×

We use cookies to help make LingQ better. By visiting the site, you agree to our cookie policy.


image

2 - Harry Potter, 5.2 暴れ柳 - The Whomping Willow

5.2 暴れ柳 - The Whomping Willow

ホグワーツ 生 の 黒い とんがり 帽子 が 立ち 並ぶ その 隙間 から 、 おずおず と 行列 して 大広間 に 入って くる 一 年生 の 長い 列 が 見えた 。 ジニー は すぐ 見つかった 。 ウィーズリー 家 の 燃える よ う な 赤毛 が 目立つ から だ 。 新入 生 の 前 で 、 か の 有名な 組 分け 帽子 を 丸い 椅子 に の 上 に 置いて いる の は 、 魔女 の マクゴナガル 先生 だ 。 メガネ を かけ 、 髪 を 後ろ で きつく 束ねて まとめて い る 。

つぎはぎ だらけ で 、 擦り切れ 、 薄汚れた 年 代物 の この 古 帽子 が 、 毎年 新入 生 を ホグワーツ の 四 つ の 寮 に 組 分け する ( グリフィンドール 、 ハッフルパフ 、 レイブンクロー 、 スリザリ ン )。 ちょうど 一 年 前 、 帽子 を かぶった とき の こと を ハリー は ありあり と 覚えて いる 。 耳 の そば で 低い 声 で 帽子 が つぶやいて いる 間 、 ハリー は 石 の ように こわばって 帽子 の 判決 を 待って いた 。 スリザリン に 入れられる ので は ない か と 、 一瞬 ハリー は 恐ろしい 思い が した 。 スリ ザリン の 卒業 生 の 中 から 、 他の どの 寮 より 多く の 闇 の 魔法使い 、 魔女 が 出て いる ―― 結局 、 ハリー は グリフィンドール に 入った 。 ロン 、 ハーマイオニー 、 ウィーズリー 兄弟 も みな 同じ 寮 だ 。 一 年生 の とき 、 ハリー と ロン の 活躍 で 、 グリフィンドール は スリザリン を 七 年 ぶり に 破って 、 寮 対抗 杯 を 勝ち取った 。

薄茶色 の 髪 を した 小さな 男の子 の 名前 が 呼び 上げられ 、 前 に 進み 出て 帽子 を かぶった 。 ハ リー は その こ から ダンブルドア 校長 の 方 へ と 目 を 移した 。 校長 先生 は 教職 員 の テーブル に 座 り 、 長い 白い 髭 と 半月 メガネ を 蝋燭 の 灯り で キラキラ さ せ ながら 、 組 分け を 眺めて いた 。 そ こ から 数 人 先 の 席 に 、 ギルデロイ ・ ロックハート が 淡い 水色 の ローブ を 着て 座って いる の が 見えた 。 一 番 端で 髭 も じゃ の 大 男 、 ハグリッド が 、 杯 で グビグビ 飲んで いた 。

「 ちょっと 待って ...... 教職 員 テーブル の 席 が 一 つ 空いて る ......」

ハリー が ロン に ささやいた 。

セブルス ・ スネイプ 教授 は ハリー の 一 番 苦手な 先生 だ 。 逆に ハリー は スネイプ の 最も 嫌って いる 生徒 だった 。 冷血で 、 毒舌 で 、 自分 の 寮 ( スリザリン ) の 寮生 は 別 と して 、 それ 以外 は みんな から 嫌われて いる スネイプ は 、 魔法 薬学 を 教えて いた 。 「 もし かして 病気 じゃ ない の か !」 ロン が 嬉し そうに 言った 。

「 もしかしたら やめた かも 知れ ない 。 だって 、 またしても 『 闇 の 魔術 に 対する 防衛 術 』 の 教 授 の 座 を 逃した んだ から !」 ハリー が 言った 。

「 もしかしたら 首 に なった かも !」 ロン の 声 に 熱 が こもった 。

「 つまり だ 、 みんな あの 人 を いやがって いる し ――」

「 もしかしたら 」 二 人 の すぐ 背後 で ひどく 冷たい 声 が した 。

「 その 人 は 、 君 たち 二 人 が 学校 の 汽車 に 乗って い なかった 理由 を お伺い しよう か と 、 お 待ち 申し上げて いる かも しれ ないで すな 」

ハリー が くるっと 振り向く と ―― 出た ! 冷たい 風 に 黒い ローブ を はためか せて 、 セブルス ・ スネイプ その 人 が 立って いた 。 脂っこ い 黒い 髪 を 肩 まで 伸ばし 、 痩せた 体 、 土 気色 の 顔 に 鉤 鼻 の その 人 は 、 口元 に 笑み を 浮かべて いた 。 その ほくそ笑み を みた だけ で 、 ハリー と ロン に は 、 どんなに ひどい 目 に 遭う か が よく わかった 。

「 ついてき なさい 」 スネイプ が 言った 。

二 人 は 顔 を 見合わせる 勇気 も なく 、 スネイプ の あと に 従って 、 階段 を 上がり 、 松明 に 照らさ れた がらんと した 玄関 ホール に 入った 。 大広間 から おいし そうな 匂い が 漂って きた 。 しか し 、 スネイプ は 二 人 を 、 暖かな 明るい 場所 から 遠ざかる 方 へ 、 地下 牢 に 下りる 狭い 石段 へ と 誘った 。

「 入り たまえ !」

冷たい 階段 の 中ほど で 、 スネイプ は ドア を 開け 、 その 中 を 指差した 。

二 人 は 震え ながら スネイプ の 研究 室 に 入った 。 薄暗がり の 壁 の 棚 の 上 に は 、 大きな ガラス 容 器 が 並べられ 、 今 の ハリー に は 名前 を 知り たく も ない ような 、 気色 の 悪い もの が いろいろ 浮 いて いた 。 真っ暗な 暖炉 に は 火 も ない 。 スネイプ は ドア を 閉め 、 二 人 の 方 に 向き直った 。

「 なるほど 」 スネイプ は 猫撫で声 を 出した 。

「 有名な ハリー ・ ポッター と 、 忠実な ご 学友 の ウィーズリー は 、 あの 汽車 で は ご 不満だった 。 ドーンと ご 到着 に なりたい 。 お 二 人 さん 、 それ が お 望み だった わけ か ?」

「 違います 、 先生 。 キングズ ・ クロス 駅 の 柵 の せい で 、 あれ が ――」

「 だまれ !」 スネイプ は 冷たく 言った 。

「 あの 車 は 、 どう かたづけた ?」

ロン が 絶句 した 。 スネイプ は 人 の 心 を 読める ので は 、 と ハリー は これ まで も 何度 か そう 思った こ と が あった 。 しかし 、 わけ は すぐ わかった 。 スネイプ が 今日 の 「 夕 刉 預言 者 新聞 」 を く る くる と 広げた 。

「 おまえたち は 見られて いた 」 スネイプ は 新聞 の 見出し を 示して 、 押し殺した 声 で 言った 。 「 空 飛ぶ フォード ・ アングリア 、 いぶかる マグル 」

スネイプ が 読み上げた 。

「 ロンドン で 、 二 人 の マグル が 、 郵便 局 の タワー の 上 を 中古 の アングリア が 飛んで いる の を 見た と 断言 した ...... 今日 昼 ごろ 、 ノーフォーク の ヘティ ・ ベイリス 夫人 は 、 洗濯物 を 干して いる とき 、...... ピーブルズ の アンガス ・ フリート 氏 は 警察 に 通報 した ...... 全部 で 六 、 七 人 の マグル が ...... たしか 、 君 の 父親 は マグル 製品 不正 使用 取締 局 に お 勤め でした な ?」

スネイプ は 顔 を 上げて ロン に 向かって 一 段 と 意地 悪く ほくそ笑んだ 。

「 なんと 、 なんと ...... 捕らえて みれば わが 子 なり ......」

ハリー は あの 狂暴な 木 の 大き めの 枝 で 、 胃袋 を 打ちのめさ れた ような 気 が した 。 ウィーズ リー おじさん が あの 車 に 魔法 を かけた こと が 誰 か に 知ら れたら ...... 考えて も み なかった ... ...。

「 我 輩 が 庭 を 調査 した ところ に よれば 、 非常に 貴重な 『 暴れ 柳 』 が 、 相当な 被害 を 受けた よ う である 」 スネイプ は ネチネチ 続けた 。

「 あの 木 より 、 僕たち の 方 が もっと 被害 を 受けました ――」 ロン が 思わず 言った 。 「 だまら ん か !」 スネイプ が ばしっと 言った 。

「 まことに 残念 至極 だ が 、 おまえたち は 我 輩 の 寮 で は ない から して 、 二 人 の 退 校 処分 は 我 輩 の 決定 する ところ で は ない 。 これ から その 幸運な 決定 権 を 持つ 人物 たち を 連れて くる 。 二 人 と も 、 ここ で 待て 」

ハリー と ロン は お互いに 蒼白な 顔 を 見合わせた 。 ハリー は もう 空腹 も 感じ ない 。 ただ 、 ひど く 吐き気 が した 。 スネイプ の 机 の 後ろ に ある 棚 に 置か れた 。 緑 の 液体 に プカプカ 浮いて いる なんだ か 大きくて ヌメヌメ した 得体の知れない もの を 、 ハリー は なるべく 見 ない ように し た 。 スネイプ が 、 グリフィンドール 寮 監 の マクゴナガル 先生 を 呼び に 行った と したら 、 それ で 二 人 の 状況 が よく なる わけで も ない 。 マクゴナガル 先生 は スネイプ より 公正 かも しれ ない が 、 非常に 厳格な こと に 変わり は ない 。

十 分 後 、 スネイプ が 戻って きた 。 やっぱり 、 一緒に 来た の は マクゴナガル 先生 だった 。 ハ リー は 、 マクゴナガル 先生 が 怒った の を これ まで 何 度 か 見た こと は ある 。 しかし 、 今度 ばか り は 先生 の 唇 が 、 こんなに 真一文字 に ギュッと 横 に 伸びる こと を ハリー が 忘れて いた の か 、 それとも こんなに 怒って いる の は 見た こと が ない の か どっち か だ 。 部屋 に 入って くる なり 、 先生 は 杖 を 振り上げた 。 二 人 は 思わず 身 を 縮めた 。 先生 は 火の気 の ない 暖炉 に 杖 を 向け ただ け だった 。 急に 炎 が 燃え上がった 。

「 お 掛け なさい 」 その 一声 で 、 二 人 は あとずさり して 暖炉 の そば の 椅子 に 座った 。

「 ご 説明 なさい 」 先生 の メガネ が ギラリ と 不吉に 光って いる 。

ロン が 二 人 を 跳ね つけた 駅 の 柵 の 話 から 話し はじめた 。

「...... です から 、 僕たち 、 他 に 方法 が ありません でした 。 先生 、 僕たち 、 汽車 に 乗れ なかった ん です 」 「 なぜ 、 ふくろう 便 を 送ら なかった のです か ? あなた は ふくろう を お 持ち でしょう ?」

マクゴナガル 先生 は ハリー に 向かって 冷たく 言った 。

ハリー は 呆然と 口 を 開けて 先生 の 顔 を 見つめた 。 そう 言わ れれば 、 たしかに その 通り だ 。

「 ぼ ―― 僕 、 思いつき も し なくて ――」

「 考える こと も し なかった でしょう と も 」 マクゴナガル 先生 が 言った 。

ドア を ノック して 、 ますます 悦 に 入った スネイプ の 顔 が 現れた 。 そこ に は ダンブルドア 校長 が 立って いた 。

ハリー は 体中 の 力 が 抜ける ような 気 が した 。 ダンブルドア は いつも と 違って 深刻な 表情 だった 。 校長 先生 に 鉤鼻 越し に ジッと 見下ろさ れる と 、 ハリー は 急に 、 今 、 ロン と 一緒に 「 暴れ 柳 」 に 打ちのめされて いる 方 が 、 まだ まし と いう 気 に なった 。 長い 沈黙 が 流れた 。 ダンブルドア が 、 口 を 開いた 。

「 どうして こんな こと を した の か 、 説明 して くれる か の ?」

むしろ 怒鳴って くれた 方 が 気 が 楽だった 。 ハリー は 校長 先生 の 失望 した ような 声 を 聞く と 、 たまらなかった 。 なぜ か ハリー は 、 ダンブルドア の 顔 を まっすぐに 見る こと が でき す 、 ダン ブル ドア の 膝 を 見つめ ながら 話した 。 ハリー は すべて ダンブルドア に 話した が 、 ウィーズ リー 氏 が あの 魔法 が かかった 。 空 飛ぶ 車 の 持ち主 だ と いう こと は 伏せて 、 ハリー と ロン が たま た ま 車 の 外 に 駐車 して あった 空 飛ぶ 車 を 見つけた ような 言い 方 を した 。 ダンブルドア は こ んな 言い 方 を して も お 見通し だ と 、 ハリー に は わかって いた が 、 車 に ついて は 一言 も 追求 が なかった 。 ハリー が 話し 終わって も 、 ダンブルドア は メガネ の 奥 から 二 人 を じっと 覗き つづ ける だけ だった 。

「 僕たち 、 荷物 を まとめます 」 ロン が 観念 した ような 声 で 言った 。 「 ウィーズリー 、 どういう つもり です か ?」 と マクゴナガル 先生 が が つんと 言った 。 「 でも 、 僕たち を 退 校 処分 に なさる んでしょう ?」 と ロン が 言った 。 ハリー は 急いで ダンブルドア の 顔 を 見た 。

「 ミスター ・ ウィーズリー 、 今日 と いう わけで は ない 。 しかし 、 君 たち の やった こと の 重大 さ に ついて は 、 はっきり と 二 人 に 言って おか ねば のう 。 今晩 二 人 の ご 家族 に 、 わし から 手紙 を 書こう 。 それ に 、 二 人 に は 警告 して おか ねば なら ん が 、 今後 また このような こと が あれ ば 、 わし と して も 、 二 人 を 退学 に せ ざる を えん ので な 」

スネイプ は クリスマス が おあずけ に なった ような 顔 を した 。 咳払い を して スネイプ が 言った 。 「 ダンブルドア 校長 、 この 者 たち は 『 未 成年 魔法使い の 制限 事項 令 』 を 愚 弄し 、 貴重な 古木 に 甚大なる 被害 を 与えて おります ...... このような 行為 は まさしく ......」 「 セブルス 、 この 少年 たち の 処罰 を 決める の は マクゴナガル 先生 じゃ ろう 」 ダンブルドア は 静かに 言った 。 「 二 人 は マクゴナガル 先生 の 寮 の 生徒 じゃ から 、 彼女 の 責任 じゃ 」 ダンブルドア は マクゴナガル 先生 に 向かって 話 かけた 。

「 ミネルバ 、 わし は 歓迎 会 の 方 に 戻ら ん と 。 二 言 、 三 言 、 話さ ねば なら ん ので な 。 さあ 行 こ うか の 、 セブルス 。 うま そうな カスタード ・ タルト が ある んじゃ 。 わしゃ 、 あれ を 一口 食べ て みたい 」 しぶしぶ 、 自分 の 部屋 から 連れ 去ら れる ように 出て 行き ながら 、 スネイプ は 、 ロン と ハリー を 毒々しい 目つき で 見た 。 あと に 残さ れた 二 人 を 、 マクゴナガル 先生 が 、 相変わらず 怒 れる 鷲 の ような 目 で 見据えて いた 。

「 ウィーズリー 、 あなた は 医務 室 に 行った 方 が よい でしょう 。 血 が 出て います 」 「たいした こと ありません 」 ロン が 慌てて 袖 で まぶた の 切り傷 を 拭った 。 「 先生 、 僕 の 妹 が 組 分け さ れる ところ を 見たい と 思って いた のです が ――」 「 組 分け の 儀式 は 終わりました 。 あなた の 妹 も グリフィンドール です 」 「 あぁ 、 よかった 」

「 グリフィンドール と いえば ――」 マクゴナガル 先生 の 声 が 厳しく なった 。 が 、 ハリー が そ れ を 遮った 。

「 先生 、 僕たち が 車 に 乗った とき は 、 まだ 新 学期 は 始まって い なかった のです から 、 で すら か ―― あの 、 グリフィンドール は 、 減点 さ れ ない はずです よ ね 。 違います か ?」 言い 終えて 、 ハリー は 心配 そうに 、 先生 の 顔色 を うかがった 。 マクゴナガル 先生 は 射る ような 目 を 向けた が 、 ハリー は 先生 が たしかに 微笑み を もらし そう に なった と 思った 。 少 なく と も 、 先生 の 唇 の 真一文字 が 少 し 緩んだ 。

「 グリフィンドール の 減点 は いたしません 」 先生 の 言葉 で ハリー の 気持ち が ずっと 楽に なった 。 「 ただし 、 二 人 と も 罰則 を 受ける と に なります 」 ハリー に とって 、 これ は 思った より ましな 結果 だった 。 ダンブルドア が ダーズリー 気 に 手紙 を 書く こと など 、 ハリー に は 問題 に なら なかった 。 あの 人 たち に して みれば 、「 暴れ 柳 」 が ハリー を ペシャンコ に して くれ なかった こと だけ が 残念だろう 。

マクゴナガル 先生 は 再び 杖 を 振り上げ 、 スネイプ の 机 に 向けて 振り下ろした 。 大きな サンド イッチ の 皿 、 杯 が 二 つ 、 冷たい 魔女 かぼちゃ ジュース が 、 ポン と 音 を たてて 現れた 。

「 ここ で お 食べ なさい 。 終わったら まっすぐに 寮 に お 帰り なさい 。 私 も 歓迎 会 の 方 に 戻ら な ければ なりません 」 先生 が ドア を 閉めて 行って しまう と 、 ロン は ヒューッ と 低く 長い 口笛 を 吹いた 。 「 もう ダメ か と 思った よ 」 サンドイッチ を ガバッ と つかみ ながら 、 ロン が 言った 。

「 僕 も だ よ 」 ハリー も 一 つ つかんだ 。

「 だけど 、 僕たちって 信じられ ない ぐらい ついて ない ぜ 」 ロン が チキン と ハム を いっぱい 積 め 込んだ 口 を モゴモゴ さ せて 言った 。 「 フレッド と ジョージ なんか 、 あの 車 を 五 回 も 六 回 も 飛ばして る のに 、 あの 二 人 は 一 度 だって マグル に 見られて ない んだ 」 ロン は ゴクン と 飲み込む と 、 また 大口 を 開けて つぶやいた 。 「 だけど 、 どうして 柵 を 通り抜けられ なかった んだろう ?」 ハリー は 肩 を ちょっと すくめて 、 わから ない と いう しぐさ を した 。 「 だけど 、 これ から は 僕たち 慎重に 行動 し なくちゃ 」

ハリー は 冷たい 魔女 かぼちゃ ジュース を 、 喉 を 鳴らして 飲み ながら 言った 。

「 歓迎 会 に 行き たかった なぁ ......」

「 マクゴナガル 先生 は 僕たち が 目立って は いけない と 考えた んだ 。 車 を 飛ば せて 到着 した の が かっこいい なんて 、 みんな が そう 思ったら いけないって 」 ロン が 神妙に 言った 。 サンドイッチ を 食べたい だけ 食べる と 、( 大 皿 は 空 に なる と また ひとりでに サンドイッチ が 現れた )、 二 人 は スネイプ の 研究 室 を 出て 、 通い なれた 通路 を グリフィンドール 塔 に 向かって トボトボ 歩いた 。 城 は 静まり返って いる 。 歓迎 会 は 終わった らしい 。 ボソボソ ささやく 肖 僕 や 、 ギーギー 軋む 鎧 を いくつか 通り過ぎ 、 狭い 石段 を 上り 、 やっと 寮 へ の 秘密の 入口 が 隠されて いる 廊下 に たどり着いた 。 ピンク の 絹 の ドレス を 着た とて も 太った 婦人 の 油絵 が か かって いる 。

二 人 が 近づく と 婦人 が 「 合言葉 は ?」 と 聞いた 。

「 えー と ――」 と ハリー 。

二 人 と も まだ グリフィンドール の 監督 生 に 会って いない ので 、 新 学期 の 新しい 合言葉 を 知ら なかった 。 しかし 、 すぐに 助け 舟 が やってきた 。 後ろ の 方 から 急ぎ足 で 誰 か が やってくる 。 振り返る と ハーマイオニー が こっち に ダッシュ して くる 。

「 やっと 見つけた ! いったい どこ に 行って た の ? バカバカしい うわさ が 流れて ―― 誰 か が 言って た けど 、 あなた たち が 空 飛ぶ 車 で 墜落 して 退 校 処分 に なったって 」 「 ウン 、 退 校 処分 に は なら なかった 」 ハリー は ハーマイオニー を 安心 さ せた 。 「 まさか 、 ほんとに 空 を 飛んで ここ に 来た の ?」 ハーマイオニー は まるで マクゴナガル 先生 の ような 厳しい 声 で 言った 。 「 お 説教 は やめろ よ 」 ロン が イライラ して 言った 。 「 新しい 合言葉 、 教えて くれよ 」 「『 ミミダレミツスイ 《 ワトルバード 》』 よ 。 でも 、 話 を そらさ ないで ――」 ハーマイオニー も イライラ と 言った 。

しかし 、 彼女 の 言葉 も そこ まで だった 。 太った 婦人 の 肖僕 画 が パッと 開く と 、 突然 ワッ と 拍 手 の 嵐 だった 。 グリフィンドール の 寮生 は 、 全員 まだ 起きて いる 様子 だった 。 丸い 談話 室 いっぱい に 溢れ 、 傾いた テーブル の 上 や 、 ふか ふか の 肱 掛 椅子 の 上 に 立ち上がったり して 、 二 人 の 到着 を 待って いた 。 肖僕 画 の 穴 の 方 に 何 本 も 腕 が 伸びて きて 、 ハリー と ロン を 部屋 の 中 に 引っ張り 入れた 。 取り残さ れた ハーマイオニー は 一 人 で 穴 を よじ登って あと に 続いた 。

「 やる なぁ ! 感動 的だ ぜ ! なんて ご 登場 だ ! 車 を 飛ばして 『 暴れ 柳 』 に 突っ込む なんて 、 何 年 も 語り草 に なる ぜ !」 リー ・ ジョーダン が 叫んだ 。

「 よく やった 」

ハリー が 一 度 も 話した こと が ない 五 年生 が 話しかけて きた 。 ハリー が たった今 、 マラソン で 優勝 テープ を 切った か の ように 、 誰 か が 背中 を ポンポン 叩いた 。 フレッド と ジョージ が 人波 を 掻き分けて 前 の 方 に やってきて 、 口 を そろえて 言った 。

「 オイ 、 なんで 、 俺 たち を 呼び戻して くれ なかった んだ よ 」

ロン は きまり 悪 そうに 笑い ながら 顔 を 紅潮 さ せて いた が 、 ハリー は 一 人 だけ 不機嫌な 顔 を し た 生徒 に 気づいた 。 はしゃいで いる 一 年生 たち の 頭 の むこうに 、 パーシー が はっきり 見え た 。 ハリー たち に 十分 近づいて から 、 しかりつけよう と こっち へ 向かって くる 。 ハリー は ロ ン の 脇腹 を 小突いて 、 パーシー の 方 を 顎 で しゃくった 。 ロン は すぐに 察した 。

「 ベッド に 行か なくちゃ ―― ちょっと 疲れた 」

ロン は そう 言う と 、 ハリー と 二 人 で 部屋 の むこう 側 の ドア に 向かった 。 そこ から 螺旋 階段 が 寝室 へ と 続いて いる ハリー は 、 パーシー と 同じ ように しかめっ面 を して いる ハーマイオニー に 呼びかけた 。 背中 を パシパシ 叩か れ ながら 、 二 人 は なんとか 部屋 の 反対 側 に たどり着き 、 螺旋 階段 で やっと 静けさ を 取り戻した 。 急いで 上 まで 駆け上り 、 とうとう 懐かしい 部屋 の 前 に 着いた 。 ドア に は 今度 は 「 二 年生 」 と 書いて ある 。 中 に 入る と 、 丸い 部屋 、 赤い ベルベット の カーテン が かかった 四 本 柱 の ある ベッド が 五 つ 、 細長い 高 窓 、 見なれた 光景 だった 。 二 人 の トランク は もう 運び込まれて いて 、 ベッド の 端 の 報 に 置いて あった 。 ロン は ハリー を 見て 、 バツ が 悪 そうに ニヤッ と 笑った 。 「 僕 、 あそこ で 喜んだり なんか しちゃ いけないって 、 わかって た んだ けど 、 でも ――」 ドア が パッと 開いて 同質の グリフィンドール 二 年生 が なだれ込んで きた 。 シェーマス ・ フィ ネガン 、 ディーン ・ トーマス 、 ネビル ・ ロングボトム だ 。

「 ほんと か よ !」 シェーマス が ニッコリ した 。

「 かっこいい 」 と ディーン が 言った 。

「 すごい なあ 」 ネビル は 感動 で 打ちのめされて いた ハリー も 我慢 でき なく なった 。 そして ニヤッ と 笑った 。

5.2 暴れ柳 - The Whomping Willow あばれ やなぎ|the|whomping|willow 5.2 The Whomping Willow 5.2 Sauce rampante - El sauce fustigador 5.2 Stormwilg - De stampende wilg 5.2 Szalejąca wierzba - The Whomping Willow 5.2 Гремучая ива 5.2 Rampande sälg - Den piskande sälgen

ホグワーツ 生 の 黒い とんがり 帽子 が 立ち 並ぶ その 隙間 から 、 おずおず と 行列 して 大広間 に 入って くる 一 年生 の 長い 列 が 見えた 。 |せい||くろい||ぼうし||たち|ならぶ||すきま||||ぎょうれつ||おおひろま||はいって||ひと|ねんせい||ながい|れつ||みえた From the gap between the black pointed hats of Hogwarts, I could see a long line of first graders lining up in a row into the hall. ジニー は すぐ 見つかった 。 |||みつかった Genie was found immediately. ウィーズリー 家 の 燃える よ う な 赤毛 が 目立つ から だ 。 |いえ||もえる||||あかげ||めだつ|| The burning redheads of the Weasley family stand out. 新入 生 の 前 で 、 か の 有名な 組 分け 帽子 を 丸い 椅子 に の 上 に 置いて いる の は 、 魔女 の マクゴナガル 先生 だ 。 しんにゅう|せい||ぜん||||ゆうめいな|くみ|わけ|ぼうし||まるい|いす|||うえ||おいて||||まじょ|||せんせい| In front of the freshman, the famous grouping hat is placed on a round chair by the witch, Dr. McGonagall. メガネ を かけ 、 髪 を 後ろ で きつく 束ねて まとめて い る 。 めがね|||かみ||うしろ|||たばねて||| He wears glasses and ties his hair tightly behind him.

つぎはぎ だらけ で 、 擦り切れ 、 薄汚れた 年 代物 の この 古 帽子 が 、 毎年 新入 生 を ホグワーツ の 四 つ の 寮 に 組 分け する ( グリフィンドール 、 ハッフルパフ 、 レイブンクロー 、 スリザリ ン )。 |||すりきれ|うすよごれた|とし|しろもの|||ふる|ぼうし||まいとし|しんにゅう|せい||||よっ|||りょう||くみ|わけ|||||| ちょうど 一 年 前 、 帽子 を かぶった とき の こと を ハリー は ありあり と 覚えて いる 。 |ひと|とし|ぜん|ぼうし|||||||||||おぼえて| 耳 の そば で 低い 声 で 帽子 が つぶやいて いる 間 、 ハリー は 石 の ように こわばって 帽子 の 判決 を 待って いた 。 みみ||||ひくい|こえ||ぼうし||||あいだ|||いし||||ぼうし||はんけつ||まって| Harry stood stony-faced, waiting for the Hat's verdict, while the Hat mumbled low in his ear. スリザリン に 入れられる ので は ない か と 、 一瞬 ハリー は 恐ろしい 思い が した 。 ||いれ られる||||||いっしゅん|||おそろしい|おもい|| スリ ザリン の 卒業 生 の 中 から 、 他の どの 寮 より 多く の 闇 の 魔法使い 、 魔女 が 出て いる ―― 結局 、 ハリー は グリフィンドール に 入った 。 |||そつぎょう|せい||なか||たの||りょう||おおく||やみ||まほうつかい|まじょ||でて||けっきょく|||||はいった More Dark wizards and witches have emerged from Slytherin's graduating class than from any other dormitory - after all, Harry was accepted into Gryffindor. ロン 、 ハーマイオニー 、 ウィーズリー 兄弟 も みな 同じ 寮 だ 。 |||きょうだい|||おなじ|りょう| 一 年生 の とき 、 ハリー と ロン の 活躍 で 、 グリフィンドール は スリザリン を 七 年 ぶり に 破って 、 寮 対抗 杯 を 勝ち取った 。 ひと|ねんせい|||||||かつやく||||||なな|とし|||やぶって|りょう|たいこう|さかずき||かちとった In their first year, thanks to the efforts of Harry and Ron, Gryffindor defeated Slytherin for the first time in seven years to win the Dorm Cup.

薄茶色 の 髪 を した 小さな 男の子 の 名前 が 呼び 上げられ 、 前 に 進み 出て 帽子 を かぶった 。 うすちゃいろ||かみ|||ちいさな|おとこのこ||なまえ||よび|あげ られ|ぜん||すすみ|でて|ぼうし|| ハ リー は その こ から ダンブルドア 校長 の 方 へ と 目 を 移した 。 |||||||こうちょう||かた|||め||うつした 校長 先生 は 教職 員 の テーブル に 座 り 、 長い 白い 髭 と 半月 メガネ を 蝋燭 の 灯り で キラキラ さ せ ながら 、 組 分け を 眺めて いた 。 こうちょう|せんせい||きょうしょく|いん||てーぶる||ざ||ながい|しろい|ひげ||はんつき|めがね||ろうそく||ともり||きらきら||||くみ|わけ||ながめて| The principal sat at the faculty table, his long white beard and half-moon glasses glinting in the candlelight as he watched the grouping. そ こ から 数 人 先 の 席 に 、 ギルデロイ ・ ロックハート が 淡い 水色 の ローブ を 着て 座って いる の が 見えた 。 |||すう|じん|さき||せき|||||あわい|みずいろ||||きて|すわって||||みえた A few seats away, I saw Gilderoy Lockhart sitting in a pale light blue robe. 一 番 端で 髭 も じゃ の 大 男 、 ハグリッド が 、 杯 で グビグビ 飲んで いた 。 ひと|ばん|はしたで|ひげ||||だい|おとこ|||さかずき|||のんで| Hagrid, a large man with a big beard, was at the far end, sipping from a cup.

「 ちょっと 待って ...... 教職 員 テーブル の 席 が 一 つ 空いて る ......」 |まって|きょうしょく|いん|てーぶる||せき||ひと||あいて| Wait a minute. ...... There's a seat available at the faculty table. ......"

ハリー が ロン に ささやいた 。 Harry whispered to Ron.

セブルス ・ スネイプ 教授 は ハリー の 一 番 苦手な 先生 だ 。 ||きょうじゅ||||ひと|ばん|にがてな|せんせい| Professor Severus Snape is Harry's least favorite teacher. 逆に ハリー は スネイプ の 最も 嫌って いる 生徒 だった 。 ぎゃくに|||||もっとも|きらって||せいと| 冷血で 、 毒舌 で 、 自分 の 寮 ( スリザリン ) の 寮生 は 別 と して 、 それ 以外 は みんな から 嫌われて いる スネイプ は 、 魔法 薬学 を 教えて いた 。 れいけつで|どくぜつ||じぶん||りょう|||りょうせい||べつ||||いがい||||きらわ れて||||まほう|やくがく||おしえて| Cold-blooded, snarky, and disliked by everyone except his own Slytherin housemates, Snape taught Potions. 「 もし かして 病気 じゃ ない の か !」 ロン が 嬉し そうに 言った 。 ||びょうき|||||||うれし|そう に|いった "If you're not sick!" Ron said happily.

「 もしかしたら やめた かも 知れ ない 。 |||しれ| "Maybe I quit. だって 、 またしても 『 闇 の 魔術 に 対する 防衛 術 』 の 教 授 の 座 を 逃した んだ から !」 ハリー が 言った 。 ||やみ||まじゅつ||たいする|ぼうえい|じゅつ||きょう|じゅ||ざ||のがした|||||いった Because, once again, I have lost my position as Defense Against the Dark Arts professor! Harry said.

「 もしかしたら 首 に なった かも !」 ロン の 声 に 熱 が こもった 。 |くび||||||こえ||ねつ|| "Maybe I got fired!" Ron's voice was full of heat.

「 つまり だ 、 みんな あの 人 を いやがって いる し ――」 ||||じん|||| "In other words, everyone hates that person."

「 もしかしたら 」 二 人 の すぐ 背後 で ひどく 冷たい 声 が した 。 |ふた|じん|||はいご|||つめたい|こえ|| A very cold voice was heard right behind them.

「 その 人 は 、 君 たち 二 人 が 学校 の 汽車 に 乗って い なかった 理由 を お伺い しよう か と 、 お 待ち 申し上げて いる かも しれ ないで すな 」 |じん||きみ||ふた|じん||がっこう||きしゃ||のって|||りゆう||おうかがい|||||まち|もうしあげて||||| "The person may be waiting to ask why you two weren't on the school train."

ハリー が くるっと 振り向く と ―― 出た ! 冷たい 風 に 黒い ローブ を はためか せて 、 セブルス ・ スネイプ その 人 が 立って いた 。 ||くる っと|ふりむく||でた|つめたい|かぜ||くろい||||||||じん||たって| 脂っこ い 黒い 髪 を 肩 まで 伸ばし 、 痩せた 体 、 土 気色 の 顔 に 鉤 鼻 の その 人 は 、 口元 に 笑み を 浮かべて いた 。 あぶら っこ||くろい|かみ||かた||のばし|やせた|からだ|つち|けしき||かお||こう|はな|||じん||くちもと||えみ||うかべて| The man with greasy black hair stretched to his shoulders, a lean body, an earthy face and a hooked nose, had a smile on his mouth. その ほくそ笑み を みた だけ で 、 ハリー と ロン に は 、 どんなに ひどい 目 に 遭う か が よく わかった 。 |ほくそえみ||||||||||||め||あう|||| Just by looking at that smirk, I knew what Harry and Ron were going through.

「 ついてき なさい 」 スネイプ が 言った 。 ||||いった Follow me. Snape said.

二 人 は 顔 を 見合わせる 勇気 も なく 、 スネイプ の あと に 従って 、 階段 を 上がり 、 松明 に 照らさ れた がらんと した 玄関 ホール に 入った 。 ふた|じん||かお||みあわせる|ゆうき|||||||したがって|かいだん||あがり|たいまつ||てらさ||||げんかん|ほーる||はいった Without daring to look at each other, they followed Snape up the stairs and into the torch-lit hallway. 大広間 から おいし そうな 匂い が 漂って きた 。 おおひろま|||そう な|におい||ただよって| しか し 、 スネイプ は 二 人 を 、 暖かな 明るい 場所 から 遠ざかる 方 へ 、 地下 牢 に 下りる 狭い 石段 へ と 誘った 。 ||||ふた|じん||あたたかな|あかるい|ばしょ||とおざかる|かた||ちか|ろう||おりる|せまい|いしだん|||さそった However, Snape led them away from the warm light and down a narrow flight of stone steps to the dungeon.

「 入り たまえ !」 はいり|

冷たい 階段 の 中ほど で 、 スネイプ は ドア を 開け 、 その 中 を 指差した 。 つめたい|かいだん||なかほど||||どあ||あけ||なか||ゆびさした At the middle of the cold staircase, Snape opens the door and points inside.

二 人 は 震え ながら スネイプ の 研究 室 に 入った 。 ふた|じん||ふるえ||||けんきゅう|しつ||はいった 薄暗がり の 壁 の 棚 の 上 に は 、 大きな ガラス 容 器 が 並べられ 、 今 の ハリー に は 名前 を 知り たく も ない ような 、 気色 の 悪い もの が いろいろ 浮 いて いた 。 うすくらがり||かべ||たな||うえ|||おおきな|がらす|よう|うつわ||ならべ られ|いま|||||なまえ||しり|||||けしき||わるい||||うか|| On a shelf on a darkened wall, large glass containers were lined with all sorts of creepy things floating around that Harry didn't even want to know the names of. 真っ暗な 暖炉 に は 火 も ない 。 まっくらな|だんろ|||ひ|| スネイプ は ドア を 閉め 、 二 人 の 方 に 向き直った 。 ||どあ||しめ|ふた|じん||かた||むきなおった

「 なるほど 」 スネイプ は 猫撫で声 を 出した 。 |||ねこなでごえ||だした

「 有名な ハリー ・ ポッター と 、 忠実な ご 学友 の ウィーズリー は 、 あの 汽車 で は ご 不満だった 。 ゆうめいな||||ちゅうじつな||がくゆう|||||きしゃ||||ふまんだった The famous Harry Potter and his faithful schoolmate, Mr. Weasley, were not happy with the train. ドーンと ご 到着 に なりたい 。 どーんと||とうちゃく||なり たい I want to arrive with Dawn. お 二 人 さん 、 それ が お 望み だった わけ か ?」 |ふた|じん|||||のぞみ||| Two people, did you want that? "

「 違います 、 先生 。 ちがい ます|せんせい キングズ ・ クロス 駅 の 柵 の せい で 、 あれ が ――」 |くろす|えき||さく|||||

「 だまれ !」 スネイプ は 冷たく 言った 。 |||つめたく|いった "Shut up!" Snape said coldly.

「 あの 車 は 、 どう かたづけた ?」 |くるま||| "How did you get rid of that car?"

ロン が 絶句 した 。 ||ぜっく| スネイプ は 人 の 心 を 読める ので は 、 と ハリー は これ まで も 何度 か そう 思った こ と が あった 。 ||じん||こころ||よめる|||||||||なんど|||おもった|||| Snape can read people's hearts, and Harry has thought so several times before. しかし 、 わけ は すぐ わかった 。 But, I knew right away. スネイプ が 今日 の 「 夕 刉 預言 者 新聞 」 を く る くる と 広げた 。 ||きょう||ゆう||よげん|もの|しんぶん||||||ひろげた Snape spread out today's "Evening Prophet Newspaper".

「 おまえたち は 見られて いた 」  スネイプ は 新聞 の 見出し を 示して 、 押し殺した 声 で 言った 。 ||み られて||||しんぶん||みだし||しめして|おしころした|こえ||いった You were being watched," Snape said in a hushed voice, pointing to the newspaper headlines. 「 空 飛ぶ フォード ・ アングリア 、 いぶかる マグル 」 から|とぶ|ふぉーど||| "Flying Ford Anglia, Snarling Muggle."

スネイプ が 読み上げた 。 ||よみあげた

「 ロンドン で 、 二 人 の マグル が 、 郵便 局 の タワー の 上 を 中古 の アングリア が 飛んで いる の を 見た と 断言 した ...... 今日 昼 ごろ 、 ノーフォーク の ヘティ ・ ベイリス 夫人 は 、 洗濯物 を 干して いる とき 、...... ピーブルズ の アンガス ・ フリート 氏 は 警察 に 通報 した ...... 全部 で 六 、 七 人 の マグル が ...... たしか 、 君 の 父親 は マグル 製品 不正 使用 取締 局 に お 勤め でした な ?」 ろんどん||ふた|じん||||ゆうびん|きょく||たわー||うえ||ちゅうこ||||とんで||||みた||だんげん||きょう|ひる|||||べい りす|ふじん||せんたくもの||ほして|||||||うじ||けいさつ||つうほう||ぜんぶ||むっ|なな|じん|||||きみ||ちちおや|||せいひん|ふせい|しよう|とりしまり|きょく|||つとめ|| In London, two Muggles swore they saw a second-hand Anglia flying over the post office tower. ...... Mrs. Hetty Bayliss of Norfolk was hanging her laundry out to dry today, about noon. ...... Mr. Angus Fleet of Peebles called the police ...... All in all, there were six or seven Muggles ...... I believe your father worked for the Muggle Product Misuse Enforcement Agency?

スネイプ は 顔 を 上げて ロン に 向かって 一 段 と 意地 悪く ほくそ笑んだ 。 ||かお||あげて|||むかって|ひと|だん||いじ|わるく|ほくそえんだ

「 なんと 、 なんと ...... 捕らえて みれば わが 子 なり ......」 ||とらえて|||こ| "Mein, mein, mein. ...... Mein Kind, wenn du ihn fängst, ist er mein Kind ......" "What, what ... If you catch it, you'll be my child ..."

ハリー は あの 狂暴な 木 の 大き めの 枝 で 、 胃袋 を 打ちのめさ れた ような 気 が した 。 |||きょうぼうな|き||おおき||えだ||いぶくろ||うちのめさ|||き|| Harry felt like he had beaten his stomach with the large branches of that violent tree. ウィーズ リー おじさん が あの 車 に 魔法 を かけた こと が 誰 か に 知ら れたら ...... 考えて も み なかった ... ...。 |||||くるま||まほう|||||だれ|||しら||かんがえて||| If anyone knew that Uncle Weasely had cast a spell on that car ... I couldn't even think of it ... ....

「 我 輩 が 庭 を 調査 した ところ に よれば 、 非常に 貴重な 『 暴れ 柳 』 が 、 相当な 被害 を 受けた よ う である 」 スネイプ は ネチネチ 続けた 。 われ|やから||にわ||ちょうさ|||||ひじょうに|きちょうな|あばれ|やなぎ||そうとうな|ひがい||うけた||||||ねちねち|つづけた From what I have seen in my own garden," Snape continued, "it appears that some of the most valuable willows have been damaged.

「 あの 木 より 、 僕たち の 方 が もっと 被害 を 受けました ――」 ロン が 思わず 言った 。 |き||ぼくたち||かた|||ひがい||うけ ました|||おもわず|いった 「 だまら ん か !」 スネイプ が ばしっと 言った 。 ||||||いった

「 まことに 残念 至極 だ が 、 おまえたち は 我 輩 の 寮 で は ない から して 、 二 人 の 退 校 処分 は 我 輩 の 決定 する ところ で は ない 。 |ざんねん|しごく|||||われ|やから||りょう||||||ふた|じん||しりぞ|こう|しょぶん||われ|やから||けってい||||| "It's a shame, but since you're not in our dormitory, it's not up to us to decide to leave the school. これ から その 幸運な 決定 権 を 持つ 人物 たち を 連れて くる 。 |||こううんな|けってい|けん||もつ|じんぶつ|||つれて| From now on, I will bring in the people who have the lucky decision-making power. 二 人 と も 、 ここ で 待て 」 ふた|じん|||||まて

ハリー と ロン は お互いに 蒼白な 顔 を 見合わせた 。 ||||おたがいに|そうはくな|かお||みあわせた ハリー は もう 空腹 も 感じ ない 。 |||くうふく||かんじ| Harry doesn't feel hungry anymore. ただ 、 ひど く 吐き気 が した 。 |||はきけ|| I just felt so nauseous. スネイプ の 机 の 後ろ に ある 棚 に 置か れた 。 ||つくえ||うしろ|||たな||おか| It was placed on a shelf behind Snape's desk. 緑 の 液体 に プカプカ 浮いて いる なんだ か 大きくて ヌメヌメ した 得体の知れない もの を 、 ハリー は なるべく 見 ない ように し た 。 みどり||えきたい|||ういて||||おおきくて|||えたいのしれない||||||み|||| Harry tried not to look at something that was floating in the green liquid and was somewhat big and slimy. スネイプ が 、 グリフィンドール 寮 監 の マクゴナガル 先生 を 呼び に 行った と したら 、 それ で 二 人 の 状況 が よく なる わけで も ない 。 |||りょう|かん|||せんせい||よび||おこなった|||||ふた|じん||じょうきょう|||||| If Snape went to call Dr. McGonagall, the dormitory supervisor of Gryffindor, that wouldn't improve their situation. マクゴナガル 先生 は スネイプ より 公正 かも しれ ない が 、 非常に 厳格な こと に 変わり は ない 。 |せんせい||||こうせい|||||ひじょうに|げんかくな|||かわり|| Dr. McGonagall may be fairer than Snape, but he is still very strict.

十 分 後 、 スネイプ が 戻って きた 。 じゅう|ぶん|あと|||もどって| やっぱり 、 一緒に 来た の は マクゴナガル 先生 だった 。 |いっしょに|きた||||せんせい| ハ リー は 、 マクゴナガル 先生 が 怒った の を これ まで 何 度 か 見た こと は ある 。 ||||せんせい||いかった|||||なん|たび||みた||| Harry has seen Dr. McGonagall angry several times before. しかし 、 今度 ばか り は 先生 の 唇 が 、 こんなに 真一文字 に ギュッと 横 に 伸びる こと を ハリー が 忘れて いた の か 、 それとも こんなに 怒って いる の は 見た こと が ない の か どっち か だ 。 |こんど||||せんせい||くちびる|||まいちもんじ||ぎゅっと|よこ||のびる|||||わすれて||||||いかって||||みた|||||||| But this time, either Harry had forgotten that the teacher's lips stretched so tightly to the side, or that he had never seen him so angry. 部屋 に 入って くる なり 、 先生 は 杖 を 振り上げた 。 へや||はいって|||せんせい||つえ||ふりあげた As soon as he entered the room, the teacher raised his cane. 二 人 は 思わず 身 を 縮めた 。 ふた|じん||おもわず|み||ちぢめた The two involuntarily shrank. 先生 は 火の気 の ない 暖炉 に 杖 を 向け ただ け だった 。 せんせい||ひのけ|||だんろ||つえ||むけ||| The teacher just pointed his wand at the fireplace, which had no fire. 急に 炎 が 燃え上がった 。 きゅうに|えん||もえあがった

「 お 掛け なさい 」 その 一声 で 、 二 人 は あとずさり して 暖炉 の そば の 椅子 に 座った 。 |かけ|||ひとこえ||ふた|じん||||だんろ||||いす||すわった With one word, "Please sit down," the two men backed away and sat down in the chairs by the fireplace.

「 ご 説明 なさい 」 先生 の メガネ が ギラリ と 不吉に 光って いる 。 |せつめい||せんせい||めがね||||ふきつに|ひかって|

ロン が 二 人 を 跳ね つけた 駅 の 柵 の 話 から 話し はじめた 。 ||ふた|じん||はね||えき||さく||はなし||はなし|

「...... です から 、 僕たち 、 他 に 方法 が ありません でした 。 ||ぼくたち|た||ほうほう||あり ませ ん| 先生 、 僕たち 、 汽車 に 乗れ なかった ん です 」 「 なぜ 、 ふくろう 便 を 送ら なかった のです か ? あなた は ふくろう を お 持ち でしょう ?」 せんせい|ぼくたち|きしゃ||のれ||||||びん||おくら|||||||||もち| Sir, we couldn't get on the train." "Why didn't you send an owl? You have an owl, don't you?

マクゴナガル 先生 は ハリー に 向かって 冷たく 言った 。 |せんせい||||むかって|つめたく|いった

ハリー は 呆然と 口 を 開けて 先生 の 顔 を 見つめた 。 ||ぼうぜんと|くち||あけて|せんせい||かお||みつめた Harry stunnedly opened his mouth and stared at the teacher's face. そう 言わ れれば 、 たしかに その 通り だ 。 |いわ||||とおり| That's true, if you say so.

「 ぼ ―― 僕 、 思いつき も し なくて ――」 |ぼく|おもいつき||| I haven't even thought of...

「 考える こと も し なかった でしょう と も 」 マクゴナガル 先生 が 言った 。 かんがえる|||||||||せんせい||いった "I wouldn't have thought about it," said Dr. McGonagall.

ドア を ノック して 、 ますます 悦 に 入った スネイプ の 顔 が 現れた 。 どあ|||||えつ||はいった|||かお||あらわれた Knocking on the door, the face of Snape, who was more and more happy, appeared. そこ に は ダンブルドア 校長 が 立って いた 。 ||||こうちょう||たって|

ハリー は 体中 の 力 が 抜ける ような 気 が した 。 ||たいちゅう||ちから||ぬける||き|| Harry felt like he was losing power all over his body. ダンブルドア は いつも と 違って 深刻な 表情 だった 。 ||||ちがって|しんこくな|ひょうじょう| Dumbledore had an unusually serious look. 校長 先生 に 鉤鼻 越し に ジッと 見下ろさ れる と 、 ハリー は 急に 、 今 、 ロン と 一緒に 「 暴れ 柳 」 に 打ちのめされて いる 方 が 、 まだ まし と いう 気 に なった 。 こうちょう|せんせい||こうはな|こし||じっと|みおろさ|||||きゅうに|いま|||いっしょに|あばれ|やなぎ||うちのめさ れて||かた||||||き|| When the principal looked down at me through the aquiline nose, Harry suddenly felt that it was even better for him to be overwhelmed by "Rampaging Willow" with Ron. 長い 沈黙 が 流れた 。 ながい|ちんもく||ながれた ダンブルドア が 、 口 を 開いた 。 ||くち||あいた

「 どうして こんな こと を した の か 、 説明 して くれる か の ?」 |||||||せつめい|||| "Can you explain why you did this?"

むしろ 怒鳴って くれた 方 が 気 が 楽だった 。 |どなって||かた||き||らくだった I would have felt more comfortable if he had yelled at me. ハリー は 校長 先生 の 失望 した ような 声 を 聞く と 、 たまらなかった 。 ||こうちょう|せんせい||しつぼう|||こえ||きく|| Harry couldn't help but feel disappointed when he heard the principal's disappointed voice. なぜ か ハリー は 、 ダンブルドア の 顔 を まっすぐに 見る こと が でき す 、 ダン ブル ドア の 膝 を 見つめ ながら 話した 。 ||||||かお|||みる||||||ぶる|どあ||ひざ||みつめ||はなした For some reason, Harry could not look Dumbledore straight in the face, so he stared at Dumbledore's knee as he spoke. ハリー は すべて ダンブルドア に 話した が 、 ウィーズ リー 氏 が あの 魔法 が かかった 。 |||||はなした||||うじ|||まほう|| Harry told Dumbledore everything, but Mr. Weedsley had that magic. 空 飛ぶ 車 の 持ち主 だ と いう こと は 伏せて 、 ハリー と ロン が たま た ま 車 の 外 に 駐車 して あった 空 飛ぶ 車 を 見つけた ような 言い 方 を した 。 から|とぶ|くるま||もちぬし||||||ふせて||||||||くるま||がい||ちゅうしゃ|||から|とぶ|くるま||みつけた||いい|かた|| He turned down to be the owner of a flying car and said that Harry and Ron occasionally found a flying car parked outside the car. ダンブルドア は こ んな 言い 方 を して も お 見通し だ と 、 ハリー に は わかって いた が 、 車 に ついて は 一言 も 追求 が なかった 。 ||||いい|かた|||||みとおし|||||||||くるま||||いちげん||ついきゅう|| Harry knew that Dumbledore was a prospect in this way, but he didn't pursue a single word about the car. ハリー が 話し 終わって も 、 ダンブルドア は メガネ の 奥 から 二 人 を じっと 覗き つづ ける だけ だった 。 ||はなし|おわって||||めがね||おく||ふた|じん|||のぞき|||| Even after Harry had finished speaking, Dumbledore could only stare at them from behind his glasses.

「 僕たち 、 荷物 を まとめます 」 ロン が 観念 した ような 声 で 言った 。 ぼくたち|にもつ||まとめ ます|||かんねん|||こえ||いった We'll pack up," Ron said in a contemplative voice. 「 ウィーズリー 、 どういう つもり です か ?」 と マクゴナガル 先生 が が つんと 言った 。 |||||||せんせい||||いった "What are you going to do, Weasley?" Said Dr. McGonagall. 「 でも 、 僕たち を 退 校 処分 に なさる んでしょう ?」 と ロン が 言った 。 |ぼくたち||しりぞ|こう|しょぶん|||||||いった ハリー は 急いで ダンブルドア の 顔 を 見た 。 ||いそいで|||かお||みた

「 ミスター ・ ウィーズリー 、 今日 と いう わけで は ない 。 みすたー||きょう||||| "Mr. Weesley, not today. しかし 、 君 たち の やった こと の 重大 さ に ついて は 、 はっきり と 二 人 に 言って おか ねば のう 。 |きみ||||||じゅうだい|||||||ふた|じん||いって||| But I must tell them clearly about the significance of what you have done. 今晩 二 人 の ご 家族 に 、 わし から 手紙 を 書こう 。 こんばん|ふた|じん|||かぞく||||てがみ||かこう それ に 、 二 人 に は 警告 して おか ねば なら ん が 、 今後 また このような こと が あれ ば 、 わし と して も 、 二 人 を 退学 に せ ざる を えん ので な 」 ||ふた|じん|||けいこく|||||||こんご|||||||||||ふた|じん||たいがく||||||| Also, I must warn you both that if this happens again, I will have to expel you both.

スネイプ は クリスマス が おあずけ に なった ような 顔 を した 。 ||くりすます||||||かお|| Snape looked like Christmas was a mess. 咳払い を して スネイプ が 言った 。 せきばらい|||||いった 「 ダンブルドア 校長 、 この 者 たち は 『 未 成年 魔法使い の 制限 事項 令 』 を 愚 弄し 、 貴重な 古木 に 甚大なる 被害 を 与えて おります ...... このような 行為 は まさしく ......」 「 セブルス 、 この 少年 たち の 処罰 を 決める の は マクゴナガル 先生 じゃ ろう 」 ダンブルドア は 静かに 言った 。 |こうちょう||もの|||み|せいねん|まほうつかい||せいげん|じこう|れい||ぐ|ろうし|きちょうな|ふるき||じんだいなる|ひがい||あたえて|おり ます||こうい|||||しょうねん|||しょばつ||きめる||||せんせい|||||しずかに|いった 「 二 人 は マクゴナガル 先生 の 寮 の 生徒 じゃ から 、 彼女 の 責任 じゃ 」 ダンブルドア は マクゴナガル 先生 に 向かって 話 かけた 。 ふた|じん|||せんせい||りょう||せいと|||かのじょ||せきにん|||||せんせい||むかって|はなし|

「 ミネルバ 、 わし は 歓迎 会 の 方 に 戻ら ん と 。 |||かんげい|かい||かた||もどら|| 二 言 、 三 言 、 話さ ねば なら ん ので な 。 ふた|げん|みっ|げん|はなさ||||| I have to say a few words. さあ 行 こ うか の 、 セブルス 。 |ぎょう|||| うま そうな カスタード ・ タルト が ある んじゃ 。 |そう な||||| I have a delicious custard tart. わしゃ 、 あれ を 一口 食べ て みたい 」  しぶしぶ 、 自分 の 部屋 から 連れ 去ら れる ように 出て 行き ながら 、 スネイプ は 、 ロン と ハリー を 毒々しい 目つき で 見た 。 |||ひとくち|たべ||||じぶん||へや||つれ|さら|||でて|いき||||||||どくどくしい|めつき||みた Snape looked at Ron and Harry with a venomous gaze as they reluctantly walked out of the room. あと に 残さ れた 二 人 を 、 マクゴナガル 先生 が 、 相変わらず 怒 れる 鷲 の ような 目 で 見据えて いた 。 ||のこさ||ふた|じん|||せんせい||あいかわらず|いか||わし|||め||みすえて| McGonagall was still looking at them with the eyes of an angry eagle.

「 ウィーズリー 、 あなた は 医務 室 に 行った 方 が よい でしょう 。 |||いむ|しつ||おこなった|かた||| 血 が 出て います 」 「たいした こと ありません 」  ロン が 慌てて 袖 で まぶた の 切り傷 を 拭った 。 ち||でて|い ます|||あり ませ ん|||あわてて|そで||||きりきず||ぬぐった You're bleeding." "It's nothing," said Ron, hurriedly wiping the cut on his eyelid with his sleeve. 「 先生 、 僕 の 妹 が 組 分け さ れる ところ を 見たい と 思って いた のです が ――」 「 組 分け の 儀式 は 終わりました 。 せんせい|ぼく||いもうと||くみ|わけ|||||み たい||おもって||||くみ|わけ||ぎしき||おわり ました あなた の 妹 も グリフィンドール です 」 「 あぁ 、 よかった 」 ||いもうと|||||

「 グリフィンドール と いえば ――」 マクゴナガル 先生 の 声 が 厳しく なった 。 ||||せんせい||こえ||きびしく| Speaking of Gryffindor," McGonagall's voice grew stern. が 、 ハリー が そ れ を 遮った 。 ||||||さえぎった But Harry interrupted him.

「 先生 、 僕たち が 車 に 乗った とき は 、 まだ 新 学期 は 始まって い なかった のです から 、 で すら か ―― あの 、 グリフィンドール は 、 減点 さ れ ない はずです よ ね 。 せんせい|ぼくたち||くるま||のった||||しん|がっき||はじまって|||||||||||げんてん|||||| "Teacher, when we got in the car, the new semester hadn't started yet, so even ――Gryffindor shouldn't be deducted, right? 違います か ?」  言い 終えて 、 ハリー は 心配 そうに 、 先生 の 顔色 を うかがった 。 ちがい ます||いい|おえて|||しんぱい|そう に|せんせい||かおいろ|| After saying that, Harry worriedly asked the teacher's complexion. マクゴナガル 先生 は 射る ような 目 を 向けた が 、 ハリー は 先生 が たしかに 微笑み を もらし そう に なった と 思った 。 |せんせい||いる||め||むけた||||せんせい|||ほおえみ|||||||おもった Dr. McGonagall turned his eyes to shoot, but Harry thought he was about to smile. 少 なく と も 、 先生 の 唇 の 真一文字 が 少 し 緩んだ 。 しょう||||せんせい||くちびる||まいちもんじ||しょう||ゆるんだ At least, the straight edge of the teacher's lips relaxed a little.

「 グリフィンドール の 減点 は いたしません 」  先生 の 言葉 で ハリー の 気持ち が ずっと 楽に なった 。 ||げんてん||いたし ませ ん|せんせい||ことば||||きもち|||らくに| 「 ただし 、 二 人 と も 罰則 を 受ける と に なります 」  ハリー に とって 、 これ は 思った より ましな 結果 だった 。 |ふた|じん|||ばっそく||うける|||なり ます||||||おもった|||けっか| "However, both of us will be penalized." For Harry, this was a better result than expected. ダンブルドア が ダーズリー 気 に 手紙 を 書く こと など 、 ハリー に は 問題 に なら なかった 。 |||き||てがみ||かく||||||もんだい||| It didn't matter to Harry, such as Dumbledore writing a letter to Dursley. あの 人 たち に して みれば 、「 暴れ 柳 」 が ハリー を ペシャンコ に して くれ なかった こと だけ が 残念だろう 。 |じん|||||あばれ|やなぎ||||||||||||ざんねんだろう

マクゴナガル 先生 は 再び 杖 を 振り上げ 、 スネイプ の 机 に 向けて 振り下ろした 。 |せんせい||ふたたび|つえ||ふりあげ|||つくえ||むけて|ふりおろした McGonagall raised her wand again and pointed it at Snape's desk. 大きな サンド イッチ の 皿 、 杯 が 二 つ 、 冷たい 魔女 かぼちゃ ジュース が 、 ポン と 音 を たてて 現れた 。 おおきな||||さら|さかずき||ふた||つめたい|まじょ||じゅーす||||おと|||あらわれた A large sandwich dish, two cups, and a cold witch pumpkin juice were served with a clink of the hand.

「 ここ で お 食べ なさい 。 |||たべ| 終わったら まっすぐに 寮 に お 帰り なさい 。 おわったら||りょう|||かえり| When you're done, go straight back to your dormitory. 私 も 歓迎 会 の 方 に 戻ら な ければ なりません 」  先生 が ドア を 閉めて 行って しまう と 、 ロン は ヒューッ と 低く 長い 口笛 を 吹いた 。 わたくし||かんげい|かい||かた||もどら|||なり ませ ん|せんせい||どあ||しめて|おこなって|||||||ひくく|ながい|くちぶえ||ふいた As soon as the teacher closed the door behind him, Ron let out a long, low whistle. 「 もう ダメ か と 思った よ 」 サンドイッチ を ガバッ と つかみ ながら 、 ロン が 言った 。 |だめ|||おもった||さんどいっち||||||||いった I thought I was going to lose it," Ron said as he grabbed a sandwich.

「 僕 も だ よ 」 ハリー も 一 つ つかんだ 。 ぼく||||||ひと||

「 だけど 、 僕たちって 信じられ ない ぐらい ついて ない ぜ 」 ロン が チキン と ハム を いっぱい 積 め 込んだ 口 を モゴモゴ さ せて 言った 。 |ぼくたち って|しんじ られ||||||||||はむ|||せき||こんだ|くち|||||いった But we're incredibly unlucky," Ron said, his mouth full of chicken and ham. 「 フレッド と ジョージ なんか 、 あの 車 を 五 回 も 六 回 も 飛ばして る のに 、 あの 二 人 は 一 度 だって マグル に 見られて ない んだ 」  ロン は ゴクン と 飲み込む と 、 また 大口 を 開けて つぶやいた 。 ||じょーじ|||くるま||いつ|かい||むっ|かい||とばして||||ふた|じん||ひと|たび||||み られて|||||||のみこむ|||おおぐち||あけて| Fred and George have flown that car five or six times and they've never been seen by Muggles," Ron mumbled, opening his big mouth again after swallowing hard. 「 だけど 、 どうして 柵 を 通り抜けられ なかった んだろう ?」  ハリー は 肩 を ちょっと すくめて 、 わから ない と いう しぐさ を した 。 ||さく||とおりぬけ られ|||||かた|||||||||| But why couldn't he get through the fence? Harry shrugged his shoulders a little and made a gesture as if he didn't understand. 「 だけど 、 これ から は 僕たち 慎重に 行動 し なくちゃ 」 ||||ぼくたち|しんちょうに|こうどう|| "But from now on, we have to act carefully."

ハリー は 冷たい 魔女 かぼちゃ ジュース を 、 喉 を 鳴らして 飲み ながら 言った 。 ||つめたい|まじょ||じゅーす||のど||ならして|のみ||いった Harry said cold witch pumpkin juice, snorting and drinking.

「 歓迎 会 に 行き たかった なぁ ......」 かんげい|かい||いき|| "I wanted to go to the welcome party ..."

「 マクゴナガル 先生 は 僕たち が 目立って は いけない と 考えた んだ 。 |せんせい||ぼくたち||めだって||||かんがえた| "Mr. McGonagall thought we shouldn't stand out. 車 を 飛ば せて 到着 した の が かっこいい なんて 、 みんな が そう 思ったら いけないって 」 ロン が 神妙に 言った 。 くるま||とば||とうちゃく|||||||||おもったら|いけない って|||しんみょうに|いった Ron said mysteriously, "We can't let everyone think it's cool that we arrived by flying car. サンドイッチ を 食べたい だけ 食べる と 、( 大 皿 は 空 に なる と また ひとりでに サンドイッチ が 現れた )、 二 人 は スネイプ の 研究 室 を 出て 、 通い なれた 通路 を グリフィンドール 塔 に 向かって トボトボ 歩いた 。 さんどいっち||たべ たい||たべる||だい|さら||から||||||さんどいっち||あらわれた|ふた|じん||||けんきゅう|しつ||でて|かよい||つうろ|||とう||むかって|とぼとぼ|あるいた After eating as many sandwiches as they wanted (the platter emptied and the sandwiches appeared on their own again), they left Snape's laboratory and trudged down the familiar aisle toward Gryffindor Tower. 城 は 静まり返って いる 。 しろ||しずまりかえって| 歓迎 会 は 終わった らしい 。 かんげい|かい||おわった| I heard that the welcome party was over. ボソボソ ささやく 肖 僕 や 、 ギーギー 軋む 鎧 を いくつか 通り過ぎ 、 狭い 石段 を 上り 、 やっと 寮 へ の 秘密の 入口 が 隠されて いる 廊下 に たどり着いた 。 ぼそぼそ||しょう|ぼく|||きしむ|よろい||いく つ か|とおりすぎ|せまい|いしだん||のぼり||りょう|||ひみつの|いりぐち||かくさ れて||ろうか||たどりついた After passing by whispering portraits and creaking armor, we climbed the narrow stone steps and finally reached the hallway where the secret entrance to the dormitory was hidden. ピンク の 絹 の ドレス を 着た とて も 太った 婦人 の 油絵 が か かって いる 。 ぴんく||きぬ||どれす||きた|||ふとった|ふじん||あぶらえ||||

二 人 が 近づく と 婦人 が 「 合言葉 は ?」 と 聞いた 。 ふた|じん||ちかづく||ふじん||あいことば|||きいた

「 えー と ――」 と ハリー 。

二 人 と も まだ グリフィンドール の 監督 生 に 会って いない ので 、 新 学期 の 新しい 合言葉 を 知ら なかった 。 ふた|じん||||||かんとく|せい||あって|||しん|がっき||あたらしい|あいことば||しら| しかし 、 すぐに 助け 舟 が やってきた 。 ||たすけ|ふね|| 後ろ の 方 から 急ぎ足 で 誰 か が やってくる 。 うしろ||かた||いそぎあし||だれ||| 振り返る と ハーマイオニー が こっち に ダッシュ して くる 。 ふりかえる||||||だっしゅ||

「 やっと 見つけた ! いったい どこ に 行って た の ? バカバカしい うわさ が 流れて ―― 誰 か が 言って た けど 、 あなた たち が 空 飛ぶ 車 で 墜落 して 退 校 処分 に なったって 」 「 ウン 、 退 校 処分 に は なら なかった 」 ハリー は ハーマイオニー を 安心 さ せた 。 |みつけた||||おこなって|||ばかばかしい|||ながれて|だれ|||いって||||||から|とぶ|くるま||ついらく||しりぞ|こう|しょぶん||なった って||しりぞ|こう|しょぶん|||||||||あんしん|| "I finally found you! Where the hell have you been? There was a ridiculous rumor going around that you and your friends had crashed in a flying car and were expelled. 「 まさか 、 ほんとに 空 を 飛んで ここ に 来た の ?」 ハーマイオニー は まるで マクゴナガル 先生 の ような 厳しい 声 で 言った 。 ||から||とんで|||きた||||||せんせい|||きびしい|こえ||いった Don't tell me you really flew all the way up here? Hermione sounded as stern as Professor McGonagall. 「 お 説教 は やめろ よ 」 ロン が イライラ して 言った 。 |せっきょう||||||いらいら||いった Stop lecturing me," Ron said, annoyed. 「 新しい 合言葉 、 教えて くれよ 」 「『 ミミダレミツスイ 《 ワトルバード 》』 よ 。 あたらしい|あいことば|おしえて|||| Tell me your new password, it's "Mimidare Mitsusui Wattlebird". でも 、 話 を そらさ ないで ――」 ハーマイオニー も イライラ と 言った 。 |はなし||||||いらいら||いった But don't change the subject," Hermione said, also annoyed.

しかし 、 彼女 の 言葉 も そこ まで だった 。 |かのじょ||ことば|||| But that was as far as she got. 太った 婦人 の 肖僕 画 が パッと 開く と 、 突然 ワッ と 拍 手 の 嵐 だった 。 ふとった|ふじん||しょうぼく|が||ぱっと|あく||とつぜん|||はく|て||あらし| When the picture of the fat lady in painting popped open, suddenly there was a storm of applause. グリフィンドール の 寮生 は 、 全員 まだ 起きて いる 様子 だった 。 ||りょうせい||ぜんいん||おきて||ようす| The Gryffindor housemates all seemed to still be awake. 丸い 談話 室 いっぱい に 溢れ 、 傾いた テーブル の 上 や 、 ふか ふか の 肱 掛 椅子 の 上 に 立ち上がったり して 、 二 人 の 到着 を 待って いた 。 まるい|だんわ|しつ|||あふれ|かたむいた|てーぶる||うえ|||||ひじ|かかり|いす||うえ||たちあがったり||ふた|じん||とうちゃく||まって| The round lounge was full, standing on a sloping table or on a fluffy elbow chair, waiting for the two to arrive. 肖僕 画 の 穴 の 方 に 何 本 も 腕 が 伸びて きて 、 ハリー と ロン を 部屋 の 中 に 引っ張り 入れた 。 しょうぼく|が||あな||かた||なん|ほん||うで||のびて||||||へや||なか||ひっぱり|いれた A number of arms extended into the holes in the picture, and Harry and Ron were pulled into the room. 取り残さ れた ハーマイオニー は 一 人 で 穴 を よじ登って あと に 続いた 。 とりのこさ||||ひと|じん||あな||よじのぼって|||つづいた

「 やる なぁ ! 感動 的だ ぜ ! なんて ご 登場 だ ! 車 を 飛ばして 『 暴れ 柳 』 に 突っ込む なんて 、 何 年 も 語り草 に なる ぜ !」 リー ・ ジョーダン が 叫んだ 。 ||かんどう|てきだ||||とうじょう||くるま||とばして|あばれ|やなぎ||つっこむ||なん|とし||かたりぐさ|||||||さけんだ "Don't do it! It's moving! What an appearance! It's been a story for years to fly a car and plunge into" Rampaging Willow "!" Lee Jordan shouted.

「 よく やった 」 "Well done."

ハリー が 一 度 も 話した こと が ない 五 年生 が 話しかけて きた 。 ||ひと|たび||はなした||||いつ|ねんせい||はなしかけて| A fifth grader, whom Harry has never spoken to, spoke to me. ハリー が たった今 、 マラソン で 優勝 テープ を 切った か の ように 、 誰 か が 背中 を ポンポン 叩いた 。 ||たったいま|まらそん||ゆうしょう|てーぷ||きった||||だれ|||せなか||ぽんぽん|たたいた Harry has just won the marathon. Someone slammed his back, as if he had cut the tape. フレッド と ジョージ が 人波 を 掻き分けて 前 の 方 に やってきて 、 口 を そろえて 言った 。 ||じょーじ||ひとなみ||かきわけて|ぜん||かた|||くち|||いった Fred and George came to the front through the crowd and said in unison.

「 オイ 、 なんで 、 俺 たち を 呼び戻して くれ なかった んだ よ 」 おい||おれ|||よびもどして|||| "Oh, why didn't you call us back?"

ロン は きまり 悪 そうに 笑い ながら 顔 を 紅潮 さ せて いた が 、 ハリー は 一 人 だけ 不機嫌な 顔 を し た 生徒 に 気づいた 。 |||あく|そう に|わらい||かお||こうちょう|||||||ひと|じん||ふきげんな|かお||||せいと||きづいた Ron was flushing his face with a nasty laugh, but Harry noticed only one student with a moody face. はしゃいで いる 一 年生 たち の 頭 の むこうに 、 パーシー が はっきり 見え た 。 ||ひと|ねんせい|||あたま||||||みえ| Percy was clearly visible beyond the heads of the frolicking first graders. ハリー たち に 十分 近づいて から 、 しかりつけよう と こっち へ 向かって くる 。 |||じゅうぶん|ちかづいて||||||むかって| After getting close enough to Harry and the others, he heads over here to squeeze. ハリー は ロ ン の 脇腹 を 小突いて 、 パーシー の 方 を 顎 で しゃくった 。 |||||わきばら||こづいて|||かた||あご||しゃく った Harry poked Ron in the side and inch Percy with his chin. ロン は すぐに 察した 。 |||さっした Ron immediately noticed.

「 ベッド に 行か なくちゃ ―― ちょっと 疲れた 」 べっど||いか|||つかれた "I have to go to bed-I'm a little tired."

ロン は そう 言う と 、 ハリー と 二 人 で 部屋 の むこう 側 の ドア に 向かった 。 |||いう||||ふた|じん||へや|||がわ||どあ||むかった そこ から 螺旋 階段 が 寝室 へ と 続いて いる ハリー は 、 パーシー と 同じ ように しかめっ面 を して いる ハーマイオニー に 呼びかけた 。 ||らせん|かいだん||しんしつ|||つづいて||||||おなじ||しかめ っ おもて||||||よびかけた From there, a spiral staircase leads to a bedroom where Harry calls out to Hermione, who is frowning like Percy. 背中 を パシパシ 叩か れ ながら 、 二 人 は なんとか 部屋 の 反対 側 に たどり着き 、 螺旋 階段 で やっと 静けさ を 取り戻した 。 せなか|||たたか|||ふた|じん|||へや||はんたい|がわ||たどりつき|らせん|かいだん|||しずけさ||とりもどした With a pat on the back, they managed to reach the other side of the room and finally regained some peace and quiet on the spiral staircase. 急いで 上 まで 駆け上り 、 とうとう 懐かしい 部屋 の 前 に 着いた 。 いそいで|うえ||かけあがり||なつかしい|へや||ぜん||ついた ドア に は 今度 は 「 二 年生 」 と 書いて ある 。 どあ|||こんど||ふた|ねんせい||かいて| 中 に 入る と 、 丸い 部屋 、 赤い ベルベット の カーテン が かかった 四 本 柱 の ある ベッド が 五 つ 、 細長い 高 窓 、 見なれた 光景 だった 。 なか||はいる||まるい|へや|あかい|||かーてん|||よっ|ほん|ちゅう|||べっど||いつ||ほそながい|たか|まど|みなれた|こうけい| 二 人 の トランク は もう 運び込まれて いて 、 ベッド の 端 の 報 に 置いて あった 。 ふた|じん||とらんく|||はこびこま れて||べっど||はし||ほう||おいて| ロン は ハリー を 見て 、 バツ が 悪 そうに ニヤッ と 笑った 。 ||||みて|ばつ||あく|そう に|||わらった When Ron saw Harry, he grinned badly. 「 僕 、 あそこ で 喜んだり なんか しちゃ いけないって 、 わかって た んだ けど 、 でも ――」  ドア が パッと 開いて 同質の グリフィンドール 二 年生 が なだれ込んで きた 。 ぼく|||よろこんだり|||いけない って||||||どあ||ぱっと|あいて|どうしつの||ふた|ねんせい||なだれこんで| "I knew I shouldn't be happy or something over there, but--" The door popped open and a homogeneous Gryffindor sophomore rushed in. シェーマス ・ フィ ネガン 、 ディーン ・ トーマス 、 ネビル ・ ロングボトム だ 。 Shamus Finnegan, Dean Thomas, Neville Longbottom.

「 ほんと か よ !」 シェーマス が ニッコリ した 。 |||||にっこり|

「 かっこいい 」 と ディーン が 言った 。 ||||いった

「 すごい なあ 」 ネビル は 感動 で 打ちのめされて いた   ハリー も 我慢 でき なく なった 。 ||||かんどう||うちのめさ れて||||がまん||| Neville was so overcome with emotion that even Harry couldn't stand it anymore. そして ニヤッ と 笑った 。 |||わらった And I grinned.