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2 - Harry Potter, 17.1.2 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin

17.1.2 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin

アーマ ンド ・ ディペット じいさん が 、 それ を どういうふうに 取った か 、 わかる だろう 。 一 人 は ト ム ・ リドル と いう 、 貧しい が 優秀な 生徒 。 孤児 だ が 勇敢 そのもの の 監督 生 で 模範 生 。

もう 一 人 は 、 図体 ばかり で かくて 、 ドジ な ハグリッド 。 一 週間 おき に 問題 を 起こす 生徒 だ 。 狼 人間 の 仔 を ベッド の 下 で 育てよう と したり へ こっそり 抜け出して 『 禁じられた 森 』 に 行って トロール と 相撲 を 取ったり 。 しかし 、 あんまり 計画 通り に 運んだ ので 、 張本人 の 僕 が 驚いた こと は 認める よ 。 誰 か 一 人 ぐらい 、 ハグリッド が 『 スリザリン の 継承 者 』 で は あり え ない 、 と 気づく に 違いない と 思って いた 。 この 僕 で さえ 、『 秘密の 部屋 』 に ついて 、 できる かぎり の こと を 探り 出し 、 秘密の 入口 を 発見 する まで に 五 年 も かかった んだ ...... ハグリッド に 、 そんな 脳みそ が ある か ! そんな 力 が ある か !」

「 たった 一 人 、 変身 術 の ダンブルドア 先生 だけ が 、 ハグリッド は 無実 だ と 考えた らしい 。 ハ グリッド を 学校 に 置き 、 家畜 番 、 森 番 と して 訓練 する ように ディペット を 説得 した 。 そう 、 たぶん ダンブルドア に は 察し が ついて いた んだ 。 他の 先生 方 は みな 僕 が お気に入り だった が 、 ダンブルドア だけ は 違って いた ようだ 」

「 きっと ダンブルドア は 、 君 の こと を とっくに お 見通し だった んだ 」 ハリー は ギュッと 歯 を 食いしばった 。

「 そう だ な 。 ハグリッド が 退学 に なって から 、 ダンブルドア は 、 たしかに 僕 を しつこく 監視 する ように なった 」 リドル は こともなげに 言った 。

「 僕 の 在学 中 に 『 秘密の 部屋 』 を 再び 開ける の は 危険だ と 、 僕 に は わかって いた 。 しかし 、 探索 に 費 した 長い 年月 を むだに する つもり は ない 。 日記 を 残して 、 十六 歳 の 自分 を その 中 に 保存 しよう と 決心 した 。 いつか 、 時 が 巡って くれば 、 誰 か に 僕 の 足跡 を 追わ せて 、 サラザー ル ・ スリザリン の 、 崇高な 仕事 を 成し遂げる こと が できる だろう と 」

「 君 は それ を 成し遂げて は いない じゃ ない か 」 ハリー は 勝ち誇った ように 言った 。

「 今度 は 誰 も 死んで は いない 。 猫 一 匹 たり と も 。 あと 数 時間 すれば マンドレイク 薬 が でき上がり 、 石 に さ れた もの は 、 みんな 無事 、 元 に 戻る んだ 」

「 まだ 言って なかった かな ?」 リドル が 静かに 言った 。

「『 穢 れた 血 』 の 連中 を 殺す こと は 、 もう 僕 に とって は どう で も いい こと だって 。 この 数ヶ月 間 、 僕 の 新しい 狙い は ―― 君 だった 」

ハリー は 目 を 見張って リドル を 見た 。

「 それ から しばらく して 、 僕 の 日記 を また 開いて 書き込んだ の が 、 君 で は なく ジニー だった 。 僕 は どんなに 怒った か 。 ジニー は 君 が 日記 を 持って いる の を 見て 、 パニック 状態 に なった 。 君 が 日記 の 使い 方 を 見つけて しまったら ? 僕 が 君 に 、 ジニー の 秘密 を 全部 しゃべって し まう かも しれ ない 。 もっと 悪い こと に 、 もし 僕 が 君 に 、 鶏 を 絞め 殺した 犯人 を 教えたら どう しよう ?―― そこ で 、 バカな 小 娘 は 、 君 たち の 寝室 に 誰 も い なく なる の を 見計らって 、 日記 を 取戻し に 行った 。 しかし 、 僕 に は 自分 が 何 を すべき か が わかって いた 。 君 が スリザリン の 継承 者 の 足跡 を 確実に 追跡 して いる と 、 僕 に は はっきり わかって いた 。 ジニー から 君 の こと を いろいろ 聞か されて いた から 、 どんな こと を して でも 君 は 謎 を 解く だろう と 僕 に は わかっていた ―― 君 の 仲良し の 一 人 が 襲わ れた のだ から なおさら だ 。 それ に 、 君 が 蛇 語 を 話す と い う ので 、 学校 中 が 大騒ぎ だ と 、 ジニー が 教えて くれた ......」

「 そこ で 僕 は 、 ジニー に 自分 の 遺書 を 壁 に 書か せ ここ に 下りて きて 待つ ように 仕向けた 。 ジ ニー は 泣いたり 喚 いたり して 、 とても 退屈だった よ 。 しかし 、 この 子 の 命 は もう あまり 残されて は いない 。 あまりに も 日記 に 注ぎ込んで しまった 。 つまり この 僕 に 。 僕 は 、 おかげ で つ い に 日記 を 抜け出す まで に なった 。 僕 と ジニー と で 、 君 が 現れる の を ここ で 待って いた 。 君 が 来る こと は わかって いた よ 。 ハリー ・ ポッター 、 僕 は 君 に いろいろ 聞きたい こと が ある 」 「 なに を ?」 ハリー は 拳 を 固く 握った まま 、 吐き捨てる ように 言った 。 「 そう だ な 」 リドル は 愛想 よく 微笑 し ながら 言った 。

「 これ と いって 特別な 魔力 も 持た ない 赤ん坊 が 、 不 世 出 の 偉大な 魔法使い を どう やって 破った ? ヴォルデモート 卿 の 力 が 打ち砕か れた のに 、 君 の 方 は 、 たった 一 つ の 傷痕 だけ で 逃れた の は なぜ か ......」 むさぼる ような 目 に 、 奇妙な 赤い 光 が チラチラ と 漂って いる 。 「 僕 が なぜ 逃れた の か 、 どうして 君 が 気 に する んだ ?」 ハリー は 慎重に 言った 。 「 ヴォルデモート 卿 は 君 より あと に 出て きた 人 だろう 」 「 ヴォルデモート は 」 リドル の 声 は 静かだ 。 「 僕 の 過去 であり 、 現在 であり 、 未来 な のだ ...... ハリー ・ ポッター よ 」 ポケット から ハリー の 杖 を 取り出し 、 リドル は 空中 に 文字 を 書いた 。 三 つ の 言葉 が 揺らめき ながら 淡く 光った 。 TOMMARVOLORIDDLE ( トム ・ マールヴォロ ・ リドル ) もう 一 度 杖 を 一 振り した 。 名前 の 文字 が 並び 方 を 変えた 。 IAMLOADVOLDEMORT ( わたし は ヴオルデモート 卿 だ ) 「 わかった ね ?」 リドル が ささやいた 。

「 この 名前 は ホグワーツ 在学 中 に すでに 使って いた 。 もちろん 親しい 友人 に しか 明かして いない が 。 汚らわしい マグル の 父親 の 姓 を 、 僕 が いつまでも 使う と 思う かい ? 母方 の 血筋 に サ ラザール ・ スリザリン その 人 の 血 が 流れて いる この 僕 が ? 汚 らしい 、 俗な マグル の 名前 を 、 僕 が 生まれる 前 に 、 母 が 魔女 だ と いう だけ で 捨てた やつ の 名前 を 、 僕 が そのまま 使う と 思う かい ? ハリー 、 ノー だ 。 僕 は 自分 の 名前 を 自分 で つけた 。 ある 日 必ずや 、 魔法 界 の すべて が 口 に する こと を 恐れる 名前 を 。 その 日 が 来る こと を 僕 は 知っていた 。 僕 が 世界 一 偉大な 魔法 使い に なる その 日 が !」

ハリー は 脳 が 停止 した ような 気 が した 。 麻痺 した ような 頭 で リドル を 見つめた 。

この 孤児 の 尐年 が やがて 大人 に なり 、 ハリー の 両親 を 、 そして 他の 多く の 魔法使い を 殺した のだ 。

しばらく して ハリー は やっと 口 を 開いた 。

「 違う な 」 静かな 声 に 万感 の 憎しみ が こもって いた 。

「 何 が !」 リドル が 切り返した 。

「 君 は 世界 一 偉大な 魔法使い じゃ ない 」 ハリー は 息 を 荒 げ ていた 。

「 君 を がっかり さ せて 気の毒だ けど 、 世界 一 偉大な 魔法使い は アルバス ・ ダンブルドア だ 。 みんな が そう 言って いる 。 君 が 強大だった とき で さえ 、 ホグワーツ を 乗っ取る こと は おろか 、 手出し さえ でき なかった 。 ダンブルドア は 、 君 が 在学 中 は 君 の こと を お 見通し だった し 、 君 が どこ に 隠れて いよう と 、 いまだに 君 は ダンブルドア を 恐れて いる 」

微笑 が 消え 、 リドル の 顔 が 醜悪に なった 。

「 ダンブルドア は 僕 の 記憶 に 過ぎ ない もの に よって 追放 さ れ 、 この 城 から い なく なった !」 リドル は 歯 を 食いしばった 。

「 ダンブルドア は 、 君 の 思って いる ほど 、 遠く に 行って は いない ぞ !」 ハリー が 言い返し た 。 リドル を 恐 がら せる ため に 、 とっさに 思いついた 言葉 だった 。 本当に そう だ と 確信 して いる と いう より は 、 そう あって 欲しい と 思って いた 。

リドル は 口 を 開いた が 、 その 顔 が 凍りついた 。

どこ から と も なく 音楽 が 聞こえて きた のだ 。 リドル は クルリ と 振り返り 、 がらんと した 部屋 を ずっと 奥 まで 見渡した 。 音楽 は だんだん 大きく なった 。 妖しい 、 背筋 が ぞくぞく する よう な 、 この世 の もの と も 思え ない 旋律 だった 。 ハリー の 毛 は ザワッ と 逆立ち 、 心臓 が 二 倍 の 大 き さ に 膨れ上がった ような 気 が した 。

やがて その 旋律 が 高まり 、 ハリー の 胸 の 中 で 肋骨 を 震わせる ように 感じた とき 、 すぐ そば の 柱 の 頂上 から 炎 が 燃え上がった 。

白鳥 ほど の 大き さ の 深紅 の 鳥 が 、 ドーム 型 の 天井 に 、 その 不思議な 旋律 を 響かせ ながら 姿 を 現した 。

孔雀 の 羽 の ように 長い 金色 の 尾 羽 を 輝か せ 、 まばゆい 金色 の 爪 に ポロポロ の 包み を つかんで いる 。

一瞬 の 後 、 鳥 は ハリー の 方 に まっすぐに 飛んで きた 。 運んで きた ボロボロ の もの を ハリー の 足元 に 落とし 、 その 肩 に ずしり と 止まった 。

大きな 羽 を たたんで 、 肩 に 留まって いる 鳥 を 、 ハリー は 見上げた 。 長く 鋭い 金色 の 嘴 に 、 真っ黒な 丸い 目 が 見えた 。

鳥 は 歌う の を やめ 、 ハリー の 頬 に じっと その 暖かな 体 を 寄せて しっかり と リドル を 見据え た 。

「 不死鳥 だ な ......」 リドル は 鋭い 目 で 鳥 を にらみ 返した 。

「 フォークス か ?」 ハリー は そっと 呟いた 。 する と 金色 の 爪 が 、 肩 を 優しく ぎゅっと つかむ の を 感じた 。 「 そして 、 それ は ――」 リドル が フォークス の 落とした ぼろ に 目 を やった 。 「 それ は 古い 『 組 分け 帽子 』 だ 」

その 通り だった 。 つぎはぎ だらけ で ほつれた 薄汚 ない 帽子 は 、 ハリー の 足元 で ぴくり と も し なかった 。

リドル が また 笑い はじめた 。 その 高 笑い が 暗い 部屋 に ガンガン 反響 し 、 まるで 十 人 の リドル が 一度に 笑って いる ようだった 。

「 ダンブルドア が 味方 に 送って きた の は そんな もの か ! 歌い 鳥 に 古 帽子 じゃ ない か ! ハ リー ・ ポッター 、 さぞかし 心強い だろう ! もう 安心だ と 思う か ?」

ハリー は 答え なかった 。 フォークス や 「 組 分け 帽子 」 が 、 なんの 役 に 立つ の か は わから な かった が 、 もう ハリー は 一 人 ぼっち で は なかった 。 リドル が 笑い やむ の を 待つ うち に 、 ふつふつ と 勇気 が たぎって きた 。

「 ハリー 、 本題 に 入ろう か 」 リドル は まだ 昂然 と 笑み を 浮かべて いる 。

「 二 回 も ―― 君 の 過去 に 、 僕 に とって は 未来 に だ が ―― 僕たち は 出会った 。 そして 二 回 と も 僕 は 君 を 殺し 損ねた 。 君 は どう やって 生き残った ? すべて 開か せて もらおう か 」

そして リドル は 静かに つけ加えた 。

「 長く 話せば 、 君 は それ だけ 長く 生きて いられる こと に なる 」 ハリー は 素早く 考え を 巡らし 、 勝つ 見込み を 計算 した 。 リドル は 杖 を 持って いる 。 ハリー に は フォークス と 「 組 分け 帽子 」 が ある が 、 どちら も 決闘 の 役 に 立つ と は 思え ない 。 完全に 不利だ 。

しかし 、 リドル が そうして そこ に 立って いる うち に 、 ジニー の 命 は ますます 磨り 減って いく ......。

そう こうして いる うち に も 、 リドル の 輪郭 が はっきり 、 しっかり して きた こと に ハリー は 気づいた ―― 自分 と リドル と の 一騎打ち に なる なら 、 一刻 も 早い ほう が いい ――。

「 君 が 僕 を 襲った とき 、 どうして 君 が 力 を 失った の か 、 誰 に も わから ない 」 ハリー は 唐突に 話し はじめた 。

「 僕 自身 も わから ない 。 でも 、 なぜ 君 が 僕 を 殺せ なかった か 、 僕 に は わかる 。 母 が 、 僕 を かばって 死んだ から だ 。 母 は 普通の 、 マグル 生まれ の 母 だ 」

ハリー は 、 怒り を 押さえつける のに ワナ ワナ 震えて いた 。

「 君 が 僕 を 殺す の を 、 母 が 食い止めた んだ 。 僕 は ほんとうの 君 を 見た ぞ 。 去年 の こと だ 。 落ちぶれた 残骸 だ 。 かろうじて 生きて いる 。 君 の 力 のなれ の 果て だ 。 君 は 逃げ 隠れ して いる ! 醜い ! 汚らわしい !」

リドル の 顔 が 歪んだ 。 それ から 無理やり 、 ぞっと する ような 笑顔 を 取りつくろった 。

「 そう か 。 母親 が 君 を 救う ため に 死んだ 。 なるほど 。 それ は 呪い に 対する 強力な 反対 呪文 だ 。 わかった ぞ ―― 結局 君 自身 に は 特別な もの は 何も ない わけだ 。 実は 何 か ある の か と 思って いた んだ 。 ハリー ・ ポッター 、 何しろ 僕たち に は 不思議に 似た ところ が ある 。 君 も 気づ いた だろう 。 二 人 と も 混血 で 、 孤児 で 、 マグル に 育てられた 。 偉大なる スリザリン 様 ご 自身 以来 、 ホグワーツ に 入学 した 生徒 の 中 で 蛇 語 を 話せる の は 、 たった 二 人 だけ だろう 。 見た目

も どこ か 似て いる 。 しかし 、 僕 の 手 から 逃れられた の は 、 結局 幸運だった から に 過ぎ ない の か 。 それ だけ わかれば 十分だ 」

ハリー は 今にも リドル が 杖 を 振り上げる だろう と 、 体 を 固く した 。 しかし 、 リドル の 歪んだ わら 笑い は またもや 広がった 。

「 さて 、 ハリー 。 すこし 揉んで やろう 。 サラザール ・ スリザリン の 継承 者 、 ヴォルデモート 卿 の 力 と 、 有名な ハリー ・ ポッター と 、 ダンブルドア が くださった 精一杯 の 武器 と を 、 お手 合わせ 願おう か 」

17.1.2 スリザリンの継承者 - The Heir of Slytherin スリザリン の けいしょう しゃ|the|heir||slytherin 17.1.2 Das Erbe von Slytherin - Das Erbe von Slytherin 17.1.2 The Heir of Slytherin 17.1.2 L'héritier de Serpentard - L'héritier de Serpentard 17.1.2 Dziedzic Slytherinu - Dziedzic Slytherinu 17.1.2 Slytherins arvtagare - Slytherins arvtagare

アーマ ンド ・ ディペット じいさん が 、 それ を どういうふうに 取った か 、 わかる だろう 。 ||||||||とった||| You can see how Grandpa Armand Dipet took it. 一 人 は ト ム ・ リドル と いう 、 貧しい が 優秀な 生徒 。 ひと|じん|||||||まずしい||ゆうしゅうな|せいと One is Tom Riddle, a poor but excellent student. 孤児 だ が 勇敢 そのもの の 監督 生 で 模範 生 。 こじ|||ゆうかん|その もの||かんとく|せい||もはん|せい An orphan, but a brave and courageous director and model student.

もう 一 人 は 、 図体 ばかり で かくて 、 ドジ な ハグリッド 。 |ひと|じん||ずうたい|||||| The other is Hagrid, who is just a figure and a crappy Hagrid. 一 週間 おき に 問題 を 起こす 生徒 だ 。 ひと|しゅうかん|||もんだい||おこす|せいと| A student who causes problems every other week. 狼 人間 の 仔 を ベッド の 下 で 育てよう と したり へ こっそり 抜け出して 『 禁じられた 森 』 に 行って トロール と 相撲 を 取ったり 。 おおかみ|にんげん||し||べっど||した||そだてよう|||||ぬけだして|きんじ られた|しげる||おこなって|||すもう||とったり Trying to raise werewolf pups under the bed, or sneaking out and going to the Forbidden Forest for trolls and sumo wrestling. しかし 、 あんまり 計画 通り に 運んだ ので 、 張本人 の 僕 が 驚いた こと は 認める よ 。 ||けいかく|とおり||はこんだ||ちょうほんにん||ぼく||おどろいた|||みとめる| However, I admit that I was surprised because I carried it as planned so much. 誰 か 一 人 ぐらい 、 ハグリッド が 『 スリザリン の 継承 者 』 で は あり え ない 、 と 気づく に 違いない と 思って いた 。 だれ||ひと|じん||||||けいしょう|もの|||||||きづく||ちがいない||おもって| Someone thought that Hagrid must have realized that he couldn't be a "Slytherin's heir." この 僕 で さえ 、『 秘密の 部屋 』 に ついて 、 できる かぎり の こと を 探り 出し 、 秘密の 入口 を 発見 する まで に 五 年 も かかった んだ ...... ハグリッド に 、 そんな 脳みそ が ある か ! そんな 力 が ある か !」 |ぼく|||ひみつの|へや||||||||さぐり|だし|ひみつの|いりぐち||はっけん||||いつ|とし|||||||のうみそ|||||ちから||| Even for me, it took me five years to find out as much as I could about the Secret Room and to discover the secret entrance ... Hagrid has such a brain? Do you have that kind of power! "

「 たった 一 人 、 変身 術 の ダンブルドア 先生 だけ が 、 ハグリッド は 無実 だ と 考えた らしい 。 |ひと|じん|へんしん|じゅつ|||せんせい|||||むじつ|||かんがえた| "It seems that only one person, Dumbledore, a makeover teacher, thought Hagrid was innocent. ハ グリッド を 学校 に 置き 、 家畜 番 、 森 番 と して 訓練 する ように ディペット を 説得 した 。 |||がっこう||おき|かちく|ばん|しげる|ばん|||くんれん|||||せっとく| He put the Hagrid in the school and persuaded the dipet to train as a livestock hunter and a forest hunter. そう 、 たぶん ダンブルドア に は 察し が ついて いた んだ 。 |||||さっし|||| Yes, maybe Dumbledore had a clue. 他の 先生 方 は みな 僕 が お気に入り だった が 、 ダンブルドア だけ は 違って いた ようだ 」 たの|せんせい|かた|||ぼく||おきにいり||||||ちがって|| All the other teachers liked me, but it seems that only Dumbledore was different. "

「 きっと ダンブルドア は 、 君 の こと を とっくに お 見通し だった んだ 」 ハリー は ギュッと 歯 を 食いしばった 。 |||きみ||||||みとおし|||||ぎゅっと|は||くいしばった "I'm sure Dumbledore was looking at you for a long time." Harry clenched his teeth tightly.

「 そう だ な 。 ハグリッド が 退学 に なって から 、 ダンブルドア は 、 たしかに 僕 を しつこく 監視 する ように なった 」 リドル は こともなげに 言った 。 ||たいがく|||||||ぼく|||かんし|||||||いった

「 僕 の 在学 中 に 『 秘密の 部屋 』 を 再び 開ける の は 危険だ と 、 僕 に は わかって いた 。 ぼく||ざいがく|なか||ひみつの|へや||ふたたび|あける|||きけんだ||ぼく|||| しかし 、 探索 に 費 した 長い 年月 を むだに する つもり は ない 。 |たんさく||ひ||ながい|ねんげつ|||||| But I'm not going to waste the many years I spent exploring. 日記 を 残して 、 十六 歳 の 自分 を その 中 に 保存 しよう と 決心 した 。 にっき||のこして|じゅうろく|さい||じぶん|||なか||ほぞん|||けっしん| I decided to keep a diary and save myself as a 16-year-old in it. いつか 、 時 が 巡って くれば 、 誰 か に 僕 の 足跡 を 追わ せて 、 サラザー ル ・ スリザリン の 、 崇高な 仕事 を 成し遂げる こと が できる だろう と 」 |じ||めぐって||だれ|||ぼく||あしあと||おわ||||||すうこうな|しごと||なしとげる||||| Someday, as time goes by, I'll be able to get someone to follow in my footsteps and accomplish the noble work of Salazar Slytherin. "

「 君 は それ を 成し遂げて は いない じゃ ない か 」 ハリー は 勝ち誇った ように 言った 。 きみ||||なしとげて||||||||かちほこった||いった "You haven't done that," Harry said, triumphantly.

「 今度 は 誰 も 死んで は いない 。 こんど||だれ||しんで|| 猫 一 匹 たり と も 。 ねこ|ひと|ひき||| Even a cat. あと 数 時間 すれば マンドレイク 薬 が でき上がり 、 石 に さ れた もの は 、 みんな 無事 、 元 に 戻る んだ 」 |すう|じかん|||くすり||できあがり|いし|||||||ぶじ|もと||もどる|

「 まだ 言って なかった かな ?」 リドル が 静かに 言った 。 |いって|||||しずかに|いった "Did you say that yet?" Riddle quietly said.

「『 穢 れた 血 』 の 連中 を 殺す こと は 、 もう 僕 に とって は どう で も いい こと だって 。 あい||ち||れんちゅう||ころす||||ぼく||||||||| "Killing the'dirty blood'people doesn't matter to me anymore. この 数ヶ月 間 、 僕 の 新しい 狙い は ―― 君 だった 」 |すう かげつ|あいだ|ぼく||あたらしい|ねらい||きみ| For the past few months, my new aim was-you. "

ハリー は 目 を 見張って リドル を 見た 。 ||め||みはって|||みた

「 それ から しばらく して 、 僕 の 日記 を また 開いて 書き込んだ の が 、 君 で は なく ジニー だった 。 ||||ぼく||にっき|||あいて|かきこんだ|||きみ||||| "After a while, it was Genie, not you, who opened my diary again and wrote it. 僕 は どんなに 怒った か 。 ぼく|||いかった| How angry I was. ジニー は 君 が 日記 を 持って いる の を 見て 、 パニック 状態 に なった 。 ||きみ||にっき||もって||||みて|ぱにっく|じょうたい|| Ginny panicked when he saw you have a diary. 君 が 日記 の 使い 方 を 見つけて しまったら ? 僕 が 君 に 、 ジニー の 秘密 を 全部 しゃべって し まう かも しれ ない 。 きみ||にっき||つかい|かた||みつけて||ぼく||きみ||||ひみつ||ぜんぶ|||||| What if you find a way to use your diary? I might tell you all the secrets of Genie. もっと 悪い こと に 、 もし 僕 が 君 に 、 鶏 を 絞め 殺した 犯人 を 教えたら どう しよう ?―― そこ で 、 バカな 小 娘 は 、 君 たち の 寝室 に 誰 も い なく なる の を 見計らって 、 日記 を 取戻し に 行った 。 |わるい||||ぼく||きみ||にわとり||しめ|ころした|はんにん||おしえたら|||||ばかな|しょう|むすめ||きみ|||しんしつ||だれ|||||||みはからって|にっき||とりもどし||おこなった To make matters worse, what if I told you the culprit who strangled and killed the chicken?-There, the stupid little girl, seeing that no one was in your bedroom, diary. Went to get it back. しかし 、 僕 に は 自分 が 何 を すべき か が わかって いた 。 |ぼく|||じぶん||なん||す べき|||| But I knew what I should do. 君 が スリザリン の 継承 者 の 足跡 を 確実に 追跡 して いる と 、 僕 に は はっきり わかって いた 。 きみ||||けいしょう|もの||あしあと||かくじつに|ついせき||||ぼく||||| It was clear to me that you were sure to follow in the footsteps of Slytherin's heirs. ジニー から 君 の こと を いろいろ 聞か されて いた から 、 どんな こと を して でも 君 は 謎 を 解く だろう と 僕 に は わかっていた ―― 君 の 仲良し の 一 人 が 襲わ れた のだ から なおさら だ 。 ||きみ|||||きか|さ れて||||||||きみ||なぞ||とく|||ぼく|||わかって いた|きみ||なかよし||ひと|じん||おそわ||||| I knew that you would solve the mystery no matter what you did, because Ginny had told you a lot about you--especially because one of your good friends was attacked. .. それ に 、 君 が 蛇 語 を 話す と い う ので 、 学校 中 が 大騒ぎ だ と 、 ジニー が 教えて くれた ......」 ||きみ||へび|ご||はなす|||||がっこう|なか||おおさわぎ|||||おしえて| And Ginny tells me the whole school is in an uproar because you speak snake ......"

「 そこ で 僕 は 、 ジニー に 自分 の 遺書 を 壁 に 書か せ ここ に 下りて きて 待つ ように 仕向けた 。 ||ぼく||||じぶん||いしょ||かべ||かか||||おりて||まつ||しむけた "There I asked Ginny to write his suicide note on the wall and come down here and wait. ジ ニー は 泣いたり 喚 いたり して 、 とても 退屈だった よ 。 |||ないたり|かん||||たいくつだった| しかし 、 この 子 の 命 は もう あまり 残されて は いない 。 ||こ||いのち||||のこさ れて|| However, the life of this child is not left much anymore. あまりに も 日記 に 注ぎ込んで しまった 。 ||にっき||そそぎこんで| I poured it into my diary too much. つまり この 僕 に 。 ||ぼく| In other words, to me. 僕 は 、 おかげ で つ い に 日記 を 抜け出す まで に なった 。 ぼく|||||||にっき||ぬけだす||| Thanks to that, I was able to get out of my diary every time. 僕 と ジニー と で 、 君 が 現れる の を ここ で 待って いた 。 ぼく|||||きみ||あらわれる|||||まって| I and Genie were waiting here for you to appear. 君 が 来る こと は わかって いた よ 。 きみ||くる||||| I knew you were coming. ハリー ・ ポッター 、 僕 は 君 に いろいろ 聞きたい こと が ある 」 「 なに を ?」 ハリー は 拳 を 固く 握った まま 、 吐き捨てる ように 言った 。 ||ぼく||きみ|||きき たい||||||||けん||かたく|にぎった||はきすてる||いった Harry Potter, I have a lot to ask you. "" What? "Harry said to hold his fist tight and throw it away. 「 そう だ な 」 リドル は 愛想 よく 微笑 し ながら 言った 。 |||||あいそ||びしょう|||いった

「 これ と いって 特別な 魔力 も 持た ない 赤ん坊 が 、 不 世 出 の 偉大な 魔法使い を どう やって 破った ? ヴォルデモート 卿 の 力 が 打ち砕か れた のに 、 君 の 方 は 、 たった 一 つ の 傷痕 だけ で 逃れた の は なぜ か ......」  むさぼる ような 目 に 、 奇妙な 赤い 光 が チラチラ と 漂って いる 。 |||とくべつな|まりょく||もた||あかんぼう||ふ|よ|だ||いだいな|まほうつかい||||やぶった||きょう||ちから||うちくだか|||きみ||かた|||ひと|||きずあと|||のがれた|||||||め||きみょうな|あかい|ひかり||ちらちら||ただよって| "How did a baby, who had no special magical power, defeat the great wizard of the world? Sir Voldemort's power was shattered, but you had only one scar. Why did he escape? ... "A strange red light flickered in his devouring eyes. 「 僕 が なぜ 逃れた の か 、 どうして 君 が 気 に する んだ ?」 ハリー は 慎重に 言った 。 ぼく|||のがれた||||きみ||き||||||しんちょうに|いった "Why do you care why I escaped?" Harry said cautiously. 「 ヴォルデモート 卿 は 君 より あと に 出て きた 人 だろう 」 「 ヴォルデモート は 」 リドル の 声 は 静かだ 。 |きょう||きみ||||でて||じん||||||こえ||しずかだ "Sir Voldemort will be the one who came after you." "Voldemort is." Riddle's voice is quiet. 「 僕 の 過去 であり 、 現在 であり 、 未来 な のだ ...... ハリー ・ ポッター よ 」 ポケット から ハリー の 杖 を 取り出し 、 リドル は 空中 に 文字 を 書いた 。 ぼく||かこ||げんざい||みらい||||||ぽけっと||||つえ||とりだし|||くうちゅう||もじ||かいた "My past, present, and future ... Harry Potter." He took Harry's wand out of his pocket and Riddle wrote in the air. 三 つ の 言葉 が 揺らめき ながら 淡く 光った 。 みっ|||ことば||ゆらめき||あわく|ひかった The three words shimmered and shimmered. TOMMARVOLORIDDLE ( トム ・ マールヴォロ ・ リドル ) もう 一 度 杖 を 一 振り した 。 tommarvoloriddle|とむ||||ひと|たび|つえ||ひと|ふり| 名前 の 文字 が 並び 方 を 変えた 。 なまえ||もじ||ならび|かた||かえた IAMLOADVOLDEMORT ( わたし は ヴオルデモート 卿 だ ) 「 わかった ね ?」 リドル が ささやいた 。 iamloadvoldemort||||きょう||||||

「 この 名前 は ホグワーツ 在学 中 に すでに 使って いた 。 |なまえ|||ざいがく|なか|||つかって| "I had already used this name while I was in Hogwarts. もちろん 親しい 友人 に しか 明かして いない が 。 |したしい|ゆうじん|||あかして|| Of course, I only revealed it to my close friends. 汚らわしい マグル の 父親 の 姓 を 、 僕 が いつまでも 使う と 思う かい ? 母方 の 血筋 に サ ラザール ・ スリザリン その 人 の 血 が 流れて いる この 僕 が ? 汚 らしい 、 俗な マグル の 名前 を 、 僕 が 生まれる 前 に 、 母 が 魔女 だ と いう だけ で 捨てた やつ の 名前 を 、 僕 が そのまま 使う と 思う かい ? ハリー 、 ノー だ 。 けがらわしい|||ちちおや||せい||ぼく|||つかう||おもう||ははかた||ちすじ||||||じん||ち||ながれて|||ぼく||きたな||ぞくな|||なまえ||ぼく||うまれる|ぜん||はは||まじょ||||||すてた|||なまえ||ぼく|||つかう||おもう|||のー| Do you think I'll use the filthy Muggle's father's surname forever? Salazar Slytherin's blood is flowing in his maternal blood. Do you think I'll just use the name of the guy I abandoned just because my mother was a witch? Harry, no. 僕 は 自分 の 名前 を 自分 で つけた 。 ぼく||じぶん||なまえ||じぶん|| I gave my name myself. ある 日 必ずや 、 魔法 界 の すべて が 口 に する こと を 恐れる 名前 を 。 |ひ|かならずや|まほう|かい||||くち|||||おそれる|なまえ| その 日 が 来る こと を 僕 は 知っていた 。 |ひ||くる|||ぼく||しっていた 僕 が 世界 一 偉大な 魔法 使い に なる その 日 が !」 ぼく||せかい|ひと|いだいな|まほう|つかい||||ひ| The day when I will be the greatest witch in the world! "

ハリー は 脳 が 停止 した ような 気 が した 。 ||のう||ていし|||き|| Harry felt like his brain had stopped. 麻痺 した ような 頭 で リドル を 見つめた 。 まひ|||あたま||||みつめた

この 孤児 の 尐年 が やがて 大人 に なり 、 ハリー の 両親 を 、 そして 他の 多く の 魔法使い を 殺した のだ 。 |こじ||尐ねん|||おとな|||||りょうしん|||たの|おおく||まほうつかい||ころした|

しばらく して ハリー は やっと 口 を 開いた 。 |||||くち||あいた

「 違う な 」 静かな 声 に 万感 の 憎しみ が こもって いた 。 ちがう||しずかな|こえ||ばんかん||にくしみ||| "No." The quiet voice was filled with hatred of all feelings.

「 何 が !」 リドル が 切り返した 。 なん||||きりかえした

「 君 は 世界 一 偉大な 魔法使い じゃ ない 」 ハリー は 息 を 荒 げ ていた 。 きみ||せかい|ひと|いだいな|まほうつかい|||||いき||あら||

「 君 を がっかり さ せて 気の毒だ けど 、 世界 一 偉大な 魔法使い は アルバス ・ ダンブルドア だ 。 きみ|||||きのどくだ||せかい|ひと|いだいな|まほうつかい|||| みんな が そう 言って いる 。 |||いって| 君 が 強大だった とき で さえ 、 ホグワーツ を 乗っ取る こと は おろか 、 手出し さえ でき なかった 。 きみ||きょうだいだった||||||のっとる||||てだし||| Even when you were mighty, you couldn't even hijack Hogwarts, let alone get your hands on it. ダンブルドア は 、 君 が 在学 中 は 君 の こと を お 見通し だった し 、 君 が どこ に 隠れて いよう と 、 いまだに 君 は ダンブルドア を 恐れて いる 」 ||きみ||ざいがく|なか||きみ|||||みとおし|||きみ||||かくれて||||きみ||||おそれて|

微笑 が 消え 、 リドル の 顔 が 醜悪に なった 。 びしょう||きえ|||かお||しゅうあくに|

「 ダンブルドア は 僕 の 記憶 に 過ぎ ない もの に よって 追放 さ れ 、 この 城 から い なく なった !」 リドル は 歯 を 食いしばった 。 ||ぼく||きおく||すぎ|||||ついほう||||しろ|||||||は||くいしばった "Dumbledore was banished from this castle because it was just my memory!" Riddle clenched his teeth.

「 ダンブルドア は 、 君 の 思って いる ほど 、 遠く に 行って は いない ぞ !」 ハリー が 言い返し た 。 ||きみ||おもって|||とおく||おこなって||||||いいかえし| "Dumbledore isn't as far as you think!" Harry replied. リドル を 恐 がら せる ため に 、 とっさに 思いついた 言葉 だった 。 ||こわ||||||おもいついた|ことば| It was a word that came to my mind in order to scare Riddle. 本当に そう だ と 確信 して いる と いう より は 、 そう あって 欲しい と 思って いた 。 ほんとうに||||かくしん|||||||||ほしい||おもって| Rather than being convinced that it really was, I wanted it to be.

リドル は 口 を 開いた が 、 その 顔 が 凍りついた 。 ||くち||あいた|||かお||こおりついた Riddle opened his mouth, but his face froze.

どこ から と も なく 音楽 が 聞こえて きた のだ 。 |||||おんがく||きこえて|| I could hear the music from nowhere. リドル は クルリ と 振り返り 、 がらんと した 部屋 を ずっと 奥 まで 見渡した 。 ||くるり||ふりかえり|||へや|||おく||みわたした Riddle turned around and looked all the way into the empty room. 音楽 は だんだん 大きく なった 。 おんがく|||おおきく| 妖しい 、 背筋 が ぞくぞく する よう な 、 この世 の もの と も 思え ない 旋律 だった 。 あやしい|せすじ||||||このよ|||||おもえ||せんりつ| It was a mysterious, throbbing spine, a tune that I couldn't think of in the world. ハリー の 毛 は ザワッ と 逆立ち 、 心臓 が 二 倍 の 大 き さ に 膨れ上がった ような 気 が した 。 ||け||||さかだち|しんぞう||ふた|ばい||だい||||ふくれあがった||き||

やがて その 旋律 が 高まり 、 ハリー の 胸 の 中 で 肋骨 を 震わせる ように 感じた とき 、 すぐ そば の 柱 の 頂上 から 炎 が 燃え上がった 。 ||せんりつ||たかまり|||むね||なか||あばらぼね||ふるわせる||かんじた|||||ちゅう||ちょうじょう||えん||もえあがった Eventually, the tune rose, and when he felt the ribs quiver in Harry's chest, a flame burned from the top of the pillar next to him.

白鳥 ほど の 大き さ の 深紅 の 鳥 が 、 ドーム 型 の 天井 に 、 その 不思議な 旋律 を 響かせ ながら 姿 を 現した 。 はくちょう|||おおき|||しんく||ちょう||どーむ|かた||てんじょう|||ふしぎな|せんりつ||ひびかせ||すがた||あらわした

孔雀 の 羽 の ように 長い 金色 の 尾 羽 を 輝か せ 、 まばゆい 金色 の 爪 に ポロポロ の 包み を つかんで いる 。 くじゃく||はね|||ながい|きんいろ||お|はね||かがやか|||きんいろ||つめ||ぽろぽろ||つつみ||| The long golden tail feathers, like the wings of a peacock, shine, and the dazzling golden claws grab a polo polo wrap.

一瞬 の 後 、 鳥 は ハリー の 方 に まっすぐに 飛んで きた 。 いっしゅん||あと|ちょう||||かた|||とんで| After a moment, the bird flew straight toward Harry. 運んで きた ボロボロ の もの を ハリー の 足元 に 落とし 、 その 肩 に ずしり と 止まった 。 はこんで||ぼろぼろ||||||あしもと||おとし||かた||||とまった I dropped the tattered thing I had brought to Harry's feet and stopped on his shoulder.

大きな 羽 を たたんで 、 肩 に 留まって いる 鳥 を 、 ハリー は 見上げた 。 おおきな|はね|||かた||とどまって||ちょう||||みあげた Harry looked up at the bird, which had its big wings folded and stayed on its shoulders. 長く 鋭い 金色 の 嘴 に 、 真っ黒な 丸い 目 が 見えた 。 ながく|するどい|きんいろ||くちばし||まっくろな|まるい|め||みえた

鳥 は 歌う の を やめ 、 ハリー の 頬 に じっと その 暖かな 体 を 寄せて しっかり と リドル を 見据え た 。 ちょう||うたう||||||ほお||||あたたかな|からだ||よせて|||||みすえ|

「 不死鳥 だ な ......」 リドル は 鋭い 目 で 鳥 を にらみ 返した 。 ふしちょう|||||するどい|め||ちょう|||かえした

「 フォークス か ?」 ハリー は そっと 呟いた 。 |||||つぶやいた する と 金色 の 爪 が 、 肩 を 優しく ぎゅっと つかむ の を 感じた 。 ||きんいろ||つめ||かた||やさしく|||||かんじた 「 そして 、 それ は ――」 リドル が フォークス の 落とした ぼろ に 目 を やった 。 |||||||おとした|||め|| 「 それ は 古い 『 組 分け 帽子 』 だ 」 ||ふるい|くみ|わけ|ぼうし|

その 通り だった 。 |とおり| つぎはぎ だらけ で ほつれた 薄汚 ない 帽子 は 、 ハリー の 足元 で ぴくり と も し なかった 。 ||||うすぎたな||ぼうし||||あしもと||ぴく り|||| Harry's hat, a worn, frayed mess of frayed patches, did not even flinch at his feet.

リドル が また 笑い はじめた 。 |||わらい| その 高 笑い が 暗い 部屋 に ガンガン 反響 し 、 まるで 十 人 の リドル が 一度に 笑って いる ようだった 。 |たか|わらい||くらい|へや|||はんきょう|||じゅう|じん||||いちどに|わらって||

「 ダンブルドア が 味方 に 送って きた の は そんな もの か ! 歌い 鳥 に 古 帽子 じゃ ない か ! ハ リー ・ ポッター 、 さぞかし 心強い だろう ! もう 安心だ と 思う か ?」 ||みかた||おくって|||||||うたい|ちょう||ふる|ぼうし||||||||こころづよい|||あんしんだ||おもう|

ハリー は 答え なかった 。 ||こたえ| フォークス や 「 組 分け 帽子 」 が 、 なんの 役 に 立つ の か は わから な かった が 、 もう ハリー は 一 人 ぼっち で は なかった 。 ||くみ|わけ|ぼうし|||やく||たつ|||||||||||ひと|じん|ぼ っち||| リドル が 笑い やむ の を 待つ うち に 、 ふつふつ と 勇気 が たぎって きた 。 ||わらい||||まつ|||ふ つ ふ つ||ゆうき|||

「 ハリー 、 本題 に 入ろう か 」 リドル は まだ 昂然 と 笑み を 浮かべて いる 。 |ほんだい||はいろう|||||たかし ぜん||えみ||うかべて| "Harry, let's cut to the chase." Riddle is still smiling with exasperation.

「 二 回 も ―― 君 の 過去 に 、 僕 に とって は 未来 に だ が ―― 僕たち は 出会った 。 ふた|かい||きみ||かこ||ぼく||||みらい||||ぼくたち||であった "Twice-in your past, for me in the future-we met. そして 二 回 と も 僕 は 君 を 殺し 損ねた 。 |ふた|かい|||ぼく||きみ||ころし|そこねた 君 は どう やって 生き残った ? すべて 開か せて もらおう か 」 きみ||||いきのこった||あか||| How did you survive? Let me open everything. "

そして リドル は 静かに つけ加えた 。 |||しずかに|つけくわえた

「 長く 話せば 、 君 は それ だけ 長く 生きて いられる こと に なる 」  ハリー は 素早く 考え を 巡らし 、 勝つ 見込み を 計算 した 。 ながく|はなせば|きみ||||ながく|いきて|いら れる||||||すばやく|かんがえ||めぐらし|かつ|みこみ||けいさん| "The longer you talk, the longer you will live." Harry quickly pondered and calculated his chances of winning. リドル は 杖 を 持って いる 。 ||つえ||もって| ハリー に は フォークス と 「 組 分け 帽子 」 が ある が 、 どちら も 決闘 の 役 に 立つ と は 思え ない 。 |||||くみ|わけ|ぼうし||||||けっとう||やく||たつ|||おもえ| 完全に 不利だ 。 かんぜんに|ふりだ It's completely disadvantageous.

しかし 、 リドル が そうして そこ に 立って いる うち に 、 ジニー の 命 は ますます 磨り 減って いく ......。 ||||||たって||||||いのち|||みがく り|へって| But while Riddle stands there, Ginny's life wears out more and more ...

そう こうして いる うち に も 、 リドル の 輪郭 が はっきり 、 しっかり して きた こと に ハリー は 気づいた ―― 自分 と リドル と の 一騎打ち に なる なら 、 一刻 も 早い ほう が いい ――。 ||||||||りんかく||||||||||きづいた|じぶん|||||いっきうち||||いっこく||はやい||| In the meantime, Harry realized that Riddle's outline had become clearer and firmer-if it was a one-on-one fight between himself and Riddle, it would be better as soon as possible.

「 君 が 僕 を 襲った とき 、 どうして 君 が 力 を 失った の か 、 誰 に も わから ない 」 ハリー は 唐突に 話し はじめた 。 きみ||ぼく||おそった|||きみ||ちから||うしなった|||だれ|||||||とうとつに|はなし| "No one knows why you lost power when you attacked me," Harry suddenly began to speak.

「 僕 自身 も わから ない 。 ぼく|じしん||| "I don't even know myself. でも 、 なぜ 君 が 僕 を 殺せ なかった か 、 僕 に は わかる 。 ||きみ||ぼく||ころせ|||ぼく||| 母 が 、 僕 を かばって 死んだ から だ 。 はは||ぼく|||しんだ|| Because my mother died by protecting me. 母 は 普通の 、 マグル 生まれ の 母 だ 」 はは||ふつうの||うまれ||はは|

ハリー は 、 怒り を 押さえつける のに ワナ ワナ 震えて いた 。 ||いかり||おさえつける||わな|わな|ふるえて|

「 君 が 僕 を 殺す の を 、 母 が 食い止めた んだ 。 きみ||ぼく||ころす|||はは||くいとめた| 僕 は ほんとうの 君 を 見た ぞ 。 ぼく|||きみ||みた| I saw you really. 去年 の こと だ 。 きょねん||| 落ちぶれた 残骸 だ 。 おちぶれた|ざんがい| It's a fallen wreckage. かろうじて 生きて いる 。 |いきて| Barely alive. 君 の 力 のなれ の 果て だ 。 きみ||ちから|||はて| The end of your power. 君 は 逃げ 隠れ して いる ! 醜い ! 汚らわしい !」 きみ||にげ|かくれ|||みにくい|けがらわしい You're running away and hiding! Ugly! Dirty! "

リドル の 顔 が 歪んだ 。 ||かお||ゆがんだ それ から 無理やり 、 ぞっと する ような 笑顔 を 取りつくろった 。 ||むりやり||||えがお||とりつくろった

「 そう か 。 母親 が 君 を 救う ため に 死んだ 。 ははおや||きみ||すくう|||しんだ なるほど 。 それ は 呪い に 対する 強力な 反対 呪文 だ 。 ||まじない||たいする|きょうりょくな|はんたい|じゅもん| It's a powerful opposition to the curse. わかった ぞ ―― 結局 君 自身 に は 特別な もの は 何も ない わけだ 。 ||けっきょく|きみ|じしん|||とくべつな|||なにも|| Okay, after all, you don't have anything special about yourself. 実は 何 か ある の か と 思って いた んだ 。 じつは|なん||||||おもって|| I was actually wondering if there was something to it. ハリー ・ ポッター 、 何しろ 僕たち に は 不思議に 似た ところ が ある 。 ||なにしろ|ぼくたち|||ふしぎに|にた||| Harry Potter, after all, we have something strange. 君 も 気づ いた だろう 。 きみ||きづ|| 二 人 と も 混血 で 、 孤児 で 、 マグル に 育てられた 。 ふた|じん|||こんけつ||こじ||||そだて られた 偉大なる スリザリン 様 ご 自身 以来 、 ホグワーツ に 入学 した 生徒 の 中 で 蛇 語 を 話せる の は 、 たった 二 人 だけ だろう 。 いだいなる||さま||じしん|いらい|||にゅうがく||せいと||なか||へび|ご||はなせる||||ふた|じん|| Great Slytherin Since himself, only two of the students enrolled in Hogwarts will be able to speak the parseltongue. 見た目 みため Appearance

も どこ か 似て いる 。 |||にて| Is somewhere similar. しかし 、 僕 の 手 から 逃れられた の は 、 結局 幸運だった から に 過ぎ ない の か 。 |ぼく||て||のがれ られた|||けっきょく|こううんだった|||すぎ||| But was it just because I was lucky that I was able to escape from my hands? それ だけ わかれば 十分だ 」 |||じゅうぶんだ It's enough to know that. "

ハリー は 今にも リドル が 杖 を 振り上げる だろう と 、 体 を 固く した 。 ||いまにも|||つえ||ふりあげる|||からだ||かたく| Harry stiffened, thinking that Riddle would swing his wand up at any moment. しかし 、 リドル の 歪んだ わら 笑い は またもや 広がった 。 |||ゆがんだ||わらい|||ひろがった

「 さて 、 ハリー 。 すこし 揉んで やろう 。 |もんで| Let's massage a little. サラザール ・ スリザリン の 継承 者 、 ヴォルデモート 卿 の 力 と 、 有名な ハリー ・ ポッター と 、 ダンブルドア が くださった 精一杯 の 武器 と を 、 お手 合わせ 願おう か 」 |||けいしょう|もの||きょう||ちから||ゆうめいな|||||||せいいっぱい||ぶき|||おて|あわせ|ねがおう| Salazar Slytherin's heir, Lord Voldemort's power, the famous Harry Potter, and Dumbledore's best weapons. "