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2 - Harry Potter, 14.1 コーネリウス ・ファッシ ゙ - Cornelius Fudge

14.1 コーネリウス ・ファッシ ゙ - Cornelius Fudge

第 14 章 コーネリウス ・ ファッジ - Cornelius Fudge

ハグリッド が 、 大きくて 怪物 の ような 生物 が 好きだ と いう 、 困った 趣味 を 持って いる こと は 、 ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー の 三 人 と も 、 とっくに 知っていた 。

去年 、 三 人 が 一 年生 だった とき 、 ハグリッド は 自分 の 狭い 丸太 小屋 で 、 ドラゴン を 育てよう と した し 、「 ふわふわ の フラツフィー 」 と 名付けて いた あの 三 頭 犬 の こと は 、 そう 簡単に 忘 れられる もの で は ない 。 ―― 尐年 時代 の ハグリッド が 、 城 の どこ か に 怪物 が 潜んで いる と 聞いたら 、 どんな こと を し て でも その 怪物 を 一目 見たい と 思った に 違いない ―― ハリー は そう 思った 。 ハグリッド は きっと 考えた に 違いない ―― 怪物 が 長い 間 、 狭苦しい ところ に 閉じ込められて いる なんて 気の毒だ 。 ちょっと の 間 その たくさんの 脚 を 伸ばす チャンス を 与える べきだ ― ―。

十三 歳 の ハグリッド が 、 怪物 に 、 首輪 と 引き 紐 を つけよう と して いる 姿 が 、 ハリー の 目 に 浮 かぶ ようだった 。 でも 、 ハグリッド は 決して 誰 か を 殺そう など と は 思わ なかった だろう ―― ハリー は これ に も 確信 が あった 。

しか ハリー は 、 リドル の 日記 の 仕掛け を 知ら ない 方 が よかった と さえ 思った 。 ロン と ハーマイオニー は 、 ハリー の 見た こと を 繰り返し 聞き た がった 。

ハリー は 、 二 人 に いやというほど 話して 聞か せた し 、 その あと は 堂々巡り の 議論 に なる の に も 、 うんざり して いた 。

「 リドル は 犯人 を まちがえて いた かも しれ ない わ 。 みんな を 襲った の は 別な 怪物 だった かも しれ ない ......」 ハーマイオニー の 意見 だ 。

「 ホグワーツ に いったい 何 匹 怪物 が いれば 気 が すむ ん だい ?」 ロン が ぼ そり と 言った 。

「 ハグリッド が 追放 さ れた こと は 、 僕たち 、 もう 知って た 。 それ に 、 ハグリッド が 追い出されて から は 、 誰 も 襲わ れ なく なった に 違いない 。 そう じゃ なけりゃ 、 リドル は 表彰 さ れ な かった はずだ もの 」 ハリー は 惨めな 気持 だった 。

ロン に は 違った 見方 も あった 。

「 リドルって 、 パーシー に そっくりだ ―― そもそも ハグリッド を 密告 しろ なんて 、 誰 が 頼 ん だ ?」 「 でも 、 ロン 、 誰 か が 怪物 に 殺さ れた の よ 」 と ハーマイオニー 。

「 それ に 、 ホグワーツ が 閉鎖 さ れたら 、 リドル は マグル の 孤児院 に 戻ら なきゃ なら なかった 。 僕 、 リドル が ここ に 残り たかった 気持ち 、 わかる な ......」 と ハリー は 言った 。

ロン は 唇 を 噛み 、 思いついた ように 聞いた 。

「 ねえ 、 ハリー 、 君 、 ハグリッド に 『 夜 の 闇 横丁 』 で 出会ったって 言った よ ね !」 「『 肉食 ナメクジ 駆除 剤 』 を 買い に きて た 」 ハリー は 急いで 答えた 。

三 人 は 黙りこくった 。 ずいぶん 長い 沈黙 の あと 、 ハーマイオニー が ためらい ながら 一 番 言い にくい こと を 言った 。

「 ハグリッド の ところ に 行って 、 全部 、 聞いて みたら どう かしら ?」

「 そりゃ あ 、 楽しい お 客 様 に なる だろう ね 」 と ロン が 言った 。

「 こんにちは 、 ハグリッド 。 教えて くれる ! 最近 城 の 中 で 毛 むくじゃ ら の 狂った やつ を けし かけ なかった ?って ね 」 結局 三 人 は 、 また 誰 か が 襲わ れ ない かぎり 、 ハグリッド に は 何も 言わ ない こと に 決めた 。 そして 何 日 聞か が 過ぎて 行き 、「 姿 なき声 」 の ささやき も 聞こえ なかった 。

三 人 は 、 ハグリッド が う なぜ 追放 さ れた か 、 聞か なり て すむ かも しれ ない 、 と 思い はじめ た 。

ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 が 石 に されて から 四 カ月 が 過ぎよう と して いた 。

誰 が 襲った の か は わから ない が 、 その 何者 か は もう 永久 に 引きこもって しまった と 、 みんな が そう 思って いる ようだった 。

ビープズ も やっと 、「♪ オー 、 ポッター 、 いやな やつ だ ー 」 の 歌 に 飽きた らしい し 、 アー ニー ・ マクミラン は ある 日 ー 「 薬草 学 」 の クラス で 、「『 飛び はね 毒 キノコ 』 の 入った バケ ツ を 取って ください 」 と 丁寧に ハリー に 声 を かけた 。

三 月 に は マンドレイク が 何 本 か 、 第 三 号 温室 で 乱 痴気 パーティ を 繰り広げた 。 スプラウト 先生 は これ で 大 満足 だった 。

「 マンドレイク が お互い の 植木鉢 に 入り込もう と したら 、 完全に 成熟 した と いう こと です 」 スプラウト 先生 が ハリー に そう 言った 。

「 そうなれば 、 医務 室 に いる 、 あの かわいそうな 人 たち を 蘇生 さ せる こと が できます よ 」 復活 祭 の 休暇 中 に 、 二 年生 は 新しい 課題 を 与えられた 。 三 年生 で 選択 する 科目 を 決める 時期 が 来た のだ 。

尐 なく と も ハーマイオニー に とって は 、 これ は 非常に 深刻な 問題 だった 。

「 わたし たち の 将来 に 全面 的に 影響 する かも しれ ない の よ 」 三 人 で 新しい 科目 の リスト に 舐める ように 目 を 通し 、 選択 科目 に 「 レ 」 印 を つけ ながら 、 ハーマイオニー が ハリー と ロン に 言い聞かせた 。

「 僕 、 魔法 薬 を やめたい な 」 と ハリー 。 「 そりゃ 、 ムリ 」 ロン が 憂鬱 そうに 言った 。

「 これ まで の 科目 は 全部 続く んだ 。 そうじゃなきや 、 僕 は 『 闇 の 魔術 に 対する 防衛 術 』 を 捨てるよ 」

「 だって とって も 重要な 科目 じゃ ない の !」

ハーマイオニー が 衝撃 を 受けた ような 声 を 出した 。

「 ロック ハート の 教え 方 じゃ 、 そう は 言え ない な 。 彼 から は なんにも 学んで ない よ 。 ピク シー 小 妖精 を 暴れ させる こと 以外 は ね 」 と ロン が 言い返した 。

ネビル ・ ロングボトム に は 、 親戚 中 の 魔法使い や 魔女 が 、 手紙 で 、 ああ しろ こう しろ と 、 勝 手 な 意見 を 書いて よこした 。

混乱 した ネビル は 、 困り果てて 、 ア 一 、 ウー 言い ながら 、 舌 を ちょっと 突き出して リスト を 読み 、「 数 占い 」 と 「 古代 ルーン 文字 」 の どっち が 難し そう か など と 、 聞き まくって いた 。

ディーン ・ トーマス は ハリー と 同じ ように 、 マグル の 中 で 育って きた ので 、 結局 目 を つぶって 杖 で リスト を 指し へ 杖 の 示して いる 科目 を 選んだ 。 ハーマイオニー は 誰 から の 助言 も 受け ず 、 全科 目 を 登録 した 。

―― バーノン おじさん や ペチュニア おばさん に 、 自分 の 魔法 界 で の キャリア に ついて 相談 を 持ちかけたら 、 どんな 顔 を する だろう ―― ハリー は 一 人 で 苦笑い を した 。

かといって 、 ハリー が 誰 から も 指導 を 受け なかった わけで は ない 。

パーシー ・ ウィーズリー が 自分 の 経験 を 熱心に 教えた 。

「 ハリー 、 自分 が 将来 、 どっち に 進みたい か に よる んだ 。 将来 を 考える のに 、 早 過ぎる と い う こと は ない 。 それ なら まず 『 占い 術 』 を 勧めたい ね 。 『 マグル 学 』 なんか 選ぶ の は 軟弱だ と いう 人 も いる が 、 僕 の 個人 的 意見 で は 、 魔法使い たる もの 、 魔法 社会 以外 の こと を 完壁 に 理解 して おく べきだ と 思う 。 特に 、 マグル と 身近に 接触 する ような 仕事 を 考えて いる なら ね 。 ―― 僕 の 父 の こと を 考えて みる と いい 。 四六時中 マグル 関係 の 仕事 を して いる 。 兄 の チャーリー は 外 で 何 か する の が 好きな タイプ だった から 、『 魔法 生物 飼育 学 』 を 取った 。 自 分 の 強み を 生かす こと だ ね 、 ハリー 」

強み と いって も 、 ほんとうに 得意な の は クィディッチ しか 思い浮かば ない 。 結局 、 ハリー は ロン と 同じ 新しい 科目 を 選んだ 。

勉強 が うまく いか なくて も 、 せめて ハリー を 助けて くれる 友人 が いれば いい と 思った から だ 。

クィディッチ の 試合 で 、 グリフィンドール の 次の 対戦 相手 は ハッフルパフ だ 。

ウッド は 夕食 後 に 毎晩 、 練習 を する と 言い張り 、 おかげ で ハリー は クィディッチ と 宿題 以外 に は 、 ほとんど 何も する 時間 が なかった 。

とはいえ 、 練習 自体 は やり やすく なって いた 。 尐 なく と も 天気 は カラッと して いた 。 土曜日 に 試合 を 控えた 前日 の 夕方 、 ハリー は 箒 を いったん 置き に 、 寮 の 寝室 に 戻った 。

グリフィンドール が 寮 対抗 クィディッチ 杯 を 獲得 する 可能 性 は 、 今や 最高潮 だ と 感じて い た 。

しかし 、 そんな 楽しい 気分 は そう 長く は 続か なかった 。

寝室 に 戻る 階段 の 一 番 上 で 、 パニック 状態 の ネビル ・ ロングボトム と 出会った 。

「 ハリー ―― 誰 が やった んだ か わかん ない 。 僕 、 今 、 見つけた ばかり ――」

ハリー の 方 を 恐る恐る 見 ながら 、 ネビル は 部屋 の ドア を 開けた 。

ハリー の トランク の 中身 が そこ いら 中 に 散らばって いた 。

床 の 上 に は マント が ずたずたに なって 広がり 、 天 蓋付 き ベッド の カバー は 剥ぎ取ら れ 、 ベッ ド 脇 の 小机 の 引き出し は 引っ張り出されて 、 中身 が ベッド の 上 に ぶちまけられて いる 。 ハリー は ポカン と 口 を 開けた まま 「 トロール と の とろ い 旅 」 の 、 ばらばらに なった ページ を 数 枚 踏みつけ に して 、 ベッド に 近寄った 。

ネビル と 二 人 で 毛布 を 引っ張って 元通りに 直して いる と 、 ロン 、 ディーン 、 シューマス が 部 屋 に 入って きた 。

「 いったい どうし たんだい 、 ハリー ?」 ディーン が 大声 を あげた 。 「 さっぱり わから ない 」 と ハリー が 答えた 。 ロン は ハリー の ローブ を 調べて いた 。 ポケット が 全部 引っくり返し に なって いる 。 「 誰 か が 何 か を 探した んだ 」 ロン が 言った 。

「 何 か なくなって ない か ?」

ハリー は 散らばった 物 を 拾い上げて 、 トランク に 投げ入れ はじめた 。

ロック ハート の 本 の 最後 の 一 冊 を 投げ入れ 終わった とき に 、 初めて 何 が なくなって いる か わかった 。

「 リドル の 日記 が ない 」 ハリー は 声 を 落として ロン に 言った 。

「 エーッ ?」 ハリー は 部屋 を 出た 。

「 一緒に 来て 」 と ロン に 合図 を して 、 ドア に 向かって 急いだ 。

ロン も あと に 続いて 部屋 を 出た 。

二 人 は グリフィンドール の 談話 室 に 戻った 。 半数 ぐらい の 生徒 しか 残って い なかった が 、 ハーマイオニー が 一 人 で 椅子 に 腰掛けて 「 古代 ルーン 語 の やさしい 学び 方 」 を 読んで いた 。

二 人 の 話 を 聞いて ハーマイオニー は 仰天 した 。

「 だって ―― グリフィンドール 生 しか 盗め ない はずでしょ ―― 他の 人 は 誰 も ここ の 合言葉 を 知ら ない もの ......」

「 そう な んだ 」 と ハリー も 言った 。

翌朝 へ 目 を 覚ます と 、 太陽 が キラキラ と 輝き 、 さわやかな そよ風 が 吹いて いた 。

「 申し分 ない クィディッチ 日和 だ !」

朝食 の 席 で 、 チームメート の 皿 に スクランブル ・ エッグ を 山 の ように 盛り ながら 、 ウッド が 興奮 した 声 で 言った 。

「 ハリー 、 がんばれよ 。 朝飯 を ちゃんと 食って おけよ 」

ハリー は 、 朝食 の 席 に びっしり 並んで 座って いる 、 グリフィンドール 生 を ぐるり と 見渡し た 。

もしかしたら ハリー の 目の前 に リドル の 日記 の 新しい 持ち主 が いる かも しれ ない ――。

ハーマイオニー は 盗難 届 を 出す ように 勧めた が 、 ハリー は そう し たく なかった 。 そんな こと を すれば 、 先生 に 、 日記 の こと を すべて 話さ なければ なら なく なる 。

だいたい 五十 年 前 に 、 ハグリッド が 退学 処分 に なった こと を 知っている 者 が 、 何 人 いる と い う の か ?

ハリー は それ を 蒸し返す 張本人 に なり たく なかった 。

ロン 、 ハーマイオニー と 一緒に 大広間 を 出た ハリー は 、 クィディッチ の 箒 を 取り に 戻ろう と した 。

その とき 、 ハリー の 心配 の 種 が また 増える ような 深刻な 事態 が 起こった 。

大理石 の 階段 に 足 を かけた 途端 に 、 またもや あの 声 を 聞いた のだ 。

「 今度 は 殺す ...... 引き裂いて ...... 八 つ 裂き に して ......」

ハリー は 叫び声 を あげ 、 ロン と ハーマイオニー は 驚いて 、 同時に ハリー の そばから 飛びの い た 。

「 あの 声 だ !」 ハリー は 振り返った 。

「 また 聞こえた ―― 君 たち は ?」

ロン が 目 を 見開いた まま 首 を 横 に 振った 。 が 、 ハーマイオニー は ハッと した ように 額 に 手 を 当てて 言った 。

「 ハリーー わたし 、 たった今 、 思いついた こと が ある の 一 図書 館 に 行か なくちゃ !」

そして 、 ハーマイオニー は 風 の ように 階段 を 駆け上がって 行った 。

「 何 を いったい 思いついた んだろう ?」

ハーマイオニー の 言葉 が 気 に かかった が 、 一方 で 、 ハリー は 周り を 見回し 、 どこ から 声 が 聞こえる の か 探して いた 。

「 計り知れない ね 」 ロン が 首 を 振り 振り 言った 。

「 だけど 、 どうして 図書 館 なんか に 行か なくちゃ なら ない んだろう ?」 と ハリー 。

「 ハーマイオニー 流 の やり 方 だ よ 」

ロン が 肩 を すくめて 、 しょう が ないだ ろ 、 と いう 仕草 を した 。

「 何はともあれ 、 まず 図書館って わけ さ 」 もう 一 度 あの 声 を 捉えたい と 、 ハリー は 進む こと も 引く こと も でき ず 、 その 場 に 突っ立って いた 。 そう する うち に 大広間 から 次々 と 人 が 溢れ出 して きて 、 大声 で 話し ながら 、 正面 の 扉 から クィディッチ 競技 場 へ と 向かって 出て 行った 。

「 もう 行った 方 が いい 」 ロン が 声 を かけた 。

「 そろそろ 十一 時 に なる ―― 試合 だ 」

ハリー は 大急ぎで グリフィンドール 塔 を 駆け上がり 、 ニンバス 2000 を 取って きて 、 ごった 返す 人 の 群れ に 混じって 校庭 を 横切った 。 しかし 、 心 は 城 の 中 の 「 姿 なき声 」 に 捕われた まま だった 。

更衣室 で 紅 色 の ユニフォーム に 着替え ながら 、 ハリー は 、 クィディッチ 観戦 で みんな が 城 の 外 に 出て いる の が せめても の 慰め だ と 感じて いた 。

対戦 する 二 チーム が 、 万 雷 の 拍手 に 迎えられて 入場 した 。 オリバーウッド は 、 ゴール の 周り を 一っ飛び して ウォームアップ し 、 マダム ・ フーチ は 、 競 技 用 ポール を 取り出した 。 ハッフルパフ は 、 カナリア ・ イエロー の ユニフォーム で 、 最後 の 作戦 会議 に スクラム を 組 ん で いた 。

ハリー が 箒 に またがった 。 その とき 、 マクゴナガル 先生 が 巨大な 紫色 の メガフォン を 手 に 持って 、 グラウンド の むこう から 行進 歩調 で 腕 を 大きく 振り ながら 、 半ば 走る ように やって きた 。

ハリー の 心臓 は 石 に なった ように ドシン と 落ち込んだ 。

「 この 試合 は 中止 です 」

マクゴナガル 先生 は 満員 の スタジアム に 向かって メガフォン で アナウンス した 。 野次 や 怒号 が 乱れ飛んだ 。

オリバー ・ ウッド は 衝撃 を 受けた 様子 で 地上 に 降り立ち 、 箒 に またがった まま マクゴナガル 先生 に 駆け寄った 。

「 先生 、 そんな り 」 オリバー が 喚 いた 。

「 是が非でも 試合 を ...... 優勝 杯 が ...... グリフィンドール の ......」

マクゴナガル 先生 は 耳 も 貸さ ず に メガフォン で 叫び 続けた 。

「 全 生徒 は それぞれ の 寮 の 談話 室 に 戻り なさい 。 そこ で 寮 監 から 詳しい 話 が あります 。 みな さん 、 できる だけ 急いで !」

マクゴナガル 先生 は 、 メガフォン を 下ろし 、 ハリー に 合図 した 。

「 ポッター 、 私 と 一緒に いらっしゃい ......」

今度 だけ は 僕 を 疑 える はず が ない のに 、 と いぶかり ながら 、 ふと 見る と 、 不満 たら たら の 生 徒 の 群れ を 抜け出して 、 ロン が 、 ハリー たち の 方 に 走って くる 。

ハリー は 、 マクゴナガル 先生 と 二 人 で 城 に 向かう ところ だった が 、 驚いた こと に 、 先生 は ロ ン が 一緒 でも 反対 し なかった 。

「 そう 、 ウィーズリー 、 あなた も 一緒に 来た 方 が よい でしょう 」

群れ を なして 移動 し ながら 、 三 人 の 周り の 生徒 たち は 、 試合 中止 で プープー 文句 を 言った り 、 心配 そうな 顔 を したり して いた 。

ハリー と ロン は 先生 に ついて 城 に 戻り 、 大理石 の 階段 を 上がった 。

しかし 、 今度 は 誰 か の 部屋 に 連れて 行か れる 様子 で は なかった 。

「 尐 し ショック を 受ける かも しれません が 」 医務 室 近く まで 来た とき 、 マクゴナガル 先生 が 驚く ほど の やさしい 声 で 言った 。

「 また 襲わ れました ...... また 二 人 一緒に です 」 ハリー は 五臓 六 肺 が すべて 引っくり返る 気 が した 。 先生 は ドア を 開け 、 二 人 も 中 に 入った 。

マダム ・ ポンフリー が 、 長い 巻き 毛 の 五 年生 の 女子 学生 の 上 に かがみ こんで いた 。

ハリー たち が スリザリン の 談話 室 へ の 道 を 尋ねた 、 あの レイブンクロー の 学生 だ 、 と ハリー に は すぐ わかった 。

そして 、 その 隣 の ベッド に は ――

「 ハーマイオニー !」 ロン が うめき声 を あげた 。

ハーマイオニー は 身動き も せ ず 、 見開いた 目 は ガラス 玉 の ようだった 。

「 二 人 は 図書 館 の 近く で 発見 さ れました 」 マクゴナガル 先生 が 言った 。 「 二 人 と も これ が なんだか 説明 でき ない でしょう ね ? 二 人 の そば の 床 に 落ちて いた のです が ......」

先生 は 小さな 丸い 鏡 を 手 に して いた 。

二 人 と も 、 ハーマイオニー を じっと 見つめ ながら 首 を 横 に 振った 。

ロン は 呆然と ベッド の 横 に ある 椅子 に 座り込んだ 。

ハリー は ベッド の 脇 に 座り 、 ハーマイオニー の 手 を 愛し げ に 撫でた 。

「...... ハー ...... マイオニー ......」 ハリー は 掠 れた 声 しか 出 なかった 。

「 グリフィンドール 塔 まで あなた たち を 送って 行きましょう 」 マクゴナガル 先生 は 重苦しい 口調 で 言った 。

「 私 も 、 いずれ に せよ 生徒 たち に 説明 し ない と なりません 」

14.1 コーネリウス ・ファッシ ゙ - Cornelius Fudge ||cornelius|fudge 14.1 Cornelius Schummler 14.1 Cornelius Fudge 14.1 Cornelius Fudge 14.1 Cornelius Fudge

第 14 章 コーネリウス ・ ファッジ - Cornelius Fudge だい|しょう|||cornelius|fudge

ハグリッド が 、 大きくて 怪物 の ような 生物 が 好きだ と いう 、 困った 趣味 を 持って いる こと は 、 ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー の 三 人 と も 、 とっくに 知っていた 。 ||おおきくて|かいぶつ|||せいぶつ||すきだ|||こまった|しゅみ||もって||||||||みっ|じん||||しっていた I already knew that Hagrid had an embarrassing hobby, like big, monster-like creatures, with Harry, Ron, and Hermione.

去年 、 三 人 が 一 年生 だった とき 、 ハグリッド は 自分 の 狭い 丸太 小屋 で 、 ドラゴン を 育てよう と した し 、「 ふわふわ の フラツフィー 」 と 名付けて いた あの 三 頭 犬 の こと は 、 そう 簡単に 忘 れられる もの で は ない 。 きょねん|みっ|じん||ひと|ねんせい|||||じぶん||せまい|まるた|こや||||そだてよう||||||||なづけて|||みっ|あたま|いぬ|||||かんたんに|ぼう|れ られる|||| ―― 尐年 時代 の ハグリッド が 、 城 の どこ か に 怪物 が 潜んで いる と 聞いたら 、 どんな こと を し て でも その 怪物 を 一目 見たい と 思った に 違いない ―― ハリー は そう 思った 。 尐ねん|じだい||||しろ|||||かいぶつ||ひそんで|||きいたら||||||||かいぶつ||いちもく|み たい||おもった||ちがいない||||おもった ――When Hagrid in his youth heard that a monster was lurking somewhere in the castle, he must have wanted to see the monster at a glance no matter what. ――Harry thought so. ハグリッド は きっと 考えた に 違いない ―― 怪物 が 長い 間 、 狭苦しい ところ に 閉じ込められて いる なんて 気の毒だ 。 |||かんがえた||ちがいない|かいぶつ||ながい|あいだ|せまくるしい|||とじこめ られて|||きのどくだ ちょっと の 間 その たくさんの 脚 を 伸ばす チャンス を 与える べきだ ― ―。 ||あいだ|||あし||のばす|ちゃんす||あたえる| For a moment, you should give them a chance to stretch their many legs.

十三 歳 の ハグリッド が 、 怪物 に 、 首輪 と 引き 紐 を つけよう と して いる 姿 が 、 ハリー の 目 に 浮 かぶ ようだった 。 じゅうさん|さい||||かいぶつ||くびわ||ひき|ひも||||||すがた||||め||うか|| It seemed to Harry's eyes that Hagrid, a thirteen-year-old, was trying to attach a collar and a drawstring to a monster. でも 、 ハグリッド は 決して 誰 か を 殺そう など と は 思わ なかった だろう ―― ハリー は これ に も 確信 が あった 。 |||けっして|だれ|||ころそう||||おもわ||||||||かくしん|| But Hagrid would never have wanted to kill anyone - Harry was sure of this as well.

しか ハリー は 、 リドル の 日記 の 仕掛け を 知ら ない 方 が よかった と さえ 思った 。 |||||にっき||しかけ||しら||かた|||||おもった But Harry even thought it would have been better if he didn't know how Riddle's diary worked. ロン と ハーマイオニー は 、 ハリー の 見た こと を 繰り返し 聞き た がった 。 ||||||みた|||くりかえし|きき|| Ron and Hermione wanted to repeatedly hear what Harry had seen.

ハリー は 、 二 人 に いやというほど 話して 聞か せた し 、 その あと は 堂々巡り の 議論 に なる の に も 、 うんざり して いた 。 ||ふた|じん|||はなして|きか||||||どうどうめぐり||ぎろん|||||||| Harry was tired of talking to the two of them unpleasantly, and then having a round-the-clock discussion.

「 リドル は 犯人 を まちがえて いた かも しれ ない わ 。 ||はんにん||||||| "Riddle may have mistaken the criminal. みんな を 襲った の は 別な 怪物 だった かも しれ ない ......」 ハーマイオニー の 意見 だ 。 ||おそった|||べつな|かいぶつ|||||||いけん| Maybe it was a different monster that attacked us all. ...... That's what Hermione thinks.

「 ホグワーツ に いったい 何 匹 怪物 が いれば 気 が すむ ん だい ?」 ロン が ぼ そり と 言った 。 |||なん|ひき|かいぶつ|||き||||||||||いった "How many monsters do you feel like in Hogwarts?" Ron said sledding.

「 ハグリッド が 追放 さ れた こと は 、 僕たち 、 もう 知って た 。 ||ついほう|||||ぼくたち||しって| "We already knew that Hagrid had been banished. それ に 、 ハグリッド が 追い出されて から は 、 誰 も 襲わ れ なく なった に 違いない 。 ||||おいださ れて|||だれ||おそわ|||||ちがいない Besides, no one must have been attacked since Hagrid was kicked out. そう じゃ なけりゃ 、 リドル は 表彰 さ れ な かった はずだ もの 」 ハリー は 惨めな 気持 だった 。 |||||ひょうしょう|||||||||みじめな|きもち| Otherwise, Riddle wouldn't have been commended. "Harry felt miserable.

ロン に は 違った 見方 も あった 。 |||ちがった|みかた|| Ron had a different perspective.

「 リドルって 、 パーシー に そっくりだ ―― そもそも ハグリッド を 密告 しろ なんて 、 誰 が 頼 ん だ ?」 リドル って|||||||みっこく|||だれ||たの|| "Riddle is just like Percy--who asked to tell Hagrid in the first place?" 「 でも 、 ロン 、 誰 か が 怪物 に 殺さ れた の よ 」 と ハーマイオニー 。 ||だれ|||かいぶつ||ころさ||||| But, Ron," Hermione said, "someone was killed by a monster.

「 それ に 、 ホグワーツ が 閉鎖 さ れたら 、 リドル は マグル の 孤児院 に 戻ら なきゃ なら なかった 。 ||||へいさ|||||||こじいん||もどら||| "And once Hogwarts was closed, Riddle had to return to the Muggle orphanage. 僕 、 リドル が ここ に 残り たかった 気持ち 、 わかる な ......」 と ハリー は 言った 。 ぼく|||||のこり||きもち||||||いった I know how much Riddle wanted to stay here. ...... Harry said.

ロン は 唇 を 噛み 、 思いついた ように 聞いた 。 ||くちびる||かみ|おもいついた||きいた Ron bit his lips and heard as if he had come up with it.

「 ねえ 、 ハリー 、 君 、 ハグリッド に 『 夜 の 闇 横丁 』 で 出会ったって 言った よ ね !」 ||きみ|||よ||やみ|よこちょう||であった って|いった|| "Hey, Harry, you, you said you met Hagrid in" Knockturn Alley "!" 「『 肉食 ナメクジ 駆除 剤 』 を 買い に きて た 」 ハリー は 急いで 答えた 。 にくしょく||くじょ|ざい||かい||||||いそいで|こたえた "I came to buy a'carnivorous slug pesticide'," Harry replied in a hurry.

三 人 は 黙りこくった 。 みっ|じん||だまりこくった ずいぶん 長い 沈黙 の あと 、 ハーマイオニー が ためらい ながら 一 番 言い にくい こと を 言った 。 |ながい|ちんもく|||||||ひと|ばん|いい||||いった After a long pause, Hermione hesitated and said the most difficult thing to say.

「 ハグリッド の ところ に 行って 、 全部 、 聞いて みたら どう かしら ?」 ||||おこなって|ぜんぶ|きいて||| "Why don't you go to Hagrid and ask all of them?"

「 そりゃ あ 、 楽しい お 客 様 に なる だろう ね 」 と ロン が 言った 。 ||たのしい||きゃく|さま||||||||いった "Well, it's going to be a fun customer," Ron said.

「 こんにちは 、 ハグリッド 。 教えて くれる ! 最近 城 の 中 で 毛 むくじゃ ら の 狂った やつ を けし かけ なかった ?って ね 」 おしえて||さいきん|しろ||なか||け||||くるった||||||| Tell me! Didn't you get a hairy crazy guy in the castle lately? " 結局 三 人 は 、 また 誰 か が 襲わ れ ない かぎり 、 ハグリッド に は 何も 言わ ない こと に 決めた 。 けっきょく|みっ|じん|||だれ|||おそわ|||||||なにも|いわ||||きめた In the end, the three decided not to say anything to Hagrid unless someone was attacked. そして 何 日 聞か が 過ぎて 行き 、「 姿 なき声 」 の ささやき も 聞こえ なかった 。 |なん|ひ|きか||すぎて|いき|すがた|なきごえ||||きこえ| And after a few days, I couldn't even hear the whisper of "the voice without a figure."

三 人 は 、 ハグリッド が う なぜ 追放 さ れた か 、 聞か なり て すむ かも しれ ない 、 と 思い はじめ た 。 みっ|じん||||||ついほう||||きか||||||||おもい|| The three began to wonder why Hagrid was banished and might have been asked.

ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 が 石 に されて から 四 カ月 が 過ぎよう と して いた 。 |||くび|なし|||いし||さ れて||よっ|かげつ||すぎよう||| It was almost four months since Justin and "Nearly Headless Nick" were stoned.

誰 が 襲った の か は わから ない が 、 その 何者 か は もう 永久 に 引きこもって しまった と 、 みんな が そう 思って いる ようだった 。 だれ||おそった||||||||なにもの||||えいきゅう||ひきこもって||||||おもって|| I don't know who attacked it, but everyone seemed to think that some of them had withdrawn forever.

ビープズ も やっと 、「♪ オー 、 ポッター 、 いやな やつ だ ー 」 の 歌 に 飽きた らしい し 、 アー ニー ・ マクミラン は ある 日 ー 「 薬草 学 」 の クラス で 、「『 飛び はね 毒 キノコ 』 の 入った バケ ツ を 取って ください 」 と 丁寧に ハリー に 声 を かけた 。 |||おー|||||-||うた||あきた|||||まくみらん|||ひ|-|やくそう|まな||くらす||とび||どく|きのこ||はいった||||とって|||ていねいに|||こえ|| It seems that Beeps finally got tired of the song "♪ Oh, Potter, I don't like it", and Arnie McMillan one day-in the class of "Medicinal herbs", "Flying poisonous mushrooms" was included. Please take the bucket, "he politely called out to Harry.

三 月 に は マンドレイク が 何 本 か 、 第 三 号 温室 で 乱 痴気 パーティ を 繰り広げた 。 みっ|つき|||||なん|ほん||だい|みっ|ごう|おんしつ||らん|ちき|ぱーてぃ||くりひろげた In March, several mandrake parties were held in the No. 3 greenhouse. スプラウト 先生 は これ で 大 満足 だった 。 |せんせい||||だい|まんぞく|

「 マンドレイク が お互い の 植木鉢 に 入り込もう と したら 、 完全に 成熟 した と いう こと です 」 スプラウト 先生 が ハリー に そう 言った 。 ||おたがい||うえきばち||はいりこもう|||かんぜんに|せいじゅく|||||||せんせい|||||いった “When Mandragora tried to get into each other's flowerpots, it was completely mature,” Dr. Sprout told Harry.

「 そうなれば 、 医務 室 に いる 、 あの かわいそうな 人 たち を 蘇生 さ せる こと が できます よ 」 そう なれば|いむ|しつ|||||じん|||そせい|||||でき ます| Then we can revive those poor people in the infirmary. 復活 祭 の 休暇 中 に 、 二 年生 は 新しい 課題 を 与えられた 。 ふっかつ|さい||きゅうか|なか||ふた|ねんせい||あたらしい|かだい||あたえ られた During the Easter break, the second graders were given a new assignment. 三 年生 で 選択 する 科目 を 決める 時期 が 来た のだ 。 みっ|ねんせい||せんたく||かもく||きめる|じき||きた| It's time to decide which subjects to choose in the third grade.

尐 なく と も ハーマイオニー に とって は 、 これ は 非常に 深刻な 問題 だった 。 ||||||||||ひじょうに|しんこくな|もんだい| For Hermione, at least, this was a very serious matter.

「 わたし たち の 将来 に 全面 的に 影響 する かも しれ ない の よ 」 三 人 で 新しい 科目 の リスト に 舐める ように 目 を 通し 、 選択 科目 に 「 レ 」 印 を つけ ながら 、 ハーマイオニー が ハリー と ロン に 言い聞かせた 。 |||しょうらい||ぜんめん|てきに|えいきょう|||||||みっ|じん||あたらしい|かもく||りすと||なめる||め||とおし|せんたく|かもく|||いん||||||||||いいきかせた "May have a full impact on our future." Hermione tells Harry and Ron, looking through the list of new subjects as if they were licking them, and marking the electives with a "re". rice field .

「 僕 、 魔法 薬 を やめたい な 」 と ハリー 。 ぼく|まほう|くすり||やめ たい||| I want to get off potions," Harry said. 「 そりゃ 、 ムリ 」 ロン が 憂鬱 そうに 言った 。 |むり|||ゆううつ|そう に|いった I'm not going to be able to do that," Ron said gloomily.

「 これ まで の 科目 は 全部 続く んだ 。 |||かもく||ぜんぶ|つづく| "All the subjects so far will continue. そうじゃなきや 、 僕 は 『 闇 の 魔術 に 対する 防衛 術 』 を 捨てるよ 」 そう じゃ なき や|ぼく||やみ||まじゅつ||たいする|ぼうえい|じゅつ||すてる よ Otherwise, I will abandon my Defense Against the Dark Arts."

「 だって とって も 重要な 科目 じゃ ない の !」 |||じゅうような|かもく||| "Because it's not a very important subject!"

ハーマイオニー が 衝撃 を 受けた ような 声 を 出した 。 ||しょうげき||うけた||こえ||だした Hermione sounds shocked.

「 ロック ハート の 教え 方 じゃ 、 そう は 言え ない な 。 ろっく|はーと||おしえ|かた||||いえ|| "I can't say that with the teaching of Rock Heart. 彼 から は なんにも 学んで ない よ 。 かれ||||まなんで|| I haven't learned anything from him. ピク シー 小 妖精 を 暴れ させる こと 以外 は ね 」 と ロン が 言い返した 。 ||しょう|ようせい||あばれ|さ せる||いがい||||||いいかえした Pixie," Ron retorted, "except for making the little elf run amok.

ネビル ・ ロングボトム に は 、 親戚 中 の 魔法使い や 魔女 が 、 手紙 で 、 ああ しろ こう しろ と 、 勝 手 な 意見 を 書いて よこした 。 ||||しんせき|なか||まほうつかい||まじょ||てがみ|||||||か|て||いけん||かいて| Neville Longbottom received letters from his relatives, wizards and witches, telling him to do this or that.

混乱 した ネビル は 、 困り果てて 、 ア 一 、 ウー 言い ながら 、 舌 を ちょっと 突き出して リスト を 読み 、「 数 占い 」 と 「 古代 ルーン 文字 」 の どっち が 難し そう か など と 、 聞き まくって いた 。 こんらん||||こまりはてて||ひと||いい||した|||つきだして|りすと||よみ|すう|うらない||こだい||もじ||||むずかし|||||きき|| Confused, Neville, in a fit of pique, stuck his tongue out a bit and read the list, asking which was more difficult, "divination by numbers" or "ancient runes".

ディーン ・ トーマス は ハリー と 同じ ように 、 マグル の 中 で 育って きた ので 、 結局 目 を つぶって 杖 で リスト を 指し へ 杖 の 示して いる 科目 を 選んだ 。 |||||おなじ||||なか||そだって|||けっきょく|め|||つえ||りすと||さし||つえ||しめして||かもく||えらんだ Dean Thomas, like Harry, had been raised by Muggles, so he eventually closed his eyes, pointed to the list with his wand, and chose the subject indicated by the wand. ハーマイオニー は 誰 から の 助言 も 受け ず 、 全科 目 を 登録 した 。 ||だれ|||じょげん||うけ||ぜんか|め||とうろく| Hermione registered all the departments without any advice.

―― バーノン おじさん や ペチュニア おばさん に 、 自分 の 魔法 界 で の キャリア に ついて 相談 を 持ちかけたら 、 どんな 顔 を する だろう ―― ハリー は 一 人 で 苦笑い を した 。 ||||||じぶん||まほう|かい|||きゃりあ|||そうだん||もちかけたら||かお||||||ひと|じん||にがわらい|| ――What would you look like if you asked Uncle Vernon and Aunt Petunia about your career in the magical world? ――Harry laughed alone.

かといって 、 ハリー が 誰 から も 指導 を 受け なかった わけで は ない 。 |||だれ|||しどう||うけ|||| That doesn't mean that Harry didn't receive any guidance from anyone.

パーシー ・ ウィーズリー が 自分 の 経験 を 熱心に 教えた 。 |||じぶん||けいけん||ねっしんに|おしえた Percy Weasley enthusiastically shared his experience.

「 ハリー 、 自分 が 将来 、 どっち に 進みたい か に よる んだ 。 |じぶん||しょうらい|||すすみ たい|||| "Harry, it depends on where you want to go in the future. 将来 を 考える のに 、 早 過ぎる と い う こと は ない 。 しょうらい||かんがえる||はや|すぎる|||||| It is never too early to start thinking about the future. それ なら まず 『 占い 術 』 を 勧めたい ね 。 |||うらない|じゅつ||すすめ たい| Then, I would recommend "Divination Technique" first. 『 マグル 学 』 なんか 選ぶ の は 軟弱だ と いう 人 も いる が 、 僕 の 個人 的 意見 で は 、 魔法使い たる もの 、 魔法 社会 以外 の こと を 完壁 に 理解 して おく べきだ と 思う 。 |まな||えらぶ|||なんじゃくだ|||じん||||ぼく||こじん|てき|いけん|||まほうつかい|||まほう|しゃかい|いがい||||かんぺき||りかい|||||おもう Some people say that choosing "Muggle Studies" is weak, but in my personal opinion, I think we should fully understand things other than magicians and magical societies. 特に 、 マグル と 身近に 接触 する ような 仕事 を 考えて いる なら ね 。 とくに|||みぢかに|せっしょく|||しごと||かんがえて||| Especially if you are thinking of a job that will bring you into close contact with Muggles. ―― 僕 の 父 の こと を 考えて みる と いい 。 ぼく||ちち||||かんがえて||| ――Think about my father. 四六時中 マグル 関係 の 仕事 を して いる 。 しろくじちゅう||かんけい||しごと||| He works 24/7 in the Muggle business. 兄 の チャーリー は 外 で 何 か する の が 好きな タイプ だった から 、『 魔法 生物 飼育 学 』 を 取った 。 あに||||がい||なん|||||すきな|たいぷ|||まほう|せいぶつ|しいく|まな||とった My brother Charlie was the type who liked to do something outside, so I took "Magical Creatures Breeding". 自 分 の 強み を 生かす こと だ ね 、 ハリー 」 じ|ぶん||つよみ||いかす|||| You have to use your strengths, Harry.

強み と いって も 、 ほんとうに 得意な の は クィディッチ しか 思い浮かば ない 。 つよみ|||||とくいな|||||おもいうかば| The only thing I can think of that I am really good at is Quidditch. 結局 、 ハリー は ロン と 同じ 新しい 科目 を 選んだ 。 けっきょく|||||おなじ|あたらしい|かもく||えらんだ

勉強 が うまく いか なくて も 、 せめて ハリー を 助けて くれる 友人 が いれば いい と 思った から だ 。 べんきょう|||||||||たすけて||ゆうじん|||||おもった|| Even if I didn't study well, I wish I had a friend who could at least help Harry.

クィディッチ の 試合 で 、 グリフィンドール の 次の 対戦 相手 は ハッフルパフ だ 。 ||しあい||||つぎの|たいせん|あいて||| Gryffindor's next opponent in a Quidditch match is Hufflepuff.

ウッド は 夕食 後 に 毎晩 、 練習 を する と 言い張り 、 おかげ で ハリー は クィディッチ と 宿題 以外 に は 、 ほとんど 何も する 時間 が なかった 。 ||ゆうしょく|あと||まいばん|れんしゅう||||いいはり|||||||しゅくだい|いがい||||なにも||じかん||

とはいえ 、 練習 自体 は やり やすく なって いた 。 |れんしゅう|じたい||||| However, the practice itself was easier to do. 尐 なく と も 天気 は カラッと して いた 。 ||||てんき||からっと|| The weather was at least a little cooler than usual. 土曜日 に 試合 を 控えた 前日 の 夕方 、 ハリー は 箒 を いったん 置き に 、 寮 の 寝室 に 戻った 。 どようび||しあい||ひかえた|ぜんじつ||ゆうがた|||そう|||おき||りょう||しんしつ||もどった The evening before the match on Saturday, Harry left the broom and returned to his dorm bedroom.

グリフィンドール が 寮 対抗 クィディッチ 杯 を 獲得 する 可能 性 は 、 今や 最高潮 だ と 感じて い た 。 ||りょう|たいこう||さかずき||かくとく||かのう|せい||いまや|さいこうちょう|||かんじて|| I felt that the chances of Gryffindor winning the Dormitory Quidditch Cup were now at their peak.

しかし 、 そんな 楽しい 気分 は そう 長く は 続か なかった 。 ||たのしい|きぶん|||ながく||つづか| However, such a pleasant mood did not last so long.

寝室 に 戻る 階段 の 一 番 上 で 、 パニック 状態 の ネビル ・ ロングボトム と 出会った 。 しんしつ||もどる|かいだん||ひと|ばん|うえ||ぱにっく|じょうたい|||||であった

「 ハリー ―― 誰 が やった んだ か わかん ない 。 |だれ|||||| "Harry - I don't know who did it. 僕 、 今 、 見つけた ばかり ――」 ぼく|いま|みつけた| I just found--"

ハリー の 方 を 恐る恐る 見 ながら 、 ネビル は 部屋 の ドア を 開けた 。 ||かた||おそるおそる|み||||へや||どあ||あけた Neville looked fearfully at Harry and opened the door to his room.

ハリー の トランク の 中身 が そこ いら 中 に 散らばって いた 。 ||とらんく||なかみ||||なか||ちらばって| The contents of Harry's trunk were scattered all over the place.

床 の 上 に は マント が ずたずたに なって 広がり 、 天 蓋付 き ベッド の カバー は 剥ぎ取ら れ 、 ベッ ド 脇 の 小机 の 引き出し は 引っ張り出されて 、 中身 が ベッド の 上 に ぶちまけられて いる 。 とこ||うえ|||まんと||||ひろがり|てん|ふたつき||べっど||かばー||はぎとら||||わき||こづくえ||ひきだし||ひっぱりださ れて|なかみ||べっど||うえ||ぶちまけ られて| The cloak is spread out on the floor, the cover of the canopy bed has been ripped off, and the drawer of the small desk beside the bed has been pulled out and its contents are spewed all over the bed. ハリー は ポカン と 口 を 開けた まま 「 トロール と の とろ い 旅 」 の 、 ばらばらに なった ページ を 数 枚 踏みつけ に して 、 ベッド に 近寄った 。 ||||くち||あけた|||||||たび||||ぺーじ||すう|まい|ふみつけ|||べっど||ちかよった Harry stomped his mouth open, stomped on a few scattered pages of "A Melting Journey with a Troll", and approached the bed.

ネビル と 二 人 で 毛布 を 引っ張って 元通りに 直して いる と 、 ロン 、 ディーン 、 シューマス が 部 屋 に 入って きた 。 ||ふた|じん||もうふ||ひっぱって|もとどおりに|なおして|||||||ぶ|や||はいって| As Neville and I were pulling the blanket back into place, Ron, Dean, and Schumas came into the room.

「 いったい どうし たんだい 、 ハリー ?」 ディーン が 大声 を あげた 。 |どう し|||||おおごえ|| 「 さっぱり わから ない 」 と ハリー が 答えた 。 ||||||こたえた ロン は ハリー の ローブ を 調べて いた 。 ||||||しらべて| ポケット が 全部 引っくり返し に なって いる 。 ぽけっと||ぜんぶ|ひっくりかえし||| All the pockets are turned inside out. 「 誰 か が 何 か を 探した んだ 」 ロン が 言った 。 だれ|||なん|||さがした||||いった

「 何 か なくなって ない か ?」 なん|||| "Is something gone?"

ハリー は 散らばった 物 を 拾い上げて 、 トランク に 投げ入れ はじめた 。 ||ちらばった|ぶつ||ひろいあげて|とらんく||なげいれ|

ロック ハート の 本 の 最後 の 一 冊 を 投げ入れ 終わった とき に 、 初めて 何 が なくなって いる か わかった 。 ろっく|はーと||ほん||さいご||ひと|さつ||なげいれ|おわった|||はじめて|なん||||| When I finished throwing in the last of Lockhart's books, I realized for the first time what was missing.

「 リドル の 日記 が ない 」 ハリー は 声 を 落として ロン に 言った 。 ||にっき|||||こえ||おとして|||いった

「 エーッ ?」 ハリー は 部屋 を 出た 。 |||へや||でた

「 一緒に 来て 」 と ロン に 合図 を して 、 ドア に 向かって 急いだ 。 いっしょに|きて||||あいず|||どあ||むかって|いそいだ I motioned to Ron, "Come with me," and we hurried to the door.

ロン も あと に 続いて 部屋 を 出た 。 ||||つづいて|へや||でた Ron followed him out of the room.

二 人 は グリフィンドール の 談話 室 に 戻った 。 ふた|じん||||だんわ|しつ||もどった 半数 ぐらい の 生徒 しか 残って い なかった が 、 ハーマイオニー が 一 人 で 椅子 に 腰掛けて 「 古代 ルーン 語 の やさしい 学び 方 」 を 読んで いた 。 はんすう|||せいと||のこって||||||ひと|じん||いす||こしかけて|こだい||ご|||まなび|かた||よんで| Only about half of the students remained, and Hermione was sitting alone in a chair reading The Easy Way to Learn Ancient Runes.

二 人 の 話 を 聞いて ハーマイオニー は 仰天 した 。 ふた|じん||はなし||きいて|||ぎょうてん|

「 だって ―― グリフィンドール 生 しか 盗め ない はずでしょ ―― 他の 人 は 誰 も ここ の 合言葉 を 知ら ない もの ......」 ||せい||ぬすめ|||たの|じん||だれ||||あいことば||しら|| "Because - and I know only Gryffindors are supposed to be able to steal - no one else knows the password here: ......."

「 そう な んだ 」 と ハリー も 言った 。 ||||||いった

翌朝 へ 目 を 覚ます と 、 太陽 が キラキラ と 輝き 、 さわやかな そよ風 が 吹いて いた 。 よくあさ||め||さます||たいよう||きらきら||かがやき||そよかぜ||ふいて|

「 申し分 ない クィディッチ 日和 だ !」 もうしぶん|||ひより| "It's a perfect quidditch day!"

朝食 の 席 で 、 チームメート の 皿 に スクランブル ・ エッグ を 山 の ように 盛り ながら 、 ウッド が 興奮 した 声 で 言った 。 ちょうしょく||せき||||さら||すくらんぶる|||やま|||さかり||||こうふん||こえ||いった At breakfast, Wood said in an excited voice, with scrambled eggs piled up on his teammate's plate.

「 ハリー 、 がんばれよ 。 朝飯 を ちゃんと 食って おけよ 」 あさはん|||くって| Make sure you eat your breakfast.

ハリー は 、 朝食 の 席 に びっしり 並んで 座って いる 、 グリフィンドール 生 を ぐるり と 見渡し た 。 ||ちょうしょく||せき|||ならんで|すわって|||せい||||みわたし| Harry looked around at the Gryffindors sitting in a row at the breakfast table.

もしかしたら ハリー の 目の前 に リドル の 日記 の 新しい 持ち主 が いる かも しれ ない ――。 |||めのまえ||||にっき||あたらしい|もちぬし||||| Perhaps there is a new owner of Riddle's diary in front of Harry.

ハーマイオニー は 盗難 届 を 出す ように 勧めた が 、 ハリー は そう し たく なかった 。 ||とうなん|とどけ||だす||すすめた||||||| Hermione recommended filing a theft report, but Harry didn't want to. そんな こと を すれば 、 先生 に 、 日記 の こと を すべて 話さ なければ なら なく なる 。 ||||せんせい||にっき|||||はなさ|||| If you do that, you will have to tell your teacher everything about your diary.

だいたい 五十 年 前 に 、 ハグリッド が 退学 処分 に なった こと を 知っている 者 が 、 何 人 いる と い う の か ? |ごじゅう|とし|ぜん||||たいがく|しょぶん|||||しっている|もの||なん|じん|||||| How many people knew that Hagrid was expelled from school almost fifty years ago?

ハリー は それ を 蒸し返す 張本人 に なり たく なかった 。 ||||むしかえす|ちょうほんにん|||| Harry didn't want to be the one who steamed it back.

ロン 、 ハーマイオニー と 一緒に 大広間 を 出た ハリー は 、 クィディッチ の 箒 を 取り に 戻ろう と した 。 |||いっしょに|おおひろま||でた|||||そう||とり||もどろう|| Harry, who left the hall with Ron and Hermione, tried to get the Quidditch broom back.

その とき 、 ハリー の 心配 の 種 が また 増える ような 深刻な 事態 が 起こった 。 ||||しんぱい||しゅ|||ふえる||しんこくな|じたい||おこった At that time, a serious situation occurred in which Harry's worries increased again.

大理石 の 階段 に 足 を かけた 途端 に 、 またもや あの 声 を 聞いた のだ 。 だいりせき||かいだん||あし|||とたん||||こえ||きいた| As soon as I stepped onto the marble stairs, I heard that voice again.

「 今度 は 殺す ...... 引き裂いて ...... 八 つ 裂き に して ......」 こんど||ころす|ひきさいて|やっ||さき||

ハリー は 叫び声 を あげ 、 ロン と ハーマイオニー は 驚いて 、 同時に ハリー の そばから 飛びの い た 。 ||さけびごえ|||||||おどろいて|どうじに||||とびの|| Harry screamed, and Ron and Hermione were surprised, and at the same time jumped from Harry's side.

「 あの 声 だ !」 ハリー は 振り返った 。 |こえ||||ふりかえった

「 また 聞こえた ―― 君 たち は ?」 |きこえた|きみ|| "I heard it again-- did you guys?"

ロン が 目 を 見開いた まま 首 を 横 に 振った 。 ||め||みひらいた||くび||よこ||ふった が 、 ハーマイオニー は ハッと した ように 額 に 手 を 当てて 言った 。 |||はっと|||がく||て||あてて|いった However, Hermione put her hand on her forehead and said, as if she was surprised.

「 ハリーー わたし 、 たった今 、 思いついた こと が ある の 一 図書 館 に 行か なくちゃ !」 ハリー-||たったいま|おもいついた|||||ひと|としょ|かん||いか| "Harry, I have to go to one of the books I have just come up with!"

そして 、 ハーマイオニー は 風 の ように 階段 を 駆け上がって 行った 。 |||かぜ|||かいだん||かけあがって|おこなった

「 何 を いったい 思いついた んだろう ?」 なん|||おもいついた| "What in the world did they come up with?"

ハーマイオニー の 言葉 が 気 に かかった が 、 一方 で 、 ハリー は 周り を 見回し 、 どこ から 声 が 聞こえる の か 探して いた 。 ||ことば||き||||いっぽう||||まわり||みまわし|||こえ||きこえる|||さがして| Hermione's words bothered him, but Harry looked around, trying to find where the voices were coming from.

「 計り知れない ね 」 ロン が 首 を 振り 振り 言った 。 はかりしれない||||くび||ふり|ふり|いった

「 だけど 、 どうして 図書 館 なんか に 行か なくちゃ なら ない んだろう ?」 と ハリー 。 ||としょ|かん|||いか|||||| But why do we have to go to the library or something? Harry asked.

「 ハーマイオニー 流 の やり 方 だ よ 」 |りゅう|||かた|| "It's Hermione's way of doing things."

ロン が 肩 を すくめて 、 しょう が ないだ ろ 、 と いう 仕草 を した 。 ||かた|||||||||しぐさ|| Ron shrugged his shoulders and said, "That's just the way it is.

「 何はともあれ 、 まず 図書館って わけ さ 」 なにはともあれ||としょ かん って|| "Anyway, the library is the first thing." もう 一 度 あの 声 を 捉えたい と 、 ハリー は 進む こと も 引く こと も でき ず 、 その 場 に 突っ立って いた 。 |ひと|たび||こえ||とらえ たい||||すすむ|||ひく||||||じょう||つったって| Harry couldn't move forward or pull, and stood there, wanting to catch that voice again. そう する うち に 大広間 から 次々 と 人 が 溢れ出 して きて 、 大声 で 話し ながら 、 正面 の 扉 から クィディッチ 競技 場 へ と 向かって 出て 行った 。 ||||おおひろま||つぎつぎ||じん||あふれで|||おおごえ||はなし||しょうめん||とびら|||きょうぎ|じょう|||むかって|でて|おこなった In the meantime, people started pouring out of the hall one after another, talking loudly and leaving through the front door to the Quidditch arena.

「 もう 行った 方 が いい 」 ロン が 声 を かけた 。 |おこなった|かた|||||こえ|| You should go," Ron called out.

「 そろそろ 十一 時 に なる ―― 試合 だ 」 |じゅういち|じ|||しあい|

ハリー は 大急ぎで グリフィンドール 塔 を 駆け上がり 、 ニンバス 2000 を 取って きて 、 ごった 返す 人 の 群れ に 混じって 校庭 を 横切った 。 ||おおいそぎで||とう||かけあがり|||とって||ご った|かえす|じん||むれ||まじって|こうてい||よこぎった Harry rushed up the Gryffindor Tower, grabbed the Nimbus 2000, and crossed the playground with a crowd of crowds. しかし 、 心 は 城 の 中 の 「 姿 なき声 」 に 捕われた まま だった 。 |こころ||しろ||なか||すがた|なきごえ||とらわれた|| However, my heart remained captured by the "voiceless voice" in the castle.

更衣室 で 紅 色 の ユニフォーム に 着替え ながら 、 ハリー は 、 クィディッチ 観戦 で みんな が 城 の 外 に 出て いる の が せめても の 慰め だ と 感じて いた 。 こういしつ||くれない|いろ||ゆにふぉーむ||きがえ|||||かんせん||||しろ||がい||でて||||||なぐさめ|||かんじて| While changing into his red uniform in the locker room, Harry found solace in the fact that everyone was out of the castle for the Quidditch game.

対戦 する 二 チーム が 、 万 雷 の 拍手 に 迎えられて 入場 した 。 たいせん||ふた|ちーむ||よろず|かみなり||はくしゅ||むかえ られて|にゅうじょう| The two competing teams entered to thunderous applause. オリバーウッド は 、 ゴール の 周り を 一っ飛び して ウォームアップ し 、 マダム ・ フーチ は 、 競 技 用 ポール を 取り出した 。 ||ごーる||まわり||ひと っ とび|||||||きそう|わざ|よう|ぽーる||とりだした Oliver Wood warmed up by taking a leap around the finish line, and Madame Hooch retrieved her competition poles. ハッフルパフ は 、 カナリア ・ イエロー の ユニフォーム で 、 最後 の 作戦 会議 に スクラム を 組 ん で いた 。 ||かなりあ|いえろー||ゆにふぉーむ||さいご||さくせん|かいぎ||すくらむ||くみ||| The huffle puff was in a canary yellow uniform and had a scrum at the final operational meeting.

ハリー が 箒 に またがった 。 ||そう|| その とき 、 マクゴナガル 先生 が 巨大な 紫色 の メガフォン を 手 に 持って 、 グラウンド の むこう から 行進 歩調 で 腕 を 大きく 振り ながら 、 半ば 走る ように やって きた 。 |||せんせい||きょだいな|むらさきいろ||||て||もって|ぐらうんど||||こうしん|ほちょう||うで||おおきく|ふり||なかば|はしる||| At that moment, Mr. McGonagall came from across the field with a huge purple megaphone in his hand, waving his arms in a marching pace, half running.

ハリー の 心臓 は 石 に なった ように ドシン と 落ち込んだ 。 ||しんぞう||いし||||||おちこんだ

「 この 試合 は 中止 です 」 |しあい||ちゅうし|

マクゴナガル 先生 は 満員 の スタジアム に 向かって メガフォン で アナウンス した 。 |せんせい||まんいん||すたじあむ||むかって|||あなうんす| 野次 や 怒号 が 乱れ飛んだ 。 やじ||どごう||みだれとんだ

オリバー ・ ウッド は 衝撃 を 受けた 様子 で 地上 に 降り立ち 、 箒 に またがった まま マクゴナガル 先生 に 駆け寄った 。 |||しょうげき||うけた|ようす||ちじょう||おりたち|そう|||||せんせい||かけよった Oliver Wood landed on the ground in a shocked manner and rushed to Dr. McGonagall, straddling the broom.

「 先生 、 そんな り 」 オリバー が 喚 いた 。 せんせい|||||かん|

「 是が非でも 試合 を ...... 優勝 杯 が ...... グリフィンドール の ......」 ぜがひでも|しあい||ゆうしょう|さかずき||| "Even if it's not true, the match is ... the winning cup is ... Gryffindor's ..."

マクゴナガル 先生 は 耳 も 貸さ ず に メガフォン で 叫び 続けた 。 |せんせい||みみ||かさ|||||さけび|つづけた

「 全 生徒 は それぞれ の 寮 の 談話 室 に 戻り なさい 。 ぜん|せいと||||りょう||だんわ|しつ||もどり| All students return to your dormitory common room. そこ で 寮 監 から 詳しい 話 が あります 。 ||りょう|かん||くわしい|はなし||あり ます The dorm supervisor will give you more details. みな さん 、 できる だけ 急いで !」 ||||いそいで Everyone, hurry as much as you can! "

マクゴナガル 先生 は 、 メガフォン を 下ろし 、 ハリー に 合図 した 。 |せんせい||||おろし|||あいず|

「 ポッター 、 私 と 一緒に いらっしゃい ......」 |わたくし||いっしょに|

今度 だけ は 僕 を 疑 える はず が ない のに 、 と いぶかり ながら 、 ふと 見る と 、 不満 たら たら の 生 徒 の 群れ を 抜け出して 、 ロン が 、 ハリー たち の 方 に 走って くる 。 こんど|||ぼく||うたが||||||||||みる||ふまん||||せい|と||むれ||ぬけだして||||||かた||はしって| I couldn't doubt me this time, but when I suddenly saw it, Ron ran out of the flock of dissatisfied people and ran towards Harry and his friends.

ハリー は 、 マクゴナガル 先生 と 二 人 で 城 に 向かう ところ だった が 、 驚いた こと に 、 先生 は ロ ン が 一緒 でも 反対 し なかった 。 |||せんせい||ふた|じん||しろ||むかう||||おどろいた|||せんせい|||||いっしょ||はんたい|| Harry was heading to the castle with Dr. McGonagall, but to his surprise, he didn't object with Ron.

「 そう 、 ウィーズリー 、 あなた も 一緒に 来た 方 が よい でしょう 」 ||||いっしょに|きた|かた||| "Yes, Weasley, I think you should come with us.

群れ を なして 移動 し ながら 、 三 人 の 周り の 生徒 たち は 、 試合 中止 で プープー 文句 を 言った り 、 心配 そうな 顔 を したり して いた 。 むれ|||いどう|||みっ|じん||まわり||せいと|||しあい|ちゅうし||ぷー ぷー|もんく||いった||しんぱい|そう な|かお|||| While moving in a flock, the students around the three were complaining about the game being canceled and making worried faces.

ハリー と ロン は 先生 に ついて 城 に 戻り 、 大理石 の 階段 を 上がった 。 ||||せんせい|||しろ||もどり|だいりせき||かいだん||あがった Harry and Ron followed their teacher back to the castle and up the marble stairs.

しかし 、 今度 は 誰 か の 部屋 に 連れて 行か れる 様子 で は なかった 。 |こんど||だれ|||へや||つれて|いか||ようす||| But this time he didn't seem to be taken to someone's room.

「 尐 し ショック を 受ける かも しれません が 」 ||しょっく||うける||しれ ませ ん| 医務 室 近く まで 来た とき 、 マクゴナガル 先生 が 驚く ほど の やさしい 声 で 言った 。 いむ|しつ|ちかく||きた|||せんせい||おどろく||||こえ||いった When I came near the medical office, Dr. McGonagall said in a surprisingly gentle voice.

「 また 襲わ れました ...... また 二 人 一緒に です 」 |おそわ|れ ました||ふた|じん|いっしょに| "I was attacked again ... I'm together again." ハリー は 五臓 六 肺 が すべて 引っくり返る 気 が した 。 ||ごぞう|むっ|はい|||ひっくりかえる|き|| Harry felt that all five viscera and six lungs had turned over. 先生 は ドア を 開け 、 二 人 も 中 に 入った 。 せんせい||どあ||あけ|ふた|じん||なか||はいった

マダム ・ ポンフリー が 、 長い 巻き 毛 の 五 年生 の 女子 学生 の 上 に かがみ こんで いた 。 |||ながい|まき|け||いつ|ねんせい||じょし|がくせい||うえ|||| Madame Pomfrey was crouching over a fifth-grade female student with long curly hair.

ハリー たち が スリザリン の 談話 室 へ の 道 を 尋ねた 、 あの レイブンクロー の 学生 だ 、 と ハリー に は すぐ わかった 。 |||||だんわ|しつ|||どう||たずねた||||がくせい||||||| Harry and his colleagues immediately asked for the way to Slytherin's lounge, and Harry soon realized that he was a student of that Raven Claw.

そして 、 その 隣 の ベッド に は ―― ||となり||べっど||

「 ハーマイオニー !」 ロン が うめき声 を あげた 。 |||うめきごえ||

ハーマイオニー は 身動き も せ ず 、 見開いた 目 は ガラス 玉 の ようだった 。 ||みうごき||||みひらいた|め||がらす|たま||

「 二 人 は 図書 館 の 近く で 発見 さ れました 」 マクゴナガル 先生 が 言った 。 ふた|じん||としょ|かん||ちかく||はっけん||れ ました||せんせい||いった They were found near the library," McGonagall said. 「 二 人 と も これ が なんだか 説明 でき ない でしょう ね ? 二 人 の そば の 床 に 落ちて いた のです が ......」 ふた|じん||||||せつめい|||||ふた|じん||||とこ||おちて||| "Neither of us can explain what this is, right? I was lying on the floor beside them ..."

先生 は 小さな 丸い 鏡 を 手 に して いた 。 せんせい||ちいさな|まるい|きよう||て|||

二 人 と も 、 ハーマイオニー を じっと 見つめ ながら 首 を 横 に 振った 。 ふた|じん||||||みつめ||くび||よこ||ふった

ロン は 呆然と ベッド の 横 に ある 椅子 に 座り込んだ 。 ||ぼうぜんと|べっど||よこ|||いす||すわりこんだ Ron stunnedly sat down in a chair next to the bed.

ハリー は ベッド の 脇 に 座り 、 ハーマイオニー の 手 を 愛し げ に 撫でた 。 ||べっど||わき||すわり|||て||あいし|||なでた

「...... ハー ...... マイオニー ......」 ハリー は 掠 れた 声 しか 出 なかった 。 ||||りゃく||こえ||だ|

「 グリフィンドール 塔 まで あなた たち を 送って 行きましょう 」 |とう|||||おくって|いき ましょう "I will escort you back to Gryffindor Tower." マクゴナガル 先生 は 重苦しい 口調 で 言った 。 |せんせい||おもくるしい|くちょう||いった

「 私 も 、 いずれ に せよ 生徒 たち に 説明 し ない と なりません 」 わたくし|||||せいと|||せつめい||||なり ませ ん "I also have to explain to the students anyway."