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2 - Harry Potter, 14.2 コーネリウス ・ファッシ ゙ - Cornelius Fudge

14.2 コーネリウス ・ファッシ ゙ - Cornelius Fudge

「 全校 生徒 は 夕方 六 時 まで に 、 各 寮 の 談話 室 に 戻る ように 。 それ 以後 は 決して 寮 を 出て は なりません 。 授業 に 行く とき は 、 必ず 先生 が 一 人 引率 します 。 トイレ に 行く とき は 、 必ず 先生 に 付き添って もらう こと 。 クィディッチ の 練習 も 試合 も 、 すべて 延期 です 。 夕方 は 一切 、 ク ラブ 活動 を して は なりません 」 超 満員 の 談話 室 で 、 グリフィンドール 生 は 黙って マクゴナガル 先生 の 話 を 聞いた 。 先生 は 羊 皮 紙 を 広げて 読み上げた あと で 、 紙 を クルクル 巻き ながら 、 尐 し 声 を 詰まら せた 。

「 言う まで も ない こと です が 、 私 は これほど 落胆 した こと は ありません 。 これ まで の 襲撃 事 件 の 犯人 が 捕まら ない かぎり 、 学校 が 閉鎖 さ れる 可能 性 も あります 。 犯人 に ついて 何 か 心当たり が ある 生徒 は 申し出る よう 強く 望みます 」 マクゴナガル 先生 は 、 少し ぎごち なく 肖像 画 の 裏 の 穴 から 出て いった 。 途端 に グリフィンドール 生 は しゃべり はじめた 。

「 これ で グリフィンドール 生 は 二 人 やられた 。 寮 付き の ゴースト を 別に して も 。 レイブンク ロー が 一 人 、 ハッフルパフ が 一 人 」

ウィーズリー 双子 兄弟 と 仲良し の 、 リー ・ ジョーダン が 指 を 折って 数え上げた 。

「 先生 方 は だ ー れ も 気づか ない の か な ? スリザリン 生 は みんな 無事だ 。 今度 の こと は 、 全部 スリザリン に 関係 して るって 、 誰 に だって わかく そうな もん じゃ ない か ? スリザリン の 継承 者 、 スリザリン の 怪物 ―― どうして スリザリン 生 を 全部 追い出さ ない んだ ?」 リー の 大 演説 に みんな 領 き 、 パラパラ と 拍手 が 起こった 。 パーシー ・ ウィーズリー は 、 リー の 後ろ の 椅子 に 座って いた が 、 いつも と 様子 が 違って 、 自 分 の 意見 を 聞か せたい と いう 気 が ない ようだった 。 青い 顔 で 声 も なく ぼ ーっと して いる 。 「 パーシー は ショック な んだ 」 ジョージ が ハリー に ささやいた 。

「 あの レイブンクロー の 子 ―― ペネロピー ・ クリアウォーター ―― 監督 生 な んだ 。 パーシー は 怪物 が 監督 生 を 襲う なんて 決して ない と 思って た んだろう な 」

しかし ハリー は 半分 しか 聞いて い なかった 。

ハーマイオニー が 病棟 の ベッド に 石 の 彫刻 の ように 横たわって いる 姿 が 、 目 に 焼きついて 離れ ない 。

犯人 が 捕まら なかったら 、 ハリー は 一生 ダーズリー 一家 と 暮らす 羽白 に なる 。

トム ・ リドル は 、 学校 が 閉鎖 さ れたら マグル の 孤児院 で 暮らす 羽目 に なった だろう 。

だから ハグリッド の こと を 密告 した のだ 。

トム ・ リドル の 気持 が 、 今 の ハリー に は 痚 い ほど わかる 。

「 どう したら いい んだろう ?」 ロン が ハリー の 耳元 で ささやいた 。

「 ハグリッド が 疑わ れる と 思う かい ?」

「 ハグリッド に 会って 話さ なり ちゃ 」 ハリー は 決心 した 。

「 今度 は ハグリッド だ と は 思わ ない 。 でも 、 前 に 怪物 を 解き 放した の が 彼 だ と すれば 、 どう やって 『 秘密の 部屋 』 に 入る の か を 知って る はずだ 。 それ が 糸口 だ 」

「 だけど 、 マクゴナガル が 、 授業 の とき 以外 は 寮 の 塔 から 出る なって ――」

「 今 こそ 」 ハリー が 一 段 と 声 を ひそめた 。

「 パパ の あの マント を また 使う とき だ と 思う 」

ハリー が 父親 から 受け継いだ たった 一 つ の 物 、 それ は 、 長い 銀色 に 光る 「 透明 マント 」 だった 。 誰 に も 知ら れ ず に こっそり 学校 を 抜け出して 、 ハグリッド を 訪ねる の に は それ しか ない 。

二 人 は いつも の 時間 に ベッド に 入り 、 ネビル 、 ディーン 、 シューマス が やっと 「 秘密の 部 屋 」 の 討論 を やめ 、 寝静まる の を 待った 。

それ から 起き上がり 、 ローブ を 着 直して 「 透明 マント 」 を 被った 。

暗い 、 人気 の ない 城 の 廊下 を 歩き回る の は 楽しい と は いえ なかった 。

ハリー は 前 に も 何度 か 夜 、 城 の 中 を さまよった こと が あった が 、 日没 後 に 、 こんな 混 み 合って いる 城 を 見る の は 初めて だった 。 先生 や 監督 生 、 ゴースト など が 二 人 ずつ 組 に なって 、 不審な 動き は ない か と そこ いら 中 に 日 を 光らせて いた 。

「 透明 マント 」 は 二 人 の 物音 まで 消して は くれ ない 。

特に 危なかった の が 、 ロン が 躓いた とき だった 。

ほんの 数 メートル 先 に スネイプ が 見張り に 立って いた 。

うまい 具合 に 、 ロン の 「 こんち くしょう 」 と いう 悪態 と 、 スネイプ の くしゃみ が まったく 同 時 だった 。

正面 玄関 に たどり着き 、 樫 の 扉 を そっと 開けた とき 、 二 人 は やっと ホッと した 。 星 の 輝く 明るい 夜 だった 。 ハグリッド の 小屋 の 灯り を 目指し 、 二 人 は 急いだ 。 小屋 の すぐ 前 に 来た とき 、 初めて 二 人 は 「 マント 」 を 脱いだ 。

戸 を 叩く と 、 すぐに ハグリッド が バタン と 戸 を 開けた 。 真 正面 に ヌッ と 現れた ハグリッド は 二 人 に 石 弓 を 突きつけて いた 。

ボアハウンド 犬 の ファング が 後ろ の 方 で 吼 え たてて いる 。

「 お ぉ 」 ハグリッド は 武器 を 下ろして 、 二 人 を まじまじ と 見た 。

「 二 人 と も こんな とこ で 何 し とる ?」

「 それ 、 なんの ため な の ?」 二 人 は 小屋 に 入り ながら 石 弓 を 指差した 。

「 なんでも ねぇ ...... なんでも 」 ハグリッド が も ご も ご 言った 。

「 ただ 、 もしかすると ...... うん に ゃ ...... 座れ や ...... 茶 、 入れる わ い ......」

ハグリッド は 上の空 だった 。 やかん から 水 を こぼして 、 暖炉 の 火 を 危うく 消し そうに なった り 、 ど で か い 手 を 神経質に 動かした 弾み で 、 ポット を こなごなに 割ったり した 。

「 ハグリッド 、 大丈夫 !」 ハリー が 声 を かけた 。

「 ハーマイオニー の こと 、 聞いた ?」

「 あぁ 、 聞いた 。 たしかに 」 ハグリッド の 声 の 調子 が 尐 し 変わった 。

その 間 も チラッチラッ と 不安 そうに 窓 の 方 を 見て いる 。

それ から 二 人 に 、 たっぷり と 熱い 湯 を 入れた 大きな マグカップ を 差し出した ( ティーバッグ を 入れ 忘れて いる )。

分厚い フルーツ ケーキ を 皿 に 入れて いる とき 、 戸 を 叩く 大きな 音 が した 。 ハグリッド は フ ルーツ ケーキ を ポロリ と 取り 落とし 、 ハリー と ロン は パニック に なって 顔 を 見合わせ 、 さっと 「 透明 マント 」 を 被って 部屋 の 隅 に 引っ込んだ 。 ハグリッド は 二 人 が ちゃんと 隠れた こと を 見極め 、 石 弓 を 引っつか み 、 もう 一 度 バン と 戸 を 開けた 。

「 こんばんは 、 ハグリッド 」

ダンブルドア だった 。 深刻 そのもの の 顔 で 小屋 に 入って 来た 。 次に 奇妙な 格好の 男 が 続 い た 。

見知らぬ 男 は 背 の 低い 恰幅 の いい 体 に くしゃくしゃの 白髪 頭 で 、 悩み 事 が ある ような 顔 を し て いた 。

奇妙な 組み合わせ の 服装 で 、 細縞 の スーツ 、 真っ赤な ネクタイ 、 黒い 長い マント を 着て 先 の 尖った 紫色 の ブーツ を 履いて いる 。

ライム の ような 黄緑 色 の 山高 帽 を 小 脇 に 抱えて いた 。 「 パパ の ボス だ !」 ロン が ささやいた 。 「 コーネリウス ・ ファッジ 、 魔法 省 大臣 だ !」 ハリー は ロン を 肘 で 小突いて 黙ら せた 。 ハグリッド は 青ざめて 汗 を かき はじめた 。

椅子 に ドッと 座り込み 、 ダンブルドア の 顔 を 見 、 それ から コーネリウス ・ ファッジ の 顔 を 見 た 。

「 状況 は よく ない 。 ハグリッド 」 ファッジ が ぶっきらぼうに 言った 。

「 すこぶる よく ない 。 来 ざる を え なかった 。 マグル 出身 が 四 人 も やられた 。 もう 始末 に 負え ん 。 本省 が 何 か し なり て は 」

「 俺 は 、 決して 」 ハグリッド が 、 すがる ように ダンブルドア を 見た 。

「 ダンブルドア 先生 様 、 知って なさる でしょう 。 俺 は 、 決して ......」

「 コーネリウス 、 これ だけ は わかって 欲しい 。 わし は ハグリッド に 全幅 の 信頼 を 置いて お る 」

ダンブルドア は 眉 を ひそめて ファッジ を 見た 。

「 しかし 、 アルバス 」 ファッジ は 言いにく そうだった 。

「 ハグリッド に は 不利な 前科 が ある 。 魔法 省 と して も 、 何 か しなければ なら ん 。 学校 の 理事 たち が うるさい 」

「 コーネリウス 、 もう 一 度 言う 。 ハグリッド を 連れて いった ところ で 、 なんの 役 に も 立た ん じゃ ろう 」

ダンブルドア の ブルー の 瞳 に 、 これ まで ハリー が 見た こと が ない ような 激しい 炎 が 燃えて い る 。

「 わたし の 身 に も なって くれ 」 ファッジ は 山高 帽 を もじもじ いじり ながら 言った 。

「 プレッシャー を かけられて る 。 何 か 手 を 打った と いう 印象 を 与え ない と 。 ハグリッド で は ない と わかれば 、 彼 は ここ に 戻り 、 なんの 答 め も ない 。 ハグリッド は 連行 せ ねば 、 どうして も 。 わたし に も 立場 と いう もの が ――」

「 俺 を 連行 ?」 ハグリッド は 震えて いた 。 「 どこ へ ?」

「 ほん の 短い 間 だけ だ 」 ファッジ は ハグリッド と 目 を 合わせ ず に 言った 。

「 罰 で は ない 。 ハグリッド 。 むしろ 念のため だ 。 他の 誰 か が 捕まれば 、 君 は 十分な 謝罪 の 上 、 釈放 さ れる ......」

「 まさか アズカバン じゃ ?」 ハグリッド の 声 が かすれた 。

ファッジ が 答える 前 に 、 また 激しく 戸 を 叩く 音 が した 。

ダンブルドア が 戸 を 開けた 。 今度 は ハリー が 脇腹 を 小突か れる 番 だった 。 みんな に 聞こえる ほど 大きく 息 を 呑 んだ から だ 。

ルシウス ・ マルフォイ 氏 が ハグリッド の 小屋 に 大股 で 入って きた 。 長い 黒い 旅行 マント に 身 を 包み 、 冷たく ほくそえんで いる 。 ファング が 低く 唸り 出した 。 「 もう 来て いた の か 。 ファッジ 」 マルフォイ 氏 は 「 よろしい 、 よろしい ......」 と 満足げに 言った 。 「 なんの 用 が ある んだ ?」 ハグリッド が 激しい 口調 で 言った 。 「 俺 の 家 から 出て いけ !」

「 威勢 が いい ね 。 言わ れる まで も ない 。 君 の ―― あー ―― これ を 家 と 呼ぶ の か ね ? その 中 に いる の は 私 とて まったく 本意 で は ない 」

ルシウス ・ マルフォイ は せ せら 笑い ながら 狭い 丸太 小屋 を 見回した 。 「 ただ 学校 に 立ち寄った だけ な のだ が 、 校長 が ここ だ と 聞いた もの で ね 」 「 それでは 、 いったい わし に なんの 用 が ある と いう の か ね ? ルシウス ?」 ダンブルドア の 言葉 は 丁寧だった が 、 あの 炎 が 、 ブルー の 瞳 に まだ メラメラ と 燃えて いる 。 「 ひどい こと だ が ね 。 ダンブルドア 」 マルフォイ 氏 が 、 長い 羊 皮 紙 の 巻紙 を 取り出し ながら 物 憂 げ に 言った 。

「 しかし 、 理事 たち は 、 あなた が 退く とき が 来た と 感じた ようだ 。 ここ に 『 停職 命令 』 が あ る ―― 十二 人 の 理事 が 全員 署名 して いる 。 残念 ながら 、 私 ども 理事 は 、 あなた が 現状 を 掌握 でき ない と 感じて おり まして な 。 これ まで いったい 何 回 襲わ れた と いう の か ね ? 今日 の 午後 に は また 二 人 。 そうです な ? この 調子 で は 、 ホグワーツ に は マグル 出身 者 は 一 人 も い なく なり ます ぞ 。 それ が 学校 に とって は どんなに 恐るべき 損失 か 、 我々 すべて が 承知 して おる 」

「 お ぉ 、 ちょっと 待って くれ 、 ルシウス 」 ファッジ が 驚愕 して 言った 。 「 ダンブルドア が 『 停職 』?... ダメダメ ...... 今 と いう 時期 に 、 それ は 絶対 困る ......」

校長 の 任命 ―― それ に 停職 も ―― 理事 会 の 決定 事項 です ぞ 。 ファッジ 」 マルフォイ は よどみ なく 答えた 。

「 それ に 、 ダンブルドア は 、 今回 の 連続 攻撃 を 食い止められ なかった のである から ......」 「 ルシウス 、 待って くれ 。 ダンブルドア で さえ 食い止められ ない なら ――」 ファッジ は 鼻 の 頭 に 汗 を かいて いた 。 「 つまり 、 他 に 誰 が できる ?」 「 それ は やって み なければ わから ん 」 マルフォイ 氏 が こ ダリ と 笑った 。 「 しかし 、 十二 人 全員 が 投票 で ......」 ハグリッド が 勢い よく 立ち上がり 、 ぼさぼさ の 黒 髪 が 天井 を こすった 。 「 そんで 、 いったい きさま は 何 人 脅した ? 何 人 脅迫 して 賛成 さ せた ? えっ? マルフォイ 」 「 お ぅ 、 お ぅ 。 そういう 君 の 気性 が その うち 墓穴 を 掘る ぞ 、 ハグリッド 。 アズカバン の 看守 に は そんなふうに 怒鳴ら ない よう 、 ご 忠告 申し上げよう 。 あの 連中 の 気 に 障る だろう から ね 」

「 ダンブルドア を やめ させられる もの なら 、 やって みろ !」 ハグリッド の 怒声 で 、 ボアハウンド の ファング は 寝床 の バスケット の 中 で すくみ 上がり 、 クィンクィン 鳴いた 。 「 そんな こと を したら 、 マグル 生まれ の 者 は お 終い だ ! この 次 は 『 殺し 』 に なる !」 「 落ち着く んじゃ 。 ハグリッド 」 ダンブルドア が 厳しく たしなめた 。 そして ルシウス ・ マルフォイ に 言った 。

「 理事 たち が わし の 退陣 を 求める なら 、 ルシウス 、 わし は もちろん 退こう 」

「 しかし ――」 ファッジ が 口ごもった 。

「 だめだ !」 ハグリッド が 捻った 。

ダンブルドア は 明るい ブルー の 目 で ルシウス ・ マルフォイ の 冷たい 灰色 の 目 を じっと 見据え た まま だった 。

「 しかし 」 ダンブルドア は ゆっくり と 明確に 、 その 場 に いる 者 が 一言 も 聞きもらさ ない よう に 言葉 を 続けた 。

「 覚えて おく が よい 。 わし が ほんとうに この 学校 を 離れる の は 、 わし に 忠実な 者 が 、 ここ に 一 人 も い なく なった とき だけ じゃ 。 覚えて おく が よい 。 ホグワーツ で は 助け を 求める 者 に は 、 必ず それ が 与えられる 」 一瞬 、 ダンブルドア の 目 が 、 ハリー と ロン の 隠れて いる 片隅 に キラリ と 向けられた と 、 ハ リー は 、 ほとんど 確実に そう 思った 。 「 あっぱれな ご 心境 で 」 マルフォイ は 頭 を 下げて 敬礼 した 。

「 アルバス 、 我々 は 、 あなた の ―― あー ―― 非常に 個性 的な やり 方 を 懐かしく 思う でしょ う 。 そして 、 後任 者 が その ―― えー ――『 殺し 』 を 未然 に 防ぐ の を 望む ばかりだ 」

マルフォイ は 小屋 の 戸 の 方 に 大股 で 歩いて 行き 、 戸 を 開け 、 ダンブルドア に 一礼 して 先 に 送 り 出した 。

ファッジ は 山高 帽 を いじり ながら ハグリッド が 先 に 出る の を 待って いた が 、 ハグリッド は 足 を 踏ん張り 、 深呼吸 する と 、 言葉 を 選び ながら 言った 。

「 誰 か 何 か を 見っけ たかったら 、 クモ の 跡 を 追っかけて 行けば ええ 。 そう すり や ちゃんと 糸 口 が わかる 。 俺 が 言 いて え の は それ だけ だ 」 ファッジ は あっけ に 取られて ハグリッド を 見 つ め た 。 「 よし 。 行く ぞ 」

ハグリッド は 厚手 木綿 の オーバー を 着た 。 ファッジ の あと から 外 に 出る とき 、 戸口 で もう 一 度 立ち止まり 、 ハグリッド が 大声 で 言った 。

「 それ から 、 誰 か 俺 の いね え 間 、 ファング に 餌 を やって くれ 」

戸 が バタン と 閉まった 。 ロン が 「 透明 マント 」 を 脱いだ 。

「 大変だ 」 ロン が かすれ 声 で 言った 。

「 ダンブルドア は いない 。 今夜 に も 学校 を 閉鎖 した 方 が いい 。 ダンブルドア が いな けり や 、 一 日 一 人 は 襲わ れる ぜ 」

ファング が 、 閉まった 戸 を 掻きむしり ながら 、 悲しげに 鳴き はじめた 。

14.2 コーネリウス ・ファッシ ゙ - Cornelius Fudge ||cornelius|fudge 14.2 Cornelius Fudge 14.2 Cornelius Fudge 14.2 코넬리우스 퍼지 - Cornelius Fudge - Cornelius Fudge 14.2 Cornelius Fudge 14.2 Cornelius Fudge 14.2 Корнелиус Фадж 14.2 Cornelius Fudge 14.2 科尼利厄斯‧福吉

「 全校 生徒 は 夕方 六 時 まで に 、 各 寮 の 談話 室 に 戻る ように 。 ぜんこう|せいと||ゆうがた|むっ|じ|||かく|りょう||だんわ|しつ||もどる| All students should return to their dormitory common rooms by 6:00 p.m. それ 以後 は 決して 寮 を 出て は なりません 。 |いご||けっして|りょう||でて||なり ませ ん After that, you must never leave the dormitory. 授業 に 行く とき は 、 必ず 先生 が 一 人 引率 します 。 じゅぎょう||いく|||かならず|せんせい||ひと|じん|いんそつ|し ます Whenever I go to class, one teacher will lead me. トイレ に 行く とき は 、 必ず 先生 に 付き添って もらう こと 。 といれ||いく|||かならず|せんせい||つきそって|| Always have a teacher accompany you when you go to the bathroom. クィディッチ の 練習 も 試合 も 、 すべて 延期 です 。 ||れんしゅう||しあい|||えんき| 夕方 は 一切 、 ク ラブ 活動 を して は なりません 」  超 満員 の 談話 室 で 、 グリフィンドール 生 は 黙って マクゴナガル 先生 の 話 を 聞いた 。 ゆうがた||いっさい||らぶ|かつどう||||なり ませ ん|ちょう|まんいん||だんわ|しつ|||せい||だまって||せんせい||はなし||きいた In a packed common room, Gryffindor students listened to McGonagall in silence. 先生 は 羊 皮 紙 を 広げて 読み上げた あと で 、 紙 を クルクル 巻き ながら 、 尐 し 声 を 詰まら せた 。 せんせい||ひつじ|かわ|かみ||ひろげて|よみあげた|||かみ||くるくる|まき||||こえ||つまら| The teacher unfolded a piece of parchment, read it out loud, and then choked up as she spun the paper around.

「 言う まで も ない こと です が 、 私 は これほど 落胆 した こと は ありません 。 いう|||||||わたくし|||らくたん||||あり ませ ん "Not to mention, I've never been so discouraged. これ まで の 襲撃 事 件 の 犯人 が 捕まら ない かぎり 、 学校 が 閉鎖 さ れる 可能 性 も あります 。 |||しゅうげき|こと|けん||はんにん||つかまら|||がっこう||へいさ|||かのう|せい||あり ます Unless the perpetrators of the previous attacks are caught, the school may be closed. 犯人 に ついて 何 か 心当たり が ある 生徒 は 申し出る よう 強く 望みます 」 マクゴナガル 先生 は 、 少し ぎごち なく 肖像 画 の 裏 の 穴 から 出て いった 。 はんにん|||なん||こころあたり|||せいと||もうしでる||つよく|のぞみ ます||せんせい||すこし|ぎ ご ち||しょうぞう|が||うら||あな||でて| McGonagall walked out of the hole behind the portrait a little gingerly, "I urge any student who has any idea who did this to come forward. 途端 に グリフィンドール 生 は しゃべり はじめた 。 とたん|||せい|||

「 これ で グリフィンドール 生 は 二 人 やられた 。 |||せい||ふた|じん| Two Gryffindors have been killed. 寮 付き の ゴースト を 別に して も 。 りょう|つき||ごーすと||べつに|| Apart from the ghosts with dormitories. レイブンク ロー が 一 人 、 ハッフルパフ が 一 人 」 |||ひと|じん|||ひと|じん

ウィーズリー 双子 兄弟 と 仲良し の 、 リー ・ ジョーダン が 指 を 折って 数え上げた 。 |ふたご|きょうだい||なかよし|||||ゆび||おって|かぞえあげた Lee Jordan, a good friend of the Weasley twin brothers, broke his finger and counted.

「 先生 方 は だ ー れ も 気づか ない の か な ? スリザリン 生 は みんな 無事だ 。 せんせい|かた|||-|||きづか||||||せい|||ぶじだ "Isn't any of the teachers aware? All the Slytherin students are safe. 今度 の こと は 、 全部 スリザリン に 関係 して るって 、 誰 に だって わかく そうな もん じゃ ない か ? スリザリン の 継承 者 、 スリザリン の 怪物 ―― どうして スリザリン 生 を 全部 追い出さ ない んだ ?」  リー の 大 演説 に みんな 領 き 、 パラパラ と 拍手 が 起こった 。 こんど||||ぜんぶ|||かんけい||る って|だれ||||そう な|||||||けいしょう|もの|||かいぶつ|||せい||ぜんぶ|おいださ|||||だい|えんぜつ|||りょう||ぱらぱら||はくしゅ||おこった This time, it's all about Slytherin, isn't it true to everyone? Slytherin's heir, Slytherin's monster-why don't you get rid of all Slytherin's life? " Everyone applauded in the speech. パーシー ・ ウィーズリー は 、 リー の 後ろ の 椅子 に 座って いた が 、 いつも と 様子 が 違って 、 自 分 の 意見 を 聞か せたい と いう 気 が ない ようだった 。 |||||うしろ||いす||すわって|||||ようす||ちがって|じ|ぶん||いけん||きか||||き||| Percy Weasley was sitting in a chair behind Lee, but unlikely, he didn't seem to want to hear his opinion. 青い 顔 で 声 も なく ぼ ーっと して いる 。 あおい|かお||こえ||||- っと|| He has a blue face and no voice. 「 パーシー は ショック な んだ 」 ジョージ が ハリー に ささやいた 。 ||しょっく|||じょーじ|||| "Percy is a shock," George whispered to Harry.

「 あの レイブンクロー の 子 ―― ペネロピー ・ クリアウォーター ―― 監督 生 な んだ 。 |||こ|||かんとく|せい|| パーシー は 怪物 が 監督 生 を 襲う なんて 決して ない と 思って た んだろう な 」 ||かいぶつ||かんとく|せい||おそう||けっして|||おもって||| Percy would have thought that a monster would never attack the director. "

しかし ハリー は 半分 しか 聞いて い なかった 。 |||はんぶん||きいて|| But Harry was only half listening.

ハーマイオニー が 病棟 の ベッド に 石 の 彫刻 の ように 横たわって いる 姿 が 、 目 に 焼きついて 離れ ない 。 ||びょうとう||べっど||いし||ちょうこく|||よこたわって||すがた||め||やきついて|はなれ| Hermione lying on the bed in the ward like a stone sculpture, burned into her eyes.

犯人 が 捕まら なかったら 、 ハリー は 一生 ダーズリー 一家 と 暮らす 羽白 に なる 。 はんにん||つかまら||||いっしょう||いっか||くらす|はじろ|| If the criminal isn't caught, Harry will be Hajiro, who will live with the Dursley family for the rest of his life.

トム ・ リドル は 、 学校 が 閉鎖 さ れたら マグル の 孤児院 で 暮らす 羽目 に なった だろう 。 とむ|||がっこう||へいさ|||||こじいん||くらす|はめ|||

だから ハグリッド の こと を 密告 した のだ 。 |||||みっこく|| That's why I told him about Hagrid.

トム ・ リドル の 気持 が 、 今 の ハリー に は 痚 い ほど わかる 。 とむ|||きもち||いま|||||||| Harry knows how Tom Riddle feels right now.

「 どう したら いい んだろう ?」 ロン が ハリー の 耳元 で ささやいた 。 ||||||||みみもと|| What am I going to do? Ron whispered in Harry's ear.

「 ハグリッド が 疑わ れる と 思う かい ?」 ||うたがわ|||おもう| "Do you think Hagrid is suspected?"

「 ハグリッド に 会って 話さ なり ちゃ 」 ハリー は 決心 した 。 ||あって|はなさ|||||けっしん| I must see Hagrid and talk to him," Harry decided.

「 今度 は ハグリッド だ と は 思わ ない 。 こんど||||||おもわ| I don't think it's Hagrid this time. でも 、 前 に 怪物 を 解き 放した の が 彼 だ と すれば 、 どう やって 『 秘密の 部屋 』 に 入る の か を 知って る はずだ 。 |ぜん||かいぶつ||とき|はなした|||かれ||||||ひみつの|へや||はいる||||しって|| But if he was the one who unleashed the monster before, he should know how to get into the Chamber of Secrets. それ が 糸口 だ 」 ||いとぐち| That's the key."

「 だけど 、 マクゴナガル が 、 授業 の とき 以外 は 寮 の 塔 から 出る なって ――」 |||じゅぎょう|||いがい||りょう||とう||でる| "But McGonagall is out of the dormitory tower except during class."

「 今 こそ 」 ハリー が 一 段 と 声 を ひそめた 。 いま||||ひと|だん||こえ||

「 パパ の あの マント を また 使う とき だ と 思う 」 ぱぱ|||まんと|||つかう||||おもう "I think it's time to use that cape of yours again."

ハリー が 父親 から 受け継いだ たった 一 つ の 物 、 それ は 、 長い 銀色 に 光る 「 透明 マント 」 だった 。 ||ちちおや||うけついだ||ひと|||ぶつ|||ながい|ぎんいろ||ひかる|とうめい|まんと| The only thing Harry inherited from his father was a long, silvery invisibility cloak. 誰 に も 知ら れ ず に こっそり 学校 を 抜け出して 、 ハグリッド を 訪ねる の に は それ しか ない 。 だれ|||しら|||||がっこう||ぬけだして|||たずねる|||||| That's the only way to sneak out of school and visit Hagrid without anyone knowing.

二 人 は いつも の 時間 に ベッド に 入り 、 ネビル 、 ディーン 、 シューマス が やっと 「 秘密の 部 屋 」 の 討論 を やめ 、 寝静まる の を 待った 。 ふた|じん||||じかん||べっど||はいり||||||ひみつの|ぶ|や||とうろん|||ねしずまる|||まった They went to bed at the usual time, waiting for Neville, Dean, and Schumas to finally stop discussing the "secret room" and fall asleep.

それ から 起き上がり 、 ローブ を 着 直して 「 透明 マント 」 を 被った 。 ||おきあがり|||ちゃく|なおして|とうめい|まんと||おおった

暗い 、 人気 の ない 城 の 廊下 を 歩き回る の は 楽しい と は いえ なかった 。 くらい|にんき|||しろ||ろうか||あるきまわる|||たのしい|||| Wandering around the dark, unpopular corridors of the castle was not a pleasant experience.

ハリー は 前 に も 何度 か 夜 、 城 の 中 を さまよった こと が あった が 、 日没 後 に 、 こんな 混 み 合って いる 城 を 見る の は 初めて だった 。 ||ぜん|||なんど||よ|しろ||なか|||||||にちぼつ|あと|||こん||あって||しろ||みる|||はじめて| Harry had wandered through the castle several nights before, but it was the first time he saw such a crowded castle after sunset. 先生 や 監督 生 、 ゴースト など が 二 人 ずつ 組 に なって 、 不審な 動き は ない か と そこ いら 中 に 日 を 光らせて いた 。 せんせい||かんとく|せい|ごーすと|||ふた|じん||くみ|||ふしんな|うごき|||||||なか||ひ||ひからせて| The teachers, supervisors, ghosts, etc. formed a group of two, and the sun was shining all over the place to see if there were any suspicious movements.

「 透明 マント 」 は 二 人 の 物音 まで 消して は くれ ない 。 とうめい|まんと||ふた|じん||ものおと||けして||| The "transparent cloak" does not erase the noise of two people.

特に 危なかった の が 、 ロン が 躓いた とき だった 。 とくに|あぶなかった|||||つまずいた|| It was especially dangerous when Ron stumbled.

ほんの 数 メートル 先 に スネイプ が 見張り に 立って いた 。 |すう|めーとる|さき||||みはり||たって| Just a few meters away, Snape was standing guard.

うまい 具合 に 、 ロン の 「 こんち くしょう 」 と いう 悪態 と 、 スネイプ の くしゃみ が まったく 同 時 だった 。 |ぐあい||||||||あくたい|||||||どう|じ| Well, Ron's "Konchikusho" curse and Snape's sneezing were at exactly the same time.

正面 玄関 に たどり着き 、 樫 の 扉 を そっと 開けた とき 、 二 人 は やっと ホッと した 。 しょうめん|げんかん||たどりつき|かし||とびら|||あけた||ふた|じん|||ほっと| When they reached the main entrance and gently opened the oak door, they were relieved. 星 の 輝く 明るい 夜 だった 。 ほし||かがやく|あかるい|よ| It was a bright night with shining stars. ハグリッド の 小屋 の 灯り を 目指し 、 二 人 は 急いだ 。 ||こや||ともり||まなざし|ふた|じん||いそいだ The two hurried to aim for the lights of Hagrid's hut. 小屋 の すぐ 前 に 来た とき 、 初めて 二 人 は 「 マント 」 を 脱いだ 。 こや|||ぜん||きた||はじめて|ふた|じん||まんと||ぬいだ

戸 を 叩く と 、 すぐに ハグリッド が バタン と 戸 を 開けた 。 と||たたく|||||||と||あけた 真 正面 に ヌッ と 現れた ハグリッド は 二 人 に 石 弓 を 突きつけて いた 。 まこと|しょうめん||||あらわれた|||ふた|じん||いし|ゆみ||つきつけて| Hagrid, who appeared straight in front of him, was pointing a stone bow at them.

ボアハウンド 犬 の ファング が 後ろ の 方 で 吼 え たてて いる 。 |いぬ||||うしろ||かた||こう|||

「 お ぉ 」 ハグリッド は 武器 を 下ろして 、 二 人 を まじまじ と 見た 。 ||||ぶき||おろして|ふた|じん||||みた

「 二 人 と も こんな とこ で 何 し とる ?」 ふた|じん||||||なん|| "What are you going to do with these two people?"

「 それ 、 なんの ため な の ?」 二 人 は 小屋 に 入り ながら 石 弓 を 指差した 。 |||||ふた|じん||こや||はいり||いし|ゆみ||ゆびさした What is that for?" They pointed to the stone bow as they entered the cabin.

「 なんでも ねぇ ...... なんでも 」 ハグリッド が も ご も ご 言った 。 |||||||||いった Nothing. ...... Nothing," Hagrid grumbled.

「 ただ 、 もしかすると ...... うん に ゃ ...... 座れ や ...... 茶 、 入れる わ い ......」 |||||すわれ||ちゃ|いれる|| "But maybe ... yeah ... sit down ... tea, I'll put it in ..."

ハグリッド は 上の空 だった 。 ||うわのそら| Hagrid was empty above. やかん から 水 を こぼして 、 暖炉 の 火 を 危うく 消し そうに なった り 、 ど で か い 手 を 神経質に 動かした 弾み で 、 ポット を こなごなに 割ったり した 。 ||すい|||だんろ||ひ||あやうく|けし|そう に|||||||て||しんけいしつに|うごかした|はずみ||ぽっと|||わったり| I spilled water from the kettle, almost extinguishing the fire in the fireplace, or smashing the pot into pieces with the momentum of nervously moving my big hand.

「 ハグリッド 、 大丈夫 !」 ハリー が 声 を かけた 。 |だいじょうぶ|||こえ||

「 ハーマイオニー の こと 、 聞いた ?」 |||きいた "Did you hear about Hermione?"

「 あぁ 、 聞いた 。 |きいた たしかに 」 ハグリッド の 声 の 調子 が 尐 し 変わった 。 |||こえ||ちょうし||||かわった Hagrid's tone of voice changed slightly.

その 間 も チラッチラッ と 不安 そうに 窓 の 方 を 見て いる 。 |あいだ||||ふあん|そう に|まど||かた||みて| Meanwhile, he keeps glancing anxiously at the window.

それ から 二 人 に 、 たっぷり と 熱い 湯 を 入れた 大きな マグカップ を 差し出した ( ティーバッグ を 入れ 忘れて いる )。 ||ふた|じん||||あつい|ゆ||いれた|おおきな|||さしだした|||いれ|わすれて| He then offered them both large mugs filled with plenty of hot water (he forgot to put in the tea bags).

分厚い フルーツ ケーキ を 皿 に 入れて いる とき 、 戸 を 叩く 大きな 音 が した 。 ぶあつい|ふるーつ|けーき||さら||いれて|||と||たたく|おおきな|おと|| When I was putting the thick fruitcake on the plate, I heard a loud knock on the door. ハグリッド は フ ルーツ ケーキ を ポロリ と 取り 落とし 、 ハリー と ロン は パニック に なって 顔 を 見合わせ 、 さっと 「 透明 マント 」 を 被って 部屋 の 隅 に 引っ込んだ 。 |||るーつ|けーき||||とり|おとし|||||ぱにっく|||かお||みあわせ||とうめい|まんと||おおって|へや||すみ||ひっこんだ ハグリッド は 二 人 が ちゃんと 隠れた こと を 見極め 、 石 弓 を 引っつか み 、 もう 一 度 バン と 戸 を 開けた 。 ||ふた|じん|||かくれた|||みきわめ|いし|ゆみ||ひっつか|||ひと|たび|ばん||と||あけた

「 こんばんは 、 ハグリッド 」 こんばん は|

ダンブルドア だった 。 深刻 そのもの の 顔 で 小屋 に 入って 来た 。 しんこく|その もの||かお||こや||はいって|きた He came into the hut with the face of seriousness itself. 次に 奇妙な 格好の 男 が 続 い た 。 つぎに|きみょうな|かっこうの|おとこ||つづ|| Next, a strangely dressed man followed.

見知らぬ 男 は 背 の 低い 恰幅 の いい 体 に くしゃくしゃの 白髪 頭 で 、 悩み 事 が ある ような 顔 を し て いた 。 みしらぬ|おとこ||せ||ひくい|かつはば|||からだ|||しらが|あたま||なやみ|こと||||かお|||| The stranger had a short, wide body, crumpled white-haired head, and a worried face.

奇妙な 組み合わせ の 服装 で 、 細縞 の スーツ 、 真っ赤な ネクタイ 、 黒い 長い マント を 着て 先 の 尖った 紫色 の ブーツ を 履いて いる 。 きみょうな|くみあわせ||ふくそう||ほそ しま||すーつ|まっかな|ねくたい|くろい|ながい|まんと||きて|さき||とがった|むらさきいろ||ぶーつ||はいて| In a strange combination of outfits, she wears a striped suit, a bright red tie, a long black cloak, and pointed purple boots.

ライム の ような 黄緑 色 の 山高 帽 を 小 脇 に 抱えて いた 。 |||きみどり|いろ||やまたか|ぼう||しょう|わき||かかえて| He had a lime-like yellow-green bowler hat under his armpit. 「 パパ の ボス だ !」 ロン が ささやいた 。 ぱぱ||ぼす|||| 「 コーネリウス ・ ファッジ 、 魔法 省 大臣 だ !」 ハリー は ロン を 肘 で 小突いて 黙ら せた 。 ||まほう|しょう|だいじん||||||ひじ||こづいて|だまら| Cornelius Fudge, Minister of Magic! Harry poked Ron with his elbow to silence him. ハグリッド は 青ざめて 汗 を かき はじめた 。 ||あおざめて|あせ|||

椅子 に ドッと 座り込み 、 ダンブルドア の 顔 を 見 、 それ から コーネリウス ・ ファッジ の 顔 を 見 た 。 いす||どっと|すわりこみ|||かお||み||||||かお||み| He plopped down in his chair and looked Dumbledore in the face, then Cornelius Fudge.

「 状況 は よく ない 。 じょうきょう||| "The situation is not good. ハグリッド 」 ファッジ が ぶっきらぼうに 言った 。 ||||いった

「 すこぶる よく ない 。 来 ざる を え なかった 。 らい|||| I had no choice but to come. マグル 出身 が 四 人 も やられた 。 |しゅっしん||よっ|じん|| Four Muggle natives were killed. もう 始末 に 負え ん 。 |しまつ||おえ| I can't handle it anymore. 本省 が 何 か し なり て は 」 ほんしょう||なん||||| What should the ministry do? "

「 俺 は 、 決して 」 ハグリッド が 、 すがる ように ダンブルドア を 見た 。 おれ||けっして|||||||みた

「 ダンブルドア 先生 様 、 知って なさる でしょう 。 |せんせい|さま|しって|| "Dumbledore, you know that, don't you, sir? 俺 は 、 決して ......」 おれ||けっして

「 コーネリウス 、 これ だけ は わかって 欲しい 。 |||||ほしい "Cornerius, I just want you to understand this. わし は ハグリッド に 全幅 の 信頼 を 置いて お る 」 ||||ぜんぷく||しんらい||おいて|| I have complete confidence in Hagrid."

ダンブルドア は 眉 を ひそめて ファッジ を 見た 。 ||まゆ|||||みた Dumbledore looked at Fudge with a raised eyebrow.

「 しかし 、 アルバス 」 ファッジ は 言いにく そうだった 。 ||||いいにく|そう だった

「 ハグリッド に は 不利な 前科 が ある 。 |||ふりな|ぜんか|| Hagrid has a record of bad behavior. 魔法 省 と して も 、 何 か しなければ なら ん 。 まほう|しょう||||なん||し なければ|| The Ministry of Magic must do something. 学校 の 理事 たち が うるさい 」 がっこう||りじ||| School directors are noisy. "

「 コーネリウス 、 もう 一 度 言う 。 ||ひと|たび|いう ハグリッド を 連れて いった ところ で 、 なんの 役 に も 立た ん じゃ ろう 」 ||つれて|||||やく|||たた||| Wherever I took Hagrid, it wouldn't be of any use. "

ダンブルドア の ブルー の 瞳 に 、 これ まで ハリー が 見た こと が ない ような 激しい 炎 が 燃えて い る 。 ||ぶるー||ひとみ||||||みた|||||はげしい|えん||もえて|| Dumbledore's blue eyes are burning a fiery flame that Harry has never seen before.

「 わたし の 身 に も なって くれ 」 ファッジ は 山高 帽 を もじもじ いじり ながら 言った 。 ||み|||||||やまたか|ぼう|||||いった "Become my own," Fudge said, messing around with his bowler hat.

「 プレッシャー を かけられて る 。 ぷれっしゃー||かけ られて| "I'm under pressure. 何 か 手 を 打った と いう 印象 を 与え ない と 。 なん||て||うった|||いんしょう||あたえ|| I have to give the impression that I've done something. ハグリッド で は ない と わかれば 、 彼 は ここ に 戻り 、 なんの 答 め も ない 。 ||||||かれ||||もどり||こたえ||| If he knew he wasn't Hagrid, he would come back here and have no answer. ハグリッド は 連行 せ ねば 、 どうして も 。 ||れんこう|||| Hagrid must be taken, by all means. わたし に も 立場 と いう もの が ――」 |||たちば|||| I also have a position-- "

「 俺 を 連行 ?」 ハグリッド は 震えて いた 。 おれ||れんこう|||ふるえて| 「 どこ へ ?」

「 ほん の 短い 間 だけ だ 」 ファッジ は ハグリッド と 目 を 合わせ ず に 言った 。 ||みじかい|あいだ|||||||め||あわせ|||いった It's only for a short time," Fudge said, without making eye contact with Hagrid.

「 罰 で は ない 。 ばち||| "It's not a punishment. ハグリッド 。 むしろ 念のため だ 。 |ねんのため| Rather, it is just in case. 他の 誰 か が 捕まれば 、 君 は 十分な 謝罪 の 上 、 釈放 さ れる ......」 たの|だれ|||つかまれば|きみ||じゅうぶんな|しゃざい||うえ|しゃくほう|| If anyone else is caught, you will be released with sufficient apology ... "

「 まさか アズカバン じゃ ?」 ハグリッド の 声 が かすれた 。 |||||こえ|| "Not Azkaban?" Hagrid's voice trails off.

ファッジ が 答える 前 に 、 また 激しく 戸 を 叩く 音 が した 。 ||こたえる|ぜん|||はげしく|と||たたく|おと|| Before Fudge answered, there was another violent knock on the door.

ダンブルドア が 戸 を 開けた 。 ||と||あけた 今度 は ハリー が 脇腹 を 小突か れる 番 だった 。 こんど||||わきばら||こづか||ばん| This time it was Harry's turn to poke his flank. みんな に 聞こえる ほど 大きく 息 を 呑 んだ から だ 。 ||きこえる||おおきく|いき||どん||| I was so surprised that I could hear everyone gasp so loudly.

ルシウス ・ マルフォイ 氏 が ハグリッド の 小屋 に 大股 で 入って きた 。 ||うじ||||こや||おおまた||はいって| 長い 黒い 旅行 マント に 身 を 包み 、 冷たく ほくそえんで いる 。 ながい|くろい|りょこう|まんと||み||つつみ|つめたく|| ファング が 低く 唸り 出した 。 ||ひくく|うなり|だした 「 もう 来て いた の か 。 |きて||| "You were already here. ファッジ 」 マルフォイ 氏 は 「 よろしい 、 よろしい ......」 と 満足げに 言った 。 ||うじ|||||まんぞくげに|いった "Fudge," Malfoy said with satisfaction, "OK, OK ...". 「 なんの 用 が ある んだ ?」 ハグリッド が 激しい 口調 で 言った 。 |よう||||||はげしい|くちょう||いった 「 俺 の 家 から 出て いけ !」 おれ||いえ||でて|

「 威勢 が いい ね 。 いせい||| You have a lot of swagger. 言わ れる まで も ない 。 いわ|||| Needless to say. 君 の ―― あー ―― これ を 家 と 呼ぶ の か ね ? その 中 に いる の は 私 とて まったく 本意 で は ない 」 きみ|||||いえ||よぶ|||||なか|||||わたくし|||ほんい||| Your ――Ah ――Do you call this a house? It's not my intention at all to be in it. "

ルシウス ・ マルフォイ は せ せら 笑い ながら 狭い 丸太 小屋 を 見回した 。 |||||わらい||せまい|まるた|こや||みまわした 「 ただ 学校 に 立ち寄った だけ な のだ が 、 校長 が ここ だ と 聞いた もの で ね 」 「 それでは 、 いったい わし に なんの 用 が ある と いう の か ね ? ルシウス ?」 ダンブルドア の 言葉 は 丁寧だった が 、 あの 炎 が 、 ブルー の 瞳 に まだ メラメラ と 燃えて いる 。 |がっこう||たちよった|||||こうちょう|||||きいた|||||||||よう|||||||||||ことば||ていねいだった|||えん||ぶるー||ひとみ|||めらめら||もえて| I'm just stopping by the school, but I heard that the principal is here. Lucius? Dumbledore's words were polite, but the fire was still burning in his blue eyes. 「 ひどい こと だ が ね 。 It's a terrible thing. ダンブルドア 」 マルフォイ 氏 が 、 長い 羊 皮 紙 の 巻紙 を 取り出し ながら 物 憂 げ に 言った 。 ||うじ||ながい|ひつじ|かわ|かみ||まきがみ||とりだし||ぶつ|ゆう|||いった Dumbledore," Mr. Malfoy said gloomily as he took out a long roll of parchment.

「 しかし 、 理事 たち は 、 あなた が 退く とき が 来た と 感じた ようだ 。 |りじ|||||しりぞく|||きた||かんじた| But the directors felt it was time for you to leave. ここ に 『 停職 命令 』 が あ る ―― 十二 人 の 理事 が 全員 署名 して いる 。 ||ていしょく|めいれい||||じゅうに|じん||りじ||ぜんいん|しょめい|| Here is the "Suspension Order" -- signed by all 12 directors. 残念 ながら 、 私 ども 理事 は 、 あなた が 現状 を 掌握 でき ない と 感じて おり まして な 。 ざんねん||わたくし||りじ||||げんじょう||しょうあく||||かんじて||| Unfortunately, our board members feel that you are out of control of the status quo. これ まで いったい 何 回 襲わ れた と いう の か ね ? 今日 の 午後 に は また 二 人 。 |||なん|かい|おそわ|||||||きょう||ごご||||ふた|じん How many times have you been attacked? This afternoon, there were two more. そうです な ? この 調子 で は 、 ホグワーツ に は マグル 出身 者 は 一 人 も い なく なり ます ぞ 。 そう です|||ちょうし|||||||しゅっしん|もの||ひと|じん|||||| Isn't that right? At this rate, Hogwarts will never have a single Muggle-born student. それ が 学校 に とって は どんなに 恐るべき 損失 か 、 我々 すべて が 承知 して おる 」 ||がっこう|||||おそるべき|そんしつ||われわれ|||しょうち|| We all know how terrible it is for schools. "

「 お ぉ 、 ちょっと 待って くれ 、 ルシウス 」 ファッジ が 驚愕 して 言った 。 |||まって|||||きょうがく||いった Oh, wait a minute, Lucius," Fudge said, astonished. 「 ダンブルドア が 『 停職 』?... ダメダメ ...... 今 と いう 時期 に 、 それ は 絶対 困る ......」 ||ていしょく||いま|||じき||||ぜったい|こまる Dumbledore Suspended? No, no, no. ...... At this time of the year, that's a definite no-no. ......

校長 の 任命 ―― それ に 停職 も ―― 理事 会 の 決定 事項 です ぞ 。 こうちょう||にんめい|||ていしょく||りじ|かい||けってい|じこう|| Appointment of the principal-and suspension-is a decision of the board. ファッジ 」 マルフォイ は よどみ なく 答えた 。 |||||こたえた Fudge "Malfoy replied without stagnation.

「 それ に 、 ダンブルドア は 、 今回 の 連続 攻撃 を 食い止められ なかった のである から ......」 「 ルシウス 、 待って くれ 。 ||||こんかい||れんぞく|こうげき||くいとめ られ|||||まって| Besides, Dumbledore couldn't stop this series of attacks. ...... Lucius, wait. ダンブルドア で さえ 食い止められ ない なら ――」 ファッジ は 鼻 の 頭 に 汗 を かいて いた 。 |||くいとめ られ|||||はな||あたま||あせ||| If even Dumbledore couldn't stop it-- "Fudge was sweating on the head of his nose. 「 つまり 、 他 に 誰 が できる ?」 「 それ は やって み なければ わから ん 」 マルフォイ 氏 が こ ダリ と 笑った 。 |た||だれ|||||||||||うじ|||だり||わらった "In other words, who else can do it?" "I don't know if I have to try it." Mr. Malfoy laughed. 「 しかし 、 十二 人 全員 が 投票 で ......」 ハグリッド が 勢い よく 立ち上がり 、 ぼさぼさ の 黒 髪 が 天井 を こすった 。 |じゅうに|じん|ぜんいん||とうひょう||||いきおい||たちあがり|ぼ さ ぼ さ||くろ|かみ||てんじょう|| But all twelve voted for ....... Hagrid stood up briskly, his shaggy black hair brushing the ceiling. 「 そんで 、 いったい きさま は 何 人 脅した ? 何 人 脅迫 して 賛成 さ せた ? えっ? マルフォイ 」 「 お ぅ 、 お ぅ 。 ||き さま||なん|じん|おどした|なん|じん|きょうはく||さんせい|||||||| So, how many people did you threaten? How many people did you threaten to vote yes? What? Malfoy. - Oh, oh. そういう 君 の 気性 が その うち 墓穴 を 掘る ぞ 、 ハグリッド 。 |きみ||きしょう||||ぼけつ||ほる|| That kind of temperament will dig a grave, Hagrid. アズカバン の 看守 に は そんなふうに 怒鳴ら ない よう 、 ご 忠告 申し上げよう 。 ||かんしゅ||||どなら||||ちゅうこく|もうしあげよう I would like to advise the Azkaban guards not to yell like that. あの 連中 の 気 に 障る だろう から ね 」 |れんちゅう||き||さわる||| It would be annoying to those guys. "

「 ダンブルドア を やめ させられる もの なら 、 やって みろ !」 ハグリッド の 怒声 で 、 ボアハウンド の ファング は 寝床 の バスケット の 中 で すくみ 上がり 、 クィンクィン 鳴いた 。 |||さ せ られる|||||||どせい||||||ねどこ||ばすけっと||なか|||あがり||ないた "If you can stop Dumbledore, do it!" Hagrid's screams, Boa Hound's Fang, freezing up in the bed basket and squeaking. 「 そんな こと を したら 、 マグル 生まれ の 者 は お 終い だ ! この 次 は 『 殺し 』 に なる !」 「 落ち着く んじゃ 。 |||||うまれ||もの|||しまい|||つぎ||ころし|||おちつく| "If you do that, the Muggle-born are over! The next one will be" killing "!" "Calm down. ハグリッド 」 ダンブルドア が 厳しく たしなめた 。 |||きびしく| そして ルシウス ・ マルフォイ に 言った 。 ||||いった Then he said to Lucius Malfoy: "I'm not going to be able to do it.

「 理事 たち が わし の 退陣 を 求める なら 、 ルシウス 、 わし は もちろん 退こう 」 りじ|||||たいじん||もとめる||||||しりぞこう "If the directors demand that I step down, Lucius, then of course I will step down."

「 しかし ――」 ファッジ が 口ごもった 。 |||くちごもった

「 だめだ !」 ハグリッド が 捻った 。 |||ねじった No! Hagrid twisted.

ダンブルドア は 明るい ブルー の 目 で ルシウス ・ マルフォイ の 冷たい 灰色 の 目 を じっと 見据え た まま だった 。 ||あかるい|ぶるー||め|||||つめたい|はいいろ||め|||みすえ||| Dumbledore's bright blue eyes remained fixed on Lucius Malfoy's cold gray ones.

「 しかし 」 ダンブルドア は ゆっくり と 明確に 、 その 場 に いる 者 が 一言 も 聞きもらさ ない よう に 言葉 を 続けた 。 |||||めいかくに||じょう|||もの||いちげん||ききもらさ||||ことば||つづけた "But," Dumbledore continued to speak slowly and clearly so that those who were there would not hear a single word.

「 覚えて おく が よい 。 おぼえて||| "It's good to remember. わし が ほんとうに この 学校 を 離れる の は 、 わし に 忠実な 者 が 、 ここ に 一 人 も い なく なった とき だけ じゃ 。 ||||がっこう||はなれる|||||ちゅうじつな|もの||||ひと|じん||||||| I really leave this school only when no one is loyal to me here. 覚えて おく が よい 。 おぼえて||| It's good to remember. ホグワーツ で は 助け を 求める 者 に は 、 必ず それ が 与えられる 」  一瞬 、 ダンブルドア の 目 が 、 ハリー と ロン の 隠れて いる 片隅 に キラリ と 向けられた と 、 ハ リー は 、 ほとんど 確実に そう 思った 。 |||たすけ||もとめる|もの|||かならず|||あたえ られる|いっしゅん|||め||||||かくれて||かたすみ||きらり||むけ られた||||||かくじつに||おもった At Hogwarts, it is always given to anyone who asks for help. "For a moment, Dumbledore's eyes were glaring at the hidden corner of Harry and Ron, Harry almost certainly thought so. 「 あっぱれな ご 心境 で 」 マルフォイ は 頭 を 下げて 敬礼 した 。 ||しんきょう||||あたま||さげて|けいれい|

「 アルバス 、 我々 は 、 あなた の ―― あー ―― 非常に 個性 的な やり 方 を 懐かしく 思う でしょ う 。 |われわれ|||||ひじょうに|こせい|てきな||かた||なつかしく|おもう|| "Albus, we miss your very unique way of doing things." そして 、 後任 者 が その ―― えー ――『 殺し 』 を 未然 に 防ぐ の を 望む ばかりだ 」 |こうにん|もの||||ころし||みぜん||ふせぐ|||のぞむ| And I just hope that his successor will prevent that --- eh-- "killing". "

マルフォイ は 小屋 の 戸 の 方 に 大股 で 歩いて 行き 、 戸 を 開け 、 ダンブルドア に 一礼 して 先 に 送 り 出した 。 ||こや||と||かた||おおまた||あるいて|いき|と||あけ|||いちれい||さき||おく||だした Malfoy walked stride toward the door of the hut, opened the door, and bowed to Dumbledore and sent it out earlier.

ファッジ は 山高 帽 を いじり ながら ハグリッド が 先 に 出る の を 待って いた が 、 ハグリッド は 足 を 踏ん張り 、 深呼吸 する と 、 言葉 を 選び ながら 言った 。 ||やまたか|ぼう||||||さき||でる|||まって|||||あし||ふんばり|しんこきゅう|||ことば||えらび||いった Fudge waited for Hagrid to go first, fiddling with his cap, but Hagrid stood on his feet, took a deep breath, and said, in hushed tones, "I'm sorry, but I'm not sure I'm going to be able to do that.

「 誰 か 何 か を 見っけ たかったら 、 クモ の 跡 を 追っかけて 行けば ええ 。 だれ||なん|||み っけ||くも||あと||おっかけて|いけば| If you want to find someone or something, just follow the trail of the spider. そう すり や ちゃんと 糸 口 が わかる 。 ||||いと|くち|| 俺 が 言 いて え の は それ だけ だ 」 ファッジ は あっけ に 取られて ハグリッド を 見 つ め た 。 おれ||げん||||||||||あっ け||とら れて|||み||| That's all I'm saying." Fudge was taken aback when he saw Hagrid. 「 よし 。 行く ぞ 」 いく|

ハグリッド は 厚手 木綿 の オーバー を 着た 。 ||あつで|もめん||おーばー||きた ファッジ の あと から 外 に 出る とき 、 戸口 で もう 一 度 立ち止まり 、 ハグリッド が 大声 で 言った 。 ||||がい||でる||とぐち|||ひと|たび|たちどまり|||おおごえ||いった

「 それ から 、 誰 か 俺 の いね え 間 、 ファング に 餌 を やって くれ 」 ||だれ||おれ||||あいだ|||えさ||| "Then, somebody feed Fang for a while, my rice."

戸 が バタン と 閉まった 。 と||||しまった ロン が 「 透明 マント 」 を 脱いだ 。 ||とうめい|まんと||ぬいだ

「 大変だ 」 ロン が かすれ 声 で 言った 。 たいへんだ||||こえ||いった

「 ダンブルドア は いない 。 今夜 に も 学校 を 閉鎖 した 方 が いい 。 こんや|||がっこう||へいさ||かた|| I think we should close the school again tonight. ダンブルドア が いな けり や 、 一 日 一 人 は 襲わ れる ぜ 」 |||||ひと|ひ|ひと|じん||おそわ|| Without Dumbledore, one person will be attacked every day. "

ファング が 、 閉まった 戸 を 掻きむしり ながら 、 悲しげに 鳴き はじめた 。 ||しまった|と||かきむしり||かなしげに|なき|