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ゴシック (Gosick), Gosick Episode 23

Gosick Episode 23

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) 白 の キング は ナイト に 守ら れ ―

緩慢 な 勝利 へ の 動き …

しかし 黒 の ルーク に 灰 が 差し ―

チェス ボード に 変化 が 生まれ 始める

( ルパート ) いよいよ ドイツ が ポーランド に 侵攻 を 開始 し た よう だ

しかし 我々 ソヴュール は 科学 アカデミー 総裁 ―

ジュピター ・ ロジェ の 働き に より ―

親愛 なる 国民 たち へ の 愛 を 正しく 見つめる こと が でき た

我が国 は 戦い に 手 を 染める こと は ない

全て の 窓 に 平和 の 明かり を

( 人々 の 歓声 )

( ブロワ 侯爵 ) ロジェ の 働き は 誠に すばらしい もの です な

( ブロワ 侯爵 ) だ が 実に 惜しい ( ルパート ) ん ?

その 働き が まっすぐ 国 に 捧げ られ て い た なら ば …

個人 的 な 欲望 の ため で は なく

( ルパート ) ブロワ お前 …

( ブロワ 侯爵 ) セイ ルーン 王国 を ご存じ でしょ う か ? 陛下

( ロジェ ) あ … ( ルパート ) セイ ルーン ?

( 男性 ) セイ ルーン だ と ? ( 男性 ) あの 汚らわしい 灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) の …

( ヴィクトリカ ) 圧倒 的 に 優勢 だった 白 は ここ で つまずく

気づけ ば いつしか バッド ・ ビショップ

( ブロワ 侯爵 ) セイ ルーン 王国 の 灰色 狼 は その 優れ た 知能 を 恐れ られ ―

ソヴュール に より 歴史 を 追わ れ た

彼ら は 今 でも ソヴュール を 恨 ん で いる の です

そして ―

彼ら の 風習 に “ 形見 箱 ” と いう もの が ある

これ は ある 男 の 生き た 証し

灰色 狼 の 村 で 生まれ し セイ ルーン 王国 の 末 えい の 者

そう だ ね ? この 形見 箱 の 持ち主 ―

ジュピター ・ ロジェ

( 人々 の ざわめき ) ( ルパート ) 何 ? ロ … ロジェ …

( ブロワ 侯爵 ) 彼 は 汚らわしき 己 の 身分 を 隠し ―

この 王宮 に 潜り込 ん だ

そして 前 王 を 欺き ―

輝かしき 科学 アカデミー の 総裁 と なった

それ も 全て は この ソヴュール を 乗っ取り ―

セイ ルーン 王国 を 復興 さ せよ う と もくろむ が ため

これ が 前 王 に その 身 を 偽った ジュピター ・ ロジェ の ―

誓約 書 だ

フッ

( ロジェ ) ああ … ( ブロワ 侯爵 ) 何 が 平和 だ

この 戦争 は 未来 の 世界 地図 を 大きく 変える もの

この 戦い に 加わら なけ れ ば ―

ソヴュール の 国力 は 間違い なく 低下 する

それ を ロジェ は 見越し て いる

( ロジェ ) あ … ( ルパート ) ロジェ 本当 な の か ?

( ロジェ ) ん … ( ルパート ) 答えろ ロジェ !

( ロジェ ) 陛下 …

私 は …

( どよめき )

( ガラス が 割れる 音 ) ( 男性 ) 裏切り者 が 逃げ た ぞ !

( 男性 ) おい 捜せ ! ( 男性 ) どこ だ ?

やはり 狼 …

( 部下 ) すぐ に 捜索 隊 を

よい 牙 を 抜か れ た 狼 は 飢え て 死ぬ のみ

( ヴィクトリカ ) チェス ボード は 語る

箱庭 の 小競り合い は 終わり ―

次 の ゲーム の 舞台 は …

( 市民 ) あれ を 見 て ( 市民 ) 何 だ ? あれ

( 市民 ) おい あれ どこ の 飛行機 だ ?

( 市民 ) おい 軍 だ ! う わ あ

( 市民 ) おい 軍 だ ! う わ あ

( クラクション )

( クラクション )

( クラクション )

( 人々 の 悲鳴 ) ( 市民 ) どけ ! 道 を 開けろ

( 人々 の 悲鳴 ) ( 市民 ) どけ ! 道 を 開けろ

( 市民 ) 死に たい の か ?

( 母親 ) 坊や ? 坊や ?

( 母親 ) 坊や ? 坊や ?

( クラクション )

はっ !

( 市民 ) 何 な ん だ ? ( 市民 ) 緊急 招集 らしい

( 男の子 ) う っ う っ … ( 母親 ) 坊や !

( 母親 ) ああ ! ( 男の子 ) う う っ う っ

( 母親 ) ああ …

( コル デリア ) その 手 を 離し て は いけ ない

( 母親 ) え ?

( コル デリア ) 決して 離し て は …

( コル デリア ) 己 の 魂 から 手 を …

( ロスコー ) コル デリア 俺 は お前 を …

( ロスコー ) お前 を 守る コル デリア

( コル デリア ) 私 が 守る べき は ヴィクトリカ

( 2 人 ) ん っ

( ロスコー ) 子 狼 は 王宮 の 地下 牢獄 に 捕らわれ た

我々 も 手 が 出 せ ない

( コル デリア ) 見殺し に など できる はず は ない

あれ は 私 の 魂

好機 は 必ず 来る

( セシル ) そう … アブリル さん も イギリス へ 帰っちゃ う の ね

( アブリル ) はい …

( セシル ) よ ー し 最後 の 授業 張り切っちゃ う わ よ ~ !

は ー い これ が 分かる 人 手 を 挙げ て ~ !

い ない の ~ ? じゃあ こっち から 当てる わ よ

はい ! アブリル さん

( アブリル ) あ … フフッ

( 暴徒 ) モンス トル ・ シャルマン !

( 暴徒 たち ) モンス トル ・ シャルマン モンス トル ・ シャルマン …

( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン か

どうやら オカルト 省 が 手 に 入れ た らしい が …

どうやら オカルト 省 が 手 に 入れ た らしい が …

( アブリル ) え ?

( アブリル ) え ?

( アブリル ) え ?

( 男性 ) その せい か ヤツ ら の 熱 が 上がって き た の は

( 男性 ) その せい か ヤツ ら の 熱 が 上がって き た の は

( 駅員 ) お 客 様 !

一旦 こちら へ 避難 を

( 男性 ) まったく 迷惑 な こと だ

久 城 ( くじょう ) 君 …

ヴィクト リカ さん …

( グレ ヴィール ) 本日 は オカルト 省 と し て ―

警察 の 手 を 借り たく お 願い に あがった

シニョレー 警視 総監

( シニョレー ) すっかり オカルト 省 の 手先 か グレ ヴィール

( ドア が 開く 音 )

( ジャクリーヌ ) グレ ヴィール ! はっ …

ジャクリーヌ …

あの 少年 を 国 に 帰し た と いう じゃ ない

なぜ だまし た の ?

あなた は そんな 人 じゃ なかった のに

グレ ヴィール !

( グレ ヴィール ) 父 の 考え を 遂行 する

それ が 嫡男 と し て の 私 の 役割

しかし …

( ノック )

( ドア が 開く 音 ) ( ルパート ) 誰 だ ?

( ルパート ) ああ ブロワ か

ドイツ から の 使者 に 共に 戦う 意志 の ある こと を 伝え まし た

我々 ソヴュール も いよいよ 世界 の 舞台 に 立つ の です

世界 に … か

人々 が 泣 い て いる

その 嘆き の 上 に 立つ 王国 など …

私 は 罪 なき 人々 を 嘆き の 海 に 投げ込む の か

血 の 涙 を 流さ せる の か

この 手 で …

( ブロワ 侯爵 ) 何 を 言う の です

( ルパート ) あっ

あなた は 激しい 嫉妬 と 自尊心 の ため に ―

愛 すら も 殺し た お方

( ルパート ) は っ …

ハァ ハァ ハァ …

( ブロワ 侯爵 ) その 血 塗ら れ た 手 は 二 度 と 清め られる こと は ない

その 手 を 更に 血 に 染め た と し て も ―

恐れる こと は ない の です

それ は 以前 の よう な 黒い 欲望 の ため で は ない

全て 義 の ため な の です から

( ルパート ) そう だ …

私 は … 愛 を 殺し た

( ブロワ 侯爵 ) あなた は 愛 を 殺し た

( モレラ ) 現在 各地 の 軍 を ソヴレム に 集め て ―

再 編成 を 行って い ます

( カー ミラ ) ブロワ 様 に 賛同 する 貴族 も 8 割 を 超え まし た

( ブロワ 侯爵 ) あれ は ? ( モレラ ) 志願 兵 です

( カー ミラ ) モンス トル ・ シャルマン に 心酔 し た 国民 が ―

我先に と 王宮 に 集って い ます

彼女 の 心臓 と なる べく

( ブロワ 侯爵 ) 美しき 怪物 を 生き た まま 手 に 入れる

それ は 力 を 手 に し た と 同 義

( 暴徒 たち ) モンス トル ・ シャルマン モンス トル ・ シャルマン …

( ブロワ 侯爵 ) ソヴュール の 勝利 を 確信 し ―

民衆 は 好 戦 的 に なって いる

今や この 国 全体 が オカルト 省 の しも べ

モンス トル ・ シャルマン に は もう ひと 働き し て いた だ こ う

( ヴィクトリカ ) クイーン は 東 へ 動く

しかし 黒 の ナイト は …

( ドア が 開く 音 )

( ブロワ 侯爵 ) モンス トル ・ シャルマン

ドイツ と の 同盟 は 結ば れ た

( ドア が 閉まる 音 ) さあ 次 は どう 動く ?

世界 は ? ソヴュール は ?

その チェス の 上 に 戦局 は ある

さあ 占え !

( ヴィクトリカ ) ろくに 挨拶 も せ ず に うるさい ヤツ だ

( ブロワ 侯爵 ) 貴 様 の ため に これ だけ の 本 を 用意 し て やった の だ

今 まで 根城 に し て い た 図書 館 塔 と なんら 変わら ない

( ヴィクトリカ ) そう 私 が 言った

この 場 に 本 を 集めろ と

過去 の 英知 たち は 全て を 教え て くれる

貴 様 の もくろみ も な

( ブロワ 侯爵 ) 何 ?

( ヴィクトリカ ) リヴァイアサン の メモワール が 教え て くれ た

長年 恋 焦がれ て き た ホムンクルス を ―

とうとう 作り出 せ た よう だ な 君

若き 日 錬金術 師 リヴァイアサン に 心酔 し た 君 は ―

ホムンクルス を 製造 する 夢 を 抱 い た

しかし リヴァイアサン の 錬金術 に は トリック が あった

誰 も 気づか なかった その 真実 を 突き付け られ ―

君 は 深く 傷 つい た

やはり オカルト は 力 を 持て ない の か と

だが 君 は 諦め て い なかった

リヴァイアサン の ウソ に 踊ら さ れ ―

この 国 は 多く の 金 ( きん ) や 兵士 が 消費 さ れ た

そこ から 君 は 判断 し た の だ

オカルト は 人 の 心 を 動か せる と

( 書記 ) 貴 様 ! それ 以上 の 侮辱 は …

あっ …

意 の まま に 操 れる く ぐ つ を 生み出す

いつか の リヴァイアサン に 踊ら さ れ た ―

自分 自身 の よう に

それ が 君 の ホムンクルス だ

その ホムンクルス たち が 今 ―

君 の 手元 に 手 駒 と し て そろい だし た

確か に 君 は 誰 より も オカルト の 力 を 信じ て いる

人 を 魅了 し て やま ない フェイク と し て の 力 を だ

( ブロワ 侯爵 ) ご 明 察 だ

既に 私 の 手 に よって この 国 は 動きだし た

科学 アカデミー は 追放 さ れ ルパート は 手 駒 に 落ち ―

国 中 に ホムンクルス は あふれ つつ ある

そして お前 も そう だ 灰色 狼

( ヴィクトリカ ) う っ !

イッ !

う … う う …

私 の 血 の 味 が する

お前 も また 私 が 作り出し た ホムンクルス だ

お前 は 私 の もの

その 血 も 肉 も ―

そして 知恵 の 泉 も

( ヴィクトリカ ) くっ … あ …

( ブロワ 侯爵 ) お前 の 全て は 私 の ため だけ に ある

( ドア が 閉まる 音 )

( ヴィクトリカ ) ここ に は 図書 館 塔 と 変わら ぬ たくさん の 本 が あり ―

たくさん の 知識 が ある

しかし …

ここ に は 君 が い ない

( ドア が 閉まる 音 )

( ゾフィ ) お 疲れ ( セシル ) ん ?

( セシル ) これ 残って た の !

( ゾフィ ) 甘 そう だ ね ( セシル ) 甘く ない よ

失業 し ちゃ った

( ゾフィ ) しばらく うち に おいで よ ―

身寄り ない ん だ し さ

( セシル ) うん

( セシル ) 戦争 が 終わったら 絶対 に あの 子 たち を 捜す ん だ

絶対 に

( ゾフィ ) いい 先生 だ ねえ

( ゾフィ ) 私 に も 手伝わ せ て よ ( セシル ) うん

あの 子 たち …

今頃 どこ に …

( 上級 兵 ) 何 を ボサッ と し て いる !

( 殴る 音 ) ( 一弥 ( かず や ) ) な っ ! ん っ …

( 上級 兵 ) いい か ? いくら 上官 の 息子 と いえ ども ―

ここ で は ただ の 軍人 の 1 人 だ

( 上級 兵 ) 皆 も 覚え て おけ ! ( 兵士 たち ) はい !

( 上級 兵 ) 解散 !

( 一弥 ) ん っ … ( 少年 兵 ) 立てる ?

( 一弥 ) ありがとう ( 少年 兵 ) 理不尽 だ よ ね あの 人

( 一弥 ) いや あ …

理不尽 に 怒ら れる の は 慣れ てる から

( 一弥 ) ヴィクトリカ

( 上級 兵 ) 撃 て ー っ !

( 一弥 ) 僕 は 今 北 の 大地 に いる

離れ て い て も 君 を 忘れる こと は ない よ

だって …

だって 僕 に は …

( 上級 兵 ) 何 だ ? これ は ! ( 一弥 ) あ ?

そ … それ は !

チャラチャラ し おって !

こんな もの は 没収 …

( 上級 兵 ) な っ ! ( 一弥 ) ん ん っ

( 上級 兵 ) 貴 様 ! ( 一弥 ) ん っ

これ は 譲 れ ませ ん !

( 上級 兵 ) 何 を !

( 一弥 ) う っ !

( 殴る 音 )

( 殴る 音 )

( 上級 兵 ) ハァ ハァ ハァ …

申し訳 … あり … ませ ん

でも … 渡せ … ませ ん …

( 上級 兵 ) ん ん っ !

( 蹴る 音 )

( 足音 )

( ドア の 開閉 音 )

( 一弥 ) 僕 に は 君 が くれ た 指輪 が ある

この 指輪 は 僕 に 力 を くれる

( ヴィクトリカ ) この ペンダント は 私 に 力 を くれる

どんな に 離れ て い て も ここ に 君 が い なく て も

私 は …

( ドア が 開く 音 )

( 足音 )

何 だ 息子 の ほう か

靴 の 鳴らし 方 から におい まで 父親 そっくり に なって き た な

明日 オカルト 省 に よる アルベール ・ ド ・ ブロワ 侯爵 の ―

首相 就任 式典 が 開か れる

そこ で の 見せ物 に お前 を 使う

これ を 着ろ

( ヴィクトリカ ) あっ …

( ドア が 閉まる 音 )

( ヴィクトリカ ) あの 時 の モンス トル ・ シャルマン の 衣装 は ―

桃色 の 鮮やか な もの だった

だが この ドレス は …

黒 私 は … それ でも 私 は …

( 一弥 ) この ペンダント が あれ ば いつ でも 君 の そば に いる から

( ノック )

( ヴィクトリカ ) は っ !

( 一弥 ) 君 の そば に いる から

( ブロワ 侯爵 ) 再び 嵐 が 来 た

今度 は 先 の 大戦 の 比 で は ない

今 我々 が 立ち上がら なけ れ ば ―

ヨーロッパー は いにしえ の 歴史 は 滅び ゆく で あ ろ う

だが 我が国 は ソヴュール は 違う

立ち上がる 力 が ある

本日 ここ に ソヴュール の 未来 を 約束 できる こと を ―

皆 と 共に 喜 ぼ う

この 戦い は 栄光 へ の 戦い

たとえ 傷 つい て も ―

約束 さ れ た 勝利 が 我々 を 待って いる

なぜ なら ―

我々 に は モンス トル ・ シャルマン が つい て いる !

( 人々 の 歓声 )

( 人々 の 歓声 )

( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン ! ( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン !

( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン ! ( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン !

( 一同 ) モンス トル ・ シャルマン ! モンス トル ・ シャルマン !

モンス トル ・ シャルマン ! モンス トル ・ シャルマン !

モンス トル ・ シャルマン ! モンス トル ・ シャルマン …

( ヴィクトリカ ) 私 は …

私 は 約束 など し ない !

( ブロワ 侯爵 ) ん ?

( ヴィクトリカ ) なぜ なら 約束 と は ―

心 通じ合い 魂 を 響かせ 合う 者 同士 に しか ―

存在 し ない 輝き だ から だ !

今 の この 国 は 未来 へ の 約束 を 持た ない

そこ に ある の は …

アルベール 君 の ウソ に ぬれ た 破滅 へ の 契約 だけ だ !

貴 様 …

( コル デリア ) 久しぶり だ な …

アルベール ・ ド ・ ブロワ !

( ブロワ 侯爵 ) は っ !

ママン !

戻って くれ ! 私 の せい で ママン が !

( 馬 の いななき )

( ロスコー ) そう だ !

ん っ ! ( ヴィクトリカ ) あっ …

お前 の せい で … コル デリア は …

( ヴィクトリカ ) あ …

( ブロワ 侯爵 ) 灰色 狼 !

( コル デリア ) 覚え て い た か アルベール

私 も 忘れ て は い ない ぞ

あの 灰色 の 塔 の 床

心 ごと 凍え そう な 冷たい 床 の 感覚 を

( ブロワ 侯爵 ) ぬ っ

( コル デリア ) まだ 私 の 体 は 冷えきった まま だ

温め 血 を 巡らせ ―

そして 我が 子 の 産湯 を 用意 する ため に は ―

炎 が 必要 だ !

( 男性 ) 火 が …

( 人々 の 悲鳴 )

( ブロワ 侯爵 ) おのれ !

( ブロワ 侯爵 ) くっ ! ( コル デリア ) う っ

( ブロワ 侯爵 ) やはり 貴 様 を 始末 し て おく べき だった な 灰色 狼 !

( コル デリア ) これ 以上 お前 の 手 で ―

娘 を 弄 ( もてあそ ) ば せ は し ない ぞ アルベール !

フッ

( ロスコー ) コル デリア は 貴 様 を 守る ため に ―

自ら 身代わり と なる 道 を 選 ん だ

そして 俺 の 片割れ は …

コル デリア の 思い を 遂げる ため に ―

手 を 貸す 道 を 選 ん だ

お前 の ため で は ない !

お前 を 失う くらい なら ば 自害 する と ―

コル デリア が 泣く から だ

( ヴィクトリカ ) ん ん っ ( ロスコー ) 泣く から だ !

涙 も 流さ ず に …

お えつ も 漏らさ ず に 泣く から だ

( ロスコー ) しか し ! ( ヴィクトリカ ) は っ !

ん ん っ !

ハァ ハァ … あ あっ !

( ロスコー ) しかし 俺 は 違う !

コル デリア の 涙 の 根源 を 絶つ

お前 を ここ で … 殺す !

( ヴィクトリカ ) あっ … あ …

( 刃物 が 刺さる 音 )

コ … コ …

コル デリ アー !

( ブロワ 侯爵 ) う っ う お ー っ !

( コル デリア ) ハァ ハァ ハァ …

( コル デリア ) 炎 よ 燃えろ …

燃え て ―

あの 子 の 未来 を …

照らし出せ

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) あの 朝 の ない だ 海 に 私 は 見 た

( 一弥 ) 永久 ( とわ ) の 光 に 揺れる 君 の 髪

( ヴィクトリカ ) 私 に は 信じ られる もの が ある

( 一弥 ) 確か な もの に 君 の 名前 を

( ヴィクトリカ ) 久 城 ( 一弥 ) ヴィクトリカ


Gosick Episode 23 gosick|episode Gosick Episode 23

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) 白 の キング は ナイト に 守ら れ ― |しろ||きんぐ||||まもら| The white king is protected by the knight and moves towards a prolonged victory.

緩慢 な 勝利 へ の 動き … かんまん||しょうり|||うごき

しかし 黒 の ルーク に 灰 が 差し ― |くろ||||はい||さし However, ash falls on the black rook.

チェス ボード に 変化 が 生まれ 始める |ぼーど||へんか||うまれ|はじめる And the chessboard begins to change.

( ルパート ) いよいよ ドイツ が ポーランド に 侵攻 を 開始 し た よう だ ||どいつ||ぽーらんど||しんこう||かいし|||| It seems that Germany has begun to make inroads into Poland.

しかし 我々 ソヴュール は 科学 アカデミー 総裁 ― |われわれ|||かがく|あかでみー|そうさい

ジュピター ・ ロジェ の 働き に より ― |ろじぇ||はたらき||

親愛 なる 国民 たち へ の 愛 を 正しく 見つめる こと が でき た しんあい||こくみん||||あい||まさしく|みつめる|||| Sauville's gaze remains focused on the love for its dear citizens.

我が国 は 戦い に 手 を 染める こと は ない わがくに||たたかい||て||そめる||| Our country shall not become involved in war.

全て の 窓 に 平和 の 明かり を すべて||まど||へいわ||あかり| Place lanterns of peace in all windows!

( 人々 の 歓声 ) ひとびと||かんせい

( ブロワ 侯爵 ) ロジェ の 働き は 誠に すばらしい もの です な |こうしゃく|ろじぇ||はたらき||まことに|||| Roger's efforts were indeed impressive.

( ブロワ 侯爵 ) だ が 実に 惜しい ( ルパート ) ん ? |こうしゃく|||じつに|おしい|| But it's truly unfortunate.

その 働き が まっすぐ 国 に 捧げ られ て い た なら ば … |はたらき|||くに||ささげ|||||| If only his actions were in this country's best interests...

個人 的 な 欲望 の ため で は なく こじん|てき||よくぼう||||| ...and not for his own personal desire.

( ルパート ) ブロワ お前 … ||おまえ Blois, what are you—

( ブロワ 侯爵 ) セイ ルーン 王国 を ご存じ でしょ う か ? 陛下 |こうしゃく|せい||おうこく||ごぞんじ||||へいか Have you heard of the Kingdom of Seyrun, Your Majesty?

( ロジェ ) あ … ( ルパート ) セイ ルーン ? ろじぇ|||せい| Seyrun?

( 男性 ) セイ ルーン だ と ? ( 男性 ) あの 汚らわしい 灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) の … だんせい|せい||||だんせい||けがらわしい|はいいろ|おおかみ||||| Seyrun, he said?!

( ヴィクトリカ ) 圧倒 的 に 優勢 だった 白 は ここ で つまずく |あっとう|てき||ゆうせい||しろ|||| White stumbles here, despite having been overwhelmingly dominant.

気づけ ば いつしか バッド ・ ビショップ きづけ|||| A bad bishop had appeared without their noticing it.

( ブロワ 侯爵 ) セイ ルーン 王国 の 灰色 狼 は その 優れ た 知能 を 恐れ られ ― |こうしゃく|せい||おうこく||はいいろ|おおかみ|||すぐれ||ちのう||おそれ| Sauville, fearing the brilliant minds of the Gray Wolves of Seyrun, erased all traces of their history.

ソヴュール に より 歴史 を 追わ れ た |||れきし||おわ||

彼ら は 今 でも ソヴュール を 恨 ん で いる の です かれら||いま||||うら||||| Even now, the wolves despise Sauville.

そして ― And one of their customs is keeping what's called a "memento box".

彼ら の 風習 に “ 形見 箱 ” と いう もの が ある かれら||ふうしゅう||かたみ|はこ|||||

これ は ある 男 の 生き た 証し |||おとこ||いき||しょうし This is proof of a certain man's life.

灰色 狼 の 村 で 生まれ し セイ ルーン 王国 の 末 えい の 者 はいいろ|おおかみ||むら||うまれ||せい||おうこく||すえ|||もの He was born in the village of the Gray Wolves, a descendant of the kingdom of Seyrun.

そう だ ね ? この 形見 箱 の 持ち主 ― ||||かたみ|はこ||もちぬし

ジュピター ・ ロジェ |ろじぇ Jupiter Roger?

( 人々 の ざわめき ) ( ルパート ) 何 ? ロ … ロジェ … ひとびと||||なん||ろじぇ What?!

( ブロワ 侯爵 ) 彼 は 汚らわしき 己 の 身分 を 隠し ― |こうしゃく|かれ||けがらわしき|おのれ||みぶん||かくし He hid his own filthy identity and sneaked into this palace.

この 王宮 に 潜り込 ん だ |おうきゅう||もぐりこ||

そして 前 王 を 欺き ― |ぜん|おう||あざむき Then he deceived the former king and became president of the prestigious Science Academy.

輝かしき 科学 アカデミー の 総裁 と なった かがやかしき|かがく|あかでみー||そうさい||

それ も 全て は この ソヴュール を 乗っ取り ― ||すべて|||||のっとり This was all a plan to seize Sauville and re-establish the Kingdom of Seyrun.

セイ ルーン 王国 を 復興 さ せよ う と もくろむ が ため せい||おうこく||ふっこう|||||||

これ が 前 王 に その 身 を 偽った ジュピター ・ ロジェ の ― ||ぜん|おう|||み||いつわった||ろじぇ| This belongs to Jupiter Roger, who had falsified his identity to the previous king.

誓約 書 だ せいやく|しょ| It's an oath.

フッ

( ロジェ ) ああ … ( ブロワ 侯爵 ) 何 が 平和 だ ろじぇ|||こうしゃく|なん||へいわ|

この 戦争 は 未来 の 世界 地図 を 大きく 変える もの |せんそう||みらい||せかい|ちず||おおきく|かえる| This war will radically alter the structure of the world.

この 戦い に 加わら なけ れ ば ― |たたかい||くわわら||| If Sauville doesn't join the battle, the strength of this nation will surely plummet.

ソヴュール の 国力 は 間違い なく 低下 する ||こくりょく||まちがい||ていか|

それ を ロジェ は 見越し て いる ||ろじぇ||みこし|| That is what Roger anticipates!

( ロジェ ) あ … ( ルパート ) ロジェ 本当 な の か ? ろじぇ|||ろじぇ|ほんとう|||

( ロジェ ) ん … ( ルパート ) 答えろ ロジェ ! ろじぇ|||こたえろ|ろじぇ

( ロジェ ) 陛下 … ろじぇ|へいか Your Majesty, I...

私 は … わたくし|

( どよめき )

( ガラス が 割れる 音 ) ( 男性 ) 裏切り者 が 逃げ た ぞ ! がらす||われる|おと|だんせい|うらぎりもの||にげ||

( 男性 ) おい 捜せ ! ( 男性 ) どこ だ ? だんせい||さがせ|だんせい||

やはり 狼 … |おおかみ So he really is a wolf...

( 部下 ) すぐ に 捜索 隊 を ぶか|||そうさく|たい| I'll send out a search party immediately.

よい 牙 を 抜か れ た 狼 は 飢え て 死ぬ のみ |きば||ぬか|||おおかみ||うえ||しぬ| No need.

( ヴィクトリカ ) チェス ボード は 語る ||ぼーど||かたる The chessboard speaks.

箱庭 の 小競り合い は 終わり ― はこにわ||こぜりあい||おわり The quarrel over the miniature garden has finished.

次 の ゲーム の 舞台 は … つぎ||げーむ||ぶたい| The stage of the next game is...

( 市民 ) あれ を 見 て ( 市民 ) 何 だ ? あれ しみん|||み||しみん|なん||

( 市民 ) おい あれ どこ の 飛行機 だ ? しみん|||||ひこうき|

( 市民 ) おい 軍 だ ! う わ あ しみん||ぐん|||| Hey, it's the army!

( 市民 ) おい 軍 だ ! う わ あ しみん||ぐん||||

( クラクション )

( クラクション )

( クラクション )

( 人々 の 悲鳴 ) ( 市民 ) どけ ! 道 を 開けろ ひとびと||ひめい|しみん||どう||あけろ

( 人々 の 悲鳴 ) ( 市民 ) どけ ! 道 を 開けろ ひとびと||ひめい|しみん||どう||あけろ

( 市民 ) 死に たい の か ? しみん|しに||| You wanna die?!

( 母親 ) 坊や ? 坊や ? ははおや|ぼうや|ぼうや Junior! Junior!

( 母親 ) 坊や ? 坊や ? ははおや|ぼうや|ぼうや

( クラクション )

はっ !

( 市民 ) 何 な ん だ ? ( 市民 ) 緊急 招集 らしい しみん|なん||||しみん|きんきゅう|しょうしゅう| What was that?!

( 男の子 ) う っ う っ … ( 母親 ) 坊や ! おとこのこ|||||ははおや|ぼうや Junior!

( 母親 ) ああ ! ( 男の子 ) う う っ う っ ははおや||おとこのこ|||||

( 母親 ) ああ … ははおや|

( コル デリア ) その 手 を 離し て は いけ ない |||て||はなし|||| You mustn't let go of that hand.

( 母親 ) え ? ははおや|

( コル デリア ) 決して 離し て は … ||けっして|はなし|| If you let go...

( コル デリア ) 己 の 魂 から 手 を … ||おのれ||たましい||て| ...your soul goes with it.

( ロスコー ) コル デリア 俺 は お前 を … |||おれ||おまえ| Cordelia, I'll...

( ロスコー ) お前 を 守る コル デリア |おまえ||まもる|| I'll protect you, Cordelia.

( コル デリア ) 私 が 守る べき は ヴィクトリカ ||わたくし||まもる||| The one I must protect is Victorique.

( 2 人 ) ん っ じん||

( ロスコー ) 子 狼 は 王宮 の 地下 牢獄 に 捕らわれ た |こ|おおかみ||おうきゅう||ちか|ろうごく||とらわれ| The wolf cub is imprisoned in the royal palace's dungeon.

我々 も 手 が 出 せ ない われわれ||て||だ|| We can't get to her.

( コル デリア ) 見殺し に など できる はず は ない ||みごろし|||||| There's no way I can abandon her to that fate.

あれ は 私 の 魂 ||わたくし||たましい

好機 は 必ず 来る こうき||かならず|くる I'm sure the opportunity will come.

( セシル ) そう … アブリル さん も イギリス へ 帰っちゃ う の ね |||||いぎりす||かえっちゃ||| I see.

( アブリル ) はい … Yes...

( セシル ) よ ー し 最後 の 授業 張り切っちゃ う わ よ ~ ! ||-||さいご||じゅぎょう|はりきっちゃ||| All right!

は ー い これ が 分かる 人 手 を 挙げ て ~ ! |-||||わかる|じん|て||あげ| There! Anyone who knows the answer, raise your hand!

い ない の ~ ? じゃあ こっち から 当てる わ よ ||||||あてる|| No one?

はい ! アブリル さん

( アブリル ) あ … フフッ

( 暴徒 ) モンス トル ・ シャルマン ! ぼうと||| Charming Monster!

( 暴徒 たち ) モンス トル ・ シャルマン モンス トル ・ シャルマン … ぼうと||||||| Charming Monster! Charming Monster! Charming Monster!

( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン か だんせい||||

どうやら オカルト 省 が 手 に 入れ た らしい が … |おかると|しょう||て||いれ||| The Ministry of the Occult seems to have gotten their hands on her.

どうやら オカルト 省 が 手 に 入れ た らしい が … |おかると|しょう||て||いれ||| So that's why these guys are so worked up.

( アブリル ) え ?

( アブリル ) え ?

( アブリル ) え ?

( 男性 ) その せい か ヤツ ら の 熱 が 上がって き た の は だんせい||||やつ|||ねつ||あがって||||

( 男性 ) その せい か ヤツ ら の 熱 が 上がって き た の は だんせい||||やつ|||ねつ||あがって||||

( 駅員 ) お 客 様 ! えきいん||きゃく|さま Sirs! Please take shelter here for now!

一旦 こちら へ 避難 を いったん|||ひなん|

( 男性 ) まったく 迷惑 な こと だ だんせい||めいわく||| Sheesh, what a nuisance.

久 城 ( くじょう ) 君 … ひさ|しろ||きみ Kujō... Victorique...

ヴィクト リカ さん … |りか|

( グレ ヴィール ) 本日 は オカルト 省 と し て ― ||ほんじつ||おかると|しょう||| I'm here today on behalf of the Ministry of the Occult to ask for police assistance,

警察 の 手 を 借り たく お 願い に あがった けいさつ||て||かり|||ねがい||

シニョレー 警視 総監 |けいし|そうかん Superintendent General Signore.

( シニョレー ) すっかり オカルト 省 の 手先 か グレ ヴィール ||おかると|しょう||てさき||| So you're now simply a minion of the Ministry of the Occult, Grevil?

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ジャクリーヌ ) グレ ヴィール ! はっ … Grevil!

ジャクリーヌ … Jacqueline...

あの 少年 を 国 に 帰し た と いう じゃ ない |しょうねん||くに||かえし||||| I heard you sent that boy back to his home country!

なぜ だまし た の ? Why did you deceive me?!

あなた は そんな 人 じゃ なかった のに |||じん||| You weren't the type to do this...

グレ ヴィール ! Grevil!

( グレ ヴィール ) 父 の 考え を 遂行 する ||ちち||かんがえ||すいこう| I executed my father's orders.

それ が 嫡男 と し て の 私 の 役割 ||ちゃくおとこ|||||わたくし||やくわり That's my duty, as his heir and eldest son.

しかし … And yet...

( ノック )

( ドア が 開く 音 ) ( ルパート ) 誰 だ ? どあ||あく|おと||だれ| Who is it?

( ルパート ) ああ ブロワ か Oh, Blois, it's you.

ドイツ から の 使者 に 共に 戦う 意志 の ある こと を 伝え まし た どいつ|||ししゃ||ともに|たたかう|いし|||||つたえ|| I've informed the envoy from Germany that we will fight together as allies.

我々 ソヴュール も いよいよ 世界 の 舞台 に 立つ の です われわれ||||せかい||ぶたい||たつ|| At long last, Sauville will stand up on the world's stage.

世界 に … か せかい|| The world, eh?

人々 が 泣 い て いる ひとびと||なき||| People are crying.

その 嘆き の 上 に 立つ 王国 など … |なげき||うえ||たつ|おうこく| Our kingdom stands on top of their grief.

私 は 罪 なき 人々 を 嘆き の 海 に 投げ込む の か わたくし||ざい||ひとびと||なげき||うみ||なげこむ|| Shall I pitch innocent people into a sea of grief?

血 の 涙 を 流さ せる の か ち||なみだ||ながさ||| Shall I cause tears of blood to flow?

この 手 で … |て| With these hands?

( ブロワ 侯爵 ) 何 を 言う の です |こうしゃく|なん||いう|| What are you talking about?

( ルパート ) あっ

あなた は 激しい 嫉妬 と 自尊心 の ため に ― ||はげしい|しっと||じそんしん||| You're someone who killed his own love out of impetuous jealousy and pride.

愛 すら も 殺し た お方 あい|||ころし||おかた

( ルパート ) は っ …

ハァ ハァ ハァ …

( ブロワ 侯爵 ) その 血 塗ら れ た 手 は 二 度 と 清め られる こと は ない |こうしゃく||ち|ぬら|||て||ふた|たび||きよめ|||| Your blood-soaked hands will never be cleansed.

その 手 を 更に 血 に 染め た と し て も ― |て||さらに|ち||しめ|||||

恐れる こと は ない の です おそれる|||||

それ は 以前 の よう な 黒い 欲望 の ため で は ない ||いぜん||||くろい|よくぼう||||| This time, however, it won't be for the sake of your dark desires.

全て 義 の ため な の です から すべて|ただし|||||| It will all be for the sake of righteousness.

( ルパート ) そう だ … You're right.

私 は … 愛 を 殺し た わたくし||あい||ころし| I've killed love!

( ブロワ 侯爵 ) あなた は 愛 を 殺し た |こうしゃく|||あい||ころし| You've killed love.

( モレラ ) 現在 各地 の 軍 を ソヴレム に 集め て ― |げんざい|かくち||ぐん||||あつめ| At present, all troops are gathering and regrouping in Saubreme.

再 編成 を 行って い ます さい|へんせい||おこなって||

( カー ミラ ) ブロワ 様 に 賛同 する 貴族 も 8 割 を 超え まし た かー|||さま||さんどう||きぞく||わり||こえ|| More than 80% of the aristocracy agrees with you, Marquis de Blois.

( ブロワ 侯爵 ) あれ は ? ( モレラ ) 志願 兵 です |こうしゃく||||しがん|つわもの| What's that?

( カー ミラ ) モンス トル ・ シャルマン に 心酔 し た 国民 が ― かー||||||しんすい|||こくみん| Citizens who worship the Charming Monster wasted no time in gathering at the royal palace.

我先に と 王宮 に 集って い ます われさきに||おうきゅう||つどって||

彼女 の 心臓 と なる べく かのじょ||しんぞう||| You should remove her heart as soon as possible...

( ブロワ 侯爵 ) 美しき 怪物 を 生き た まま 手 に 入れる |こうしゃく|うつくしき|かいぶつ||いき|||て||いれる I will capture the beautiful monster alive.

それ は 力 を 手 に し た と 同 義 ||ちから||て|||||どう|ただし That is synonymous with acquiring her power.

( 暴徒 たち ) モンス トル ・ シャルマン モンス トル ・ シャルマン … ぼうと|||||||

( ブロワ 侯爵 ) ソヴュール の 勝利 を 確信 し ― |こうしゃく|||しょうり||かくしん| Believing in Sauville's victory, the commoners have become belligerent.

民衆 は 好 戦 的 に なって いる みんしゅう||よしみ|いくさ|てき|||

今や この 国 全体 が オカルト 省 の しも べ いまや||くに|ぜんたい||おかると|しょう||| Right now, the entire country has become servants of the Ministry of the Occult.

モンス トル ・ シャルマン に は もう ひと 働き し て いた だ こ う |||||||はたらき|||||| I'll have the Charming Monster do one more job for me.

( ヴィクトリカ ) クイーン は 東 へ 動く |くいーん||ひがし||うごく The queen moves to the east.

しかし 黒 の ナイト は … |くろ||| But the black knight...

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ブロワ 侯爵 ) モンス トル ・ シャルマン |こうしゃく||| Charming Monster.

ドイツ と の 同盟 は 結ば れ た どいつ|||どうめい||むすば|| We have allied ourselves with Germany.

( ドア が 閉まる 音 ) さあ 次 は どう 動く ? どあ||しまる|おと||つぎ|||うごく Now, what do we do next?

世界 は ? ソヴュール は ? せかい||| What of the world?

その チェス の 上 に 戦局 は ある |||うえ||せんきょく|| The course of the war is on that chessboard.

さあ 占え ! |うらなえ

( ヴィクトリカ ) ろくに 挨拶 も せ ず に うるさい ヤツ だ ||あいさつ||||||やつ| How irksome of you to come in without so much as a proper greeting.

( ブロワ 侯爵 ) 貴 様 の ため に これ だけ の 本 を 用意 し て やった の だ |こうしゃく|とうと|さま|||||||ほん||ようい||||| I've prepared all these books for you, wench.

今 まで 根城 に し て い た 図書 館 塔 と なんら 変わら ない いま||ねじろ||||||としょ|かん|とう|||かわら| This place is no different from that library tower you called your home.

( ヴィクトリカ ) そう 私 が 言った ||わたくし||いった Yes, I did indeed tell you.

この 場 に 本 を 集めろ と |じょう||ほん||あつめろ| To fill this place with books.

過去 の 英知 たち は 全て を 教え て くれる かこ||えいち|||すべて||おしえ|| Wisdoms of the past told me everything.

貴 様 の もくろみ も な とうと|さま|||| Including your scheme.

( ブロワ 侯爵 ) 何 ? |こうしゃく|なん What?

( ヴィクトリカ ) リヴァイアサン の メモワール が 教え て くれ た |||||おしえ|||

長年 恋 焦がれ て き た ホムンクルス を ― ながねん|こい|こがれ||||| It seems you were finally able to create the homunculi you've been yearning for all these years.

とうとう 作り出 せ た よう だ な 君 |つくりだ||||||きみ

若き 日 錬金術 師 リヴァイアサン に 心酔 し た 君 は ― わかき|ひ|れんきんじゅつ|し|||しんすい|||きみ| As a young man, you idolized Leviathan the Alchemist and nurtured the dream of creating a homunculus.

ホムンクルス を 製造 する 夢 を 抱 い た ||せいぞう||ゆめ||いだ||

しかし リヴァイアサン の 錬金術 に は トリック が あった |||れんきんじゅつ|||とりっく|| However, Leviathan's alchemy employed tricks.

誰 も 気づか なかった その 真実 を 突き付け られ ― だれ||きづか|||しんじつ||つきつけ| Confronted with the truth nobody else realized, you were deeply hurt.

君 は 深く 傷 つい た きみ||ふかく|きず||

やはり オカルト は 力 を 持て ない の か と |おかると||ちから||もて|||| You thought, "does the occult really hold no power?"

だが 君 は 諦め て い なかった |きみ||あきらめ||| But you didn't give up.

リヴァイアサン の ウソ に 踊ら さ れ ― ||うそ||おどら|| Led by Leviathan's lies, you expended a huge amount of this country's gold and soldiers.

この 国 は 多く の 金 ( きん ) や 兵士 が 消費 さ れ た |くに||おおく||きむ|||へいし||しょうひ|||

そこ から 君 は 判断 し た の だ ||きみ||はんだん|||| And thus, you concluded something.

オカルト は 人 の 心 を 動か せる と おかると||じん||こころ||うごか|| The occult could be used to manipulate the public.

( 書記 ) 貴 様 ! それ 以上 の 侮辱 は … しょき|とうと|さま||いじょう||ぶじょく| Witch! That's enough slander!

あっ …

意 の まま に 操 れる く ぐ つ を 生み出す い||||みさお||||||うみだす You would bring forth puppets obeying your every command.

いつか の リヴァイアサン に 踊ら さ れ た ― ||||おどら||| Just like how Leviathan once led you by the nose.

自分 自身 の よう に じぶん|じしん|||

それ が 君 の ホムンクルス だ ||きみ||| They would be your homunculi.

その ホムンクルス たち が 今 ― ||||いま And right now, those homunculi are gathered before you, as "pawns".

君 の 手元 に 手 駒 と し て そろい だし た きみ||てもと||て|こま||||||

確か に 君 は 誰 より も オカルト の 力 を 信じ て いる たしか||きみ||だれ|||おかると||ちから||しんじ|| Certainly, you believe in the power of the occult more than anyone.

人 を 魅了 し て やま ない フェイク と し て の 力 を だ じん||みりょう||||||||||ちから|| The power of its fakery to always fascinate.

( ブロワ 侯爵 ) ご 明 察 だ |こうしゃく||あき|さっ| How perceptive of you.

既に 私 の 手 に よって この 国 は 動きだし た すでに|わたくし||て||||くに||うごきだし| Already, this country has begun acting by my will.

科学 アカデミー は 追放 さ れ ルパート は 手 駒 に 落ち ― かがく|あかでみー||ついほう|||||て|こま||おち The Science Academy has been banished, Rupert has become my pawn,

国 中 に ホムンクルス は あふれ つつ ある くに|なか|||||| and the whole country is overflowing with homunculi.

そして お前 も そう だ 灰色 狼 |おまえ||||はいいろ|おおかみ

( ヴィクトリカ ) う っ !

イッ !

う … う う …

私 の 血 の 味 が する わたくし||ち||あじ|| It tastes like my blood.

お前 も また 私 が 作り出し た ホムンクルス だ おまえ|||わたくし||つくりだし||| You, too, are a homunculus I created.

お前 は 私 の もの おまえ||わたくし|| You belong to me.

その 血 も 肉 も ― |ち||にく| Your blood... your meat...

そして 知恵 の 泉 も |ちえ||いずみ|

( ヴィクトリカ ) くっ … あ …

( ブロワ 侯爵 ) お前 の 全て は 私 の ため だけ に ある |こうしゃく|おまえ||すべて||わたくし||||| Everything about you exists for my benefit.

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( ヴィクトリカ ) ここ に は 図書 館 塔 と 変わら ぬ たくさん の 本 が あり ― ||||としょ|かん|とう||かわら||||ほん|| Like the library tower, there is a lot of books and knowledge here.

たくさん の 知識 が ある ||ちしき||

しかし … But...

ここ に は 君 が い ない |||きみ||| You aren't here.

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( ゾフィ ) お 疲れ ( セシル ) ん ? ||つかれ|| You done?

( セシル ) これ 残って た の ! ||のこって|| These were left in there.

( ゾフィ ) 甘 そう だ ね ( セシル ) 甘く ない よ |あま|||||あまく|| They look sweet.

失業 し ちゃ った しつぎょう||| I'm out of a job.

( ゾフィ ) しばらく うち に おいで よ ― Stay at my place for a while. Not like you have relatives anyway.

身寄り ない ん だ し さ みより|||||

( セシル ) うん Okay.

( セシル ) 戦争 が 終わったら 絶対 に あの 子 たち を 捜す ん だ |せんそう||おわったら|ぜったい|||こ|||さがす|| After the war is over, I swear I'll search for those kids.

絶対 に ぜったい| I swear it!

( ゾフィ ) いい 先生 だ ねえ ||せんせい|| You're a good teacher.

( ゾフィ ) 私 に も 手伝わ せ て よ ( セシル ) うん |わたくし|||てつだわ||||| Let me help you.

あの 子 たち … |こ| Those kids...

今頃 どこ に … いまごろ|| Where are they now?

( 上級 兵 ) 何 を ボサッ と し て いる ! じょうきゅう|つわもの|なん|||||| What are you daydreaming for?!

( 殴る 音 ) ( 一弥 ( かず や ) ) な っ ! ん っ … なぐる|おと|かずや||||||

( 上級 兵 ) いい か ? いくら 上官 の 息子 と いえ ども ― じょうきゅう|つわもの||||じょうかん||むすこ||| Listen, I don't care if you're the son of a senior officer.

ここ で は ただ の 軍人 の 1 人 だ |||||ぐんじん||じん| Here, you're just another soldier!

( 上級 兵 ) 皆 も 覚え て おけ ! ( 兵士 たち ) はい ! じょうきゅう|つわもの|みな||おぼえ|||へいし|| And that goes for all of you!

( 上級 兵 ) 解散 ! じょうきゅう|つわもの|かいさん Dismissed!

( 一弥 ) ん っ … ( 少年 兵 ) 立てる ? かずや|||しょうねん|つわもの|たてる

( 一弥 ) ありがとう ( 少年 兵 ) 理不尽 だ よ ね あの 人 かずや||しょうねん|つわもの|りふじん|||||じん Thank you.

( 一弥 ) いや あ … かずや|| Well, I'm used to people getting mad at me for no reason.

理不尽 に 怒ら れる の は 慣れ てる から りふじん||いから||||なれ||

( 一弥 ) ヴィクトリカ かずや| Victorique.

( 上級 兵 ) 撃 て ー っ ! じょうきゅう|つわもの|う||-| Fire!

( 一弥 ) 僕 は 今 北 の 大地 に いる かずや|ぼく||いま|きた||だいち|| Right now, I'm up north.

離れ て い て も 君 を 忘れる こと は ない よ はなれ|||||きみ||わすれる|||| Even though we're separated, I've never forgotten you.

だって … After all...

だって 僕 に は … |ぼく|| After all, I have...

( 上級 兵 ) 何 だ ? これ は ! ( 一弥 ) あ ? じょうきゅう|つわもの|なん||||かずや| What the hell is this?!

そ … それ は ! Th-That's...

チャラチャラ し おって ! Showing off your trinkets!

こんな もの は 没収 … |||ぼっしゅう I'm confiscating this!

( 上級 兵 ) な っ ! ( 一弥 ) ん ん っ じょうきゅう|つわもの|||かずや||| Wha—

( 上級 兵 ) 貴 様 ! ( 一弥 ) ん っ じょうきゅう|つわもの|とうと|さま|かずや|| Scum!

これ は 譲 れ ませ ん ! ||ゆずる||| I won't let you have this!

( 上級 兵 ) 何 を ! じょうきゅう|つわもの|なん| What was that?!

( 一弥 ) う っ ! かずや||

( 殴る 音 ) なぐる|おと

( 殴る 音 ) なぐる|おと

( 上級 兵 ) ハァ ハァ ハァ … じょうきゅう|つわもの|||

申し訳 … あり … ませ ん もうしわけ||| I... apologize.

でも … 渡せ … ませ ん … |わたせ|| But... I'm not giving this... to you!

( 上級 兵 ) ん ん っ ! じょうきゅう|つわもの|||

( 蹴る 音 ) ける|おと

( 足音 ) あしおと

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

( 一弥 ) 僕 に は 君 が くれ た 指輪 が ある かずや|ぼく|||きみ||||ゆびわ|| I have...

この 指輪 は 僕 に 力 を くれる |ゆびわ||ぼく||ちから|| This ring gives me strength.

( ヴィクトリカ ) この ペンダント は 私 に 力 を くれる ||ぺんだんと||わたくし||ちから|| This pendant gives me strength.

どんな に 離れ て い て も ここ に 君 が い なく て も ||はなれ|||||||きみ||||| No matter how far apart we are...

私 は … わたくし|

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( 足音 ) あしおと

何 だ 息子 の ほう か なん||むすこ||| What? It's the son this time?

靴 の 鳴らし 方 から におい まで 父親 そっくり に なって き た な くつ||ならし|かた||||ちちおや|||||| From the sound your shoes make to your smell, you've become exactly like Father.

明日 オカルト 省 に よる アルベール ・ ド ・ ブロワ 侯爵 の ― あした|おかると|しょう||||||こうしゃく| The Ministry of the Occult will hold a ceremony tomorrow in honor of the new Prime Minister, Marquis Albert de Blois.

首相 就任 式典 が 開か れる しゅしょう|しゅうにん|しきてん||あか|

そこ で の 見せ物 に お前 を 使う |||みせもの||おまえ||つかう We're going to use you there as a spectacle.

これ を 着ろ ||きろ Put this on.

( ヴィクトリカ ) あっ …

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( ヴィクトリカ ) あの 時 の モンス トル ・ シャルマン の 衣装 は ― ||じ||||||いしょう| The Charming Monster costume that night...

桃色 の 鮮やか な もの だった ももいろ||あざやか||| It was a bright peach color.

だが この ドレス は … ||どれす| But this dress is...

黒 私 は … くろ|わたくし| I... それ でも 私 は … ||わたくし|

( 一弥 ) この ペンダント が あれ ば いつ でも 君 の そば に いる から かずや||ぺんだんと||||||きみ||||| I'll be by your side as long as you have this pendant.

( ノック )

( ヴィクトリカ ) は っ !

( 一弥 ) 君 の そば に いる から かずや|きみ||||| I'll always be by your side...

( ブロワ 侯爵 ) 再び 嵐 が 来 た |こうしゃく|ふたたび|あらし||らい| The storm has come again.

今度 は 先 の 大戦 の 比 で は ない こんど||さき||たいせん||ひ||| It will be different from the last Great War!

今 我々 が 立ち上がら なけ れ ば ― いま|われわれ||たちあがら|||

ヨーロッパー は いにしえ の 歴史 は 滅び ゆく で あ ろ う ||||れきし||ほろび||||| Europe's ancient past is dying out!

だが 我が国 は ソヴュール は 違う |わがくに||||ちがう But our country, Sauville, is different!

立ち上がる 力 が ある たちあがる|ちから|| We have the power to rise up!

本日 ここ に ソヴュール の 未来 を 約束 できる こと を ― ほんじつ|||||みらい||やくそく|||

皆 と 共に 喜 ぼ う みな||ともに|よろこ||

この 戦い は 栄光 へ の 戦い |たたかい||えいこう|||たたかい This battle will be a battle for glory!

たとえ 傷 つい て も ― |きず||| Even if we get hurt, the promised victory is waiting for us!

約束 さ れ た 勝利 が 我々 を 待って いる やくそく||||しょうり||われわれ||まって|

なぜ なら ―

我々 に は モンス トル ・ シャルマン が つい て いる ! われわれ||||||||| Because we have the Charming Monster on our side!

( 人々 の 歓声 ) ひとびと||かんせい

( 人々 の 歓声 ) ひとびと||かんせい Charming Monster!

( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン ! ( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン ! だんせい||||だんせい|||

( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン ! ( 男性 ) モンス トル ・ シャルマン ! だんせい||||だんせい|||

( 一同 ) モンス トル ・ シャルマン ! モンス トル ・ シャルマン ! いちどう|||||| Charming Monster!

モンス トル ・ シャルマン ! モンス トル ・ シャルマン ! Charming Monster!

モンス トル ・ シャルマン ! モンス トル ・ シャルマン … Charming Monster!

( ヴィクトリカ ) 私 は … |わたくし| I...

私 は 約束 など し ない ! わたくし||やくそく||| I don't promise anything!

( ブロワ 侯爵 ) ん ? |こうしゃく|

( ヴィクトリカ ) なぜ なら 約束 と は ― |||やくそく||

心 通じ合い 魂 を 響かせ 合う 者 同士 に しか ― こころ|つうじあい|たましい||ひびかせ|あう|もの|どうし||

存在 し ない 輝き だ から だ ! そんざい|||かがやき|||

今 の この 国 は 未来 へ の 約束 を 持た ない いま|||くに||みらい|||やくそく||もた| I have no promise for the future of this country as it is now.

そこ に ある の は … All that's there...

アルベール 君 の ウソ に ぬれ た 破滅 へ の 契約 だけ だ ! |きみ||うそ||||はめつ|||けいやく|| Albert...

貴 様 … とうと|さま Witch...

( コル デリア ) 久しぶり だ な … ||ひさしぶり|| It's been a long time...

アルベール ・ ド ・ ブロワ ! Albert de Blois!

( ブロワ 侯爵 ) は っ ! |こうしゃく||

ママン ! Maman!

戻って くれ ! 私 の せい で ママン が ! もどって||わたくし|||||

( 馬 の いななき ) うま||

( ロスコー ) そう だ ! That's right!

ん っ ! ( ヴィクトリカ ) あっ …

お前 の せい で … コル デリア は … おまえ|||||| Because of you, Cordelia is...

( ヴィクトリカ ) あ …

( ブロワ 侯爵 ) 灰色 狼 ! |こうしゃく|はいいろ|おおかみ Gray Wolf!

( コル デリア ) 覚え て い た か アルベール ||おぼえ||||| You remembered, Albert?

私 も 忘れ て は い ない ぞ わたくし||わすれ|||||

あの 灰色 の 塔 の 床 |はいいろ||とう||とこ The floor of that gray tower...

心 ごと 凍え そう な 冷たい 床 の 感覚 を こころ||こごえ|||つめたい|とこ||かんかく| The sensation of that floor, cold enough to chill my heart.

( ブロワ 侯爵 ) ぬ っ |こうしゃく||

( コル デリア ) まだ 私 の 体 は 冷えきった まま だ |||わたくし||からだ||ひえきった|| My body is still shivering from it.

温め 血 を 巡らせ ― あたため|ち||めぐらせ So to warm myself, get my circulation flowing, and prepare my child's first bath...

そして 我が 子 の 産湯 を 用意 する ため に は ― |わが|こ||うぶゆ||ようい||||

炎 が 必要 だ ! えん||ひつよう| Fire is necessary!

( 男性 ) 火 が … だんせい|ひ|

( 人々 の 悲鳴 ) ひとびと||ひめい

( ブロワ 侯爵 ) おのれ ! |こうしゃく| You!

( ブロワ 侯爵 ) くっ ! ( コル デリア ) う っ |こうしゃく|||||

( ブロワ 侯爵 ) やはり 貴 様 を 始末 し て おく べき だった な 灰色 狼 ! |こうしゃく||とうと|さま||しまつ|||||||はいいろ|おおかみ I should have gotten rid of you after all, Gray Wolf!

( コル デリア ) これ 以上 お前 の 手 で ― |||いじょう|おまえ||て| I won't let you play any more games with my daughter, Albert!

娘 を 弄 ( もてあそ ) ば せ は し ない ぞ アルベール ! むすめ||もてあそ||||||||

フッ

( ロスコー ) コル デリア は 貴 様 を 守る ため に ― ||||とうと|さま||まもる|| Cordelia chose to take your place in order to protect you.

自ら 身代わり と なる 道 を 選 ん だ おのずから|みがわり|||どう||せん||

そして 俺 の 片割れ は … |おれ||かたわれ| And my other half chose to help her, so that Cordelia could fulfill her desire.

コル デリア の 思い を 遂げる ため に ― |||おもい||とげる||

手 を 貸す 道 を 選 ん だ て||かす|どう||せん||

お前 の ため で は ない ! おまえ|||||

お前 を 失う くらい なら ば 自害 する と ― おまえ||うしなう||||じがい|| It's because Cordelia cries, saying she'd kill herself if she loses you!

コル デリア が 泣く から だ |||なく||

( ヴィクトリカ ) ん ん っ ( ロスコー ) 泣く から だ ! |||||なく||

涙 も 流さ ず に … なみだ||ながさ|| She cries without shedding tears or making a sound!

お えつ も 漏らさ ず に 泣く から だ |||もらさ|||なく||

( ロスコー ) しか し ! ( ヴィクトリカ ) は っ ! But...

ん ん っ !

ハァ ハァ … あ あっ !

( ロスコー ) しかし 俺 は 違う ! ||おれ||ちがう But I'm different.

コル デリア の 涙 の 根源 を 絶つ |||なみだ||こんげん||たつ I'll eradicate the source of Cordelia's tears.

お前 を ここ で … 殺す ! おまえ||||ころす I'll kill you right here!

( ヴィクトリカ ) あっ … あ …

( 刃物 が 刺さる 音 ) はもの||ささる|おと

コ … コ … C-Co...

コル デリ アー ! Cordelia!

( ブロワ 侯爵 ) う っ う お ー っ ! |こうしゃく|||||-|

( コル デリア ) ハァ ハァ ハァ … Whenever, Wherever

( コル デリア ) 炎 よ 燃えろ … ||えん||もえろ Fire, burn!

燃え て ― もえ| Burn and light up her future!

あの 子 の 未来 を … |こ||みらい|

照らし出せ てらしだせ

♪ ~ Ushinaikaketeita Soul

~ ♪

( ヴィクトリカ ) あの 朝 の ない だ 海 に 私 は 見 た ||あさ||||うみ||わたくし||み| I saw it that morning, at the calm sea.

( 一弥 ) 永久 ( とわ ) の 光 に 揺れる 君 の 髪 かずや|えいきゅう|||ひかり||ゆれる|きみ||かみ

( ヴィクトリカ ) 私 に は 信じ られる もの が ある |わたくし|||しんじ|||| I have something I can believe in.

( 一弥 ) 確か な もの に 君 の 名前 を かずや|たしか||||きみ||なまえ| Something certain.

( ヴィクトリカ ) 久 城 ( 一弥 ) ヴィクトリカ |ひさ|しろ|かずや| Victorique.