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2 - Harry Potter, 3.2 隠れ穴 -The Burrow

3.2 隠れ穴 -The Burrow

この 調子 が まるで 何 時間 も 続いた か の ようだった 。 ウィーズリー 夫人 は 声 が かれる まで 怒鳴 り 続け 、 それ から ハリー の 方 に 向き直った 。 ハリー は たじたじ と 、 あとずさり した 。

「 まあ 、 ハリー 、 よく 来て くださった わ ねえ 。 家 へ 入って 、 朝食 を どうぞ 」

ウィーズリー 夫人 は そう 言う と 、 クルリ と 向き を 変えて 家 の 方 に 歩き 出した 。 ハリー は どう しよう か と ロン を ちらり と 見た が 、 ロン が 大丈夫 と いう ように 頷いた ので 、 あと に ついて いった 。

台所 は 小さく 、 かなり 狭苦しかった 。 しっかり 洗い 込ま れた 木 の テーブル と 椅子 が 、 真ん中 に 置かれて いる 。 ハリー は 椅子 の 端っこ に 腰掛けて 周り を 見渡した 。 ハリー は 魔法使い の 家 に これ まで 一 度 も 入った こと が なかった 。

ハリー の 反対 側 の 壁 に かかって いる 時計 に は 針 が 一 本 しか なく 、 数字 が 一 つ も 書かれて い な い 。 そのかわり 、「 お茶 を 入れる 時間 」「 鶏 に 餌 を やる 時間 」「 遅刻 よ 」 など と 書き込まれ ていた 。 暖炉 の 上 に は 本 が 三 段 重ね に 積まれて いる 。 「 自家製 魔法 チーズ の 作り 方 」「 お 菓子 を つくる 楽しい 呪文 」「 一 分間 で ご馳走 を ―― まさに 魔法 だ !」 など の 本 が ある 。 流し の 脇 に 置か れた 古ぼけた ラジオ から 、 放送 が 聞えて きた 。 ハリー の 耳 が 確か なら 、 こう 言って いる 。 「 次 は 魔女 の 時間 です 。 人気 歌手 の 魔女 セレスティナ ・ ワーベック を お迎え して お 送りします 」 ウィーズリー 夫人 は 、 あちこち ガチャガチャ いわ せ ながら 、 行き当たり ばったり 気味に 食事 を 作って いた 。 息子 たち に は 怒り の まなざし を 投げ 、 フライパン に ソーセージ を 投げ入れ た 。 時々 低い 声 で 「 おまえたち と きたら 、 いったい 何 を 考えて る やら 」 と か 、「 こんな こ と 、 絶対 思って も み なかった わ 」 と ぶづふつ 言った 。

「 あなた の こと は 責めて いません よ 」 ウィーズリー 夫人 は フライパン を 傾けて 、 ハリー の お 皿 に 八 本 も 九 本 も ソーセージ を 滑り込 ませ ながら 念 を 押した 。 「 アーサー と 二 人 で あなた の こと を 心配 して いた の 。 昨夜 も 、 金曜日 まで に あなた から ロン へ の 返事 が 来 なかったら 、 わたし たち が あなた を 迎え に 行こうって 話し を して ぐらい よ 。 で も ねえ 」( 今度 は 目玉焼き が 三 個 も ハリー の 皿 に 入れられた )「 不正 使用 の 車 で 国土 の 半分 も 飛んで くる なんて ―― 誰 か に 見られて も おかしく ない でしょう ――」 彼女 が あたりまえの ように 、 流し に 向かって 杖 を 一 振り する と 、 中 で 勝手に 皿洗い が 始 まった 。 カチャカチャ と 軽い 音 が 聞えて きた 。

「 ママ 、 曇り空 だった よ 」 と フレッド 。

「 物 を 食べて る とき は おしゃべり し ない こと !」 ウィーズリー 夫人 が 一喝 した 。

「 ママ 、 連中 は ハリー を 餓死 さ せる ところ だった んだ よ 」 と ジョージ 。

「 おまえ も お 黙り !」 と ウィーズリー 夫人 が 怒鳴った 。 その あと ハリー の ため に パン を 切って 、 バター を 塗り はじめる と 、 前 より 和らいだ 表情 に なった 。 その とき 、 みんな の 気 を そらす こと が 起こった 。 ネグリジェ 姿 の 小さな 赤毛 の 子 が 、 台所 に 洗わ れた と 思う と 、「 キャッ 」 と 小さな 悲鳴 を あげて 、 また 走り去って しまった のだ 。

「 ジニー 」 ロン が 小声 で ハリー に ささやいた 。 「 妹 だ 。 夏 休み 中 ずっと 、 君 の こと ばっかり 話して た よ 」

「 あぁ 、 ハリー 、 君 の サイン を 欲しがる ぜ 」 フレッド が ニヤッ と した が 、 母親 と 目 が 合う と 途端 に うつむいて 、 あと は 黙々と 朝食 を 食べた 。 四 つ の 皿 が 空 に なる まで ―― あっという間 に 空 に なった が ―― あと は 誰 も 一言 も しゃべら なかった 。

「 なんだ が 疲れた ぜ 」

フレッド が やっと ナイフ と フォーク を 置き 、 あくび を した 。

「 僕 、 ベッド に 行って ......」

「 行きません よ 」 ウィーズリー 夫人 の 一言 が 飛んで きた 。 「 夜中 起きて いた の は 自分 が 悪い んです 。 庭 に 出て 庭 小人 を 駆除 し なさい 。 また 手 に 負えな い くらい 増えて います 」 「 ママ 、 そんな ――」 「 おまえたち 二 人 も です 」 夫人 は ロン と フレッド を ギロッ と にらみつけた 。 「 ハリー 。 あなた は 上 に 行って 、 お 休み なさい な 。 あの しょう も ない 車 を 飛ば せて くれって 、 あなた が 頼んだ わけじゃ ない んです もの 」 「 僕 、 ロン の 手伝い を します 。 庭 小人 駆除 って 見た こと が ありません し ......」 パッチリ 目 が 覚めて いた ハリー は 、 急いで そう 言った 。 「 まあ 、 やさしい 子 ね 。 でも 、 つまらない 仕事 な の よ 」 と ウィーズリー 夫人 が 言った 。 「 さて 、 ロックハート が どんな こと を 書いて いる か 見て みましょう 」 ウィーズリー 夫人 は 暖炉 の 上 の 本 の 山 から 、 分厚い 本 を 引っ張り出した 。 「 ママ 、 僕たち 、 庭 小人 の 駆除 の やり 方 ぐらい 知って る よ 」 ジョージ が 唸った 。 ハリー は 本 の 背 表紙 を 見て 、 そこ に デカデカ と 書かれて いる 豪華な 金 文字 の 書名 を 読んだ 。 「 ギルデロイ ・ ロックハート の ガイドブック ―― 一般 家庭 の 害虫 」

表紙 に は 大きな 写真 が 見える 。 波打つ ブロンド 、 輝く ブルー の 瞳 の 、 とても ハンサムな 魔法 使い だ 。 魔法 界 で は あたりまえの こと だ が 、 写真 は 動いて いた 。 表紙 の 魔法使い ―― ぎ ろ な んだろう な 、 と ハリー は 思った ―― いたずらっぽい ウィンク を 投げ 続けて いる 。 ウィーズリー 夫人 は 写真 に 向かって にっこり した 。

「 あぁ 、 彼って すばらしい わ 。 家庭 の 害虫 に ついて ほんとに よく ご存知 。 この 本 、 とても い い 本 だ わ ......」

「 ママったら 、 彼 に お 熱 な んだ よ 」 フレッド は わざと 聞える ような ささやく 声 で 言った 。 「 フレッド 、 バカな こと を 言う んじゃ ない わ よ 」 ウィーズリー 夫人 は 、 頬 を ほんのり 紅らめて いた 。

「 いい でしょう 。 ロックハート より よく 知っている と 言う の なら 、 庭 に 出て 、 お 手並み を み せて いただきましょう か 。 あと で わたし が 点検 に 行った とき に 、 庭 小人 が 一 匹 でも 生き残って たら 、 その とき 後悔 して も 知りません よ 」 あくび を し ながら 、 ぶつ くさ 言い ながら 、 ウィーズリー 三 兄弟 は だらだら と 庭 に 出た 。 ハリー は その あと に 従った 。 広い 庭 で 、 ハリー は これ こそ 庭 だ と 思えた 。 ダーズリー 一家 は きっと 気 に いら ない だろう ―― 雑草 が 生い茂り 、 芝生 は 伸び 放題 だった 。 しかし 、 壁 の 周り は 曲がりくねった 木 で くぐるり と 囲ま れ 、 花壇 と いう 花壇 に は 、 ハリー が 見た こと も ない よう な 植物 が 溢れる ばかりに 茂って いた し 、 大きな 緑色 の 池 は 蛙 で いっぱいだった 。

「 マグル の 庭 に も 飾り 用 の 小人 が 置いて ある の 、 知って る だ ろ 」 ハリー は 芝生 を 横切り ながら ロン に 言った 。

「 あぁ 、 マグル が 庭 小人 だ と 思って いる やつ は 見た こと が ある 」 ロン は 腰 を 曲げて 芍薬 の 茂み に 首 を 突っ込み なから 忚 えた 。 「 太った サンタクロース の 小さい の が 釣り竿 を 持って る ような 感じ だった な 」 突然 ドタバタ と 荒っぽい 音 が して 、 芍薬 の 茂み が 震え 、 中 から ロン が 立ち上がった 。 「 これ ぞ 」 ロン が 重々しく 言った 。 「 ほんとの 庭 小人 な んだ 」 「 放せ ! 放し やがれ !」 小人 は キーキー 喚 いた 。

なるほど 、 サンタクロース と は 似て も 似つか ない 。 小さく 、 ゴワゴワ した 感じ で 、 ジャガイモ そっくり の 凸凹 した 大きな 禿頭 だ 。 硬い 小さな 足 で ロン を 蹴飛ばそう と 暴れる ので 、 ロン は 腕 を 伸ばして 小人 を つかんで いた 。 それ から 足首 を つかんで 小人 を さかさまに ぶら下げ た 。

「 こう やら ない とけい ない んだ 」

ロン は 小人 を 頭 の 上 に 持ち上げて (「 放せ !」 小人 が 喚 いた ) 投げ 縄 を 投げる ように 大きく 円 を 描いて 小人 を 振り回し はじめた 。 ハリー が ショック を 受けた ような 顔 を して いる ので 、 ロン が 説明 した 。 「 小人 を 傷つける わけじゃ ない んだ ―― ただ 、 完全に 目 を 回さ せて 、 巣 穴 に 戻る 道 が わかん ない ように する んだ 」

ロン が 小人 の 踵 から 手 を 放す と 、 小人 は 宙 を 飛んで 、 五 、 六 メートル 先 の 垣根 の 外側 の 草 む ら に ドサッ と 落ちた 。

「 それっぽっち か !」 フレッド が 言った 。 「 俺 なんか あの 木 の 切り株 まで 飛ばして みせる ぜ 」

ハリー も たちまち 小人 が かいわ そう だ と 思わ ない ように なった 。 捕獲 第 一 号 を 垣根 の むこう に そっと 落として やろう と した 途端 、 ハリー の 弱気 を 感じ取った 小人 が かみそり の ような 刃 を ハリー の 指 に 食い込ま せた のだ 。 ハリー は 振り払おう と して さんざん てこずり 、 ついに ― ―

「 ひ ゃ ー 、 ハリー 、 十五 、 六 メートル は 飛んだ ぜ ......」

宙 を 舞う 庭 小人 で たちまち 空 が 埋め尽くさ れた 。

「 な ? 連中 は あんまり 賢く ないだ ろ 」

一度に 五 、 六 匹 を 取り押さえ ながら ジョージ が 言った 。

「 庭 小人 駆除 が 始まった と わかる と 、 連中 は 寄ってたかって 見物 に 来る んだ よ 。 巣 穴 の 中 で じっと して いる 方 が 安全だって 、 いいかげん わかって も いい ころ な のに さ 」 やがて 、 外 の 草むら に 落ちた 庭 小人 の 群れ が 、 あちこち から だらだら と 列 を 作り 、 小さな 背 中 を 丸めて 歩き 出した 。 「 また 戻って くる さ 」 小人 たち が 草むら の むこうの 垣根 の 中 へ と 姿 を くらます の を 見 ながら ロン が 言った 。

「 連中 は ここ が 気 に 入って る んだ から ...... パパったら 連中 に 甘い んだ 。 おもしろい やつら だ と 思って る らしくて ......」

ちょうど その とき 、 玄関 の ドア が バタン と 音 を たてた 。

「 うわさ を すれば 、 だ !」 ジョージ が 言った 。 「 親父 が 帰って きた !」

四 人 は 大急ぎで 庭 を 横切り 、 家 に 駆け 戻った 。

ウィーズリー 氏 は 台所 の 椅子 に ドサッ と 倒れ込み 、 メガネ を はずし 、 目 を つむって いた 。 細身 で 禿げて いた が 、 わずかに 残って いる 髪 は 子供 たち と まったく 同じ 赤毛 だった 。 ゆったり と 長い 緑 の ローブ は 埃っぽく 、 旅 疲れ して いた 。 「 ひどい 夜 だった よ 」 子供 たち が 周り に 座る と 、 ウィーズリー 氏 は お茶 の ポット を まさぐり ながら つぶやいた 。

「 九 件 も 抜き打ち 調査 した よ 。 九 件 も だ ぞ ! マンダンガス ・ フレッチャー の やつ め 、 わたし が ちょっと 後ろ を 向いた すきに 呪い を かけよう と し ......」

ウィーズリー 氏 は お茶 を ゆっくり 一口 飲む と 、 フーッ と ため息 を ついた 。

「 パパ 、 なんか おもしろい もの 見つけた ?」 と フレッド が 急き込んで 聞いた 。

「 わたし が 押収 した の は せいぜい 、 縮む 鍵 数 個 と 、 噛みつく やかん が 一 個 だけ だった 」 ウィーズリー 氏 は あくび を した 。

「 かなり すごい の も 一 つ あった が 、 わたし の 管轄 じゃ なかった 。 モートレイク が 引っ張ら れ て 、 なにやら ひどく 奇妙な イタチ の こと で 尋問 を 受ける こと に なった が 、 ありゃ 、 実験 的 呪 文 委員 会 の 管轄 だ 。 やれやれ ......」

「 鍵 なんか 縮む ように して 、 なん に なる の ?」 ジョージ が 聞いた 。

「 マグル を からかう 餌 だ よ 」 ウィーズリー 氏 が また ため息 を ついた 。 「 マグル に 鍵 を 売って 、 いざ 鍵 を 使う とき に は 縮んで 鍵 が 見つから ない ように して しまう んだ ...... もちろん 、 犯人 を 挙げる こと は 至極 難しい 。 マグル は 鍵 が 縮んだ なんて 誰 も 認め ない し ―― 連中 は 鍵 を 失くし たって 言い張る んだ 。 まったく おめでたい よ 。 魔法 を 鼻先 に 突きつけられたって 徹底 的 無視 しよう と する んだ から ......。 しかし 、 我々 の 仲間 が 魔法 を かけた 物 と きたら 、 まったく 途方 も ない 物 が ――」

「 たとえば 車 なんか ?」

ウィーズリー 夫人 が 登場 した 。 長い 火掻き棒 を 刀 の ように 構えて いる 。 ウィーズリー 氏 の 目 が パッチリ 開いた 。 奥さん を バツ の 悪 そうな 目 で 見た 。

「 モリー 、 母さん や 。 く 、 くるま と は ?」

「 ええ 、 アーサー 、 その くるま です 」 ウィーズリー 夫人 の 目 は ランラン だ 。 「 ある 魔法使い が 錆 ついた おんぼろ 車 を 買って 、 奥さん に は 仕組み を 調べる ので 分解 する と なんか と か 言って 実は 呪文 を かけて 車 が 飛べる ように した 、 と いう お 話 が あります わ 」 ウィーズリー 氏 は 目 を パチクリ した 。 「 ねえ 、 母さん 。 わかって もらえる と 思う が 、 それ を やった 人 は 法律 の 許す 範囲 で やって い る んで 。 ただ 、 えー 、 その 人 は むしろ 、 えへん 、 奥さん に 、 なんだ 、 それ 、 ホントの こと を ......、 法律 と いう の は 知って の 通り 、 抜け穴 が あって ...... その 車 を 飛ばす つもり が なければ 、 その 車 が たとえ 飛ぶ 能力 を 持って いた と して も 、 それ だけ で は ――」

「 アーサー ・ ウィーズリー 。 あなた が 法律 を 作った とき に 、 しっかり と 抜け穴 を 書き込んだ んでしょう ! 申し上げます が 、 ハリー が 今朝 到着 しました よ 。 あなた が 飛ばす つもり が ない と 言った 車 で ね !」

「 ハリー ?」 ウィーズリー 氏 は ポカン と した 。 「 どの ハリー だ ね ?」 ぐるり と 見渡して ハリー を 見つける と 、 ウィーズリー 氏 は 飛び上がった 。 「 なんと まあ 、 ハリー ・ ポッター 君 かい ? よく 来て くれた 、 ロン が いつも 君 の こと を ――」 「 あなた の 息子 たち が 、 昨夜 ハリー の 家 まで 車 を 飛ばして また 戻って きた んです !」 ウィーズリー 夫人 は 怒鳴り 続けた 。

「 何 か おっしゃりたい こと は あり せ ん の 。 え ?」

「 やった の か ?」 ウィーズリー 氏 は ウズウズ して いた 。 「 うまく いった の か ? つ 、 つまり だ ――」

ウィーズリー 夫人 の 目 から 火花 が 飛び散る の を 見て 、 ウィーズリー 氏 は 口ごもった 。

「 そ 、 それ は 、 おまえたち 、 イカン ―― そりゃ 、 絶対 イカン ――」

「 二 人 に やらせとけば いい 」

ウィーズリー 夫人 が 大きな 食用 蛙 の ように 膨れ上がった の を 見て 、 ロン が ハリー に ささや い た 。

「 来い よ 。 僕 の 部屋 を 見せよう 」

二 人 は 台所 を 抜け出し 、 狭い 廊下 を 通って 凸凹 の 階段 に たどり着いた 。 階段 は ジグザグ と 上 の 方 に 伸びて いた 。 三 階 目 の 踊り場 の ドア が 半 開き に なって いて 、 中 から 明るい とび色 の 目 が 二 つ 、 ハリー を 見つめて いた 。 ハリー が チラッ と 見る か み ない うち に ドア は ピシャッ と 閉じて しまった 。

「 ジニー だ 」 ロン が 言った 。 「 妹 が こんなに シャイ な の も おかしい んだ よ 。 いつも なら お しゃべり ばかり して る のに ――」

それ から 二 つ 三 つ 踊り場 を 過ぎて 、 ペンキ の 剥げ かけた ドア に たどり着いた 。 小さな 看板 が 掛かり 、「 ロナルド の 部屋 」 と 書いて あった 。

中 に 入る と 、 切 妻 の 斜め 天井 に 頭 が ぶつかり そうだった 。 ハリー は 目 を しばたたいた 。 まる で 炉 の 中 に 入り込んだ ように 、 ロン の 部屋 の 中 は ほとんど 何もかも 、 ベッドカバー 、 壁 、 天井 まで も 、 燃える ような オレンジ色 だった 。 よく 見る と 、 粗末な 壁紙 を 隅 から 隅 まで びっしり と 埋め尽くして 、 ポスター が 貼って る 。 どの ポスター に も 七 人 の 魔法使い の 男女 が 、 鮮 や かな オレンジ色 の ユニフォーム を 着て 、 箒 を 手 に 、 元 気 よく 手 を 振って いた 。

「 ごひきい の クィディッチ ・ チーム かい ?」

「 チャドリー ・ キャノンズ さ 」

ロン は オレンジ色 の ベッド カバー を 指差した 。 黒々 と 大きな C の 文字 が 二 つ と 風 を きる 砲丸 の 縫い 取り が して ある 。 「 ランキング 九 位 だ 」

呪文 の 教科 書 が 、 隅 の 方 に グシャグシャ と 詰ま れ 、 その 脇 の マンガ の 本 の 山 は 、 みんな 「 マッド な マグル 、 マーチン ・ ミグズ の 冒険 」 シリーズ だった 。 ロン の 魔法 の 杖 は 窓枠 の と ころ に 置か れ 、 その 下 の 水槽 の 中 は びっしり と 蛙 の 卵 が ついて いる 。 その 脇 で 、 太っちょ の 灰色 ねずみ 、 ロン の ペット の スキャバーズ が 日溜り で スースー 眠って いた 。 床 に 置か れた 「 勝手に シャッフル する トランプ を またいで 、 ハリー は 小さな 窓 から 外 を 見 た 。 ずーっと 下 の 方 に 広がる 野原 から 、 庭 小人 の 群れ が 一 匹 また 一 匹 と 垣根 を くぐって こっそり 庭 に 戻って くる の が 見えた 。 振りかえる と ロン が 緊張 気味に ハリー を 見て いた 。 ハリー が どう 思って いる の か を 気 に して いる ような 顔 だ 。

「 ちょっと 狭い けど 」 ロン が 慌てて 口 を 開いた 。

「 君 の マグル の と この 部屋 みたいじゃ ない けど 、 それ に 、 僕 の 部屋 、 屋根 裏 お化け の 真 下 だ し 、 あいつ 、 しょっちゅう パイプ を 叩いたり 、 うめいたり する んだ ......」

ハリー は 思いっきり ニッコリ した 。

「 僕 、 こんな 素敵な 家 は 生まれて 初めて だ 」

ロン は 耳元 を ポッ と 紅 ら め た 。

3.2 隠れ穴 -The Burrow かくれ あな|the|burrow 3.2 Verborgenes Loch - Die Höhle 3.2 Hidden Hole -The Burrow 3.2 Agujero oculto -La Madriguera 3.2 Verborgen hol - Het hol 3.2 Ukryta dziura - Nora 3.2 Buraco escondido - A Toca 3.2 Скрытое отверстие - Нора 3.2 Dolda hål - The Burrow 3.2 洞穴 3.2 洞穴

この 調子 が まるで 何 時間 も 続いた か の ようだった 。 |ちょうし|||なん|じかん||つづいた||| It was as if this condition lasted for hours. ウィーズリー 夫人 は 声 が かれる まで 怒鳴 り 続け 、 それ から ハリー の 方 に 向き直った 。 |ふじん||こえ||||どな||つづけ|||||かた||むきなおった Mrs. Weasley kept yelling until she heard a voice, and then turned to Harry. ハリー は たじたじ と 、 あとずさり した 。 Harry backed away.

「 まあ 、 ハリー 、 よく 来て くださった わ ねえ 。 |||きて||| "Well, Harry, you've come often. 家 へ 入って 、 朝食 を どうぞ 」 いえ||はいって|ちょうしょく|| Go home and have breakfast. "

ウィーズリー 夫人 は そう 言う と 、 クルリ と 向き を 変えて 家 の 方 に 歩き 出した 。 |ふじん|||いう||くるり||むき||かえて|いえ||かた||あるき|だした Mrs. Weasley said that, turning around and walking towards the house. ハリー は どう しよう か と ロン を ちらり と 見た が 、 ロン が 大丈夫 と いう ように 頷いた ので 、 あと に ついて いった 。 ||||||||||みた||||だいじょうぶ||||うなずいた||||| Harry glanced at Ron about what to do, but he nodded that Ron was okay, so he followed.

台所 は 小さく 、 かなり 狭苦しかった 。 だいどころ||ちいさく||せまくるしかった The kitchen was small and quite cramped. しっかり 洗い 込ま れた 木 の テーブル と 椅子 が 、 真ん中 に 置かれて いる 。 |あらい|こま||き||てーぶる||いす||まんなか||おか れて| A well-washed wooden table and chairs are placed in the middle. ハリー は 椅子 の 端っこ に 腰掛けて 周り を 見渡した 。 ||いす||はし っこ||こしかけて|まわり||みわたした Harry sat on the edge of the chair and looked around. ハリー は 魔法使い の 家 に これ まで 一 度 も 入った こと が なかった 。 ||まほうつかい||いえ||||ひと|たび||はいった||| Harry has never been in the Wizard's house.

ハリー の 反対 側 の 壁 に かかって いる 時計 に は 針 が 一 本 しか なく 、 数字 が 一 つ も 書かれて い な い 。 ||はんたい|がわ||かべ||||とけい|||はり||ひと|ほん|||すうじ||ひと|||かか れて||| The clock on the wall on the other side of Harry has only one hand and no numbers. そのかわり 、「 お茶 を 入れる 時間 」「 鶏 に 餌 を やる 時間 」「 遅刻 よ 」 など と 書き込まれ ていた 。 |おちゃ||いれる|じかん|にわとり||えさ|||じかん|ちこく||||かきこま れ| Instead, it was written as "time to make tea," "time to feed chickens," "be late," and so on. 暖炉 の 上 に は 本 が 三 段 重ね に 積まれて いる 。 だんろ||うえ|||ほん||みっ|だん|かさね||つま れて| Books are stacked in three layers above the fireplace. 「 自家製 魔法 チーズ の 作り 方 」「 お 菓子 を つくる 楽しい 呪文 」「 一 分間 で ご馳走 を ―― まさに 魔法 だ !」 など の 本 が ある 。 じか せい|まほう|ちーず||つくり|かた||かし|||たのしい|じゅもん|ひと|ぶん かん||ごちそう|||まほう||||ほん|| There are books such as "How to make homemade magic cheese", "Fun spells to make confectionery", and "Feast in one minute-it's just magic!". 流し の 脇 に 置か れた 古ぼけた ラジオ から 、 放送 が 聞えて きた 。 ながし||わき||おか||ふるぼけた|らじお||ほうそう||きこえて| I heard the broadcast from an old radio set beside the sink. ハリー の 耳 が 確か なら 、 こう 言って いる 。 ||みみ||たしか|||いって| If Harry's ears are certain, he says: 「 次 は 魔女 の 時間 です 。 つぎ||まじょ||じかん| "Next is the witch's time. 人気 歌手 の 魔女 セレスティナ ・ ワーベック を お迎え して お 送りします 」 ウィーズリー 夫人 は 、 あちこち ガチャガチャ いわ せ ながら 、 行き当たり ばったり 気味に 食事 を 作って いた 。 にんき|かしゅ||まじょ||||おむかえ|||おくり します||ふじん|||||||ゆきあたり||ぎみに|しょくじ||つくって| We will welcome and send you the popular singer Witch Celestina Warbeck. ”Mrs. Weasley was making a random meal, whilst screaming here and there. 息子 たち に は 怒り の まなざし を 投げ 、 フライパン に ソーセージ を 投げ入れ た 。 むすこ||||いかり||||なげ|ふらいぱん||そーせーじ||なげいれ| He cast angry glances at his sons and threw sausages in the frying pan. 時々 低い 声 で 「 おまえたち と きたら 、 いったい 何 を 考えて る やら 」 と か 、「 こんな こ と 、 絶対 思って も み なかった わ 」 と ぶづふつ 言った 。 ときどき|ひくい|こえ||||||なん||かんがえて||||||||ぜったい|おもって||||||ぶ づふ つ|いった Sometimes in a low voice, he said, "What on earth are you thinking when you come?" Or "I never thought of this."

「 あなた の こと は 責めて いません よ 」 ウィーズリー 夫人 は フライパン を 傾けて 、 ハリー の お 皿 に 八 本 も 九 本 も ソーセージ を 滑り込 ませ ながら 念 を 押した 。 ||||せめて|いま せ ん|||ふじん||ふらいぱん||かたむけて||||さら||やっ|ほん||ここの|ほん||そーせーじ||すべりこ|||ねん||おした "I'm not blaming you." Mrs. Weasley tilted the frying pan and slammed eight or nine sausages into Harry's plate. 「 アーサー と 二 人 で あなた の こと を 心配 して いた の 。 ||ふた|じん||||||しんぱい||| "I was worried about you with Arthur. 昨夜 も 、 金曜日 まで に あなた から ロン へ の 返事 が 来 なかったら 、 わたし たち が あなた を 迎え に 行こうって 話し を して ぐらい よ 。 さくや||きんようび||||||||へんじ||らい|||||||むかえ||いこう って|はなし|||| If you didn't get a reply to Ron by Friday last night, we'd just talk to pick you up. で も ねえ 」( 今度 は 目玉焼き が 三 個 も ハリー の 皿 に 入れられた )「 不正 使用 の 車 で 国土 の 半分 も 飛んで くる なんて ―― 誰 か に 見られて も おかしく ない でしょう ――」 彼女 が あたりまえの ように 、 流し に 向かって 杖 を 一 振り する と 、 中 で 勝手に 皿洗い が 始 まった 。 |||こんど||めだまやき||みっ|こ||||さら||いれ られた|ふせい|しよう||くるま||こくど||はんぶん||とんで|||だれ|||み られて|||||かのじょ||||ながし||むかって|つえ||ひと|ふり|||なか||かってに|さらあらい||はじめ| "Hey," (three fried eggs were put on Harry's plate this time.) "It wouldn't be strange for anyone to see half of the land in an illegally used car." As she took it for granted, she swung her cane toward the sink, and the dishes started to be washed inside. カチャカチャ と 軽い 音 が 聞えて きた 。 ||かるい|おと||きこえて| I heard a rattling and light sound.

「 ママ 、 曇り空 だった よ 」 と フレッド 。 まま|くもりぞら||||

「 物 を 食べて る とき は おしゃべり し ない こと !」 ウィーズリー 夫人 が 一喝 した 。 ぶつ||たべて|||||||||ふじん||いっかつ| "Don't talk when you're eating!" Mrs. Weasley said.

「 ママ 、 連中 は ハリー を 餓死 さ せる ところ だった んだ よ 」 と ジョージ 。 まま|れんちゅう||||がし||||||||じょーじ "Mom, they were about to starve Harry," George said.

「 おまえ も お 黙り !」 と ウィーズリー 夫人 が 怒鳴った 。 |||だまり|||ふじん||どなった その あと ハリー の ため に パン を 切って 、 バター を 塗り はじめる と 、 前 より 和らいだ 表情 に なった 。 ||||||ぱん||きって|ばたー||ぬり|||ぜん||やわらいだ|ひょうじょう|| After that, I cut the bread for Harry and started to apply butter, and the expression became softer than before. その とき 、 みんな の 気 を そらす こと が 起こった 。 ||||き|||||おこった At that time, something distracted everyone. ネグリジェ 姿 の 小さな 赤毛 の 子 が 、 台所 に 洗わ れた と 思う と 、「 キャッ 」 と 小さな 悲鳴 を あげて 、 また 走り去って しまった のだ 。 |すがた||ちいさな|あかげ||こ||だいどころ||あらわ|||おもう||||ちいさな|ひめい||||はしりさって|| When the little red-haired kid in a nightie thought he was washed in the kitchen, he screamed and ran away again.

「 ジニー 」 ロン が 小声 で ハリー に ささやいた 。 |||こごえ|||| "Genie" Ron whispered to Harry in a whisper. 「 妹 だ 。 いもうと| 夏 休み 中 ずっと 、 君 の こと ばっかり 話して た よ 」 なつ|やすみ|なか||きみ||||はなして|| All summer long, all I could talk about was you."

「 あぁ 、 ハリー 、 君 の サイン を 欲しがる ぜ 」 フレッド が ニヤッ と した が 、 母親 と 目 が 合う と 途端 に うつむいて 、 あと は 黙々と 朝食 を 食べた 。 ||きみ||さいん||ほしがる||||||||ははおや||め||あう||とたん|||||もくもくと|ちょうしょく||たべた "Ah, Harry, I want your signature." Fred grinned, but as soon as he met his mother, he turned down and ate breakfast silently. 四 つ の 皿 が 空 に なる まで ―― あっという間 に 空 に なった が ―― あと は 誰 も 一言 も しゃべら なかった 。 よっ|||さら||から||||あっというま||から||||||だれ||いちげん||| Until the four dishes were empty-in a blink of an eye-no one spoke a word.

「 なんだ が 疲れた ぜ 」 ||つかれた| "What are you tired of?"

フレッド が やっと ナイフ と フォーク を 置き 、 あくび を した 。 |||ないふ||ふぉーく||おき||| Fred finally put down his knife and fork and yawned.

「 僕 、 ベッド に 行って ......」 ぼく|べっど||おこなって

「 行きません よ 」 ウィーズリー 夫人 の 一言 が 飛んで きた 。 いき ませ ん|||ふじん||いちげん||とんで| 「 夜中 起きて いた の は 自分 が 悪い んです 。 よなか|おきて||||じぶん||わるい| "I'm not good at waking up in the middle of the night. 庭 に 出て 庭 小人 を 駆除 し なさい 。 にわ||でて|にわ|こびと||くじょ|| Go out into the garden and get rid of the garden dwarfs. また 手 に 負えな い くらい 増えて います 」 「 ママ 、 そんな ――」 「 おまえたち 二 人 も です 」 夫人 は ロン と フレッド を ギロッ と にらみつけた 。 |て||おえな|||ふえて|い ます|まま|||ふた|じん|||ふじん|||||||| There are more of them than we can handle." "Oh, no, Mom," she said, glaring at Ron and Fred, "and you two. 「 ハリー 。 あなた は 上 に 行って 、 お 休み なさい な 。 ||うえ||おこなって||やすみ|| You go up and rest. あの しょう も ない 車 を 飛ば せて くれって 、 あなた が 頼んだ わけじゃ ない んです もの 」 「 僕 、 ロン の 手伝い を します 。 ||||くるま||とば||くれ って|||たのんだ|||||ぼく|||てつだい||し ます You didn't ask me to fly that ridiculous car. "" I'll help Ron. 庭 小人 駆除 って 見た こと が ありません し ......」 パッチリ 目 が 覚めて いた ハリー は 、 急いで そう 言った 。 にわ|こびと|くじょ||みた|||あり ませ ん|||め||さめて||||いそいで||いった I've never seen a garden dwarf exterminated ... "Harry, who was awake, hurriedly said so. 「 まあ 、 やさしい 子 ね 。 ||こ| "Well, a kind child. でも 、 つまらない 仕事 な の よ 」 と ウィーズリー 夫人 が 言った 。 ||しごと||||||ふじん||いった But it's a boring job, "said Mrs. Weasley. 「 さて 、 ロックハート が どんな こと を 書いて いる か 見て みましょう 」 ウィーズリー 夫人 は 暖炉 の 上 の 本 の 山 から 、 分厚い 本 を 引っ張り出した 。 ||||||かいて|||みて|み ましょう||ふじん||だんろ||うえ||ほん||やま||ぶあつい|ほん||ひっぱりだした Mrs. Weasley pulled a thick book from the pile of books on the mantelpiece. 「 ママ 、 僕たち 、 庭 小人 の 駆除 の やり 方 ぐらい 知って る よ 」 ジョージ が 唸った 。 まま|ぼくたち|にわ|こびと||くじょ|||かた||しって|||じょーじ||うなった "Mom, we know how to get rid of the garden dwarfs," George groaned. ハリー は 本 の 背 表紙 を 見て 、 そこ に デカデカ と 書かれて いる 豪華な 金 文字 の 書名 を 読んだ 。 ||ほん||せ|ひょうし||みて|||でかでか||かか れて||ごうかな|きむ|もじ||しょめい||よんだ Harry looked at the spine of the book and read the title of the gorgeous gold letter, which had the word "Big Deca" on it. 「 ギルデロイ ・ ロックハート の ガイドブック ―― 一般 家庭 の 害虫 」 |||がいどぶっく|いっぱん|かてい||がいちゅう Gilderoy-Lockhart's guidebook -- household pests.

表紙 に は 大きな 写真 が 見える 。 ひょうし|||おおきな|しゃしん||みえる 波打つ ブロンド 、 輝く ブルー の 瞳 の 、 とても ハンサムな 魔法 使い だ 。 なみうつ|ぶろんど|かがやく|ぶるー||ひとみ|||はんさむな|まほう|つかい| He is a very handsome wizard with wavy blonde hair and sparkling blue eyes. 魔法 界 で は あたりまえの こと だ が 、 写真 は 動いて いた 。 まほう|かい|||||||しゃしん||うごいて| 表紙 の 魔法使い ―― ぎ ろ な んだろう な 、 と ハリー は 思った ―― いたずらっぽい ウィンク を 投げ 続けて いる 。 ひょうし||まほうつかい|||||||||おもった|いたずら っぽい|||なげ|つづけて| The witch on the cover-I wondered if it was just-Harry wondered-continuing to throw a naughty wink. ウィーズリー 夫人 は 写真 に 向かって にっこり した 。 |ふじん||しゃしん||むかって|| Mrs. Weasely smiled at the photo.

「 あぁ 、 彼って すばらしい わ 。 |かれ って|| Oh, he's so wonderful. 家庭 の 害虫 に ついて ほんとに よく ご存知 。 かてい||がいちゅう|||||ごぞんじ You are really familiar with household pests. この 本 、 とても い い 本 だ わ ......」 |ほん||||ほん||

「 ママったら 、 彼 に お 熱 な んだ よ 」 フレッド は わざと 聞える ような ささやく 声 で 言った 。 まま ったら|かれ|||ねつ|||||||きこえる|||こえ||いった "Mom, you're enthusiastic about him," Fred said in a deliberate whisper. 「 フレッド 、 バカな こと を 言う んじゃ ない わ よ 」 ウィーズリー 夫人 は 、 頬 を ほんのり 紅らめて いた 。 |ばかな|||いう||||||ふじん||ほお|||くれない ら め て| "Fred, don't say stupid things," Mrs. Weasley had a slight red cheek.

「 いい でしょう 。 "It's okay. ロックハート より よく 知っている と 言う の なら 、 庭 に 出て 、 お 手並み を み せて いただきましょう か 。 |||しっている||いう|||にわ||でて||てなみ||||いただき ましょう| If you know better than Rock Heart, why don't you go out to the garden and take care of yourself? あと で わたし が 点検 に 行った とき に 、 庭 小人 が 一 匹 でも 生き残って たら 、 その とき 後悔 して も 知りません よ 」 あくび を し ながら 、 ぶつ くさ 言い ながら 、 ウィーズリー 三 兄弟 は だらだら と 庭 に 出た 。 ||||てんけん||おこなった|||にわ|こびと||ひと|ひき||いきのこって||||こうかい|||しり ませ ん||||||||いい|||みっ|きょうだい||||にわ||でた Later, when I went to the inspection, if even one garden dwarf survived, I wouldn't know if I regret it at that time. " I went out to. ハリー は その あと に 従った 。 |||||したがった Harry followed suit. 広い 庭 で 、 ハリー は これ こそ 庭 だ と 思えた 。 ひろい|にわ||||||にわ|||おもえた In a large garden, Harry thought it was a garden. ダーズリー 一家 は きっと 気 に いら ない だろう ―― 雑草 が 生い茂り 、 芝生 は 伸び 放題 だった 。 |いっか|||き|||||ざっそう||おいしげり|しばふ||のび|ほうだい| The Dursley family wouldn't mind--the weeds were overgrown and the lawn was all-you-can-grow. しかし 、 壁 の 周り は 曲がりくねった 木 で くぐるり と 囲ま れ 、 花壇 と いう 花壇 に は 、 ハリー が 見た こと も ない よう な 植物 が 溢れる ばかりに 茂って いた し 、 大きな 緑色 の 池 は 蛙 で いっぱいだった 。 |かべ||まわり||まがりくねった|き||く ぐるり||かこま||かだん|||かだん|||||みた||||||しょくぶつ||あふれる||しげって|||おおきな|みどりいろ||いけ||かえる|| But the walls were surrounded by curving trees, the flowerbeds were overflowing with plants Harry had never seen before, and the large green pond was filled with frogs.

「 マグル の 庭 に も 飾り 用 の 小人 が 置いて ある の 、 知って る だ ろ 」 ハリー は 芝生 を 横切り ながら ロン に 言った 。 ||にわ|||かざり|よう||こびと||おいて|||しって||||||しばふ||よこぎり||||いった "You know that there are also decorative dwarfs in the Muggle's garden," Harry said to Ron, crossing the lawn.

「 あぁ 、 マグル が 庭 小人 だ と 思って いる やつ は 見た こと が ある 」 ロン は 腰 を 曲げて 芍薬 の 茂み に 首 を 突っ込み なから 忚 えた 。 |||にわ|こびと|||おもって||||みた||||||こし||まげて|しゃくやく||しげみ||くび||つっこみ|な から|| "Oh, I've seen a guy who thinks Muggles are garden dwarfs." Ron bent his hips and shook his neck into a bush of peony. 「 太った サンタクロース の 小さい の が 釣り竿 を 持って る ような 感じ だった な 」 突然 ドタバタ と 荒っぽい 音 が して 、 芍薬 の 茂み が 震え 、 中 から ロン が 立ち上がった 。 ふとった|||ちいさい|||つりざお||もって|||かんじ|||とつぜん|どたばた||あらっぽい|おと|||しゃくやく||しげみ||ふるえ|なか||||たちあがった "It felt like a small fat Santa Claus was holding a fishing rod." Suddenly there was a rattling noise, a peony bush quivering, and Ron rising from inside. 「 これ ぞ 」 ロン が 重々しく 言った 。 ||||おもおもしく|いった "This is it," Ron said seriously. 「 ほんとの 庭 小人 な んだ 」 「 放せ ! 放し やがれ !」 小人 は キーキー 喚 いた 。 |にわ|こびと|||はなせ|はなし|や がれ|こびと|||かん|

なるほど 、 サンタクロース と は 似て も 似つか ない 。 ||||にて||につか| I see, it doesn't look like Santa Claus. 小さく 、 ゴワゴワ した 感じ で 、 ジャガイモ そっくり の 凸凹 した 大きな 禿頭 だ 。 ちいさく|||かんじ||じゃがいも|||でこぼこ||おおきな|とくとう| It is small, rugged, and has a large bald head with bumps, similar to that of a giant spider. 硬い 小さな 足 で ロン を 蹴飛ばそう と 暴れる ので 、 ロン は 腕 を 伸ばして 小人 を つかんで いた 。 かたい|ちいさな|あし||||けとばそう||あばれる||||うで||のばして|こびと||| Ron stretched out his arms and grabbed the dwarf as he tried to kick Ron with his small, stiff legs. それ から 足首 を つかんで 小人 を さかさまに ぶら下げ た 。 ||あしくび|||こびと|||ぶらさげ| He then grabbed the dwarf by the ankles and hung him upside down.

「 こう やら ない とけい ない んだ 」 "I have to do this."

ロン は 小人 を 頭 の 上 に 持ち上げて (「 放せ !」 小人 が 喚 いた ) 投げ 縄 を 投げる ように 大きく 円 を 描いて 小人 を 振り回し はじめた 。 ||こびと||あたま||うえ||もちあげて|はなせ|こびと||かん||なげ|なわ||なげる||おおきく|えん||えがいて|こびと||ふりまわし| Ron lifted the dwarf over his head (“Release!” The dwarf screamed) and began to swing the dwarf in a large circle, like throwing a lasso. ハリー が ショック を 受けた ような 顔 を して いる ので 、 ロン が 説明 した 。 ||しょっく||うけた||かお|||||||せつめい| Harry looked shocked, so Ron explained. 「 小人 を 傷つける わけじゃ ない んだ ―― ただ 、 完全に 目 を 回さ せて 、 巣 穴 に 戻る 道 が わかん ない ように する んだ 」 こびと||きずつける|||||かんぜんに|め||まわさ||す|あな||もどる|どう|||||| "It doesn't hurt the dwarf--but just turn your eyes completely so you don't know the way back to the burrow."

ロン が 小人 の 踵 から 手 を 放す と 、 小人 は 宙 を 飛んで 、 五 、 六 メートル 先 の 垣根 の 外側 の 草 む ら に ドサッ と 落ちた 。 ||こびと||かかと||て||はなす||こびと||ちゅう||とんで|いつ|むっ|めーとる|さき||かきね||そとがわ||くさ||||||おちた When Ron let go of the dwarf's heel, the dwarf flew in the air and slammed into the grass outside the fence five or six meters away.

「 それっぽっち か !」 フレッド が 言った 。 それ っぽ っち||||いった "That's it!" Fred said. 「 俺 なんか あの 木 の 切り株 まで 飛ばして みせる ぜ 」 おれ|||き||きりかぶ||とばして|| "I'll fly you to the stump of that tree."

ハリー も たちまち 小人 が かいわ そう だ と 思わ ない ように なった 。 |||こびと||||||おもわ||| Harry soon didn't think the dwarf was going to be crazy. 捕獲 第 一 号 を 垣根 の むこう に そっと 落として やろう と した 途端 、 ハリー の 弱気 を 感じ取った 小人 が かみそり の ような 刃 を ハリー の 指 に 食い込ま せた のだ 。 ほかく|だい|ひと|ごう||かきね|||||おとして||||とたん|||よわき||かんじとった|こびと|||||は||||ゆび||くいこま|| As soon as he tried to gently drop Capture No. 1 over the fence, a dwarf who felt Harry's bearishness had a razor-like blade bite into Harry's finger. ハリー は 振り払おう と して さんざん てこずり 、 ついに ― ― ||ふりはらおう||||| Harry had a lot of trouble shaking it off, and finally...

「 ひ ゃ ー 、 ハリー 、 十五 、 六 メートル は 飛んだ ぜ ......」 ||-||じゅうご|むっ|めーとる||とんだ| "Huh, Harry, fifteen, six meters flew ..."

宙 を 舞う 庭 小人 で たちまち 空 が 埋め尽くさ れた 。 ちゅう||まう|にわ|こびと|||から||うずめつくさ| The sky was quickly filled with garden dwarfs flying in the air.

「 な ? 連中 は あんまり 賢く ないだ ろ 」 |れんちゅう|||かしこく|| "What? They aren't very smart."

一度に 五 、 六 匹 を 取り押さえ ながら ジョージ が 言った 。 いちどに|いつ|むっ|ひき||とりおさえ||じょーじ||いった George said, seizing five or six at a time.

「 庭 小人 駆除 が 始まった と わかる と 、 連中 は 寄ってたかって 見物 に 来る んだ よ 。 にわ|こびと|くじょ||はじまった||||れんちゅう||よってたかって|けんぶつ||くる|| "Once we know that the garden dwarfs have begun to be exterminated, they come to see us because they want to stop by. 巣 穴 の 中 で じっと して いる 方 が 安全だって 、 いいかげん わかって も いい ころ な のに さ 」 やがて 、 外 の 草むら に 落ちた 庭 小人 の 群れ が 、 あちこち から だらだら と 列 を 作り 、 小さな 背 中 を 丸めて 歩き 出した 。 す|あな||なか|||||かた||あんぜん だって||||||||||がい||くさむら||おちた|にわ|こびと||むれ||||||れつ||つくり|ちいさな|せ|なか||まるめて|あるき|だした Es ist an der Zeit, dass sie verstehen, dass es sicherer ist, in ihren Höhlen zu bleiben." Bald stürzte eine Herde von Gartenzwergen ins Gras und begann, in trägen Reihen von Platz zu Platz zu laufen, ihre kleinen Rücken rund. It's safer to stay still in the burrow, and it's okay to know it. "Soon, a flock of garden dwarfs, who had fallen into the grass outside, lined up from here and there, forming small backs. I rolled up the inside and started walking. 「 また 戻って くる さ 」 小人 たち が 草むら の むこうの 垣根 の 中 へ と 姿 を くらます の を 見 ながら ロン が 言った 。 |もどって|||こびと|||くさむら|||かきね||なか|||すがた|||||み||||いった "I'll be back again," Ron said, watching the dwarfs wander into the fence over the grass.

「 連中 は ここ が 気 に 入って る んだ から ...... パパったら 連中 に 甘い んだ 。 れんちゅう||||き||はいって||||ぱぱ ったら|れんちゅう||あまい| "They love this place ... daddy, they're sweet. おもしろい やつら だ と 思って る らしくて ......」 |やつ ら|||おもって|| They think they're funny. ......"

ちょうど その とき 、 玄関 の ドア が バタン と 音 を たてた 。 |||げんかん||どあ||||おと|| Just then, the front door slammed.

「 うわさ を すれば 、 だ !」 ジョージ が 言った 。 ||||じょーじ||いった "If you make a rumor, that's it!" George said. 「 親父 が 帰って きた !」 おやじ||かえって|

四 人 は 大急ぎで 庭 を 横切り 、 家 に 駆け 戻った 。 よっ|じん||おおいそぎで|にわ||よこぎり|いえ||かけ|もどった

ウィーズリー 氏 は 台所 の 椅子 に ドサッ と 倒れ込み 、 メガネ を はずし 、 目 を つむって いた 。 |うじ||だいどころ||いす||||たおれこみ|めがね|||め||| 細身 で 禿げて いた が 、 わずかに 残って いる 髪 は 子供 たち と まったく 同じ 赤毛 だった 。 ほそみ||はげて||||のこって||かみ||こども||||おなじ|あかげ| He was thin and balding, but the few hairs that remained were exactly the same red as those of the children. ゆったり と 長い 緑 の ローブ は 埃っぽく 、 旅 疲れ して いた 。 ||ながい|みどり||||ほこり っぽく|たび|つかれ|| Her long, loose green robes were dusty and travel-weary. 「 ひどい 夜 だった よ 」 子供 たち が 周り に 座る と 、 ウィーズリー 氏 は お茶 の ポット を まさぐり ながら つぶやいた 。 |よ|||こども|||まわり||すわる|||うじ||おちゃ||ぽっと|||| It's been a terrible night," Mr. Weasley murmured as the children sat around him, fumbling with a pot of tea.

「 九 件 も 抜き打ち 調査 した よ 。 ここの|けん||ぬきうち|ちょうさ|| "I did an unannounced investigation of nine cases. 九 件 も だ ぞ ! マンダンガス ・ フレッチャー の やつ め 、 わたし が ちょっと 後ろ を 向いた すきに 呪い を かけよう と し ......」 ここの|けん|||||ふれっちゃー|||||||うしろ||むいた||まじない|||| Nine cases! Mandangas Fletcher's guy, I tried to curse the plow that turned a little behind ... "

ウィーズリー 氏 は お茶 を ゆっくり 一口 飲む と 、 フーッ と ため息 を ついた 。 |うじ||おちゃ|||ひとくち|のむ||||ためいき|| Mr. Weasley took a slow sip of tea and sighed.

「 パパ 、 なんか おもしろい もの 見つけた ?」 と フレッド が 急き込んで 聞いた 。 ぱぱ||||みつけた||||せきこんで|きいた "Daddy, did you find something interesting?" Fred hurriedly asked.

「 わたし が 押収 した の は せいぜい 、 縮む 鍵 数 個 と 、 噛みつく やかん が 一 個 だけ だった 」 ウィーズリー 氏 は あくび を した 。 ||おうしゅう|||||ちぢむ|かぎ|すう|こ||かみつく|||ひと|こ||||うじ|||| "I seized at most a few shrinking keys and a biting kettle," Weasley yawned.

「 かなり すごい の も 一 つ あった が 、 わたし の 管轄 じゃ なかった 。 ||||ひと||||||かんかつ|| "There was one thing that was pretty amazing, but it wasn't under my jurisdiction. モートレイク が 引っ張ら れ て 、 なにやら ひどく 奇妙な イタチ の こと で 尋問 を 受ける こと に なった が 、 ありゃ 、 実験 的 呪 文 委員 会 の 管轄 だ 。 ||ひっぱら|||||きみょうな|いたち||||じんもん||うける||||||じっけん|てき|まじない|ぶん|いいん|かい||かんかつ| Mortlake was pulled in for questioning about some very strange weasel that belongs to the Experimental Spell Committee. やれやれ ......」 Oh dear. ......"

「 鍵 なんか 縮む ように して 、 なん に なる の ?」 ジョージ が 聞いた 。 かぎ||ちぢむ|||||||じょーじ||きいた "What's going on with the keys shrinking?" George asked.

「 マグル を からかう 餌 だ よ 」 ウィーズリー 氏 が また ため息 を ついた 。 |||えさ||||うじ|||ためいき|| Mr. Weasley sighed again. 「 マグル に 鍵 を 売って 、 いざ 鍵 を 使う とき に は 縮んで 鍵 が 見つから ない ように して しまう んだ ...... もちろん 、 犯人 を 挙げる こと は 至極 難しい 。 ||かぎ||うって||かぎ||つかう||||ちぢんで|かぎ||みつから|||||||はんにん||あげる|||しごく|むずかしい "Selling a key to a Muggle, and when you use it, it shrinks so that you can't find it ... Of course, it's extremely difficult to name the culprit. マグル は 鍵 が 縮んだ なんて 誰 も 認め ない し ―― 連中 は 鍵 を 失くし たって 言い張る んだ 。 ||かぎ||ちぢんだ||だれ||みとめ|||れんちゅう||かぎ||うしな くし||いいはる| No one admits that the key has shrunk-they insist that they have lost the key. まったく おめでたい よ 。 Congratulations! 魔法 を 鼻先 に 突きつけられたって 徹底 的 無視 しよう と する んだ から ......。 まほう||はなさき||つきつけ られた って|てってい|てき|むし||||| I'm trying to completely ignore the magic when it's stuck to my nose ... しかし 、 我々 の 仲間 が 魔法 を かけた 物 と きたら 、 まったく 途方 も ない 物 が ――」 |われわれ||なかま||まほう|||ぶつ||||とほう|||ぶつ| But when our companions come up with something magical, there's something totally tremendous-- "

「 たとえば 車 なんか ?」 |くるま| "For example, a car?"

ウィーズリー 夫人 が 登場 した 。 |ふじん||とうじょう| Mrs. Weasley has arrived. 長い 火掻き棒 を 刀 の ように 構えて いる 。 ながい|ひ かき ぼう||かたな|||かまえて| He holds a long poker like a sword. ウィーズリー 氏 の 目 が パッチリ 開いた 。 |うじ||め|||あいた Mr. Weasley's eyes snapped open. 奥さん を バツ の 悪 そうな 目 で 見た 。 おくさん||ばつ||あく|そう な|め||みた I saw my wife with bad eyes.

「 モリー 、 母さん や 。 |かあさん| "Molly, mom. く 、 くるま と は ?」 What is a car? "

「 ええ 、 アーサー 、 その くるま です 」 ウィーズリー 夫人 の 目 は ランラン だ 。 ||||||ふじん||め||| Mrs. Weasley's eyes were wide. 「 ある 魔法使い が 錆 ついた おんぼろ 車 を 買って 、 奥さん に は 仕組み を 調べる ので 分解 する と なんか と か 言って 実は 呪文 を かけて 車 が 飛べる ように した 、 と いう お 話 が あります わ 」 ウィーズリー 氏 は 目 を パチクリ した 。 |まほうつかい||さび||おん ぼろ|くるま||かって|おくさん|||しくみ||しらべる||ぶんかい||||||いって|じつは|じゅもん|||くるま||とべる||||||はなし||あり ます|||うじ||め||| "A witch bought a rusty rag car, and his wife asked him to disassemble it, but he actually cast a spell on it so that the car could fly." Weasley said. He snapped his eyes. 「 ねえ 、 母さん 。 |かあさん "Hey, Mom. わかって もらえる と 思う が 、 それ を やった 人 は 法律 の 許す 範囲 で やって い る んで 。 |||おもう|||||じん||ほうりつ||ゆるす|はんい||||| I hope you will understand, but the person who did it is doing it within the limits of the law. ただ 、 えー 、 その 人 は むしろ 、 えへん 、 奥さん に 、 なんだ 、 それ 、 ホントの こと を ......、 法律 と いう の は 知って の 通り 、 抜け穴 が あって ...... その 車 を 飛ばす つもり が なければ 、 その 車 が たとえ 飛ぶ 能力 を 持って いた と して も 、 それ だけ で は ――」 |||じん|||え へん|おくさん||||ほんとの|||ほうりつ|||||しって||とおり|ぬけあな||||くるま||とばす|||||くるま|||とぶ|のうりょく||もって|||||||| But, uh, that person is rather, eh, to his wife, what's that, really ..., as you know the law, there is a loophole ..... If you didn't intend to fly the car, even if it had the ability to fly, that alone-- "

「 アーサー ・ ウィーズリー 。 あなた が 法律 を 作った とき に 、 しっかり と 抜け穴 を 書き込んだ んでしょう ! 申し上げます が 、 ハリー が 今朝 到着 しました よ 。 ||ほうりつ||つくった|||||ぬけあな||かきこんだ||もうしあげ ます||||けさ|とうちゃく|し ました| You probably wrote a loophole when you made the law! I tell you, Harry arrived this morning. あなた が 飛ばす つもり が ない と 言った 車 で ね !」 ||とばす|||||いった|くるま|| In the car you said you didn't intend to fly! "

「 ハリー ?」 ウィーズリー 氏 は ポカン と した 。 ||うじ|||| 「 どの ハリー だ ね ?」 ぐるり と 見渡して ハリー を 見つける と 、 ウィーズリー 氏 は 飛び上がった 。 ||||||みわたして|||みつける|||うじ||とびあがった Which Harry is it?" Mr. Weasley looked around, saw Harry, and jumped up. 「 なんと まあ 、 ハリー ・ ポッター 君 かい ? よく 来て くれた 、 ロン が いつも 君 の こと を ――」 「 あなた の 息子 たち が 、 昨夜 ハリー の 家 まで 車 を 飛ばして また 戻って きた んです !」 ウィーズリー 夫人 は 怒鳴り 続けた 。 ||||きみ|||きて|||||きみ||||||むすこ|||さくや|||いえ||くるま||とばして||もどって||||ふじん||どなり|つづけた Oh, my God, Harry Potter, is that you? Your sons drove to Harry's last night and came back again! Mrs. Weasley continued to yell.

「 何 か おっしゃりたい こと は あり せ ん の 。 なん||おっしゃり たい|||||| え ?」

「 やった の か ?」 ウィーズリー 氏 は ウズウズ して いた 。 ||||うじ|||| "Did you do it?" Mr. Weasley was itching to find out. 「 うまく いった の か ? つ 、 つまり だ ――」 "Did it work? I mean, I mean--"

ウィーズリー 夫人 の 目 から 火花 が 飛び散る の を 見て 、 ウィーズリー 氏 は 口ごもった 。 |ふじん||め||ひばな||とびちる|||みて||うじ||くちごもった Mr. Weasley's mouth dropped as he saw the sparks flying from Mrs. Weasley's eyes.

「 そ 、 それ は 、 おまえたち 、 イカン ―― そりゃ 、 絶対 イカン ――」 ||||||ぜったい| "Well, that's not right, boys. That's definitely not right.

「 二 人 に やらせとけば いい 」 ふた|じん||やらせ とけば| "Let them do it."

ウィーズリー 夫人 が 大きな 食用 蛙 の ように 膨れ上がった の を 見て 、 ロン が ハリー に ささや い た 。 |ふじん||おおきな|しょくよう|かえる|||ふくれあがった|||みて||||||| Ron whispered to Harry when he saw Mrs. Weasley swelling up like a big edible frog.

「 来い よ 。 こい| Come on. 僕 の 部屋 を 見せよう 」 ぼく||へや||みせよう

二 人 は 台所 を 抜け出し 、 狭い 廊下 を 通って 凸凹 の 階段 に たどり着いた 。 ふた|じん||だいどころ||ぬけだし|せまい|ろうか||かよって|でこぼこ||かいだん||たどりついた They left the kitchen, passed through a narrow hallway, and reached an uneven staircase. 階段 は ジグザグ と 上 の 方 に 伸びて いた 。 かいだん||じぐざぐ||うえ||かた||のびて| The stairs stretched upward in a zigzag manner. 三 階 目 の 踊り場 の ドア が 半 開き に なって いて 、 中 から 明るい とび色 の 目 が 二 つ 、 ハリー を 見つめて いた 。 みっ|かい|め||おどりば||どあ||はん|あき||||なか||あかるい|とびいろ||め||ふた||||みつめて| The door of the landing on the third floor was half-open, and two bright, bright-colored eyes were staring at Harry from the inside. ハリー が チラッ と 見る か み ない うち に ドア は ピシャッ と 閉じて しまった 。 ||||みる||||||どあ||||とじて| The door slammed shut before Harry could even glance at it.

「 ジニー だ 」 ロン が 言った 。 ||||いった 「 妹 が こんなに シャイ な の も おかしい んだ よ 。 いもうと||||||||| "It's strange that my sister is so shy. いつも なら お しゃべり ばかり して る のに ――」 I'm always talking, but-- "

それ から 二 つ 三 つ 踊り場 を 過ぎて 、 ペンキ の 剥げ かけた ドア に たどり着いた 。 ||ふた||みっ||おどりば||すぎて|ぺんき||はげ||どあ||たどりついた After passing two or three more landing steps, I reached a door with peeling paint. 小さな 看板 が 掛かり 、「 ロナルド の 部屋 」 と 書いて あった 。 ちいさな|かんばん||かかり|||へや||かいて| A small sign hung on the wall that read "Ronald's Room.

中 に 入る と 、 切 妻 の 斜め 天井 に 頭 が ぶつかり そうだった 。 なか||はいる||せつ|つま||ななめ|てんじょう||あたま|||そう だった When I went inside, my head seemed to hit the diagonal ceiling of my wife. ハリー は 目 を しばたたいた 。 ||め||しば たたいた Harry slammed his eyes. まる で 炉 の 中 に 入り込んだ ように 、 ロン の 部屋 の 中 は ほとんど 何もかも 、 ベッドカバー 、 壁 、 天井 まで も 、 燃える ような オレンジ色 だった 。 ||ろ||なか||はいりこんだ||||へや||なか|||なにもかも|べっど かばー|かべ|てんじょう|||もえる||おれんじいろ| Almost everything in Ron's room, the bedspreads, the walls, and even the Amai, were fiery orange, as if they had entered the furnace. よく 見る と 、 粗末な 壁紙 を 隅 から 隅 まで びっしり と 埋め尽くして 、 ポスター が 貼って る 。 |みる||そまつな|かべがみ||すみ||すみ||||うずめつくして|ぽすたー||はって| If you look closely, you'll find posters lining up with poor wallpaper from corner to corner. どの ポスター に も 七 人 の 魔法使い の 男女 が 、 鮮 や かな オレンジ色 の ユニフォーム を 着て 、 箒 を 手 に 、 元 気 よく 手 を 振って いた 。 |ぽすたー|||なな|じん||まほうつかい||だんじょ||せん|||おれんじいろ||ゆにふぉーむ||きて|そう||て||もと|き||て||ふって| In each poster, seven witches, men and women, wore bright orange uniforms, grabbed a broom, and shook their hands vigorously.

「 ごひきい の クィディッチ ・ チーム かい ?」 ご ひきい|||ちーむ| "Are you a Quidditch team?"

「 チャドリー ・ キャノンズ さ 」

ロン は オレンジ色 の ベッド カバー を 指差した 。 ||おれんじいろ||べっど|かばー||ゆびさした Ron pointed to the orange bedspread. 黒々 と 大きな C の 文字 が 二 つ と 風 を きる 砲丸 の 縫い 取り が して ある 。 くろぐろ||おおきな|c||もじ||ふた|||かぜ|||ほうがん||ぬい|とり||| The shot put is sewn with two large black letters of C and a breeze. 「 ランキング 九 位 だ 」 らんきんぐ|ここの|くらい| "It's 9th in the ranking"

呪文 の 教科 書 が 、 隅 の 方 に グシャグシャ と 詰ま れ 、 その 脇 の マンガ の 本 の 山 は 、 みんな 「 マッド な マグル 、 マーチン ・ ミグズ の 冒険 」 シリーズ だった 。 じゅもん||きょうか|しょ||すみ||かた||||つま|||わき||まんが||ほん||やま|||||||||ぼうけん|しりーず| The textbooks of spells were stuffed in the corners, and the pile of manga books beside them was all the "Adventures of the Mad Muggle, Martin Miggles" series. ロン の 魔法 の 杖 は 窓枠 の と ころ に 置か れ 、 その 下 の 水槽 の 中 は びっしり と 蛙 の 卵 が ついて いる 。 ||まほう||つえ||まど わく|||||おか|||した||すいそう||なか||||かえる||たまご||| Ron's magic wand is placed around the window shackles, and the aquarium beneath it is filled with frog eggs. その 脇 で 、 太っちょ の 灰色 ねずみ 、 ロン の ペット の スキャバーズ が 日溜り で スースー 眠って いた 。 |わき||ふと っ ちょ||はいいろ||||ぺっと||||ひだまり|||ねむって| Aside from that, a fat gray mouse and Ron's pet Scabbers were sleeping in the sun. 床 に 置か れた 「 勝手に シャッフル する トランプ を またいで 、 ハリー は 小さな 窓 から 外 を 見 た 。 とこ||おか||かってに|||とらんぷ|||||ちいさな|まど||がい||み| Harry looked out through a small window, straddling the self-shuffling playing cards on the floor. ずーっと 下 の 方 に 広がる 野原 から 、 庭 小人 の 群れ が 一 匹 また 一 匹 と 垣根 を くぐって こっそり 庭 に 戻って くる の が 見えた 。 |した||かた||ひろがる|のはら||にわ|こびと||むれ||ひと|ひき||ひと|ひき||かきね||||にわ||もどって||||みえた From the field that stretched all the way down, I saw a flock of garden dwarfs sneaking back into the garden, passing through the fence and one by one. 振りかえる と ロン が 緊張 気味に ハリー を 見て いた 。 ふりかえる||||きんちょう|ぎみに|||みて| Looking back, Ron was nervously looking at Harry. ハリー が どう 思って いる の か を 気 に して いる ような 顔 だ 。 |||おもって|||||き|||||かお| It looks like he's wondering what Harry thinks.

「 ちょっと 狭い けど 」 ロン が 慌てて 口 を 開いた 。 |せまい||||あわてて|くち||あいた "It's a little narrow," Ron hurriedly opened his mouth.

「 君 の マグル の と この 部屋 みたいじゃ ない けど 、 それ に 、 僕 の 部屋 、 屋根 裏 お化け の 真 下 だ し 、 あいつ 、 しょっちゅう パイプ を 叩いたり 、 うめいたり する んだ ......」 きみ||||||へや||||||ぼく||へや|やね|うら|おばけ||まこと|した|||||ぱいぷ||たたいたり||| "It's not like your Muggle's room, but it's also my room, right under the ghost in the roof, and he's constantly hitting pipes and moaning ..."

ハリー は 思いっきり ニッコリ した 。 ||おもいっきり|にっこり|

「 僕 、 こんな 素敵な 家 は 生まれて 初めて だ 」 ぼく||すてきな|いえ||うまれて|はじめて| "I've never had such a nice house."

ロン は 耳元 を ポッ と 紅 ら め た 。 ||みみもと||||くれない||| Ron popped his ears.