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2 - Harry Potter, 12.2.1 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion

12.2.1 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion

クリスマス の 朝 が 来た 。 寒い 、 真っ白な 朝 だった 。 寮 の 部屋 に は ハリー と ロン しか 残って い なかった が 、 朝 早く 起こされて しまった 。 二 人 分 の プレゼント を 持って 、 すっかり 着替え を すませた ハーマイオニー が 、 部屋 に 飛び込 ん できた のだ 。

「 起き なさい 」

ハーマイオニー は 窓 の カーテン を 開け ながら 、 大声 で 呼びかけた 。

「 ハーマイオニー ―― 君 は 男子 寮 に 来ちゃ いけない はずだ よ 」

ロン は まぶし そうに 目 を 覆い ながら 言った 。

「 あなた に も メリー ・ クリスマス よ 」 ハーマイオニー は 、 ロン に プレゼント を ポーン と 投げ ながら 言った 。

「 わたし 、 もう 一 時間 も 前 から 起きて 、 煎じ 薬 に クサカゲロウ を 加えて た の 。 完成 よ 」

ハリー は 途端 に 目 が バッチリ 覚めて 、 起き上がった 。

「 ほんと ?」

「 絶対 よ 」

ハーマイオニー は ネズミ の スキャバーズ を 脇 に 押しやって 、 ハリー の ベッド の 枕 許 に 腰掛け た 。

「 すごい や 」

ハリー が 尊敬 の 念 を 込めて ハーマイオニー を 見つめる と ぱっと ハーマイオニー の 頬 が 赤く なった 。

「 やる ん なら 、 今夜 だ わ ね 」

ちょうど その とき 、 ヘドウィグ が スイーッ と 部屋 に 入って きた 。

嘴 に ちっぽけな 包み を くわえて いる 。

「 や あ 」 ベッド に 降り立った ヘドウィグ に 、 ハリー は 嬉し そうに 話しかけた 。

「 また 僕 と 口 を きいて くれる の かい ?」

へ ドウィグ は ハリー の 耳 を やさしく かじった 。

その方 が 、 運んで きて くれた 包み より ずっと いい 贈 物 だった 。

包み は ダーズリー 一家 から で 、 爪楊枝 一 本 と メモ が 入って おり 、 メモ に は 、 夏 休み 中 に も 学 校 に 残れ ない か どう か 聞いて おけ t と 書いて あった 。

他の プレゼント は もっと ずっと 嬉しい もの ばかり だった 。 ハグリッド は 糖 蜜 ヌガー を 大きな 缶 一 杯 贈って くれた 。

ハリー は それ を 火 の そば に 置いて 柔らかく して から 食べる こと に した 。

ロン は 、 お気に入り の クィディッチ ・ チーム の おもしろい こと が あれこれ 書いて ある 「 キャ ノンズ と 飛ぼう 」 と いう 本 を くれた 。

ハーマイオニー は デラックスな 鷲 羽 の ペン を くれた 。

最後 の 包み を 開く と 、 ウィーズリー おばさん から の 新しい 手編み の セーター と 、 大きな プラ ムケーキ が 出て きた 。

おばさん の クリスマス カード を 飾り ながら 、 ハリー の 胸 に 新たな 自責 の 念 が 押 よ 寄せて きた ―― 。

ウィーズリー おじさん の 車 は 「 暴れ 柳 」 に 衝突 して 以来 、 行方 が 知れ ない し 、 その 上 、 ロン と 一緒に これ から ひとしきり 校則 を 破る 計画 を 立てて いる のだ 。

ホグワーツ の クリスマス ・ ディナー だけ は 、 何 が あろう と 楽しい 。

たとえ これ から ポリジュース 薬 を 飲む こと を 恐れて いる 人 だって 、 やっぱり 楽しい 。

大広間 は 豪華 絢欄 だった 。

霜 に 輝く クリスマス ・ ツリー が 何 本 も 立ち 並び 、 ヒイラギ と ヤドリギ の 小枝 が 、 天井 を 縫う ように 飾ら れ 、 魔法 で 、 天井 から 暖かく 乾いた 雪 が 降りしきって いた 。

ダンブルドア は 、 お気に入り の クリスマス ・ キャロル を 二 、 三 曲 指揮 し 、 ハグリッド は 、 エッグノッグ を 杯 で が ぶ 飲み する たび に 、 もともと 大きい 声 が ますます 大きく なった 。

「 監督 生 」 の バッジ に 、 フレッド が いたずら して 字 を 変え 、「 务等 生 」 に して しまった こと に 気 が つか ない パーシー は 、 みんな が クスクス 笑う たび に 、 どうして 笑う の か 聞いて いた 。

マルフォイ は スリザリン の テーブル の 方 から 、 聞こえよ がし に ハリー の 新しい セーター の 悪 口 を 言って いた が 、 ハリー は 気 に も 止め なかった 。 うまく いけば 、 あと 数 時間 で 、 マルフォ イ は 罪 の 報い を 受ける こと に なる のだ 。

ハリー と ロン が 、 まだ クリスマス ・ プディング の 三 皿 目 を 食べて いる のに 、 ハーマイオニー が 二 人 を 追いたてて 大広間 から 連れ出し 、 今夜 の 計画 の 詰め に 入った 。

「 これ から 変身 する 相手 の 一部分 が 必要な の 」

ハーマイオニー は 、 まるで 二 人 に スーパー に 行って 洗剤 を 買って こい と でも いう ように 、 こともなげに 言った 。

「 当然 、 クラップ と ゴイル から 取る の が 一 番 だ わ 。 マルフォイ の 腰 巾着 だ から 、 あの 二 人 に だったら なんでも 話す でしょう し 。 それ と 、 マルフォイ の 取り調べ を して る 最中 に 、 本物 の クラップ と ゴイル が 乱入 する なんて こと が 絶対 ない ように して おか なきゃ 」

「 わたし 、 みんな 考えて ある の 」

ハリー と ロン が 度肝 を 抜か れた 顔 を して いる の を 無視 して 、 ハーマイオニー は すらすら と 言った 。

そして ふっくら した チョコレート ケーキ を 二 個 差し出した 。

「 簡単な 眠り 薬 を 仕込んで おいた わ 。 あなた たち は クラップ と ゴイル が これ を 見つける よう に して おけば 、 それ だけ で いい の 。 あの 二 人 が どんなに 意地 汚い か 、 ご存知 の 通り だ から 、絶対 食べる に 決まって る 。 眠ったら 、 髪 の 毛 を 二 、 三 本 引っこ抜いて 、 それ から 二 人 を 箒 用 の 物置 に 隠す の よ 」

ハリー と ロン は 大丈夫 かな と 顔 を 見合わせた 。

「 ハーマイオニー 、 僕 、 ダメな ような ――」

「 それって 、 ものすごく 失敗 する んじゃ ――」 しかし 、 ハーマイオニー の 目 に は 、 厳格 そのもの の きらめき が あった 。 時々 マクゴナガル 先 生 が 見せる あれ だ 。

「 煎じ 薬 は 、 クラップ と ゴイル の 毛 が ない と 役 に 立ちません 」 断固たる 声 だ 。 「 あなた たち 、 マルフォイ を 尋問 したい の ? し たく ない の ?」 「 あぁ 、 わかった よ 。 わかった よ 」 と ハリー が 言った 。

「 でも 、 君 の は ? 誰 の 髪 の 毛 を 引っこ抜く の ?」

「 わたし の は もう ある の !」 ハーマイオニー は 高らかに そう 言う と 、 ボケット から 小 瓶 を 取 り 出し 、 中 に 入って いる 一 本 の 髪 の 毛 を 見せた 。

「 覚えて る ? 決闘 クラブ で わたし と 取っ組み 合った ミリ セント ・ ブルストロード 。 わたし の 首 を 締めよう と した とき 、 わたし の ローブ に これ が 残って た のく それ に 、 彼女 クリスマス で 帰っちゃって いない し ―― だ から 、 スリザリン 生 に は 、 学校 に 戻って きちゃった と 言えば い いわ 」 ハーマイオニー が ポリジュース 薬 の 様子 を 見 に 、 慌 しく 出て 行った あと で 、 ロン が 運命 に 打 ち ひし が れた ような 顔 で ハリー を 見た 。 「 こんなに しくじり そうな こと だらけ の 計画って 、 聞いた こと ある かい ?」 ところが 、 作戦 第 一 号 は ハーマイオニー の 言った 通り に 、 苦 も なく 進行 した 。 これ に は ハリー も ロン も 驚嘆 した 。 クリスマス の 午後 の お茶 の あと 、 二 人 で 誰 も い なく なった 玄関 ホール に 隠れ 、 クラップ と ゴイル を 待ち伏せ した 。 スリザリン の テーブル に 、 たった 二 人 残った クラップ と ゴイル は 、 デザート の トライ フル の 四 皿 目 を ガツガツ たいらげて いた 。 ハリー は チョコレート ケーキ を 、 階段 の 手すり の 端に ちょ ん と 載せて おいた 。 大広間 から クラップ と ゴイル が 出て きた ので 、 ハリー と ロン は 、 正面 の 扉 の 脇 に 立って いる 鎧 の 陰 に 急いで 隠れた 。

クラップ が 大喜びで ケーキ を 指差して ゴイル に 知らせ 、 二 つ と も 引っつか ん だの を 見て 、 ロ ン が 有頂天に なって ハリー に ささやいた 。

「 あそこ まで バカに なれる もんか な ?」 ニヤニヤ と バカ 笑い し ながら 、 クラップ と ゴイル は ケーキ を 丸ごと 大きな 口 に 収めた 。 しばらく は 二 人 と も 、「 もうけた 」 と いう 顔 で 意地 汚く もごもご 口 を 動かして いた 。 それ から 、 その まん ま の 表情 で 、 二 人 と も パタン と 仰向け に 床 に 倒れた 。

一 番 難しい 一幕 は 、 ホール の 反対 側 に ある 物置 に 二 人 を 隠す こと だった 。

バケツ や モップ の 間 に 二 人 を 安全に し まい込んだ あと 、 ハリー は ゴイル の 額 を 覆って いる ごわごわ の 髪 を 二 、 三 本 、 えいっと 引き抜いた 。 ロン は 、 クラップ の 髪 を 数 本 引っこ抜いた 。 二 人 の 靴 も 失敬 した 。 なにしろ ハリー たち の 靴 で は 、 クラップ 、 ゴイル ・ サイズ の 足 に は 小さ 過ぎる から だ 。

それ から 、 自分 たち の やり遂げた こと が まだ 信じられ ない まま 、 二 人 は 「 嘆き の マートル 」 の トイレ へ と 全速力 で 駆け出した 。 ハーマイオニー が 大 鍋 を かき混ぜて いる 小 部屋 から 、 もくもく と 濃い 黒い 煙 が 立ち 昇り 、 二 人 は ほとんど 何も 見え なかった 。

ローブ を たくし上げて 鼻 を 覆い ながら 、 二 人 は 小 部屋 の 戸 を そっと 叩いた 。 「 ハーマイオニー !」 閂 が はずれる 音 が して 、 ハーマイオニー が 顔 を 輝か せ 、 待ちきれ ない 様子 で 現れた 。 その 後ろ で 、 どろ り と 水 あめ 状 に なった 煎じ 薬 が グッグッ 、 ゴボゴボ 泡立つ 音 が 聞こえた 。 トイレ の 便座 に タンブラー ・ グラス が 三 つ 用意 されて いた 。 「 取れた ?」 ハーマイオニー が 息 を 弾ま せて 聞いた 。

ハリー は ゴイル の 髪 の 毛 を 見せた 。

「 結構 。 わたし の 方 は 、 洗濯物 置き場 から 、 着替え 用 の ローブ を 三 着 、 こっそり 調達 し とい た わ 」

ハーマイオニー は 小ぶりの 袋 を 持ち上げて 見せた 。

「 クラップ と ゴイル に なった とき に 、 サイズ の 大きい の が 必要でしょ 」

三 人 は 大 鍋 を じっと 見つめた 。 近く で 見る と 、 煎じ 薬 は どろ り と した 黒っぼ い 泤 の ようで 、 ボコッボコッ と 鈍く 泡立って いた 。 「 すべて 、 まちがい なく やった と 思う わ 」

ハーマイオニー が しみ だらけ の 「 最も 強力な 魔法 薬 」 の ページ を 、 神経質に 読み返し ながら 言った 。

「 見た目 も この 本 に 書いて ある 通り だ し ......。 これ を 飲む と 、 また 自分 の 姿 に 戻る まで きっかり 一 時間 よ 」 「 次 は な に する の ?」 ロン が ささやいた 。

「 薬 を 三 杯 に 分けて 、 髪 の 毛 を それぞれ 薬 に 加える の 」 ハーマイオニー が ひしゃく で それ ぞ れ の グラス に 、 どろ り と した 薬 を たっぷり 入れた 。

それ から 震える 手 で 、 小 瓶 に 入った ミリ セント ・ ブルストロード の 髪 を 、 自分 の グラス に 振 り 入れ 、 煎じ 薬 は 、 やかん の お 湯 が 沸騰 する ような シュー シュー と いう 音 を たて 、 激しく 泡 立った 。

次の 瞬間 、 薬 は むかむか する ような 黄色 に 変わった 。

「 お ぇ 一 ―― ミリ セント ・ ブルストロード の エキス だ 」

ロン が 胸 糞 が 悪い と いう 目つき を した 。

「 きっと イヤー な 味 が する よ 」

「 さあ 、 あなた たち も 加えて 」 ハーマイオニー が 促した 。

ハリー は ゴイル の 髪 を 真ん中 の グラス に 落とし 入れ 、 ロン も 三 つ 目 の グラス に クラップ の を 入れた 。

二 つ と も シュー シュー と 泡立ち 、 ゴイル の は 鼻 くそ の ような カーキ色 、 クラップ の は 濁った 暗 褐色 に なった 。

「 ちょっと 待って 」 ロン と ハーマイオニー が グラス を 取り上げた とき 、 ハリー が 止めた 。

「 三 人 一緒に ここ で 飲む の は やめた 方 が いい 。 クラップ や ゴイル に 変身 したら 、 この 小 部屋 に 収まり きら ない よ 。 それ に 、 ミリ セント ・ プルスーロード だって 、 とても 小柄 と は 言え な いんだ から 」

「 よく 気づいた な 」 ロン は 戸 を 開け ながら 言った 。

「 三 人 別々の 小 部屋 に しよう 」

ポリジュース 薬 を 一 滴 も こぼす まい と 注意 し ながら 、 ハリー は 真ん中 の 小 部屋 に 入り込 ん だ 。

「 いい かい !」 ハリー が 呼びかけた 。

「 いい よ 」 ロン と ハーマイオニー の 声 だ 。

「 いち ...... に の ...... さん ......」

鼻 を つまんで 、 ハリー は ゴックン と 二 口 で 薬 を 飲み干した 。

煮込み 過ぎた キャベツ の ような 味 が した 。

途端 に 、 体 の 中 が 、 生きた ヘビ を 飲み込んだ みたいに 振れ だした ―― ハリー は 吐き気 が し て 、 体 を く の 字 に 折った ―― する と 、 焼ける ような 感触 が 胃袋 から サーッ と 広がり 、 手足 の 指先 まで 届いた 。

次に 、 息 が 詰まり そうに なって 、 全身 が 溶ける ような 気持 の 悪 さ に 襲わ れ 、 四 つ ん ばい に なった 。

体中 の 皮膚 が 、 蝋 が 熟 で 溶ける ように 泡立ち 、 ハリー の 目の前 で 手 は 大きく なり 、 指 は 太く なり 、 爪 は 横 に 広がり 、 拳 が ボルト の ように 膨れ上がった 。 両 肩 は ベキベキ と 広がって 痚 かった し 、 額 は チクチク する ので 髪 の 毛 が 眉 の ところ まで 這い 降りて きた こと が わかった 。

胸囲 も 拡 が り 、 樽 の タガ が 引きちぎら れる ように ハリー の ローブ を 引き裂いた 。

足 は 四 サイズ も 小さい ハリー の 靴 の 中 で うめいて いた 。

始まる の も 突然だった が 、 終わる の も 突然だった 。

冷たい 石 の 床 の 上 に 、 ハリー は うつ伏せ に 突っ伏し 、 一 番 奥 の 小 部屋 で 「 嘆き の マートル 」 が 気難し げ に ゴボゴボ 音 を たてて いる の を 聞いて いた 。 ハリー は やっとこ さ 靴 を 脱ぎ捨てて 、 立ち上がった ―― そう か 、 ゴイル に なるって 、 こう い う 感じ だった の か 。 巨大な 震える 手 で 、 ハリー は 、 踝 から 三十 センチ ほど 上 に ぶら下がって いる 自分 の 服 を はぎ 取り 、 着替え の ローブ を 上 から かぶり 、 ボート の ような ゴイル の 靴 の 紐 を しめた 。 手 を 伸ば して 目 を 覆って いる 髪 を 掻き 上げよう と した が 、 ごわごわ の 短い 髪 が 額 の 下 の 方 に ある だけ だった 。 目 が よく 見え なかった の は メガネ の せい だった と 気づいた 。 もちろん ゴイル は メガ ネ が 要ら ない 。

ハリー は メガネ を はずし 、 二 人 に 呼びかけた 。

「 二 人 と も 大丈夫 ?」

口 から 出て きた の は 、 ゴイル の 低い しゃが れ 声 だった 。

「 ああ 」

右 の 方 から クラップ の 唸る ような 低音 が 聞こえた 。

ハリー は 戸 の 鍵 を 開け 、 ひび割れた 鏡 の 前 に 進み 出た 。

ゴイル が くぼんだ 、 どんより 眼 で ハリー を 見つめ 返して いた 。

12.2.1 ポリジュース 薬 - The Polyjuice Potion |くすり|the|polyjuice|potion 12.2.1 Polyjuice Potion - The Polyjuice Potion 12.2.1 Potion de Polyjuice - La potion de Polyjuice 12.2.1 폴리주스 물약 - The Polyjuice Potion 12.2.1 Eliksir wielosokowy - eliksir wielosokowy 12.2.1 Poção Polissuco - A Poção Polissuco 12.2.1 Polyjuicedrycken - Polyjuicedrycken 12.2.1 复方汤剂 - 复方汤剂

クリスマス の 朝 が 来た 。 くりすます||あさ||きた Christmas morning has come. 寒い 、 真っ白な 朝 だった 。 さむい|まっしろな|あさ| It was a cold, pure white morning. 寮 の 部屋 に は ハリー と ロン しか 残って い なかった が 、 朝 早く 起こされて しまった 。 りょう||へや|||||||のこって||||あさ|はやく|おこさ れて| Only Harry and Ron were left in the dorm room, but they were awakened early in the morning. 二 人 分 の プレゼント を 持って 、 すっかり 着替え を すませた ハーマイオニー が 、 部屋 に 飛び込 ん できた のだ 。 ふた|じん|ぶん||ぷれぜんと||もって||きがえ|||||へや||とびこ||| Hermione, who had completely changed her clothes with two presents, jumped into the room.

「 起き なさい 」 おき| Get up.

ハーマイオニー は 窓 の カーテン を 開け ながら 、 大声 で 呼びかけた 。 ||まど||かーてん||あけ||おおごえ||よびかけた

「 ハーマイオニー ―― 君 は 男子 寮 に 来ちゃ いけない はずだ よ 」 |きみ||だんし|りょう||きちゃ||| Hermione, you're not supposed to be in the boys' dormitory.

ロン は まぶし そうに 目 を 覆い ながら 言った 。 |||そう に|め||おおい||いった

「 あなた に も メリー ・ クリスマス よ 」 ハーマイオニー は 、 ロン に プレゼント を ポーン と 投げ ながら 言った 。 ||||くりすます||||||ぷれぜんと||||なげ||いった

「 わたし 、 もう 一 時間 も 前 から 起きて 、 煎じ 薬 に クサカゲロウ を 加えて た の 。 ||ひと|じかん||ぜん||おきて|せんじ|くすり||||くわえて|| 完成 よ 」 かんせい| Finished.

ハリー は 途端 に 目 が バッチリ 覚めて 、 起き上がった 。 ||とたん||め|||さめて|おきあがった Harry woke up instantly and got up.

「 ほんと ?」

「 絶対 よ 」 ぜったい|

ハーマイオニー は ネズミ の スキャバーズ を 脇 に 押しやって 、 ハリー の ベッド の 枕 許 に 腰掛け た 。 ||ねずみ||||わき||おしやって|||べっど||まくら|ゆる||こしかけ|

「 すごい や 」

ハリー が 尊敬 の 念 を 込めて ハーマイオニー を 見つめる と ぱっと ハーマイオニー の 頬 が 赤く なった 。 ||そんけい||ねん||こめて|||みつめる|||||ほお||あかく| When Harry stared at Hermione with respect, Hermione's cheeks turned red.

「 やる ん なら 、 今夜 だ わ ね 」 |||こんや||| "If you do, it's tonight."

ちょうど その とき 、 ヘドウィグ が スイーッ と 部屋 に 入って きた 。 |||||||へや||はいって|

嘴 に ちっぽけな 包み を くわえて いる 。 くちばし|||つつみ|||

「 や あ 」 ベッド に 降り立った ヘドウィグ に 、 ハリー は 嬉し そうに 話しかけた 。 ||べっど||おりたった|||||うれし|そう に|はなしかけた "Hi" Harry happily spoke to Hedwig, who had landed on his bed.

「 また 僕 と 口 を きいて くれる の かい ?」 |ぼく||くち||||| "Can you talk to me again?"

へ ドウィグ は ハリー の 耳 を やさしく かじった 。 |||||みみ||| Hedwig gently grabbed Harry's ears.

その方 が 、 運んで きて くれた 包み より ずっと いい 贈 物 だった 。 そのほう||はこんで|||つつみ||||おく|ぶつ| It was a much better gift than the wrapping that I had carried.

包み は ダーズリー 一家 から で 、 爪楊枝 一 本 と メモ が 入って おり 、 メモ に は 、 夏 休み 中 に も 学 校 に 残れ ない か どう か 聞いて おけ t と 書いて あった 。 つつみ|||いっか|||つまようじ|ひと|ほん||めも||はいって||めも|||なつ|やすみ|なか|||まな|こう||のこれ|||||きいて||||かいて| The package was from the Dursley family and contained a toothpick and a memo, which said that you should ask if you could stay at the school during the summer holidays.

他の プレゼント は もっと ずっと 嬉しい もの ばかり だった 。 たの|ぷれぜんと||||うれしい||| The other presents were much more pleasing. ハグリッド は 糖 蜜 ヌガー を 大きな 缶 一 杯 贈って くれた 。 ||とう|みつ|||おおきな|かん|ひと|さかずき|おくって|

ハリー は それ を 火 の そば に 置いて 柔らかく して から 食べる こと に した 。 ||||ひ||||おいて|やわらかく|||たべる||| Harry decided to put it near the fire to soften it before eating it.

ロン は 、 お気に入り の クィディッチ ・ チーム の おもしろい こと が あれこれ 書いて ある 「 キャ ノンズ と 飛ぼう 」 と いう 本 を くれた 。 ||おきにいり|||ちーむ||||||かいて|||||とぼう|||ほん|| Ron wrote a book called "Fly with Cannons," which describes all the interesting things about his favorite Quidditch team.

ハーマイオニー は デラックスな 鷲 羽 の ペン を くれた 。 ||でらっくすな|わし|はね||ぺん|| Hermione gave me a deluxe eagle feather pen.

最後 の 包み を 開く と 、 ウィーズリー おばさん から の 新しい 手編み の セーター と 、 大きな プラ ムケーキ が 出て きた 。 さいご||つつみ||あく||||||あたらしい|てあみ||せーたー||おおきな|ぷら|||でて|

おばさん の クリスマス カード を 飾り ながら 、 ハリー の 胸 に 新たな 自責 の 念 が 押 よ 寄せて きた ―― 。 ||くりすます|かーど||かざり||||むね||あらたな|じせき||ねん||お||よせて| While decorating her aunt's Christmas card, Harry's chest was filled with a new remorse.

ウィーズリー おじさん の 車 は 「 暴れ 柳 」 に 衝突 して 以来 、 行方 が 知れ ない し 、 その 上 、 ロン と 一緒に これ から ひとしきり 校則 を 破る 計画 を 立てて いる のだ 。 |||くるま||あばれ|やなぎ||しょうとつ||いらい|ゆくえ||しれ||||うえ|||いっしょに||||こうそく||やぶる|けいかく||たてて|| Uncle Weasley's car has been missing since it crashed into the "Rampaging Willow", and he and Ron are planning to break the school rules for the rest of the day.

ホグワーツ の クリスマス ・ ディナー だけ は 、 何 が あろう と 楽しい 。 ||くりすます|でぃなー|||なん||||たのしい Hogwarts Christmas Dinner is fun no matter what.

たとえ これ から ポリジュース 薬 を 飲む こと を 恐れて いる 人 だって 、 やっぱり 楽しい 。 ||||くすり||のむ|||おそれて||じん|||たのしい Even those who are afraid to take polyjuice medicine from now on are still fun.

大広間 は 豪華 絢欄 だった 。 おおひろま||ごうか|あやらん| The hall was a gorgeous column.

霜 に 輝く クリスマス ・ ツリー が 何 本 も 立ち 並び 、 ヒイラギ と ヤドリギ の 小枝 が 、 天井 を 縫う ように 飾ら れ 、 魔法 で 、 天井 から 暖かく 乾いた 雪 が 降りしきって いた 。 しも||かがやく|くりすます|つりー||なん|ほん||たち|ならび|ひいらぎ||||こえだ||てんじょう||ぬう||かざら||まほう||てんじょう||あたたかく|かわいた|ゆき||ふりしきって| Frost-lit Christmas trees lined up, holly and mistletoe twigs sewn on the ceiling, and magically, warm, dry snow fell from the ceiling.

ダンブルドア は 、 お気に入り の クリスマス ・ キャロル を 二 、 三 曲 指揮 し 、 ハグリッド は 、 エッグノッグ を 杯 で が ぶ 飲み する たび に 、 もともと 大きい 声 が ますます 大きく なった 。 ||おきにいり||くりすます|||ふた|みっ|きょく|しき||||||さかずき||||のみ|||||おおきい|こえ|||おおきく|

「 監督 生 」 の バッジ に 、 フレッド が いたずら して 字 を 変え 、「 务等 生 」 に して しまった こと に 気 が つか ない パーシー は 、 みんな が クスクス 笑う たび に 、 どうして 笑う の か 聞いて いた 。 かんとく|せい||ばっじ||||||あざ||かえ|务など|せい||||||き||||||||くすくす|わらう||||わらう|||きいて| Percy, unaware that Fred had mischievously changed the word on the "Director Student" badge and turned it into a "Business Student," asked why everyone giggled every time. ..

マルフォイ は スリザリン の テーブル の 方 から 、 聞こえよ がし に ハリー の 新しい セーター の 悪 口 を 言って いた が 、 ハリー は 気 に も 止め なかった 。 ||||てーぶる||かた||きこえよ|||||あたらしい|せーたー||あく|くち||いって|||||き|||とどめ| Malfoy was swearing at Harry's new sweater from the table at Slytherin, but Harry didn't stop. うまく いけば 、 あと 数 時間 で 、 マルフォ イ は 罪 の 報い を 受ける こと に なる のだ 。 |||すう|じかん|||||ざい||むくい||うける|||| Hopefully, in the next few hours, Malfoy will be rewarded for his sins.

ハリー と ロン が 、 まだ クリスマス ・ プディング の 三 皿 目 を 食べて いる のに 、 ハーマイオニー が 二 人 を 追いたてて 大広間 から 連れ出し 、 今夜 の 計画 の 詰め に 入った 。 |||||くりすます|||みっ|さら|め||たべて|||||ふた|じん||おいたてて|おおひろま||つれだし|こんや||けいかく||つめ||はいった Harry and Ron were still eating the third dish of Christmas pudding, but Hermione chased them out of the hall and packed up their plans for tonight.

「 これ から 変身 する 相手 の 一部分 が 必要な の 」 ||へんしん||あいて||いちぶぶん||ひつような|

ハーマイオニー は 、 まるで 二 人 に スーパー に 行って 洗剤 を 買って こい と でも いう ように 、 こともなげに 言った 。 |||ふた|じん||すーぱー||おこなって|せんざい||かって|||||||いった Hermione said, as if they were going to the grocery store and buying detergent.

「 当然 、 クラップ と ゴイル から 取る の が 一 番 だ わ 。 とうぜん|||||とる|||ひと|ばん|| "Of course, it's best to take it from Clap and Goyle. マルフォイ の 腰 巾着 だ から 、 あの 二 人 に だったら なんでも 話す でしょう し 。 ||こし|きんちゃく||||ふた|じん||||はなす|| Since it's Malfoy's waist purse, I would talk to them anything. それ と 、 マルフォイ の 取り調べ を して る 最中 に 、 本物 の クラップ と ゴイル が 乱入 する なんて こと が 絶対 ない ように して おか なきゃ 」 ||||とりしらべ||||さい なか||ほんもの||||||らんにゅう|||||ぜったい||||| We also have to make sure that the real Krapp and Goyle don't barge in on Malfoy while we're interrogating him."

「 わたし 、 みんな 考えて ある の 」 ||かんがえて|| I've thought of everything.

ハリー と ロン が 度肝 を 抜か れた 顔 を して いる の を 無視 して 、 ハーマイオニー は すらすら と 言った 。 ||||どぎも||ぬか||かお||||||むし||||||いった Ignoring the shocked looks on Harry and Ron's faces, Hermione said smoothly.

そして ふっくら した チョコレート ケーキ を 二 個 差し出した 。 |||ちょこれーと|けーき||ふた|こ|さしだした He then offered two plump chocolate cakes.

「 簡単な 眠り 薬 を 仕込んで おいた わ 。 かんたんな|ねむり|くすり||しこんで|| I planted a simple sleeping potion. あなた たち は クラップ と ゴイル が これ を 見つける よう に して おけば 、 それ だけ で いい の 。 |||||||||みつける||||||||| あの 二 人 が どんなに 意地 汚い か 、 ご存知 の 通り だ から 、絶対 食べる に 決まって る 。 |ふた|じん|||いじ|きたない||ごぞんじ||とおり|||ぜったい|たべる||きまって| You know how nasty these two are, so it's definitely decided to eat. 眠ったら 、 髪 の 毛 を 二 、 三 本 引っこ抜いて 、 それ から 二 人 を 箒 用 の 物置 に 隠す の よ 」 ねむったら|かみ||け||ふた|みっ|ほん|ひっこぬいて|||ふた|じん||そう|よう||ものおき||かくす||

ハリー と ロン は 大丈夫 かな と 顔 を 見合わせた 。 ||||だいじょうぶ|||かお||みあわせた Harry and Ron looked at each other to see if they were okay.

「 ハーマイオニー 、 僕 、 ダメな ような ――」 |ぼく|だめな| Hermione, I don't think I'm supposed to...

「 それって 、 ものすごく 失敗 する んじゃ ――」  しかし 、 ハーマイオニー の 目 に は 、 厳格 そのもの の きらめき が あった 。 それ って||しっぱい||||||め|||げんかく|その もの|||| "That's a terrible failure ..." However, Hermione's eyes had a sparkle of rigor itself. 時々 マクゴナガル 先 生 が 見せる あれ だ 。 ときどき||さき|せい||みせる|| That's what McGonagall's ancestors sometimes show.

「 煎じ 薬 は 、 クラップ と ゴイル の 毛 が ない と 役 に 立ちません 」 断固たる 声 だ 。 せんじ|くすり||||||け||||やく||たち ませ ん|だんこたる|こえ| "The decoction is useless without the clap and goyle hair," he said in a determined voice. 「 あなた たち 、 マルフォイ を 尋問 したい の ? し たく ない の ?」 「 あぁ 、 わかった よ 。 ||||じんもん|し たい|||||||| "You guys, do you want to interrogate Malfoy? Don't you want to?" "Oh, I see. わかった よ 」 と ハリー が 言った 。 |||||いった

「 でも 、 君 の は ? 誰 の 髪 の 毛 を 引っこ抜く の ?」 |きみ|||だれ||かみ||け||ひっこぬく|

「 わたし の は もう ある の !」 ハーマイオニー は 高らかに そう 言う と 、 ボケット から 小 瓶 を 取 り 出し 、 中 に 入って いる 一 本 の 髪 の 毛 を 見せた 。 ||||||||たからかに||いう||||しょう|びん||と||だし|なか||はいって||ひと|ほん||かみ||け||みせた I already have mine! Hermione said in a loud voice and took a vial out of the boquette, revealing a strand of hair inside.

「 覚えて る ? 決闘 クラブ で わたし と 取っ組み 合った ミリ セント ・ ブルストロード 。 おぼえて||けっとう|くらぶ||||と っ くみ|あった|みり|せんと| わたし の 首 を 締めよう と した とき 、 わたし の ローブ に これ が 残って た のく それ に 、 彼女 クリスマス で 帰っちゃって いない し ―― だ から 、 スリザリン 生 に は 、 学校 に 戻って きちゃった と 言えば い いわ 」  ハーマイオニー が ポリジュース 薬 の 様子 を 見 に 、 慌 しく 出て 行った あと で 、 ロン が 運命 に 打 ち ひし が れた ような 顔 で ハリー を 見た 。 ||くび||しめよう||||||||||のこって|||||かのじょ|くりすます||かえっちゃ って||||||せい|||がっこう||もどって|きちゃ った||いえば||||||くすり||ようす||み||こう||でて|おこなった|||||うんめい||だ||||||かお||||みた I left this in my robe when I tried to strangle her, and she didn't go home for Christmas, so we can just tell the Slytherins that she's back at school. After Hermione hurried off to check on the Polyjuice Potion, Ron looked at Harry with a look of devastation on his face. 「 こんなに しくじり そうな こと だらけ の 計画って 、 聞いた こと ある かい ?」 ところが 、 作戦 第 一 号 は ハーマイオニー の 言った 通り に 、 苦 も なく 進行 した 。 ||そう な||||けいかく って|きいた|||||さくせん|だい|ひと|ごう||||いった|とおり||く|||しんこう| "Have you ever heard of a plan full of things that seemed like this?" However, Operation No. 1 proceeded effortlessly, as Hermione said. これ に は ハリー も ロン も 驚嘆 した 。 |||||||きょうたん| クリスマス の 午後 の お茶 の あと 、 二 人 で 誰 も い なく なった 玄関 ホール に 隠れ 、 クラップ と ゴイル を 待ち伏せ した 。 くりすます||ごご||おちゃ|||ふた|じん||だれ|||||げんかん|ほーる||かくれ|||||まちぶせ| スリザリン の テーブル に 、 たった 二 人 残った クラップ と ゴイル は 、 デザート の トライ フル の 四 皿 目 を ガツガツ たいらげて いた 。 ||てーぶる|||ふた|じん|のこった|||||でざーと||とらい|ふる||よっ|さら|め||がつがつ|| ハリー は チョコレート ケーキ を 、 階段 の 手すり の 端に ちょ ん と 載せて おいた 。 ||ちょこれーと|けーき||かいだん||てすり||はしたに||||のせて| 大広間 から クラップ と ゴイル が 出て きた ので 、 ハリー と ロン は 、 正面 の 扉 の 脇 に 立って いる 鎧 の 陰 に 急いで 隠れた 。 おおひろま||||||でて|||||||しょうめん||とびら||わき||たって||よろい||かげ||いそいで|かくれた Clap and Goyle came out of the hall, and Harry and Ron hurriedly hid behind the armor standing beside the front door.

クラップ が 大喜びで ケーキ を 指差して ゴイル に 知らせ 、 二 つ と も 引っつか ん だの を 見て 、 ロ ン が 有頂天に なって ハリー に ささやいた 。 ||おおよろこびで|けーき||ゆびさして|||しらせ|ふた||||ひっつか||||みて||||うちょうてんに||||

「 あそこ まで バカに なれる もんか な ?」 ニヤニヤ と バカ 笑い し ながら 、 クラップ と ゴイル は ケーキ を 丸ごと 大きな 口 に 収めた 。 ||ばかに||||||ばか|わらい|||||||けーき||まるごと|おおきな|くち||おさめた しばらく は 二 人 と も 、「 もうけた 」 と いう 顔 で 意地 汚く もごもご 口 を 動かして いた 。 ||ふた|じん||||||かお||いじ|きたなく|も ご も ご|くち||うごかして| それ から 、 その まん ま の 表情 で 、 二 人 と も パタン と 仰向け に 床 に 倒れた 。 ||||||ひょうじょう||ふた|じん|||||あおむけ||とこ||たおれた

一 番 難しい 一幕 は 、 ホール の 反対 側 に ある 物置 に 二 人 を 隠す こと だった 。 ひと|ばん|むずかしい|ひとまく||ほーる||はんたい|がわ|||ものおき||ふた|じん||かくす|| The most difficult act was to hide them in a storeroom on the other side of the hall.

バケツ や モップ の 間 に 二 人 を 安全に し まい込んだ あと 、 ハリー は ゴイル の 額 を 覆って いる ごわごわ の 髪 を 二 、 三 本 、 えいっと 引き抜いた 。 ばけつ||もっぷ||あいだ||ふた|じん||あんぜんに||まいこんだ||||||がく||おおって||||かみ||ふた|みっ|ほん|えい っと|ひきぬいた ロン は 、 クラップ の 髪 を 数 本 引っこ抜いた 。 ||||かみ||すう|ほん|ひっこぬいた 二 人 の 靴 も 失敬 した 。 ふた|じん||くつ||しっけい| I also disrespected their shoes. なにしろ ハリー たち の 靴 で は 、 クラップ 、 ゴイル ・ サイズ の 足 に は 小さ 過ぎる から だ 。 ||||くつ|||||さいず||あし|||ちいさ|すぎる|| After all, Harry's shoes are too small for claps and goyle-sized feet.

それ から 、 自分 たち の やり遂げた こと が まだ 信じられ ない まま 、 二 人 は 「 嘆き の マートル 」 の トイレ へ と 全速力 で 駆け出した 。 ||じぶん|||やりとげた||||しんじ られ|||ふた|じん||なげき||||といれ|||ぜんそくりょく||かけだした Then, still unbelievable about what they had done, they rushed to the toilet of "Moaning Myrtle" at full speed. ハーマイオニー が 大 鍋 を かき混ぜて いる 小 部屋 から 、 もくもく と 濃い 黒い 煙 が 立ち 昇り 、 二 人 は ほとんど 何も 見え なかった 。 ||だい|なべ||かきまぜて||しょう|へや||||こい|くろい|けむり||たち|のぼり|ふた|じん|||なにも|みえ|

ローブ を たくし上げて 鼻 を 覆い ながら 、 二 人 は 小 部屋 の 戸 を そっと 叩いた 。 ||たくしあげて|はな||おおい||ふた|じん||しょう|へや||と|||たたいた 「 ハーマイオニー !」 閂 が はずれる 音 が して 、 ハーマイオニー が 顔 を 輝か せ 、 待ちきれ ない 様子 で 現れた 。 |かんぬき|||おと|||||かお||かがやか||まちきれ||ようす||あらわれた "Hermione!" There was a sound of the latch coming off, and Hermione appeared with a shining face and couldn't wait. その 後ろ で 、 どろ り と 水 あめ 状 に なった 煎じ 薬 が グッグッ 、 ゴボゴボ 泡立つ 音 が 聞こえた 。 |うしろ|||||すい||じょう|||せんじ|くすり||||あわだつ|おと||きこえた Behind it, I heard a thick, candy-like decoction, gurgling, and a bubbling sound. トイレ の 便座 に タンブラー ・ グラス が 三 つ 用意 されて いた 。 といれ||べんざ|||ぐらす||みっ||ようい|さ れて| 「 取れた ?」 ハーマイオニー が 息 を 弾ま せて 聞いた 。 とれた|||いき||はずま||きいた

ハリー は ゴイル の 髪 の 毛 を 見せた 。 ||||かみ||け||みせた

「 結構 。 けっこう わたし の 方 は 、 洗濯物 置き場 から 、 着替え 用 の ローブ を 三 着 、 こっそり 調達 し とい た わ 」 ||かた||せんたくもの|おきば||きがえ|よう||||みっ|ちゃく||ちょうたつ|||| I secretly procured three robes for changing clothes from the laundry storage area. "

ハーマイオニー は 小ぶりの 袋 を 持ち上げて 見せた 。 ||こぶりの|ふくろ||もちあげて|みせた

「 クラップ と ゴイル に なった とき に 、 サイズ の 大きい の が 必要でしょ 」 |||||||さいず||おおきい|||ひつようでしょ "When it comes to craps and goyles, you need something big."

三 人 は 大 鍋 を じっと 見つめた 。 みっ|じん||だい|なべ|||みつめた 近く で 見る と 、 煎じ 薬 は どろ り と した 黒っぼ い 泤 の ようで 、 ボコッボコッ と 鈍く 泡立って いた 。 ちかく||みる||せんじ|くすり||||||くろ っぼ|||||||にぶく|あわだって| 「 すべて 、 まちがい なく やった と 思う わ 」 |||||おもう| "I think I did it all without mistake."

ハーマイオニー が しみ だらけ の 「 最も 強力な 魔法 薬 」 の ページ を 、 神経質に 読み返し ながら 言った 。 |||||もっとも|きょうりょくな|まほう|くすり||ぺーじ||しんけいしつに|よみかえし||いった Hermione nervously rereads the page on "The Most Powerful Potions," which is full of bits of spilt.

「 見た目 も この 本 に 書いて ある 通り だ し ......。 みため|||ほん||かいて||とおり|| "It looks exactly as it is written in this book ... これ を 飲む と 、 また 自分 の 姿 に 戻る まで きっかり 一 時間 よ 」 「 次 は な に する の ?」 ロン が ささやいた 。 ||のむ|||じぶん||すがた||もどる|||ひと|じかん||つぎ|||||||| When I drank it, it took me exactly an hour to get back to myself. "" What's next? "Ron whispered.

「 薬 を 三 杯 に 分けて 、 髪 の 毛 を それぞれ 薬 に 加える の 」 ハーマイオニー が ひしゃく で それ ぞ れ の グラス に 、 どろ り と した 薬 を たっぷり 入れた 。 くすり||みっ|さかずき||わけて|かみ||け|||くすり||くわえる||||||||||ぐらす||||||くすり|||いれた

それ から 震える 手 で 、 小 瓶 に 入った ミリ セント ・ ブルストロード の 髪 を 、 自分 の グラス に 振 り 入れ 、 煎じ 薬 は 、 やかん の お 湯 が 沸騰 する ような シュー シュー と いう 音 を たて 、 激しく 泡 立った 。 ||ふるえる|て||しょう|びん||はいった|みり|せんと|||かみ||じぶん||ぐらす||ふ||いれ|せんじ|くすり|||||ゆ||ふっとう|||しゅー|しゅー|||おと|||はげしく|あわ|たった Then, with a quivering hand, sprinkle Millicent Brustrode's hair in a small bottle into his glass, and the decoction makes a swooshing sound like boiling water in a kettle. It foamed violently.

次の 瞬間 、 薬 は むかむか する ような 黄色 に 変わった 。 つぎの|しゅんかん|くすり|||||きいろ||かわった

「 お ぇ 一 ―― ミリ セント ・ ブルストロード の エキス だ 」 ||ひと|みり|せんと|||えきす|

ロン が 胸 糞 が 悪い と いう 目つき を した 。 ||むね|くそ||わるい|||めつき|| Ron noticed that his chest feces were bad.

「 きっと イヤー な 味 が する よ 」 |いやー||あじ|||

「 さあ 、 あなた たち も 加えて 」 ハーマイオニー が 促した 。 ||||くわえて|||うながした "Now, add you guys," Hermione urged.

ハリー は ゴイル の 髪 を 真ん中 の グラス に 落とし 入れ 、 ロン も 三 つ 目 の グラス に クラップ の を 入れた 。 ||||かみ||まんなか||ぐらす||おとし|いれ|||みっ||め||ぐらす|||||いれた

二 つ と も シュー シュー と 泡立ち 、 ゴイル の は 鼻 くそ の ような カーキ色 、 クラップ の は 濁った 暗 褐色 に なった 。 ふた||||しゅー|しゅー||あわだち||||はな||||かーきいろ||||にごった|あん|かっしょく||

「 ちょっと 待って 」 ロン と ハーマイオニー が グラス を 取り上げた とき 、 ハリー が 止めた 。 |まって|||||ぐらす||とりあげた||||とどめた

「 三 人 一緒に ここ で 飲む の は やめた 方 が いい 。 みっ|じん|いっしょに|||のむ||||かた|| "It's better to stop drinking here together. クラップ や ゴイル に 変身 したら 、 この 小 部屋 に 収まり きら ない よ 。 ||||へんしん|||しょう|へや||おさまり||| If you transform into a clap or goyle, it won't fit in this small room. それ に 、 ミリ セント ・ プルスーロード だって 、 とても 小柄 と は 言え な いんだ から 」 ||みり|せんと||||こがら|||いえ||| And even Millicent Prusou Road isn't very petite. "

「 よく 気づいた な 」 ロン は 戸 を 開け ながら 言った 。 |きづいた||||と||あけ||いった

「 三 人 別々の 小 部屋 に しよう 」 みっ|じん|べつべつの|しょう|へや||

ポリジュース 薬 を 一 滴 も こぼす まい と 注意 し ながら 、 ハリー は 真ん中 の 小 部屋 に 入り込 ん だ 。 |くすり||ひと|しずく|||||ちゅうい|||||まんなか||しょう|へや||はいりこ||

「 いい かい !」 ハリー が 呼びかけた 。 ||||よびかけた

「 いい よ 」 ロン と ハーマイオニー の 声 だ 。 ||||||こえ|

「 いち ...... に の ...... さん ......」

鼻 を つまんで 、 ハリー は ゴックン と 二 口 で 薬 を 飲み干した 。 はな|||||||ふた|くち||くすり||のみほした With his nose pinched, Harry drank the medicine with Gokkun and two mouths.

煮込み 過ぎた キャベツ の ような 味 が した 。 にこみ|すぎた|きゃべつ|||あじ|| It tasted like overcooked cabbage.

途端 に 、 体 の 中 が 、 生きた ヘビ を 飲み込んだ みたいに 振れ だした ―― ハリー は 吐き気 が し て 、 体 を く の 字 に 折った ―― する と 、 焼ける ような 感触 が 胃袋 から サーッ と 広がり 、 手足 の 指先 まで 届いた 。 とたん||からだ||なか||いきた|へび||のみこんだ||ふれ||||はきけ||||からだ||||あざ||おった|||やける||かんしょく||いぶくろ||||ひろがり|てあし||ゆびさき||とどいた Immediately, the inside of his body shook as if he had swallowed a living snake-Harry was nauseated and broke his body into a dogleg-and a burning sensation sir from his stomach. It spread and reached the fingertips of the limbs.

次に 、 息 が 詰まり そうに なって 、 全身 が 溶ける ような 気持 の 悪 さ に 襲わ れ 、 四 つ ん ばい に なった 。 つぎに|いき||つまり|そう に||ぜんしん||とける||きもち||あく|||おそわ||よっ||||| Next, I was almost choked, and I was struck by the unpleasant feeling that my whole body melted, and I was on all fours.

体中 の 皮膚 が 、 蝋 が 熟 で 溶ける ように 泡立ち 、 ハリー の 目の前 で 手 は 大きく なり 、 指 は 太く なり 、 爪 は 横 に 広がり 、 拳 が ボルト の ように 膨れ上がった 。 たいちゅう||ひふ||ろう||じゅく||とける||あわだち|||めのまえ||て||おおきく||ゆび||ふとく||つめ||よこ||ひろがり|けん||ぼると|||ふくれあがった 両 肩 は ベキベキ と 広がって 痚 かった し 、 額 は チクチク する ので 髪 の 毛 が 眉 の ところ まで 這い 降りて きた こと が わかった 。 りょう|かた||||ひろがって||||がく||ちくちく|||かみ||け||まゆ||||はい|おりて|||| My shoulders were wide and itchy, and my forehead was tingling, so I knew that my hair had crawled down to my eyebrows.

胸囲 も 拡 が り 、 樽 の タガ が 引きちぎら れる ように ハリー の ローブ を 引き裂いた 。 きょうい||かく|||たる||たが||ひきちぎら|||||||ひきさいた His chest girth widened, and he tore at Harry's robe as if the barrel tag were being ripped off.

足 は 四 サイズ も 小さい ハリー の 靴 の 中 で うめいて いた 。 あし||よっ|さいず||ちいさい|||くつ||なか||| His feet were moaning in Harry's shoes, which were four sizes smaller.

始まる の も 突然だった が 、 終わる の も 突然だった 。 はじまる|||とつぜんだった||おわる|||とつぜんだった The beginning was sudden, but the end was also sudden.

冷たい 石 の 床 の 上 に 、 ハリー は うつ伏せ に 突っ伏し 、 一 番 奥 の 小 部屋 で 「 嘆き の マートル 」 が 気難し げ に ゴボゴボ 音 を たてて いる の を 聞いて いた 。 つめたい|いし||とこ||うえ||||うつぶせ||つ っ ふくし|ひと|ばん|おく||しょう|へや||なげき||||きむずかし||||おと||||||きいて| On the cold stone floor, Harry was lying on his face, listening to the Myrtle of Sorrows in the far corner of the room, making a dreadful noise. ハリー は やっとこ さ 靴 を 脱ぎ捨てて 、 立ち上がった ―― そう か 、 ゴイル に なるって 、 こう い う 感じ だった の か 。 ||||くつ||ぬぎすてて|たちあがった|||||なる って||||かんじ||| Harry finally took off his shoes and stood up - so this is what it was like to be a Goyle. 巨大な 震える 手 で 、 ハリー は 、 踝 から 三十 センチ ほど 上 に ぶら下がって いる 自分 の 服 を はぎ 取り 、 着替え の ローブ を 上 から かぶり 、 ボート の ような ゴイル の 靴 の 紐 を しめた 。 きょだいな|ふるえる|て||||くるぶし||さんじゅう|せんち||うえ||ぶらさがって||じぶん||ふく|||とり|きがえ||||うえ|||ぼーと|||||くつ||ひも|| With a huge quivering hand, Harry stripped off his clothes, hanging about thirty centimeters above his ankles, put on a robe for changing clothes, and tied a string of Goyle shoes like a boat. 手 を 伸ば して 目 を 覆って いる 髪 を 掻き 上げよう と した が 、 ごわごわ の 短い 髪 が 額 の 下 の 方 に ある だけ だった 。 て||のば||め||おおって||かみ||かき|あげよう||||||みじかい|かみ||がく||した||かた|||| I tried to reach up and brush the hair from my eyes, but all I could see was a few short, stiff strands of hair just below my forehead. 目 が よく 見え なかった の は メガネ の せい だった と 気づいた 。 め|||みえ||||めがね|||||きづいた I realized that it was my glasses that were preventing me from seeing well. もちろん ゴイル は メガ ネ が 要ら ない 。 |||めが|||いら|

ハリー は メガネ を はずし 、 二 人 に 呼びかけた 。 ||めがね|||ふた|じん||よびかけた Harry took off his glasses and called on them.

「 二 人 と も 大丈夫 ?」 ふた|じん|||だいじょうぶ

口 から 出て きた の は 、 ゴイル の 低い しゃが れ 声 だった 。 くち||でて||||||ひくい|しゃ が||こえ|

「 ああ 」

右 の 方 から クラップ の 唸る ような 低音 が 聞こえた 。 みぎ||かた||||うなる||ていおん||きこえた

ハリー は 戸 の 鍵 を 開け 、 ひび割れた 鏡 の 前 に 進み 出た 。 ||と||かぎ||あけ|ひびわれた|きよう||ぜん||すすみ|でた Harry unlocked the door and stepped in front of the cracked mirror.

ゴイル が くぼんだ 、 どんより 眼 で ハリー を 見つめ 返して いた 。 ||||がん||||みつめ|かえして| Goyle was dented, staring back at Harry with his eyes.