 打ち切った 。

「 以上 、 おしまい 。 これ は 神話 で あります ! 部屋 は 存在 し ない ! スリザリン が 、 部屋 どころ か 、 秘密の 箒 置き場 さえ 作った 形跡 は ない のであります ! こんな バカバカしい 作り話 を お 聞 か せ した こと を 悔やんで おる 。 よろしければ 歴史 に 戻る こと と する 。 実態 の ある 、 信ずる に 足る 、 検証 できる 事実 である ところ の 歴史 に !」

ものの 五 分 も し ない うち に 、 クラス 全員 が いつも の 無気力 状態 に 戻って しまった 。

9.1.2 壁 に 書か れた 文字 - The Writing on the Wall かべ||かか||もじ|the|writing|||wall 9.1.2 The Writing on the Wall 9.1.2 De tekst op de muur 9.1.2 Pismo na ścianie 9.1.2 A escrita na parede 9.1.2 Skriften på väggen

何 を して いる の 、 と ハリー や ロン が 話しかけて も 、 ろくすっぽ 返事 も して くれ なかった 。 なん||||||||||はなしかけて|||へんじ|||| Harry and Ron talked to me about what they were doing, but they didn't reply to me.

何 を して いる の か が 、 やっと 次の 水曜日 に なって わかった 。 なん||||||||つぎの|すいようび|||

魔法 薬 の 授業 の あと 、 スネイプ は ハリー を 居残ら せて 、 机 に 貼り ついた フジツボ を こそ げ 落 す ように 言いつけた 。 まほう|くすり||じゅぎょう|||||||いのこら||つくえ||はり||ふじつぼ||||おと|||いいつけた After the magic drug class, Snape told Harry to stay and scrape off the barnacles stuck to his desk.

遅く なった 昼食 を 急いで 食べ 終える と 、 ハリー は 図書 館 で ロン に 会おう と 階段 を 上って 行った 。 おそく||ちゅうしょく||いそいで|たべ|おえる||||としょ|かん||||あおう||かいだん||のぼって|おこなった

ちょうど むこう から やってきた 、 ハッフルパフ 寮 の ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー は 薬草 学 で 一緒だった こと が ある ので 、 ハリー は 挨拶 を しよう と 口 を 開き かけた 。 |||||りょう||||||やくそう|まな||いっしょだった|||||||あいさつ||||くち||あき| Justin, Finch, and Fletchley from the Hufflepuff dormitory over there had been in Herbology together, so Harry was about to open his mouth to say hello.

すると ハリー の 姿 に 気づいた ジャスティン が 、 急に 回れ 右 して 反対の 方向 へ 急ぎ足 で 行って しまった 。 |||すがた||きづいた|||きゅうに|まわれ|みぎ||はんたいの|ほうこう||いそぎあし||おこなって|

ロン は 図書 館 の 奥 の 方 で 、 魔法 史 の 宿題 の 長 さ を 計って いた 。 ||としょ|かん||おく||かた||まほう|し||しゅくだい||ちょう|||はかって|

ピンズ 先生 の 宿題 は 「 中世 に おける ∃ ーロッパ 魔法使い 会議 」 に ついて 、 メートル の 長 さ の 作文 を 書く こと だった 。 |せんせい||しゅくだい||ちゅうせい|||-ロッパ|まほうつかい|かいぎ|||めーとる||ちょう|||さくぶん||かく||

「 まさか 。 まだ 二十 センチ も 足りない なんて ......」 ロン は ぷり ぷり して 羊 皮 紙 から 手 を 離した 。 |にじゅう|せんち||たりない|||||||ひつじ|かわ|かみ||て||はなした 羊 皮 紙 は また くるり と 丸まって しまった 。 ひつじ|かわ|かみ|||||まるまって| 「 ハーマイオニー なんか 、 もう 一 メートル 四十 センチ も 書いた んだ ぜ 、 しかも 細かい 字 で 」 「 ハーマイオニー は どこ ?」 ハリー も 巻尺 を 無造作に つかんで 、 自分 の 宿題 の 羊 皮 紙 を 広げ ながら 聞いた 。 |||ひと|めーとる|しじゅう|せんち||かいた||||こまかい|あざ|||||||まきじゃく||むぞうさに||じぶん||しゅくだい||ひつじ|かわ|かみ||ひろげ||きいた 「 どっか あの 辺 だ よ 」 ロン は 書棚 の あたり を 指差した 。 ど っか||ほとり|||||しょだな||||ゆびさした "Somewhere that side," Ron pointed to the bookshelf. 「 また 別の 本 を 探して る 。 |べつの|ほん||さがして| "I'm looking for another book. あいつ 、 クリスマス まで に 図書 館 中 の 本 を 全部 読んで しまう つ も り じゃ ない か 」 |くりすます|||としょ|かん|なか||ほん||ぜんぶ|よんで||||||| Isn't he supposed to read all the books in the library by Christmas? "

ハリー は ロン に 、 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー が 逃げて 行った こと を 話した 。 ||||||||にげて|おこなった|||はなした

「 なんで そんな こと 気 に する ん だい 。 |||き|||| "Why do you care about that? 僕 、 あいつ 、 ちょっと 間抜けだって 思って た よ 」 ロン は できる だけ 大きい 字 で 宿題 を 書きなぐり ながら 言った 。 ぼく|||まぬけ だって|おもって|||||||おおきい|あざ||しゅくだい||かきなぐり||いった 「 だって ロック ハート が 偉大だ と か 、 バカバカしい こと を 言って た じゃ ない か ......」 |ろっく|はーと||いだいだ|||ばかばかしい|||いって|||| "Because you said that Rock Heart is great or stupid ..."

ハーマイオニー が 書棚 と 書棚 の 間 から ひょいと 現れた 。 ||しょだな||しょだな||あいだ|||あらわれた イライラ して いる ようだった が 、 やっと 二 人 と 話す 気 に なった らしい 。 いらいら||||||ふた|じん||はなす|き|||

「『 ホグワーツ の 歴史 』 が 全部 貸し出されて る の 」 ハーマイオニー は 、 ロン と ハリー の 隣 に 腰掛けた 。 ||れきし||ぜんぶ|かしださ れて|||||||||となり||こしかけた 「 しかも 、 あと 二 週間 は 予約 で いっぱい 。 ||ふた|しゅうかん||よやく|| わたし の を 家 に 置いて こな けり や よかった 。 |||いえ||おいて|||| I'm glad I left my house at home. 残 念 。 ざん|ねん disappointing . でも 、 ロックハート の 本 で いっぱいだった から 、 トランク に 入り きら なかった の 」 |||ほん||||とらんく||はいり||| But I couldn't fit in the trunk because it was full of Rockheart books. "

「 どうして その 本 が 欲しい の ?」 ||ほん||ほしい|

ハリー が 聞いた 。 ||きいた

「 みんな が 借り た がって いる 理由 と 同じ よ 。 ||かり||||りゆう||おなじ| "It's the same reason everyone wants to borrow. 『 秘密の 部屋 』 の 伝説 を 調べたい の 」 「 それ 、 な んな の ?」 ハリー は 急き込んだ 。 ひみつの|へや||でんせつ||しらべ たい||||||||せきこんだ I want to find out the legend of "The Secret Room". "" What's that? "Harry hurried. 「 まさに 、 その 疑問 よ 。 ||ぎもん| それ が どうしても 思い出せ ない の 」 ハーマイオニー は 唇 を 噛んだ 。 |||おもいだせ|||||くちびる||かんだ Hermione bit her lip.

「 しかも 他 のど の 本 に も 書いて ない の ――」 |た|||ほん|||かいて|| "And it's not written in any other book--"

「 ハーマイオニー 、 君 の 作文 見せて 」 |きみ||さくぶん|みせて

ロン が 時計 を 見 ながら 絶望 的な 声 を 出した 。 ||とけい||み||ぜつぼう|てきな|こえ||だした

「 ダメ 。 だめ 見せられ ない 」 ハーマイオニー は 急に 厳しく なった 。 みせ られ||||きゅうに|きびしく| 「 提出 まで に 十 日 も あった じゃ ない 」 ていしゅつ|||じゅう|ひ|||| "It didn't take ten days to submit."

「 あと たった 六 センチ な んだ けど なあ 。 ||むっ|せんち|||| "It's only six centimeters left, though. いい よ 、 いい よ ......」

ベル が 鳴った 。 べる||なった ロン と ハーマイオニー は ハリー の 先 に 立って 、 二 人 で ロゲンカ し ながら 魔法 史 の クラス に 向かった 。 ||||||さき||たって|ふた|じん|||||まほう|し||くらす||むかった Ron and Hermione stood ahead of Harry and headed for their History of Magic class, arguing amongst themselves.

魔法 史 は 時間割 の 中 で 一 番 退屈な 科目 だった 。 まほう|し||じかんわり||なか||ひと|ばん|たいくつな|かもく| Magic history was the most boring subject in the timetable. 担当 の ピンズ 先生 は 、 ただ 一 人 の ゴースト 先 生 で 、 唯一 おもしろい の は 、 先生 が 、 毎回 黒板 を 通り抜けて クラス に 現れる こと だった 。 たんとう|||せんせい|||ひと|じん||ごーすと|さき|せい||ゆいいつ||||せんせい||まいかい|こくばん||とおりぬけて|くらす||あらわれる|| The teacher in charge, Mr. Pins, was the only ghost ancestor, and the only interesting thing was that the teacher went through the blackboard and appeared in the class every time. し わ しわ の 骨董 品 の ような 先生 で 、 聞く ところ に よれば 、 自分 が 死んだ こと に も 気づか なかった らしい 。 ||||こっとう|しな|||せんせい||きく||||じぶん||しんだ||||きづか|| He was a wrinkled antique teacher, and I heard that he didn't even notice that he was dead. ある 日 、 立ち上がって 授業 に 出かける とき 、 生身 の 体 を 職員 室 の 暖炉 の 前 の 肱 掛 椅子 に 、 そのまま 置き忘れて きた と いう 。 |ひ|たちあがって|じゅぎょう||でかける||なまみ||からだ||しょくいん|しつ||だんろ||ぜん||ひじ|かかり|いす|||おきわすれて||| One day, when he got up and went to class, he left his body in the elbow chair in front of the fireplace in the staff room. それ から も 、 先生 の 日課 は ちっとも 変わって い な い のだ 。 |||せんせい||にっか|||かわって|||| Since then, the teacher's daily routine hasn't changed at all.

今日 も いつも の ように 退屈だった 。 きょう|||||たいくつだった ピンズ 先生 は ノート を 開き 、 中古 の 電気 掃除 機 の よう な 、 一本調子の 低い 声 で ブーンブーン と 読み上げ はじめた 。 |せんせい||のーと||あき|ちゅうこ||でんき|そうじ|き||||いっぽんぢょうしの|ひくい|こえ||||よみあげ|

ほとんど クラス 全員 が 催眠 術 に かかった ように ぼ ーっと なり 、 時々 、 はっと 我 に 返って は 、 名前 と か 年号 と か の ノート を とる 間 だけ 日 を 覚まし 、 また すぐ 眠り に 落ちる のだった 。 |くらす|ぜんいん||さいみん|じゅつ|||||- っと||ときどき||われ||かえって||なまえ|||ねんごう||||のーと|||あいだ||ひ||さまし|||ねむり||おちる| Almost everyone in the class was hypnotized, and sometimes, in return, they woke up only while taking notes such as their names and eras, and then fell asleep immediately. rice field . 先生 が 三十 分 も 読み上げ 続けた ころ 、 今 まで 一 度 も なかった こと が 起きた 。 せんせい||さんじゅう|ぶん||よみあげ|つづけた||いま||ひと|たび|||||おきた When the teacher continued to read for thirty minutes, something that had never happened before happened. ハーマイオニー が 手 を 挙げた のだ 。 ||て||あげた| ピンズ 先生 は ちょうど 一二八九 年 の 国際 魔法 戦士 条約 に ついて の 、 死に そうに 退屈な 講義 の 真っ最中 だった が 、 チラッ と 目 を 上げ 、 驚いた ように 見つめた 。 |せんせい|||いちにはっく|とし||こくさい|まほう|せんし|じょうやく||||しに|そう に|たいくつな|こうぎ||まっさいちゅう|||||め||あげ|おどろいた||みつめた 「 ミス ―― あー ?」 みす|

「 グレンジャー です 。 先生 、『 秘密の 部屋 』 に ついて 何 か 教えて いただけません か 」 ハーマイオニー は はっきり した 声 で 言った 。 せんせい|ひみつの|へや|||なん||おしえて|いただけ ませ ん||||||こえ||いった 口 を ポカン と 開けて 窓 の 外 を 眺めて いた ディーン ・ トーマス は 催眠 状態 から 急に 覚醒 した 。 くち||||あけて|まど||がい||ながめて|||||さいみん|じょうたい||きゅうに|かくせい|

両腕 を 枕 に して いた ラベンダー ・ ブラウン は 頭 を 持ち上げ 、 ネビル の 肘 は 机 から ガクッ と 滑 り 落ちた 。 りょううで||まくら||||らべんだー|||あたま||もちあげ|||ひじ||つくえ||||すべ||おちた

ピンズ 先生 は 目 を パチクリ した 。 |せんせい||め|||

「 わたし が お 教え し とる の は 魔法 史 です 」 干からびた 声 で 、 先生 が ゼーゼー と 言った 。 |||おしえ|||||まほう|し||ひからびた|こえ||せんせい||||いった "What I teach is the history of magic." In a dry voice, the teacher said Zeesee. 「 事実 を 教え とる のであり 、 ミス ・ グレンジャー 。 じじつ||おしえ|||みす| "Take counsel of the facts, Miss Granger. 神話 や 伝説 で は ない んであります 」 先生 は コホン と チョーク が 折れる ような 小さな 音 を たてて 咳払い し 、 授業 を 続けた 。 しんわ||でんせつ||||んであり ます|せんせい||||ちょーく||おれる||ちいさな|おと|||せきばらい||じゅぎょう||つづけた It's not a myth or a legend. ”The teacher cleared his throat with a small sound like a broken choke and a choke, and continued the class. 「 同じ 年 の 九 月 、 サルジニア 魔法使い の 小 委員 会 で ...... 先生 は ここ で つっかえた 。 おなじ|とし||ここの|つき||まほうつかい||しょう|いいん|かい||せんせい|||| "In September of the same year, at a subcommittee of the Wizards of Sardinia ... the teacher got stuck here. ハーマイオニー の 手 が また 空中 で 揺れて いた 。 ||て|||くうちゅう||ゆれて|

「 ミス ・ グラント ?」 みす|

「 先生 、 お 願い です 。 せんせい||ねがい| 伝説 と いう の は 必ず 事実 に 基づいて いる の では ありません か ?」 ピンズ 先生 は ハーマイオニー を じ ーっと 見つめた 。 でんせつ|||||かならず|じじつ||もとづいて||||あり ませ ん|||せんせい|||||- っと|みつめた その 驚き よう と きたら 、 先生 の クラス を 途中 で 遮る 生徒 は 、 先生 が 生きて いる 間 も 死んで か らも 、 ただ の 一 人 も い なかった に 違いない 、 と ハリー は 思った 。 |おどろき||||せんせい||くらす||とちゅう||さえぎる|せいと||せんせい||いきて||あいだ||しんで|||||ひと|じん|||||ちがいない||||おもった Harry thought that when he was surprised, there must have been no one student who interrupted the teacher's class halfway through, even though he died while he was alive.

「 ふむ 」

ピンズ 先生 は 考え ながら 言った 。 |せんせい||かんがえ||いった

「 然り 、 そんなふうに も 言えましょう 。 しかり|||いえ ましょう たぶん 」

先生 は ハーマイオニー を まじまじ と 見た 。 せんせい||||||みた まるで 今 まで 一 度 も 生徒 を まともに 見た こと が な いか の ようだった 。 |いま||ひと|たび||せいと|||みた|||||| It was as if I had never seen the students properly.

「 しかしながら です 。 あなた が おっしゃる ところ の 伝説 は と いえば 、 これ は まことに 人 騒が せ な もの であり 、 荒唐無稽な 話 と さえ 言える もの で あ ......?」 |||||でんせつ|||||||じん|さわが|||||こうとうむけいな|はなし|||いえる||| The legend you're talking about is that it's really noisy, and it's even a ridiculous story ...? "

しかし 、 いまや クラス 全体 が ピンズ 先生 の 一言 一言 に 耳 を 傾けて いた 。 ||くらす|ぜんたい|||せんせい||いちげん|いちげん||みみ||かたむけて| But now the whole class is listening to every word of Dr. Pins.

先生 は 見る と も なく ぼんやり と 全 生徒 を 見渡した 。 せんせい||みる||||||ぜん|せいと||みわたした The teacher looked over all the students vaguely without looking.

どの 顔 も 先生 の 方 を 向いて いる 。 |かお||せんせい||かた||むいて|

こんなに 興味 を 示さ れる こと など 、 かつて なかった 先生 が 、 完全に まごついて いる の が ハ リー に は わかった 。 |きょうみ||しめさ||||||せんせい||かんぜんに||||||||| Harry found that the teacher, who had never been so interested, was completely confused.

「 あー 、 よろしい 」 先生 が 噛みしめる ように 語り 出した 。 ||せんせい||かみしめる||かたり|だした

「 さて ......『 秘密の 部屋 』 と は ...... 皆さん も 知って の 通り 、 ホグワーツ は 一千 年 以上 も 前 ― ― 正確な 年号 は 不明である から に して ―― その 当時 の 、 最も 偉大なる 四 人 の 魔女 と 魔法使い たち に よって 、 創設 さ れた のであります 。 |ひみつの|へや|||みなさん||しって||とおり|||いっせん|とし|いじょう||ぜん|せいかくな|ねんごう||ふめいである|||||とうじ||もっとも|いだいなる|よっ|じん||まじょ||まほうつかい||||そうせつ|||のであり ます "Well ... what is the'secret room'? ... As you all know, Hogwarts was more than a thousand years old --- because the exact year is unknown. ――It was founded by the four greatest witches and wizards of that time. 創設 者 の 名前 に ちなみ その 四 つ の 学 寮 を 、 次の よ う に 名づけた のであります 。 そうせつ|もの||なまえ||||よっ|||まな|りょう||つぎの||||なづけた|のであり ます After the name of the founder, the four dormitories were named as follows. すなわち 、 ゴドリック ・ グリフィンドール 、 ヘルガ ・ ハッフル パフ 、 ロウエナ ・ レイブンクロー 、 そして サラザール ・ スリザリン 。 彼ら は マグル の 詮索 好 きな 目 から 遠く 離れた この 地 に 、 ともに この 城 を 築いた のであります 。 かれら||||せんさく|よしみ||め||とおく|はなれた||ち||||しろ||きずいた|のであり ます なぜならば 、 その 時 代 に は 魔法 は 一般 の 人々 の 恐れる ところ であり 、 魔女 や 魔法使い は 多大なる 迫害 を 受けた か ら で あります 」 先生 は ここ で 一息 入れ 、 漠然と クラス 全体 を 見つめ 、 それ から 続き を 話しだした 。 ||じ|だい|||まほう||いっぱん||ひとびと||おそれる|||まじょ||まほうつかい||ただいなる|はくがい||うけた||||あり ます|せんせい||||ひといき|いれ|ばくぜんと|くらす|ぜんたい||みつめ|||つづき||はなしだした In those days, magic was feared by the general public, and witches and wizards were greatly persecuted. 「 数 年 の 間 、 創設 者 たち は 和気 藹 々 で 、 魔法 力 を 示した 若者 たち を 探し出して は 、 この 城 に 誘って 教育 した のであります 。 すう|とし||あいだ|そうせつ|もの|||わけ|しげる|||まほう|ちから||しめした|わかもの|||さがしだして|||しろ||さそって|きょういく||のであり ます しかしながら 、 四 人 の 間 に 意見 の 相違 が 出て きた 。 |よっ|じん||あいだ||いけん||そうい||でて| スリザリ ン と 他の 三 人 と の 亀裂 は 広がって 行った 。 |||たの|みっ|じん|||きれつ||ひろがって|おこなった スリザリン は 、 ホグワーツ に は 選別 さ れた 生徒 の み が 入学 を 許さ れる べきだ と 考えた 。 |||||せんべつ|||せいと||||にゅうがく||ゆるさ||||かんがえた Slytherin thought that only selected students should be admitted to Hogwarts. 魔法 教育 は 、 純粋に 魔法 族 の 家系 に のみ 与えられる べ き だ と いう 信念 を 持ち 、 マグル の 親 を 持つ 生徒 は 学ぶ 資格 が ない と 考えて 、 入学 さ せる こと を 嫌った のであります 。 まほう|きょういく||じゅんすいに|まほう|ぞく||かけい|||あたえ られる||||||しんねん||もち|||おや||もつ|せいと||まなぶ|しかく||||かんがえて|にゅうがく|||||きらった|のであり ます With the belief that magical education should only be given to purely magical families, students with Muggle parents were reluctant to enroll because they thought they were not qualified to learn. しばらく して 、 この 間 題 を めぐり 、 スリザリン と グリフィンドール が 激しく 言い争い 、 スリザリン が 学校 を 去った のであります 」 ピンズ 先生 は ここ で また いったん 口 を 閉じた 。 |||あいだ|だい|||||||はげしく|いいあらそい|||がっこう||さった|のであり ます||せんせい||||||くち||とじた After a while, Slytherin and Gryffindor argued violently over the subject, and Slytherin left school. "Mr. Pins closed his mouth again here. 口 を すぼめる と 、 しわ くちゃ な 年寄り 亀 の ような 顔 に なった 。 くち|||||||としより|かめ|||かお|| When I squeezed my mouth, it turned into a wrinkled old turtle-like face.

「 信頼 できる 歴史 的 資料 は ここ まで しか 語って くれ ん のであります 。 しんらい||れきし|てき|しりょう|||||かたって|||のであり ます "This is the only story of reliable historical material. しかし こうした 真摯な 事実 が 、『 秘密の 部屋 』 と いう 空想 の 伝説 に より 、 暖味 な もの に なって おる 。 ||しんしな|じじつ||ひみつの|へや|||くうそう||でんせつ|||だんあじ||||| However, these sincere facts have become warmer than the fantasy legend of "The Secret Room." スリザリン が この 城 に 、 他の 創設 者 に は まったく 知られて いない 、 隠さ れた 部屋 を 作った と いう 話 が あ る 。 |||しろ||たの|そうせつ|もの||||しら れて||かくさ||へや||つくった|||はなし||| その 伝説 に よれば 、 スリザリン は 『 秘密の 部屋 』 を 封印 し 、 この 学校 に 彼 の 真 の 継承 者 が 現れる とき まで 、 何 人 も その 部屋 を 開ける こと が でき ない ように した と いう 。 |でんせつ|||||ひみつの|へや||ふういん|||がっこう||かれ||まこと||けいしょう|もの||あらわれる|||なん|じん|||へや||あける|||||||| According to legend, the Slytherin sealed the "Chamber of Secrets" so that no one could open it until his true heir had arrived at the school. その 継承 者 のみ が 『 秘密の 部屋 』 の 封印 を 解き 、 その 中 の 恐怖 を 解き放ち 、 それ を 用いて この 学校 から 魔法 を 学ぶ に ふさわしから ざる 者 を 追放 する と いう 」 |けいしょう|もの|||ひみつの|へや||ふういん||とき||なか||きょうふ||ときはなち|||もちいて||がっこう||まほう||まなぶ||||もの||ついほう||| Only that heir will unseal the Secret Room, unleash the horrors in it, and use it to expel those who are unfit to learn magic from this school. "

先生 が 語り 終える と 、 沈黙 が 満ちた 。 せんせい||かたり|おえる||ちんもく||みちた が 、 いつも の ピンズ 先生 の 授業 に つきもの の 、 眠気 を 誘う 沈黙 で は なかった 。 ||||せんせい||じゅぎょう||||ねむけ||さそう|ちんもく||| みんな が 先生 を 見つめ 、 もっと 話して ほしい と いう 落ち着か ない 空気 が 漂って いた 。 ||せんせい||みつめ||はなして||||おちつか||くうき||ただよって| There was a restless air that everyone stared at the teacher and asked him to talk more. ピンズ 先生 は かすかに 困惑 した 様子 を 見せた 。 |せんせい|||こんわく||ようす||みせた Dr. Pins showed a slight embarrassment.

「 もちろん 、 すべて は 戯言 で あります 。 |||たわごと||あり ます "Of course, everything is a joke. 当然 ながら 、 そのような 部屋 の 証 を 求め 、 最高の 学 識 ある 魔女 や 魔法使い が 、 何度 も この 学校 を 探索 した のであります が 、 そのような もの は 存 在 し なかった のであります 。 とうぜん|||へや||あかし||もとめ|さいこうの|まな|しき||まじょ||まほうつかい||なんど|||がっこう||たんさく||のであり ます|||||ぞん|ざい|||のであり ます Not surprisingly, the best-informed witches and wizards have searched the school many times in search of proof of such a room, but no such thing has existed. だまさ れ やすい 者 を 怖がら せる 作り話 で あります 」 ハーマイオニー の 手 が また 空中 に 挙がった 。 |||もの||こわがら||つくりばなし||あり ます|||て|||くうちゅう||あがった 「 先生 ――『 部屋 の 中 の 恐怖 』 と いう の は 具体 的に どういう こと です か ?」 せんせい|へや||なか||きょうふ|||||ぐたい|てきに|||| "Teacher: What exactly does" fear in the room "mean?"

「 なんらか の 怪物 だ と 信じられて おり 、 スリザリン の 継承 者 のみ が 操る こと が できる と い う 」 ピンズ 先生 は 干からびた 甲高い 声 で 答えた 。 ||かいぶつ|||しんじ られて||||けいしょう|もの|||あやつる||||||||せんせい||ひからびた|かんだかい|こえ||こたえた 生徒 が こわごわ 互いに 顔 を 見合わせた 。 せいと|||たがいに|かお||みあわせた The students were scared and looked at each other. 「 言って おきましょう 。 いって|おき ましょう "Let me tell you. そんな もの は 存在 し ない 」 ピンズ 先生 が ノート を パラパラ と めくり ながら 言った 。 |||そんざい||||せんせい||のーと||ぱらぱら||||いった 「『 部屋 』 など ない 、 したがって 怪物 は おら ん 」 へや||||かいぶつ|||

「 でも 、 先生 」 |せんせい

シェーマス ・ フィネガン だ 。 Seamus Finnegan.

「 もし 『 部屋 』 が スリザリン の 継承 者 に よって のみ 開けられる なら 、 他の 誰 も 、 それ を 見 つ ける こと は でき ない 、 そう でしょう ?」 「 ナンセンス 。 |へや||||けいしょう|もの||||あけ られる||たの|だれ||||み|||||||||なんせんす "If the'room'can only be opened by Slytherin's heirs, no one else can find it, right?" "Nonsense. オッフラハーティ 君 」 |きみ

ピンズ 先生 の 声 が ますます 険しく なった 。 |せんせい||こえ|||けわしく| Dr. Pins's voice became more and more urgent. 「 歴代 の ホグワーツ 校長 、 女 校 長先 生方 が 、 何も 発見 し なかった のだ から して ――」 「 でも 、 ピンズ 先生 」 れきだい|||こうちょう|おんな|こう|ながさき|うぶかた||なにも|はっけん||||||||せんせい

パーパティ ・ パチル が キンキン 声 を 出した 。 ||||こえ||だした 「 そこ を 開ける の に は 、 闇 の 魔術 を 使わ ない と いけない ので は ――」 ||あける||||やみ||まじゅつ||つかわ||||| "To open it, I have to use the magic of darkness."

「 ミス ・ ペニーフェザー 、 闇 の 魔術 を 使わ ない から と いって 、 使え ない と いう こと に は なら ない 」 ピンズ 先生 が ピシャッ と 言い返した 。 みす||やみ||まじゅつ||つかわ|||||つかえ||||||||||せんせい||||いいかえした "Miss Penny Feather, not using dark magic doesn't mean you can't use it," Pins replied.

「 繰り返し で は あります が 、 もし ダンブルドア の ような 方 が ――」 「 でも 、 スリザリン と 血 が つながって いない と いけない ので は ...?。 くりかえし|||あり ます||||||かた|||||ち||||||| "Repeat, but if you're like Dumbledore--" "But you have to have blood connected to Slytherin ...?. です から ダンブルドア は 」 So Dumbledore is "

ディーン ・ トーマス が そう 言い かけた ところ で 、 ピンズ 先生 は もう たくさんだ と ばかり び し り と 打ち切った 。 ||||いい|||||せんせい||||||||||うちきった

「 以上 、 おしまい 。 いじょう| "That's it. これ は 神話 で あります ! 部屋 は 存在 し ない ! スリザリン が 、 部屋 どころ か 、 秘密の 箒 置き場 さえ 作った 形跡 は ない のであります ! こんな バカバカしい 作り話 を お 聞 か せ した こと を 悔やんで おる 。 ||しんわ||あり ます|へや||そんざい|||||へや|||ひみつの|そう|おきば||つくった|けいせき|||のであり ます||ばかばかしい|つくりばなし|||き||||||くやんで| This is a myth! The room doesn't exist! There is no evidence that Slytherin even created a secret broom yard, let alone a room! I regret having told you such a stupid myth. よろしければ 歴史 に 戻る こと と する 。 |れきし||もどる||| 実態 の ある 、 信ずる に 足る 、 検証 できる 事実 である ところ の 歴史 に !」 じったい|||しんずる||たる|けんしょう||じじつ||||れきし| In the history of facts that are real, believable, and verifiable! "

ものの 五 分 も し ない うち に 、 クラス 全員 が いつも の 無気力 状態 に 戻って しまった 。 |いつ|ぶん||||||くらす|ぜんいん||||むきりょく|じょうたい||もどって|