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2 - Harry Potter, 16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets

16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets

「 ハリー 、 何 か 言って みろ よ 。 何 か を 蛇 語 で 」 ロン が 言った 。 「 でも 」 ハリー は 必死で 考えた 。 なんとか 蛇 語 が 話せた の は 、 本物 の ヘビ に 向かって いる とき だけ だった 。 小さな 彫物 を じっと 見つめて 、 ハリー は それ が 本物 である と 想 僕 して みた 。 「 開け 」

ロン の 顔 を 見る と 、 首 を 横 に 振って いる 。

「 普通の 言葉 だ よ 」

ハリー は もう 一 度 ヘビ を 見た 。 本物 の ヘビ だ と 思い込もう と した 。 首 を 動かして みる と 、 蝋燭 の 明り で 、 彫物 が 動いて いる ように 見えた 。

『 開け 』 もう 一 度 言った 。

言った はずの 言葉 は 聞こえて こ なかった 。 かわり に 奇妙な シュー シュー と いう 音 が 、 口 から 出た 。 そして 、 蛇口 が 眩 い 白い 光 を 放ち 、 回り はじめた 。 次の 瞬間 、 手洗い 台 が 動き出し た 。

手洗い 台 が 沈み 込み 、 見る見る 消え去った あと に 、 太い パイプ が むき出しに なった 。

大人 一 人 が 滑り 込める ほど の 太 さ だ 。

ハリー は ロン が 息 を 呑む 声 で 、 再び 目 を 上げた 。

何 を すべき か 、 もう ハリー の 心 は 決まって いた 。 「 僕 は ここ を 降りて 行く 」 ハリー が 言った 。 行か ないで はいら れ ない 。

「 秘密の 部屋 」 へ の 入口 が 見つかった 以上 、 ほんの わずかな 、 かすかな 可能 性 でも 、 ジニー が まだ 生きて いる かも しれ ない 以上 、 行か なければ 。

「 僕 も 行く 」 ロン が 言った 。

一瞬 の 空白 が あった 。

「 さて 、 私 は ほとんど 必要ない ようです ね 」 ロック ハート が 、 得意の スマイル の 残骸 の よう な 笑い を 浮かべた 。

「 私 は これ で ――」

ロック ハート が ドア の 取っ手 に 手 を 掛けた が 、 ロン と ハリー が 、 同時に 杖 を ロック ハート に 向けた 。

「 先 に 降りる んだ 」 ロン が 凄んだ 。

顔面 蒼白 で 杖 も なく 、 ロックハート は パイプ の 入口 に 近づいた 。

「 君 たち 」 ロック ハート は 弱々しい 声 で 言った 。

「 ねえ 、 君 たち 、 それ が なんの 役に立つ と いう んだ ね ?」

ハリー は ロックハート の 背中 を 杖 で 小突いた 。

ロック ハート は 足 を パイプ に 滑り込ま せた 。

「 ほんとうに なんの 役 に も ――」 ロック ハート が また 言い かけた が 、 ロン が 押した ので 、 ロックハート は 滑り落ちて 見え なく なった 。

すぐ あと に ハリー が 続いた 。 ゆっくり と パイプ の 中 に 入り込み 、 それ から 手 を 放した 。

ちょうど 、 果てし の ない 、 ぬるぬる した 暗い 滑り台 を 急 降下 して いく ようだった 。 あちこち 四方八方 に 枝分かれ して いる パイプ が 見えた が 、 自分 たち が 降りて 行く パイプ より 太い もの は なかった 。

その パイプ は 曲がりくねり ながら 、 下 に 向かって 急 勾配 で 続いて いる 。 ハリー は 学校 の 下 を 深く 、 地下 牢 より も 一層 深く 落ちて 行く の が わかった 。

あと から 来る ロン が カーブ を 通る たび に ドスン ドスン と 軽く ぶつかる 音 を たてる の が 聞こえ た 。

底 に 着陸 したら どう なる のだろう と 、 ハリー が 不安に 思い はじめた その とき 、 パイプ が 平ら に なり 、 出口 から 放り出さ れ 、 ドスッ と 湿った 音 を たてて 、 暗い 石 の トンネル の じめじめ し た 床 に 落ちた 。

トンネル は 立ち上がる に 十分な 高さ だった 。 ロック ハート が 尐 し 離れた ところ で 、 全身 ベトベト で 、 ゴースト の ように 白い 顔 を して 立ち上がる ところ だった 。

ロン も ヒユーッ と 降りて きた ので 、 ハリー は パイプ の 出口 の 脇 に よけた 。

「 学校 の 何 キロ も ずーっと 下 の 方 に 違いない 」 ハリー の 声 が トンネル の 闇 に 反響 した 。

「 湖 の 下 だ よ 。 たぶん 」 暗い ぬるぬる した 壁 を 目 を 細めて 見回し ながら 、 ロン が 言った 。

二 人 と も 、 目の前 に 続く 闇 を じっと 見つめた 。

「 ルーモス !< 光 よ >」 ハリー が 杖 に 向かって 呟く と 、 杖 に 灯り が 点った 。 「 行こう 」 ハリー が あと の 二 人 に 声 を かけ 、 三 人 は 歩き 出した 。

足音 が 、 湿った 床 に ピシャッピシャッ と 大きく 響いた 。

トンネル は 真っ暗で 、 目 と 鼻 の 先 しか 見え ない 。

杖 灯り で 湿っぽい 壁 に 映る 三 人 の 影 が 、 おどろおどろしかった 。

「 みんな 、 いい かい 」 そろそろ と 前進 し ながら 、 ハリー が 低い 声 で 言った 。

「 何 か が 動く 気配 を 感じたら 、 すぐ 目 を つぶる んだ ......」

しかし 、 トンネル は 墓場 の ように 静まり返って いた 。

最初に 耳慣れ ない 音 を 聞いた の は 、 ロン が 何 か を 踏んづけた バリン と いう 大きな 音 で 、 それ は ネズミ の 頭蓋 骨 だった 。

ハリー が 杖 を 床 に 近づけて よく 見る と 、 小さな 動物 の 骨 が そこら 中 に 散らばって いた 。 ジ ニー が 見つかった とき 、 どんな 姿 に なって いる だろう ...... そんな 思い を 必死で 振り切り なが ら 、 ハリー は 暗い トンネル の カーブ を 、 先頭 に 立って 曲がった 。

「 ハリー 、 あそこ に 何 か ある ......」

ロン の 声 が かすれ 、 ハリー の 肩 を ギュッと つかんだ 。

三 人 は 凍りついた ように 立ち止まって 、 行く手 を 見つめた 。

トンネル を ふさぐ ように 、 何 か 大きくて 曲線 を 措 いた もの が あった 。

輪郭 だけ が かろうじて 見える 。 その もの は じっと 動か ない 。

「 眠って いる の かも しれ ない 」

ハリー は 息 を ひそめ 、 後ろ の 二 人 を テラリ と 振り返った 。

ロック ハート は 両手 で しっかり と 目 を 押さえて いた 。

ハリー は また 前方 を 見た 。 心臓 の 動 博 が 痚 い ほど 速く なった 。

ゆっくり と 、 ぎりぎり 物 が 見える 程度 に 、 できる かぎり 目 を 細く して 、 その 物体 に じりじり と 近寄った 。

ハリー は 杖 を 高く 掲げ 杖 灯り が 照らし出した の は 、 巨大な 蛇 の 抜け殻 だった 。 毒々しい 鮮やかな 緑色 の 皮 が 、 トンネル の 床 に とぐろ を 巻いて 横たわって いる 。 脱皮 した 蛇 は ゆうに 六 メートル は ある に 違いない 「 なんて こった 」 ロン が 力なく 言った 。 後ろ の 方 で 急に 何 か が 動いた 。

ギルデロイ ・ ロックハート が 腰 を 抜かして いた 。

「 立て 」 ロン が 、 ロックハート に 杖 を 向け 、 きつい 口調 で 言った 。

ロック ハート は 立ち上がり ―― ロン に 跳び かかって 床 に 殴り 倒した 。

ハリー が 前 に 飛び出した が 、 間に合わ なかった 。

ロック ハート は 肩 で 息 を し ながら 立ち上がった 。

ロン の 杖 を 握り 、 輝く ような スマイル が 戻って いる 。

「 坊や たち 、 お 遊び は これ で おしまい だ ! 私 は この 皮 を 尐 し 学校 に 持って 帰り 、 女の子 を 救 うに は 遅 過ぎた と みんな に 言おう 。 君 たち 二 人 は ズタズタ に なった 無残な 死骸 を 見て 、 哀れ に も 気 が 狂った と 言おう 。 さあ 、 記憶 に 別れ を 告げる が いい !」

ロック ハート は スペロテープ で 張りつけた ロン の 杖 を 頭上 に かざし 、 一声 叫んだ 。

「 オフリビエイト !< 忘れよ >」 杖 は 小型 爆弾 なみ に 爆発 した 。

ハリー は 蛇 の とぐろ を 巻いた 抜け殻 に 躓き 、 滑り ながら 、 両手 で さっと 頭 を 覆って 逃げた 。

トンネル の 天井 から 、 大きな 塊 が 、 雷 の ような 轟音 を 上げて バラバラ と 崩れ落ちて きた の だ 。

次の 瞬間 、 岩 の 塊 が 固い 壁 の ように たちふさがって いる の を ジッと 見 ながら 、 ハリー は たった 一 人 で そこ に 立って いた 。 「 ローン !」 ハリー が 叫んだ 。 「 大丈夫 か ! ロン !」

「 ここ だ よ !」 ロン の 声 は 崩れ落ちた 岩石 の 影 から ぼんやり と 聞こえた 。

「 僕 は 大丈夫だ 。 でも こっち の バカ は ダメだ - 杖 で 吹っ飛ば さ れた 」

ドンと 鈍い 音 に 続いて 「 アイタッ !」 と 言う 大きな 声 が 聞こえた 。

ロン が ロック ハート の むこう 脛 を 蹴飛ばした ような 音 だった 。

「 さあ 、 どう する !」 ロン の 声 は 必死だった 。

「 こっち から は 行け ない よ 。 何 年 も かかって しまう ......」

ハリー は トンネル の 天井 を 見上げた 。

巨大な 割れ目 が できて いる 。 ハリー は これ まで 、 こんな 岩石 の 山 の ような 大きな もの を 、 魔法 で 砕いて みた こと が なかった 。 初めて それ に 挑戦 する に は 、 タイミング が よい と は 言え な い ―― トンネル 全体 が 潰れたら どう する ?

岩 の むこう から 、 また 「 ドン 」 が 聞こえ 、「 アイタッ !」 が 聞こえた 。 時間 が むだに 過ぎて 行く 。

ジニー が 『 秘密の 部屋 』 に 連れ 去られて から 何 時間 も たって いる ―― ハリー に は 道 は 一 つ しかない こと が わかって いた 。 「 そこ で 待って て 」 ハリー は ロン に 呼びかけた 。

「 ロック ハート と 一緒に 待って いて 。 僕 が 先 に 進む 。 一 時間 たって 戻ら なかったら ......」

もの言い た げ な 沈黙 が あった 。

「 僕 は 尐 し でも ここ の 岩石 を 取り崩して みる よ 」 ロン は 、 懸命に 落ち着いた 声 を 出そう と し て いる ようだった 。

「 そう すれば 君 が ―― 帰り に ここ を 通れる 。 だ から ハリー ――」

「 それ じゃ 、 また あと で ね 」 ハリー は 震える 声 に 、 なんとか 自信 を 叩きこむ ように 言った 。

そして 、 ハリー は たった 一 人 、 巨大な 蛇 の 皮 を 越えて 先 に 進んだ 。

ロン が 力 を 振りしぼって 、 岩石 を 動かそう と して いる 音 も やがて 遠く なり 、 聞こえ なく なった 。 トンネル は くねくね と 何度 も 曲がった 。 体中 の 神経 が きりきり と 不快に 痚 んだ 。

ハリー は トンネル の 終わり が 来れば よい と 思い ながら も 、 その とき に 何 が 見つかる か を 思う と 、 恐ろしく も あった 。

また もう 一 つ の 曲り角 を そっと 曲がった 途端 、 遂に 前方 に 固い 壁 が 見えた 。

二 匹 の ヘビ が 絡み合った 彫刻 が 施して あり 、 ヘビ の 目 に は 輝く 大粒の エメラルド が 嵌め込んで あった 。

ハリー は 近づいて 行った 。 喉 が カラ カラ だ 。 今度 は 石 の ヘビ を 本物 だ と 思い込む 必要 は な かった 。

ヘビ の 目 が 妙に 生き生き して いる 。 何 を すべき か 、 ハリー に は 想像 が ついた 。 咳払い を し た 。

すると エメラルド の 目 が チラチラ と 輝いた ようだった 。

『 開け 』 低く 幽かな シュー シュー と いう 音 だった 。

壁 が 二 つ に 裂け 、 絡み合って いた ヘビ が 分かれ 、 両側 の 壁 が 、 スルスル と 滑る ように 見え な く なった 。

ハリー は 頭 の てっぺん から 足 の つま先 まで 震え ながら その 中 に 入って 行った 。


16.2.2 秘密の部屋 - The Chamber of Secrets ひみつの へや|the|chamber||secrets 16.2.2 Kammer des Schreckens - Die Kammer des Schreckens 16.2.2 The Chamber of Secrets 16.2.2 Komnata tajemnic - Komnata tajemnic 16.2.2 Hemligheternas kammare - Hemligheternas kammare

「 ハリー 、 何 か 言って みろ よ 。 |なん||いって|| "Harry, say something. 何 か を 蛇 語 で 」 ロン が 言った 。 なん|||へび|ご||||いった 「 でも 」 ハリー は 必死で 考えた 。 |||ひっしで|かんがえた なんとか 蛇 語 が 話せた の は 、 本物 の ヘビ に 向かって いる とき だけ だった 。 |へび|ご||はなせた|||ほんもの||へび||むかって|||| 小さな 彫物 を じっと 見つめて 、 ハリー は それ が 本物 である と 想 僕 して みた 。 ちいさな|ほりもの|||みつめて|||||ほんもの|||おも|ぼく|| 「 開け 」 あけ

ロン の 顔 を 見る と 、 首 を 横 に 振って いる 。 ||かお||みる||くび||よこ||ふって|

「 普通の 言葉 だ よ 」 ふつうの|ことば||

ハリー は もう 一 度 ヘビ を 見た 。 |||ひと|たび|へび||みた 本物 の ヘビ だ と 思い込もう と した 。 ほんもの||へび|||おもいこもう|| 首 を 動かして みる と 、 蝋燭 の 明り で 、 彫物 が 動いて いる ように 見えた 。 くび||うごかして|||ろうそく||あかり||ほりもの||うごいて|||みえた

『 開け 』 もう 一 度 言った 。 あけ||ひと|たび|いった

言った はずの 言葉 は 聞こえて こ なかった 。 いった||ことば||きこえて|| かわり に 奇妙な シュー シュー と いう 音 が 、 口 から 出た 。 ||きみょうな|しゅー|しゅー|||おと||くち||でた そして 、 蛇口 が 眩 い 白い 光 を 放ち 、 回り はじめた 。 |じゃぐち||くら||しろい|ひかり||はなち|まわり| 次の 瞬間 、 手洗い 台 が 動き出し た 。 つぎの|しゅんかん|てあらい|だい||うごきだし|

手洗い 台 が 沈み 込み 、 見る見る 消え去った あと に 、 太い パイプ が むき出しに なった 。 てあらい|だい||しずみ|こみ|みるみる|きえさった|||ふとい|ぱいぷ||むきだしに|

大人 一 人 が 滑り 込める ほど の 太 さ だ 。 おとな|ひと|じん||すべり|こめる|||ふと|| It's thick enough for an adult to slip in.

ハリー は ロン が 息 を 呑む 声 で 、 再び 目 を 上げた 。 ||||いき||どん む|こえ||ふたたび|め||あげた Harry raised his eyes again at the sound of Ron's gasp.

何 を すべき か 、 もう ハリー の 心 は 決まって いた 。 なん||す べき|||||こころ||きまって| 「 僕 は ここ を 降りて 行く 」 ハリー が 言った 。 ぼく||||おりて|いく|||いった 行か ないで はいら れ ない 。 いか|||| I can't go without going.

「 秘密の 部屋 」 へ の 入口 が 見つかった 以上 、 ほんの わずかな 、 かすかな 可能 性 でも 、 ジニー が まだ 生きて いる かも しれ ない 以上 、 行か なければ 。 ひみつの|へや|||いりぐち||みつかった|いじょう||||かのう|せい|||||いきて|||||いじょう|いか|

「 僕 も 行く 」 ロン が 言った 。 ぼく||いく|||いった

一瞬 の 空白 が あった 。 いっしゅん||くうはく|| There was a momentary blank.

「 さて 、 私 は ほとんど 必要ない ようです ね 」 ロック ハート が 、 得意の スマイル の 残骸 の よう な 笑い を 浮かべた 。 |わたくし|||ひつような い|||ろっく|はーと||とくいの|すまいる||ざんがい||||わらい||うかべた

「 私 は これ で ――」 わたくし|||

ロック ハート が ドア の 取っ手 に 手 を 掛けた が 、 ロン と ハリー が 、 同時に 杖 を ロック ハート に 向けた 。 ろっく|はーと||どあ||とって||て||かけた||||||どうじに|つえ||ろっく|はーと||むけた

「 先 に 降りる んだ 」 ロン が 凄んだ 。 さき||おりる||||すごんだ

顔面 蒼白 で 杖 も なく 、 ロックハート は パイプ の 入口 に 近づいた 。 がんめん|そうはく||つえ|||||ぱいぷ||いりぐち||ちかづいた

「 君 たち 」 ロック ハート は 弱々しい 声 で 言った 。 きみ||ろっく|はーと||よわよわしい|こえ||いった

「 ねえ 、 君 たち 、 それ が なんの 役に立つ と いう んだ ね ?」 |きみ|||||やく に たつ||||

ハリー は ロックハート の 背中 を 杖 で 小突いた 。 ||||せなか||つえ||こづいた

ロック ハート は 足 を パイプ に 滑り込ま せた 。 ろっく|はーと||あし||ぱいぷ||すべりこま|

「 ほんとうに なんの 役 に も ――」 ロック ハート が また 言い かけた が 、 ロン が 押した ので 、 ロックハート は 滑り落ちて 見え なく なった 。 ||やく|||ろっく|はーと|||いい|||||おした||||すべりおちて|みえ||

すぐ あと に ハリー が 続いた 。 |||||つづいた ゆっくり と パイプ の 中 に 入り込み 、 それ から 手 を 放した 。 ||ぱいぷ||なか||はいりこみ|||て||はなした

ちょうど 、 果てし の ない 、 ぬるぬる した 暗い 滑り台 を 急 降下 して いく ようだった 。 |はてし|||||くらい|すべりだい||きゅう|こうか||| あちこち 四方八方 に 枝分かれ して いる パイプ が 見えた が 、 自分 たち が 降りて 行く パイプ より 太い もの は なかった 。 |しほうはっぽう||えだわかれ|||ぱいぷ||みえた||じぶん|||おりて|いく|ぱいぷ||ふとい||| We could see pipes branching in all directions, but none were thicker than the pipes they were descending from.

その パイプ は 曲がりくねり ながら 、 下 に 向かって 急 勾配 で 続いて いる 。 |ぱいぷ||まがりくねり||した||むかって|きゅう|こうばい||つづいて| ハリー は 学校 の 下 を 深く 、 地下 牢 より も 一層 深く 落ちて 行く の が わかった 。 ||がっこう||した||ふかく|ちか|ろう|||いっそう|ふかく|おちて|いく|||

あと から 来る ロン が カーブ を 通る たび に ドスン ドスン と 軽く ぶつかる 音 を たてる の が 聞こえ た 。 ||くる|||かーぶ||とおる|||どすん|どすん||かるく||おと|||||きこえ|

底 に 着陸 したら どう なる のだろう と 、 ハリー が 不安に 思い はじめた その とき 、 パイプ が 平ら に なり 、 出口 から 放り出さ れ 、 ドスッ と 湿った 音 を たてて 、 暗い 石 の トンネル の じめじめ し た 床 に 落ちた 。 そこ||ちゃくりく||||||||ふあんに|おもい||||ぱいぷ||たいら|||でぐち||ほうりださ||||しめった|おと|||くらい|いし||とんねる|||||とこ||おちた

トンネル は 立ち上がる に 十分な 高さ だった 。 とんねる||たちあがる||じゅうぶんな|たか さ| ロック ハート が 尐 し 離れた ところ で 、 全身 ベトベト で 、 ゴースト の ように 白い 顔 を して 立ち上がる ところ だった 。 ろっく|はーと||||はなれた|||ぜんしん|べとべと||ごーすと|||しろい|かお|||たちあがる||

ロン も ヒユーッ と 降りて きた ので 、 ハリー は パイプ の 出口 の 脇 に よけた 。 ||||おりて|||||ぱいぷ||でぐち||わき|| Ron also came down, so Harry moved to the side of the pipe exit.

「 学校 の 何 キロ も ずーっと 下 の 方 に 違いない 」 ハリー の 声 が トンネル の 闇 に 反響 した 。 がっこう||なん|きろ|||した||かた||ちがいない|||こえ||とんねる||やみ||はんきょう|

「 湖 の 下 だ よ 。 こ||した|| "It's under the lake. たぶん 」 暗い ぬるぬる した 壁 を 目 を 細めて 見回し ながら 、 ロン が 言った 。 |くらい|||かべ||め||ほそめて|みまわし||||いった

二 人 と も 、 目の前 に 続く 闇 を じっと 見つめた 。 ふた|じん|||めのまえ||つづく|やみ|||みつめた

「 ルーモス !< 光 よ >」 ハリー が 杖 に 向かって 呟く と 、 杖 に 灯り が 点った 。 |ひかり||||つえ||むかって|つぶやく||つえ||ともり||つ った "Rumos! <Light>" Harry muttered at the wand, and the wand was lit. 「 行こう 」 ハリー が あと の 二 人 に 声 を かけ 、 三 人 は 歩き 出した 。 いこう|||||ふた|じん||こえ|||みっ|じん||あるき|だした "Let's go," Harry called out to the other two, and the three started walking.

足音 が 、 湿った 床 に ピシャッピシャッ と 大きく 響いた 。 あしおと||しめった|とこ||||おおきく|ひびいた

トンネル は 真っ暗で 、 目 と 鼻 の 先 しか 見え ない 。 とんねる||まっくらで|め||はな||さき||みえ| The tunnel is pitch black and you can only see the tip of your eyes and nose.

杖 灯り で 湿っぽい 壁 に 映る 三 人 の 影 が 、 おどろおどろしかった 。 つえ|ともり||しめっぽい|かべ||うつる|みっ|じん||かげ||おどろ お どろ しかった

「 みんな 、 いい かい 」 そろそろ と 前進 し ながら 、 ハリー が 低い 声 で 言った 。 |||||ぜんしん|||||ひくい|こえ||いった

「 何 か が 動く 気配 を 感じたら 、 すぐ 目 を つぶる んだ ......」 なん|||うごく|けはい||かんじたら||め|||

しかし 、 トンネル は 墓場 の ように 静まり返って いた 。 |とんねる||はかば|||しずまりかえって|

最初に 耳慣れ ない 音 を 聞いた の は 、 ロン が 何 か を 踏んづけた バリン と いう 大きな 音 で 、 それ は ネズミ の 頭蓋 骨 だった 。 さいしょに|みみなれ||おと||きいた|||||なん|||ふんづけた||||おおきな|おと||||ねずみ||ずがい|こつ|

ハリー が 杖 を 床 に 近づけて よく 見る と 、 小さな 動物 の 骨 が そこら 中 に 散らばって いた 。 ||つえ||とこ||ちかづけて||みる||ちいさな|どうぶつ||こつ|||なか||ちらばって| ジ ニー が 見つかった とき 、 どんな 姿 に なって いる だろう ...... そんな 思い を 必死で 振り切り なが ら 、 ハリー は 暗い トンネル の カーブ を 、 先頭 に 立って 曲がった 。 |||みつかった|||すがた||||||おもい||ひっしで|ふりきり|な が||||くらい|とんねる||かーぶ||せんとう||たって|まがった What would he look like when Genie was found ... While desperately shaking off that thought, Harry took the curve of the dark tunnel and turned to the front.

「 ハリー 、 あそこ に 何 か ある ......」 |||なん|| "Harry, there's something over there ..."

ロン の 声 が かすれ 、 ハリー の 肩 を ギュッと つかんだ 。 ||こえ|||||かた||ぎゅっと|

三 人 は 凍りついた ように 立ち止まって 、 行く手 を 見つめた 。 みっ|じん||こおりついた||たちどまって|ゆくて||みつめた

トンネル を ふさぐ ように 、 何 か 大きくて 曲線 を 措 いた もの が あった 。 とんねる||||なん||おおきくて|きょくせん||そ|||| There was something big and curved, like blocking a tunnel.

輪郭 だけ が かろうじて 見える 。 りんかく||||みえる Only the contour is barely visible. その もの は じっと 動か ない 。 ||||うごか|

「 眠って いる の かも しれ ない 」 ねむって|||||

ハリー は 息 を ひそめ 、 後ろ の 二 人 を テラリ と 振り返った 。 ||いき|||うしろ||ふた|じん||||ふりかえった Harry held his breath and looked back at the two behind him.

ロック ハート は 両手 で しっかり と 目 を 押さえて いた 。 ろっく|はーと||りょうて||||め||おさえて| Lockhart was holding his eyes firmly with both hands.

ハリー は また 前方 を 見た 。 |||ぜんぽう||みた Harry also looked forward. 心臓 の 動 博 が 痚 い ほど 速く なった 。 しんぞう||どう|はく|||||はやく|

ゆっくり と 、 ぎりぎり 物 が 見える 程度 に 、 できる かぎり 目 を 細く して 、 その 物体 に じりじり と 近寄った 。 |||ぶつ||みえる|ていど||||め||ほそく|||ぶったい||||ちかよった Slowly, I narrowed my eyes as much as possible so that I could see the object, and I approached the object.

ハリー は 杖 を 高く 掲げ 杖 灯り が 照らし出した の は 、 巨大な 蛇 の 抜け殻 だった 。 ||つえ||たかく|かかげ|つえ|ともり||てらしだした|||きょだいな|へび||ぬけがら| 毒々しい 鮮やかな 緑色 の 皮 が 、 トンネル の 床 に とぐろ を 巻いて 横たわって いる 。 どくどくしい|あざやかな|みどりいろ||かわ||とんねる||とこ||||まいて|よこたわって| 脱皮 した 蛇 は ゆうに 六 メートル は ある に 違いない 「 なんて こった 」 ロン が 力なく 言った 。 だっぴ||へび|||むっ|めーとる||||ちがいない|||||ちからなく|いった 後ろ の 方 で 急に 何 か が 動いた 。 うしろ||かた||きゅうに|なん|||うごいた

ギルデロイ ・ ロックハート が 腰 を 抜かして いた 。 |||こし||ぬかして| Gilderoy Lockhart was sitting down.

「 立て 」 ロン が 、 ロックハート に 杖 を 向け 、 きつい 口調 で 言った 。 たて|||||つえ||むけ||くちょう||いった

ロック ハート は 立ち上がり ―― ロン に 跳び かかって 床 に 殴り 倒した 。 ろっく|はーと||たちあがり|||とび||とこ||なぐり|たおした Rock Heart stood up-jumping on Ron and knocking him down on the floor.

ハリー が 前 に 飛び出した が 、 間に合わ なかった 。 ||ぜん||とびだした||まにあわ|

ロック ハート は 肩 で 息 を し ながら 立ち上がった 。 ろっく|はーと||かた||いき||||たちあがった Rock Heart stood up, breathing on his shoulders.

ロン の 杖 を 握り 、 輝く ような スマイル が 戻って いる 。 ||つえ||にぎり|かがやく||すまいる||もどって|

「 坊や たち 、 お 遊び は これ で おしまい だ ! 私 は この 皮 を 尐 し 学校 に 持って 帰り 、 女の子 を 救 うに は 遅 過ぎた と みんな に 言おう 。 ぼうや|||あそび||||||わたくし|||かわ||||がっこう||もって|かえり|おんなのこ||すく|||おそ|すぎた||||いおう 君 たち 二 人 は ズタズタ に なった 無残な 死骸 を 見て 、 哀れ に も 気 が 狂った と 言おう 。 きみ||ふた|じん||ずたずた|||むざんな|しがい||みて|あわれ|||き||くるった||いおう Let's say that the two of you were pitifully crazy when they saw the shredded corpse. さあ 、 記憶 に 別れ を 告げる が いい !」 |きおく||わかれ||つげる|| Now, say goodbye to your memory! "

ロック ハート は スペロテープ で 張りつけた ロン の 杖 を 頭上 に かざし 、 一声 叫んだ 。 ろっく|はーと||||はりつけた|||つえ||ずじょう|||ひとこえ|さけんだ

「 オフリビエイト !< 忘れよ >」 |わすれよ 杖 は 小型 爆弾 なみ に 爆発 した 。 つえ||こがた|ばくだん|||ばくはつ|

ハリー は 蛇 の とぐろ を 巻いた 抜け殻 に 躓き 、 滑り ながら 、 両手 で さっと 頭 を 覆って 逃げた 。 ||へび||||まいた|ぬけがら||つまずき|すべり||りょうて|||あたま||おおって|にげた Harry stumbled on a shell wrapped around a snake's tongue, slipping, and quickly covered his head with both hands and ran away.

トンネル の 天井 から 、 大きな 塊 が 、 雷 の ような 轟音 を 上げて バラバラ と 崩れ落ちて きた の だ 。 とんねる||てんじょう||おおきな|かたまり||かみなり|||ごうおん||あげて|ばらばら||くずれおちて||| From the ceiling of the tunnel, a large mass fell apart with a thunderous roar.

次の 瞬間 、 岩 の 塊 が 固い 壁 の ように たちふさがって いる の を ジッと 見 ながら 、 ハリー は たった 一 人 で そこ に 立って いた 。 つぎの|しゅんかん|いわ||かたまり||かたい|かべ|||||||じっと|み|||||ひと|じん||||たって| At the next moment, Harry stood alone there, staring at the rock mass blocking it like a hard wall. 「 ローン !」 ハリー が 叫んだ 。 ろーん|||さけんだ 「 大丈夫 か ! ロン !」 だいじょうぶ||

「 ここ だ よ !」 ロン の 声 は 崩れ落ちた 岩石 の 影 から ぼんやり と 聞こえた 。 |||||こえ||くずれおちた|がんせき||かげ||||きこえた

「 僕 は 大丈夫だ 。 ぼく||だいじょうぶだ でも こっち の バカ は ダメだ - 杖 で 吹っ飛ば さ れた 」 |||ばか||だめだ|つえ||ふっとば||

ドンと 鈍い 音 に 続いて 「 アイタッ !」 と 言う 大きな 声 が 聞こえた 。 どんと|にぶい|おと||つづいて|||いう|おおきな|こえ||きこえた I heard a loud bang and a dull sound followed by a loud voice saying "Aita!".

ロン が ロック ハート の むこう 脛 を 蹴飛ばした ような 音 だった 。 ||ろっく|はーと|||すね||けとばした||おと| It sounded like Ron kicked the shin over the rock heart.

「 さあ 、 どう する !」 ロン の 声 は 必死だった 。 |||||こえ||ひっしだった

「 こっち から は 行け ない よ 。 |||いけ|| 何 年 も かかって しまう ......」 なん|とし||| It will take years ... "

ハリー は トンネル の 天井 を 見上げた 。 ||とんねる||てんじょう||みあげた

巨大な 割れ目 が できて いる 。 きょだいな|われめ||| There is a huge crack. ハリー は これ まで 、 こんな 岩石 の 山 の ような 大きな もの を 、 魔法 で 砕いて みた こと が なかった 。 |||||がんせき||やま|||おおきな|||まほう||くだいて|||| Harry has never tried to crush such a big rocky mountain with magic. 初めて それ に 挑戦 する に は 、 タイミング が よい と は 言え な い ―― トンネル 全体 が 潰れたら どう する ? はじめて|||ちょうせん||||たいみんぐ|||||いえ|||とんねる|ぜんたい||つぶれたら|| It's not the right time to try it for the first time-what if the entire tunnel collapses?

岩 の むこう から 、 また 「 ドン 」 が 聞こえ 、「 アイタッ !」 が 聞こえた 。 いわ|||||||きこえ|||きこえた From the other side of the rock, I heard "Don" and "Aita!". 時間 が むだに 過ぎて 行く 。 じかん|||すぎて|いく Time goes by in vain.

ジニー が 『 秘密の 部屋 』 に 連れ 去られて から 何 時間 も たって いる ―― ハリー に は 道 は 一 つ しかない こと が わかって いた 。 ||ひみつの|へや||つれ|さら れて||なん|じかん|||||||どう||ひと||しか ない|||| It's been hours since Ginny was taken to the Secret Room-I knew that Harry had only one way. 「 そこ で 待って て 」 ハリー は ロン に 呼びかけた 。 ||まって||||||よびかけた

「 ロック ハート と 一緒に 待って いて 。 ろっく|はーと||いっしょに|まって| 僕 が 先 に 進む 。 ぼく||さき||すすむ 一 時間 たって 戻ら なかったら ......」 ひと|じかん||もどら|

もの言い た げ な 沈黙 が あった 。 ものいい||||ちんもく|| There was an unspeakable silence.

「 僕 は 尐 し でも ここ の 岩石 を 取り崩して みる よ 」 ロン は 、 懸命に 落ち着いた 声 を 出そう と し て いる ようだった 。 ぼく|||||||がんせき||とりくずして|||||けんめいに|おちついた|こえ||だそう||||| "I'll try to tear down the rocks here," Ron seemed to be trying hard to make a calm voice.

「 そう すれば 君 が ―― 帰り に ここ を 通れる 。 ||きみ||かえり||||とおれる "That way you can walk through here on your way home. だ から ハリー ――」

「 それ じゃ 、 また あと で ね 」 ハリー は 震える 声 に 、 なんとか 自信 を 叩きこむ ように 言った 。 ||||||||ふるえる|こえ|||じしん||たたきこむ||いった

そして 、 ハリー は たった 一 人 、 巨大な 蛇 の 皮 を 越えて 先 に 進んだ 。 ||||ひと|じん|きょだいな|へび||かわ||こえて|さき||すすんだ

ロン が 力 を 振りしぼって 、 岩石 を 動かそう と して いる 音 も やがて 遠く なり 、 聞こえ なく なった 。 ||ちから||ふりしぼって|がんせき||うごかそう||||おと|||とおく||きこえ|| トンネル は くねくね と 何度 も 曲がった 。 とんねる||||なんど||まがった The tunnel was winding and winding many times. 体中 の 神経 が きりきり と 不快に 痚 んだ 。 たいちゅう||しんけい||きり きり||ふかいに||

ハリー は トンネル の 終わり が 来れば よい と 思い ながら も 、 その とき に 何 が 見つかる か を 思う と 、 恐ろしく も あった 。 ||とんねる||おわり||くれば|||おもい||||||なん||みつかる|||おもう||おそろしく|| Harry wished the end of the tunnel would come, but was scared to think of what he would find at that time.

また もう 一 つ の 曲り角 を そっと 曲がった 途端 、 遂に 前方 に 固い 壁 が 見えた 。 ||ひと|||まがりかど|||まがった|とたん|ついに|ぜんぽう||かたい|かべ||みえた As soon as I gently turned another corner, I finally saw a hard wall in front of me.

二 匹 の ヘビ が 絡み合った 彫刻 が 施して あり 、 ヘビ の 目 に は 輝く 大粒の エメラルド が 嵌め込んで あった 。 ふた|ひき||へび||からみあった|ちょうこく||ほどこして||へび||め|||かがやく|おおつぶの|||はめこんで| The sculpture was intertwined with two snakes, and the eyes of the snake were inlaid with large, shining emeralds.

ハリー は 近づいて 行った 。 ||ちかづいて|おこなった 喉 が カラ カラ だ 。 のど||から|から| 今度 は 石 の ヘビ を 本物 だ と 思い込む 必要 は な かった 。 こんど||いし||へび||ほんもの|||おもいこむ|ひつよう||| This time I didn't have to assume that the stone snake was real.

ヘビ の 目 が 妙に 生き生き して いる 。 へび||め||みょうに|いきいき|| The snake's eyes are strangely lively. 何 を すべき か 、 ハリー に は 想像 が ついた 。 なん||す べき|||||そうぞう|| 咳払い を し た 。 せきばらい|||

すると エメラルド の 目 が チラチラ と 輝いた ようだった 。 |||め||ちらちら||かがやいた|

『 開け 』 低く 幽かな シュー シュー と いう 音 だった 。 あけ|ひくく|ゆう かな|しゅー|しゅー|||おと|

壁 が 二 つ に 裂け 、 絡み合って いた ヘビ が 分かれ 、 両側 の 壁 が 、 スルスル と 滑る ように 見え な く なった 。 かべ||ふた|||さけ|からみあって||へび||わかれ|りょうがわ||かべ||するする||すべる||みえ||| The wall split in two, the intertwined snakes split, and the walls on both sides disappeared as if they were slipping.

ハリー は 頭 の てっぺん から 足 の つま先 まで 震え ながら その 中 に 入って 行った 。 ||あたま||||あし||つまさき||ふるえ|||なか||はいって|おこなった Harry quivered from the top of his head to the toes of his feet and went into it.