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2 - Harry Potter, 11.2 決闘クラブ - The Dueling Club

11.2 決闘 クラブ - The Dueling Club

ハリー は その 夜 、 何 時間 も 寝 つけ なかった 。

四 本 柱 の ベッド の カーテン の 隙間 から 、 寮 塔 の 窓 の 外 を 雪 が ちらつき はじめた の を 眺め なが ら 、 思い に ふけった 。 ―― 僕 は サラザール ・ スリザリン の 子孫 な のだろう か ?―― ハリー は 結局 父親 の 家族 の こと は 何も 知ら なかった 。

ダーズリー 一家 は 、 ハリー が 親戚 の 魔法使い の こと を 質問 する の を 、 一切 禁止 した 。

ハリー は こっそり 蛇 語 を 話そう と した 。 が 、 言葉 が 出て こ なかった 。

ヘビ と 顔 を 見合わせ ない と 話せ ない らしい 。 ―― でも 、 僕 は グリフィンドール 生 だ 。

僕 に スリザリン の 血 が 流れて いたら 、「 組 分け 帽子 」 が 僕 を ここ に 入れ なかった はずだ ... ...。

「 フン 」 頭 の 中 で 意地悪な 小さい 声 が した 。 「 しかし 、『 組 分け 帽子 』 は 君 を スリザリン に 入れよう と 思った 。 忘れた の かい ?」

ハリー は 寝返り を 打った ―― 明日 、 薬草 学 で ジャスティン に 会う 。 その とき に 説明 する ん だ 。

僕 は ヘビ を けしかけて た のじゃ なく 、 攻撃 を やめ させて たん だって 。 ―― どんな バカ だって 、 その ぐらい わかる はずじゃ ない か ―― 腹 が たって 、 ハリー は 枕 を 拳 で 叩いた 。 しかし 、 翌朝 、 前夜 に 降り出した 雪 が 大 吹雪 に なり 、 学期 最後 の 薬草 学 の 授業 は 休講 に なった 。 スプラウト 先生 が マンドレイク に 靴下 を はかせ 、 マフラー を 巻く 作業 を しなければ なら ない から だ 。 厄介な 作業 な ので 、 他の 誰 に も 任せられ ない らしい 。 特に 今 は 、 ミセス ・ ノリス や コリン ・ クリービー を 蘇生 さ せる ため 、 マンドレイク が 一刻 も 早く 育って くれる こと が 重要 だった 。

グリフィンドール の 談話 室 の 暖炉 の そば で 、 ハリー は 休講 に なって しまった こと で 、 イライ ラ して いた 。

ロン と ハーマイオニー は 、 空いた 時間 を 、 魔法 チェス を して 過ごして いた 。

「 ハリー 、 あの ね 」 ロン の ビショップ が 、 ハーマイオニー の ナイト を 馬 から 引きずり 降ろし て 、 チェス 盤 の 外 まで ズルズル 引っ張って 行った とき 、 ハリー の 様子 を 見かねた ハーマイオ ニー が 言った 。

「 そんなに 気 に なる んだったら 、 こっち から ジャスティン を 探し に 行けば いい じゃ ない 」

ハリー は 立ち上がり 、 ジャスティン は どこ に いる か な と 考え ながら 、 肖僕 画 の 穴 から 外 に 出 た 。

昼 だ と いう のに 、 窓 と いう 窓 の 外 を 、 灰色 の 雪 が 渦巻く ように 降って いた ので 、 城 の 中 は い つ も より 暗かった 。

寒 さ に 震え 、 ハリー は 授業 中 の クラス の 物音 を 聞き ながら 歩いた 。

マクゴナガル 先生 は 誰 か を 叱りつけて いた 。 どうやら 誰 か が クラスメート を アナグマ に 変え て しまった らしい 。

ハリー は 覗いて みたい 気持 を 押さえて 、 そば を 通り過ぎた 。 ジャスティン は 空いた 時間 に 授業 の 遅れ を 取り戻そう と して いる かも しれ ない 、 と 思いつ き 、 ハリー は 図書 館 を チェック して みる こと に した 。

薬草 学 で 一緒に なる はずだった ハッフルパフ 生 たち が 、 思った 通り 図書 館 の 奥 の 方 で 固 まって いた 。 しかし 、 勉強 して いる 様子 で は ない 。 背 の 高い 本棚 が ずらり と 立ち 並ぶ 間 で 、 みんな 額 を 寄 せ 合って 、 夢中で 何 か を 話して いる ようだった 。

ジャスティン が その 中 に いる か どう か 、 ハリー に は 見え なかった 。

みんな の 万 に 歩いて 行く 途中 で 、 話 が 耳 に 入った 。 ハリー は 立ち止まり 、 ちょうど 「 隠れ 術 」 の 本 が 並ぶ 本棚 の ところ に 隠れて 耳 を すませた 。

「 だ から さ 」 太った 男の子 が 話して いる 。

「 僕 、 ジャスティン に 言った んだ 。 自分 の 部屋 に 隠れて ろって 。 つまり さ 、 もし ポッター が 、 あいつ を 次の 餌食 に 狙って る んだったら 、 しばらく は 目立た ない ように して る の が 一 番 いい んだ よ 。 もちろん 、 あいつ 、 うっかり 自分 が マグル 出身 だ なんて ポッター に 漏らし ちゃった から 、 いつか は こう なる んじゃ ない かって 思って た さ 。 ジャスティン の やつ 、 イー トン 校 に 入る 予定 だった なんて 、 ポッター に しゃべっち まったん だ 。 そんな こと 、 スリザリ ン の 継承 者 が うろついて る とき に 、 言いふらす べき こと じゃ ない よ な ?」

「 じゃ 、 アーニー 、 あなた 、 絶対 に ポッター だって 思って る の ?」

金髪 を 三 つ 編み に した 女の子 は もどかし げ に 聞いた 。

「 ハンナ 」 太った 子 が 重々しく 言った 。

「 彼 は パーセルマウス だ ぜ 。 それ は 闇 の 魔法使い の 印 だって 、 みんな が 知って る 。 ヘビ と 話 が できる まともな 魔法使い なんて 、 聞いた こと が ある かい ? スリザリン 自身 の こと を 、 みん な が 『 蛇 舌 』って 呼んで た ぐらい な んだ 」 ザワザワ と 重苦しい ささやき が 起こり 、 アーニー は 話し 続けた 。 「 壁 に 書か れた 言葉 を 覚えて る か !『 継承 者 の 敵 よ 、 気 を つけよ 』 ポッター は フィルチ と な ん か ごたごた が あった んだ 。 そして 気 が つく と 、 フィルチ の 猫 が 襲われて いた 。 あの 一 年 坊 主 の クリービー は 、 クィディッチ 試合 で ポッター が 泤 の 中 に 倒れて る とき 写真 を 撮り まくって 、 ポッター に 嫌がら れた 。 そして 気 が つく と 、 クリービー が やられて いた 」

「 でも 、 ポッター つて 、 いい 人 に 見える けど 」 ハンナ は 納得 でき ない 様子 だ 。

「 それ に 、 ほら 、 彼 が 『 例の あの 人 』 を 消した の よ 。 そんなに 悪人 である はず が ない わ 。 ど う ?」

アーニー は わけ あり げ に 声 を 落とし 、 ハッフルパフ 生 は より 近々 と 額 を 寄せ合った 。

ハリー は アーニー の 言葉 が 聞き 取れる ように 近く まで にじり寄った 。

「 ポッター が 『 例の あの 人 』 に 襲われて も どう やって 生き残った の か 、 誰 も 知ら ない んだ 。 つまり 、 事 が 起こった とき 、 ポッター は ほんの 赤ん坊 だった 。 木っ端微塵 に 吹き飛ばされて 当然 さ 。 それ ほど の 呪い を 受けて も 生き残る こと が できる の は 、 ほんとうに 強力な 『 闇 の 魔 法 使い 』 だけ だ よ 」

アーニー の 声 が さらに 低く なり 、 ほとんど 耳打ち して いる ようだ 。

「 だからこそ 、『 例の あの 人 』 が 初めっから 彼 を 殺し たかった んだ 。 闇 の 帝王 が もう 一 人 い て 、 競争 に なる の が 嫌だった んだ 。 ポッター の やつ 、 いったい 他 に どんな 力 を 隠して る んだ ろう ?」

ハリー は もう これ 以上 我慢 でき なかった 。

大きく 咳払い して 、 本棚 の 陰 から 姿 を 現した 。

カンカン に 腹 を たてて い なかったら 、 不意 を 突か れた みんな の 様子 を 見て 、 ハリー は きっと 滑稽だ と 思った だろう 。

ハリー の 姿 を 見た 途端 、 ハッフルパフ 生 は いっせいに 石 に なった ように 見えた 。

アーニー の 顔 から サーッ と 血の気 が 引いた 。

「 や あ 」 ハリー が 声 を かけた 。

「 僕 、 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー を 探して る んだ けど ......」

ハッフルパフ 生 の 恐れて いた 最悪の 事態 が 現実 の もの に なった 。 みんな 、 こわごわ 、 アー ニー の 方 を 見た 。

「 あ ・ あいつ に なんの 用 な んだ ?」 アーニー が 震え 声 で 聞いた 。 「 決闘 クラブ で の ヘビ の こと だ けど 、 ほんと は 何 が 起こった の か 、 彼 に 話したい んだ よ 」 アーニー は 蒼白に なった 唇 を 噛み 、 深呼吸 した 。 「 僕たち みんな あの 場 に いたんだ 。 みんな 、 何 が 起こった の か 見て た 」 「 それ じゃ 、 僕 が 話しかけた あと で 、 ヘビ が 退いた のに 気 が ついた だろう ? 「 僕 が 見た の は 」 アーニー が 、 震えて いる くせ に 頑固に 言い 酔った 。 「 君 が 蛇 語 を 話した こと 、 そして ヘビ を ジャスティン の 方 に 追い立てた こと だ 」 「 追いたてたり して ない !」 ハリー の 声 は 怒り で 震えて いた 。 「 ヘビ は ジャスティン を かすり も し なかった !」 「 もう 尐 しって とこ だった 」 アーニー が 言った 。

「 それ から 、 君 が 何 か 勘ぐって る んだったら 」 と 慌てて つけ加えた 。 「 言っと く けど 、 僕 の 家系 は 九 代 前 まで さ か のぼれる 魔女 と 魔法使い の 家系 で 、 僕 の 血 は 誰 に も 負け ない ぐらい 純 血 で 、 だから ――」 「 君 が どんな 血 だろう と かまう もん か 」 ハリー は 激しい 口調 で 言った 。 「 なんで 僕 が マグル 生まれ の 者 を 襲う 必要 が ある !」

「 君 が 一緒に 暮らして いる マグル を 憎んで るって 聞いた よ 」 アーニー が 即座に 答えた 。 「 ダーズリー たち と 一緒に 暮らして いたら 、 憎ま ないで いられる もん か 。 できる もの なら 、 君 が やって みれば いい んだ 」 ハリー が 言った 。

ハリー は 踵 を 返して 、 怒り狂って 図書 館 を 出て 行った 。

大きな 呪文 の 本 の 箔 押し の 表紙 を 磨いて いた マダム ・ ピンス が 、 ジロリ と 咎める ような 目 で ハリー を 見た 。

ハリー は 、 むちゃくちゃに 腹 が 立って 、 自分 が どこ に 行こう と して いる の か さえ ほとんど 意 識 せ ず 、 蹟 き ながら 廊下 を 歩いた 。

結局 、 何 か 大きくて 固い 物 に ぶつかって 、 ハリー は 仰向け に 床 に 転がって しまった 。

「 あ 、 や あ 、 ハグリッド 」 ハリー は 見上げ ながら 挨拶 した 。

雪 に まみれた ウール の バラクラバ 頭巾 で 、 頭から 肩 まで すっぽり 覆われて は いた が 、 厚手 木 綿 の オーバー を 着て 、 廊下 を ほとんど 全部 ふさいで いる の は 、 まざれ も なく ハグリッド だ 。 手袋 を した 巨大な 手 の 一万 に 鶏 の 死骸 を ぶら下げて いる 。

「 ハリー 、 大丈夫 か ?」 ハグリッド は バラクラバ を 引き下げて 話しかけた 。

「 おまえ さん 、 なんで 授業 に 行か ん の かい ?」

「 休講 に なった んだ 」 ハリー は 床 から 起き上がり ながら 答えた 。

「 ハグリッド こそ 何 して る の ?」 ハグリッド は ダラン と した 鶏 を 持ち上げて 見せた 。

「 殺られた の は 今 学期 に なって 二 羽 目 だ 。 狐 の 仕業 か 、『 吸 血 お化け 』 か 。 そんで 、 校 長先 生 から 鶏 小屋 の 周り に 魔法 を かける お 許し を もらわ に ゃ 」

ハグリッド は 雪 が まだらに ついた ボサボサ 眉毛 の 下 から 、 じっと ハリー を 覗き込んだ 。 「 おまえ さん 、 ほんとに 大丈夫 か ! かっか して 、 なんか あった みたいな 顔 し とる が 」

ハリー は アーニー や ハッフルパフ 生 が 、 今しがた 自分 の こと を なんと 言って いた か 、 口 に す る こと さえ 耐えられ なかった 。 「 なんでもない よ 」 ハリー は そう 答えた 。

「 ハグリッド 、 僕 、 もう 行か なくちゃ 。 次 は 変身 術 だ し 、 教科 書 取り に 帰ら なきゃ 」

その 場 を 離れた もの の 、 ハリー は まだ アーニー の 言った こと で 頭 が いっぱいだった 。

「 ジャスティン の やつ 、 うっかり 自分 が マグル 出身 だ なんて ポッター に 漏らしちゃって か ら 、 いつか は こう なる んじゃ ない かって 思って た さ ......」 ハリー は 階段 を 踏み鳴らして 上り 、 次の 廊下 の 角 を 曲がった 。 そこ は 一 段 と 暗かった 。

はめ込み の 甘い 窓 ガラス の 間 から 、 激しく 吹き込む 氷 の ような 隙間 風 が 、 松明 の 灯り を 消し て しまって いた 。

廊下 の 真ん中 あたり まで 来た とき 、 床 に 転がって いる 何 か に もろ に 足 を 取ら れ 、 ハリー は 前 のめり に つんのめった 。

振り返って いったい 何 に 置いた の か 、 目 を 細めて 見た ハリー は 、 途端 に 胃袋 が 溶けて し まった ような 気 が した 。 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッテリー が 転がって いた 。

冷たく 、 ガチガチ に 硬直 し 、 恐怖 の 跡 が 顔 に こびりつき 、 虚 ろ な 目 は 天井 を 凝視 して いる 。

その 隣 に もう 一 つ 、 ハリー が 今 まで 見た こと も ない 不可思議な もの が あった 。

「 ほとんど 首 無し ニック 」 だった 。

もはや 透明な 真珠 色 で は なり 、 黒く 煤けて 、 床 から 十五 センチ ほど 上 に 、 真 横 に じっと 動か ず に 浮いて いた 。

首 は 半分 落ち 、 顔 に は ジャスティン と 同じ 恐怖 が 貼り ついて いた 。

ハリー は 立ち上がった が 、 息 は たえだえ 、 心臓 は 早打ち 太鼓 の ように 肋僕 を 打った 。

人影 の ない 廊下 の あちらこちら を 、 ハリー は 狂った ように 見回した 。

すると 、 クモ が 二 つ の 物体 から 逃げる ように 、 一 列 に なって 、 全速力 で ガサゴソ 移動 して い る の が 目 に 入った 。

物音 と いえば 、 両側 の 教室 から ぼんやり と 聞こえる 、 先生 方 の 声 だけ だった 。

逃げよう と 思えば 逃げられる 。 ここ に ハリー が いた こと など 、 誰 に も わかり は し ない 。

なのに 、 ハリー は 二 人 を 放っておく こと が でき なかった ―― 助け を 呼ば なければ ......。

でも 、 僕 が まったく 関係ないって こと 、 信じて くれる 人 が いる だろう か ! パニック 状態 で 突っ立って いる と 、 すぐ そば の 戸 が バーン と 開き 、 ポルターガイスト の ビー プズ が シューッ と 飛び出して きた 。 「 おや まあ 、 ポッツリ 、 ポッツン 、 チビ の ポッター !」 ヒョコヒョコ 上 下 に 揺れ ながら 、 ハ リー の 脇 を 通り過ぎる とき 、 メガネ を 叩いて ずっこ けさ せ ながら 、 ビープズ が 甲高い 声 で は や した 立てた 。 「 ポッター 、 ここ で 何 して る ! ポッター 、 どうして ここ に いる ――」

ビープズ は 空中 宙返り の 途中 で ハタ と 止まった 。

逆さまで 、 ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 見つけた 。

ビープズ は もう 半 回転 して 元 に 戻り 、 肺 一 杯 に 息 を 吸いこむ と 、 ハリー の 止める 間もなく 、 大声 で 叫んだ 。

「 襲わ れた ! 襲わ れた ! またまた 襲わ れた ! 生きて て も 死んで て も 、 みんな 危ない ぞ ! 命 か ら がら 逃げろ ! お ー そ ー わ ー れ ー た ー !」 バタン ―― バタン ―― バタン 。

次々 と 廊下 の 両側 の ドア が 勢い よく 開き 、 中 から ドッと 人 が 出て きた 。

それ から の 数 分間 は 長かった 。 大 混乱 の ドタバタ で 、 ジャスティン は 踏み潰さ れ そうに なった し 、「 ほとんど 首 無し ニック 」 の 体 の 中 で 立ちすくむ 生徒 たち が 何 人 も いた 。 先生 たち が 大声 で 「 静かに 」 と 怒鳴って いる 中 で 、 ハリー は 壁 に ぴったり 磔 に なった ような 格好だった 。

マクゴナガル 先生 が 走って きた 。

あと に 続いた クラス の 生徒 の 中 に 、 白 と 黒 の 縞 模様 の 髪 の まま の 子 が 一 人 いる 。 マクゴナガ ル 先生 は 杖 を 使って バーン と 大きな 音 を 出し 、 静かに なった ところ で 、 みんな 自分 の 教室 に 戻る ように 命令 した 。 なんとか 騒ぎ が 収まり かけた ちょうど その とき 、 ハッフルパフ の アー ニー が 息 せき 切って その 場 に 現れた 。

「 現行 犯 だ !」 顔面 蒼白 の アーニー が 芝居 の 仕草 の ように ハリー を 指差した 。 「 お やめ なさい 、 マクミラン !」 マクゴナガル 先生 が 厳しく たしなめた 。

ビープズ は 上 の 方 で ニヤニヤ 意地 の 悪い 笑い を 浮かべ 、 成り行き を 見 ながら ふわふわ して い る 。

ビープズ は 大 混乱 が 好きな のだ 。

先生 たち が か が み込んで 、 ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 調べて いる とき に 、 ビープズ は 突然 歌い だした 。

♪ オー 、 ポッター 、 いやな やつ だ ! いったい おまえ は 何 を した ー

おまえ は 生徒 を 皆殺し おまえ は それ が 大 愉快

「 お 黙り なさい 、 ビープズ 」

マクゴナガル 先生 が 一喝 した 。 ビープズ は ハリー に 向かって ベーッ と 舌 を 出し 、 スーッ と 後 ろ に 引っこむ ように 、 ズームアウト して 消えて しまった 。

ジャスティン は 、 フリットウィック 先生 と 天文 学科 の シニストラ 先生 が 医務 室 に 運んだ 。 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を どうした もの か 、 誰 も 思いつか ない 。

結局 マクゴナガル 先生 が 何も 無い ところ から 大きな うちわ を 作り上げて 、 それ を アーニー に 持た せ 、「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 階段 の 一 番 上 まで 煽り 上げる よう 言いつけた 。

アーニー は 言いつけ 通り 、 物 言わ ぬ 黒い ホバークラフト の ような ニック を 煽 い で 行った 。

あと に 残さ れた の は マクゴナガル 先生 と ハリー だけ だった 。

「 おいで なさい 、 ポッター 」

「 先生 、 誓って 言います 。 僕 、 やってません ――」 ハリー は 即座に 言った 。 「 ポッター 、 私 の 手 に 負えない こと です 」 マクゴナガル 先生 は そっけない 。

二 人 は 押し黙って 歩いた 。 角 を 曲がる と 、 先生 は 途方 も なく 醜い 大きな 石 の 怪獣 僕 の 前 で 立 ち 止まった 。

「 レモン ・ キャンデー !」

先生 が 言った 。 これ が 合言葉 だった に 違いない 。 怪獣 僕 が 突然 生きた 本物 に なり 、 ピョン と 跳んで 脇 に 寄り 、 その 背後 に あった 壁 が 左右 に 割れた 。

いったい どう なる こと か と 、 恐れ で 頭 が いっぱいだった ハリー も 、 怖 さ も 忘れて びっくり し た 。

壁 の 裏 に は 螺旋 階段 が あり 、 エスカレーター の ように 滑らかに 上 の 方 へ と 動いて いる 。 ハ リー が 先生 と 一緒に 階段 に 乗る と 、 二 人 の 背後 で 壁 は ドシン と 閉じた 。

二 人 は クルクル と 螺旋 状 に 上 へ 上 へ と 運ばれて 行った 。 そして 、 遂に 、 尐 し めまい を 感じ ながら 、 ハリー は 前方 に 輝く ような 樫 の 扉 を 見た 。 扉 に グリフィン を かたどった ノック 用 の 金具 が ついて いる 。 ハリー は どこ に 連れて 行か れる の か に 気 が ついた 。 ここ は ダンブルドア の 住居 に 違いない 。

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ハリー は その 夜 、 何 時間 も 寝 つけ なかった 。 |||よ|なん|じかん||ね|| Harry didn't sleep for hours that night.

四 本 柱 の ベッド の カーテン の 隙間 から 、 寮 塔 の 窓 の 外 を 雪 が ちらつき はじめた の を 眺め なが ら 、 思い に ふけった 。 よっ|ほん|ちゅう||べっど||かーてん||すきま||りょう|とう||まど||がい||ゆき||||||ながめ|な が||おもい||ふけ った ―― 僕 は サラザール ・ スリザリン の 子孫 な のだろう か ?―― ハリー は 結局 父親 の 家族 の こと は 何も 知ら なかった 。 ぼく|||||しそん||||||けっきょく|ちちおや||かぞく||||なにも|しら| -- Am I a descendant of Salazar Slytherin? -- Harry eventually found out nothing about his father's family.

ダーズリー 一家 は 、 ハリー が 親戚 の 魔法使い の こと を 質問 する の を 、 一切 禁止 した 。 |いっか||||しんせき||まほうつかい||||しつもん||||いっさい|きんし| The Dursleys forbade Harry from asking any questions about his wizard relatives.

ハリー は こっそり 蛇 語 を 話そう と した 。 |||へび|ご||はなそう|| Harry secretly tried to speak snake. が 、 言葉 が 出て こ なかった 。 |ことば||でて||

ヘビ と 顔 を 見合わせ ない と 話せ ない らしい 。 へび||かお||みあわせ|||はなせ|| It seems that they cannot talk to the snakes unless they are face to face with them. ―― でも 、 僕 は グリフィンドール 生 だ 。 |ぼく|||せい|

僕 に スリザリン の 血 が 流れて いたら 、「 組 分け 帽子 」 が 僕 を ここ に 入れ なかった はずだ ... ...。 ぼく||||ち||ながれて||くみ|わけ|ぼうし||ぼく||||いれ||

「 フン 」 頭 の 中 で 意地悪な 小さい 声 が した 。 ふん|あたま||なか||いじわるな|ちいさい|こえ|| 「 しかし 、『 組 分け 帽子 』 は 君 を スリザリン に 入れよう と 思った 。 |くみ|わけ|ぼうし||きみ||||いれよう||おもった But the Sorting Hat wanted to put you in Slytherin. 忘れた の かい ?」 わすれた||

ハリー は 寝返り を 打った ―― 明日 、 薬草 学 で ジャスティン に 会う 。 ||ねがえり||うった|あした|やくそう|まな||||あう Harry turned over -- he would see Justin tomorrow at Herbology. その とき に 説明 する ん だ 。 |||せつめい||| I will explain at that time.

僕 は ヘビ を けしかけて た のじゃ なく 、 攻撃 を やめ させて たん だって 。 ぼく||へび||||||こうげき|||さ せて|| ―― どんな バカ だって 、 その ぐらい わかる はずじゃ ない か ―― 腹 が たって 、 ハリー は 枕 を 拳 で 叩いた 。 |ばか||||||||はら|||||まくら||けん||たたいた -- Harry pounded his fist on the pillow in anger. しかし 、 翌朝 、 前夜 に 降り出した 雪 が 大 吹雪 に なり 、 学期 最後 の 薬草 学 の 授業 は 休講 に なった 。 |よくあさ|ぜんや||ふりだした|ゆき||だい|ふぶき|||がっき|さいご||やくそう|まな||じゅぎょう||きゅうこう|| However, the next morning, the snow that began to fall the night before became a blizzard, and the herbal medicine class at the end of the semester was canceled. スプラウト 先生 が マンドレイク に 靴下 を はかせ 、 マフラー を 巻く 作業 を しなければ なら ない から だ 。 |せんせい||||くつした|||まふらー||まく|さぎょう||し なければ|||| This is because Dr. Sprout has to put socks on the mandrake and wrap the muffler. 厄介な 作業 な ので 、 他の 誰 に も 任せられ ない らしい 。 やっかいな|さぎょう|||たの|だれ|||まかせ られ|| It's a tricky job, and they can't leave it to anyone else. 特に 今 は 、 ミセス ・ ノリス や コリン ・ クリービー を 蘇生 さ せる ため 、 マンドレイク が 一刻 も 早く 育って くれる こと が 重要 だった 。 とくに|いま||||||||そせい||||||いっこく||はやく|そだって||||じゅうよう|

グリフィンドール の 談話 室 の 暖炉 の そば で 、 ハリー は 休講 に なって しまった こと で 、 イライ ラ して いた 。 ||だんわ|しつ||だんろ||||||きゅうこう||||||||| By the fireplace in the Gryffindor common room, Harry is annoyed that his class has been cancelled.

ロン と ハーマイオニー は 、 空いた 時間 を 、 魔法 チェス を して 過ごして いた 。 ||||あいた|じかん||まほう||||すごして| Ron and Hermione spent their free time playing magical chess.

「 ハリー 、 あの ね 」 ロン の ビショップ が 、 ハーマイオニー の ナイト を 馬 から 引きずり 降ろし て 、 チェス 盤 の 外 まで ズルズル 引っ張って 行った とき 、 ハリー の 様子 を 見かねた ハーマイオ ニー が 言った 。 |||||||||||うま||ひきずり|おろし|||ばん||がい||ずるずる|ひっぱって|おこなった||||ようす||みかねた||||いった "Harry, that's right," said Ron's Bishop, who couldn't see Harry's appearance as he dragged Hermione's knight off the horse and slurped it out of the chessboard.

「 そんなに 気 に なる んだったら 、 こっち から ジャスティン を 探し に 行けば いい じゃ ない 」 |き||||||||さがし||いけば||| "If you're so worried, why don't you go find Justin from here?"

ハリー は 立ち上がり 、 ジャスティン は どこ に いる か な と 考え ながら 、 肖僕 画 の 穴 から 外 に 出 た 。 ||たちあがり|||||||||かんがえ||しょうぼく|が||あな||がい||だ| Harry got up and walked out of the portrait hole, wondering where Justin was.

昼 だ と いう のに 、 窓 と いう 窓 の 外 を 、 灰色 の 雪 が 渦巻く ように 降って いた ので 、 城 の 中 は い つ も より 暗かった 。 ひる|||||まど|||まど||がい||はいいろ||ゆき||うずまく||ふって|||しろ||なか||||||くらかった Even though it was daytime, it was darker than usual inside the castle as gray snow was falling in swirls outside every window.

寒 さ に 震え 、 ハリー は 授業 中 の クラス の 物音 を 聞き ながら 歩いた 。 さむ|||ふるえ|||じゅぎょう|なか||くらす||ものおと||きき||あるいた Shivering in the cold, Harry walked listening to the noise of the class during class.

マクゴナガル 先生 は 誰 か を 叱りつけて いた 。 |せんせい||だれ|||しかりつけて| どうやら 誰 か が クラスメート を アナグマ に 変え て しまった らしい 。 |だれ|||||あなぐま||かえ||| Apparently someone has turned his classmate into a badger.

ハリー は 覗いて みたい 気持 を 押さえて 、 そば を 通り過ぎた 。 ||のぞいて||きもち||おさえて|||とおりすぎた Harry held back his desire to peep and passed by. ジャスティン は 空いた 時間 に 授業 の 遅れ を 取り戻そう と して いる かも しれ ない 、 と 思いつ き 、 ハリー は 図書 館 を チェック して みる こと に した 。 ||あいた|じかん||じゅぎょう||おくれ||とりもどそう||||||||おもいつ||||としょ|かん||ちぇっく||||| Justin thought he might be trying to catch up with his lessons in his spare time, and Harry decided to check out the library.

薬草 学 で 一緒に なる はずだった ハッフルパフ 生 たち が 、 思った 通り 図書 館 の 奥 の 方 で 固 まって いた 。 やくそう|まな||いっしょに||||せい|||おもった|とおり|としょ|かん||おく||かた||かた|| The huffle puff students who were supposed to be together in herbal medicine were stuck in the back of the library as I expected. しかし 、 勉強 して いる 様子 で は ない 。 |べんきょう|||ようす||| However, it does not seem to be studying. 背 の 高い 本棚 が ずらり と 立ち 並ぶ 間 で 、 みんな 額 を 寄 せ 合って 、 夢中で 何 か を 話して いる ようだった 。 せ||たかい|ほんだな||||たち|ならぶ|あいだ|||がく||よ||あって|むちゅうで|なん|||はなして|| In between the rows of tall bookshelves, everyone seemed to be talking intently with their foreheads pressed against each other.

ジャスティン が その 中 に いる か どう か 、 ハリー に は 見え なかった 。 |||なか|||||||||みえ| Harry couldn't see if Justin was in it.

みんな の 万 に 歩いて 行く 途中 で 、 話 が 耳 に 入った 。 ||よろず||あるいて|いく|とちゅう||はなし||みみ||はいった On the way to everyone's walk, I heard a story. ハリー は 立ち止まり 、 ちょうど 「 隠れ 術 」 の 本 が 並ぶ 本棚 の ところ に 隠れて 耳 を すませた 。 ||たちどまり||かくれ|じゅつ||ほん||ならぶ|ほんだな||||かくれて|みみ|| Harry stopped and listened, hiding in the bookshelf where the books of "Hidden Art" were lined up.

「 だ から さ 」 太った 男の子 が 話して いる 。 |||ふとった|おとこのこ||はなして| A fat boy is talking.

「 僕 、 ジャスティン に 言った んだ 。 ぼく|||いった| 自分 の 部屋 に 隠れて ろって 。 じぶん||へや||かくれて|ろ って Hide in your room. つまり さ 、 もし ポッター が 、 あいつ を 次の 餌食 に 狙って る んだったら 、 しばらく は 目立た ない ように して る の が 一 番 いい んだ よ 。 |||||||つぎの|えじき||ねらって|||||めだた|||||||ひと|ばん||| So, if Potter is aiming for his next prey, it's best to keep it inconspicuous for a while. もちろん 、 あいつ 、 うっかり 自分 が マグル 出身 だ なんて ポッター に 漏らし ちゃった から 、 いつか は こう なる んじゃ ない かって 思って た さ 。 |||じぶん|||しゅっしん|||||もらし|ちゃ った|||||||||おもって|| Of course, he inadvertently leaked to Potter that he was from Muggle, so I was wondering if this would happen someday. ジャスティン の やつ 、 イー トン 校 に 入る 予定 だった なんて 、 ポッター に しゃべっち まったん だ 。 ||||とん|こう||はいる|よてい|||||しゃべ っち|| Justin told Potter that he was going to join the Yeaton School. そんな こと 、 スリザリ ン の 継承 者 が うろついて る とき に 、 言いふらす べき こと じゃ ない よ な ?」 |||||けいしょう|もの||||||いいふらす|||||| That's not the sort of thing you should be talking about when the heir to Slytherin is hanging around, is it?"

「 じゃ 、 アーニー 、 あなた 、 絶対 に ポッター だって 思って る の ?」 |||ぜったい||||おもって|| "Then, Arnie, do you absolutely think you're a potter?"

金髪 を 三 つ 編み に した 女の子 は もどかし げ に 聞いた 。 きんぱつ||みっ||あみ|||おんなのこ|||||きいた The girl with blonde hair in three braids asked in frustration.

「 ハンナ 」 太った 子 が 重々しく 言った 。 |ふとった|こ||おもおもしく|いった

「 彼 は パーセルマウス だ ぜ 。 かれ|||| それ は 闇 の 魔法使い の 印 だって 、 みんな が 知って る 。 ||やみ||まほうつかい||いん||||しって| ヘビ と 話 が できる まともな 魔法使い なんて 、 聞いた こと が ある かい ? スリザリン 自身 の こと を 、 みん な が 『 蛇 舌 』って 呼んで た ぐらい な んだ 」  ザワザワ と 重苦しい ささやき が 起こり 、 アーニー は 話し 続けた 。 へび||はなし||||まほうつかい||きいた||||||じしん|||||||へび|した||よんで|||||||おもくるしい|||おこり|||はなし|つづけた Have you ever heard of a decent wizard who can talk to snakes? It's as if Minna called Slytherin herself a "snake tongue." Continued. 「 壁 に 書か れた 言葉 を 覚えて る か !『 継承 者 の 敵 よ 、 気 を つけよ 』 ポッター は フィルチ と な ん か ごたごた が あった んだ 。 かべ||かか||ことば||おぼえて|||けいしょう|もの||てき||き||||||||||||| "Do you remember the words written on the wall!'Be careful, the enemy of the heirs.'" Potter was confused with Filch. そして 気 が つく と 、 フィルチ の 猫 が 襲われて いた 。 |き||||||ねこ||おそわ れて| Then I noticed that Filch's cat had been attacked. あの 一 年 坊 主 の クリービー は 、 クィディッチ 試合 で ポッター が 泤 の 中 に 倒れて る とき 写真 を 撮り まくって 、 ポッター に 嫌がら れた 。 |ひと|とし|ぼう|おも|||||しあい||||||なか||たおれて|||しゃしん||とり||||いやがら| そして 気 が つく と 、 クリービー が やられて いた 」 |き||||||| And the next thing I know, Creevy has been beaten."

「 でも 、 ポッター つて 、 いい 人 に 見える けど 」 ハンナ は 納得 でき ない 様子 だ 。 ||||じん||みえる||||なっとく|||ようす| "But, Potter looks like a good person," Hannah doesn't seem to be convinced.

「 それ に 、 ほら 、 彼 が 『 例の あの 人 』 を 消した の よ 。 |||かれ||れいの||じん||けした|| "And, you see, he erased'that person in the example.' そんなに 悪人 である はず が ない わ 。 |あくにん||||| There is no way he could be that bad. ど う ?」

アーニー は わけ あり げ に 声 を 落とし 、 ハッフルパフ 生 は より 近々 と 額 を 寄せ合った 。 ||||||こえ||おとし||せい|||ちかぢか||がく||よせあった Arnie screamed for a reason, and the huffle puffs squeezed their foreheads closer together.

ハリー は アーニー の 言葉 が 聞き 取れる ように 近く まで にじり寄った 。 ||||ことば||きき|とれる||ちかく||にじりよった

「 ポッター が 『 例の あの 人 』 に 襲われて も どう やって 生き残った の か 、 誰 も 知ら ない んだ 。 ||れいの||じん||おそわ れて||||いきのこった|||だれ||しら|| "No one knows how Potter survived the attack of'that person'. つまり 、 事 が 起こった とき 、 ポッター は ほんの 赤ん坊 だった 。 |こと||おこった|||||あかんぼう| 木っ端微塵 に 吹き飛ばされて 当然 さ 。 こっぱみじん||ふきとばさ れて|とうぜん| Naturally, it was blown away by the fine dust. それ ほど の 呪い を 受けて も 生き残る こと が できる の は 、 ほんとうに 強力な 『 闇 の 魔 法 使い 』 だけ だ よ 」 |||まじない||うけて||いきのこる|||||||きょうりょくな|やみ||ま|ほう|つかい||| Only the truly powerful "Dark Magician" can survive such a curse. "

アーニー の 声 が さらに 低く なり 、 ほとんど 耳打ち して いる ようだ 。 ||こえ|||ひくく|||みみうち|||

「 だからこそ 、『 例の あの 人 』 が 初めっから 彼 を 殺し たかった んだ 。 |れいの||じん||はじめ っ から|かれ||ころし|| "That's why'that person' wanted to kill him from the beginning. 闇 の 帝王 が もう 一 人 い て 、 競争 に なる の が 嫌だった んだ 。 やみ||ていおう|||ひと|じん|||きょうそう|||||いやだった| ポッター の やつ 、 いったい 他 に どんな 力 を 隠して る んだ ろう ?」 ||||た|||ちから||かくして||| What other power is the Potter guy hiding? "

ハリー は もう これ 以上 我慢 でき なかった 。 ||||いじょう|がまん|| Harry couldn't stand it anymore.

大きく 咳払い して 、 本棚 の 陰 から 姿 を 現した 。 おおきく|せきばらい||ほんだな||かげ||すがた||あらわした With a loud cough, he emerged from the shadows of the bookshelf.

カンカン に 腹 を たてて い なかったら 、 不意 を 突か れた みんな の 様子 を 見て 、 ハリー は きっと 滑稽だ と 思った だろう 。 かんかん||はら|||||ふい||つか||||ようす||みて||||こっけいだ||おもった| If I hadn't been angry with Kankan, Harry would have thought it was humorous when he saw everyone who was suddenly struck.

ハリー の 姿 を 見た 途端 、 ハッフルパフ 生 は いっせいに 石 に なった ように 見えた 。 ||すがた||みた|とたん||せい|||いし||||みえた As soon as I saw Harry, the huffle puffs all seemed to be stones.

アーニー の 顔 から サーッ と 血の気 が 引いた 。 ||かお||||ちのけ||ひいた

「 や あ 」 ハリー が 声 を かけた 。 ||||こえ||

「 僕 、 ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッチリー を 探して る んだ けど ......」 ぼく|||||さがして||| "I'm looking for Justin Finch Finch Lee ..."

ハッフルパフ 生 の 恐れて いた 最悪の 事態 が 現実 の もの に なった 。 |せい||おそれて||さいあくの|じたい||げんじつ|||| The worst of the huffle puffs that I was afraid of became a reality. みんな 、 こわごわ 、 アー ニー の 方 を 見た 。 |||||かた||みた

「 あ ・ あいつ に なんの 用 な んだ ?」 アーニー が 震え 声 で 聞いた 。 ||||よう|||||ふるえ|こえ||きいた "Ah, what's that guy doing?" Arnie heard in a quivering voice. 「 決闘 クラブ で の ヘビ の こと だ けど 、 ほんと は 何 が 起こった の か 、 彼 に 話したい んだ よ 」 アーニー は 蒼白に なった 唇 を 噛み 、 深呼吸 した 。 けっとう|くらぶ|||へび|||||||なん||おこった|||かれ||はなし たい|||||そうはくに||くちびる||かみ|しんこきゅう| "It's about a snake in a duel club, but I want to tell him what really happened." Arnie bit her pale lips and took a deep breath. 「 僕たち みんな あの 場 に いたんだ 。 ぼくたち|||じょう|| "We were all there. みんな 、 何 が 起こった の か 見て た 」 「 それ じゃ 、 僕 が 話しかけた あと で 、 ヘビ が 退いた のに 気 が ついた だろう ? 「 僕 が 見た の は 」 アーニー が 、 震えて いる くせ に 頑固に 言い 酔った 。 |なん||おこった|||みて||||ぼく||はなしかけた|||へび||しりぞいた||き||||ぼく||みた|||||ふるえて||||がんこに|いい|よった Everyone was watching what happened. "" Then, after I spoke, did you notice that the snake had retired? "What I saw." Arnie was trembling. I was stubbornly intoxicated. 「 君 が 蛇 語 を 話した こと 、 そして ヘビ を ジャスティン の 方 に 追い立てた こと だ 」 「 追いたてたり して ない !」 ハリー の 声 は 怒り で 震えて いた 。 きみ||へび|ご||はなした|||へび||||かた||おいたてた|||おいたてたり|||||こえ||いかり||ふるえて| 「 ヘビ は ジャスティン を かすり も し なかった !」 「 もう 尐 しって とこ だった 」 アーニー が 言った 。 へび|||||||||||||||いった "The snake didn't even scratch Justin!" "It's been a while," Arnie said.

「 それ から 、 君 が 何 か 勘ぐって る んだったら 」 と 慌てて つけ加えた 。 ||きみ||なん||かんぐって||||あわてて|つけくわえた Then he added hurriedly, "And if you have any suspicions about what's going on," he added. 「 言っと く けど 、 僕 の 家系 は 九 代 前 まで さ か のぼれる 魔女 と 魔法使い の 家系 で 、 僕 の 血 は 誰 に も 負け ない ぐらい 純 血 で 、 だから ――」 「 君 が どんな 血 だろう と かまう もん か 」 ハリー は 激しい 口調 で 言った 。 げん っと|||ぼく||かけい||ここの|だい|ぜん|||||まじょ||まほうつかい||かけい||ぼく||ち||だれ|||まけ|||じゅん|ち|||きみ|||ち||||||||はげしい|くちょう||いった "I tell you, my family is a family of witches and wizards that dates back to the nine generations, and my blood is as pure as anyone else, so--" "What kind of blood are you?" Kamaumon? "Harry said in a fierce tone. 「 なんで 僕 が マグル 生まれ の 者 を 襲う 必要 が ある !」 |ぼく|||うまれ||もの||おそう|ひつよう|| "Why do I need to attack those born in Muggles!"

「 君 が 一緒に 暮らして いる マグル を 憎んで るって 聞いた よ 」 アーニー が 即座に 答えた 。 きみ||いっしょに|くらして||||にくんで|る って|きいた||||そくざに|こたえた "I heard you hate the Muggles you live with," Arnie replied immediately. 「 ダーズリー たち と 一緒に 暮らして いたら 、 憎ま ないで いられる もん か 。 |||いっしょに|くらして||にくま||いら れる|| "If you live with the Dursleys, can't you hate them? できる もの なら 、 君 が やって みれば いい んだ 」 ハリー が 言った 。 |||きみ||||||||いった If you can, you should try it, "Harry said.

ハリー は 踵 を 返して 、 怒り狂って 図書 館 を 出て 行った 。 ||かかと||かえして|いかりくるって|としょ|かん||でて|おこなった

大きな 呪文 の 本 の 箔 押し の 表紙 を 磨いて いた マダム ・ ピンス が 、 ジロリ と 咎める ような 目 で ハリー を 見た 。 おおきな|じゅもん||ほん||はく|おし||ひょうし||みがいて|||||||とがめる||め||||みた Madame Pince, who was polishing the foil cover of a large spellbook, gave Harry a reproachful look.

ハリー は 、 むちゃくちゃに 腹 が 立って 、 自分 が どこ に 行こう と して いる の か さえ ほとんど 意 識 せ ず 、 蹟 き ながら 廊下 を 歩いた 。 |||はら||たって|じぶん||||いこう||||||||い|しき|||あと|||ろうか||あるいた Harry was so angry that he walked down the hallway, roaring, with little idea of where he was going.

結局 、 何 か 大きくて 固い 物 に ぶつかって 、 ハリー は 仰向け に 床 に 転がって しまった 。 けっきょく|なん||おおきくて|かたい|ぶつ|||||あおむけ||とこ||ころがって| In the end, Harry lay on his back on the floor when he bumped into something big and hard.

「 あ 、 や あ 、 ハグリッド 」 ハリー は 見上げ ながら 挨拶 した 。 ||||||みあげ||あいさつ| Harry looked up and said, "Oh, hi, Hagrid.

雪 に まみれた ウール の バラクラバ 頭巾 で 、 頭から 肩 まで すっぽり 覆われて は いた が 、 厚手 木 綿 の オーバー を 着て 、 廊下 を ほとんど 全部 ふさいで いる の は 、 まざれ も なく ハグリッド だ 。 ゆき|||うーる|||ずきん||あたまから|かた|||おおわ れて||||あつで|き|めん||おーばー||きて|ろうか|||ぜんぶ||||||||| A woolen balaclava hood covered in snow, which was completely covered from head to shoulders, but with a thick cotton overcoat, almost completely blocking the corridor was unmistakably Hagrid. 手袋 を した 巨大な 手 の 一万 に 鶏 の 死骸 を ぶら下げて いる 。 てぶくろ|||きょだいな|て||いちまん||にわとり||しがい||ぶらさげて| A chicken carcass hangs from 10,000 of his huge, gloved hands.

「 ハリー 、 大丈夫 か ?」 ハグリッド は バラクラバ を 引き下げて 話しかけた 。 |だいじょうぶ||||||ひきさげて|はなしかけた

「 おまえ さん 、 なんで 授業 に 行か ん の かい ?」 |||じゅぎょう||いか||| "Why don't you go to class, sweetheart?"

「 休講 に なった んだ 」 ハリー は 床 から 起き上がり ながら 答えた 。 きゅうこう||||||とこ||おきあがり||こたえた I've been canceled," Harry replied as he got up from the floor.

「 ハグリッド こそ 何 して る の ?」 ハグリッド は ダラン と した 鶏 を 持ち上げて 見せた 。 ||なん|||||||||にわとり||もちあげて|みせた "What is Hagrid doing?" Hagrid lifted and showed the chicken that was Daran.

「 殺られた の は 今 学期 に なって 二 羽 目 だ 。 ころ られた|||いま|がっき|||ふた|はね|め| "It was the second time I was killed this semester. 狐 の 仕業 か 、『 吸 血 お化け 』 か 。 きつね||しわざ||す|ち|おばけ| Is it the work of a fox, or is it a "blood-sucking ghost"? そんで 、 校 長先 生 から 鶏 小屋 の 周り に 魔法 を かける お 許し を もらわ に ゃ 」 |こう|ながさき|せい||にわとり|こや||まわり||まほう||||ゆるし|||| Then, the principal's predecessor gave me permission to cast magic around the chicken coop. "

ハグリッド は 雪 が まだらに ついた ボサボサ 眉毛 の 下 から 、 じっと ハリー を 覗き込んだ 。 ||ゆき|||||まゆげ||した|||||のぞきこんだ Hagrid stared into Harry from under his mottled, unkempt eyebrows. 「 おまえ さん 、 ほんとに 大丈夫 か ! かっか して 、 なんか あった みたいな 顔 し とる が 」 |||だいじょうぶ|||||||かお||| "Are you sure you're okay? You took on a fiery look, like something happened to you.

ハリー は アーニー や ハッフルパフ 生 が 、 今しがた 自分 の こと を なんと 言って いた か 、 口 に す る こと さえ 耐えられ なかった 。 |||||せい||いましがた|じぶん|||||いって|||くち||||||たえ られ| Harry couldn't even bear to say what Ernie and the Hufflepuffs had just said about him. 「 なんでもない よ 」 ハリー は そう 答えた 。 |||||こたえた

「 ハグリッド 、 僕 、 もう 行か なくちゃ 。 |ぼく||いか| Hagrid, I have to go. 次 は 変身 術 だ し 、 教科 書 取り に 帰ら なきゃ 」 つぎ||へんしん|じゅつ|||きょうか|しょ|とり||かえら| Next is the transformation technique, so I have to go back to get the textbook. "

その 場 を 離れた もの の 、 ハリー は まだ アーニー の 言った こと で 頭 が いっぱいだった 。 |じょう||はなれた||||||||いった|||あたま|| Despite leaving the scene, Harry was still full of what Arnie said.

「 ジャスティン の やつ 、 うっかり 自分 が マグル 出身 だ なんて ポッター に 漏らしちゃって か ら 、 いつか は こう なる んじゃ ない かって 思って た さ ......」  ハリー は 階段 を 踏み鳴らして 上り 、 次の 廊下 の 角 を 曲がった 。 ||||じぶん|||しゅっしん|||||もらしちゃ って||||||||||おもって|||||かいだん||ふみならして|のぼり|つぎの|ろうか||かど||まがった I've been thinking about what might happen to Justin ever since he accidentally told Potter he was a Muggle. ...... Harry stomped up the stairs and turned the corner of the next hallway. そこ は 一 段 と 暗かった 。 ||ひと|だん||くらかった It was much darker there.

はめ込み の 甘い 窓 ガラス の 間 から 、 激しく 吹き込む 氷 の ような 隙間 風 が 、 松明 の 灯り を 消し て しまって いた 。 はめこみ||あまい|まど|がらす||あいだ||はげしく|ふきこむ|こおり|||すきま|かぜ||たいまつ||ともり||けし||| The icy draft blowing violently through the sweetly glazed windows had extinguished the torchlight.

廊下 の 真ん中 あたり まで 来た とき 、 床 に 転がって いる 何 か に もろ に 足 を 取ら れ 、 ハリー は 前 のめり に つんのめった 。 ろうか||まんなか|||きた||とこ||ころがって||なん|||||あし||とら||||ぜん||| When he reached the middle of the corridor, Harry leaned forward, being caught by something lying on the floor.

振り返って いったい 何 に 置いた の か 、 目 を 細めて 見た ハリー は 、 途端 に 胃袋 が 溶けて し まった ような 気 が した 。 ふりかえって||なん||おいた|||め||ほそめて|みた|||とたん||いぶくろ||とけて||||き|| Looking back, Harry squinted at what he put it in, and immediately felt that his stomach had melted. ジャスティン ・ フィンチ ・ フレッテリー が 転がって いた 。 ||||ころがって| Justin Finch Flettery was rolling.

冷たく 、 ガチガチ に 硬直 し 、 恐怖 の 跡 が 顔 に こびりつき 、 虚 ろ な 目 は 天井 を 凝視 して いる 。 つめたく|がちがち||こうちょく||きょうふ||あと||かお|||きょ|||め||てんじょう||ぎょうし||

その 隣 に もう 一 つ 、 ハリー が 今 まで 見た こと も ない 不可思議な もの が あった 。 |となり|||ひと||||いま||みた||||ふかしぎな||| Next to it was another strange thing Harry had never seen before.

「 ほとんど 首 無し ニック 」 だった 。 |くび|なし||

もはや 透明な 真珠 色 で は なり 、 黒く 煤けて 、 床 から 十五 センチ ほど 上 に 、 真 横 に じっと 動か ず に 浮いて いた 。 |とうめいな|しんじゅ|いろ||||くろく|すすけて|とこ||じゅうご|せんち||うえ||まこと|よこ|||うごか|||ういて| It was no longer a transparent pearl color, it was black and soot, and it floated about 15 centimeters above the floor, right next to it, without moving.

首 は 半分 落ち 、 顔 に は ジャスティン と 同じ 恐怖 が 貼り ついて いた 。 くび||はんぶん|おち|かお|||||おなじ|きょうふ||はり|| His neck was half off, and the same fear was plastered on his face as Justin's.

ハリー は 立ち上がった が 、 息 は たえだえ 、 心臓 は 早打ち 太鼓 の ように 肋僕 を 打った 。 ||たちあがった||いき|||しんぞう||はやうち|たいこ|||ろくぼく||うった Harry stood up, but he was breathless, and his heart struck his ribs like a fast-paced drum.

人影 の ない 廊下 の あちらこちら を 、 ハリー は 狂った ように 見回した 。 ひとかげ|||ろうか||||||くるった||みまわした Harry looked crazy around the empty corridor.

すると 、 クモ が 二 つ の 物体 から 逃げる ように 、 一 列 に なって 、 全速力 で ガサゴソ 移動 して い る の が 目 に 入った 。 |くも||ふた|||ぶったい||にげる||ひと|れつ|||ぜんそくりょく|||いどう||||||め||はいった Then I saw the spiders moving in a row at full speed, as if they were escaping from two objects.

物音 と いえば 、 両側 の 教室 から ぼんやり と 聞こえる 、 先生 方 の 声 だけ だった 。 ものおと|||りょうがわ||きょうしつ||||きこえる|せんせい|かた||こえ|| Speaking of noise, I could only hear the voices of the teachers vaguely from the classrooms on both sides.

逃げよう と 思えば 逃げられる 。 にげよう||おもえば|にげ られる If you want to escape, you can escape. ここ に ハリー が いた こと など 、 誰 に も わかり は し ない 。 |||||||だれ|||||| No one knows that Harry was here.

なのに 、 ハリー は 二 人 を 放っておく こと が でき なかった ―― 助け を 呼ば なければ ......。 |||ふた|じん||ほうっておく|||||たすけ||よば| Yet, Harry couldn't leave them alone--unless he called for help ...

でも 、 僕 が まったく 関係ないって こと 、 信じて くれる 人 が いる だろう か !  パニック 状態 で 突っ立って いる と 、 すぐ そば の 戸 が バーン と 開き 、 ポルターガイスト の ビー プズ が シューッ と 飛び出して きた 。 |ぼく|||かんけいない って||しんじて||じん|||||ぱにっく|じょうたい||つったって||||||と||||あき||||||||とびだして| But would anyone believe me that I had nothing to do with it? As I stood there in a state of panic, a nearby door burst open and a poltergeist beeps out. 「 おや まあ 、 ポッツリ 、 ポッツン 、 チビ の ポッター !」 ヒョコヒョコ 上 下 に 揺れ ながら 、 ハ リー の 脇 を 通り過ぎる とき 、 メガネ を 叩いて ずっこ けさ せ ながら 、 ビープズ が 甲高い 声 で は や した 立てた 。 ||||||||うえ|した||ゆれ|||||わき||とおりすぎる||めがね||たたいて|ず っこ||||||かんだかい|こえ|||||たてた "Oh, my God, Pottsy, Pottson, little Potter! As Harry walked by, bobbing up and down, tapping his glasses to make them slip, Beeps shouted in a high-pitched voice, "Oh, my God, Pottsy, Pottsy, little Potter! 「 ポッター 、 ここ で 何 して る ! ポッター 、 どうして ここ に いる ――」 |||なん||||||| Potter, what are you doing here? Potter, what are you doing here?

ビープズ は 空中 宙返り の 途中 で ハタ と 止まった 。 ||くうちゅう|ちゅうがえり||とちゅう||||とまった Beeps stopped in mid-air somersault.

逆さまで 、 ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 見つけた 。 さかさまで||||くび|なし|||みつけた Upside down, I found Justin and "almost-neckless Nick".

ビープズ は もう 半 回転 して 元 に 戻り 、 肺 一 杯 に 息 を 吸いこむ と 、 ハリー の 止める 間もなく 、 大声 で 叫んだ 。 |||はん|かいてん||もと||もどり|はい|ひと|さかずき||いき||すいこむ||||とどめる|まもなく|おおごえ||さけんだ The Beeps turned back half a turn and breathed in to fill their lungs, screaming loudly, shortly after Harry stopped.

「 襲わ れた ! 襲わ れた ! またまた 襲わ れた ! 生きて て も 死んで て も 、 みんな 危ない ぞ ! 命 か ら がら 逃げろ ! お ー そ ー わ ー れ ー た ー !」 バタン ―― バタン ―― バタン 。 おそわ||おそわ|||おそわ||いきて|||しんで||||あぶない||いのち||||にげろ||-||-||-||-||-|||

次々 と 廊下 の 両側 の ドア が 勢い よく 開き 、 中 から ドッと 人 が 出て きた 。 つぎつぎ||ろうか||りょうがわ||どあ||いきおい||あき|なか||どっと|じん||でて|

それ から の 数 分間 は 長かった 。 |||すう|ぶん かん||ながかった The next few minutes were long. 大 混乱 の ドタバタ で 、 ジャスティン は 踏み潰さ れ そうに なった し 、「 ほとんど 首 無し ニック 」 の 体 の 中 で 立ちすくむ 生徒 たち が 何 人 も いた 。 だい|こんらん||どたばた||||ふみつぶさ||そう に||||くび|なし|||からだ||なか||たちすくむ|せいと|||なん|じん|| In the slapstick of the turmoil, Justin was about to be trampled, and there were a number of students standing in the body of "Nearly Headless Nick." 先生 たち が 大声 で 「 静かに 」 と 怒鳴って いる 中 で 、 ハリー は 壁 に ぴったり 磔 に なった ような 格好だった 。 せんせい|||おおごえ||しずかに||どなって||なか||||かべ|||はりつけ||||かっこうだった Harry looked like a crucifixion on the wall, as the teachers yelled "quietly."

マクゴナガル 先生 が 走って きた 。 |せんせい||はしって|

あと に 続いた クラス の 生徒 の 中 に 、 白 と 黒 の 縞 模様 の 髪 の まま の 子 が 一 人 いる 。 ||つづいた|くらす||せいと||なか||しろ||くろ||しま|もよう||かみ||||こ||ひと|じん| One of the students in the following class has a child with white and black striped hair. マクゴナガ ル 先生 は 杖 を 使って バーン と 大きな 音 を 出し 、 静かに なった ところ で 、 みんな 自分 の 教室 に 戻る ように 命令 した 。 ||せんせい||つえ||つかって|||おおきな|おと||だし|しずかに|||||じぶん||きょうしつ||もどる||めいれい| Dr. McGonagall made a loud noise with a wand, and when it was quiet, everyone ordered them to return to their classroom. なんとか 騒ぎ が 収まり かけた ちょうど その とき 、 ハッフルパフ の アー ニー が 息 せき 切って その 場 に 現れた 。 |さわぎ||おさまり||||||||||いき||きって||じょう||あらわれた Just as the commotion was about to die down, Ernie from Hufflepuff appeared, gasping for air.

「 現行 犯 だ !」 顔面 蒼白 の アーニー が 芝居 の 仕草 の ように ハリー を 指差した 。 げんこう|はん||がんめん|そうはく||||しばい||しぐさ|||||ゆびさした It's a crime scene!" Ernie, his face pale, pointed at Harry as if in a theatrical gesture. 「 お やめ なさい 、 マクミラン !」 マクゴナガル 先生 が 厳しく たしなめた 。 |||まくみらん||せんせい||きびしく| "Stop it, Professor Macmillan!" McGonagall insulted him severely.

ビープズ は 上 の 方 で ニヤニヤ 意地 の 悪い 笑い を 浮かべ 、 成り行き を 見 ながら ふわふわ して い る 。 ||うえ||かた|||いじ||わるい|わらい||うかべ|なりゆき||み||||| Beeps is up there with a mean grin on his face, fluffing around, watching what's going on.

ビープズ は 大 混乱 が 好きな のだ 。 ||だい|こんらん||すきな|

先生 たち が か が み込んで 、 ジャスティン と 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 調べて いる とき に 、 ビープズ は 突然 歌い だした 。 せんせい|||||みこんで||||くび|なし|||しらべて||||||とつぜん|うたい| As the teachers crouched down to examine Justin and "Almost Headless Nick," Beeps suddenly burst into song.

♪ オー 、 ポッター 、 いやな やつ だ ! いったい おまえ は 何 を した ー おー||||||||なん|||- Oh, Potter, you son of a bitch! What the hell did you do?

おまえ は 生徒 を 皆殺し おまえ は それ が 大 愉快 ||せいと||みなごろし|||||だい|ゆかい You kill all your students. You're gonna love it.

「 お 黙り なさい 、 ビープズ 」 |だまり||

マクゴナガル 先生 が 一喝 した 。 |せんせい||いっかつ| ビープズ は ハリー に 向かって ベーッ と 舌 を 出し 、 スーッ と 後 ろ に 引っこむ ように 、 ズームアウト して 消えて しまった 。 ||||むかって|||した||だし|||あと|||ひっこむ||||きえて| Beeps stuck his tongue out at Harry, then zoomed out and disappeared behind him.

ジャスティン は 、 フリットウィック 先生 と 天文 学科 の シニストラ 先生 が 医務 室 に 運んだ 。 |||せんせい||てんもん|がっか|||せんせい||いむ|しつ||はこんだ Justin was taken to the infirmary by Dr. Flitwick and Dr. Sinistra of the Astronomy Department. 「 ほとんど 首 無し ニック 」 を どうした もの か 、 誰 も 思いつか ない 。 |くび|なし||||||だれ||おもいつか| No one can think of what happened to "Nearly Headless Nick".

結局 マクゴナガル 先生 が 何も 無い ところ から 大きな うちわ を 作り上げて 、 それ を アーニー に 持た せ 、「 ほとんど 首 無し ニック 」 を 階段 の 一 番 上 まで 煽り 上げる よう 言いつけた 。 けっきょく||せんせい||なにも|ない|||おおきな|||つくりあげて|||||もた|||くび|なし|||かいだん||ひと|ばん|うえ||あおり|あげる||いいつけた In the end, Dr. McGonagall made a big fan out of nothing, gave it to Arnie, and told him to raise "Nearly Headless Nick" to the top of the stairs.

アーニー は 言いつけ 通り 、 物 言わ ぬ 黒い ホバークラフト の ような ニック を 煽 い で 行った 。 ||いいつけ|とおり|ぶつ|いわ||くろい||||||あお|||おこなった Ernie did as he was told, and stoked up Nick, the silent black hovercraft.

あと に 残さ れた の は マクゴナガル 先生 と ハリー だけ だった 。 ||のこさ|||||せんせい|||| All that was left was Dr. McGonagall and Harry.

「 おいで なさい 、 ポッター 」

「 先生 、 誓って 言います 。 せんせい|ちかって|いい ます "Teacher, I swear. 僕 、 やってません ――」 ハリー は 即座に 言った 。 ぼく|やって ませ ん|||そくざに|いった I didn't do it," Harry said immediately. 「 ポッター 、 私 の 手 に 負えない こと です 」 マクゴナガル 先生 は そっけない 。 |わたくし||て||おえない||||せんせい|| "Potter, it's out of my control." Dr. McGonagall isn't.

二 人 は 押し黙って 歩いた 。 ふた|じん||おしだまって|あるいた 角 を 曲がる と 、 先生 は 途方 も なく 醜い 大きな 石 の 怪獣 僕 の 前 で 立 ち 止まった 。 かど||まがる||せんせい||とほう|||みにくい|おおきな|いし||かいじゅう|ぼく||ぜん||た||とまった Around the corner, the teacher stood in front of me, a ridiculously ugly big stone monster.

「 レモン ・ キャンデー !」 れもん|きゃんでー

先生 が 言った 。 せんせい||いった これ が 合言葉 だった に 違いない 。 ||あいことば|||ちがいない 怪獣 僕 が 突然 生きた 本物 に なり 、 ピョン と 跳んで 脇 に 寄り 、 その 背後 に あった 壁 が 左右 に 割れた 。 かいじゅう|ぼく||とつぜん|いきた|ほんもの|||||とんで|わき||より||はいご|||かべ||さゆう||われた Monster I suddenly became a living real thing, jumped with Pyon and leaned aside, and the wall behind it broke to the left and right.

いったい どう なる こと か と 、 恐れ で 頭 が いっぱいだった ハリー も 、 怖 さ も 忘れて びっくり し た 。 ||||||おそれ||あたま|||||こわ|||わすれて||| I was surprised to find out what would happen to Harry, who was full of fear, and forgot about his fear.

壁 の 裏 に は 螺旋 階段 が あり 、 エスカレーター の ように 滑らかに 上 の 方 へ と 動いて いる 。 かべ||うら|||らせん|かいだん|||えすかれーたー|||なめらかに|うえ||かた|||うごいて| Behind the wall is a spiral staircase that moves smoothly upward like an escalator. ハ リー が 先生 と 一緒に 階段 に 乗る と 、 二 人 の 背後 で 壁 は ドシン と 閉じた 。 |||せんせい||いっしょに|かいだん||のる||ふた|じん||はいご||かべ||||とじた As Harry and his teacher mounted the stairs, the wall closed behind them with a thud.

二 人 は クルクル と 螺旋 状 に 上 へ 上 へ と 運ばれて 行った 。 ふた|じん||くるくる||らせん|じょう||うえ||うえ|||はこば れて|おこなった そして 、 遂に 、 尐 し めまい を 感じ ながら 、 ハリー は 前方 に 輝く ような 樫 の 扉 を 見た 。 |ついに|||||かんじ||||ぜんぽう||かがやく||かし||とびら||みた Finally, feeling slightly dizzy, Harry saw a gleaming oak door ahead. 扉 に グリフィン を かたどった ノック 用 の 金具 が ついて いる 。 とびら||||||よう||かなぐ||| ハリー は どこ に 連れて 行か れる の か に 気 が ついた 。 ||||つれて|いか|||||き|| Harry realized where he was being taken. ここ は ダンブルドア の 住居 に 違いない 。 ||||じゅうきょ||ちがいない