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2 - Harry Potter, 11.1.1 決闘クラブ - The Dueling Club

11.1.1 決闘クラブ - The Dueling Club

第 11 章 決闘 クラブ - The Dueling Club

日曜 の 朝 、 ハリー が 目 を 覚ます と 、 医務 室 の 中 は 冬 の 陽射 し で 輝いて いた 。

腕 の 骨 は 再生 して いた が 、 まだ こわばった まま だった 。 ハリー は 急いで 起き上がり 、 コリン の ベッド の 方 を 見た 。

昨日 ハリー が 着替え を した とき と 同じ ように 、 コリン の ベッド も 周り を 丈 長 の カーテン で 囲って あり 、 外 から は 見え ない ように なって いた 。

ハリー が 起き 出した の に 気づいた マダム ・ ポンフリー が 、 朝食 を お盆 に 載せて 慌 しく やって きて 、 ハリー の 腕 や 指 の 曲げ 伸ばし を 始めた 。

「 すべて 順調 」

オートミール を 左手 で ぎ ご ち なり 口 に 運んで いる ハリー に 向かって 、 マダム ・ ポンフリー が 言った 。

「 食べ 終わったら 帰って よろしい 」

ハリー は 、 ぎこちない 腕 で できる かぎり 速く 着替え を すませ 、 グリフィンドール 塔 へ と 急 い だ 。

ロン と ハーマイオニー に 、 コリン や ドビー の こと を 話し たくて うずうず して いた 。

しかし 、 二 人 は い なかった 。 いったい どこ に 行った のだろう 、 と 考え ながら 、 ハリー は また 外 に 出た が 、 骨 が 生えた か どう か を 気 に も し なかった のだろう か 、 と 尐 し 傷ついて いた 。

図書 館 の 前 を 通り過ぎよう と した とき 、 パーシー ・ ウィーズリー が 中 から ふら り と 現れた 。 この前 出会った とき よく ずっと 機嫌 が よ さ そうだった 。

「 ああ 、 おはよう 、 ハリー 。 昨日 は すばらしい 飛びっぷり だった ね 。 ほんとに すばらし かった 。 グリフィンドール が 寮 杯 獲得 の トップ に 躍り出た よ ―― 君 の おかげ で 五〇 点 も 獲得 し た !」

「 ロン と ハーマイオニー を 見かけ なかった ?」 と ハリー が 開いた 。

「 いい や 、 見て ない 」 パーシー の 笑顔 が 曇った 。

「 ロン は まさか また 女子 用 トイレ なんか に いやし ない だろう ね ......」

ハリー は 無理に 笑い声 を あげて 見せた 。

そして 、 パーシー の 姿 が 見え なり なる と すぐ 「 嘆き の マートル 」 の トイレ に 直行 した 。

なぜ ロン と ハーマイオニー が また あそこ へ 行く の か 、 わけ が わから なかった が 。

とにかく フィルチ も 監督 生 も 、 誰 も 周り に いない こと を 確かめて から トイレ の ドア を 開ける と 、 二 人 の 声 が 、 内 鍵 を かけた 小 部屋 の 一 つ から 聞こえて きた 。 「 僕 だ よ 」

ドア を 後ろ手 に 閉め ながら ハリー が 声 を かけた 。

小 部屋 の 中 から ゴツン 、 パシャ 、 ハッと 息 を 呑 む 声 が した か と 思う と 、 ハーマイオニー の 片 目 が 鍵 穴 から こっち を 覗いた 。

「 ハリー ! ああ 、 驚か さ ないで よ 。 入って ―― 腕 は どう !」

「 大丈夫 」

ハリー は 狭い 小 部屋 に ぎ ゅう ぎ ゅう 入り込み ながら 答えた 。

古い 大 鍋 が 便座 の 上 に チョコン と 置か れ 、 パチパチ 音 が する ので 、 鍋 の 下 で 火 を 焚 いて いる こと が わかった 。

防水 性 の 持ち 運び できる 火 を 焚 く 呪文 は 、 ハーマイオニー の 十八 番 だった 。

「 君 に 面会 に 行く べきだった んだ けど 、 先 に ポリジュース 薬 に 取りかかろうって 決めた ん だ 」 ハリー が ぎ ゅう ぎ ゅう 詰め の 小 部屋 の 内 鍵 を なんとか 掛け 直した とき 、 ロン が 説明 した 。

「 ここ が 薬 を 隠す のに 一 番 安全な 場所 だ と 思って 」

ハリー は コリン の こと を 二 人 に 話し はじめた が 、 ハーマイオニー が それ を 遮った 。

「 もう 知って る わ 。 マクゴナガル 先生 が 今朝 、 フリットウィック 先生 に 話して る の を 間 い ちゃった の 。 だから 私 たち 、 すぐに 始め なきゃって 思った の よ ――」 「 マルフォイ に 吐か せる の が 早ければ 早い ほど いい 」 ロン が 唸る ように 言った 。

「 僕 が 何 を 考えて る か 言おう か ! マルフォイ の やつ 、 クィディッチ の 試合 の あと 、 気分 最低 で 、 腹いせ に コリン を やった んだ と 思う な 」

「 もう 一 つ 話 が ある んだ 」

ハーマイオニー が ニワヤナギ の 束 を ちぎって は 、 煎じ 薬 の 中 に 投げ入れて いる の を 眺め なが ら 、 ハリー が 言った 。

「 夜中 に ドビー が 僕 の ところ に 来た んだ 」

ロン と ハーマイオニー が 驚いた ように 顔 を 上げた 。

ハリー は ドビー の 話した こと と いう より 話して くれ なかった こと を 全部 二 人 に 話して 聞か せ た 。

ロン も ハーマイオニー も 口 を ポカン と 開けた まま 聞いて いた 。 「『 秘密の 部屋 』 は 以前 に も 開けられた こと が ある の ?」 ハーマイオニー が 聞いた 。 「 これ で 決まった な 」 ロン が 意気揚々と 言った 。

「 ルシウス ・ マルフォイ が 学生 だった とき に 『 部屋 』 を 開けた に 違いない 。 今度 は 我ら が 親 愛 ドラコ に 開け 方 を 教えた んだ 。 まちがい ない 。 それにしても 、 ドビー が そこ に どんな 怪物 が いる か 、 教えて くれて たら よかった のに 。 そんな 怪物 が 学校 の 周り を うろうろ して る の に 、 どうして 今 まで 誰 も 気づか なかった の か 、 それ が 知りたい よ 」 「 それ 、 きっと 透明に なれる の よ 」 ヒル を 突ついて 大 鍋 の 底 の 方 に 沈め ながら ハーマイオ ニー が 言った 。

「 で なき や 、 何 か に 変装 して る わ ね ―― 鎧 と か なんか に 。 『 カメレオン お化け 』 の 話 、 読 ん だ こと ある わ ......」

「 ハーマイオニー 、 君 、 本 の 読み 過ぎ だ よ 」

ロン が ヒル の 上 から 死んだ クサカゲロウ を 、 袋 ごと 鋼 に あけ ながら 言った 。

空 に なった 袋 を くしゃくしゃに 丸め ながら 、 ロン は ハリー の 方 を 振り返った 。

「 それ じゃ 、 ドビー が 僕たち の 邪魔 を して 汽車 に 乗れ なり したり へ 君 の 腕 を へし折ったり し た の か ......」 ロン は 困った もん だ 、 と いう ふうに 首 を 振り ながら 言った 。

「 ねえ 、 ハリー 、 わかる かい ? ドビー が 君 の 命 を 救おう と する の を やめ ない と 、 結局 、 君 を 死な せて しまう よ 」

コリン ・ クリービー が 襲わ れ 、 今 は 医務 室 に 死んだ ように 横たわって いる と いう ニュース は 、 月曜 の 朝 に は 学校 中 に 広まって いた 。

疑心 暗鬼 が 黒 雲 の ように 広がった 。 一 年生 は しっかり 固まって グループ で 城 の 中 を 移動 する ように なり 、 一 人 で 勝手に 動く と 襲わ れる と 怖がって いる ようだった 。

ジニー ・ ウィーズリー は 「 妖精 の 魔法 」 の クラス で コリン と 隣 合わせ の 席 だった ので 、 すっかり 落ち込んで いた 。 フレッド と ジョージ が 励まそう と した が 、 ハリー は 、 二 人 の やり 方 で は 逆 効果 だ と 思った 。

双子 は 毛 を 生やしたり 、 おでき だらけ に なったり して 、 銅像 の 陰 から 代わり ばん こ に ジニー の 前 に 飛び出した のだ 。

パーシー が カンカン に 怒って 、 ジニー が 悪夢 に うなされて いる と ママ に 手紙 を 書く ぞ と 脅し て 、 やっと 二 人 を やめ させた 。

やがて 、 先生 に 隠れて 、 魔よけ 、 お守り など 護身 用 グッズ の 取引 が 、 校 内 で 爆発 的に はやり だした 。

ネビル ・ ロングボトム は 悪臭 の する 大きな 青 たまねぎ 、 尖った 紫 の 水晶 、 腐った イモリ の 尻 尾 を 買い込んだ 。

買って しまった あと で 、 他の グリフィンドール 生 が ―― 君 は 純血 な のだ から 襲わ れる はず は ない ―― と 指摘 した 。

「 最初に フィルチ が 狙わ れた もの 」 丸顔 に 恐怖 を 浮かべて ネビル が 言った 。 「 それ に 、 僕 が スクイブ だって こと 、 みんな 知って る んだ もの 」

十二 月 の 第 二 週 目 に 、 例年 の 通り 、 マクゴナガル 先生 が クリスマス 休暇 中 、 学校 に 残る 生徒 の 名前 を 調べ に きた 。

ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー の 三 人 は 名前 を 書いた 。

マルフォイ も 残る と 聞いて 、 三 人 は ますます 怪しい と にらんだ 。 休暇 中 なら 、 ポリジュース 薬 を 使って 、 マルフォイ を うまく 白状 さ せる のに 、 絶好 の チャンス だ 。

残念 ながら 、 煎じ 薬 は まだ 半分 しか でき上がって いない 。 あと 必要な の は 、 二 角 獣 < パイコーン > の 角 と 毒 ツルヘビ の 皮 だった 。 それ を 手 に 入れる こと が できる の は 、 ただ 一 カ所 、 スネイプ 個人 の 薬 棚 しか ない 。

ハリー 自身 は 、 スネイプ の 研究 室 に 盗み に 入って 捕まる より 、 スリザリン の 伝説 の 怪物 と 対 決する 方 が まだ ましだ と 思えた 。

「 必要な の は ――」 木曜日 の 午後 の 、 スリザリン と の 合同 の 魔法 薬 の 授業 が 、 だんだん 近づ いて きた とき 、 ハーマイオニー が きびきび と 言った 。

「 気 を そらす こと よ 。 そして わたし たち の うち 誰 か 一 人 が スネイプ の 研究 室 に 忍び込み 、 必 要 な もの を いただく の 」

ハリー と ロン は 不安 げ に ハーマイオニー を 見た 。

「 わたし が 実行 犯 に なる の が いい と 思う の 」 ハーマイオニー は 、 平然と 続けた 。

「 あなた たち 二 人 は 、 今度 事 を 起こしたら 退 校 処分 でしょ 。 わたし なら 前科 が ない し 。 だか ら 、 あなた たち は 一 騒ぎ 起こして 、 ほんの 五 分 ぐらい スネイプ を 足止め して おいて くれれば それ で いい の 」

ハリー は 力なく 微笑んだ 。 スネイプ の 魔法 薬 の クラス で 騒ぎ を 起こす なんて 、 それ で 無事 と 言える なら 、 眠れる ドラゴン の 目 を 突っついて も 無事だ 、 と いう ような もの だ 。 魔法 薬 の クラス は 大 地下 牢 の 一 つ で 行わ れた 。 木曜 の 午後 の 授業 は 、 いつも と 変わら ず 進行 した 。 大 鍋 が 二十 個 、 机 と 机 の 間 で 湯気 を 立て 、 机 の 上 に は 真鍮 の 秤 と 、 材料 の 入った 広 口 ビン が 置いて ある 。 スネイプ は 煙 の 中 を 歩き回り 、 グリフィンドール 生 の 作業 に 意地 の 悪い 批評 を し 、 スリザリン 生 は それ を 聞いて ザマミロ と 嘲笑った 。 ドラコ ・ マルフォイ は スネイプ の お気に入り で 、 ロン と ハリー と に 、 ふぐ の 目玉 を 投げつけ て いた 。

それ に 仕返し を しよう もの なら 、「 不公平です 」 と 抗議 する 隙 も 与え ず 、 二 人 と も 処罰 を 受 ける こと を 、 ドラコ は 知っている のだ 。

ハリー の 「 ふくれ 薬 」 は 水っぽ 過ぎた が 、 頭 は もっと 重要な こと で いっぱいだった 。 ハーマ イオニー の 合図 を 待って いた のだ 。

スネイプ が 立ち止まって 薬 が 薄 過ぎる と 嘲った の も ほとんど 耳 に 入ら なかった 。

スネイプ が ハリー に 背 を 向けて そこ を 立ち去り 、 ネビル を いびり に 行った とき 、 ハーマイオ ニー が ハリー の 視線 を 捉えて 、 こっく り 合図 した 。 ハリー は すばやく 大 鍋 の 陰 に 身 を 隠し 、 ポケット から フレッド の 「 フィリバスター の 長々 花 火 」 を 取り出し 、 杖 で ちょいと 突ついた 。

花火 は シュウシュウ 、 パチパチ と 音 を たて はじめた 。

あと 数 秒 しか ない 。 ハリー は スッ と 立ち上がり 、 狙い を 定めて 花火 を ポーン と 高く 放り投げ た 。 まさに 命中 。

花火 は ゴイル の 大 鍋 に ポトリ と 落ちた 。

ゴイル の 薬 が 爆発 し 、 クラス 中 に 雤 の ように 降り注いだ 。

「 ふくれ 薬 」 の 飛 沫 が かかった 生徒 は 、 悲鳴 を あげた 。

マルフォイ は 、 顔 いっぱい に 薬 を 浴びて 、 鼻 が 風船 の ように 膨れ はじめた 。

ゴイル は 、 大 皿 の ように 大きく なった 目 を 、 両手 で 覆い ながら 右往左往 して いた 。

スネイプ は 騒ぎ を 鎮め 、 原因 を 突き止めよう と して いた 。

どさくさ の 中 、 ハリー は 、 ハーマイオニー が こっそり 教室 を 抜け出す の を 見届けた 。

「 静まれ ! 静まら ん か !」 スネイプ が 怒鳴った 。

「 薬 を 浴びた 者 は 『 ぺしゃんこ 薬 』 を やる から ここ へ 来い 。 誰 の 仕業 か 判明 した 暁 に は ... ...」

マルフォイ が 急いで 進み 出た 。 鼻 が 小さい メロン ほど に 膨れ 、 その 重み で 頭 を 垂れて いる の を 見て 、 ハリー は 必死で 笑い を こらえた 。

クラス の 半分 は 、 ドシンドシン と スネイプ の 机 の 前 に 重い 体 を 運んだ 。 棍棒 の ように なった 腕 を 、 だ ら り と ぶら下げて いる 者 、 唇 が 巨大に 膨れ上がって 、 口 を きく こと も でき ない 者 。 そんな 中 で 、 ハリー は 、 ハーマイオニー が する り と 地下 牢教 室 に 戻って きた の を 見た 。

ローブ の 前 の 方 が 盛り上がって いる 。

みんな が 解毒 剤 を 飲み 、 いろいろな 「 ふくれ 」 が 収まった とき 、 スネイプ は ゴイル の 大 鍋 の 底 を さらい 、 黒こげ の 縮れた 花火 の 燃え カス を すくい上げた 。 急に みんな シーン と なった 。

「 これ を 投げ入れた 者 が 誰 か わかった 暁 に は 」 スネイプ が 低い 声 で 言った 。 「 我 輩 が 、 まち が い なく そや つ を 退学 に さ せて やる 」

ハリー は 、 いったい 誰 なんだろう と いう 表情 ―― どうぞ そう 見えます ように ―― を 取り繕った 。 スネイプ が ハリー の 顔 を まっすぐに 見据えて いた 。 それ から 十 分 後 に 鳴った 終業 ベル が 、 どんなに ありがたかった か しれ ない 。 三 人 が 急いで 「 嘆き の マートル 」 の トイレ に 戻る 途中 、 ハリー は 、 二 人 に 話しかけた 。 「 スネイプ は 僕 が やったって わかって る よ 。 ばれて る よ 」

ハーマイオニー は 、 大 鍋 に 新しい 材料 を 放り込み 、 夢中で かき混ぜ はじめた 。

「 あと 二 週間 で できあがる わ よ 」 と 嬉し そうに 言った 。

「 スネイプ は 君 が やったって 証明 で きや し ない 。 あいつ に いったい 何 が できる !」

ロン が ハリー を 安心 さ せる ように 言った 。

「 相手 は スネイプ だ もの 。 何 か 臭う よ 」

ハリー が そう 言った とき 、 煎じ 薬 が ブクブク と 泡だった 。

それ から 一 週間 後 、 ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー が 玄関 ホール を 歩いて いる と 、 掲示板 の 前 に ちょっと した 人だかり が できて いて 、 貼り 出さ れた ばかりの 羊 皮 紙 を 読んで いた 。

シューマス ・ フィネガン と ディーン ・ トーマス が 、 興奮 した 顔 で 三 人 を 手招き した 。 「『 決闘 クラブ 』 を 始める んだって !」 シューマス が 言った 。 「 今夜 が 第 一 回 目 だ 。 決闘 の 練習 なら 悪く ない な 。 近々 役 に 立つ かも ......」 「 え ! ハリー 、 スリザリン の 怪物 と 決闘 なんか できる と 思って る の !」 そう 言い ながら も 、 ロン も 興味 津 々 で 掲示 を 読んだ 。 「 役 に 立つ かも ね 」 三 人 で 夕食 に 向かう 途中 、 ロン が ハリー と ハーマイオニー に 言った 。 「 僕たち も 行こう か !」 ハリー も ハーマイオニー も 大 乗り気で 、 その 晩 八 時 に 三 人 は 、 再び 大広間 へ と 急いだ 。 食事 用 の 長い テーブル は 取り払わ れ 、 一方 の 壁 に 沿って 、 金色 の 舞台 が 出現 して いた 。

何 千 本もの 蝋燭 が 宙 を 漂い 、 舞台 を 照らして いる 。 天井 は 何度 も 見慣れた ビロード の ような 黒 で 、 その 下 に は 、 おのおの 杖 を 持ち 、 興奮 した 面持ち で 、 ほとんど 学校 中 の 生徒 が 集 まって いる ようだった 。 「 いったい 誰 が 教える の かしら ?」 ペチャクチャ と 、 おしゃべりな 生徒 たち の 群れ の 中 に 割 り 込み ながら 、 ハーマイオニー が 言った 。

「 誰 か が 言って た けど 、 フリットウィック 先生って 、 若い とき 、 決闘 チャンピオン だった ん ですって 。 たぶん 彼 だ わ 」

「 誰 だって いい よ 。 あいつ で なければ ......」 と ハリー が 言い かけた が 、 その あと は うめき声 だった 。

ギルデロイ ・ ロックハート が 舞台 に 登場 した のだ 。

きらびやかに 深 紫 の ローブ を まとい 、 後ろ に 、 誰 あろう 、 いつも の 黒 装束 の スネイブ を 従え て いる 。

ロック ハート は 観衆 に 手 を 振り 「 静粛に 」 と 呼びかけた 。

「 みなさん 、 集まって 。 さあ 、 集まって 。 みなさん 、 私 が よく 見えます か ! 私 の 声 が 聞こえます か ! 結構 、 結構 !」 「 ダンブルドア 校長 先生 から 、 私 が この 小さな 決闘 クラブ を 始める お 許し を いただき まし た 。 私 自身 が 、 数え 切れ ない ほど 経験 して きた ように 、 自ら を 護 る 必要 が 生じた 万一 の 場合に 備えて 、 みなさん を しっかり 鍛え 上げる ため に です ―― 詳しく は 、 私 の 著書 を 読んで くだ さい 」

「 では 、 助手 の スネイプ 先生 を ご 紹介 しましょう 」 ロック ハート は 満面 の 笑み を 振りまいた 。

「 スネイプ 先生 が おっしゃる に は 、 決闘 に ついて ごく わずか ご存知 らしい 。 訓練 を 始める に あたり 、 短い 模範 演技 を する のに 、 勇敢に も 、 手伝って くださる と いう ご 了承 を いただき ま した 。 さて さて 、 お 若い みなさん に ご 心配 を お かけ したく は ありません ―― 私 が 彼 と 手 合わ せ した あと でも 、 みなさん の 魔法 薬 の 先生 は 、 ちゃんと 存在 します 。 ご 心配 め さる な !」

「 相 討ち で 、 両方 やられっち まえば いい と 思わ ない か ?」 ロン が ハリー の 耳 に ささやいた 。 スネイプ の 上 唇 が めくれ上がって いた 。 ロック ハート は よく 笑って いられる な 、 と ハリー は 思った 。 ―― スネイプ が あんな 表情 で 僕 を 見たら 、 僕 なら 回れ 右 して 、 全速力 で スネイプ から 逃げる けど ――。

ロック ハート と スネイプ は 向き合って 一礼 した 。

尐 なく と も ロック ハート の 方 は 、 腕 を 振り上げ 、 くねくね 回し ながら 体 の 前 に 持ってきて 、 大げさな 礼 を した 。

スネイプ は 不機嫌に ぐ いと 頭 を 下げた だけ だった 。

それ から 二 人 と も 杖 を 剣 の ように 前 に 突き出して 構えた 。

「 ご覧 の ように 、 私 たち は 作法 に 従って 杖 を 構えて います 」 ロック ハート は シーン と した 観衆 に 向かって 説明 した 。

「 三 つ 数えて 、 最初の 術 を かけます 。 もちろん 、 どちら も 相手 を 殺す つもり は ありません 」 「 僕 に は そう は 思え ない けど 」 スネイプ が 歯 を むき 出して いる の を 見て 、 ハリー が 呟いた 。

「 一 ―― 二 ―― 三 ――」

二 人 と も 杖 を 肩 より 高く 振り上げた 。 スネイプ が 叫んだ 。 「 エクスペリアームス !< 武器 よ 去れ >」

11.1.1 決闘クラブ - The Dueling Club けっとう くらぶ|the|dueling|club 11.1.1 The Dueling Club 11.1.1 Klub pojedynków - Klub pojedynków 11.1.1 Дуэльный клуб - Дуэльный клуб 11.1.1 Dueling Club - Duelingklubben 11.1.1 決鬥俱樂部

第 11 章 決闘 クラブ - The Dueling Club だい|しょう|けっとう|くらぶ|the|dueling|club

日曜 の 朝 、 ハリー が 目 を 覚ます と 、 医務 室 の 中 は 冬 の 陽射 し で 輝いて いた 。 にちよう||あさ|||め||さます||いむ|しつ||なか||ふゆ||ひざし|||かがやいて| When Harry woke up on Sunday morning, the inside of the medical office was shining in the winter sun.

腕 の 骨 は 再生 して いた が 、 まだ こわばった まま だった 。 うで||こつ||さいせい||||||| The bones of the arm were regenerating, but they were still stiff. ハリー は 急いで 起き上がり 、 コリン の ベッド の 方 を 見た 。 ||いそいで|おきあがり|||べっど||かた||みた Harry got up in a hurry and looked towards Colin's bed.

昨日 ハリー が 着替え を した とき と 同じ ように 、 コリン の ベッド も 周り を 丈 長 の カーテン で 囲って あり 、 外 から は 見え ない ように なって いた 。 きのう|||きがえ|||||おなじ||||べっど||まわり||たけ|ちょう||かーてん||かこって||がい|||みえ|||| Just as Harry changed his clothes yesterday, Colin's bed was surrounded by a long curtain that was invisible from the outside.

ハリー が 起き 出した の に 気づいた マダム ・ ポンフリー が 、 朝食 を お盆 に 載せて 慌 しく やって きて 、 ハリー の 腕 や 指 の 曲げ 伸ばし を 始めた 。 ||おき|だした|||きづいた||||ちょうしょく||おぼん||のせて|こう||||||うで||ゆび||まげ|のばし||はじめた Madame Pomfrey, noticing Harry's waking up, rushed to put breakfast on the tray and began to bend and stretch Harry's arms and fingers.

「 すべて 順調 」 |じゅんちょう "Everything is going well"

オートミール を 左手 で ぎ ご ち なり 口 に 運んで いる ハリー に 向かって 、 マダム ・ ポンフリー が 言った 。 ||ひだりて||||||くち||はこんで||||むかって||||いった Madame Pomfrey said to Harry, who was carrying the oatmeal with his left hand and his mouth.

「 食べ 終わったら 帰って よろしい 」 たべ|おわったら|かえって| "You may go home when you finish eating."

ハリー は 、 ぎこちない 腕 で できる かぎり 速く 着替え を すませ 、 グリフィンドール 塔 へ と 急 い だ 。 |||うで||||はやく|きがえ||すま せ||とう|||きゅう||

ロン と ハーマイオニー に 、 コリン や ドビー の こと を 話し たくて うずうず して いた 。 ||||||||||はなし||||

しかし 、 二 人 は い なかった 。 |ふた|じん||| But there weren't two. いったい どこ に 行った のだろう 、 と 考え ながら 、 ハリー は また 外 に 出た が 、 骨 が 生えた か どう か を 気 に も し なかった のだろう か 、 と 尐 し 傷ついて いた 。 |||おこなった|||かんがえ|||||がい||でた||こつ||はえた|||||き||||||||||きずついて| Harry went out again, wondering where he had gone, but was hurt, wondering if he had bones or not.

図書 館 の 前 を 通り過ぎよう と した とき 、 パーシー ・ ウィーズリー が 中 から ふら り と 現れた 。 としょ|かん||ぜん||とおりすぎよう|||||||なか|||||あらわれた As I tried to pass in front of the library, Percy Weasley fluttered from the inside. この前 出会った とき よく ずっと 機嫌 が よ さ そうだった 。 この まえ|であった||||きげん||||そう だった When I met him the other day, he seemed to be in a good mood all the time.

「 ああ 、 おはよう 、 ハリー 。 昨日 は すばらしい 飛びっぷり だった ね 。 きのう|||とび っぷり|| ほんとに すばらし かった 。 グリフィンドール が 寮 杯 獲得 の トップ に 躍り出た よ ―― 君 の おかげ で 五〇 点 も 獲得 し た !」 ||りょう|さかずき|かくとく||とっぷ||おどりでた||きみ||||いつ|てん||かくとく|| Gryffindor has jumped to the top of the dorm cups-thanks to you, you've scored fifty points! "

「 ロン と ハーマイオニー を 見かけ なかった ?」 と ハリー が 開いた 。 ||||みかけ|||||あいた

「 いい や 、 見て ない 」 パーシー の 笑顔 が 曇った 。 ||みて||||えがお||くもった "No, I haven't seen it." Percy's smile became cloudy.

「 ロン は まさか また 女子 用 トイレ なんか に いやし ない だろう ね ......」 ||||じょし|よう|といれ|||||| "Ron wouldn't heal the girls' toilet again ..."

ハリー は 無理に 笑い声 を あげて 見せた 。 ||むりに|わらいごえ|||みせた Harry forced him to laugh.

そして 、 パーシー の 姿 が 見え なり なる と すぐ 「 嘆き の マートル 」 の トイレ に 直行 した 。 |||すがた||みえ|||||なげき||||といれ||ちょっこう| Then, as soon as Percy was visible, he went straight to the toilet of "Moaning Myrtle".

なぜ ロン と ハーマイオニー が また あそこ へ 行く の か 、 わけ が わから なかった が 。 ||||||||いく||||||| I didn't understand why Ron and Hermione went there again.

とにかく フィルチ も 監督 生 も 、 誰 も 周り に いない こと を 確かめて から トイレ の ドア を 開ける と 、 二 人 の 声 が 、 内 鍵 を かけた 小 部屋 の 一 つ から 聞こえて きた 。 |||かんとく|せい||だれ||まわり|||||たしかめて||といれ||どあ||あける||ふた|じん||こえ||うち|かぎ|||しょう|へや||ひと|||きこえて| Anyway, when I opened the toilet door after making sure that no one was around, neither Filch nor the supervisor, I heard two voices from one of the small rooms with the internal lock. 「 僕 だ よ 」 ぼく||

ドア を 後ろ手 に 閉め ながら ハリー が 声 を かけた 。 どあ||うしろで||しめ||||こえ|| Harry called out, closing the door behind him.

小 部屋 の 中 から ゴツン 、 パシャ 、 ハッと 息 を 呑 む 声 が した か と 思う と 、 ハーマイオニー の 片 目 が 鍵 穴 から こっち を 覗いた 。 しょう|へや||なか||||はっと|いき||どん||こえ|||||おもう||||かた|め||かぎ|あな||||のぞいた I wondered if there was a breathtaking voice from inside the small room, and one of Hermione's eyes looked into me through the keyhole.

「 ハリー ! ああ 、 驚か さ ないで よ 。 ||おどろか||| "Harry! Oh, don't scare me. 入って ―― 腕 は どう !」 はいって|うで||

「 大丈夫 」 だいじょうぶ

ハリー は 狭い 小 部屋 に ぎ ゅう ぎ ゅう 入り込み ながら 答えた 。 ||せまい|しょう|へや||||||はいりこみ||こたえた

古い 大 鍋 が 便座 の 上 に チョコン と 置か れ 、 パチパチ 音 が する ので 、 鍋 の 下 で 火 を 焚 いて いる こと が わかった 。 ふるい|だい|なべ||べんざ||うえ||||おか|||おと||||なべ||した||ひ||ふん|||||

防水 性 の 持ち 運び できる 火 を 焚 く 呪文 は 、 ハーマイオニー の 十八 番 だった 。 ぼうすい|せい||もち|はこび||ひ||ふん||じゅもん||||じゅうはち|ばん| The waterproof, portable, fire-burning spell was Hermione's eighteenth.

「 君 に 面会 に 行く べきだった んだ けど 、 先 に ポリジュース 薬 に 取りかかろうって 決めた ん だ 」 きみ||めんかい||いく||||さき|||くすり||とりかかろう って|きめた|| "I should have gone to see you, but I decided to start with the Polyjuice drug first." ハリー が ぎ ゅう ぎ ゅう 詰め の 小 部屋 の 内 鍵 を なんとか 掛け 直した とき 、 ロン が 説明 した 。 ||||||つめ||しょう|へや||うち|かぎ|||かけ|なおした||||せつめい| When Harry managed to re-lock the inside of the cramped compartment, Ron explained, "I'm not sure I'm going to be able to get in there.

「 ここ が 薬 を 隠す のに 一 番 安全な 場所 だ と 思って 」 ||くすり||かくす||ひと|ばん|あんぜんな|ばしょ|||おもって

ハリー は コリン の こと を 二 人 に 話し はじめた が 、 ハーマイオニー が それ を 遮った 。 ||||||ふた|じん||はなし|||||||さえぎった Harry started talking to them about Colin, but Hermione interrupted it.

「 もう 知って る わ 。 |しって|| I already know. マクゴナガル 先生 が 今朝 、 フリットウィック 先生 に 話して る の を 間 い ちゃった の 。 |せんせい||けさ||せんせい||はなして||||あいだ||ちゃ った| だから 私 たち 、 すぐに 始め なきゃって 思った の よ ――」 |わたくし|||はじめ|なきゃ って|おもった|| 「 マルフォイ に 吐か せる の が 早ければ 早い ほど いい 」 ロン が 唸る ように 言った 。 ||はか||||はやければ|はやい|||||うなる||いった The sooner we can get Malfoy to talk, the better," Ron growled.

「 僕 が 何 を 考えて る か 言おう か ! マルフォイ の やつ 、 クィディッチ の 試合 の あと 、 気分 最低 で 、 腹いせ に コリン を やった んだ と 思う な 」 ぼく||なん||かんがえて|||いおう|||||||しあい|||きぶん|さいてい||はらいせ|||||||おもう| "I'll tell you what I'm thinking! I think that Malfoy was in a bad mood after the Quidditch match, and he took out Colin out of spite.

「 もう 一 つ 話 が ある んだ 」 |ひと||はなし||| "There is another story."

ハーマイオニー が ニワヤナギ の 束 を ちぎって は 、 煎じ 薬 の 中 に 投げ入れて いる の を 眺め なが ら 、 ハリー が 言った 。 ||||たば||||せんじ|くすり||なか||なげいれて||||ながめ|な が||||いった Harry said, watching Hermione tear off the bunch of Niwayanagi and throw it into the decoction.

「 夜中 に ドビー が 僕 の ところ に 来た んだ 」 よなか||||ぼく||||きた| "Dobby came to me in the middle of the night."

ロン と ハーマイオニー が 驚いた ように 顔 を 上げた 。 ||||おどろいた||かお||あげた

ハリー は ドビー の 話した こと と いう より 話して くれ なかった こと を 全部 二 人 に 話して 聞か せ た 。 ||||はなした|||||はなして|||||ぜんぶ|ふた|じん||はなして|きか|| Harry told them everything that Dobby didn't say, rather than what he said.

ロン も ハーマイオニー も 口 を ポカン と 開けた まま 聞いて いた 。 ||||くち||||あけた||きいて| Both Ron and Hermione were listening with their mouths open. 「『 秘密の 部屋 』 は 以前 に も 開けられた こと が ある の ?」 ハーマイオニー が 聞いた 。 ひみつの|へや||いぜん|||あけ られた|||||||きいた 「 これ で 決まった な 」 ロン が 意気揚々と 言った 。 ||きまった||||いきようようと|いった "It's decided," Ron said triumphantly.

「 ルシウス ・ マルフォイ が 学生 だった とき に 『 部屋 』 を 開けた に 違いない 。 |||がくせい||||へや||あけた||ちがいない "Must have opened the'room'when Lucius Malfoy was a student. 今度 は 我ら が 親 愛 ドラコ に 開け 方 を 教えた んだ 。 こんど||われら||おや|あい|||あけ|かた||おしえた| This time we taught Dear Draco how to open it. まちがい ない 。 それにしても 、 ドビー が そこ に どんな 怪物 が いる か 、 教えて くれて たら よかった のに 。 ||||||かいぶつ||||おしえて|||| Anyway, I wish Dobby could tell me what kind of monster was there. そんな 怪物 が 学校 の 周り を うろうろ して る の に 、 どうして 今 まで 誰 も 気づか なかった の か 、 それ が 知りたい よ 」 |かいぶつ||がっこう||まわり||||||||いま||だれ||きづか||||||しり たい| I want to know why such a monster is wandering around the school and no one has ever noticed it. " 「 それ 、 きっと 透明に なれる の よ 」 ヒル を 突ついて 大 鍋 の 底 の 方 に 沈め ながら ハーマイオ ニー が 言った 。 ||とうめいに||||||つついて|だい|なべ||そこ||かた||しずめ|||||いった "That's sure to be transparent," said Hermione, poking the leech and sinking it towards the bottom of the pot.

「 で なき や 、 何 か に 変装 して る わ ね ―― 鎧 と か なんか に 。 |||なん|||へんそう|||||よろい|||| "I'm disguised as something, like armor." 『 カメレオン お化け 』 の 話 、 読 ん だ こと ある わ ......」 |おばけ||はなし|よ||||| I've read the story of "Cameleon Haunted" ... "

「 ハーマイオニー 、 君 、 本 の 読み 過ぎ だ よ 」 |きみ|ほん||よみ|すぎ|| "Hermione, you read too much of the book."

ロン が ヒル の 上 から 死んだ クサカゲロウ を 、 袋 ごと 鋼 に あけ ながら 言った 。 ||||うえ||しんだ|||ふくろ||はがね||||いった Ron said the dead lacewing from the top of the leech, opening the bag and steel into the steel.

空 に なった 袋 を くしゃくしゃに 丸め ながら 、 ロン は ハリー の 方 を 振り返った 。 から|||ふくろ|||まるめ||||||かた||ふりかえった Ron looked back at Harry, crumpling the empty bag.

「 それ じゃ 、 ドビー が 僕たち の 邪魔 を して 汽車 に 乗れ なり したり へ 君 の 腕 を へし折ったり し た の か ......」 ロン は 困った もん だ 、 と いう ふうに 首 を 振り ながら 言った 。 ||||ぼくたち||じゃま|||きしゃ||のれ||||きみ||うで||へしおったり|||||||こまった||||||くび||ふり||いった "Then, did Dobby get in the way of us and get on the train or break your arm ..." Ron shook his head, saying that he was in trouble. I said while.

「 ねえ 、 ハリー 、 わかる かい ? ドビー が 君 の 命 を 救おう と する の を やめ ない と 、 結局 、 君 を 死な せて しまう よ 」 ||||||きみ||いのち||すくおう||||||||けっきょく|きみ||しな||| "Hey, Harry, do you know? If Dobby doesn't stop trying to save your life, you'll end up killing you."

コリン ・ クリービー が 襲わ れ 、 今 は 医務 室 に 死んだ ように 横たわって いる と いう ニュース は 、 月曜 の 朝 に は 学校 中 に 広まって いた 。 |||おそわ||いま||いむ|しつ||しんだ||よこたわって||||にゅーす||げつよう||あさ|||がっこう|なか||ひろまって| The news that Colin Creevy had been attacked and was now lying dead in the infirmary had spread throughout the school by Monday morning.

疑心 暗鬼 が 黒 雲 の ように 広がった 。 ぎしん|あんき||くろ|くも|||ひろがった Doubts and fears spread like black clouds. 一 年生 は しっかり 固まって グループ で 城 の 中 を 移動 する ように なり 、 一 人 で 勝手に 動く と 襲わ れる と 怖がって いる ようだった 。 ひと|ねんせい|||かたまって|ぐるーぷ||しろ||なか||いどう||||ひと|じん||かってに|うごく||おそわ|||こわがって|| The first graders began to solidify and move through the castle as a group, and seemed scared to be attacked if they moved on their own.

ジニー ・ ウィーズリー は 「 妖精 の 魔法 」 の クラス で コリン と 隣 合わせ の 席 だった ので 、 すっかり 落ち込んで いた 。 |||ようせい||まほう||くらす||||となり|あわせ||せき||||おちこんで| Ginny Weasley was completely depressed because he was sitting next to Colin in the "Fairy Magic" class. フレッド と ジョージ が 励まそう と した が 、 ハリー は 、 二 人 の やり 方 で は 逆 効果 だ と 思った 。 ||じょーじ||はげまそう||||||ふた|じん|||かた|||ぎゃく|こうか|||おもった Fred and George tried to cheer him up, but Harry thought they were having the opposite effect.

双子 は 毛 を 生やしたり 、 おでき だらけ に なったり して 、 銅像 の 陰 から 代わり ばん こ に ジニー の 前 に 飛び出した のだ 。 ふたご||け||はやしたり||||||どうぞう||かげ||かわり||||||ぜん||とびだした| The twins grew hair and became full of boil, and jumped out of the shadow of the statue in front of Genie.

パーシー が カンカン に 怒って 、 ジニー が 悪夢 に うなされて いる と ママ に 手紙 を 書く ぞ と 脅し て 、 やっと 二 人 を やめ させた 。 ||かんかん||いかって|||あくむ|||||まま||てがみ||かく|||おどし|||ふた|じん|||さ せた Percy was angry with Kankan and threatened to write a letter to Mom that Ginny had a nightmare, and finally stopped them.

やがて 、 先生 に 隠れて 、 魔よけ 、 お守り など 護身 用 グッズ の 取引 が 、 校 内 で 爆発 的に はやり だした 。 |せんせい||かくれて|まよけ|おもり||ごしん|よう|ぐっず||とりひき||こう|うち||ばくはつ|てきに|| Eventually, hiding behind the teacher, trading of self-defense goods such as amulets and amulets began explosively within the school.

ネビル ・ ロングボトム は 悪臭 の する 大きな 青 たまねぎ 、 尖った 紫 の 水晶 、 腐った イモリ の 尻 尾 を 買い込んだ 。 |||あくしゅう|||おおきな|あお||とがった|むらさき||すいしょう|くさった|いもり||しり|お||かいこんだ Neville Longbottom bought a large, stinking green onion, a sharp purple crystal, and a rotten newt tail.

買って しまった あと で 、 他の グリフィンドール 生 が ―― 君 は 純血 な のだ から 襲わ れる はず は ない ―― と 指摘 した 。 かって||||たの||せい||きみ||じゅんけつ||||おそわ||||||してき| After I bought it, another Gryffindor student pointed out that you shouldn't be attacked because you're pure blood.

「 最初に フィルチ が 狙わ れた もの 」 丸顔 に 恐怖 を 浮かべて ネビル が 言った 。 さいしょに|||ねらわ|||まるがお||きょうふ||うかべて|||いった "The first thing Filch was aimed at," said Neville, with a horror on his round face. 「 それ に 、 僕 が スクイブ だって こと 、 みんな 知って る んだ もの 」 ||ぼく||||||しって||| "And everyone knows that I'm a squib."

十二 月 の 第 二 週 目 に 、 例年 の 通り 、 マクゴナガル 先生 が クリスマス 休暇 中 、 学校 に 残る 生徒 の 名前 を 調べ に きた 。 じゅうに|つき||だい|ふた|しゅう|め||れいねん||とおり||せんせい||くりすます|きゅうか|なか|がっこう||のこる|せいと||なまえ||しらべ||

ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー の 三 人 は 名前 を 書いた 。 ||||みっ|じん||なまえ||かいた

マルフォイ も 残る と 聞いて 、 三 人 は ますます 怪しい と にらんだ 。 ||のこる||きいて|みっ|じん|||あやしい|| When they heard that Malfoy was staying behind, the three of them became increasingly suspicious. 休暇 中 なら 、 ポリジュース 薬 を 使って 、 マルフォイ を うまく 白状 さ せる のに 、 絶好 の チャンス だ 。 きゅうか|なか|||くすり||つかって||||はくじょう||||ぜっこう||ちゃんす| If you're on vacation, this is the perfect time to use the Polyjuice Potion to successfully get Malfoy to confess.

残念 ながら 、 煎じ 薬 は まだ 半分 しか でき上がって いない 。 ざんねん||せんじ|くすり|||はんぶん||できあがって| Unfortunately, the decoction is only half done. あと 必要な の は 、 二 角 獣 < パイコーン > の 角 と 毒 ツルヘビ の 皮 だった 。 |ひつような|||ふた|かど|けだもの|||かど||どく|||かわ| All that was needed was the horns of the two-horned beast <Paicorn> and the skin of the poisonous vine snake. それ を 手 に 入れる こと が できる の は 、 ただ 一 カ所 、 スネイプ 個人 の 薬 棚 しか ない 。 ||て||いれる|||||||ひと|かしょ||こじん||くすり|たな|| There is only one place to get it: Snape's private medicine cabinet.

ハリー 自身 は 、 スネイプ の 研究 室 に 盗み に 入って 捕まる より 、 スリザリン の 伝説 の 怪物 と 対 決する 方 が まだ ましだ と 思えた 。 |じしん||||けんきゅう|しつ||ぬすみ||はいって|つかまる||||でんせつ||かいぶつ||たい|けっする|かた|||||おもえた Harry himself seemed better off confronting Slytherin's legendary monster than stealing and being caught in Snape's lab.

「 必要な の は ――」 木曜日 の 午後 の 、 スリザリン と の 合同 の 魔法 薬 の 授業 が 、 だんだん 近づ いて きた とき 、 ハーマイオニー が きびきび と 言った 。 ひつような|||もくようび||ごご|||||ごうどう||まほう|くすり||じゅぎょう|||ちかづ||||||||いった Hermione said briskly as Thursday afternoon's joint Potions class with Slytherin grew closer and closer.

「 気 を そらす こと よ 。 き|||| "Don't be distracted. そして わたし たち の うち 誰 か 一 人 が スネイプ の 研究 室 に 忍び込み 、 必 要 な もの を いただく の 」 |||||だれ||ひと|じん||||けんきゅう|しつ||しのびこみ|ひつ|かなめ||||| Then one of us will sneak into Snape's lab and get what we need."

ハリー と ロン は 不安 げ に ハーマイオニー を 見た 。 ||||ふあん|||||みた Harry and Ron looked at Hermione nervously.

「 わたし が 実行 犯 に なる の が いい と 思う の 」 ハーマイオニー は 、 平然と 続けた 。 ||じっこう|はん|||||||おもう||||へいぜんと|つづけた "I think it's good for me to be the perpetrator," Hermione continued calmly.

「 あなた たち 二 人 は 、 今度 事 を 起こしたら 退 校 処分 でしょ 。 ||ふた|じん||こんど|こと||おこしたら|しりぞ|こう|しょぶん| You two will be expelled from school if you ever cause trouble again. わたし なら 前科 が ない し 。 ||ぜんか||| I don't have a criminal record. だか ら 、 あなた たち は 一 騒ぎ 起こして 、 ほんの 五 分 ぐらい スネイプ を 足止め して おいて くれれば それ で いい の 」 |||||ひと|さわぎ|おこして||いつ|ぶん||||あしどめ||||||| So it's okay if you guys make a fuss and keep Snape stuck for only about five minutes. "

ハリー は 力なく 微笑んだ 。 ||ちからなく|ほおえんだ Harry smiled weakly. スネイプ の 魔法 薬 の クラス で 騒ぎ を 起こす なんて 、 それ で 無事 と 言える なら 、 眠れる ドラゴン の 目 を 突っついて も 無事だ 、 と いう ような もの だ 。 ||まほう|くすり||くらす||さわぎ||おこす||||ぶじ||いえる||ねむれる|||め||つ っ ついて||ぶじだ||||| It's like making a fuss in Snape's magical class, and if that's okay, it's okay to poke the eyes of a sleeping dragon. 魔法 薬 の クラス は 大 地下 牢 の 一 つ で 行わ れた 。 まほう|くすり||くらす||だい|ちか|ろう||ひと|||おこなわ| The magic drug class was held in one of the Great Dungeons. 木曜 の 午後 の 授業 は 、 いつも と 変わら ず 進行 した 。 もくよう||ごご||じゅぎょう||||かわら||しんこう| Thursday afternoon classes proceeded as usual. 大 鍋 が 二十 個 、 机 と 机 の 間 で 湯気 を 立て 、 机 の 上 に は 真鍮 の 秤 と 、 材料 の 入った 広 口 ビン が 置いて ある 。 だい|なべ||にじゅう|こ|つくえ||つくえ||あいだ||ゆげ||たて|つくえ||うえ|||しんちゅう||はかり||ざいりょう||はいった|ひろ|くち|||おいて| There are twenty large pots, steaming between the desks, a brass scale and a wide-mouthed bottle containing the ingredients on the desk. スネイプ は 煙 の 中 を 歩き回り 、 グリフィンドール 生 の 作業 に 意地 の 悪い 批評 を し 、 スリザリン 生 は それ を 聞いて ザマミロ と 嘲笑った 。 ||けむり||なか||あるきまわり||せい||さぎょう||いじ||わるい|ひひょう||||せい||||きいて|||ちょうしょう った Snape roamed in the smoke, making nasty criticisms of Gryffindor's work, and Slytherin's ridicule with Zamamiro. ドラコ ・ マルフォイ は スネイプ の お気に入り で 、 ロン と ハリー と に 、 ふぐ の 目玉 を 投げつけ て いた 。 |||||おきにいり|||||||||めだま||なげつけ|| Draco Malfoy was Snape's favorite, throwing blowfish eyeballs at Ron and Harry.

それ に 仕返し を しよう もの なら 、「 不公平です 」 と 抗議 する 隙 も 与え ず 、 二 人 と も 処罰 を 受 ける こと を 、 ドラコ は 知っている のだ 。 ||しかえし|||||ふこうへいです||こうぎ||すき||あたえ||ふた|じん|||しょばつ||じゅ||||||しっている| Draco knows that if he were to revenge, he would not give him a chance to protest that he was "unfair," and that both of them would be punished.

ハリー の 「 ふくれ 薬 」 は 水っぽ 過ぎた が 、 頭 は もっと 重要な こと で いっぱいだった 。 |||くすり||みずっぽ|すぎた||あたま|||じゅうような||| Harry's "blister medicine" was too watery, but his head was full of more important things. ハーマ イオニー の 合図 を 待って いた のだ 。 |||あいず||まって||

スネイプ が 立ち止まって 薬 が 薄 過ぎる と 嘲った の も ほとんど 耳 に 入ら なかった 。 ||たちどまって|くすり||うす|すぎる||あざけった||||みみ||はいら| Snape stopped and mocked me when the medicine was too thin, but I could hardly hear it.

スネイプ が ハリー に 背 を 向けて そこ を 立ち去り 、 ネビル を いびり に 行った とき 、 ハーマイオ ニー が ハリー の 視線 を 捉えて 、 こっく り 合図 した 。 ||||せ||むけて|||たちさり|||||おこなった|||||||しせん||とらえて|こ っく||あいず| When Snape turned his back on Harry and left there to sniff Neville, Hermione grabbed Harry's gaze and gave a sneak peek. ハリー は すばやく 大 鍋 の 陰 に 身 を 隠し 、 ポケット から フレッド の 「 フィリバスター の 長々 花 火 」 を 取り出し 、 杖 で ちょいと 突ついた 。 |||だい|なべ||かげ||み||かくし|ぽけっと||||||ながなが|か|ひ||とりだし|つえ|||つついた Harry quickly hid himself behind the pot, took out Fred's "Filibuster Fireworks" from his pocket, and poked it a little with his wand.

花火 は シュウシュウ 、 パチパチ と 音 を たて はじめた 。 はなび|||||おと|||

あと 数 秒 しか ない 。 |すう|びょう|| Only a few seconds left. ハリー は スッ と 立ち上がり 、 狙い を 定めて 花火 を ポーン と 高く 放り投げ た 。 ||||たちあがり|ねらい||さだめて|はなび||||たかく|ほうりなげ| Harry stood up quickly, aimed and threw fireworks high with a pawn. まさに 命中 。 |めいちゅう It's a true hit.

花火 は ゴイル の 大 鍋 に ポトリ と 落ちた 。 はなび||||だい|なべ||||おちた The fireworks fell into Goyle's big pot.

ゴイル の 薬 が 爆発 し 、 クラス 中 に 雤 の ように 降り注いだ 。 ||くすり||ばくはつ||くらす|なか|||||ふりそそいだ

「 ふくれ 薬 」 の 飛 沫 が かかった 生徒 は 、 悲鳴 を あげた 。 |くすり||と|まつ|||せいと||ひめい|| Students who were sprayed with the "blister drug" screamed.

マルフォイ は 、 顔 いっぱい に 薬 を 浴びて 、 鼻 が 風船 の ように 膨れ はじめた 。 ||かお|||くすり||あびて|はな||ふうせん|||ふくれ| Malfoy was bathed in medicine all over his face, and his nose began to swell like a balloon.

ゴイル は 、 大 皿 の ように 大きく なった 目 を 、 両手 で 覆い ながら 右往左往 して いた 。 ||だい|さら|||おおきく||め||りょうて||おおい||うおうさおう|| Goyle was going back and forth, covering his eyes, which had grown like a large plate, with both hands.

スネイプ は 騒ぎ を 鎮め 、 原因 を 突き止めよう と して いた 。 ||さわぎ||しずめ|げんいん||つきとめよう||| Snape was trying to calm the disturbance and determine the cause.

どさくさ の 中 、 ハリー は 、 ハーマイオニー が こっそり 教室 を 抜け出す の を 見届けた 。 ||なか||||||きょうしつ||ぬけだす|||みとどけた

「 静まれ ! 静まら ん か !」 スネイプ が 怒鳴った 。 しずまれ|しずまら|||||どなった

「 薬 を 浴びた 者 は 『 ぺしゃんこ 薬 』 を やる から ここ へ 来い 。 くすり||あびた|もの|||くすり||||||こい "People who have been taken medicine will come here because they will do" Peshanko medicine ". 誰 の 仕業 か 判明 した 暁 に は ... ...」 だれ||しわざ||はんめい||あかつき|| When it became clear who was doing it ... "

マルフォイ が 急いで 進み 出た 。 ||いそいで|すすみ|でた Malfoy hurried out. 鼻 が 小さい メロン ほど に 膨れ 、 その 重み で 頭 を 垂れて いる の を 見て 、 ハリー は 必死で 笑い を こらえた 。 はな||ちいさい|めろん|||ふくれ||おもみ||あたま||しだれて||||みて|||ひっしで|わらい|| Harry desperately stopped laughing when he saw his nose swelling as small as a melon and hanging his head under its weight.

クラス の 半分 は 、 ドシンドシン と スネイプ の 机 の 前 に 重い 体 を 運んだ 。 くらす||はんぶん||||||つくえ||ぜん||おもい|からだ||はこんだ Half of the class carried heavy bodies in front of Doshin Doshin and Snape's desks. 棍棒 の ように なった 腕 を 、 だ ら り と ぶら下げて いる 者 、 唇 が 巨大に 膨れ上がって 、 口 を きく こと も でき ない 者 。 こんぼう||||うで||||||ぶらさげて||もの|くちびる||きょだいに|ふくれあがって|くち|||||||もの Those who hang their arms like clubs, and those whose lips are hugely swollen and unable to speak. そんな 中 で 、 ハリー は 、 ハーマイオニー が する り と 地下 牢教 室 に 戻って きた の を 見た 。 |なか|||||||||ちか|ろうきょう|しつ||もどって||||みた Meanwhile, Harry saw Hermione returning to the underground prison room.

ローブ の 前 の 方 が 盛り上がって いる 。 ||ぜん||かた||もりあがって| The front of the robe is swelling.

みんな が 解毒 剤 を 飲み 、 いろいろな 「 ふくれ 」 が 収まった とき 、 スネイプ は ゴイル の 大 鍋 の 底 を さらい 、 黒こげ の 縮れた 花火 の 燃え カス を すくい上げた 。 ||げどく|ざい||のみ||||おさまった||||||だい|なべ||そこ|||くろこげ||ちぢれた|はなび||もえ|||すくいあげた 急に みんな シーン と なった 。 きゅうに||しーん|| Suddenly everyone became a scene.

「 これ を 投げ入れた 者 が 誰 か わかった 暁 に は 」 スネイプ が 低い 声 で 言った 。 ||なげいれた|もの||だれ|||あかつき|||||ひくい|こえ||いった "When I knew who threw this in," Snape said in a low voice. 「 我 輩 が 、 まち が い なく そや つ を 退学 に さ せて やる 」 われ|やから|||||||||たいがく|||| "I will definitely drop him out of school."

ハリー は 、 いったい 誰 なんだろう と いう 表情 ―― どうぞ そう 見えます ように ―― を 取り繕った 。 |||だれ||||ひょうじょう|||みえ ます|||とりつくろった Harry put on an expression of wondering who in the world he was - please, let me see that. スネイプ が ハリー の 顔 を まっすぐに 見据えて いた 。 ||||かお|||みすえて| それ から 十 分 後 に 鳴った 終業 ベル が 、 どんなに ありがたかった か しれ ない 。 ||じゅう|ぶん|あと||なった|しゅうぎょう|べる|||||| How grateful I was for the closing bell that rang ten minutes later. 三 人 が 急いで 「 嘆き の マートル 」 の トイレ に 戻る 途中 、 ハリー は 、 二 人 に 話しかけた 。 みっ|じん||いそいで|なげき||||といれ||もどる|とちゅう|||ふた|じん||はなしかけた 「 スネイプ は 僕 が やったって わかって る よ 。 ||ぼく||やった って||| "I know I did Snape. ばれて る よ 」 They know."

ハーマイオニー は 、 大 鍋 に 新しい 材料 を 放り込み 、 夢中で かき混ぜ はじめた 。 ||だい|なべ||あたらしい|ざいりょう||ほうりこみ|むちゅうで|かきまぜ| Hermione threw the new ingredients into a large pot and began stirring feverishly.

「 あと 二 週間 で できあがる わ よ 」 と 嬉し そうに 言った 。 |ふた|しゅうかん||||||うれし|そう に|いった "It will be ready in two weeks," he said happily.

「 スネイプ は 君 が やったって 証明 で きや し ない 。 ||きみ||やった って|しょうめい|||| Snape can't prove you did it. あいつ に いったい 何 が できる !」 |||なん|| What can he do! "

ロン が ハリー を 安心 さ せる ように 言った 。 ||||あんしん||||いった Ron said to Harry to reassure him.

「 相手 は スネイプ だ もの 。 あいて|||| "The other party is Snape. 何 か 臭う よ 」 なん||くさう| It smells something. "

ハリー が そう 言った とき 、 煎じ 薬 が ブクブク と 泡だった 。 |||いった||せんじ|くすり||||あわだった When Harry said this, the infusion bubbled.

それ から 一 週間 後 、 ハリー 、 ロン 、 ハーマイオニー が 玄関 ホール を 歩いて いる と 、 掲示板 の 前 に ちょっと した 人だかり が できて いて 、 貼り 出さ れた ばかりの 羊 皮 紙 を 読んで いた 。 ||ひと|しゅうかん|あと|||||げんかん|ほーる||あるいて|||けいじばん||ぜん||||ひとだかり||||はり|ださ|||ひつじ|かわ|かみ||よんで| A week later, as Harry, Ron, and Hermione were walking down the front hall, there was a small crowd in front of the bulletin board, reading the freshly pasted sheep skin.

シューマス ・ フィネガン と ディーン ・ トーマス が 、 興奮 した 顔 で 三 人 を 手招き した 。 ||||||こうふん||かお||みっ|じん||てまねき| Schumas Finnegan and Dean Thomas beckoned to them with excited faces. 「『 決闘 クラブ 』 を 始める んだって !」 シューマス が 言った 。 けっとう|くらぶ||はじめる|ん だって|||いった 「 今夜 が 第 一 回 目 だ 。 こんや||だい|ひと|かい|め| "Tonight is the first time. 決闘 の 練習 なら 悪く ない な 。 けっとう||れんしゅう||わるく|| It's not bad if you practice duels. 近々 役 に 立つ かも ......」 「 え ! ハリー 、 スリザリン の 怪物 と 決闘 なんか できる と 思って る の !」 そう 言い ながら も 、 ロン も 興味 津 々 で 掲示 を 読んだ 。 ちかぢか|やく||たつ||||||かいぶつ||けっとう||||おもって||||いい|||||きょうみ|つ|||けいじ||よんだ Maybe it will be useful in the near future ... "" Eh! Harry, I think we can have a duel with the Slytherin monster! "While saying so, Ron also read the bulletin with interest. 「 役 に 立つ かも ね 」 三 人 で 夕食 に 向かう 途中 、 ロン が ハリー と ハーマイオニー に 言った 。 やく||たつ|||みっ|じん||ゆうしょく||むかう|とちゅう|||||||いった Maybe it'll help," Ron said to Harry and Hermione as the three of them were on their way to dinner. 「 僕たち も 行こう か !」 ハリー も ハーマイオニー も 大 乗り気で 、 その 晩 八 時 に 三 人 は 、 再び 大広間 へ と 急いだ 。 ぼくたち||いこう||||||だい|のりきで||ばん|やっ|じ||みっ|じん||ふたたび|おおひろま|||いそいだ 食事 用 の 長い テーブル は 取り払わ れ 、 一方 の 壁 に 沿って 、 金色 の 舞台 が 出現 して いた 。 しょくじ|よう||ながい|てーぶる||とりはらわ||いっぽう||かべ||そって|きんいろ||ぶたい||しゅつげん|| The long dining table was removed, and a golden stage appeared along one of the walls.

何 千 本もの 蝋燭 が 宙 を 漂い 、 舞台 を 照らして いる 。 なん|せん|ほんもの|ろうそく||ちゅう||ただよい|ぶたい||てらして| 天井 は 何度 も 見慣れた ビロード の ような 黒 で 、 その 下 に は 、 おのおの 杖 を 持ち 、 興奮 した 面持ち で 、 ほとんど 学校 中 の 生徒 が 集 まって いる ようだった 。 てんじょう||なんど||みなれた|びろーど|||くろ|||した||||つえ||もち|こうふん||おももち|||がっこう|なか||せいと||しゅう||| The ceiling was many times familiar velvety black, underneath each with a cane and an excited look, almost like a group of students from all over school. 「 いったい 誰 が 教える の かしら ?」 ペチャクチャ と 、 おしゃべりな 生徒 たち の 群れ の 中 に 割 り 込み ながら 、 ハーマイオニー が 言った 。 |だれ||おしえる||||||せいと|||むれ||なか||わり||こみ||||いった "Who teaches?" Said Hermione, breaking into a crowd of talkative students.

「 誰 か が 言って た けど 、 フリットウィック 先生って 、 若い とき 、 決闘 チャンピオン だった ん ですって 。 だれ|||いって||||せんせい って|わかい||けっとう|ちゃんぴおん|||で すって "Someone said that Professor Flitwick was a duel champion when he was young. たぶん 彼 だ わ 」 |かれ||

「 誰 だって いい よ 。 だれ||| "Anyone is fine. あいつ で なければ ......」 と ハリー が 言い かけた が 、 その あと は うめき声 だった 。 ||||||いい||||||うめきごえ| If it's not him, ...... Harry almost said, "If it's not him, then ," but all that followed was a groan.

ギルデロイ ・ ロックハート が 舞台 に 登場 した のだ 。 |||ぶたい||とうじょう|| Gilderoy Lockhart took the stage.

きらびやかに 深 紫 の ローブ を まとい 、 後ろ に 、 誰 あろう 、 いつも の 黒 装束 の スネイブ を 従え て いる 。 |ふか|むらさき|||||うしろ||だれ||||くろ|しょうぞく||||したがえ||

ロック ハート は 観衆 に 手 を 振り 「 静粛に 」 と 呼びかけた 。 ろっく|はーと||かんしゅう||て||ふり|せいしゅくに||よびかけた

「 みなさん 、 集まって 。 |あつまって さあ 、 集まって 。 |あつまって みなさん 、 私 が よく 見えます か ! 私 の 声 が 聞こえます か ! 結構 、 結構 !」 |わたくし|||みえ ます||わたくし||こえ||きこえ ます||けっこう|けっこう Can you see me well, everyone! Can you hear my voice! 「 ダンブルドア 校長 先生 から 、 私 が この 小さな 決闘 クラブ を 始める お 許し を いただき まし た 。 |こうちょう|せんせい||わたくし|||ちいさな|けっとう|くらぶ||はじめる||ゆるし|||| Dumbledore, the principal, has given me permission to start my own little dueling club. 私 自身 が 、 数え 切れ ない ほど 経験 して きた ように 、 自ら を 護 る 必要 が 生じた 万一 の 場合に 備えて 、 みなさん を しっかり 鍛え 上げる ため に です ―― 詳しく は 、 私 の 著書 を 読んで くだ さい 」 わたくし|じしん||かぞえ|きれ|||けいけん||||おのずから||まもる||ひつよう||しょうじた|まんいち||ばあい に|そなえて||||きたえ|あげる||||くわしく||わたくし||ちょしょ||よんで|| Just in case I need to protect myself, as I have experienced countless times, to train you well-read my book for more information. Please give me "

「 では 、 助手 の スネイプ 先生 を ご 紹介 しましょう 」 |じょしゅ|||せんせい|||しょうかい|し ましょう "Then, let me introduce you to my assistant, Professor Snape." ロック ハート は 満面 の 笑み を 振りまいた 。 ろっく|はーと||まんめん||えみ||ふりまいた Rock Heart gave a big smile.

「 スネイプ 先生 が おっしゃる に は 、 決闘 に ついて ごく わずか ご存知 らしい 。 |せんせい|||||けっとう|||||ごぞんじ| "Mr. Snape seems to know very little about the duel. 訓練 を 始める に あたり 、 短い 模範 演技 を する のに 、 勇敢に も 、 手伝って くださる と いう ご 了承 を いただき ま した 。 くんれん||はじめる|||みじかい|もはん|えんぎ||||ゆうかんに||てつだって|||||りょうしょう|||| In starting the training, I would like to thank you for your courageous help in giving me a short model performance. さて さて 、 お 若い みなさん に ご 心配 を お かけ したく は ありません ―― 私 が 彼 と 手 合わ せ した あと でも 、 みなさん の 魔法 薬 の 先生 は 、 ちゃんと 存在 します 。 |||わかい||||しんぱい||||||あり ませ ん|わたくし||かれ||て|あわ|||||||まほう|くすり||せんせい|||そんざい|し ます Well, I don't want to worry young people--even after I've worked with him, your magical medicine teacher is still there. ご 心配 め さる な !」 |しんぱい||| Don't worry! "

「 相 討ち で 、 両方 やられっち まえば いい と 思わ ない か ?」 ロン が ハリー の 耳 に ささやいた 。 そう|うち||りょうほう|やられ っち||||おもわ|||||||みみ|| "Why don't you think it's okay to do both in a fight?" Ron whispered to Harry's ear. スネイプ の 上 唇 が めくれ上がって いた 。 ||うえ|くちびる||めくれあがって| Snape's upper lip was puckered up. ロック ハート は よく 笑って いられる な 、 と ハリー は 思った 。 ろっく|はーと|||わらって|いら れる|||||おもった Harry thought that Rock Heart couldn't laugh a lot. ―― スネイプ が あんな 表情 で 僕 を 見たら 、 僕 なら 回れ 右 して 、 全速力 で スネイプ から 逃げる けど ――。 |||ひょうじょう||ぼく||みたら|ぼく||まわれ|みぎ||ぜんそくりょく||||にげる| ――If Snape looked at me with such an expression, I would turn around and run away from Snape at full speed.

ロック ハート と スネイプ は 向き合って 一礼 した 。 ろっく|はーと||||むきあって|いちれい| Lockhart and Snape turned to each other and bowed.

尐 なく と も ロック ハート の 方 は 、 腕 を 振り上げ 、 くねくね 回し ながら 体 の 前 に 持ってきて 、 大げさな 礼 を した 。 ||||ろっく|はーと||かた||うで||ふりあげ||まわし||からだ||ぜん||もってきて|おおげさな|れい|| The Rock Heart, at least, gave an exaggerated gratitude by raising his arm and twisting it in front of his body.

スネイプ は 不機嫌に ぐ いと 頭 を 下げた だけ だった 。 ||ふきげんに|||あたま||さげた|| Snape just bowed in a sullen mood.

それ から 二 人 と も 杖 を 剣 の ように 前 に 突き出して 構えた 。 ||ふた|じん|||つえ||けん|||ぜん||つきだして|かまえた

「 ご覧 の ように 、 私 たち は 作法 に 従って 杖 を 構えて います 」 ごらん|||わたくし|||さほう||したがって|つえ||かまえて|い ます As you can see, we hold our canes in the proper manner. ロック ハート は シーン と した 観衆 に 向かって 説明 した 。 ろっく|はーと||しーん|||かんしゅう||むかって|せつめい|

「 三 つ 数えて 、 最初の 術 を かけます 。 みっ||かぞえて|さいしょの|じゅつ||かけ ます "Count three and apply the first technique. もちろん 、 どちら も 相手 を 殺す つもり は ありません 」 |||あいて||ころす|||あり ませ ん Of course, neither is going to kill the other. " 「 僕 に は そう は 思え ない けど 」 スネイプ が 歯 を むき 出して いる の を 見て 、 ハリー が 呟いた 。 ぼく|||||おもえ|||||は|||だして||||みて|||つぶやいた "I don't think so," Harry muttered when he saw Snape bare his teeth.

「 一 ―― 二 ―― 三 ――」 ひと|ふた|みっ

二 人 と も 杖 を 肩 より 高く 振り上げた 。 ふた|じん|||つえ||かた||たかく|ふりあげた They both raised their canes higher than their shoulders. スネイプ が 叫んだ 。 ||さけんだ 「 エクスペリアームス !< 武器 よ 去れ >」 |ぶき||され