×

We use cookies to help make LingQ better. By visiting the site, you agree to our cookie policy.


image

2 - Harry Potter, 8.1 絶命日パーティ - The Deathday Party

8.1 絶命日パーティ - The Deathday Party

第 8 章 絶命 日 パーティ - The Deathday Party

十 月 が やってきた ―― 校庭 や 城 の 中 に 湿った 冷たい 空気 を 撒き散らし ながら 。

校医 の マダム ・ ポンフリー は 、 先生 に も 生徒 に も 急に 風邪 が 流行 し だして 大忙しだった 。 校 医 特製 の 「 元気 爆発 薬 」 は すぐに 効いた 。 ただし 、 それ を 飲む と 数 時間 は 耳 から 煙 を 出し 続 ける こと に なった 。

ジニー ・ ウィーズリー は この ところ ずっと 具合 が 悪 そうだった ので 、 パーシー に 無理やり こ の 薬 を 飲ま さ れた 。 燃える ような 赤毛 の 下 から 煙 が モクモク 上がって 、 まるで ジニー の 頭 が 火事 に なった ようだった 。

銃弾 の ような 大きな 雤粒 が 、 何 日 も 続けて 城 の 窓 を 打ち 、 湖 は 水かさ を 増し 、 花壇 は 泤 の 河 の ように 流れ 、 ハグリッド の 巨大 かぼちゃ は 、 ちょっと した 物置 小屋 ぐらい に 大きく 膨れ 上 がった 。

しかし 、 オリバー ・ ウッド の 定期 訓練 熟 は 濡れ も 湿り も し なかった 。

だからこそ 、 ハロウィーン の 数 日 前 ある 土曜日 の 午後 、 嵐 の 中 を 、 ハリー は 骨 まで ずぶ濡れ に なり 、 泤跳 ね だらけ に なり ながら グリフィンドール の 塔 へ と 歩いて いた わけだ 。 雤 や 風 の こと は 別に して も 、 今日 の 練習 は 楽しい と は いえ なかった 。

スリザリン ・ チーム の 偵察 を して きた フレッド と ジョージ が 、 その 目 で 、 新型 ニンバス 20 01 の 速 さ を 見て きた のだ 。

二 人 の 報告 で は 、 スリザリン ・ チーム は まるで 垂直 離着陸 ジェット機 の ように 、 空中 を 縦横 に 突っ切る 七 つ の 緑 の 影 と しか 見え なかった と いう 。

人気 の ない 廊下 を ガボガボ と 水音 を 響かせ ながら 歩いて いる と 、 ハリー は 誰 か が 自分 と 同じ ように 物思い に 耽って いる の に 気づいた 。 「 ほとんど 首 無し ニック 」

グリフィンドール の 塔 に 住む ゴースト だった 。

ふさぎ込んで 窓 の 外 を 眺め ながら 、 ぶつぶつ つぶやいて いる 。

「...... 要件 を 満たさ ない ...... たった の 一 センチ 、 それ 以下 な のに ......」

「 や あ 、 ニック 」 ハリー が 声 を かけた 。

「 や あ 、 こんにちは 」 ニック は 不意 を 突か れた ように 振り向いた 。

ニック は 長い 巻き 毛 の 髪 に 派手な 羽 飾り の ついた 帽子 を かぶり 、 ひだ 襟 の ついた 短い 上着 を 着て いた 。

襟 に 隠れて 、 見た目 に は 、 首 が ほとんど 完全に 切り落とされて いる の が わから ない 。 薄い 煙 の ような ニック の 姿 を 通して 、 ハリー は 外 の 暗い 空 と 、 激しい 雤 を 見る こと が できた 。

「 お 若い ポッター 君 、 心配事 が あり そうだ ね 」 ニック は そう 言い ながら 透明の 手紙 を 折って 、 上着 の 内 ポケット に し まい込んだ 。 「 おたがいさまだ ね 」 ハリー が 言った 。

「 いや 」

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 優雅に 手 を 振り ながら 言った 。

「たいした こと では ありません ...... 本気で 入会 し たかった の と は 違い まして ね ...... ちょっと 申し込んで みよう か と 。 しかし 、 どうやら 私 は 『 要件 を 満たさ ない 』」

言葉 は 軽快だった が 、 ニック の 顔 は とても 辛 そうだった 。

「 でも 、 こう は 思いません か ?」 ニック は 急に ポケット から 先ほど の 手紙 を 引っ張り出し 、 堰 を 切った ように 話した 。

「 切れ ない 斧 で 首 を 四十五 回 も 切りつけられた と いう こと だけ でも 、『 首 無し 狩 』 に 参加 す る 資格 が ある と ......」 「 あー 、 そう だ ね 」 ハリー は 当然 同意 し ない わけに は いか なかった 。

「 つまり 、 いっぺんに すっきり と やって 欲しかった の は 、 首 が スッパリ と 落ちて 欲しかった の は 、 誰 で も ない 、 この 私 です よ 。 そうして くれれば 、 どんなに 痚 い 目 を みず に 、 辱 し め を 受け ず に すんだ こと か 。 それなのに ......」

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 手紙 を パッと 振って 開き 、 憤慨 し ながら 読み上げた 。 「 当 クラブ で は 、 首 が その 体 と 別れた 者 だけ に 狩人 と して の 入会 を 許可 して おります 。 貴 殿 に も お わかり いただけます ごとく 、 さもなくば 『 首 投げ 騎馬 戦 』 や 『 首 ポロ 』 と いった 狩 スポーツ に 参加 する こと は 不可能で あります 。 したがい まして 、 まことに 遺憾 ながら 、 貴 殿 は 当方 の 要件 を 満たさ ない 、 と お 知らせ 申し上げる 次第 です 。 敬具

パーリック ・ デレニー ・ ポドモア 卿 」

憤然 と し ながら 、 ニック は 手紙 を しまい 込んだ 。

「 たった 一 センチ の 筋 と 皮 で つながって いる だけ の 首 です よ 。 ハリー ! これ なら 十分 斬 首 されて いる と 、 普通 なら そう 考える でしょう 。 しかし 、 なんたる こと 、『 スッパリ 首 無し ポド モア 卿 』 に とって は 、 これ でも 十分で は ない のです 」

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 何度 も 深呼吸 を し 、 やがて 、 ずっと 落ち着いた 調子 で ハリー に 聞いた 。

「 ところで ―― 君 は どう しました ? 何 か 私 に できる こと は ?」 「 う うん 。 ただ で ニンバス 2001 を 、 七 本 手 に 入れられる ところ を どこ か 知って れば 別だ けど 。 対抗 試合 で スリ ......」

ハリー の 踝 の あたり から 聞こえて くる 甲高い ニャーニャー と いう 泣き声 で 、 言葉 が かき消さ て しまった 。

見下ろす と 、 ランプ の ような 黄色い 二 つ の 目 とばっちり 目 が 合った 。

ミセス ・ ノリス ―― 管理人 の アーガス ・ フィルチ が 、 生徒 たち と の 果てしなき 戦い に 、 いわ ば 助手 と して 使って いる 、 骸骨 の ような 灰色 猫 だ 。

「 ハリー 、 早く ここ を 立ち去る 方 が よい 」 即座に ニック が 言った 。

「 フィルチ は 機嫌 が 悪い 。 風邪 を 引いた 上 、 三 年生 の 誰 か が 起こした 爆発 事故 で 、 第 五 地下 牢 の 天井 いっぱい に 蛙 の 脳みそ が くっついて しまった もの だ から 、 フィルチ は 午前 中 ずっと 、 それ を 拭き取って いた 。 もし 君 が 、 そこら 中 に 泤 を ボトボト 垂らして いる の を みつけ た ら ......」

「 わかった 」 ハリー は ミセス ・ ノリス の 非難 が まし い 目つき から 逃れる ように 身 を 引いた が 、 遅かった 。

飼い主 と 性 悪 猫 と の 間 に 不思議な 杵 が ある か の よう に アーガス ・ フィルチ が その 場 に 引き 寄 せられ 、 ハリー の 右側 の 壁 に かかった タビストリー の 裏 から 突然 飛び出した 。 鼻息 も 荒く 、 そこら 中 を ギョロギョロ 見回して いる 。

頭 を 分厚い タータン の 襟巻き で ぐるぐる巻き に し 、 鼻 は 異常に ど す 赤かった 。

「 汚い !」

フィルチ が 叫んだ 。

ハリー の クィディッチ の ユニフォーム から 、 泤水 が 滴り 落ちて 水溜り に なって いる の を 指差 し 、 頬 を ピクビク 疫撃 さ せ 、 両日 が 驚く ほど 飛び出して いた 。

「 あっち も こっち も めちゃくちゃだ ! ええ い 、 もう たくさんだ ! ポッター 、 ついてこい !」

ハリー は 暗い 顔 で 「 ほとんど 首 無し ニック 」 に さよなら と 手 を 振り 、 フィルチ の あと に つい て また 階段 を 下りた 。

泤 だらけ の 足跡 が 往復 で 二 倍 に なった 。

ハリー は フィルチ の 事務 室 に 入った こと が なかった 。

そこ は 生徒 たち が なるべく 近寄ら ない 場所 で も あった 。

薄汚い 窓 の ない 部屋 で 、 低い 天井 から ぶら下がった 石油 ランプ が 一 つ 、 部屋 を 照らして い た 。

魚 の フライ の 臭い が 、 かすかに あたり に 漂って いる 。

周り の 壁 に 沿って 木製 の ファイル ・ キャビネット が 並び 、 ラベル を 見る と 、 フィルチ が 処罰 した 生徒 一人一人 の 細かい 記録 が 入って いる らしい 。

フレッド と ジョージ は まるまる 一 つ の 引き出し を 占領 して いた 。

フィルチ の 机 の 後ろ の 壁 に は ーピカピカ に 磨き上げられた 鎖 や 手 柳 が 一 揃い 掛けられて い た 。 生徒 の 足首 を 縛って 天井 から 逆さ 吊 り に する こと を 許して 欲しい と 、 フィルチ が しょっち ゅ う ダンブルドア に 懇願 して いる こと は 、 みんな 知っていた 。 フィルチ は 机 の 上 の インク 瓶 から 羽 ペン を 鷲づかみ に 、 羊 皮 紙 を 探して そこら 中 引っかき 回 した 。

「 くそっ」 フィルチ は 怒り狂って 吐き出す ように 言った 。 「 煙 の 出て いる ドラゴン の で かい 鼻 くそ ...... 蛙 の 脳みそ ...... ねずみ の 腸 ...... もう うんざり だ ...... 見せしめ に して くれる ...... 書類 は どこ だ ...... よし ......」

フィルチ は 机 の 引き出し から 大きな 羊 皮 紙 の 巻紙 を 取り出し 、 目の前 に 広げ 、 インク 瓶 に 長 い 黒い 羽 ペン を 突っ込んだ 。

「 名前 ...... ハリー ・ ポッター ...... 罪状 ......」

「 ほんの ちょっぴり の 泤 です !」 ハリー が 言った 。

「 そりゃ 、 おまえ さん に は ちょっぴ ? の 泤 で ご ざんしょう よ 。 だけど こっち は 一 時間 も 余分 に 床 を こすら な けり や なら ない んだ !」

団子 鼻 から ゾローツ と 垂れた 鼻水 を 不快 そうに 震わせ ながら フィルチ が 叫んだ 。

「 罪状 ...... 城 を 汚した ...... ふさわしい 判決 ......」

鼻水 を 拭き 拭き 、 フィルチ は 目 を す が め て ハリー の 方 を 不快 げ に 眺めた 。

ハリー は 息 を ひそめて 判決 が 下る の を 待って いた 。

フィルチ が まさに ペン を 走ら せよう と した とき 、 天井 の 上 で バーン ! と 音 が して 、 石油 ラン プ が カタカタ 揺れた 。

「 ビープズ め !」 フィルチ は 唸り 声 を あげ 、 羽 ペン に 八つ当たり して 放り投げた 。 「 今度 こそ 取っ捕まえて やる 。 今度 こそ !」 ハリー の 方 を 見向き も せ ず 、 フィルチ は ぶざまな 走り 方 で 事務 室 を 出て 行った 。

ミセス ・ ノリス が その 脇 を 流れる ように 走った 。

ビープズ は この 学校 の ポルターガイスト だ 。

ニヤニヤ し ながら 空中 を 漂い 、 大騒ぎ を 引き起こしたり へ みんな を 困ら せる の を 生き 甲斐 に して いる 厄介 者 だった 。

ハリー は ビープズ が 好きで は なかった が 、 今 は その タイミング の よ さ に 感謝 し ない わけに は いか なかった 。 ビープズ が 何 を しでかした に せよ ( あの 音 で は 今度 は 何かと て も 大きな 物 を 壊した ようだ )、 フィルチ が そちら に 気 を 取られて 、 ハリー の こと を 忘れて くれる かも しれ ない 。 フィルチ が 戻る まで 得た な きや いけない だろう な 、 と 思い ながら 、 ハリー は 机 の 脇 に あった 虫食い だらけ の 椅子 に ドサッ と 腰掛けた 。

机 の 上 に は 書き かけ の ハリー の 書類 の 他 に 、 もう 一 つ 何 か が 置いて あった 。 大きな 、 紫色 の 光沢 の ある 封筒 で 、 表 に 銀 文字 で 何 か 書いて ある 。

ドア を テラリ と 見て 、 フィルチ が 戻って こ ない こと を 確かめて から 、 ハリー は 封筒 を 取り 上 げ て 文字 を 読んだ 。

クイックスペル

KWIKSPELL

初心 者 の 為 の 魔法 速 習 通信 講座

興味 を そそられて 、 ハリー は 封筒 を 指 で ボン と はじいて 開け 、 中 から 羊 皮 紙 の 束 を 取り出し た 。 最初の ページ に は 、 丸み の ある 銀 文字 で こう 書いて あった 。

現代 魔法 の 世界 に ついて いけ ない と 、 感じて いません か ? 一 簡単な 呪文 も かけられ ない こと で 、 言い訳 に 苦労 して いません か ? 杖 の 使い 方 が なって いない と 、 冷やかさ れた こと は ありません か ? お 任せ ください !

クイックスペル は まったく 新しい 、 誰 に でも できる 、 すぐに 効果 が 上がる 、 楽な 学習 コース です 。 何 百 人 と いう 魔法使い や 魔女 が クイックスペル 学習 法 に 感謝 して います ! トップシャ ム の マダム ・ Z ・ ネットルズ の お 手紙 「 私 は 呪文 が まったく 覚えられ ず 、 私 の 魔法 薬 は 家中 の 笑い者 でした 。 でも 、 クイックスベ ル ・ コース を 終えた あと は 、 パーティ の 花形 は この 私 ! 友人 が 発光 液 の 作り 方 を 教えて くれ と 拝む ように して 頼む のです 」

ディズベリー の D . J . プロッド 魔法 戦士 の お 手紙

「 妻 は 私 の 魔法 呪文 が 弱々しい と あざ笑って いました 。 でも 、 貴 校 の すばらしい コース を 一 カ月 受けた 後 、 見事 、 妻 を ヤク に 変えて しまいました ! クイックスペル 、 ありがとう !」 ハリー は おもしろく なって 、 封筒 の 中身 を ばらばら めくった ―― いったい どうして フィルチ は クイックスペル ・ コース を 受けたい んだろう ? 彼 は ちゃんと した 魔法使い で は ない んだ ろ うか ? ハリー は 第 一 科 を 読んだ 。 「 杖 の 持ち 方 ( 大切な コツ )」。

その とき 、 ドア の 外 で 足 を 引きずる ような 音 が して 、 フィルチ が 戻って ? る の が わかった 。

ハリー は 羊 皮 紙 を 封筒 に 戻し 、 机 の 上 に 放り投げた 。 ちょうど ドア が 開いた とき だった 。

フィルチ は 勝ち誇って いた 。

「 あの 『 姿 を くらます 飾り 棚 』 は 非常に 値打ち の ある もの だった !」

フィルチ は ミセス ・ ノリス に 向かって いかにも 嬉し そうに 言った 。

「 なあ 、 おまえ 、 今度 こそ ビープズ め を 追い 出せる なあ 」

フィルチ の 目 が まず ハリー に 、 それ から 矢 の ように クイックスペル の 封筒 へ と 移った 。

ハリー は 「 しまった 」 と 思った 。 封筒 は 元 の 位置 から 六十 センチ ほど ずれた ところ に 置か れ ていた 。

フィルチ の 青白い 顔 が 、 レンガ の ように 赤く なった 。

フィルチ の 怒り が 津波 の ように 押し寄せる だろう と 、 ハリー は 身構えた 。

フィルチ は 机 の ところ まで 不 恰好に 歩き 、 封筒 を さっと 取り 、 引き出し に 放り込んだ 。

「 おまえ 、 もう ...... 読んだ か ?――」 フィルチ が ぶつぶつ 言った 。

「 いいえ 」 ハリー は 急いで 嘘 を ついた 。

フィルチ は ごつごつ した 両手 を 絞る ように 握り合わ せた 。

「 おまえ が わたし の 個人 的な 手紙 を 読む と わかって いたら ...... わたし 宛 の 手紙 で は ない が ... ... 知り合い の もの だ が ...... それ は それ と して ...... しかし ......」

ハリー は 唖然と して フィルチ を 見つめた 。 フィルチ が こんなに 怒った の は 見た こと が ない 。

目 は 飛び出し 、 垂れ下がった 頬 の 片方 が ピクビク 痘撃 して 、 タータンチェック の 襟巻 まで も 、 怒り の 形相 を 際立た せて いた 。

「 もう いい ...... 行け ...... ひとこと も 漏らす な ...... もっとも ...... 読ま なかった の なら 別だ が ... ... さあ 、 行く んだ 。 ビープズ の 報告 書 を 書か なければ ...... 行け ......」

なんて 運 が いい んだろう と 驚き ながら 、 ハリー は 急いで 部屋 を 出て 、 廊下 を 渡り 、 上 の 階 へ 戻った 。

なんの 処罰 も なし に フィルチ の 事務 室 を 出られた なんて 、 開校 以来 の 出来事 かも しれ ない 。 「 ハリー ! ハリー ! うまく いった かい ?」 「 ほとんど 首 無し ニック 」 が 教室 から 滑る ように 現れた 。

その 背後 に 金 と 黒 の 大きな 飾り 棚 の 残骸 が 見えた 。 ずいぶん 高い ところ から 落とさ れた 様子 だった 。 「 ビープズ を 焚きつけて 、 フィルチ の 事務 室 の 真 上 に 墜落 さ せた んです よ 。 そう すれば 気 を そらす こと が できる ので は と ......」 ニック は 真剣な 表情 だった 。

「 君 だった の ?」 ハリー は 感謝 を 込めて 言った 。 「 あぁ 、 とっても うまく いった よ 。 処罰 も 受け なかった 。 ありがとう 、 ニック !」

二 人 で 一緒に 廊下 を 歩き ながら 、 ハリー は ニック が 、 パトリック 卿 の 入会 拒否 の 手紙 を 、 ま だ 握りしめて いる こと に 気づいた 。

「『 首 無し 狩 』 の こと だ けど 、 僕 に 何 か できる こと が ある と いい のに 」 ハリー が 言った 。

「 ほとんど 首 無し ニック 」 が 急に 立ち止まった ので 、 ハリー は もろ に ニック の 中 を 通り抜け て しまった 。

通り抜け なき や よかった のに 、 と ハリー は 思った 。 まるで 氷 の シャワー を 浴びた ようだった 。 「 それ が 、 して いただける こと が ある のです よ 」 ニック は 興奮 気味だった 。

「 ハリー ―― もし 、 あつかましく なければ ―― いや でも 、 ダメでしょう 。 そんな こと は お 嫌 でしょう ......」

「 なん な の ?」

「 え ぇ 、 今度 の ハロウィーン が 私 の 五百 回 目 の 絶命 日 に 当たる のです 」

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 背筋 を 伸ばし 、 威厳 たっぷ ? に 言った 。 「 それ は ......」 ハリー は いったい 悲しむ べき か 、 喜ぶ べき か 戸惑った 。

「 そう な んです か 」

「 私 は 広 めの 地下 牢 を 一 つ 使って 、 パーティ を 開こう と 思います 。 国 中 から 知人 が 集まり ま す 。 君 が 出席 して くだされば どんなに 光栄 か 。 ミスター ・ ウィーズリー も ミス ・ グレン ジャー も 、 もちろん 大 歓迎 です ―― でも 、 おそらく 学校 の パーティ の 方 に 行きたい と 思わ れ る でしょう ね ?」 ニック は 緊張 した 様子 で ハリー を 見た 。

「 そんな こと ない よ 。 僕 、 出席 する ......」 ハリー は とっさに 答えた 。

「 なんと ? ハリー ・ ポッター が 私 の 絶命 日 パーティ に ?」

そう 言った あと 、 ニック は 興奮 し ながら も 遠慮がちに 聞いた 。

「 よろしければ 、 私 が いかに 恐ろしく ものすごい か 、 君 から パトリック 卿 に 言って くださる こと は 、 もし かして 可能でしょう か ?」

「 だ 、 大丈夫だ よ 」 ハリー が 答えた 。

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は ニッコリ 微笑んだ 。

ハリー が やっと 着替え を すませ 、 談話 室 で ロン や ハーマイオニー に その 話 を する と 、 ハーマ イオニー は 夢中に なった 。 「 絶命 日 パーティ で すって ? 生きて る うち に 招か れた 入って 、 そんなに 多く ない はずだ わ ― ― おもしろ そう !」

「 自分 の 死んだ 日 を 祝う なんて 、 どういう わけ ?」

ロン は 魔法 薬 の 宿題 が 半分 しか 終わって いない ので 機嫌 が 悪かった 。 「 死ぬ ほど 落ち込み そうじゃ ない か ......」

雤 は 相変わらず 窓 を 打ち 、 外 は 墨 の ように 暗く なって いた 。

しかし 談話 室 は 明るく 、 楽し さ 満ちて いた 。

暖炉 の 火 が いく つ も の 座り 心地 の よい 肱 掛 椅子 を 照らし 、 生徒 たち は それぞれ に 読書 した り 、 おしゃべり したり 、 宿題 を したり して いた 。

フレッド と ジョージ は 、 火 トカゲ に 「 フィリバスター の 長々 花火 」 を 食べ させたら 、 どう い う こと に なる か 試して いた 。

フレッド は 「 魔法 生物 の 世話 」 の クラス から 、 火 の 中 に 住む 、 燃える ような オレンジ色 の 火 トカゲ を 「 助け出して 」 きた のだ と いう 。

火 トカゲ は 、 好奇心 満々 の 生徒 たち に 囲まれて テーブル の 上 で 、 今 は 静かに くすぶって い た 。 ハリー は ロン と ハーマイオニー に 、 フィルチ と クイックスペル ・ コース の こと を 話そう と し た 。

その 途端 、 火 トカゲ が 急に ヒュッ と 空中 に 飛び上がり 、 派手に 火花 を 散らし 、 パンパン 大き な 音 を たて ながら 、 部屋 中 を 猛烈な 勢い で ぐるぐる 回り はじめた 。

パーシー は 声 を からして フレッド と ジョージ を 怒鳴りつけ 、 火 トカゲ の 口 から は 滝 の ように 橙色 の 星 が 流れ出して すばらしい 眺め に なり 、 トカゲ が 爆発 音 と ともに 暖炉 の 火 の 中 に 逃げ 込み 、 なんだか んだ で 、 フィルチ の こと も クィツクスペル の 封筒 の こと も 、 ハリー の 頭 から 吹っ飛んで しまった 。

8.1 絶命日パーティ - The Deathday Party ぜつめい にち ぱーてぃ|the|deathday|party 8.1 Die Party zum Todestag - Die Party zum Todestag 8.1 The Deathday Party 8.1 Przyjęcie z okazji Dnia Śmierci - Przyjęcie z okazji Dnia Śmierci 8.1 The Deathday Party - The Deathday Party 8.1 忌日派对 8.1 忌日派對

第 8 章 絶命 日 パーティ - The Deathday Party だい|しょう|ぜつめい|ひ|ぱーてぃ|the|deathday|party 第8章 死亡派对

十 月 が やってきた ―― 校庭 や 城 の 中 に 湿った 冷たい 空気 を 撒き散らし ながら 。 じゅう|つき|||こうてい||しろ||なか||しめった|つめたい|くうき||まきちらし|

校医 の マダム ・ ポンフリー は 、 先生 に も 生徒 に も 急に 風邪 が 流行 し だして 大忙しだった 。 こうい|||||せんせい|||せいと|||きゅうに|かぜ||りゅうこう|||おおいそがしだった 校 医 特製 の 「 元気 爆発 薬 」 は すぐに 効いた 。 こう|い|とくせい||げんき|ばくはつ|くすり|||きいた ただし 、 それ を 飲む と 数 時間 は 耳 から 煙 を 出し 続 ける こと に なった 。 |||のむ||すう|じかん||みみ||けむり||だし|つづ|||| However, drinking it would cause smoke to come out of his ears for several hours.

ジニー ・ ウィーズリー は この ところ ずっと 具合 が 悪 そうだった ので 、 パーシー に 無理やり こ の 薬 を 飲ま さ れた 。 ||||||ぐあい||あく|そう だった||||むりやり|||くすり||のま|| Ginny Weasley seemed ill all the time, so Percy forced him to take this medicine. 燃える ような 赤毛 の 下 から 煙 が モクモク 上がって 、 まるで ジニー の 頭 が 火事 に なった ようだった 。 もえる||あかげ||した||けむり|||あがって||||あたま||かじ||| Smoke fluttered from under the fiery redhead, as if Ginny's head was on fire.

銃弾 の ような 大きな 雤粒 が 、 何 日 も 続けて 城 の 窓 を 打ち 、 湖 は 水かさ を 増し 、 花壇 は 泤 の 河 の ように 流れ 、 ハグリッド の 巨大 かぼちゃ は 、 ちょっと した 物置 小屋 ぐらい に 大きく 膨れ 上 がった 。 じゅうだん|||おおきな|雤つぶ||なん|ひ||つづけて|しろ||まど||うち|こ||みずかさ||まし|かだん||||かわ|||ながれ|||きょだい|||||ものおき|こや|||おおきく|ふくれ|うえ| Large ammunition-like grains struck the windows of the castle for days in a row, the lakes increased in water, the flower beds flowed like rivers of swords, and Hagrid's giant pumpkins swelled to the size of a small storage shed. It went up.

しかし 、 オリバー ・ ウッド の 定期 訓練 熟 は 濡れ も 湿り も し なかった 。 ||||ていき|くんれん|じゅく||ぬれ||しめり||| However, Oliver Wood's regular training ripening was neither wet nor moist.

だからこそ 、 ハロウィーン の 数 日 前 ある 土曜日 の 午後 、 嵐 の 中 を 、 ハリー は 骨 まで ずぶ濡れ に なり 、 泤跳 ね だらけ に なり ながら グリフィンドール の 塔 へ と 歩いて いた わけだ 。 |||すう|ひ|ぜん||どようび||ごご|あらし||なか||||こつ||ずぶぬれ|||泤ちょう||||||||とう|||あるいて|| That's why, on a Saturday afternoon a few days before Halloween, Harry walked into Gryffindor Tower in a storm, soaking wet to the bone and soaked to the skin. 雤 や 風 の こと は 別に して も 、 今日 の 練習 は 楽しい と は いえ なかった 。 ||かぜ||||べつに|||きょう||れんしゅう||たのしい|||| Aside from the drops and the wind, today's practice wasn't fun.

スリザリン ・ チーム の 偵察 を して きた フレッド と ジョージ が 、 その 目 で 、 新型 ニンバス 20 01 の 速 さ を 見て きた のだ 。 |ちーむ||ていさつ||||||じょーじ|||め||しんがた|||はや|||みて|| Fred and George, who have been scouting the Slytherin team, have seen with their own eyes the speed of the new Nimbus 2001.

二 人 の 報告 で は 、 スリザリン ・ チーム は まるで 垂直 離着陸 ジェット機 の ように 、 空中 を 縦横 に 突っ切る 七 つ の 緑 の 影 と しか 見え なかった と いう 。 ふた|じん||ほうこく||||ちーむ|||すいちょく|りちゃくりく|じぇっとき|||くうちゅう||じゅうおう||つっきる|なな|||みどり||かげ|||みえ||| According to the two reports, the Slytherin team looked like seven green shadows that cut through the air vertically and horizontally, much like a vertical take-off and landing jet.

人気 の ない 廊下 を ガボガボ と 水音 を 響かせ ながら 歩いて いる と 、 ハリー は 誰 か が 自分 と 同じ ように 物思い に 耽って いる の に 気づいた 。 にんき|||ろうか||||みずおと||ひびかせ||あるいて|||||だれ|||じぶん||おなじ||ものおもい||たん って||||きづいた As he walked down the unpopular corridor, rumbling in the water, Harry noticed that someone was as pensive as he was. 「 ほとんど 首 無し ニック 」 |くび|なし| "Almost headless, Nick."

グリフィンドール の 塔 に 住む ゴースト だった 。 ||とう||すむ|ごーすと|

ふさぎ込んで 窓 の 外 を 眺め ながら 、 ぶつぶつ つぶやいて いる 。 ふさぎこんで|まど||がい||ながめ|||| He is mumbling to himself as he gazes out the window.

「...... 要件 を 満たさ ない ...... たった の 一 センチ 、 それ 以下 な のに ......」 ようけん||みたさ||||ひと|せんち||いか|| "... does not meet the requirements ... only one centimeter or less ..."

「 や あ 、 ニック 」 ハリー が 声 を かけた 。 |||||こえ||

「 や あ 、 こんにちは 」 ニック は 不意 を 突か れた ように 振り向いた 。 ||ふい||つか|||ふりむいた Nick turned around, caught off guard.

ニック は 長い 巻き 毛 の 髪 に 派手な 羽 飾り の ついた 帽子 を かぶり 、 ひだ 襟 の ついた 短い 上着 を 着て いた 。 ||ながい|まき|け||かみ||はでな|はね|かざり|||ぼうし||||えり|||みじかい|うわぎ||きて| Nick had long, curly hair, a hat with a fancy feather ornament, and a short jacket with a floppy collar.

襟 に 隠れて 、 見た目 に は 、 首 が ほとんど 完全に 切り落とされて いる の が わから ない 。 えり||かくれて|みため|||くび|||かんぜんに|きりおとさ れて||||| Hidden by the collar, it is almost impossible to see that the neck has been cut off completely. 薄い 煙 の ような ニック の 姿 を 通して 、 ハリー は 外 の 暗い 空 と 、 激しい 雤 を 見る こと が できた 。 うすい|けむり|||||すがた||とおして|||がい||くらい|から||はげしい|||みる||| Through Nick's thin, smoky form, Harry could see the dark sky outside and the heavy rain.

「 お 若い ポッター 君 、 心配事 が あり そうだ ね 」 ニック は そう 言い ながら 透明の 手紙 を 折って 、 上着 の 内 ポケット に し まい込んだ 。 |わかい||きみ|しんぱいごと|||そう だ|||||いい||とうめいの|てがみ||おって|うわぎ||うち|ぽけっと|||まいこんだ Nick folded the transparent letter and tucked it into the inside pocket of his jacket. 「 おたがいさまだ ね 」 ハリー が 言った 。 ||||いった We're still on the same side," Harry said.

「 いや 」

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 優雅に 手 を 振り ながら 言った 。 |くび|なし|||ゆうがに|て||ふり||いった Almost Headless Nick," he said with a graceful wave of his hand.

「たいした こと では ありません ...... 本気で 入会 し たかった の と は 違い まして ね ...... ちょっと 申し込んで みよう か と 。 |||あり ませ ん|ほんきで|にゅうかい||||||ちがい||||もうしこんで||| "It's not a big deal ... It's different from what I really wanted to join ... Let's apply for a bit. しかし 、 どうやら 私 は 『 要件 を 満たさ ない 』」 ||わたくし||ようけん||みたさ|

言葉 は 軽快だった が 、 ニック の 顔 は とても 辛 そうだった 。 ことば||けいかいだった||||かお|||しん|そう だった His words were lighthearted, but his face was very grim.

「 でも 、 こう は 思いません か ?」 |||おもい ませ ん| "But don't you think this?" ニック は 急に ポケット から 先ほど の 手紙 を 引っ張り出し 、 堰 を 切った ように 話した 。 ||きゅうに|ぽけっと||さきほど||てがみ||ひっぱりだし|せき||きった||はなした Nick suddenly pulled the letter out of his pocket and spoke as if he had just been weighed down.

「 切れ ない 斧 で 首 を 四十五 回 も 切りつけられた と いう こと だけ でも 、『 首 無し 狩 』 に 参加 す る 資格 が ある と ......」 きれ||おの||くび||しじゅうご|かい||きりつけ られた||||||くび|なし|か||さんか|||しかく||| "Even if you have been slashed your neck forty-five times with an inseparable ax, you are eligible to participate in'Neckless Hunting'..." 「 あー 、 そう だ ね 」 ハリー は 当然 同意 し ない わけに は いか なかった 。 ||||||とうぜん|どうい|||||| "Ah, that's right." Harry couldn't help but disagree, of course.

「 つまり 、 いっぺんに すっきり と やって 欲しかった の は 、 首 が スッパリ と 落ちて 欲しかった の は 、 誰 で も ない 、 この 私 です よ 。 |||||ほしかった|||くび||||おちて|ほしかった|||だれ|||||わたくし|| "In other words, I wanted to do it all at once, and I didn't want anyone to have my neck fall off. そうして くれれば 、 どんなに 痚 い 目 を みず に 、 辱 し め を 受け ず に すんだ こと か 。 |||||め||||じょく||||うけ||||| If you do so, how much you can avoid being humiliated without your eyes. Se você fizer isso, quanto você pode evitar ser humilhado com seus olhos coçando. それなのに ......」 Even so ... "

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 手紙 を パッと 振って 開き 、 憤慨 し ながら 読み上げた 。 |くび|なし|||てがみ||ぱっと|ふって|あき|ふんがい|||よみあげた Almost Headless Nick" opened the letter with a wave of his head and read it out loud in exasperation. 「 当 クラブ で は 、 首 が その 体 と 別れた 者 だけ に 狩人 と して の 入会 を 許可 して おります 。 とう|くらぶ|||くび|||からだ||わかれた|もの|||かりゅうど||||にゅうかい||きょか||おり ます In our club, only those whose heads are separated from their bodies are allowed to join as hunters. 貴 殿 に も お わかり いただけます ごとく 、 さもなくば 『 首 投げ 騎馬 戦 』 や 『 首 ポロ 』 と いった 狩 スポーツ に 参加 する こと は 不可能で あります 。 とうと|しんがり|||||いただけ ます|||くび|なげ|きば|いくさ||くび|ぽろ|||か|すぽーつ||さんか||||ふかのうで|あり ます As you can see, it is otherwise impossible to participate in hunting sports such as "Koshi guruma" and "Neck polo". したがい まして 、 まことに 遺憾 ながら 、 貴 殿 は 当方 の 要件 を 満たさ ない 、 と お 知らせ 申し上げる 次第 です 。 |||いかん||とうと|しんがり||とうほう||ようけん||みたさ||||しらせ|もうしあげる|しだい| Therefore, I regret to inform you that you do not meet our requirements. 敬具 けいぐ

パーリック ・ デレニー ・ ポドモア 卿 」 |||きょう

憤然 と し ながら 、 ニック は 手紙 を しまい 込んだ 。 ふんぜん||||||てがみ|||こんだ Nick put the letter away in exasperation.

「 たった 一 センチ の 筋 と 皮 で つながって いる だけ の 首 です よ 。 |ひと|せんち||すじ||かわ||||||くび|| It's just a neck connected by a centimeter of muscle and skin. ハリー ! これ なら 十分 斬 首 されて いる と 、 普通 なら そう 考える でしょう 。 |||じゅうぶん|き|くび|さ れて|||ふつう|||かんがえる| Harry! You would normally think that this was enough to be decapitated. しかし 、 なんたる こと 、『 スッパリ 首 無し ポド モア 卿 』 に とって は 、 これ でも 十分で は ない のです 」 ||||くび|なし||もあ|きょう||||||じゅうぶんで||| But, my goodness, even this is not enough for 'Sir Podmore the Headless'."

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 何度 も 深呼吸 を し 、 やがて 、 ずっと 落ち着いた 調子 で ハリー に 聞いた 。 |くび|なし|||なんど||しんこきゅう|||||おちついた|ちょうし||||きいた Almost Headless Nick" took several deep breaths and then asked Harry in a much calmer tone.

「 ところで ―― 君 は どう しました ? 何 か 私 に できる こと は ?」 |きみ|||し ました|なん||わたくし|||| "By the way--what happened to you? What can I do?" 「 う うん 。 "Uh-huh. ただ で ニンバス 2001 を 、 七 本 手 に 入れられる ところ を どこ か 知って れば 別だ けど 。 ||||なな|ほん|て||いれ られる|||||しって||べつだ| Unless you know where you can get seven Nimbus 2001 for free. 対抗 試合 で スリ ......」 たいこう|しあい|| In Opponent Matches, pickpocket ......"

ハリー の 踝 の あたり から 聞こえて くる 甲高い ニャーニャー と いう 泣き声 で 、 言葉 が かき消さ て しまった 。 ||くるぶし||||きこえて||かんだかい||||なきごえ||ことば||かきけさ|| The words were drowned out by the high-pitched meow meow that I heard from around Harry's ankles.

見下ろす と 、 ランプ の ような 黄色い 二 つ の 目 とばっちり 目 が 合った 。 みおろす||らんぷ|||きいろい|ふた|||め||め||あった

ミセス ・ ノリス ―― 管理人 の アーガス ・ フィルチ が 、 生徒 たち と の 果てしなき 戦い に 、 いわ ば 助手 と して 使って いる 、 骸骨 の ような 灰色 猫 だ 。 ||かんりにん|||||せいと||||はてしなき|たたかい||||じょしゅ|||つかって||がいこつ|||はいいろ|ねこ| Mrs. Norris-A skeleton-like gray cat that Argus Filch, the caretaker, uses as an assistant in an endless battle with his students.

「 ハリー 、 早く ここ を 立ち去る 方 が よい 」 即座に ニック が 言った 。 |はやく|||たちさる|かた|||そくざに|||いった Harry, you'd better get out of here," Nick said immediately.

「 フィルチ は 機嫌 が 悪い 。 ||きげん||わるい 風邪 を 引いた 上 、 三 年生 の 誰 か が 起こした 爆発 事故 で 、 第 五 地下 牢 の 天井 いっぱい に 蛙 の 脳みそ が くっついて しまった もの だ から 、 フィルチ は 午前 中 ずっと 、 それ を 拭き取って いた 。 かぜ||ひいた|うえ|みっ|ねんせい||だれ|||おこした|ばくはつ|じこ||だい|いつ|ちか|ろう||てんじょう|||かえる||のうみそ|||||||||ごぜん|なか||||ふきとって| Filch wiped it all morning, as he had caught a cold and had a frog's brain stuck to the ceiling of the Fifth Dungeon in an explosion caused by someone in the third grade. もし 君 が 、 そこら 中 に 泤 を ボトボト 垂らして いる の を みつけ た ら ......」 |きみ|||なか|||||たらして|||||| If you find yourself hanging a sword all over the place ... "

「 わかった 」 ハリー は ミセス ・ ノリス の 非難 が まし い 目つき から 逃れる ように 身 を 引いた が 、 遅かった 。 ||||||ひなん||||めつき||のがれる||み||ひいた||おそかった Harry backed away to escape Mrs. Norris's reproachful glare, but it was too late.

飼い主 と 性 悪 猫 と の 間 に 不思議な 杵 が ある か の よう に アーガス ・ フィルチ が その 場 に 引き 寄 せられ 、 ハリー の 右側 の 壁 に かかった タビストリー の 裏 から 突然 飛び出した 。 かいぬし||せい|あく|ねこ|||あいだ||ふしぎな|きね|||||||||||じょう||ひき|よ|せら れ|||みぎがわ||かべ|||||うら||とつぜん|とびだした Argus Filch was drawn to the spot as if there was a mysterious pestle between the owner and the evil cat, and suddenly jumped out of the back of the Tabistry on Harry's right wall. 鼻息 も 荒く 、 そこら 中 を ギョロギョロ 見回して いる 。 はないき||あらく||なか|||みまわして| He is sniffing around, looking around with a wild nose.

頭 を 分厚い タータン の 襟巻き で ぐるぐる巻き に し 、 鼻 は 異常に ど す 赤かった 。 あたま||ぶあつい|||えりまき||ぐるぐるまき|||はな||いじょうに|||あかかった His head was wrapped in a thick tartan collar and his nose was abnormally red.

「 汚い !」 きたない

フィルチ が 叫んだ 。 ||さけんだ Filch shouted.

ハリー の クィディッチ の ユニフォーム から 、 泤水 が 滴り 落ちて 水溜り に なって いる の を 指差 し 、 頬 を ピクビク 疫撃 さ せ 、 両日 が 驚く ほど 飛び出して いた 。 ||||ゆにふぉーむ||泤みず||したたり|おちて|みずたまり||||||ゆびさ||ほお|||えきげき|||りょうじつ||おどろく||とびだして| He pointed to a puddle of water dripping from Harry's Quidditch uniform, his cheeks jiggling, and both days popping out in surprise.

「 あっち も こっち も めちゃくちゃだ ! ええ い 、 もう たくさんだ ! ポッター 、 ついてこい !」 あっ ち|||||||||| "It's a mess over there and over there! Yeah, that's enough! Potter, follow me!

ハリー は 暗い 顔 で 「 ほとんど 首 無し ニック 」 に さよなら と 手 を 振り 、 フィルチ の あと に つい て また 階段 を 下りた 。 ||くらい|かお|||くび|なし|||||て||ふり||||||||かいだん||おりた Harry waved goodbye to the nearly headless Nick with a dark look on his face and followed Filch down the stairs again.

泤 だらけ の 足跡 が 往復 で 二 倍 に なった 。 |||あしあと||おうふく||ふた|ばい|| The footprints full of swords have doubled in round trips.

ハリー は フィルチ の 事務 室 に 入った こと が なかった 。 ||||じむ|しつ||はいった||| Harry had never been in Filch's office.

そこ は 生徒 たち が なるべく 近寄ら ない 場所 で も あった 。 ||せいと||||ちかよら||ばしょ||| It was also a place that students avoided as much as possible.

薄汚い 窓 の ない 部屋 で 、 低い 天井 から ぶら下がった 石油 ランプ が 一 つ 、 部屋 を 照らして い た 。 うすぎたない|まど|||へや||ひくい|てんじょう||ぶらさがった|せきゆ|らんぷ||ひと||へや||てらして|| In a dingy, windowless room, a single oil lamp hung from the low ceiling, illuminating the room.

魚 の フライ の 臭い が 、 かすかに あたり に 漂って いる 。 ぎょ||ふらい||くさい|||||ただよって| The faint smell of fried fish wafts through the air.

周り の 壁 に 沿って 木製 の ファイル ・ キャビネット が 並び 、 ラベル を 見る と 、 フィルチ が 処罰 した 生徒 一人一人 の 細かい 記録 が 入って いる らしい 。 まわり||かべ||そって|もくせい||ふぁいる|||ならび|らべる||みる||||しょばつ||せいと|ひとりひとり||こまかい|きろく||はいって|| Wooden file cabinets line the surrounding walls, and labels indicate that they contain detailed records of each and every student that Filch punished.

フレッド と ジョージ は まるまる 一 つ の 引き出し を 占領 して いた 。 ||じょーじ|||ひと|||ひきだし||せんりょう|| Fred and George had taken over an entire drawer.

フィルチ の 机 の 後ろ の 壁 に は ーピカピカ に 磨き上げられた 鎖 や 手 柳 が 一 揃い 掛けられて い た 。 ||つくえ||うしろ||かべ|||-ピカピカ||みがきあげ られた|くさり||て|やなぎ||ひと|そろい|かけ られて|| 生徒 の 足首 を 縛って 天井 から 逆さ 吊 り に する こと を 許して 欲しい と 、 フィルチ が しょっち ゅ う ダンブルドア に 懇願 して いる こと は 、 みんな 知っていた 。 せいと||あしくび||しばって|てんじょう||さかさ|つり||||||ゆるして|ほしい||||しょ っち|||||こんがん||||||しっていた Everyone knew that Filch had been begging Dumbledore to allow him to tie the students' ankles and hang them upside down from the ceiling. フィルチ は 机 の 上 の インク 瓶 から 羽 ペン を 鷲づかみ に 、 羊 皮 紙 を 探して そこら 中 引っかき 回 した 。 ||つくえ||うえ||いんく|びん||はね|ぺん||わしづかみ||ひつじ|かわ|かみ||さがして||なか|ひっかき|かい| Filch grabbed a quill from the ink bottle on his desk and rummaged around for a piece of parchment.

「 くそっ」 フィルチ は 怒り狂って 吐き出す ように 言った 。 くそ っ|||いかりくるって|はきだす||いった Damn it," Filch spat angrily. 「 煙 の 出て いる ドラゴン の で かい 鼻 くそ ...... 蛙 の 脳みそ ...... ねずみ の 腸 ...... もう うんざり だ ...... 見せしめ に して くれる ...... 書類 は どこ だ ...... よし ......」 けむり||でて||||||はな||かえる||のうみそ|||ちょう||||みせしめ||||しょるい|||| Smoking dragon's big nose Damn ...... Frog brain ...... Rat intestines ...... I'm sick of it ...... They should make an example of us ...... Where's the paperwork ...... Okay. ......

フィルチ は 机 の 引き出し から 大きな 羊 皮 紙 の 巻紙 を 取り出し 、 目の前 に 広げ 、 インク 瓶 に 長 い 黒い 羽 ペン を 突っ込んだ 。 ||つくえ||ひきだし||おおきな|ひつじ|かわ|かみ||まきがみ||とりだし|めのまえ||ひろげ|いんく|びん||ちょう||くろい|はね|ぺん||つっこんだ

「 名前 ...... ハリー ・ ポッター ...... 罪状 ......」 なまえ|||ざいじょう

「 ほんの ちょっぴり の 泤 です !」 ハリー が 言った 。 |||||||いった "Es ist nur ein kleines bisschen!" sagte Harry. It's just a little bit! Harry said.

「 そりゃ 、 おまえ さん に は ちょっぴ ? の 泤 で ご ざんしょう よ 。 |||||ちょ っぴ|||||| "Well, let's go to you with a little bit of a sword. だけど こっち は 一 時間 も 余分 に 床 を こすら な けり や なら ない んだ !」 |||ひと|じかん||よぶん||とこ|||||||| But I have to rub the floor for an extra hour! "

団子 鼻 から ゾローツ と 垂れた 鼻水 を 不快 そうに 震わせ ながら フィルチ が 叫んだ 。 だんご|はな||||しだれた|はなみず||ふかい|そう に|ふるわせ||||さけんだ Filch exclaimed, snot dripping from his nose dumplings, shaking uncomfortably.

「 罪状 ...... 城 を 汚した ...... ふさわしい 判決 ......」 ざいじょう|しろ||けがした||はんけつ

鼻水 を 拭き 拭き 、 フィルチ は 目 を す が め て ハリー の 方 を 不快 げ に 眺めた 。 はなみず||ふき|ふき|||め||||||||かた||ふかい|||ながめた Wiping the snot out of his nose, Filch looked at Harry disapprovingly, his eyes narrowed.

ハリー は 息 を ひそめて 判決 が 下る の を 待って いた 。 ||いき|||はんけつ||くだる|||まって| Harry waited with bated breath for the verdict to come down.

フィルチ が まさに ペン を 走ら せよう と した とき 、 天井 の 上 で バーン ! と 音 が して 、 石油 ラン プ が カタカタ 揺れた 。 |||ぺん||はしら|||||てんじょう||うえ||||おと|||せきゆ|らん|||かたかた|ゆれた

「 ビープズ め !」 フィルチ は 唸り 声 を あげ 、 羽 ペン に 八つ当たり して 放り投げた 。 ||||うなり|こえ|||はね|ぺん||やつあたり||ほうりなげた 「 今度 こそ 取っ捕まえて やる 。 こんど||と っ つかまえて| "I'll get him next time. 今度 こそ !」 こんど| ハリー の 方 を 見向き も せ ず 、 フィルチ は ぶざまな 走り 方 で 事務 室 を 出て 行った 。 ||かた||みむき|||||||はしり|かた||じむ|しつ||でて|おこなった Without even looking at Harry, Filch left the office in a terrible run.

ミセス ・ ノリス が その 脇 を 流れる ように 走った 。 ||||わき||ながれる||はしった Mrs. Norris ran alongside her.

ビープズ は この 学校 の ポルターガイスト だ 。 |||がっこう|||

ニヤニヤ し ながら 空中 を 漂い 、 大騒ぎ を 引き起こしたり へ みんな を 困ら せる の を 生き 甲斐 に して いる 厄介 者 だった 。 |||くうちゅう||ただよい|おおさわぎ||ひきおこしたり||||こまら||||いき|かい||||やっかい|もの| He was a nuisance who was grinning and drifting in the air, making a fuss and annoying everyone.

ハリー は ビープズ が 好きで は なかった が 、 今 は その タイミング の よ さ に 感謝 し ない わけに は いか なかった 。 ||||すきで||||いま|||たいみんぐ|||||かんしゃ|||||| Harry didn't like Beeps, but now he can't help but appreciate the timing. ビープズ が 何 を しでかした に せよ ( あの 音 で は 今度 は 何かと て も 大きな 物 を 壊した ようだ )、 フィルチ が そちら に 気 を 取られて 、 ハリー の こと を 忘れて くれる かも しれ ない 。 ||なん||||||おと|||こんど||なにかと|||おおきな|ぶつ||こわした||||||き||とら れて|||||わすれて|||| Whatever the Beeps did (that sound seems to have destroyed something so big this time), Filch might be distracted by it and forget about Harry. フィルチ が 戻る まで 得た な きや いけない だろう な 、 と 思い ながら 、 ハリー は 机 の 脇 に あった 虫食い だらけ の 椅子 に ドサッ と 腰掛けた 。 ||もどる||えた|||||||おもい||||つくえ||わき|||むしくい|||いす||||こしかけた Harry sat down in a worm-eaten chair beside his desk, thinking he would have to get it until Filch returned.

机 の 上 に は 書き かけ の ハリー の 書類 の 他 に 、 もう 一 つ 何 か が 置いて あった 。 つくえ||うえ|||かき|||||しょるい||た|||ひと||なん|||おいて| On the desk, besides the written Harry's paperwork, there was something else. 大きな 、 紫色 の 光沢 の ある 封筒 で 、 表 に 銀 文字 で 何 か 書いて ある 。 おおきな|むらさきいろ||こうたく|||ふうとう||ひょう||ぎん|もじ||なん||かいて| It's a large, purple, shiny envelope with some silver letters on the table.

ドア を テラリ と 見て 、 フィルチ が 戻って こ ない こと を 確かめて から 、 ハリー は 封筒 を 取り 上 げ て 文字 を 読んだ 。 どあ||||みて|||もどって|||||たしかめて||||ふうとう||とり|うえ|||もじ||よんだ After glancing at the door and making sure Filch didn't come back, Harry picked up the envelope and read the letters.

クイックスペル

KWIKSPELL kwikspell

初心 者 の 為 の 魔法 速 習 通信 講座 しょしん|もの||ため||まほう|はや|なら|つうしん|こうざ Magical training communication course for beginners

興味 を そそられて 、 ハリー は 封筒 を 指 で ボン と はじいて 開け 、 中 から 羊 皮 紙 の 束 を 取り出し た 。 きょうみ||そそら れて|||ふうとう||ゆび||ぼん|||あけ|なか||ひつじ|かわ|かみ||たば||とりだし| Intrigued, Harry popped the envelope open with a flick of his finger and pulled out a sheaf of sheepskin from inside. 最初の ページ に は 、 丸み の ある 銀 文字 で こう 書いて あった 。 さいしょの|ぺーじ|||まるみ|||ぎん|もじ|||かいて| On the first page, in rounded silver letters, was the following.

現代 魔法 の 世界 に ついて いけ ない と 、 感じて いません か ? げんだい|まほう||せかい||||||かんじて|いま せ ん| Do you feel that you can't keep up with the modern magical world? 一 簡単な 呪文 も かけられ ない こと で 、 言い訳 に 苦労 して いません か ? ひと|かんたんな|じゅもん||かけ られ||||いいわけ||くろう||いま せ ん| Are you struggling to make excuses for not being able to cast simple spells? 杖 の 使い 方 が なって いない と 、 冷やかさ れた こと は ありません か ? つえ||つかい|かた|||||ひややか さ||||あり ませ ん| Have you ever been chilled if you didn't use the wand properly? お 任せ ください ! |まかせ|

クイックスペル は まったく 新しい 、 誰 に でも できる 、 すぐに 効果 が 上がる 、 楽な 学習 コース です 。 |||あたらしい|だれ|||||こうか||あがる|らくな|がくしゅう|こーす| Quick Spelling is a brand new, easy-to-use, fast-paced, easy-to-use learning course for everyone. 何 百 人 と いう 魔法使い や 魔女 が クイックスペル 学習 法 に 感謝 して います ! トップシャ ム の マダム ・ Z ・ ネットルズ の お 手紙 なん|ひゃく|じん|||まほうつかい||まじょ|||がくしゅう|ほう||かんしゃ||い ます|||||z||||てがみ Hundreds of wizards and witches are thankful for the QuickSpell method! Letter from Madam Z. Nettles of Topsham 「 私 は 呪文 が まったく 覚えられ ず 、 私 の 魔法 薬 は 家中 の 笑い者 でした 。 わたくし||じゅもん|||おぼえ られ||わたくし||まほう|くすり||うちじゅう||わらいもの| "I couldn't remember the spell at all, and my magic was a laughter all over the house. でも 、 クイックスベ ル ・ コース を 終えた あと は 、 パーティ の 花形 は この 私 ! 友人 が 発光 液 の 作り 方 を 教えて くれ と 拝む ように して 頼む のです 」 |||こーす||おえた|||ぱーてぃ||はながた|||わたくし|ゆうじん||はっこう|えき||つくり|かた||おしえて|||おがむ|||たのむ| But after finishing the quick level course, the party's flower shape is this me! I ask my friend to teach me how to make the luminescent liquid. "

ディズベリー の D . J . プロッド 魔法 戦士 の お 手紙 ||d|j||まほう|せんし|||てがみ D . of Didsbury D.J. Prod. Letter from D.J. Prod, Mage Warrior

「 妻 は 私 の 魔法 呪文 が 弱々しい と あざ笑って いました 。 つま||わたくし||まほう|じゅもん||よわよわしい||あざわらって|い ました "My wife was ridiculing that my magic spell was weak. でも 、 貴 校 の すばらしい コース を 一 カ月 受けた 後 、 見事 、 妻 を ヤク に 変えて しまいました ! クイックスペル 、 ありがとう !」 |とうと|こう|||こーす||ひと|かげつ|うけた|あと|みごと|つま||やく||かえて|しまい ました|| But after taking a wonderful course at your school for a month, I brilliantly turned my wife into a yak! Quick spell, thank you! " ハリー は おもしろく なって 、 封筒 の 中身 を ばらばら めくった ―― いったい どうして フィルチ は クイックスペル ・ コース を 受けたい んだろう ? 彼 は ちゃんと した 魔法使い で は ない んだ ろ うか ? ハリー は 第 一 科 を 読んだ 。 ||||ふうとう||なかみ|||||||||こーす||うけ たい||かれ||||まほうつかい|||||||||だい|ひと|か||よんだ Harry became amused and smashed the contents of the envelope--why did Filch want to take a quick spelling course? Isn't he a proper wizard? Harry reads the first course. is . 「 杖 の 持ち 方 ( 大切な コツ )」。 つえ||もち|かた|たいせつな|こつ "How to hold a cane (important tips)".

その とき 、 ドア の 外 で 足 を 引きずる ような 音 が して 、 フィルチ が 戻って ? る の が わかった 。 ||どあ||がい||あし||ひきずる||おと|||||もどって|||| At that moment, I heard a dragging sound outside the door and knew Filch was back. I knew that Filch had returned.

ハリー は 羊 皮 紙 を 封筒 に 戻し 、 机 の 上 に 放り投げた 。 ||ひつじ|かわ|かみ||ふうとう||もどし|つくえ||うえ||ほうりなげた ちょうど ドア が 開いた とき だった 。 |どあ||あいた||

フィルチ は 勝ち誇って いた 。 ||かちほこって|

「 あの 『 姿 を くらます 飾り 棚 』 は 非常に 値打ち の ある もの だった !」 |すがた|||かざり|たな||ひじょうに|ねうち|||| "That'Dwelling Decorative Shelf'was very valuable!"

フィルチ は ミセス ・ ノリス に 向かって いかにも 嬉し そうに 言った 。 |||||むかって||うれし|そう に|いった

「 なあ 、 おまえ 、 今度 こそ ビープズ め を 追い 出せる なあ 」 ||こんど|||||おい|だせる| "Hey, you can get rid of the Beeps this time."

フィルチ の 目 が まず ハリー に 、 それ から 矢 の ように クイックスペル の 封筒 へ と 移った 。 ||め|||||||や|||||ふうとう|||うつった Filch's eyes first fell on Harry and then, like an arrow, on the Quickspell envelope.

ハリー は 「 しまった 」 と 思った 。 ||||おもった 封筒 は 元 の 位置 から 六十 センチ ほど ずれた ところ に 置か れ ていた 。 ふうとう||もと||いち||ろくじゅう|せんち|||||おか||

フィルチ の 青白い 顔 が 、 レンガ の ように 赤く なった 。 ||あおじろい|かお||れんが|||あかく|

フィルチ の 怒り が 津波 の ように 押し寄せる だろう と 、 ハリー は 身構えた 。 ||いかり||つなみ|||おしよせる|||||みがまえた Harry braced himself for the tsunami of Filch's wrath.

フィルチ は 机 の ところ まで 不 恰好に 歩き 、 封筒 を さっと 取り 、 引き出し に 放り込んだ 。 ||つくえ||||ふ|かっこうに|あるき|ふうとう|||とり|ひきだし||ほうりこんだ Filch walked awkwardly to his desk, quickly picked up the envelope, and put it in a drawer.

「 おまえ 、 もう ...... 読んだ か ?――」 フィルチ が ぶつぶつ 言った 。 ||よんだ|||||いった

「 いいえ 」 ハリー は 急いで 嘘 を ついた 。 |||いそいで|うそ||

フィルチ は ごつごつ した 両手 を 絞る ように 握り合わ せた 。 ||||りょうて||しぼる||にぎりあわ| Filch squeezed his burly hands together as if to squeeze.

「 おまえ が わたし の 個人 的な 手紙 を 読む と わかって いたら ...... わたし 宛 の 手紙 で は ない が ... ... 知り合い の もの だ が ...... それ は それ と して ...... しかし ......」 ||||こじん|てきな|てがみ||よむ|||||あて||てがみ|||||しりあい|||||||||| "If I knew you would read my personal letter to you ...... It's not for me, but... ... It's from someone I know. ...... That's just the way it is. ...... But ......

ハリー は 唖然と して フィルチ を 見つめた 。 ||あぜんと||||みつめた フィルチ が こんなに 怒った の は 見た こと が ない 。 |||いかった|||みた||| I have never seen Filch so angry.

目 は 飛び出し 、 垂れ下がった 頬 の 片方 が ピクビク 痘撃 して 、 タータンチェック の 襟巻 まで も 、 怒り の 形相 を 際立た せて いた 。 め||とびだし|たれさがった|ほお||かたほう|||とうげき||||えりまき|||いかり||ぎょうそう||きわだた|| His eyes were popped out, one of his drooping cheeks was pockmarked, and even his tartan collar accentuated his angry expression.

「 もう いい ...... 行け ...... ひとこと も 漏らす な ...... もっとも ...... 読ま なかった の なら 別だ が ... ... さあ 、 行く んだ 。 ||いけ|||もらす|||よま||||べつだ|||いく| That's enough. ...... Go. ...... Don't let a word out of your mouth ...... Unless, of course, ...... Unless you didn't read it... ... Now go. ビープズ の 報告 書 を 書か なければ ...... 行け ......」 ||ほうこく|しょ||かか||いけ If you don't want to write a report for Beeps, go to ...... Go to ......"

なんて 運 が いい んだろう と 驚き ながら 、 ハリー は 急いで 部屋 を 出て 、 廊下 を 渡り 、 上 の 階 へ 戻った 。 |うん|||||おどろき||||いそいで|へや||でて|ろうか||わたり|うえ||かい||もどった Surprised at his good fortune, Harry hurried out of the room, across the hall, and back upstairs.

なんの 処罰 も なし に フィルチ の 事務 室 を 出られた なんて 、 開校 以来 の 出来事 かも しれ ない 。 |しょばつ||||||じむ|しつ||で られた||かいこう|いらい||できごと||| Leaving Filch's office without any punishment may have been an event since the school opened. 「 ハリー ! ハリー ! うまく いった かい ?」 「 ほとんど 首 無し ニック 」 が 教室 から 滑る ように 現れた 。 ||||||くび|なし|||きょうしつ||すべる||あらわれた

その 背後 に 金 と 黒 の 大きな 飾り 棚 の 残骸 が 見えた 。 |はいご||きむ||くろ||おおきな|かざり|たな||ざんがい||みえた Behind it, the remains of a large gold and black display cabinet could be seen. ずいぶん 高い ところ から 落とさ れた 様子 だった 。 |たかい|||おとさ||ようす| It looked like he had been dropped from a very high place. 「 ビープズ を 焚きつけて 、 フィルチ の 事務 室 の 真 上 に 墜落 さ せた んです よ 。 ||たきつけて|||じむ|しつ||まこと|うえ||ついらく|||| He set Beeps on fire and sent him crashing down right on top of Filch's office. そう すれば 気 を そらす こと が できる ので は と ......」 ニック は 真剣な 表情 だった 。 ||き|||||||||||しんけんな|ひょうじょう| Maybe that will distract them. ......" Nick looked serious.

「 君 だった の ?」 ハリー は 感謝 を 込めて 言った 。 きみ|||||かんしゃ||こめて|いった 「 あぁ 、 とっても うまく いった よ 。 "Oh, it went very well. 処罰 も 受け なかった 。 しょばつ||うけ| ありがとう 、 ニック !」

二 人 で 一緒に 廊下 を 歩き ながら 、 ハリー は ニック が 、 パトリック 卿 の 入会 拒否 の 手紙 を 、 ま だ 握りしめて いる こと に 気づいた 。 ふた|じん||いっしょに|ろうか||あるき|||||||きょう||にゅうかい|きょひ||てがみ||||にぎりしめて||||きづいた As they walked down the hallway together, Harry noticed that Nick was still holding on to Sir Patrick's letter of refusal.

「『 首 無し 狩 』 の こと だ けど 、 僕 に 何 か できる こと が ある と いい のに 」 ハリー が 言った 。 くび|なし|か|||||ぼく||なん|||||||||||いった "It's about'neckless hunting', but I hope there's something I can do," Harry said.

「 ほとんど 首 無し ニック 」 が 急に 立ち止まった ので 、 ハリー は もろ に ニック の 中 を 通り抜け て しまった 。 |くび|なし|||きゅうに|たちどまった||||||||なか||とおりぬけ|| Almost Headless Nick suddenly stopped, and Harry walked right through him.

通り抜け なき や よかった のに 、 と ハリー は 思った 。 とおりぬけ||||||||おもった Harry wished he had not passed through. まるで 氷 の シャワー を 浴びた ようだった 。 |こおり||しゃわー||あびた| 「 それ が 、 して いただける こと が ある のです よ 」 ニック は 興奮 気味だった 。 |||||||||||こうふん|ぎみだった "There are times when you can do that," Nick was excited.

「 ハリー ―― もし 、 あつかましく なければ ―― いや でも 、 ダメでしょう 。 ||||||だめでしょう "Harry-if it's not ugly-no, it's no good. そんな こと は お 嫌 でしょう ......」 ||||いや| You don't want to do that. ......"

「 なん な の ?」 "What?"

「 え ぇ 、 今度 の ハロウィーン が 私 の 五百 回 目 の 絶命 日 に 当たる のです 」 ||こんど||||わたくし||ごひゃく|かい|め||ぜつめい|ひ||あたる|

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は 背筋 を 伸ばし 、 威厳 たっぷ ? に 言った 。 |くび|なし|||せすじ||のばし|いげん|た っぷ||いった 「 それ は ......」 ハリー は いったい 悲しむ べき か 、 喜ぶ べき か 戸惑った 。 |||||かなしむ|||よろこぶ|||とまどった It's ...... Harry was at a loss as to whether he should be sad or happy.

「 そう な んです か 」 "Is that so?"

「 私 は 広 めの 地下 牢 を 一 つ 使って 、 パーティ を 開こう と 思います 。 わたくし||ひろ||ちか|ろう||ひと||つかって|ぱーてぃ||かいこう||おもい ます I'm going to have a party in one of the larger dungeons. 国 中 から 知人 が 集まり ま す 。 くに|なか||ちじん||あつまり|| 君 が 出席 して くだされば どんなに 光栄 か 。 きみ||しゅっせき||||こうえい| I would be honored if you would attend. ミスター ・ ウィーズリー も ミス ・ グレン ジャー も 、 もちろん 大 歓迎 です ―― でも 、 おそらく 学校 の パーティ の 方 に 行きたい と 思わ れ る でしょう ね ?」 みすたー|||みす||じゃー|||だい|かんげい||||がっこう||ぱーてぃ||かた||いき たい||おもわ|||| Both Mr. Weedley and Miss Granger are, of course, welcome--but you probably want to go to a school party, right? " ニック は 緊張 した 様子 で ハリー を 見た 。 ||きんちょう||ようす||||みた

「 そんな こと ない よ 。 " That's not true . 僕 、 出席 する ......」 ハリー は とっさに 答えた 。 ぼく|しゅっせき|||||こたえた

「 なんと ? ハリー ・ ポッター が 私 の 絶命 日 パーティ に ?」 ||||わたくし||ぜつめい|ひ|ぱーてぃ|

そう 言った あと 、 ニック は 興奮 し ながら も 遠慮がちに 聞いた 。 |いった||||こうふん||||えんりょがちに|きいた After saying this, Nick asked excitedly, but reservedly.

「 よろしければ 、 私 が いかに 恐ろしく ものすごい か 、 君 から パトリック 卿 に 言って くださる こと は 、 もし かして 可能でしょう か ?」 |わたくし|||おそろしく|||きみ|||きょう||いって||||||かのうでしょう| "If you don't mind, would it be possible for you to tell Sir Patrick how terrifying and extraordinary I am?

「 だ 、 大丈夫だ よ 」 ハリー が 答えた 。 |だいじょうぶだ||||こたえた

「 ほとんど 首 無し ニック 」 は ニッコリ 微笑んだ 。 |くび|なし|||にっこり|ほおえんだ

ハリー が やっと 着替え を すませ 、 談話 室 で ロン や ハーマイオニー に その 話 を する と 、 ハーマ イオニー は 夢中に なった 。 |||きがえ||すま せ|だんわ|しつ|||||||はなし|||||||むちゅうに| When Harry finally changed his clothes and told Ron and Hermione the story in the common room, Hermione was crazy about it. 「 絶命 日 パーティ で すって ? 生きて る うち に 招か れた 入って 、 そんなに 多く ない はずだ わ ― ― おもしろ そう !」 ぜつめい|ひ|ぱーてぃ|||いきて||||まねか||はいって||おおく||||| "An end-of-life day party? There shouldn't be that many people invited while they're still alive.

「 自分 の 死んだ 日 を 祝う なんて 、 どういう わけ ?」 じぶん||しんだ|ひ||いわう||| "How can you celebrate the day you died?"

ロン は 魔法 薬 の 宿題 が 半分 しか 終わって いない ので 機嫌 が 悪かった 。 ||まほう|くすり||しゅくだい||はんぶん||おわって|||きげん||わるかった Ron was in a bad mood because he was only halfway through his Potions homework. 「 死ぬ ほど 落ち込み そうじゃ ない か ......」 しぬ||おちこみ|そう じゃ|| "Isn't it so depressed that I die ..."

雤 は 相変わらず 窓 を 打ち 、 外 は 墨 の ように 暗く なって いた 。 ||あいかわらず|まど||うち|がい||すみ|||くらく|| The rain was still beating down on the windows, and it was as dark as ink outside.

しかし 談話 室 は 明るく 、 楽し さ 満ちて いた 。 |だんわ|しつ||あかるく|たのし||みちて|

暖炉 の 火 が いく つ も の 座り 心地 の よい 肱 掛 椅子 を 照らし 、 生徒 たち は それぞれ に 読書 した り 、 おしゃべり したり 、 宿題 を したり して いた 。 だんろ||ひ||||||すわり|ここち|||ひじ|かかり|いす||てらし|せいと|||||どくしょ|||||しゅくだい|||| The fireplace lit up several comfortable armchairs, and students read, chatted, or did their homework.

フレッド と ジョージ は 、 火 トカゲ に 「 フィリバスター の 長々 花火 」 を 食べ させたら 、 どう い う こと に なる か 試して いた 。 ||じょーじ||ひ|とかげ||||ながなが|はなび||たべ|さ せたら||||||||ためして| Fred and George were trying to see what would happen if they fed a fire lizard a "long filibuster firework".

フレッド は 「 魔法 生物 の 世話 」 の クラス から 、 火 の 中 に 住む 、 燃える ような オレンジ色 の 火 トカゲ を 「 助け出して 」 きた のだ と いう 。 ||まほう|せいぶつ||せわ||くらす||ひ||なか||すむ|もえる||おれんじいろ||ひ|とかげ||たすけだして|||| Fred says he "rescued" a fiery orange fire lizard from his "Care of Magical Creatures" class that lived in the fire.

火 トカゲ は 、 好奇心 満々 の 生徒 たち に 囲まれて テーブル の 上 で 、 今 は 静かに くすぶって い た 。 ひ|とかげ||こうきしん|まんまん||せいと|||かこま れて|てーぶる||うえ||いま||しずかに||| The fire lizard was now quietly smoldering on the table, surrounded by curious students. ハリー は ロン と ハーマイオニー に 、 フィルチ と クイックスペル ・ コース の こと を 話そう と し た 。 |||||||||こーす||||はなそう|||

その 途端 、 火 トカゲ が 急に ヒュッ と 空中 に 飛び上がり 、 派手に 火花 を 散らし 、 パンパン 大き な 音 を たて ながら 、 部屋 中 を 猛烈な 勢い で ぐるぐる 回り はじめた 。 |とたん|ひ|とかげ||きゅうに|||くうちゅう||とびあがり|はでに|ひばな||ちらし|ぱんぱん|おおき||おと||||へや|なか||もうれつな|いきおい|||まわり| At that moment, the fire lizard suddenly leaps into the air, sparks flying wildly, and begins to circle around the room with great vigor, making a loud, shrieking sound.

パーシー は 声 を からして フレッド と ジョージ を 怒鳴りつけ 、 火 トカゲ の 口 から は 滝 の ように 橙色 の 星 が 流れ出して すばらしい 眺め に なり 、 トカゲ が 爆発 音 と ともに 暖炉 の 火 の 中 に 逃げ 込み 、 なんだか んだ で 、 フィルチ の こと も クィツクスペル の 封筒 の こと も 、 ハリー の 頭 から 吹っ飛んで しまった 。 ||こえ|||||じょーじ||どなりつけ|ひ|とかげ||くち|||たき|||だいだいいろ||ほし||ながれだして||ながめ|||とかげ||ばくはつ|おと|||だんろ||ひ||なか||にげ|こみ||||||||||ふうとう||||||あたま||ふっとんで| Percy yelled at Fred and George, the fire lizard's mouth cascaded with orange stars, and the lizard ran into the fireplace with an explosion, and somehow, Filch and the Quickspell envelope blew Harry's mind. Harry's mind was blown.