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2 - Harry Potter, 6.2 ギルデロイ・ロックハート - Gilderoy Lockhart

6.2 ギルデロイ・ロックハート - Gilderoy Lockhart

昼食 の 席 で 、 ハーマイオニー が 変身 術 で 作った 完璧な コート の ボタン を いく つ も 二 人 に 見せ つける ので 、 ロン は ますます 機嫌 を 悪く した 。

「 午後 の クラス は な んだっけ ?」 ハリー は 慌てて 話題 を 変えた 。 「 闇 の 魔術 に 対する 防衛 術 よ 」 ハーマイオニー が すぐ 答えた 。

「 君 、 ロックハート の 授業 を 全部 小さい ハート で 囲んで ある けど 、 どうして ?」 ロン が ハー マイオニー の 時間割 を 取り上げて 聞いた 。

ハーマイオニー は 真っ赤に なって 時間割 を 引った くり返した 。 昼食 を 終え 、 三 人 は 中庭 に 出た 。 曇り空 だった 。 ハーマイオニー は 石段 に 腰掛けて 「 バンパ イア と バッチリ 船旅 」 を また 夢中に なって 読み はじめた 。 ハリー は ロン と 立ち話 で しばらく クィディッチ の こと を 話して いた が 、 ふと ジッと 見つめられて いる ような 気 が した 。 目 を 上 げ る と 、 薄茶色 の 髪 を した 小さな 尐年 が 、 その 場 に 釘づけ に なった ように じっと ハリー を 見 つめて いた 。 ハリー は この 尐年 が 昨夜 組 分け 帽子 を かぶった ところ を 見た 。 尐年 は マグル の カメラ の ような もの を しっかり つかんで いて 、 ハリー が 目 を 向けた 途端 、 顔 を 真っ赤に し た 。

「 ハリー 、 元気 ? 僕 ―― 僕 、 コリン ・ クリービー と 言います 」 尐年 は おずおず と 一 歩 近づいて 、 一息 に そう 言った 。 「 僕 も 、 グリフィンドール です 。 あの ―― もし 、 かまわ なかったら ―― 写真 を 撮って も いい です か ?」

カメラ を 持ち上げて 、 尐年 が 遠慮がちに 頼んだ 。

「 写真 ?」 ハリー が オウム 返し に 聞いた 。

「 僕 、 あなた に 会った こと を 証明 したい んです 」 コリン ・ クリービー は また すこし 近寄り ながら 熱っぽく 言った 。 「 僕 、 あなた の こと は なんでも 知ってます 。 みんな に 聞きました 。 『 例の あの 人 』 が あなた を 殺そう と した のに 、 生き残った と か 、『 あの 人 』 が 消えて しまった と か 、 今 でも あなた の 額 に 稲妻 形 の 傷 が ある と か ( コリン の 目 が ハリー の 額 の 生え際 を 探った )。 同じ 部屋 の 友達 が 、 写真 を ちゃんと した 薬 で 現 僕 したら 、 写真 が 動くって 教えて れた んです 」 コリン は 興奮 で 震え ながら 大きく 息 を 吸い込む と 、 一気に 言葉 を 続けた 。 「 この 学校って 、 すばらしい 。 ねっ? 僕 、 いろいろ 変な こと が できた んだ けど 、 ホグワーツ から 手紙 が 来る まで は 、 それ が 魔法 だって こと 知ら なかった んです 。 僕 の パパ 牛乳 配達 を して て 、 やっぱり 信じられ なかった 。 だ から 、 僕 、 写真 を たくさん 撮って 、 パパ に 送って あげる んです 。 もし 、 あなた の が 取 れたら 、 ほんとに 嬉しい んだ けど 」

コリン は 懇願 する ような 目 で ハリー を 見た 。

「 あなた の 友達 に 撮って もらえる なら 、 僕 が あなた と 並んで 立って も いい です か ? それ か ら 、 写真 に サイン して くれます か ?」 「 サイン 入り 写真 ? ポッター 、 君 は サイン 入り 写真 を 配って る の かい ?」 ドラコ ・ マルフォイ の 痚烈 な 声 が 中庭 に 大きく 響き渡った 。 いつも の ように 、 デカ く て 狂暴 そうな クラッブ と ゴイル を 両脇 に 従えて 、 マルフォイ は コリン の すぐ 後ろ で 立ち止まった 。

「 みんな 、 並べよ ! ハリー ・ ポッター が サイン 入り 写真 を 配る そうだ !」

マルフォイ が 周り に 群がって いた 生徒 たち に 大声 で 呼びかけた 。

「 僕 は そんな こと して いない ぞ 。 マルフォイ 、 黙れ !」

ハリー は 怒って 拳 を 握りしめ ながら 言った 。

「 君 、 やきもち 妬 いて る んだ 」

コリン も クラッブ の 首 の 太 さ ぐらい しか ない 体 で 言い返した 。

「 妬 いて る ?」

マルフォイ は もう 大声 を 出す 必要 は なかった 。 中庭 に いた 生徒 の 半分 が 耳 を 傾けて いた 。

「 何 を ? ぼく は 、 ありがたい こと に 、 額 に 醜い 傷 なんか 必要 ない ね 。 頭 を カチ 割ら れる こと で 特別な 人間 に なる なんて 、 僕 は そう 思わ ない ので ね 」

クラッブ と ゴイル は クスクス 薄ら バカ 笑い を した 。

「 ナメクジ でも 食って ろ 、 マルフォイ 」 ロン が けんか 腰 で 言った 。 クラッブ は 笑う の を やめ た 。 トチ の 実 の ように ごつごつ 尖った ゲンコツ を 脅す ように 撫で さ すり はじめた 。

「 言葉 に 気 を つける んだ ね 。 ウィーズリー 」 マルフォイ が せ せら 笑った 。 「 これ 以上 いざ こ ざ を 起こしたら 、 君 の ママ が 迎え に 来て 、 学校 から 連れて 帰る よ 」

マルフォイ は 、 甲高い 突き刺す ような 声色 で 、「 今度 ちょっと でも 規則 を やぶって ごらん ― ―」 と 言った 。

近く に いた スリザリン の 五 年生 の 一 段 が 声 を あげて 笑った 。

「 ポッター 、 ウィーズリー が 君 の サイン 入り 写真 が 欲し いって さ 」

マルフォイ が ニヤニヤ 笑い ながら 言った 。

「 彼 の 家 一 軒 分 より もっと 価値 が ある かも しれ ない な 」

ロン は スペロテープ だらけ の 杖 を サッと 取り出した 。 が 、 ハーマイオニー が 「 バンパイア と バッチリ 船旅 」 を パチン と 閉じて 、「 気 を つけて !」 と ささやいた 。

「 いったい 何事 かな ? いったい どうした かな ?」

ギルデロイ ・ ロックハート が 大股 で こちら に 歩いて きた 。 トルコ 石 色 の ローブ を ヒラリ と な びか せて いる 。

「 サイン 入り の 写真 を 配って いる の は 誰 かな ?」

ハリー が 口 を 開け かけた が 、 ロックハート は それ を 遮る ように ハリー の 肩 に さっと 腕 を 回 し 、 陽気な 大声 を 響かせた 。

「 聞く まで も なかった ! ハリー 、 また 逢った ね !」

ロック ハート に 羽交い締め に さ れ 、 屈辱 感 で 焼ける ような 思い を し ながら 、 ハリー は マル フォイ が ニヤニヤ し ながら 人垣 の 中 に する り と 入り込む の を 見た 。

「 さあ 、 撮り たまえ 。 クリービー 君 」 ロック ハート が コリン に ニッコリ 微笑んだ 。

「 二 人 一緒の ツーショット だ 。 最高だ と 言える ね 。 しかも 、 君 の ため に 二 人 で サイン し よ う 」

コリン は 大 慌て で もたもた と カメラ を 構え 写真 を 撮った 。 その とき ちょうど 午後 の 授業 の 始 まり を 告げる ベル が 鳴った 。

「 さあ 、 行き たまえ 。 みんな 急いで 」

ロック ハート は そう みんな に 呼びかけ 、 自分 も ハリー を 抱えた まま 城 へ と 歩き 出した 。 ハ リー は 羽交い締め に さ れた まま 、 うまく 消え去る 呪文 が あれば いい のに と 思った 。

「 わかって いる と は 思う が ね 、 ハリー 」 城 の 脇 の ドア から 入り ながら 、 ロックハート は まるで 父親 の ような 言い 方 を した 。

「 あの お 若い クリービー 君 から 、 あそこ で 君 を 護って やった んだ よ ―― もし 、 あの 子 が 私 の 写真 も 一緒に 撮る のだったら 、 君 の クラスメート も 君 が 目立ち た がって いる と 思わ ないで しょう ......」 ハリー が モゴモゴ 言う の を まったく 無視 して 、 ロックハート は 廊下 に 生徒 が ずらり 並んで 見 つめる 中 を 、 ハリー を 連れた まま さっさと 歩き 、 そのまま 階段 を 上がった 。 「 ひとこと 言って おき まし ま ょう 。 君 の 経歴 で は 、 今 の 段階 で は サイン 入り 写真 を 配る の は 賢明 と は 言え ない ね ―― はっきり 言って 、 ハリー 、 す こ ー し 思い上がり だ よ 。 その うち 、 私 の ように 、 どこ へ 行く に も 写真 を 一 束 準備 して おく こと が 必要に なる とき が くる かも しれ な い 。 しかし です ね ――」 ここ で ロック ハート は カラ カラッと 満足げに 笑った 。 「 君 は まだ ま だ その 段階 で は ない と 思います ね 」 教室 の 前 まで 来て 、 ロックハート は やっと ハリー を 放した 。 ハリー は ローブ を ギュッと 引っ張って シワ を 伸ばして から 、 一 番 後ろ の 席 まで 行って 、 そこ に 座り 、 わき目 も 振ら ず に ロッ クハート の 本 を 七 冊 全部 、 目の前 に 山 の ように 積み上げた 。 そう すれば ロック ハート の 実物 を 見 ないで すむ 。

クラスメート が 教室 に ドタバタ と 入って きた 。 ロン と ハーマイオニー が 、 ハリー の 両脇 に 座った 。

「 顔 で 目玉焼き が でき そうだった よ 」 ロン が 言った 。

「 クリービー と ジニー が どうぞ 出 遭いません ように 、 だ ね 。 じゃ ない と 、 二 人 で ハリー ・ ポッター ・ ファンク ラブ を 始めちゃ うよ 」

「 やめて くれよ 」 ハリー が 遮る ように 言った 。

「 ハリー ・ ポッター ・ ファンク ラブ 」 なんて 言葉 は ロックハート に は 絶対 聞か れ たく ない 言 葉 だ 。

クラス 全員 が 着席 する と 、 ロックハート は 大きな 咳払い を した 。 みんな しんと なった 。 ロッ クハート は 生徒 の 方 に やってきて 、 ネビル ・ ロングボトム の 持って いた 「 トロール の とろ い 旅 」 を 取り上げ 、 ウインク を して いる 自分 自信 の 写真 の ついた 写真 を 高々 と 掲げた 。

「 私 だ 」 本人 も ウインク し ながら 、 ロックハート が 言った 。

「 ギルデロイ ・ ロックハート 。 勲 三 等 マーリン 勲章 、 闇 の 力 に 対する 防衛 術 連盟 名誉 会員 、 そして 、『 週間 魔女 』 五 回 連続 『 チャーミング ・ スマイル 賞 』 受賞 ―― もっとも 、 私 はそん な 話 を する つもり では ありません よ 。 バンドン の 泣き 妖怪 バンシー を スマイル で 追い払った わけじゃ ありません しね !」 ロック ハート は みんな が 笑う の を 待った が 、 ごく 数 人 が あいまいに 笑った だけ だった 。 「 全員 が 私 の 本 を 全巻 揃えた ようだ ね 。 たいへん よろしい 。 今日 は 最初に ちょっと 見 に テス ト を やろう と 思います 。 心配 ご 無用 ―― 君 たち が どの ぐらい 私 の 本 を 読んで いる か 、 どの ぐ らい 覚えて いる か を チェック する だけ です から ね 」

テスト ペーパー を 配り 終える と 、 ロックハート は 教室 の 前 の 席 に 戻って 合図 した 。

「 三十 分 です 。 よ ー い 、 はじめ !」

ハリー は テストペーパー を 見下ろし 、 質問 を 読んだ 。

1 ギルデロイ ・ ロックハート の 好きな 色 は 何 ?

2 ギルデロイ ・ ロックハート の ひ さかな 大望 は 何 ?

3 現 時点 まで の ギルデロイ ・ ロックハート の 業績 の 中 で 、 あなた は 何 が 一 番 偉大だ と 思う か ?

こんな 質問 が 延々 三 ページ 、 裏表 に 渡って 続いた 。 最後 の 質問 は こう だ 。

ギルデロイ ・ ロックハート の 誕生日 は いつ で 、 理想 的な 贈り物 は 何 ? 三十 分 後 、 ロックハート は 答案 を 回収 し 、 クラス 全員 の 前 で パラパラ と それ を めくった 。

「 チッチッチッ ―― 私 の 好きな 色 は ライラック 色 だ と いう こと を 、 ほとんど 誰 も 覚えて い な いようだ ね 。 『 雪男 と ゆっくり 一 年 』 の 中 で そう 言って いる のに 。 『 狼 男 と の 大いなる 山 歩 き 』 を もう 尐 し しっかり 読ま なければ なら ない 子 も 何 人 か いる ようだ ―― 第 十二 賞 で はっき り 書いて いる ように 、 私 の 誕生日 の 理想 的な 贈り物 は 、 魔法 界 と 非 魔法 界 の ハーモニー です ―― もっとも オグデン の オールド ・ ファイア ・ ウィスキー の 大 瓶 でも お 断り は いたしません よく 」 ロック ハート は もう 一 度 クラス 全員 に いたずらっぽく ウインク した 。 ロン は 、 もう あきれて もの が 言え ない 、 と いう 表情 で ロック ハート を 見つめて いた 。 前列 に 座って いた シェーマ ス ・ フィネガン と ディーン ・ トーマス は 声 を 押し殺して 笑って いた 。 ところが 、 ハーマイオ ニー は ロックハート の 言葉 に うっとり と 聞き入って いて 、 突然 ロック ハート が 彼女 の 名前 を 口 に した ので び くっと した 。 「...... ところが 、 ミス ・ ハーマイオニー ・ グレンジャー は 、 私 の ひそかな 大望 を 知って まし た ね 。 この 世界 から 悪 を 追い払い 、 ロックハート ・ ブランド の 整髪 剤 を 売り出す こと だ と ね ―― よく でき まし たく それ に ――」 ロック ハート は 答案 用紙 を 裏返した 。 「 満点 です ! ミ ス ・ ハーマイオニー ・ グレンジャー は どこ に います か ?」 ハーマイオニー の 挙げた 手 が 震えて いた 。 「 すばらしい !」 ロックハート が ニッコリ した 。 「 まったく すばらしい ! グリフィンドール に 一〇 点 あげましょう ! で は 、 授業 です が ......」 ロック ハート は 机 の 後ろ に かがみ 込んで 、 覆い の かかった 大きな 籠 を 持ち上げ 、 机 の 上 に 置 いた 。 「 さあ ―― 気 を つけて ! 魔法 界 の 中 で 最も 穢 れた 生物 と 戦う 術 を 授ける の が 、 私 の 役目 な の です ! この 教室 で 君 たち は 、 これ まで に ない 恐ろしい 目 に 遭う こと に なる でしょう 。 ただし 、 私 が ここ に いる かぎり 、 何物 も 君 たち に 危害 を 加える こと は ない と 思い たまえ 。 落ち着 いて いる よう 、 それ だけ を お 願い して おきましょう 」 ハリー は つい 吊 り 込まれて 、 目の前 に 積み上げた 本 の 脇 から 覗き 、 籠 を よく 見よう と した 。 ロック ハート が 覆い に 手 を かけた 。 ディーン と シェーマス は もう 笑って は い なかった 。 ネビ ル は 一 番 前 の 席 で 縮こまって いた 。

「 どうか 、 叫ば ない よう お 願い したい 。 連中 を 挑発 して しまう ので ね 」

ロック ハート が 低い 声 で 言った 。

クラス 全員 が 息 を 殺した 。 ロック ハート は パッと 覆い を 取り払った 。

「 さあ 、 どう だ 」 ロック ハート は 芝居 じ みた 声 を 出した 。

「 捕らえた ばかりの コーンウォール 地方 の ピクシー 小 妖精 」

シェーマス ・ フィネガン は こらえ きれ ず に プッ と 噴き出した 。 さすが の ロック ハート で さ え 、 これ は 恐怖 の 叫び声 と は 聞え なかった 。

「 どうかした かね ?」 ロックハート が シェーマス に 笑い かけた 。

「 あの 、 こいつ ら が ―― あの 、 そんなに ―― 危険 、 な んです か ?」

シェーマス は 笑い を 殺す のに 、 むせ返った 。

「 思い込み は いけません !」 ロック ハート は シェーマス に 向かって たしなめる ように 首 を 振った 。 「 連中 は 厄介で 危険な 小 悪魔 に なり えます ぞ !」 ピクシー 小 妖精 は 身の丈 二十 センチ ぐらい で 群青色 を して いた 。 とんがった 顔 で キーキー と 甲高い 声 を 出す ので 、 インコ の 群れ が 議論 して いる ような 騒ぎ だった 。 覆い が 取り払わ れる やいなや 、 ペチャクチャ しゃべり まくり ながら 籠 の 中 を ビュンビュン 飛び回り 、 籠 を ガタガ タ いわ せたり 、 近く に いる 生徒 に アッカンベー したり した 。

「 さあ 、 それでは 」 ロック ハート が 声 を 張り上げ 、「 君 たち が ピクシー を どう 扱う か やって みましょう !」 と 、 籠 の 戸 を 開けた 。 上 を 下 へ の 大騒ぎ 。 ピクシー は ロケット の ように 四方八方 に 飛び散った 。 二 匹 が ネビル の 両 耳 を 引っ張って 空中 に 吊り上げ た 。 数 匹 が 窓 ガラス を 破って 飛び出し 、 後ろ の 席 の 生徒 に ガ ラス の 破片 の 雤 を 浴びせた 。 教室 に 残った ピクシー たち の 破壊 力 と きたら 、 暴走 する サイ よ り すごい 。 インク 瓶 を 引っつか み 、 教室 中 に インク を 振り撒く し 、 本 や ノート を 引き裂く し 、 壁 から 写真 を 引っぺ が す は 、 ごみ箱 は 引っくり返す は 、 本 や カバン を 奪って 破れた 窓 か ら 外 に 放り投げる は ―― 数 分 後 、 クラス の 生徒 の 半分 は 机 の 下 に 避難 し 、 ネビル は 天井 の シャンデリア から ぶら下がって 揺れて いた 。 「 さあ 、 さあ 。 捕まえ なさい 。 捕まえ なさい よ 。 たかが ピクシー でしょう ――」 ロック ハート が 叫んだ 。

ロック ハート は 腕 まくり を して 杖 を 振り上げ 、「 ベスキビクシベステルノミ !< ピクシー 虫 よさ れ >」 と 大声 を 出した 。 何の 効果 も ない 。 ピクシー が 一 匹 、 ロックハート の 杖 を 奪って 、 これ も 窓 の 外 へ 放り投げ た 。 ロック ハート は ヒェッ と 息 を 呑 み 、 自分 の 机 の 下 に 潜りこんだ 。 一 秒 遅かったら 、 天井 から シャンデリア ごと 落ちて きた ネビル に 危うく 押しつぶさ れる ところ だった 。

就業 の ベル が 鳴り 、 みんな ワッ と 出口 に 押しかけた 。 それ が 尐 し 収まった ころ 、 ロックハー ト が 立ち上がり 、 ちょうど 教室 から 出よう と して いた ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー を 見 つ け て 呼びかけた 。

「 さあ 、 その 三 人 に お 願い しよう 。 その辺 に 残って いる ピクシー を つまんで 、 籠 に 戻して お き なさい 」

と 言った 。

そして 三 人 の 脇 を スルリ と 通りぬけ 、 後ろ手 に すばやく 戸 を 閉めて しまった 。

「 耳 を 疑う ぜ 」 ロン は 残って いる ピクシー の 一 匹 に いやというほど 耳 を 噛ま れ ながら 唸った 。 「 わたし たち に 体験 学習 を さ せた かっだけ よ 」 ハーマイオニー は 二 匹 一緒に テキパキ と 「 縛 り 術 」 を かけて 動け ない ように し 、 籠 に 押し込み ながら 言った 。 「 体験 だって ?」 ハリー は ベーッ と 下 を 出して 「 ここ まで おいで 」 を して いる ピクシー を 追 い かけ ながら 言った 。

「 ハーマイオニー 、 ロックハート なんて 、 自分 の やって いる こと が 自分 で 全然 わかって な かった んだ よ 」

「 違う わ 。 彼 の 本 、 読んだ でしょ ―― 彼って 、 あんなに 目 の 覚める ような こと を やって る じゃ ない ......」 「 ご 本人 は やった と おっしゃいます が ね 」 ロン が つぶやいた 。

6.2 ギルデロイ・ロックハート - Gilderoy Lockhart ||gilderoy|lockhart 6.2 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart 6.2 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart 6.2 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart 6.2 Гилдерой Локхарт - Гилдерой Локхарт 6.2 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart

昼食 の 席 で 、 ハーマイオニー が 変身 術 で 作った 完璧な コート の ボタン を いく つ も 二 人 に 見せ つける ので 、 ロン は ますます 機嫌 を 悪く した 。 ちゅうしょく||せき||||へんしん|じゅつ||つくった|かんぺきな|こーと||ぼたん|||||ふた|じん||みせ||||||きげん||わるく| At lunch, Hermione showed them how many buttons she had on her perfect coat that she had made with her Transfiguration, which made Ron increasingly grumpy.

「 午後 の クラス は な んだっけ ?」 ハリー は 慌てて 話題 を 変えた 。 ごご||くらす|||んだ っけ|||あわてて|わだい||かえた 「 闇 の 魔術 に 対する 防衛 術 よ 」 ハーマイオニー が すぐ 答えた 。 やみ||まじゅつ||たいする|ぼうえい|じゅつ|||||こたえた

「 君 、 ロックハート の 授業 を 全部 小さい ハート で 囲んで ある けど 、 どうして ?」 ロン が ハー マイオニー の 時間割 を 取り上げて 聞いた 。 きみ|||じゅぎょう||ぜんぶ|ちいさい|はーと||かこんで|||||||||じかんわり||とりあげて|きいた "You, all of Rockhart's lessons are surrounded by small hearts, why?" Ron asked about Hermiony's timetable.

ハーマイオニー は 真っ赤に なって 時間割 を 引った くり返した 。 ||まっかに||じかんわり||ひ った|くりかえした Hermione turned bright red and turned over the timetable. 昼食 を 終え 、 三 人 は 中庭 に 出た 。 ちゅうしょく||おえ|みっ|じん||なかにわ||でた 曇り空 だった 。 くもりぞら| ハーマイオニー は 石段 に 腰掛けて 「 バンパ イア と バッチリ 船旅 」 を また 夢中に なって 読み はじめた 。 ||いしだん||こしかけて|||||ふなたび|||むちゅうに||よみ| Hermione sat down on the stone steps and began to read "Vampire and the Batchy Boat Trip" again. ハリー は ロン と 立ち話 で しばらく クィディッチ の こと を 話して いた が 、 ふと ジッと 見つめられて いる ような 気 が した 。 ||||たちばなし|||||||はなして||||じっと|みつめ られて|||き|| Harry and Ron had been standing around talking about Quidditch for a while when he suddenly felt a gaze fixed on him. 目 を 上 げ る と 、 薄茶色 の 髪 を した 小さな 尐年 が 、 その 場 に 釘づけ に なった ように じっと ハリー を 見 つめて いた 。 め||うえ||||うすちゃいろ||かみ|||ちいさな|尐ねん|||じょう||くぎづけ|||||||み|| When I looked up, a small young man with light brown hair stared at Harry as if he had been nailed to the spot. ハリー は この 尐年 が 昨夜 組 分け 帽子 を かぶった ところ を 見た 。 |||尐ねん||さくや|くみ|わけ|ぼうし|||||みた Harry saw this year last night wearing a grouping hat. 尐年 は マグル の カメラ の ような もの を しっかり つかんで いて 、 ハリー が 目 を 向けた 途端 、 顔 を 真っ赤に し た 。 尐ねん||||かめら||||||||||め||むけた|とたん|かお||まっかに|| The boy was holding on to what looked like a Muggle camera, and when Harry turned to look at him, his face turned bright red.

「 ハリー 、 元気 ? 僕 ―― 僕 、 コリン ・ クリービー と 言います 」  尐年 は おずおず と 一 歩 近づいて 、 一息 に そう 言った 。 |げんき|ぼく|ぼく||||いい ます|尐ねん||||ひと|ふ|ちかづいて|ひといき|||いった 「 僕 も 、 グリフィンドール です 。 ぼく||| あの ―― もし 、 かまわ なかったら ―― 写真 を 撮って も いい です か ?」 ||||しゃしん||とって||||

カメラ を 持ち上げて 、 尐年 が 遠慮がちに 頼んだ 。 かめら||もちあげて|尐ねん||えんりょがちに|たのんだ

「 写真 ?」 ハリー が オウム 返し に 聞いた 。 しゃしん||||かえし||きいた

「 僕 、 あなた に 会った こと を 証明 したい んです 」  コリン ・ クリービー は また すこし 近寄り ながら 熱っぽく 言った 。 ぼく|||あった|||しょうめい|し たい|||||||ちかより||ねつっぽく|いった 「 僕 、 あなた の こと は なんでも 知ってます 。 ぼく||||||しって ます I know everything about you. みんな に 聞きました 。 ||きき ました I asked everyone. 『 例の あの 人 』 が あなた を 殺そう と した のに 、 生き残った と か 、『 あの 人 』 が 消えて しまった と か 、 今 でも あなた の 額 に 稲妻 形 の 傷 が ある と か ( コリン の 目 が ハリー の 額 の 生え際 を 探った )。 れいの||じん||||ころそう||||いきのこった||||じん||きえて||||いま||||がく||いなずま|かた||きず|||||||め||||がく||はえぎわ||さぐった 同じ 部屋 の 友達 が 、 写真 を ちゃんと した 薬 で 現 僕 したら 、 写真 が 動くって 教えて れた んです 」 コリン は 興奮 で 震え ながら 大きく 息 を 吸い込む と 、 一気に 言葉 を 続けた 。 おなじ|へや||ともだち||しゃしん||||くすり||げん|ぼく||しゃしん||うごく って|おしえて|||||こうふん||ふるえ||おおきく|いき||すいこむ||いっきに|ことば||つづけた Ein Freund von mir, der im selben Raum saß, sagte mir, dass die Fotos funktionieren würden, wenn ich sie mit den richtigen Chemikalien entwickeln würde. Colin atmete schwer und zitternd vor Erregung ein und sprach mit einem Schluck weiter. A friend in the same room told me that the photo would move if I used the medicine to take the photo properly. ”Colin trembled with excitement and took a deep breath, and continued to speak at once. 「 この 学校って 、 すばらしい 。 |がっこう って| ねっ? 僕 、 いろいろ 変な こと が できた んだ けど 、 ホグワーツ から 手紙 が 来る まで は 、 それ が 魔法 だって こと 知ら なかった んです 。 |ぼく||へんな||||||||てがみ||くる|||||まほう|||しら|| Hey? I was able to do a lot of weird things, but I didn't know it was magic until I got a letter from Hogwarts. 僕 の パパ 牛乳 配達 を して て 、 やっぱり 信じられ なかった 。 ぼく||ぱぱ|ぎゅうにゅう|はいたつ|||||しんじ られ| I couldn't believe it because I was delivering my dad's milk. だ から 、 僕 、 写真 を たくさん 撮って 、 パパ に 送って あげる んです 。 ||ぼく|しゃしん|||とって|ぱぱ||おくって|| もし 、 あなた の が 取 れたら 、 ほんとに 嬉しい んだ けど 」 ||||と|||うれしい||

コリン は 懇願 する ような 目 で ハリー を 見た 。 ||こんがん|||め||||みた Colin looked at Harry with a begging eye.

「 あなた の 友達 に 撮って もらえる なら 、 僕 が あなた と 並んで 立って も いい です か ? それ か ら 、 写真 に サイン して くれます か ?」 「 サイン 入り 写真 ? ポッター 、 君 は サイン 入り 写真 を 配って る の かい ?」 ドラコ ・ マルフォイ の 痚烈 な 声 が 中庭 に 大きく 響き渡った 。 ||ともだち||とって|||ぼく||||ならんで|たって||||||||しゃしん||さいん||くれ ます||さいん|はいり|しゃしん||きみ||さいん|はいり|しゃしん||くばって|||||||痚れつ||こえ||なかにわ||おおきく|ひびきわたった "Would you mind if I stand side by side with you if your friend takes the picture? And would you be willing to sign the picture?" "Signed photo? Potter, do you give out signed photos? Draco Malfoy's fiery voice echoed through the courtyard. いつも の ように 、 デカ く て 狂暴 そうな クラッブ と ゴイル を 両脇 に 従えて 、 マルフォイ は コリン の すぐ 後ろ で 立ち止まった 。 ||||||きょうぼう|そう な|||||りょうわき||したがえて||||||うしろ||たちどまった As usual, Malfoy stopped just behind Colin, flanked by Crabbe and Goyle, who looked huge and rabid.

「 みんな 、 並べよ ! ハリー ・ ポッター が サイン 入り 写真 を 配る そうだ !」 |ならべよ||||さいん|はいり|しゃしん||くばる|そう だ

マルフォイ が 周り に 群がって いた 生徒 たち に 大声 で 呼びかけた 。 ||まわり||むらがって||せいと|||おおごえ||よびかけた Malfoy called out to the students who were swarming around.

「 僕 は そんな こと して いない ぞ 。 ぼく|||||| "I haven't done that. マルフォイ 、 黙れ !」 |だまれ Malfoy, shut up!

ハリー は 怒って 拳 を 握りしめ ながら 言った 。 ||いかって|けん||にぎりしめ||いった

「 君 、 やきもち 妬 いて る んだ 」 きみ||ねた|||

コリン も クラッブ の 首 の 太 さ ぐらい しか ない 体 で 言い返した 。 ||||くび||ふと|||||からだ||いいかえした Colin also replied with a body that was only about the thickness of Crabbe's neck.

「 妬 いて る ?」 ねた||

マルフォイ は もう 大声 を 出す 必要 は なかった 。 |||おおごえ||だす|ひつよう|| Malfoy did not need to shout anymore. 中庭 に いた 生徒 の 半分 が 耳 を 傾けて いた 。 なかにわ|||せいと||はんぶん||みみ||かたむけて| Half of the students in the courtyard were listening.

「 何 を ? ぼく は 、 ありがたい こと に 、 額 に 醜い 傷 なんか 必要 ない ね 。 なん|||||||がく||みにくい|きず||ひつよう|| "What? I'm grateful that I don't need any ugly scars on my forehead. 頭 を カチ 割ら れる こと で 特別な 人間 に なる なんて 、 僕 は そう 思わ ない ので ね 」 あたま|||わら||||とくべつな|にんげん||||ぼく|||おもわ||| I don't think I'm a special person by cracking my head. "

クラッブ と ゴイル は クスクス 薄ら バカ 笑い を した 。 ||||くすくす|うすら|ばか|わらい||

「 ナメクジ でも 食って ろ 、 マルフォイ 」 ロン が けんか 腰 で 言った 。 ||くって||||||こし||いった "Eat even slugs, Malfoy," Ron said with a quarrel. クラッブ は 笑う の を やめ た 。 ||わらう|||| トチ の 実 の ように ごつごつ 尖った ゲンコツ を 脅す ように 撫で さ すり はじめた 。 ||み||||とがった|||おどす||なで||| I began to stroke it to threaten the rugged, pointed knuckle like a horse chestnut.

「 言葉 に 気 を つける んだ ね 。 ことば||き|||| "Be careful with the words. ウィーズリー 」 マルフォイ が せ せら 笑った 。 |||||わらった 「 これ 以上 いざ こ ざ を 起こしたら 、 君 の ママ が 迎え に 来て 、 学校 から 連れて 帰る よ 」 |いじょう|||||おこしたら|きみ||まま||むかえ||きて|がっこう||つれて|かえる| "If you have any more trouble, your mom will come to pick you up and take you back from school."

マルフォイ は 、 甲高い 突き刺す ような 声色 で 、「 今度 ちょっと でも 規則 を やぶって ごらん ― ―」 と 言った 。 ||かんだかい|つきさす||こわいろ||こんど|||きそく|||||いった Malfoy, with a high-pitched, piercing voice, said, "Let's break the rules a little bit this time."

近く に いた スリザリン の 五 年生 の 一 段 が 声 を あげて 笑った 。 ちかく|||||いつ|ねんせい||ひと|だん||こえ|||わらった Slytherin's fifth grader, who was nearby, laughed aloud.

「 ポッター 、 ウィーズリー が 君 の サイン 入り 写真 が 欲し いって さ 」 |||きみ||さいん|はいり|しゃしん||ほし|| "Potter, Weasley wants your autographed photo."

マルフォイ が ニヤニヤ 笑い ながら 言った 。 |||わらい||いった

「 彼 の 家 一 軒 分 より もっと 価値 が ある かも しれ ない な 」 かれ||いえ|ひと|のき|ぶん|||かち|||||| "Es könnte mehr wert sein als sein ganzes Haus." "Maybe it's more valuable than his home."

ロン は スペロテープ だらけ の 杖 を サッと 取り出した 。 |||||つえ||さっと|とりだした が 、 ハーマイオニー が 「 バンパイア と バッチリ 船旅 」 を パチン と 閉じて 、「 気 を つけて !」 と ささやいた 。 ||||||ふなたび||||とじて|き|||| But Hermione snapped "Vampires and Vampire Boat Rides" shut and whispered, "Watch out! she whispered.

「 いったい 何事 かな ? いったい どうした かな ?」 |なにごと|||| "What the hell is going on? What's going on?

ギルデロイ ・ ロックハート が 大股 で こちら に 歩いて きた 。 |||おおまた||||あるいて| トルコ 石 色 の ローブ を ヒラリ と な びか せて いる 。 とるこ|いし|いろ||||ひらり||||| Fluttering turquoise-colored robes.

「 サイン 入り の 写真 を 配って いる の は 誰 かな ?」 さいん|はいり||しゃしん||くばって||||だれ|

ハリー が 口 を 開け かけた が 、 ロックハート は それ を 遮る ように ハリー の 肩 に さっと 腕 を 回 し 、 陽気な 大声 を 響かせた 。 ||くち||あけ|||||||さえぎる||||かた|||うで||かい||ようきな|おおごえ||ひびかせた Harry was about to open his mouth, but Lockhart quickly put his arm around Harry's shoulder and shouted cheerfully.

「 聞く まで も なかった ! ハリー 、 また 逢った ね !」 きく||||||あった| I didn't even have to ask! Harry, we meet again!

ロック ハート に 羽交い締め に さ れ 、 屈辱 感 で 焼ける ような 思い を し ながら 、 ハリー は マル フォイ が ニヤニヤ し ながら 人垣 の 中 に する り と 入り込む の を 見た 。 ろっく|はーと||はがいじめ||||くつじょく|かん||やける||おもい||||||||||||ひとがき||なか|||||はいりこむ|||みた Harry saw Malfoy grinning into the crowd, squeezing his wings into a rock heart and feeling humiliated and burning.

「 さあ 、 撮り たまえ 。 |とり| "Go ahead, take the shot. クリービー 君 」 ロック ハート が コリン に ニッコリ 微笑んだ 。 |きみ|ろっく|はーと||||にっこり|ほおえんだ

「 二 人 一緒の ツーショット だ 。 ふた|じん|いっしょの|| "It's a two-shot together. 最高だ と 言える ね 。 さいこうだ||いえる| You can say it's the best. しかも 、 君 の ため に 二 人 で サイン し よ う 」 |きみ||||ふた|じん||さいん||| Moreover, let's sign for you together. "

コリン は 大 慌て で もたもた と カメラ を 構え 写真 を 撮った 。 ||だい|あわて||||かめら||かまえ|しゃしん||とった Colin was in a great hurry to get the camera ready and take a picture. その とき ちょうど 午後 の 授業 の 始 まり を 告げる ベル が 鳴った 。 |||ごご||じゅぎょう||はじめ|||つげる|べる||なった At that time, the bell rang to announce the beginning of the afternoon class.

「 さあ 、 行き たまえ 。 |いき| "Come on, go. みんな 急いで 」 |いそいで

ロック ハート は そう みんな に 呼びかけ 、 自分 も ハリー を 抱えた まま 城 へ と 歩き 出した 。 ろっく|はーと|||||よびかけ|じぶん||||かかえた||しろ|||あるき|だした Lockhart called out to everyone and walked to the castle with Harry in his arms. ハ リー は 羽交い締め に さ れた まま 、 うまく 消え去る 呪文 が あれば いい のに と 思った 。 |||はがいじめ||||||きえさる|じゅもん||||||おもった Harry wished there was a spell that could make him disappear while he was pinned down.

「 わかって いる と は 思う が ね 、 ハリー 」 城 の 脇 の ドア から 入り ながら 、 ロックハート は まるで 父親 の ような 言い 方 を した 。 ||||おもう||||しろ||わき||どあ||はいり|||||ちちおや|||いい|かた|| Lockhart sounded like a father as he entered through the side door of the castle.

「 あの お 若い クリービー 君 から 、 あそこ で 君 を 護って やった んだ よ ―― もし 、 あの 子 が 私 の 写真 も 一緒に 撮る のだったら 、 君 の クラスメート も 君 が 目立ち た がって いる と 思わ ないで しょう ......」  ハリー が モゴモゴ 言う の を まったく 無視 して 、 ロックハート は 廊下 に 生徒 が ずらり 並んで 見 つめる 中 を 、 ハリー を 連れた まま さっさと 歩き 、 そのまま 階段 を 上がった 。 ||わかい||きみ||||きみ||まもる って||||||こ||わたくし||しゃしん||いっしょに|とる||きみ||||きみ||めだち|||||おもわ||||||いう||||むし||||ろうか||せいと|||ならんで|み||なか||||つれた|||あるき||かいだん||あがった "From that young Creeby, I protected you over there--if she took a picture of me with me, your classmates would like to stand out. Don't think ... ”Ignoring Harry's mogomogo altogether, Lockhart quickly walked up the stairs with Harry as the students stared side by side in the hallway. rice field . 「 ひとこと 言って おき まし ま ょう 。 |いって|||| "Let's say a word. 君 の 経歴 で は 、 今 の 段階 で は サイン 入り 写真 を 配る の は 賢明 と は 言え ない ね ―― はっきり 言って 、 ハリー 、 す こ ー し 思い上がり だ よ 。 きみ||けいれき|||いま||だんかい|||さいん|はいり|しゃしん||くばる|||けんめい|||いえ||||いって||||-||おもいあがり|| In your background, it's unwise to give out autographed photos at this stage-to be clear, Harry, I'm a little overwhelmed. その うち 、 私 の ように 、 どこ へ 行く に も 写真 を 一 束 準備 して おく こと が 必要に なる とき が くる かも しれ な い 。 ||わたくし|||||いく|||しゃしん||ひと|たば|じゅんび|||||ひつように|||||||| In the meantime, like me, there may come a time when you need to have a bunch of photos ready wherever you go. しかし です ね ――」 ここ で ロック ハート は カラ カラッと 満足げに 笑った 。 |||||ろっく|はーと||から|からっと|まんぞくげに|わらった Lockhart laughed with satisfaction. 「 君 は まだ ま だ その 段階 で は ない と 思います ね 」  教室 の 前 まで 来て 、 ロックハート は やっと ハリー を 放した 。 きみ||||||だんかい|||||おもい ます||きょうしつ||ぜん||きて||||||はなした When they reached the front of the classroom, Lockhart finally let go of Harry. ハリー は ローブ を ギュッと 引っ張って シワ を 伸ばして から 、 一 番 後ろ の 席 まで 行って 、 そこ に 座り 、 わき目 も 振ら ず に ロッ クハート の 本 を 七 冊 全部 、 目の前 に 山 の ように 積み上げた 。 ||||ぎゅっと|ひっぱって|しわ||のばして||ひと|ばん|うしろ||せき||おこなって|||すわり|わきめ||ふら||||||ほん||なな|さつ|ぜんぶ|めのまえ||やま|||つみあげた Harry pulled on his robe, wrinkled it, walked to the back of the room, sat down, and without wandering, piled all seven of Lockhart's books in a heap in front of him. そう すれば ロック ハート の 実物 を 見 ないで すむ 。 ||ろっく|はーと||じつぶつ||み|| That way you don't have to look at the real Rock Heart.

クラスメート が 教室 に ドタバタ と 入って きた 。 ||きょうしつ||どたばた||はいって| ロン と ハーマイオニー が 、 ハリー の 両脇 に 座った 。 ||||||りょうわき||すわった

「 顔 で 目玉焼き が でき そうだった よ 」 ロン が 言った 。 かお||めだまやき|||そう だった||||いった "It looked like I could make a fried egg on my face," Ron said.

「 クリービー と ジニー が どうぞ 出 遭いません ように 、 だ ね 。 |||||だ|あい ませ ん||| I hope Creevy and Ginny don't run into each other. じゃ ない と 、 二 人 で ハリー ・ ポッター ・ ファンク ラブ を 始めちゃ うよ 」 |||ふた|じん||||ふぁんく|らぶ||はじめちゃ| Otherwise, we'll both start Harry Potter fan clubs.

「 やめて くれよ 」 ハリー が 遮る ように 言った 。 ||||さえぎる||いった

「 ハリー ・ ポッター ・ ファンク ラブ 」 なんて 言葉 は ロックハート に は 絶対 聞か れ たく ない 言 葉 だ 。 ||ふぁんく|らぶ||ことば|||||ぜったい|きか||||げん|は| Harry Potter fan club" is a phrase Lockhart would never want to hear.

クラス 全員 が 着席 する と 、 ロックハート は 大きな 咳払い を した 。 くらす|ぜんいん||ちゃくせき|||||おおきな|せきばらい|| When the class was all seated, Lockhart cleared his throat. みんな しんと なった 。 Everyone became quiet. ロッ クハート は 生徒 の 方 に やってきて 、 ネビル ・ ロングボトム の 持って いた 「 トロール の とろ い 旅 」 を 取り上げ 、 ウインク を して いる 自分 自信 の 写真 の ついた 写真 を 高々 と 掲げた 。 |||せいと||かた||||||もって||||||たび||とりあげ|ういんく||||じぶん|じしん||しゃしん|||しゃしん||たかだか||かかげた Rockhart came to the students and picked up Neville Longbottom's "Troll's Mellow Journey" and put up a photo of himself as a wink at most.

「 私 だ 」 本人 も ウインク し ながら 、 ロックハート が 言った 。 わたくし||ほんにん||ういんく|||||いった "I am," Lockhart said, winking himself.

「 ギルデロイ ・ ロックハート 。 勲 三 等 マーリン 勲章 、 闇 の 力 に 対する 防衛 術 連盟 名誉 会員 、 そして 、『 週間 魔女 』 五 回 連続 『 チャーミング ・ スマイル 賞 』 受賞 ―― もっとも 、 私 はそん な 話 を する つもり では ありません よ 。 いさお|みっ|とう||くんしょう|やみ||ちから||たいする|ぼうえい|じゅつ|れんめい|めいよ|かいいん||しゅうかん|まじょ|いつ|かい|れんぞく|ちゃーみんぐ|すまいる|しょう|じゅしょう||わたくし|||はなし|||||あり ませ ん| Medal of Merlin, Honorary Member of the Federation of Defense Techniques Against the Power of Darkness, and Winner of the "Witch of the Week" Five Consecutive "Charming Smile Awards" -But I'm not going to talk about that. バンドン の 泣き 妖怪 バンシー を スマイル で 追い払った わけじゃ ありません しね !」  ロック ハート は みんな が 笑う の を 待った が 、 ごく 数 人 が あいまいに 笑った だけ だった 。 ||なき|ようかい|||すまいる||おいはらった||あり ませ ん||ろっく|はーと||||わらう|||まった|||すう|じん|||わらった|| It's not like he drove away Banshee, the weeping monster of Bandon, with a smile! Lockhart waited for everyone to laugh, but only a few smiled vaguely. 「 全員 が 私 の 本 を 全巻 揃えた ようだ ね 。 ぜんいん||わたくし||ほん||ぜんかん|そろえた|| たいへん よろしい 。 Very good. 今日 は 最初に ちょっと 見 に テス ト を やろう と 思います 。 きょう||さいしょに||み|||||||おもい ます Today, I'd like to do a little test for you to see what it's all about. 心配 ご 無用 ―― 君 たち が どの ぐらい 私 の 本 を 読んで いる か 、 どの ぐ らい 覚えて いる か を チェック する だけ です から ね 」 しんぱい||むよう|きみ|||||わたくし||ほん||よんで||||||おぼえて||||ちぇっく||||| Don't worry - I'm just checking to see how much you've read and how much you remember.

テスト ペーパー を 配り 終える と 、 ロックハート は 教室 の 前 の 席 に 戻って 合図 した 。 てすと|ぺーぱー||くばり|おえる||||きょうしつ||ぜん||せき||もどって|あいず| When Lockhart finished handing out the test papers, he motioned to the front of the room.

「 三十 分 です 。 さんじゅう|ぶん| よ ー い 、 はじめ !」 |-||

ハリー は テストペーパー を 見下ろし 、 質問 を 読んだ 。 ||||みおろし|しつもん||よんだ

1 ギルデロイ ・ ロックハート の 好きな 色 は 何 ? |||すきな|いろ||なん

2 ギルデロイ ・ ロックハート の ひ さかな 大望 は 何 ? |||||たいぼう||なん

3 現 時点 まで の ギルデロイ ・ ロックハート の 業績 の 中 で 、 あなた は 何 が 一 番 偉大だ と 思う か ? げん|じてん||||||ぎょうせき||なか||||なん||ひと|ばん|いだいだ||おもう| 3 Was ist Ihrer Meinung nach das Größte, was Gilderoy Lockhart bis heute erreicht hat? 3 Of all of Gilderoy Lockhart's accomplishments to date, what do you consider to be the greatest?

こんな 質問 が 延々 三 ページ 、 裏表 に 渡って 続いた 。 |しつもん||えんえん|みっ|ぺーじ|うらおもて||わたって|つづいた These questions went on and on for three pages, back to back. 最後 の 質問 は こう だ 。 さいご||しつもん|||

ギルデロイ ・ ロックハート の 誕生日 は いつ で 、 理想 的な 贈り物 は 何 ? 三十 分 後 、 ロックハート は 答案 を 回収 し 、 クラス 全員 の 前 で パラパラ と それ を めくった 。 |||たんじょうび||||りそう|てきな|おくりもの||なん|さんじゅう|ぶん|あと|||とうあん||かいしゅう||くらす|ぜんいん||ぜん||ぱらぱら||||

「 チッチッチッ ―― 私 の 好きな 色 は ライラック 色 だ と いう こと を 、 ほとんど 誰 も 覚えて い な いようだ ね 。 |わたくし||すきな|いろ||らいらっく|いろ|||||||だれ||おぼえて|||| 『 雪男 と ゆっくり 一 年 』 の 中 で そう 言って いる のに 。 ゆきお|||ひと|とし||なか|||いって|| I said that in "Yukio and Slowly A Year". 『 狼 男 と の 大いなる 山 歩 き 』 を もう 尐 し しっかり 読ま なければ なら ない 子 も 何 人 か いる ようだ ―― 第 十二 賞 で はっき り 書いて いる ように 、 私 の 誕生日 の 理想 的な 贈り物 は 、 魔法 界 と 非 魔法 界 の ハーモニー です ―― もっとも オグデン の オールド ・ ファイア ・ ウィスキー の 大 瓶 でも お 断り は いたしません よく 」  ロック ハート は もう 一 度 クラス 全員 に いたずらっぽく ウインク した 。 おおかみ|おとこ|||おおいなる|やま|ふ|||||||よま||||こ||なん|じん||||だい|じゅうに|しょう||||かいて|||わたくし||たんじょうび||りそう|てきな|おくりもの||まほう|かい||ひ|まほう|かい||はーもにー|||||||うぃすきー||だい|びん|||ことわり||いたし ませ ん||ろっく|はーと|||ひと|たび|くらす|ぜんいん||いたずら っぽく|ういんく| It seems there are a few of you who need to read The Great Walk with the Wolf Man a little more thoroughly - as I clearly stated in Award Twelve, my ideal birthday gift is a harmony between the magical and non-magical worlds. -- I would never turn down a large bottle of Ogden's Old Fire Whiskey either," Lockhart winked wickedly at the class once more. ロン は 、 もう あきれて もの が 言え ない 、 と いう 表情 で ロック ハート を 見つめて いた 。 ||||||いえ||||ひょうじょう||ろっく|はーと||みつめて| Ron was staring at Rock Heart with the expression that he couldn't say anything anymore. 前列 に 座って いた シェーマ ス ・ フィネガン と ディーン ・ トーマス は 声 を 押し殺して 笑って いた 。 ぜんれつ||すわって|||||||||こえ||おしころして|わらって| ところが 、 ハーマイオ ニー は ロックハート の 言葉 に うっとり と 聞き入って いて 、 突然 ロック ハート が 彼女 の 名前 を 口 に した ので び くっと した 。 ||||||ことば||||ききいって||とつぜん|ろっく|はーと||かのじょ||なまえ||くち|||||く っと| However, Hermione was fascinated by Lockhart's words and was surprised when Rockhart suddenly spoke her name. 「...... ところが 、 ミス ・ ハーマイオニー ・ グレンジャー は 、 私 の ひそかな 大望 を 知って まし た ね 。 |みす||||わたくし|||たいぼう||しって||| "... But Miss Hermione Granger knew my secret ambitions. この 世界 から 悪 を 追い払い 、 ロックハート ・ ブランド の 整髪 剤 を 売り出す こと だ と ね ―― よく でき まし たく それ に ――」 ロック ハート は 答案 用紙 を 裏返した 。 |せかい||あく||おいはらい||ぶらんど||せいはつ|ざい||うりだす|||||||||||ろっく|はーと||とうあん|ようし||うらがえした It's about getting rid of evil from this world and selling Lockhart brand hair styling products-I want to do it well-" Lockhart turned over the answer sheet. 「 満点 です ! ミ ス ・ ハーマイオニー ・ グレンジャー は どこ に います か ?」  ハーマイオニー の 挙げた 手 が 震えて いた 。 まんてん|||||||||い ます||||あげた|て||ふるえて| "Full marks! Where is Miss Hermione Granger? Hermione's hand was trembling as she raised it. 「 すばらしい !」 ロックハート が ニッコリ した 。 |||にっこり| 「 まったく すばらしい ! グリフィンドール に 一〇 点 あげましょう ! で は 、 授業 です が ......」  ロック ハート は 机 の 後ろ に かがみ 込んで 、 覆い の かかった 大きな 籠 を 持ち上げ 、 机 の 上 に 置 いた 。 ||||ひと|てん|あげ ましょう|||じゅぎょう|||ろっく|はーと||つくえ||うしろ|||こんで|おおい|||おおきな|かご||もちあげ|つくえ||うえ||お| 「 さあ ―― 気 を つけて ! 魔法 界 の 中 で 最も 穢 れた 生物 と 戦う 術 を 授ける の が 、 私 の 役目 な の です ! この 教室 で 君 たち は 、 これ まで に ない 恐ろしい 目 に 遭う こと に なる でしょう 。 |き|||まほう|かい||なか||もっとも|あい||せいぶつ||たたかう|じゅつ||さずける|||わたくし||やくめ|||||きょうしつ||きみ|||||||おそろしい|め||あう|||| "Come on, be careful! It's my job to give you the art of fighting the dirtiest creatures in the magical world! In this classroom, you're going to have an unprecedented horror. Will be. ただし 、 私 が ここ に いる かぎり 、 何物 も 君 たち に 危害 を 加える こと は ない と 思い たまえ 。 |わたくし||||||なにもの||きみ|||きがい||くわえる|||||おもい| But as long as I'm here, don't expect anything to do any harm to you. 落ち着 いて いる よう 、 それ だけ を お 願い して おきましょう 」  ハリー は つい 吊 り 込まれて 、 目の前 に 積み上げた 本 の 脇 から 覗き 、 籠 を よく 見よう と した 。 おちつ||||||||ねがい||おき ましょう||||つり||こま れて|めのまえ||つみあげた|ほん||わき||のぞき|かご|||みよう|| Let's just ask for it to be calm. ”Harry was hung up and peeped from the side of the books piled up in front of him, trying to look closely at the basket. ロック ハート が 覆い に 手 を かけた 。 ろっく|はーと||おおい||て|| Lockhart put his hand on the cover. ディーン と シェーマス は もう 笑って は い なかった 。 |||||わらって||| ネビ ル は 一 番 前 の 席 で 縮こまって いた 。 |||ひと|ばん|ぜん||せき||ちぢこまって|

「 どうか 、 叫ば ない よう お 願い したい 。 |さけば||||ねがい|し たい "Please, please do not scream. 連中 を 挑発 して しまう ので ね 」 れんちゅう||ちょうはつ|||| It will provoke them. "

ロック ハート が 低い 声 で 言った 。 ろっく|はーと||ひくい|こえ||いった

クラス 全員 が 息 を 殺した 。 くらす|ぜんいん||いき||ころした ロック ハート は パッと 覆い を 取り払った 。 ろっく|はーと||ぱっと|おおい||とりはらった

「 さあ 、 どう だ 」 ロック ハート は 芝居 じ みた 声 を 出した 。 |||ろっく|はーと||しばい|||こえ||だした "Come on, how are you?" Rockhart uttered a playful voice.

「 捕らえた ばかりの コーンウォール 地方 の ピクシー 小 妖精 」 とらえた|||ちほう|||しょう|ようせい "Just captured, a pixie from Cornwall, a little elf."

シェーマス ・ フィネガン は こらえ きれ ず に プッ と 噴き出した 。 |||||||ぷっ||ふきだした Seamus Finnegan couldn't hold it in and sputtered. さすが の ロック ハート で さ え 、 これ は 恐怖 の 叫び声 と は 聞え なかった 。 ||ろっく|はーと||||||きょうふ||さけびごえ|||きこえ| As expected, with a rock heart, this was not heard as a cry of horror.

「 どうかした かね ?」 ロックハート が シェーマス に 笑い かけた 。 ||||||わらい| What's wrong? Lockhart smiled at Seamus.

「 あの 、 こいつ ら が ―― あの 、 そんなに ―― 危険 、 な んです か ?」 ||||||きけん||| "That, these guys-that, so much-is it dangerous, isn't it?"

シェーマス は 笑い を 殺す のに 、 むせ返った 。 ||わらい||ころす||むせかえった Shamas turned back to kill his laughter.

「 思い込み は いけません !」  ロック ハート は シェーマス に 向かって たしなめる ように 首 を 振った 。 おもいこみ||いけ ませ ん|ろっく|はーと||||むかって|||くび||ふった "Don't assume!" Lockhart shook his head toward Shamus. 「 連中 は 厄介で 危険な 小 悪魔 に なり えます ぞ !」  ピクシー 小 妖精 は 身の丈 二十 センチ ぐらい で 群青色 を して いた 。 れんちゅう||やっかいで|きけんな|しょう|あくま|||え ます|||しょう|ようせい||みのたけ|にじゅう|せんち|||ぐんじょういろ||| "They can be nasty and dangerous little demons!" The Pixie Little Fairy was about 20 centimeters tall and had an ultramarine blue color. とんがった 顔 で キーキー と 甲高い 声 を 出す ので 、 インコ の 群れ が 議論 して いる ような 騒ぎ だった 。 |かお||||かんだかい|こえ||だす||いんこ||むれ||ぎろん||||さわぎ| The squeaky, high-pitched voice with the pointy face made it sound like a flock of parakeets having an argument. 覆い が 取り払わ れる やいなや 、 ペチャクチャ しゃべり まくり ながら 籠 の 中 を ビュンビュン 飛び回り 、 籠 を ガタガ タ いわ せたり 、 近く に いる 生徒 に アッカンベー したり した 。 おおい||とりはらわ|||||||かご||なか|||とびまわり|かご||||||ちかく|||せいと|||| As soon as the covers were removed, they flew around inside the cage, talking a lot, rattling the cage, and playing "akkambay" to the students nearby.

「 さあ 、 それでは 」 ロック ハート が 声 を 張り上げ 、「 君 たち が ピクシー を どう 扱う か やって みましょう !」 と 、 籠 の 戸 を 開けた 。 ||ろっく|はーと||こえ||はりあげ|きみ||||||あつかう|||み ましょう||かご||と||あけた 上 を 下 へ の 大騒ぎ 。 うえ||した|||おおさわぎ Up and down frenzy. ピクシー は ロケット の ように 四方八方 に 飛び散った 。 ||ろけっと|||しほうはっぽう||とびちった 二 匹 が ネビル の 両 耳 を 引っ張って 空中 に 吊り上げ た 。 ふた|ひき||||りょう|みみ||ひっぱって|くうちゅう||つりあげ| 数 匹 が 窓 ガラス を 破って 飛び出し 、 後ろ の 席 の 生徒 に ガ ラス の 破片 の 雤 を 浴びせた 。 すう|ひき||まど|がらす||やぶって|とびだし|うしろ||せき||せいと|||||はへん||||あびせた Several of them burst through the windowpane and showered the students in the back with shards of glass. 教室 に 残った ピクシー たち の 破壊 力 と きたら 、 暴走 する サイ よ り すごい 。 きょうしつ||のこった||||はかい|ちから|||ぼうそう||さい||| When it comes to the destructive power of the pixies left in the classroom, it's more amazing than the runaway Sai. インク 瓶 を 引っつか み 、 教室 中 に インク を 振り撒く し 、 本 や ノート を 引き裂く し 、 壁 から 写真 を 引っぺ が す は 、 ごみ箱 は 引っくり返す は 、 本 や カバン を 奪って 破れた 窓 か ら 外 に 放り投げる は ―― 数 分 後 、 クラス の 生徒 の 半分 は 机 の 下 に 避難 し 、 ネビル は 天井 の シャンデリア から ぶら下がって 揺れて いた 。 いんく|びん||ひっつか||きょうしつ|なか||いんく||ふりまく||ほん||のーと||ひきさく||かべ||しゃしん||ひ っぺ||||ごみばこ||ひっくりかえす||ほん||かばん||うばって|やぶれた|まど|||がい||ほうりなげる||すう|ぶん|あと|くらす||せいと||はんぶん||つくえ||した||ひなん||||てんじょう||||ぶらさがって|ゆれて| They grabbed ink bottles and sprayed ink all over the classroom, tore books and notebooks, ripped photos off the walls, overturned trash cans, grabbed books and bags and threw them out of broken windows, etc. After a few minutes, half the class had evacuated under their desks, and Neville was swinging from the ceiling chandelier. After a few minutes, half the class had evacuated under their desks, and Neville was swinging from a chandelier on the ceiling. 「 さあ 、 さあ 。 捕まえ なさい 。 つかまえ| 捕まえ なさい よ 。 つかまえ|| Come on. たかが ピクシー でしょう ――」 ロック ハート が 叫んだ 。 |||ろっく|はーと||さけんだ It's only a pixie," Lockhart exclaimed.

ロック ハート は 腕 まくり を して 杖 を 振り上げ 、「 ベスキビクシベステルノミ !< ピクシー 虫 よさ れ >」 と 大声 を 出した 。 ろっく|はーと||うで||||つえ||ふりあげ|||ちゅう|よ さ|||おおごえ||だした 何の 効果 も ない 。 なんの|こうか|| It has no effect. ピクシー が 一 匹 、 ロックハート の 杖 を 奪って 、 これ も 窓 の 外 へ 放り投げ た 。 ||ひと|ひき|||つえ||うばって|||まど||がい||ほうりなげ| ロック ハート は ヒェッ と 息 を 呑 み 、 自分 の 机 の 下 に 潜りこんだ 。 ろっく|はーと||||いき||どん||じぶん||つくえ||した||もぐりこんだ 一 秒 遅かったら 、 天井 から シャンデリア ごと 落ちて きた ネビル に 危うく 押しつぶさ れる ところ だった 。 ひと|びょう|おそかったら|てんじょう||||おちて||||あやうく|おしつぶさ||| A second later, I was almost crushed by Neville, who had fallen from the ceiling with the chandelier.

就業 の ベル が 鳴り 、 みんな ワッ と 出口 に 押しかけた 。 しゅうぎょう||べる||なり||||でぐち||おしかけた The work bell rang and everyone rushed to the exit. それ が 尐 し 収まった ころ 、 ロックハー ト が 立ち上がり 、 ちょうど 教室 から 出よう と して いた ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー を 見 つ け て 呼びかけた 。 ||||おさまった|||||たちあがり||きょうしつ||でよう||||||||み||||よびかけた Just as it died down, Lockhart stood up and called out to Harry, Ron, and Hermione, who were just leaving the classroom.

「 さあ 、 その 三 人 に お 願い しよう 。 ||みっ|じん|||ねがい| "Come on, let's ask those three. その辺 に 残って いる ピクシー を つまんで 、 籠 に 戻して お き なさい 」 そのへん||のこって|||||かご||もどして||| Pick up the remaining pixies and put them back in the basket.

と 言った 。 |いった

そして 三 人 の 脇 を スルリ と 通りぬけ 、 後ろ手 に すばやく 戸 を 閉めて しまった 。 |みっ|じん||わき||||とおりぬけ|うしろで|||と||しめて| He quickly slips past the three of them and quickly closes the door behind him.

「 耳 を 疑う ぜ 」 ロン は 残って いる ピクシー の 一 匹 に いやというほど 耳 を 噛ま れ ながら 唸った 。 みみ||うたがう||||のこって||||ひと|ひき|||みみ||かま|||うなった "I doubt my ears." Ron groaned with his ears bitten by one of the remaining pixies. 「 わたし たち に 体験 学習 を さ せた かっだけ よ 」 ハーマイオニー は 二 匹 一緒に テキパキ と 「 縛 り 術 」 を かけて 動け ない ように し 、 籠 に 押し込み ながら 言った 。 |||たいけん|がくしゅう||||か っ だけ||||ふた|ひき|いっしょに|てきぱき||しば||じゅつ|||うごけ||||かご||おしこみ||いった "Sie wollten uns einfach eine praktische Lernerfahrung ermöglichen." Hermine und die beiden zusammen, sie sind sehr schnell und effizient in der Kunst des Bondage. Die Frau sagte, während sie ihn in einen Käfig drängte: "Das werde ich nicht zulassen. "I just gave us experiential learning," Hermione said, pushing them into a basket, trying to keep them from moving with a "tied-up" together. 「 体験 だって ?」 ハリー は ベーッ と 下 を 出して 「 ここ まで おいで 」 を して いる ピクシー を 追 い かけ ながら 言った 。 たいけん||||||した||だして|||||||||つい||||いった "Is it an experience?" Harry said, slamming down and chasing Pixie, who was "come here."

「 ハーマイオニー 、 ロックハート なんて 、 自分 の やって いる こと が 自分 で 全然 わかって な かった んだ よ 」 |||じぶん||||||じぶん||ぜんぜん||||| "Hermione, Rock Heart, I didn't know what I was doing at all."

「 違う わ 。 ちがう| 彼 の 本 、 読んだ でしょ ―― 彼って 、 あんなに 目 の 覚める ような こと を やって る じゃ ない ......」 「 ご 本人 は やった と おっしゃいます が ね 」 ロン が つぶやいた 。 かれ||ほん|よんだ||かれ って||め||さめる|||||||||ほんにん||||おっしゃい ます||||| You read his book--he's not doing such an awakening thing ... "" You said he did it, "Ron muttered.