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2 - Harry Potter, 6.1 ギルデロイ・ロックハート - Gilderoy Lockhart

6.1 ギルデロイ ・ロックハート - Gilderoy Lockhart

第 6 章 ギルデロイ ・ ロックハート - Gilderoy Lockhart

翌日 、 ハリー は 一 度 も ニコリ と も でき なかった 。 大広間 で の 朝食 から 始まって 、 状況 は 悪く なる 一方 だった 。 四 つ の テーブル に は 牛乳 入り オートミール の 深 皿 、 ニシン の 燻製 の 皿 、 山 の ような トースト 、 卵 と ベーコン の 皿 が 並べられて いた 。 天井 は 空 と 同じ ように 見える よう に 魔法 が かけられて いる 。 ( 今日 は どんより と した 灰色 の 曇り空 だ )。 ハリー と ロン は 、 グ リフィンドール の テーブル の 、 ハーマイオニー の 隣 に 腰掛けた 。 ハーマイオニー は ミルク の 入った 水差し に 「 バンパイア と バッチリ 船旅 」 を 立てかけて 読んで いた 。 「 おはよう 」

と いう ハーマイオニー の 言い 方 が ちょっと つっけんどんだ 。 ハリー たち が 到着 した 方法 がま だ 許せ ない らしい 。 ネビル の 挨拶 は それ と は 反対に 嬉し そうだった 。 ネビル ・ ロングボトム は 丸顔 で 、 ドジ ばかり ふんで 、 ハリー の 知る かぎり 一 番 の 忘れ ん 坊 だ 。

「 もう ふくろう 郵便 の 届く 時間 だ ―― ばあちゃん が 、 僕 の 忘れた 物 を いくつか 送って くれる と 思う よ 」 ハリー が オートミール を 食べ はじめた 途端 、 うわさ を すれば で 、 頭上 に 慌 しい 音 が して 、 百 羽 を 超える ふくろう が 押し寄せ 、 大広間 を 旋回 して 、 ペチャクチャ 騒がしい 生徒 たち の 上 か ら 、 手紙 やら 小包 やら を 落とした 。 大きな 凸凹 した 小包 が ネビル の 頭 に 落ちて 跳ね返った 。 次の 瞬間 、 何やら 大きな 灰色 の 塊 が 、 ハーマイオニー の そば の 水差し の 中 に 落ち 、 まわり の みんな に 、 ミルク と 羽 の しぶき を 撒き散らした 。

「 エロール !」

ロン が 足 を 引っ張って ぐっしょり に なった ふくろう を 引っ張り出した 。 エロール は 気絶 して テーブル の 上 に ボトッ と 落ちた 。 足 を 上向き に 突き出し 、 嘴 に は 濡れた 赤い 封筒 を くわえて いる 。

「 大変だ ――」 ロン が 息 を 呑 んだ 。

「 大丈夫 よ 。 まだ 生きて る わ 」

ハーマイオニー が エロール を 指先 で チョンチョン と 軽く 突つき ながら 言った 。

「 そう じゃ なくて ―― あっち 」 ロン は 赤い 封筒 の 方 を 指差して いる 。 ハリー が 見て も 別に 普通の と は 変わり は ない 。 しか し 、 ロン も ネビル も 、 今にも 封筒 が 爆発 し そうな 目つき で 見て いる 。

「 どうした の ?」 ハリー が 聞いた 。

「 ママ が ―― ママったら 『 吼 え メール 』 を 僕 に よこした 」 ロン が 、 か細い 声 で 言った 。 「 ロン 、 開けた 方 が いい よ 」 ネビル が こわごわ ささやいた 。

「 開け ない と もっと ひどい こと に なる よ 。 僕 の ばあちゃん も 一 度 僕 に よこした こと が ある ん だ けど 、 ほって おいたら ――」 ネビル は ゴクリ と 生 唾 を 飲んだ 。 「 ひどかった んだ 」

ハリー は 石 の ように こわばって いる ロン たち の 顔 から 、 赤い 封筒 へ と 目 を 移した 。 「『 吼 え メール 』って 何 ?」 ハリー が 聞いた 。 しかし 、 ロン は 赤い 封筒 に 全 神経 を 集中 さ せて いた 。 封筒 の 四隅 が 煙 を 上げ はじめて いた 。 「 開けて 」 ネビル が 急 か した 。 「 ほんの 数 分 で 終わる から ......」

ロン は 震える 手 を 伸ばして エロール の 嘴 から 封筒 を そ ーっと はずし 、 開封 した 。 ネビル は 耳 に 指 を 突っ込んだ 。 次の 瞬間 、 ハリー は その 理由 が わかった 。 一瞬 、 ハリー は 封筒 が 爆発 し た か と 思った 。 大広間 いっぱい に 吼 える 声 で 、 天井 から 埃 が パラパラ 落ちて きた 。

「...... 車 を 盗み出す なんて 、 退 校 処分 に なって も あたりまえです 。 首 を 洗って 待って らっしゃ らい 。 承知 しません から ね 。 車 が なくなって いる の を 見て 、 わたし と お 父さん が どんな 思い だった か 、 おまえ は ちょっと でも 考えた んです か ......」

ウィーズリー 夫人 の 怒鳴り 声 が 、 本物 の 百 倍 に 拡声 されて 、 テーブル の 上 の 皿 も スプーン も ガチャガチャ と 揺れ 、 声 は 石 の 壁 に 反響 して 鼓膜 が 裂け そうに ワンワン 唸った 。 大広間 に い た 全員 が あたり を 見まわし 、 いったい 誰 が 「 吼 え メール 」 を もらった のだろう と 探して い た 。 ロン は 椅子 に 縮こまって 小さく なり 、 真っ赤な 額 だけ が テーブル の 上 に 出て いた 。

「...... 昨夜 ダンブルドア から の 手紙 が 来て 、 お 父さん は 恥ずかし さ の あまり 死んで しまう の で は 、 と 心配 しました 。 こんな こと を する 子 に 育てた 覚え は ありません 。 おまえ も ハリー も 、 ま かり まちがえば 死ぬ ところ だった ......」

ハリー は いつ 自分 の 名前 が 飛び出す か と 覚悟 して 待って いた 。 鼓膜 が ズキズキ する ぐらい の 大声 を 、 必死で 聞えて いない ふり を し ながら 聞いて いた 。 「...... まったく 愛想 が 尽きました 。 お 父さん は 役所 で 尋問 を 受けた のです よ 。 みんな おまえ の せい です 。 今度 ちょっと でも 規則 を やぶって ごらん 。 わたし たち が おまえ を すぐ 家 に 引っ張って 帰ります 」 耳 が ジーン と なって 静かに なった 。 ロン の 手 から 落ちて いた 赤い 封筒 は 、 炎 と なって 燃え上 がり 、 チリ チリ と 灰 に なった 。 ハリー と ロン は まるで 津波 の 直撃 を 受けた あと の ように 呆然 と 椅子 に へばりついて いた 。 何 人 か が 笑い声 を あげ 、 だんだん と おしゃべりの 声 が 戻って き た 。 ハーマイオニー は 「 バンパイヤ と バッチリ 船旅 」 の 本 を 閉じ 、 ロン の 頭 の てっぺん を 見 下ろして 言った 。

「 ま 、 あなた が 何 を 予想 して いた か は 知りません けど 、 ロン 、 あなた は ......」 「 当然の 報い を 受けたって 言いたい んだ ろ 」 ロン が いまいまし そうに 噛みついた 。 ハリー は 食べ 掛け の オートミール を むこうに 押しやった 。 申し訳な さ で 胃 が 焼ける ような 思 い だった 。 ウィーズリー おじさん が 役所 で 尋問 を 受けた ......。 ウィーズリー おじさん と おば さん に は 夏 中 あんなに お 世話に なった のに 。

考え込んで いる 間 は なかった 。 マクゴナガル 先生 が グリフィンドール の テーブル を 回って 時 間 割 を 配り はじめた のだ 。 ハリー の 分 を 見る と 、 最初に ハッフルパフ と 一緒に 薬草 学 の 授業 を 受ける こと に なって いる 。

ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー は 一緒に 城 を 出て 、 野菜 畑 を 横切り 、 魔法 の 植物 が 植えて あ る 温室 へ と 向かった 。 「 吼 え メール 」 は 一 つ だけ よい こと を して くれた 。 ハーマイオニー が 、 これ で 二 人 は 十分に 罰 を 受けた と 思った らしく 、 以前 の ように 親しく して くれる ように なった のだ 。

正直 ハーマイオニー に 冷たく さ れる の は 堪えた ので やれやれ と ハリー は 安心 した 。

温室 の 近く まで 来る と 、 他の クラスメート が 外 に 立って 、 スプラウト 先生 を 待って いる の が 見えた 。 三 人 が みんな と 一緒に なった 直後 、 先生 が 芝生 を 横切って 大股 で 歩いて くる の が 見 えた 。 ギルデロイ ・ ロックハート と 一緒だ 。 スプラウト 先生 は 腕 いっぱい 包帯 を 抱えて い た 。 遠く の 方 に 「 暴れ 柳 」 が 見え 、 枝 の あちこち に 吊 り 包帯 が して ある のに 気 が ついて 、 ハ リー は また 申し訳なくて 心 が 痚 んだ 。

スプラウト 先生 は ずんぐり した 小さな 魔女 で 、 髪 の 毛 が ふわふわ 風 に なびき 、 その 上 に つぎ はぎ だらけ の 帽子 を かぶって いた 。 ほとんど いつも 服 は 泤 だらけ で 、 爪 を 見たら あの ペチュ ニア おばさん は 気絶 した だろう 。 ギルデロイ ・ ロックハート の 方 は 、 トルコ 石 色 の ローブ を なびかせ 、 金色 の 輝く ブロンド の 髪 に 、 金色 の 縁取り が して ある トルコ 石 色 の 帽子 を 完璧な 位置 に かぶり 、 どこ から 見て も 文句 の つけ よう が なかった 。

「 や ぁ 、 みなさん !」 ロックハート は 集まって いる 生徒 を 見回して 、 こぼれる ように 笑い かけた 。

「 スプラウト 先生 に 、『 暴れ 柳 』 の 正しい 治療 法 を お 見せ して い まして ね 。 でも 、 私 の 方 が 先生 より 薬草 学 の 知識 が ある なんて 、 誤解 されて は 困ります よ 。 たまたま 私 、 旅 の 途中 、 『 暴れ 柳 』 と いう エキゾチックな 植物 に 出 遭った こと が ある だけ です から ......」

「 みんな 、 今日 は 三 号 温室 へ !」

スプラウト 先生 は 普段 の 快活 さ は どこ へ やら 、 不機嫌 さ が 見え見えだった 。

興味 津 々 の ささやき が 流れた 。 これ まで 一 号 温室 で しか 授業 が なかった ―― 三 号 温室 に は もっと 不思議で 危険な 植物 が 植わって いる 。 スプラウト 先生 は 大きな 鍵 を ベルト から はず し 、 ドア を 開けた 。 天井 から ぶら下がった 。 傘 ほど の 大き さ が ある 巨大な 鼻 の 強烈な 香り に 混じって 、 湿った 土 と 肥料 の 臭い が 、 プン と ハリー の 鼻 を ついた 。 ハリー は ロン や ハーマイ オニー と 一緒に 中 に 入ろう と した が 、 ロックハート の 手 が すっと 伸びて きた 。 「 ハリー ! 君 と 話し たかった ―― スプラウト 先生 、 彼 が ニ 、 三 分 遅れて も お 気 に なさいません ね ?」 スプラウト 先生 の しかめっ面 を みれば 、「 お 気 に なさる 」 ようだった が 、 ロックハート は か まわ ず 、「 お 許し いただけ まして 」 と 言う なり 、 彼女 の 鼻先 で ピシャッ と ドア を 閉めた 。 「 ハリー 」 ロック ハート は 首 を 左右 に 振り 、 その たび に 白い 歯が 太陽 を 受けて 輝いた 。

「 ハリー 、 ハリー 、 ハリー 」

何 が なんだか さっぱり わから なくて 、 ハリー は 何も 言え なかった 。

「 私 、 あの 話 を 聞いた とき ―― もっとも 、 みんな が 私 が 悪い のです が ね 。 自分 を 責めました よ 」 ハリー は いったい なん の こと か わから なかった 。 そう 言おう と 思って いる と 、 ロックハート が 言葉 を 続けた 。

「 こんなに ショック を 受けた こと は 、 これ まで に なかった と 思う ぐらい 。 ホグワーツ まで 車 で 飛んで くる なんて ! ま ぁ 、 もちろん 、 なぜ 君 が そんな こと を した の か は すぐに わかり まし た が 。 目立ちました から ね 。 ハリー 、 ハリー 、 ハリー 」

話して いない とき で さえ 、 すばらしい 歯並び を 一 本 残らず 見せつける こと が 、 どう やったら できる の か 、 驚き だった 。 「 有名に なる と いう 蜜 の 味 を 、 私 が 教えて しまった 。 そう でしょう ?『 有名 虫 』 を 移して し まった 。 新聞 の 一面に 私 と 一緒に 載って しまって 、 君 は また そう なりたい と いう 思い を こら えられ なかった 。」 「 あの ―― 先生 、 違います 。 つまり ――」

「 ハリー 、 ハリー 、 ハリー 」

ロック ハート は 手 を 伸ばして ハリー の 肩 を つかみ ながら 言った 。

「 わかります と も 。 最初 の ほんの 一口 で 、 もっと 食べ たく なる ―― 君 が そんな 味 を しめる よ う に なった の は 、 私 の せい だ 。 どうしても 人 を 酔わ せて しまう もの でして ね ―― しかし で す 、 青年 よ 、 目立ちたい から と いって 、 車 を 飛ばす と いう の は いけない です ね 。 落ち着き な さい 。 ね ? もっと 大きく なって から 、 そういう こと を する 時間 が たっぷり あります よ 。 え ぇ 、 え ぇ 、 君 が 何 を 考えて いる の か 、 私 に は わかります !『 彼 は もう 国際 的に 有名な 魔法 使い だ から 、 落ち着け なんて 言ってられる んだ !』って ね 。 しかし です 。 私 が 十二 歳 の とき に は 君 と 同じ ぐらい 無名 でした 。 むしろ 、 君 より も ずっと 無名 だった かも しれ ない 。 つま り 、 君 の 場合 は 尐 し は 知っている 人 が いる でしょう ?『 名前 を 呼んで は いけない あの 人 』 と か なんとか で !」

ロック ハート は チラッ と ハリー の 額 の 稲妻 形 の 傷 を 見た 。

「 わかってます 。 わかって います と も 。 『 週間 魔女 』 の 『 チャーミング ・ スマイル 賞 』 に 五 回 も 続けて 私 が 選ば れた の に 比べれば 、 君 の はたいした こと で は ない でしょう ―― それ でも 初め は それ ぐらい で いい 。 ハリー 、 初め は ね 」

ロック ハート は ハリー に 思いっきり ウインク する と 、 すたすた 行って しまった 。 ハリー は 一 瞬 呆然と 佇んで いた が 、 ふと 、 温室 に 入ら なければ いけない こと を 思い出して ドア を 開け 、 中 に 滑り込んだ 。 スプラウト 先生 は 温室 の 真ん中 に 、 架 台 を 二 つ 並べ 、 その 上 に 板 を 置いて ベンチ を 作り 、 その 後ろ に 立って いた 。 ベンチ の 上 に いろ 違い の 耳 当て が 二十 個 ぐらい 並 ん で いる 。

ハリー が ロン と ハーマイオニー の 間 に 立つ と 、 先生 が 授業 を 始めた 。

「 今日 は マンドレイク の 植え 替え を やります 。 マンドレイク の 特徴 が わかる 人 は います か ?」 みんな が 思った 通り 、 一 番 先 に ハーマイオニー の 手 が 挙がった 。 「 マンドレイク 、 別名 マンドラゴラ は 強力な 回復 薬 です 」

いつも の ように 、 ハーマイオニー の 答え は まるで 教科 書 を 丸呑み に した ようだった 。

「 姿形 を 変えられたり 、 呪い を かけられたり した 人 を もと の 姿 に 戻す の に 使わ れます 」 「たいへん よろしい 。 グリフィンドール に 一〇 点 」 スプラウト 先生 が 言った 。

「 マンドレイク はたいてい の 解毒 剤 の 主 成分 に なります 。 しかし 、 危険な 面 も あります 。 誰 か その 理由 が 言える 人 は ?」

ハーマイオニー の 手 が 勢い よく 上がった 拍子 に 、 危うく ハリー の メガネ を 引っかけ そうに なった 。

「 マンドレイク の 泣き声 は それ を 聞いた もの に とって 命取り に なります 」 淀み ない 答え だ 。 「 その 通り 。 もう 一〇 点 あげましょう 」 スプラウト 先生 が 言った 。 「 さて 、 ここ に ある マンドレイク は まだ 非常に 若い 」

先生 が 一 列 に 並んだ 苗 の 箱 を 指差し 、 生徒 は よく 見よう と と して いっせいに 前 の 方 に 詰め た 。 紫 が かった 緑色 の 小さな ふさふさ した 植物 が 百 個 ぐらい 列 を 作って 並んで いた 。 特に 変 わった ところ は ない じゃ ない か 、 と ハリー は 思った 。 ハーマイオニー の 言った マンドレイク の 「 泣き声 」 が な んな の か ハリー に は 見当 も つか ない

「 みんな 、 耳 当て を 一 つ ずつ 取って 」 と スプラウト 先生 。

みんな いっせいに 耳 当て を ―― ピンク の ふわふわ した 耳 当て 以外 を ―― 取ろう と 揉み合った 。 「 わたし が 合図 したら 耳 当て を つけて 、 両 耳 を 完全に ふさいで ください 。 見当 て を 取って も 安全に なったら 、 わたし が 親指 を 上 に 向けて 合図 します 。 それでは ―― 耳 当て 、 つけ !」

ハリー は 耳 を 耳 当て で パチン と 覆った 。 外 の 音 が 完全に 聞え なく なった 。 スプラウト 先生 は ピンク の ふわふわ した 耳 当て を つけ 、 ローブ の 袖 を まくり 上げ 、 ふさふさ した 植物 を 一 本 しっかり つかみ 、 ぐ いっと 引き抜いた 。

ハリー は 驚いて あっと 声 を あげた が 、 声 は 誰 に も 聞え ない 。 土 の 中 から 出て きた の は 、 植物 の 根 で は なく 、 小さな 、 泤 ん この 、 ひどく 醜い 男 の 赤ん坊 だった 。 葉っぱ は その 頭 から 生えて いる 。 肌 は 薄緑 色 で まだらに なって いる 。 赤ん坊 は 声 の かぎり に 泣き 喚 いて いる 様子 だった 。

スプラウト 先生 は 、 テーブル の 下 から 大きな 鉢 を 取り出し 、 マンドレイク を その 中 に 突っ込 み 、 ふさふさ した 葉っぱ だけ が 見える ように 、 黒い 、 湿った 堆肥 で 赤ん坊 を 埋め込んだ 。 先 生 は 手 から 泤 を 払い 、 親指 を 上 に 上げ 、 自分 の 耳 当て を はずした 。

「 この マンドレイク は まだ 苗 です から 、 泣き声 も 命取り では ありません 」 先生 は 落ち着いた もの で 、 ベゴニア に 水 を やる の と 同じ ように あたりまえの こと を した よう な 口ぶり だ 。 「 しかし 、 苗 でも 、 みなさん を まちがい なく 数 時間 気絶 さ せる でしょう 。 新 学期 最初 の 日 を 気 を 失った まま 過ごした く は ない でしょう から 、 耳 当て は 作業 中 しっかり と 放さ ない よう に 。 あとかたづけ を する 時間 に なったら 、 わたし から そのように 合図 します 」 「 一 つ の 苗床 に 四 人 ―― 植え 替え の 鉢 は ここ に 十分に あります ―― 堆肥 の 袋 は ここ です ―― 『 毒 触手 草 』 に 気 を つける こと 。 歯 が 生えて きて いる 最中 です から 」

先生 は 話し ながら 刺 だらけ の 暗 赤色 の 植物 を ピシャリ と 叩いた 。 すると その 植物 は 、 先生 の 肩 の 上 に そろそろ と 伸ばして いた 長い 触手 を 引っ込めた 。

ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー の グループ に 、 髪 の 毛 が くるくる と カール した ハッフルパフ の 男の子 が 加わった 。 ハリー は その 子 に 見覚え が あった が 、 話した こと は なかった 。

「 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー です 」

男の子 は ハリー と 握手 し ながら 明るい 声 で 自己 紹介 した 。

「 君 の こと は 知ってます よ 、 もちろん 。 有名な ハリー ・ ポッター だ もの ......。 それ に 、 君 は ハーマイオニー ・ グレンジャー でしょう ―― 何 を やって も 一 番 の ......( ハーマイオニー も 握 手 に 忚 じ ながら ニッコリ した )。 それ から 、 ロン ・ ウィーズリー 。 あの 空 飛ぶ 車 、 君 のじゃ なかった ?」

ロン は ニコリ と も し なかった 。 「 吼 え メール 」 の こと が まだ 引っかかって いた らしい 。 「 ロック ハートって 、たいした 人 です よ ね ?」 四 人 で それぞれ 鉢 に 、 ドラゴン の 糞 の 堆肥 を 詰め込み ながら ジャスティン が 朗らかに 言った 。 「 ものすごく 勇敢な 人 です 。 彼 の 本 、 読みました か ? 僕 でしたら 、 狼 男 に 追い詰められて 電 話 ボックス に 逃げ込む ような 目 に 遭ったら 、 恐怖 で 死んで しまう 。 ところが 彼 と きたら クー ル で ――― バサッ と ― 素敵だ 」

「 僕 、 ほら 、 あの イートン 校 に 行く こと が 決まってました げ と 、 こっち の 学校 に 来れて 、 ほ ん と に うれしい 。 もちろん 母 は ちょっぴり がっかり してました けど 、 ロックハート の 本 を 読 ませたら 、 母 も だんだん わかって きた らしい 。 つまり 家族 の 中 に ちゃんと 訓練 を 受けた 魔法 使い が いる と 、 どんなに 便利 かって こと が ......」

それ から は 四 人 と も あまり 話す チャンス が なくなった 。 耳 当て を つけたし 、 マンドレイク に 集中 しなければ なら なかった から だ 。 マンドレイク は 土 の かな から 出る の を 嫌がり 、 いった ん 出る と 元 に 戻り た がら なかった 。 もがいたり 、 蹴ったり 、 尖った 小さな こぶし を 振り回し たり 、 ギリギリ 歯ぎしり したり で 、 ハリー は 特に まるまる 太った の を 鉢 に 押し込む のに ゆう に 十 分 は かかった 。

授業 が 終わる ころ に は ハリー も 、 クラス の 誰 も かれ も 、 汗 まみれ の 泤 だらけ で 、 体 が あ ち こ ち 痚 んだ 。 みんな ダラダラ と 城 まで 歩いて 帰り 、 さっと 汚れ を 洗い 落とし 、 それ から グリ フィンドール 生 は 変身 術 の クラス に 急いだ 。

マクゴナガル 先生 の クラス は いつも 大変だった が 、 今日 は ことさら に 難しかった 。 去年 一 年 間 習った こと が 、 夏 休み の 間 に ハリー の 頭 から 溶けて 流れて しまった ようだった 。 コガネム シ を ボタン に 変える 課題 だった のに 、 ハリー の 杖 を かい くぐって 逃げ回る コガネムシ に 、 机 の 上 で たっぷり 運動 さ せて やった だけ だった 。

ロン の 方 が もっと ひどかった 。 スペロテープ を 借りて 杖 を つぎはぎ して みた もの の 、 もう 杖 は 修理 でき ない ほど に 壊れて しまった らしい 。 とんでもない とき に パチパチ 鳴ったり 、 火花 を 散らしたり した 。 ロン が コガネムシ を 変身 さ せよう と する たび に 、 杖 は 濃い 灰色 の 煙 でも くも く と ロン を 包み込んだ 。 煙 は 腐った 卵 の 匂い が した 。 煙 で 手元 が 見え なくて 、 ロン は うっかり コガネムシ を 肘 で 押しつぶして しまい 、 新しい の を もう 一 匹 もらわ なければ なら な かった 。 マクゴナガル 先生 は 、 ご機嫌斜めだった 。

昼 休み の ベル が 鳴り 、 ハリー は ほっと した 。 脳みそ が 、 絞った あと の スポンジ の ように なった 気 が した 。 みんな が ゾロゾロ と 教室 を 出て 行った が 、 ハリー と ロン だけ が 取り残さ れ 、 ロ ン は かんしゃく を 起こして 、 杖 を バンバン 机 に 叩きつけて いた 。

「 こいつ め ...... 役立た ず ...... コンチクショー 」

「 家 に 手紙 を 書いて 別な の を 送って もらえば ?」

杖 が 連発 花火 の ように パンパン 鳴る の を 聞き ながら ハリー が 言った 。

「 あぁ 、 そう すりゃ 、 また 『 吼 え メール 』 が 来る さ 。 『 杖 が 折れた の は 、 おまえ が 悪い から でしょう ――』って ね 」 今度 は シュー シュー 言い はじめた 杖 を カバン に 押し込み ながら 、 ロン が 答えた 。

6.1 ギルデロイ ・ロックハート - Gilderoy Lockhart ||gilderoy|lockhart 6.1 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart 6.1 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart 6.1 Gilderoy Lockhart - Gilderoy Lockhart 6.1 吉德罗·洛哈特 6.1 吉德羅‧洛哈特

第 6 章 ギルデロイ ・ ロックハート - Gilderoy Lockhart だい|しょう|||gilderoy|lockhart

翌日 、 ハリー は 一 度 も ニコリ と も でき なかった 。 よくじつ|||ひと|たび|||||| The next day, Harry could never smile. 大広間 で の 朝食 から 始まって 、 状況 は 悪く なる 一方 だった 。 おおひろま|||ちょうしょく||はじまって|じょうきょう||わるく||いっぽう| Starting with breakfast in the hall, things were getting worse. 四 つ の テーブル に は 牛乳 入り オートミール の 深 皿 、 ニシン の 燻製 の 皿 、 山 の ような トースト 、 卵 と ベーコン の 皿 が 並べられて いた 。 よっ|||てーぶる|||ぎゅうにゅう|はいり|||ふか|さら|||くんせい||さら|やま|||とーすと|たまご||べーこん||さら||ならべ られて| The four tables were lined with a deep plate of oatmeal with milk, a smoked plate of herring, a mountain of toast, and a plate of eggs and bacon. 天井 は 空 と 同じ ように 見える よう に 魔法 が かけられて いる 。 てんじょう||から||おなじ||みえる|||まほう||かけ られて| ( 今日 は どんより と した 灰色 の 曇り空 だ )。 きょう|||||はいいろ||くもりぞら| ハリー と ロン は 、 グ リフィンドール の テーブル の 、 ハーマイオニー の 隣 に 腰掛けた 。 |||||||てーぶる||||となり||こしかけた ハーマイオニー は ミルク の 入った 水差し に 「 バンパイア と バッチリ 船旅 」 を 立てかけて 読んで いた 。 ||みるく||はいった|みずさし|||||ふなたび||たてかけて|よんで| 「 おはよう 」

と いう ハーマイオニー の 言い 方 が ちょっと つっけんどんだ 。 ||||いい|かた||| Hermione's way of saying "I'm sorry, I'm sorry, I'm sorry. ハリー たち が 到着 した 方法 がま だ 許せ ない らしい 。 |||とうちゃく||ほうほう|||ゆるせ|| It seems that the way Harry and his friends arrived is still unforgivable. ネビル の 挨拶 は それ と は 反対に 嬉し そうだった 。 ||あいさつ|||||はんたいに|うれし|そう だった Neville's greeting was conversely joyful. ネビル ・ ロングボトム は 丸顔 で 、 ドジ ばかり ふんで 、 ハリー の 知る かぎり 一 番 の 忘れ ん 坊 だ 。 |||まるがお|||||||しる||ひと|ばん||わすれ||ぼう| Neville Longbottom has a round face, a lot of clumsiness, and as far as Harry knows, he's the most forgotten boy.

「 もう ふくろう 郵便 の 届く 時間 だ ―― ばあちゃん が 、 僕 の 忘れた 物 を いくつか 送って くれる と 思う よ 」 ハリー が オートミール を 食べ はじめた 途端 、 うわさ を すれば で 、 頭上 に 慌 しい 音 が して 、 百 羽 を 超える ふくろう が 押し寄せ 、 大広間 を 旋回 して 、 ペチャクチャ 騒がしい 生徒 たち の 上 か ら 、 手紙 やら 小包 やら を 落とした 。 ||ゆうびん||とどく|じかん||||ぼく||わすれた|ぶつ||いく つ か|おくって|||おもう||||||たべ||とたん|||||ずじょう||こう||おと|||ひゃく|はね||こえる|||おしよせ|おおひろま||せんかい|||さわがしい|せいと|||うえ|||てがみ||こづつみ|||おとした Just as Harry began to eat his oatmeal, there was a scurrying sound overhead, and over a hundred owls swooped in, circled the Great Hall, and dropped letters and packages on the noisy students. Circling the Great Hall, they dropped letters, packages, and other objects on the noisy students. 大きな 凸凹 した 小包 が ネビル の 頭 に 落ちて 跳ね返った 。 おおきな|でこぼこ||こづつみ||||あたま||おちて|はねかえった A large, bumpy package landed on Neville's head and bounced off. 次の 瞬間 、 何やら 大きな 灰色 の 塊 が 、 ハーマイオニー の そば の 水差し の 中 に 落ち 、 まわり の みんな に 、 ミルク と 羽 の しぶき を 撒き散らした 。 つぎの|しゅんかん|なにやら|おおきな|はいいろ||かたまり||||||みずさし||なか||おち|||||みるく||はね||||まきちらした The next moment, a large gray glob of something fell into the jug beside Hermione, spraying milk and feathers all around her.

「 エロール !」

ロン が 足 を 引っ張って ぐっしょり に なった ふくろう を 引っ張り出した 。 ||あし||ひっぱって||||||ひっぱりだした Ron pulled a limp, soaked owl out of the water. エロール は 気絶 して テーブル の 上 に ボトッ と 落ちた 。 ||きぜつ||てーぶる||うえ||||おちた 足 を 上向き に 突き出し 、 嘴 に は 濡れた 赤い 封筒 を くわえて いる 。 あし||うわむき||つきだし|くちばし|||ぬれた|あかい|ふうとう||| Its legs are thrust upward, and it is holding a wet red envelope in its beak.

「 大変だ ――」 ロン が 息 を 呑 んだ 。 たいへんだ|||いき||どん| Ron gasped.

「 大丈夫 よ 。 だいじょうぶ| まだ 生きて る わ 」 |いきて|| I'm still alive. "

ハーマイオニー が エロール を 指先 で チョンチョン と 軽く 突つき ながら 言った 。 ||||ゆびさき||||かるく|つつき||いった

「 そう じゃ なくて ―― あっち 」 ロン は 赤い 封筒 の 方 を 指差して いる 。 |||あっ ち|||あかい|ふうとう||かた||ゆびさして| ハリー が 見て も 別に 普通の と は 変わり は ない 。 ||みて||べつに|ふつうの|||かわり|| Harry's look is no different than normal. しか し 、 ロン も ネビル も 、 今にも 封筒 が 爆発 し そうな 目つき で 見て いる 。 ||||||いまにも|ふうとう||ばくはつ||そう な|めつき||みて| However, both Ron and Neville look at me as if the envelope is about to explode.

「 どうした の ?」 ハリー が 聞いた 。 ||||きいた

「 ママ が ―― ママったら 『 吼 え メール 』 を 僕 に よこした 」 ロン が 、 か細い 声 で 言った 。 まま||まま ったら|こう||めーる||ぼく|||||かぼそい|こえ||いった 「 ロン 、 開けた 方 が いい よ 」 ネビル が こわごわ ささやいた 。 |あけた|かた|||||||

「 開け ない と もっと ひどい こと に なる よ 。 あけ|||||||| 僕 の ばあちゃん も 一 度 僕 に よこした こと が ある ん だ けど 、 ほって おいたら ――」 ネビル は ゴクリ と 生 唾 を 飲んだ 。 ぼく||||ひと|たび|ぼく|||||||||||||ごくり||せい|つば||のんだ 「 ひどかった んだ 」

ハリー は 石 の ように こわばって いる ロン たち の 顔 から 、 赤い 封筒 へ と 目 を 移した 。 ||いし||||||||かお||あかい|ふうとう|||め||うつした Harry turned his eyes from the stone-stiff faces of Ron and his friends to the red envelope. 「『 吼 え メール 』って 何 ?」 ハリー が 聞いた 。 こう||めーる||なん|||きいた しかし 、 ロン は 赤い 封筒 に 全 神経 を 集中 さ せて いた 。 |||あかい|ふうとう||ぜん|しんけい||しゅうちゅう||| However, Ron concentrated all his nerves on the red envelope. 封筒 の 四隅 が 煙 を 上げ はじめて いた 。 ふうとう||よすみ||けむり||あげ|| 「 開けて 」 ネビル が 急 か した 。 あけて|||きゅう|| 「 ほんの 数 分 で 終わる から ......」 |すう|ぶん||おわる| It'll only take a few minutes, so go to ......."

ロン は 震える 手 を 伸ばして エロール の 嘴 から 封筒 を そ ーっと はずし 、 開封 した 。 ||ふるえる|て||のばして|||くちばし||ふうとう|||- っと||かいふう| With trembling hands, Ron gently removed the envelope from Errol's beak and opened it. ネビル は 耳 に 指 を 突っ込んだ 。 ||みみ||ゆび||つっこんだ 次の 瞬間 、 ハリー は その 理由 が わかった 。 つぎの|しゅんかん||||りゆう|| 一瞬 、 ハリー は 封筒 が 爆発 し た か と 思った 。 いっしゅん|||ふうとう||ばくはつ|||||おもった For a moment, Harry thought the envelope had exploded. 大広間 いっぱい に 吼 える 声 で 、 天井 から 埃 が パラパラ 落ちて きた 。 おおひろま|||こう||こえ||てんじょう||ほこり||ぱらぱら|おちて| With a roaring voice in the hall, dust was falling from the ceiling.

「...... 車 を 盗み出す なんて 、 退 校 処分 に なって も あたりまえです 。 くるま||ぬすみだす||しりぞ|こう|しょぶん|||| "... Stealing a car is a matter of course even if you are discharged from school. 首 を 洗って 待って らっしゃ らい 。 くび||あらって|まって|| Please wash your neck and wait. 承知 しません から ね 。 しょうち|し ませ ん|| I don't understand. 車 が なくなって いる の を 見て 、 わたし と お 父さん が どんな 思い だった か 、 おまえ は ちょっと でも 考えた んです か ......」 くるま||||||みて||||とうさん|||おもい|||||||かんがえた|| Seeing that the car is gone, did you think a little about what I and my dad thought ... "

ウィーズリー 夫人 の 怒鳴り 声 が 、 本物 の 百 倍 に 拡声 されて 、 テーブル の 上 の 皿 も スプーン も ガチャガチャ と 揺れ 、 声 は 石 の 壁 に 反響 して 鼓膜 が 裂け そうに ワンワン 唸った 。 |ふじん||どなり|こえ||ほんもの||ひゃく|ばい||かくこえ|さ れて|てーぶる||うえ||さら||すぷーん||||ゆれ|こえ||いし||かべ||はんきょう||こまく||さけ|そう に|わんわん|うなった Mrs. Weasley's yelling was louder than the real thing, and the plates and spoons on the table shook, and the voice echoed against the stone wall, screaming as if the eardrums were torn. 大広間 に い た 全員 が あたり を 見まわし 、 いったい 誰 が 「 吼 え メール 」 を もらった のだろう と 探して い た 。 おおひろま||||ぜんいん||||みまわし||だれ||こう||めーる|||||さがして|| ロン は 椅子 に 縮こまって 小さく なり 、 真っ赤な 額 だけ が テーブル の 上 に 出て いた 。 ||いす||ちぢこまって|ちいさく||まっかな|がく|||てーぶる||うえ||でて| Ron shrank into his chair and became smaller, with only a bright red forehead on the table.

「...... 昨夜 ダンブルドア から の 手紙 が 来て 、 お 父さん は 恥ずかし さ の あまり 死んで しまう の で は 、 と 心配 しました 。 さくや||||てがみ||きて||とうさん||はずかし||||しんで||||||しんぱい|し ました "... I received a letter from Dumbledore last night, and I was worried that my dad would die so embarrassed. こんな こと を する 子 に 育てた 覚え は ありません 。 ||||こ||そだてた|おぼえ||あり ませ ん I don't remember raising a child to do this. おまえ も ハリー も 、 ま かり まちがえば 死ぬ ところ だった ......」 |||||||しぬ|| You and Harry were about to die if you made a mistake ... "

ハリー は いつ 自分 の 名前 が 飛び出す か と 覚悟 して 待って いた 。 |||じぶん||なまえ||とびだす|||かくご||まって| Harry was waiting for his name to pop out. 鼓膜 が ズキズキ する ぐらい の 大声 を 、 必死で 聞えて いない ふり を し ながら 聞いて いた 。 こまく||||||おおごえ||ひっしで|きこえて||||||きいて| I was listening to the loud voice that made my eardrums throb, desperately pretending I couldn't hear it. 「...... まったく 愛想 が 尽きました 。 |あいそ||つき ました ...... I am completely fed up. お 父さん は 役所 で 尋問 を 受けた のです よ 。 |とうさん||やくしょ||じんもん||うけた|| Your father was interrogated at the city hall. みんな おまえ の せい です 。 It's all your fault. 今度 ちょっと でも 規則 を やぶって ごらん 。 こんど|||きそく||| Next time, try breaking the rules. わたし たち が おまえ を すぐ 家 に 引っ張って 帰ります 」 耳 が ジーン と なって 静かに なった 。 ||||||いえ||ひっぱって|かえり ます|みみ|||||しずかに| We'll take you home right away," he said quietly, his ears ringing. ロン の 手 から 落ちて いた 赤い 封筒 は 、 炎 と なって 燃え上 がり 、 チリ チリ と 灰 に なった 。 ||て||おちて||あかい|ふうとう||えん|||もえあが||ちり|ちり||はい|| The red envelope that had fallen from Ron's hand burst into flames and turned to dust. ハリー と ロン は まるで 津波 の 直撃 を 受けた あと の ように 呆然 と 椅子 に へばりついて いた 。 |||||つなみ||ちょくげき||うけた||||ぼうぜん||いす||| 何 人 か が 笑い声 を あげ 、 だんだん と おしゃべりの 声 が 戻って き た 。 なん|じん|||わらいごえ||||||こえ||もどって|| ハーマイオニー は 「 バンパイヤ と バッチリ 船旅 」 の 本 を 閉じ 、 ロン の 頭 の てっぺん を 見 下ろして 言った 。 |||||ふなたび||ほん||とじ|||あたま||||み|おろして|いった Hermione closes the book, "Vampires and Flights," and looks down at the top of Ron's head.

「 ま 、 あなた が 何 を 予想 して いた か は 知りません けど 、 ロン 、 あなた は ......」 「 当然の 報い を 受けたって 言いたい んだ ろ 」 ロン が いまいまし そうに 噛みついた 。 |||なん||よそう|||||しり ませ ん|||||とうぜんの|むくい||うけた って|いい たい||||||そう に|かみついた "Nun, ich weiß nicht, was du erwartet hast, Ron, aber du bist auf ......". "Du willst sagen, du hast bekommen, was du verdient hast." Ron beißt ärgerlich zurück. "Well, I don't know what you expected, but Ron, you ..." "I want to say you've received the right reward." Ron bites like a mess. .. ハリー は 食べ 掛け の オートミール を むこうに 押しやった 。 ||たべ|かけ|||||おしやった 申し訳な さ で 胃 が 焼ける ような 思 い だった 。 もうしわけな|||い||やける||おも|| I felt sorry for my stomach burning. ウィーズリー おじさん が 役所 で 尋問 を 受けた ......。 |||やくしょ||じんもん||うけた Uncle Weasley was questioned at the town hall. ...... ウィーズリー おじさん と おば さん に は 夏 中 あんなに お 世話に なった のに 。 |||||||なつ|なか|||せわに|| Uncle Weasley and Aunt were so kind to me during the summer.

考え込んで いる 間 は なかった 。 かんがえこんで||あいだ|| There was no time to ponder. マクゴナガル 先生 が グリフィンドール の テーブル を 回って 時 間 割 を 配り はじめた のだ 。 |せんせい||||てーぶる||まわって|じ|あいだ|わり||くばり|| Dr. McGonagall went around the Gryffindor table and started handing out timetables. ハリー の 分 を 見る と 、 最初に ハッフルパフ と 一緒に 薬草 学 の 授業 を 受ける こと に なって いる 。 ||ぶん||みる||さいしょに|||いっしょに|やくそう|まな||じゅぎょう||うける|||| Harry's portion of the class indicates that he will first have an Herbology class with Hufflepuff.

ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー は 一緒に 城 を 出て 、 野菜 畑 を 横切り 、 魔法 の 植物 が 植えて あ る 温室 へ と 向かった 。 ||||いっしょに|しろ||でて|やさい|はたけ||よこぎり|まほう||しょくぶつ||うえて|||おんしつ|||むかった 「 吼 え メール 」 は 一 つ だけ よい こと を して くれた 。 こう||めーる||ひと||||||| Only one "barking email" was good. ハーマイオニー が 、 これ で 二 人 は 十分に 罰 を 受けた と 思った らしく 、 以前 の ように 親しく して くれる ように なった のだ 。 ||||ふた|じん||じゅうぶんに|ばち||うけた||おもった||いぜん|||したしく||||| Hermione now seems to have been fully punished, and now they are as close as they used to be.

正直 ハーマイオニー に 冷たく さ れる の は 堪えた ので やれやれ と ハリー は 安心 した 。 しょうじき|||つめたく|||||こらえた||||||あんしん| To be honest, Hermione's cold shoulder was more than he could bear, so he was relieved to hear it.

温室 の 近く まで 来る と 、 他の クラスメート が 外 に 立って 、 スプラウト 先生 を 待って いる の が 見えた 。 おんしつ||ちかく||くる||たの|||がい||たって||せんせい||まって||||みえた As I approached the greenhouse, I saw other classmates standing outside waiting for Dr. Sprout. 三 人 が みんな と 一緒に なった 直後 、 先生 が 芝生 を 横切って 大股 で 歩いて くる の が 見 えた 。 みっ|じん||||いっしょに||ちょくご|せんせい||しばふ||よこぎって|おおまた||あるいて||||み| Immediately after the three were together, I saw the teacher walking across the lawn in a stride. ギルデロイ ・ ロックハート と 一緒だ 。 |||いっしょだ It's with Gilderoy Lockhart. スプラウト 先生 は 腕 いっぱい 包帯 を 抱えて い た 。 |せんせい||うで||ほうたい||かかえて|| Dr. Sprout was holding a bandage on his arm. 遠く の 方 に 「 暴れ 柳 」 が 見え 、 枝 の あちこち に 吊 り 包帯 が して ある のに 気 が ついて 、 ハ リー は また 申し訳なくて 心 が 痚 んだ 。 とおく||かた||あばれ|やなぎ||みえ|えだ||||つり||ほうたい|||||き|||||||もうしわけなくて|こころ||| Harry was also sorry and itchy when he noticed a "rambling willow" in the distance and hanging bandages around the branches.

スプラウト 先生 は ずんぐり した 小さな 魔女 で 、 髪 の 毛 が ふわふわ 風 に なびき 、 その 上 に つぎ はぎ だらけ の 帽子 を かぶって いた 。 |せんせい||||ちいさな|まじょ||かみ||け|||かぜ||||うえ||||||ぼうし||| ほとんど いつも 服 は 泤 だらけ で 、 爪 を 見たら あの ペチュ ニア おばさん は 気絶 した だろう 。 ||ふく|||||つめ||みたら|||にあ|||きぜつ|| Almost always, my clothes were full of swords, and when I saw my nails, that Aunt Petunia would have fainted. ギルデロイ ・ ロックハート の 方 は 、 トルコ 石 色 の ローブ を なびかせ 、 金色 の 輝く ブロンド の 髪 に 、 金色 の 縁取り が して ある トルコ 石 色 の 帽子 を 完璧な 位置 に かぶり 、 どこ から 見て も 文句 の つけ よう が なかった 。 |||かた||とるこ|いし|いろ|||||きんいろ||かがやく|ぶろんど||かみ||きんいろ||ふちどり||||とるこ|いし|いろ||ぼうし||かんぺきな|いち|||||みて||もんく||||| Gilderoi Lockhart has a turquoise robe fluttering, golden shining blonde hair, and a turquoise hat with a golden edging in perfect position, complaining from everywhere. I couldn't put it on.

「 や ぁ 、 みなさん !」 ロックハート は 集まって いる 生徒 を 見回して 、 こぼれる ように 笑い かけた 。 |||||あつまって||せいと||みまわして|||わらい| "Hey everyone!" Lockhart looked around the gathering students and laughed as if they were spilling.

「 スプラウト 先生 に 、『 暴れ 柳 』 の 正しい 治療 法 を お 見せ して い まして ね 。 |せんせい||あばれ|やなぎ||ただしい|ちりょう|ほう|||みせ|||| "Please show Dr. Sprout the correct treatment for'Rampage Yanagi'. でも 、 私 の 方 が 先生 より 薬草 学 の 知識 が ある なんて 、 誤解 されて は 困ります よ 。 |わたくし||かた||せんせい||やくそう|まな||ちしき||||ごかい|さ れて||こまり ます| However, I don't want to be misunderstood that I have more knowledge of herbal medicine than my teacher. たまたま 私 、 旅 の 途中 、 『 暴れ 柳 』 と いう エキゾチックな 植物 に 出 遭った こと が ある だけ です から ......」 |わたくし|たび||とちゅう|あばれ|やなぎ|||えきぞちっくな|しょくぶつ||だ|あった||||||

「 みんな 、 今日 は 三 号 温室 へ !」 |きょう||みっ|ごう|おんしつ|

スプラウト 先生 は 普段 の 快活 さ は どこ へ やら 、 不機嫌 さ が 見え見えだった 。 |せんせい||ふだん||かいかつ||||||ふきげん|||みえみえだった Mr. Sprout was not his usual pleasant self, and his moodiness was apparent.

興味 津 々 の ささやき が 流れた 。 きょうみ|つ|||||ながれた A whisper of interest was heard. これ まで 一 号 温室 で しか 授業 が なかった ―― 三 号 温室 に は もっと 不思議で 危険な 植物 が 植わって いる 。 ||ひと|ごう|おんしつ|||じゅぎょう|||みっ|ごう|おんしつ||||ふしぎで|きけんな|しょくぶつ||うわって| Until now, classes were held only in the No. 1 greenhouse-the No. 3 greenhouse is planted with more mysterious and dangerous plants. スプラウト 先生 は 大きな 鍵 を ベルト から はず し 、 ドア を 開けた 。 |せんせい||おおきな|かぎ||べると||||どあ||あけた 天井 から ぶら下がった 。 てんじょう||ぶらさがった 傘 ほど の 大き さ が ある 巨大な 鼻 の 強烈な 香り に 混じって 、 湿った 土 と 肥料 の 臭い が 、 プン と ハリー の 鼻 を ついた 。 かさ|||おおき||||きょだいな|はな||きょうれつな|かおり||まじって|しめった|つち||ひりょう||くさい||||||はな|| The smell of wet soil and fertilizer, combined with the strong aroma of a huge nose the size of an umbrella, hit Harry's nose. ハリー は ロン や ハーマイ オニー と 一緒に 中 に 入ろう と した が 、 ロックハート の 手 が すっと 伸びて きた 。 |||||||いっしょに|なか||はいろう||||||て||す っと|のびて| Harry tried to get in with Ron and Hermioney, but Lockhart's hands stretched out. 「 ハリー ! 君 と 話し たかった ―― スプラウト 先生 、 彼 が ニ 、 三 分 遅れて も お 気 に なさいません ね ?」 スプラウト 先生 の しかめっ面 を みれば 、「 お 気 に なさる 」 ようだった が 、 ロックハート は か まわ ず 、「 お 許し いただけ まして 」 と 言う なり 、 彼女 の 鼻先 で ピシャッ と ドア を 閉めた 。 |きみ||はなし|||せんせい|かれ|||みっ|ぶん|おくれて|||き||なさい ませ ん|||せんせい||しかめ っ おもて||||き|||||||||||ゆるし||||いう||かのじょ||はなさき||||どあ||しめた "Harry! I wanted to talk to you--Mr. Sprout, don't you mind if he's two or three minutes late?" Lockhart didn't care, and as soon as he said, "Please forgive me," she snapped the door with her nose. 「 ハリー 」 ロック ハート は 首 を 左右 に 振り 、 その たび に 白い 歯が 太陽 を 受けて 輝いた 。 |ろっく|はーと||くび||さゆう||ふり||||しろい|しが|たいよう||うけて|かがやいた "Harry" Rockhart shook his head from side to side, and each time his white teeth shined in the sun.

「 ハリー 、 ハリー 、 ハリー 」

何 が なんだか さっぱり わから なくて 、 ハリー は 何も 言え なかった 。 なん||||||||なにも|いえ| Harry couldn't say anything because he had no idea what it was.

「 私 、 あの 話 を 聞いた とき ―― もっとも 、 みんな が 私 が 悪い のです が ね 。 わたくし||はなし||きいた|||||わたくし||わるい||| "When I heard that story-although everyone is wrong with me. 自分 を 責めました よ 」 ハリー は いったい なん の こと か わから なかった 。 じぶん||せめ ました|||||||||| I blamed myself. "Harry didn't know what it was. そう 言おう と 思って いる と 、 ロックハート が 言葉 を 続けた 。 |いおう||おもって|||||ことば||つづけた As I was about to say this, Lockhart continued.

「 こんなに ショック を 受けた こと は 、 これ まで に なかった と 思う ぐらい 。 |しょっく||うけた||||||||おもう| "I don't think I've ever been so shocked. ホグワーツ まで 車 で 飛んで くる なんて ! ま ぁ 、 もちろん 、 なぜ 君 が そんな こと を した の か は すぐに わかり まし た が 。 ||くるま||とんで|||||||きみ||||||||||||| You flew all the way to Hogwarts by car! Well, of course, I immediately understood why you would do such a thing. 目立ちました から ね 。 めだち ました|| It was very conspicuous. ハリー 、 ハリー 、 ハリー 」

話して いない とき で さえ 、 すばらしい 歯並び を 一 本 残らず 見せつける こと が 、 どう やったら できる の か 、 驚き だった 。 はなして||||||はならび||ひと|ほん|のこらず|みせつける||||||||おどろき| I was amazed at how they were able to show off every last tooth, even when they weren't speaking. 「 有名に なる と いう 蜜 の 味 を 、 私 が 教えて しまった 。 ゆうめいに||||みつ||あじ||わたくし||おしえて| "I have taught you the taste of honey, which is said to be famous. そう でしょう ?『 有名 虫 』 を 移して し まった 。 ||ゆうめい|ちゅう||うつして|| Isn't that right? I've moved the famous bug. 新聞 の 一面に 私 と 一緒に 載って しまって 、 君 は また そう なりたい と いう 思い を こら えられ なかった 。」 しんぶん||いちめんに|わたくし||いっしょに|のって||きみ||||なり たい|||おもい|||え られ| It was on the front page of the newspaper with me, and you couldn't help but want to be that way again. " 「 あの ―― 先生 、 違います 。 |せんせい|ちがい ます つまり ――」

「 ハリー 、 ハリー 、 ハリー 」

ロック ハート は 手 を 伸ばして ハリー の 肩 を つかみ ながら 言った 。 ろっく|はーと||て||のばして|||かた||||いった Lockhart stretched out his hand and grabbed Harry's shoulder.

「 わかります と も 。 わかり ます|| 最初 の ほんの 一口 で 、 もっと 食べ たく なる ―― 君 が そんな 味 を しめる よ う に なった の は 、 私 の せい だ 。 さいしょ|||ひとくち|||たべ|||きみ|||あじ|||||||||わたくし||| With just the first bite, I want to eat more--it's my fault that you've come to taste that. どうしても 人 を 酔わ せて しまう もの でして ね ―― しかし で す 、 青年 よ 、 目立ちたい から と いって 、 車 を 飛ばす と いう の は いけない です ね 。 |じん||よわ|||||||||せいねん||めだち たい||||くるま||とばす||||||| It's something that inevitably intoxicates people--but youth, you shouldn't fly a car just because you want to stand out. 落ち着き な さい 。 おちつき|| Calm down. ね ? もっと 大きく なって から 、 そういう こと を する 時間 が たっぷり あります よ 。 ||おおきく|||||||じかん|||あり ます| You know, I have plenty of time to do that after I grow up. え ぇ 、 え ぇ 、 君 が 何 を 考えて いる の か 、 私 に は わかります !『 彼 は もう 国際 的に 有名な 魔法 使い だ から 、 落ち着け なんて 言ってられる んだ !』って ね 。 ||||きみ||なん||かんがえて||||わたくし|||わかり ます|かれ|||こくさい|てきに|ゆうめいな|まほう|つかい|||おちつけ||いって られる||| Yeah, yeah, I know what you're thinking! "He's already an internationally renowned witch, so you can tell me to calm down!" しかし です 。 私 が 十二 歳 の とき に は 君 と 同じ ぐらい 無名 でした 。 わたくし||じゅうに|さい|||||きみ||おなじ||むめい| When I was twelve, I was as anonymous as you. むしろ 、 君 より も ずっと 無名 だった かも しれ ない 。 |きみ||||むめい|||| Rather, it may have been much more anonymous than you. つま り 、 君 の 場合 は 尐 し は 知っている 人 が いる でしょう ?『 名前 を 呼んで は いけない あの 人 』 と か なんとか で !」 ||きみ||ばあい|||||しっている|じん||||なまえ||よんで||||じん|||| After all, in your case, you probably know someone, like "That person who shouldn't call your name" or something! "

ロック ハート は チラッ と ハリー の 額 の 稲妻 形 の 傷 を 見た 。 ろっく|はーと||||||がく||いなずま|かた||きず||みた

「 わかってます 。 わかって ます わかって います と も 。 |い ます|| I understand. 『 週間 魔女 』 の 『 チャーミング ・ スマイル 賞 』 に 五 回 も 続けて 私 が 選ば れた の に 比べれば 、 君 の はたいした こと で は ない でしょう ―― それ でも 初め は それ ぐらい で いい 。 しゅうかん|まじょ||ちゃーみんぐ|すまいる|しょう||いつ|かい||つづけて|わたくし||えらば||||くらべれば|きみ||は たいした||||||||はじめ||||| Compared to the fact that I was selected five times in a row for the "Charming Smile Award" in "Witch of the Week", it's probably not a big deal for you--but that's about it at first. ハリー 、 初め は ね 」 |はじめ|| Harry, at first. "

ロック ハート は ハリー に 思いっきり ウインク する と 、 すたすた 行って しまった 。 ろっく|はーと||||おもいっきり|ういんく||||おこなって| Rockhart winked at Harry with all his might, and he went all the way. ハリー は 一 瞬 呆然と 佇んで いた が 、 ふと 、 温室 に 入ら なければ いけない こと を 思い出して ドア を 開け 、 中 に 滑り込んだ 。 ||ひと|またた|ぼうぜんと|たたずんで||||おんしつ||はいら|||||おもいだして|どあ||あけ|なか||すべりこんだ Harry stood stunned for a moment, but suddenly remembered that he had to enter the greenhouse, opened the door, and slipped inside. スプラウト 先生 は 温室 の 真ん中 に 、 架 台 を 二 つ 並べ 、 その 上 に 板 を 置いて ベンチ を 作り 、 その 後ろ に 立って いた 。 |せんせい||おんしつ||まんなか||か|だい||ふた||ならべ||うえ||いた||おいて|べんち||つくり||うしろ||たって| Dr. Sprout was standing in the middle of the greenhouse, behind two trestles on which he had built a bench with boards. ベンチ の 上 に いろ 違い の 耳 当て が 二十 個 ぐらい 並 ん で いる 。 べんち||うえ|||ちがい||みみ|あて||にじゅう|こ||なみ||| There are about 20 different earmuffs on the bench.

ハリー が ロン と ハーマイオニー の 間 に 立つ と 、 先生 が 授業 を 始めた 。 ||||||あいだ||たつ||せんせい||じゅぎょう||はじめた

「 今日 は マンドレイク の 植え 替え を やります 。 きょう||||うえ|かえ||やり ます マンドレイク の 特徴 が わかる 人 は います か ?」 みんな が 思った 通り 、 一 番 先 に ハーマイオニー の 手 が 挙がった 。 ||とくちょう|||じん||い ます||||おもった|とおり|ひと|ばん|さき||||て||あがった Does anyone know the characteristics of Mandrake? ”As everyone thought, Hermione's hand came first. 「 マンドレイク 、 別名 マンドラゴラ は 強力な 回復 薬 です 」 |べつめい|||きょうりょくな|かいふく|くすり| "Mandragora, also known as Mandragora, is a powerful healing drug."

いつも の ように 、 ハーマイオニー の 答え は まるで 教科 書 を 丸呑み に した ようだった 。 |||||こたえ|||きょうか|しょ||まるのみ||| As always, Hermione's answer was like swallowing a textbook.

「 姿形 を 変えられたり 、 呪い を かけられたり した 人 を もと の 姿 に 戻す の に 使わ れます 」 「たいへん よろしい 。 すがたかたち||かえ られたり|まじない||かけ られたり||じん||||すがた||もどす|||つかわ|れ ます|| "It is used to restore a person who has been reshaped or cursed to their original shape." "Very good. グリフィンドール に 一〇 点 」 スプラウト 先生 が 言った 。 ||ひと|てん||せんせい||いった Ten points to Gryffindor," said Professor Sprout.

「 マンドレイク はたいてい の 解毒 剤 の 主 成分 に なります 。 |はたいて い||げどく|ざい||おも|せいぶん||なり ます Mandrake is a key ingredient in most antidotes. しかし 、 危険な 面 も あります 。 |きけんな|おもて||あり ます However, it can also be dangerous. 誰 か その 理由 が 言える 人 は ?」 だれ|||りゆう||いえる|じん| Who can tell the reason? "

ハーマイオニー の 手 が 勢い よく 上がった 拍子 に 、 危うく ハリー の メガネ を 引っかけ そうに なった 。 ||て||いきおい||あがった|ひょうし||あやうく|||めがね||ひっかけ|そう に| Hermione's hands were rushing up, and she almost caught Harry's glasses.

「 マンドレイク の 泣き声 は それ を 聞いた もの に とって 命取り に なります 」 淀み ない 答え だ 。 ||なきごえ||||きいた||||いのちとり||なり ます|よどみ||こたえ| 「 その 通り 。 |とおり もう 一〇 点 あげましょう 」 スプラウト 先生 が 言った 。 |ひと|てん|あげ ましょう||せんせい||いった 「 さて 、 ここ に ある マンドレイク は まだ 非常に 若い 」 |||||||ひじょうに|わかい

先生 が 一 列 に 並んだ 苗 の 箱 を 指差し 、 生徒 は よく 見よう と と して いっせいに 前 の 方 に 詰め た 。 せんせい||ひと|れつ||ならんだ|なえ||はこ||ゆびさし|せいと|||みよう|||||ぜん||かた||つめ| The teacher pointed to a row of boxes of seedlings, and the students packed them all together in an attempt to look closely. 紫 が かった 緑色 の 小さな ふさふさ した 植物 が 百 個 ぐらい 列 を 作って 並んで いた 。 むらさき|||みどりいろ||ちいさな|||しょくぶつ||ひゃく|こ||れつ||つくって|ならんで| There were about a hundred small, purplish-green, bushy plants standing in rows. 特に 変 わった ところ は ない じゃ ない か 、 と ハリー は 思った 。 とくに|へん|||||||||||おもった Harry thought that there was nothing special about it. ハーマイオニー の 言った マンドレイク の 「 泣き声 」 が な んな の か ハリー に は 見当 も つか ない ||いった|||なきごえ|||||||||けんとう||| Harry has no idea what Hermione meant by Mandrake's "crying."

「 みんな 、 耳 当て を 一 つ ずつ 取って 」 と スプラウト 先生 。 |みみ|あて||ひと|||とって|||せんせい

みんな いっせいに 耳 当て を ―― ピンク の ふわふわ した 耳 当て 以外 を ―― 取ろう と 揉み合った 。 ||みみ|あて||ぴんく||||みみ|あて|いがい||とろう||もみあった Everyone rubbed together to get the earmuffs-other than the pink fluffy earmuffs-. 「 わたし が 合図 したら 耳 当て を つけて 、 両 耳 を 完全に ふさいで ください 。 ||あいず||みみ|あて|||りょう|みみ||かんぜんに|| 見当 て を 取って も 安全に なったら 、 わたし が 親指 を 上 に 向けて 合図 します 。 けんとう|||とって||あんぜんに||||おやゆび||うえ||むけて|あいず|し ます When it's safe to guess, I'll signal with my thumb up. それでは ―― 耳 当て 、 つけ !」 |みみ|あて|

ハリー は 耳 を 耳 当て で パチン と 覆った 。 ||みみ||みみ|あて||||おおった 外 の 音 が 完全に 聞え なく なった 。 がい||おと||かんぜんに|きこえ|| スプラウト 先生 は ピンク の ふわふわ した 耳 当て を つけ 、 ローブ の 袖 を まくり 上げ 、 ふさふさ した 植物 を 一 本 しっかり つかみ 、 ぐ いっと 引き抜いた 。 |せんせい||ぴんく||||みみ|あて|||||そで|||あげ|||しょくぶつ||ひと|ほん|||||ひきぬいた

ハリー は 驚いて あっと 声 を あげた が 、 声 は 誰 に も 聞え ない 。 ||おどろいて|あっ と|こえ||||こえ||だれ|||きこえ| Harry gasped in surprise, but no one could hear him. 土 の 中 から 出て きた の は 、 植物 の 根 で は なく 、 小さな 、 泤 ん この 、 ひどく 醜い 男 の 赤ん坊 だった 。 つち||なか||でて||||しょくぶつ||ね||||ちいさな|||||みにくい|おとこ||あかんぼう| 葉っぱ は その 頭 から 生えて いる 。 はっぱ|||あたま||はえて| Leaves grow from its head. 肌 は 薄緑 色 で まだらに なって いる 。 はだ||うすみどり|いろ|||| The skin is pale green and mottled. 赤ん坊 は 声 の かぎり に 泣き 喚 いて いる 様子 だった 。 あかんぼう||こえ||||なき|かん|||ようす| The baby seemed to be crying at the top of his voice.

スプラウト 先生 は 、 テーブル の 下 から 大きな 鉢 を 取り出し 、 マンドレイク を その 中 に 突っ込 み 、 ふさふさ した 葉っぱ だけ が 見える ように 、 黒い 、 湿った 堆肥 で 赤ん坊 を 埋め込んだ 。 |せんせい||てーぶる||した||おおきな|はち||とりだし||||なか||つっこ||||はっぱ|||みえる||くろい|しめった|たいひ||あかんぼう||うめこんだ Dr. Sprout took a large bowl from under the table, stuck Mandrake in it, and filled it with black, wet compost so that only the tender leaves were visible. 先 生 は 手 から 泤 を 払い 、 親指 を 上 に 上げ 、 自分 の 耳 当て を はずした 。 さき|せい||て||||はらい|おやゆび||うえ||あげ|じぶん||みみ|あて|| The teacher removed the earpieces from his hands, raised his thumbs, and removed the earpieces from his ears.

「 この マンドレイク は まだ 苗 です から 、 泣き声 も 命取り では ありません 」 先生 は 落ち着いた もの で 、 ベゴニア に 水 を やる の と 同じ ように あたりまえの こと を した よう な 口ぶり だ 。 ||||なえ|||なきごえ||いのちとり||あり ませ ん|せんせい||おちついた|||||すい|||||おなじ||||||||くちぶり| "Since this mandrake is still a seedling, crying is not fatal." The teacher was calm and seemed to do the same thing as watering a begonia. 「 しかし 、 苗 でも 、 みなさん を まちがい なく 数 時間 気絶 さ せる でしょう 。 |なえ||||||すう|じかん|きぜつ||| But even a seedling will surely stun you for several hours. 新 学期 最初 の 日 を 気 を 失った まま 過ごした く は ない でしょう から 、 耳 当て は 作業 中 しっかり と 放さ ない よう に 。 しん|がっき|さいしょ||ひ||き||うしなった||すごした||||||みみ|あて||さぎょう|なか|||はなさ||| You don't want to spend the first day of the new semester faint, so don't let go of your earmuffs while you work. あとかたづけ を する 時間 に なったら 、 わたし から そのように 合図 します 」 「 一 つ の 苗床 に 四 人 ―― 植え 替え の 鉢 は ここ に 十分に あります ―― 堆肥 の 袋 は ここ です ―― 『 毒 触手 草 』 に 気 を つける こと 。 |||じかん||||||あいず|し ます|ひと|||なえどこ||よっ|じん|うえ|かえ||はち||||じゅうぶんに|あり ます|たいひ||ふくろ||||どく|しょくしゅ|くさ||き||| When it's time to clean up, I'll signal you that way. "" Four people in one nursery--there are plenty of replanting pots here--the compost bag is here-- "Poison Be careful of tentacle grass. 歯 が 生えて きて いる 最中 です から 」 は||はえて|||さい なか|| Because it's in the middle of erupting teeth."

先生 は 話し ながら 刺 だらけ の 暗 赤色 の 植物 を ピシャリ と 叩いた 。 せんせい||はなし||とげ|||あん|あかいろ||しょくぶつ||ぴしゃり||たたいた The teacher slapped a dark red plant full of stings as he spoke. すると その 植物 は 、 先生 の 肩 の 上 に そろそろ と 伸ばして いた 長い 触手 を 引っ込めた 。 ||しょくぶつ||せんせい||かた||うえ||||のばして||ながい|しょくしゅ||ひっこめた The plant then withdrew its long, stretched tentacles over the teacher's shoulders.

ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー の グループ に 、 髪 の 毛 が くるくる と カール した ハッフルパフ の 男の子 が 加わった 。 ||||ぐるーぷ||かみ||け||||||||おとこのこ||くわわった Harry, Ron, and Hermione were joined by a Hufflepuff boy with curly hair. ハリー は その 子 に 見覚え が あった が 、 話した こと は なかった 。 |||こ||みおぼえ||||はなした|||

「 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー です 」 "Justin Finch Finch Lee."

男の子 は ハリー と 握手 し ながら 明るい 声 で 自己 紹介 した 。 おとこのこ||||あくしゅ|||あかるい|こえ||じこ|しょうかい|

「 君 の こと は 知ってます よ 、 もちろん 。 きみ||||しって ます|| 有名な ハリー ・ ポッター だ もの ......。 ゆうめいな|||| それ に 、 君 は ハーマイオニー ・ グレンジャー でしょう ―― 何 を やって も 一 番 の ......( ハーマイオニー も 握 手 に 忚 じ ながら ニッコリ した )。 ||きみ|||||なん||||ひと|ばん||||にぎ|て|||||にっこり| And you must be Hermione Granger - the best at what you do ...... (Hermione smiled as she shook hands with him.) それ から 、 ロン ・ ウィーズリー 。 あの 空 飛ぶ 車 、 君 のじゃ なかった ?」 |から|とぶ|くるま|きみ|| That flying car, wasn't it you? "

ロン は ニコリ と も し なかった 。 Ron didn't even smile. 「 吼 え メール 」 の こと が まだ 引っかかって いた らしい 。 こう||めーる|||||ひっかかって|| It seems that the "barking mail" was still stuck. 「 ロック ハートって 、たいした 人 です よ ね ?」 四 人 で それぞれ 鉢 に 、 ドラゴン の 糞 の 堆肥 を 詰め込み ながら ジャスティン が 朗らかに 言った 。 ろっく|はーと って||じん||||よっ|じん|||はち||||くそ||たいひ||つめこみ||||ほがらかに|いった 「 ものすごく 勇敢な 人 です 。 |ゆうかんな|じん| He is a very brave man. 彼 の 本 、 読みました か ? 僕 でしたら 、 狼 男 に 追い詰められて 電 話 ボックス に 逃げ込む ような 目 に 遭ったら 、 恐怖 で 死んで しまう 。 かれ||ほん|よみ ました||ぼく||おおかみ|おとこ||おいつめ られて|いなずま|はなし|ぼっくす||にげこむ||め||あったら|きょうふ||しんで| Haben Sie sein Buch gelesen? Wenn ich von einem Werwolf in die Enge getrieben würde und mich in eine Telefonzelle flüchten müsste, würde ich vor Schreck sterben. Did you read his book? If I were to be cornered by a werewolf and run into the telephone box, I would die of horror. ところが 彼 と きたら クー ル で ――― バサッ と ― 素敵だ 」 |かれ||||||||すてきだ However, when I came with him, it was cool.

「 僕 、 ほら 、 あの イートン 校 に 行く こと が 決まってました げ と 、 こっち の 学校 に 来れて 、 ほ ん と に うれしい 。 ぼく||||こう||いく|||きまって ました|||||がっこう||こ れて||||| "I, you see, I've decided to go to that Eton College, and I'm really happy to be here. もちろん 母 は ちょっぴり がっかり してました けど 、 ロックハート の 本 を 読 ませたら 、 母 も だんだん わかって きた らしい 。 |はは||||して ました||||ほん||よ||はは||||| Of course, my mother was a little disappointed, but after reading Lockhart's book, she gradually began to understand. つまり 家族 の 中 に ちゃんと 訓練 を 受けた 魔法 使い が いる と 、 どんなに 便利 かって こと が ......」 |かぞく||なか|||くんれん||うけた|まほう|つかい|||||べんり||| In other words, you can see how having a well-trained magician in the family can come in handy. ......"

それ から は 四 人 と も あまり 話す チャンス が なくなった 。 |||よっ|じん||||はなす|ちゃんす|| Since then, I haven't had much chance to talk with the four of them. 耳 当て を つけたし 、 マンドレイク に 集中 しなければ なら なかった から だ 。 みみ|あて|||||しゅうちゅう|し なければ|||| I put on my earmuffs and had to focus on the mandrake. マンドレイク は 土 の かな から 出る の を 嫌がり 、 いった ん 出る と 元 に 戻り た がら なかった 。 ||つち||||でる|||いやがり|||でる||もと||もどり||| Mandrake did not want to come out of the canopy, and once out, he did not want to come back in. もがいたり 、 蹴ったり 、 尖った 小さな こぶし を 振り回し たり 、 ギリギリ 歯ぎしり したり で 、 ハリー は 特に まるまる 太った の を 鉢 に 押し込む のに ゆう に 十 分 は かかった 。 |けったり|とがった|ちいさな|||ふりまわし||ぎりぎり|はぎしり|||||とくに||ふとった|||はち||おしこむ||||じゅう|ぶん|| Struggling, kicking, swinging a small, pointed fist, and bruxing his teeth, Harry took more than ten minutes to push a particularly fat man into the pot.

授業 が 終わる ころ に は ハリー も 、 クラス の 誰 も かれ も 、 汗 まみれ の 泤 だらけ で 、 体 が あ ち こ ち 痚 んだ 。 じゅぎょう||おわる||||||くらす||だれ||||あせ||||||からだ||||||| みんな ダラダラ と 城 まで 歩いて 帰り 、 さっと 汚れ を 洗い 落とし 、 それ から グリ フィンドール 生 は 変身 術 の クラス に 急いだ 。 |だらだら||しろ||あるいて|かえり||けがれ||あらい|おとし|||||せい||へんしん|じゅつ||くらす||いそいだ

マクゴナガル 先生 の クラス は いつも 大変だった が 、 今日 は ことさら に 難しかった 。 |せんせい||くらす|||たいへんだった||きょう||||むずかしかった McGonagall's class was always difficult, but today was even more so. 去年 一 年 間 習った こと が 、 夏 休み の 間 に ハリー の 頭 から 溶けて 流れて しまった ようだった 。 きょねん|ひと|とし|あいだ|ならった|||なつ|やすみ||あいだ||||あたま||とけて|ながれて|| What I learned last year seemed to melt and flow from Harry's head during the summer holidays. コガネム シ を ボタン に 変える 課題 だった のに 、 ハリー の 杖 を かい くぐって 逃げ回る コガネムシ に 、 机 の 上 で たっぷり 運動 さ せて やった だけ だった 。 |||ぼたん||かえる|かだい|||||つえ||||にげまわる|こがねむし||つくえ||うえ|||うんどう||||| It was a challenge to turn a scarab beetle into a button, but I just let the scarab beetle run away through Harry's wand and exercise a lot on the desk.

ロン の 方 が もっと ひどかった 。 ||かた||| Ron was even worse. スペロテープ を 借りて 杖 を つぎはぎ して みた もの の 、 もう 杖 は 修理 でき ない ほど に 壊れて しまった らしい 。 ||かりて|つえ||||||||つえ||しゅうり|||||こぼれて|| I borrowed a spero tape and patched the wand, but it seems that the wand was so broken that it couldn't be repaired anymore. とんでもない とき に パチパチ 鳴ったり 、 火花 を 散らしたり した 。 ||||なったり|ひばな||ちらしたり| It crackled and sparked at ridiculous times. ロン が コガネムシ を 変身 さ せよう と する たび に 、 杖 は 濃い 灰色 の 煙 でも くも く と ロン を 包み込んだ 。 ||こがねむし||へんしん|||||||つえ||こい|はいいろ||けむり|||||||つつみこんだ 煙 は 腐った 卵 の 匂い が した 。 けむり||くさった|たまご||におい|| 煙 で 手元 が 見え なくて 、 ロン は うっかり コガネムシ を 肘 で 押しつぶして しまい 、 新しい の を もう 一 匹 もらわ なければ なら な かった 。 けむり||てもと||みえ|||||こがねむし||ひじ||おしつぶして||あたらしい||||ひと|ひき||||| Invisible to the smoke, Ron inadvertently crushed the scarab beetle with his elbow and had to get another new one. マクゴナガル 先生 は 、 ご機嫌斜めだった 。 |せんせい||ごきげんななめだった

昼 休み の ベル が 鳴り 、 ハリー は ほっと した 。 ひる|やすみ||べる||なり|||| 脳みそ が 、 絞った あと の スポンジ の ように なった 気 が した 。 のうみそ||しぼった|||||||き|| I felt that my brain became like a sponge after squeezing. みんな が ゾロゾロ と 教室 を 出て 行った が 、 ハリー と ロン だけ が 取り残さ れ 、 ロ ン は かんしゃく を 起こして 、 杖 を バンバン 机 に 叩きつけて いた 。 ||ぞろぞろ||きょうしつ||でて|おこなった|||||||とりのこさ|||||||おこして|つえ||ばんばん|つくえ||たたきつけて| Everyone was leaving the classroom in droves, but only Harry and Ron were left behind. Ron was throwing a tantrum and banging his wand against the desk.

「 こいつ め ...... 役立た ず ...... コンチクショー 」 ||やくだた|| This guy is ...... Useless ...... Fuck you."

「 家 に 手紙 を 書いて 別な の を 送って もらえば ?」 いえ||てがみ||かいて|べつな|||おくって| "Why don't you write home and have another one sent?"

杖 が 連発 花火 の ように パンパン 鳴る の を 聞き ながら ハリー が 言った 。 つえ||れんぱつ|はなび|||ぱんぱん|なる|||きき||||いった Harry heard the wands popping and popping like a series of fireworks.

「 あぁ 、 そう すりゃ 、 また 『 吼 え メール 』 が 来る さ 。 ||||こう||めーる||くる| "Oh, well, I'm sure you'll get another barking mail. 『 杖 が 折れた の は 、 おまえ が 悪い から でしょう ――』って ね 」 今度 は シュー シュー 言い はじめた 杖 を カバン に 押し込み ながら 、 ロン が 答えた 。 つえ||おれた|||||わるい|||||こんど||しゅー|しゅー|いい||つえ||かばん||おしこみ||||こたえた "The reason why the wand broke is probably because you're bad." "This time, Ron replied, pushing the wand into the bag, which he had begun to say.