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ゴシック (Gosick), Gosick Episode 16

Gosick Episode 16

( 爆撃 機 の 飛行 音 )

( 爆撃 機 の 飛行 音 )

( 修道 女 ) ん ? はっ !

( 爆撃 機 の 飛行 音 )

( 悲鳴 )

( 修道 女 ) やめ て ! ここ に は ケガ 人 しか …

( 修道 女 ) う っ う … はっ !

( 人々 の せき込み )

( 修道 女 ) 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ …

呪わ れろ 呪わ れろ !

呪わ れろ !

( 修道 女 たち ) 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ …

おお …

( ドイツ 兵 ) う わ あっ ! ( ドイツ 兵 ) は っ !

( ドイツ 兵 ) ひ い っ !

う わ あ !

( 修道 女 たち ) おお !

( ドイツ 兵 ) う う … あっ ああ !

( 修道 女 たち の 笑い声 )

ウフフフ … ハハハハ

♪ ~

~ ♪

“ 学園 より 報告 が 届 い た ”

“ 聞け ば なかなか 優秀 な 成績 を 収め て いる と の こと ”

( アブリル ) あっ 褒め られ た

“ だが お前 は 国 を 背負って 旅立った 身 ”

“ 慢 心 せ ず より 一層 精進 に 励む よう … ”

あら ら … 厳しい ね お 父さん

( 一弥 ) うん

( アブリル ) 久 城 ( くじょう ) 君 は やっぱり その …

お 国 に 帰ったら 軍人 さん に なる の ?

( 一弥 ) まあ ね

ちっちゃな 頃 から ずっと 言い 聞か さ れ て き た から

( 一弥 ) けど …

ア … アブリル は ?

前 に 言って た よ ね 確か …

うん 冒険 家

お じいちゃん み たい に 世界 中 を 旅 し て 回る の !

すてき だ ね

( アブリル ) フフ …

あっ おいし そう な お 菓子 !

フフ

( 一弥 ) う ~ ん …

やっぱり 洋 なし の タルト かな ?

随分 真剣 だ ね 久 城 君

うん ヴィクトリカ は 甘い 物 に うるさい から ―

機嫌 を 損ね たら お 仕置 き の フルコース だ よ

お 仕 置き ?

う ~ ん

ヴィクトリカ ! あの ね お土産 が ある ん だ けど …

ああ …

お ~ い ヴィクトリカ ~ !

いる ん だ ろ ?

ん ?

あっ

ヴィクトリカ の …

( 走る 足音 )

( 一弥 ) い ない ここ に も …

ここ に も …

まさか …

( 足音 )

( セシル ) あっ 久 城 君 …

先生 ! ヴィクトリカ は ?

あの ね ―

ゆうべ 遅く 警部 さん が お 父 様 の 部下 の 方 と 一緒に 見え て …

ブロワ 侯爵 の !

遠く の … 修道院 に 移送 する って

( 一弥 ) どう し て こんな 急 に …

分から ない の 全然

でも 久 城 君 に って ヴィクトリカ さん が これ を …

あっ …

ヴィクト リカ さん ―

“ ちょっと 待ち たまえ ” って 宣言 し て それ を …

気丈 に 振る舞って た けど お 目 々 に 涙 いっぱい ため て た

それ で 書き 終える と 自分 から 出 て いって …

( セシル の 泣き声 )

( 鼻 を かむ 音 )

ヴィクトリカ …

( グレ ヴィール ) 仰せ の とおり に いたし まし た 父上

しかし この 移送 は 時期尚早 で は …

( ブロワ 侯爵 ) 情 で も 移った の か ね ?

“ 心 弱き は 真理 に など 至 れ ぬ ”

そう 教え た はず だ が ?

( グレ ヴィール ) い … いえ 私 は 決して

( ブロワ 侯爵 ) 多少 の リスク を 冒し て も 我々 に は あれ が 必要 な の だ

( ヴィクトリカ の せき )

( 教師 ) え ~ この 問題 を 解ける 者 ?

( 一弥 ) はい

よろしい 戻り たまえ

では 次 の 問題 を …

( 教師 ) ん ? ( 生徒 ) 聞こえ て ん の か ?

あっ ! き … 君 ! 席 へ 戻り たまえ

( 生徒 ) あいつ 大丈夫 か ?

( アブリル ) そ っか ヴィクト リカ さん が …

( 一弥 ) うん

警察 署 に 行って も ブロワ 警部 は ずっと 留守 だ し …

きっと 大丈夫 よ

だって ヴィクト リカ さん と 修道院 なんて 全然 似合わ ない もの

すぐ 飛び出し て 帰って くる よ 甘い 物 食べ に

それ に お 父さん と 一緒 なら 心配 し なく て も …

だから 心配 な ん だ よ 余計 に

あっ ご … ごめん

うん … 私 の ほう こそ

ありがとう また あした ね

あの さ 久 城 君

久 城 君 …

“ バカ ” ?

“ バカ ” って 何 だ よ こんな 時 まで 減らず口 ばっかり …

泣く ほど イヤ なら 素直 に 言え ば いい じゃ ない か ―

“ 助け て ” って

君 は 今 どこ に ?

( ヴィクトリカ ) 君 は 私 を 見つけ られ ない の か ?

( 一弥 ) は っ !

ヴィクトリカ …

( ヴィクトリカ ) バカ

う っ !

( 足音 )

( 一弥 ) う ~ ん よし !

これ で ひととおり …

( グレ ヴィール ) 違う

その パニエ は そっち の ふわふわ ドレス 専用 だ

( 一弥 ) 警部 !

まさか あれ を 捜し に 出る つもり か ね ?

手がかり も なし に ?

君 は もう 少し 賢明 な 子 リス か と 思って い た が

教え て ください ヴィクトリカ は ?

灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) の 命 の ともし火 は 消え かかって いる

移送 さ れ て 以来 ―

食事 も せ ず 書物 も 読ま ず もはや ほえ も し ない

な っ …

( グレ ヴィール ) あれ は もしかすると ―

限ら れ た 条件 で しか 生き られ ぬ 異形 の もの な の かも しれ ん

ならば せめて 荷物 だけ でも 送って やろ う と ―

こう し て 立ち寄った が …

幸い 間もなく 満月

これ さえ あれ ば 君 でも あそこ に 入れる だ ろ う

あそこ ?

“ ベルゼブブ の 頭蓋 ” だ よ

灰色 狼 は その 奥深く に 捕らわれ て いる

あ …

( セシル ) え ~ お っ ほん

久 城 君 は 一身 上 の 都合 で しばらく お 休み で ~ す

( 生徒 ) また 事件 を 起こし たん じゃ ?

( セシル ) で … でも ご 心配 は 無用

( 生徒 ) 不吉 な こと ばかり ね

2 ~ 3 日 中 に は たぶん …

いえ 必ず … あっ …

( 生徒 ) 連れ 去ら れ た ん じゃ ない の ?

( グレ ヴィール ) リトアニア 沿岸

中世 の いにしえ より 現代 まで 続く 人里 離れ た 修道院

それ が “ ベルゼブブ の 頭蓋 ” だ

か の 国 と 我ら ソヴュール は 長く 同盟 関係 に ある

あそこ は 灰色 狼 を おとなしく さ せ て おく のに ―

うってつけ の 場所 だった の だ が …

( 一弥 ) なぜ そんな 所 へ ?

我々 は ある 目的 から ―

と ある 人物 を おびき寄せる 必要 が あった

その ため に どう し て も 灰色 狼 が 必要 だった の だ

ある 人物 ?

久 城 君 我々 は あれ が 自由 に なって も 困る が ―

かといって 死な れ て も なおさら 困る の だ よ

父上 は 意 に 介し て い ない が

しかし 今 の まま で は いずれ …

( 一弥 ) 分かり まし た

迎え に 行き ます 僕 が

でも あなた や ブロワ 侯爵 の ため じゃ ない

僕 は … 僕 は ヴィクトリカ の …

友達 だ から

( 汽笛 )

( 発車 の ベル )

( 発車 の ベル )

( 車掌 ) オールド ・ マスカレード 号 に ご 乗車 の 方 は お 急ぎ を

( 発車 の ベル )

( 発車 の ベル )

間もなく 発車 いたし ます

どう も ご 一緒 し ます

( ハント ) おや ? 東洋 の キュート な 少年

君 も ベルゼブブ の 頭蓋 に ?

はい …

その 若 さ で ファンタスマゴリア に 招か れる と は ―

君 も 隅 に 置け ない ね

( 一弥 ) ファン タス … ?

またまた これ だ よ

あの 修道院 で は 月 に 一 度 ―

満月 の 夜 に 秘密 の 夜会 が 開か れ て いる

それ が …

ファンタスマゴリア !

( ハント ) いかに も

まあ 一種 の ショー の よう な もの さ

宙 を 舞う ゴースト 箱 の 中 で 消える 男 ―

ヨーロッパ 中 から 集め られ た いにしえ の 魔術 師 たち

この 20 世紀 に 時代遅れ 極まりない が ―

何しろ ショー の 会場 係 は ―

なまめかしい 美女 ばかり と いう うわさ だ

ねえ ご 老人 あなた も

( 老人 ) 黙れ 罰 ( ばち ) 当たり が ( ハント ) ん ?

わし は ただ 娘 に 会い に 行く だけ だ

あっ なるほど 修道 女 さん な ん です ね

それ で はるばる

( 老人 ) 黒い 髪 黒い 瞳

まるで 言い伝え に ある 死 に 神 の ごとき だ な

( 一弥 ) えっ ?

( ハント ) なるほど あの 修道院 は ―

中世 の 黒 死 病 流行 の 折 に 建て られ た の だ よ

当時 の 人々 は 病 を 真っ黒 な 死 に 神 に 見立て て …

よ … よし て ください よ !

そりゃ あ 確か に ―

僕 も 学園 で は “ 死に 神 ” なんて 呼ば れ てる けど

でも …

( 老人 ) ふん … ( ハント ) ハハハ

少年 ええ と …

( 一弥 ) 久 城 一弥 です

サイモン ・ ハント だ

ソヴレム で と ある 大手 の 時計 メーカー に 勤め て いる

もし 時計 の ご 購入 を お 考え なら どうぞ

安く し とくよ

は … は あ … よろしく

( 汽笛 )

ダメ だ どう に も 寝つ け ない や

( ドア が 閉まる 音 ) ( 一弥 ) ん ?

あっ ブライアン ・ ロスコー ! ?

( 羽ばたく 音 )

( 一弥 ) う わ っ !

は ぁ …

おかしい な 確か に ここ に 入った のに …

チェス ドール ?

やっぱり この 列車 に は ブライアン が ?

変 な 顔 だ なあ

イテッ ! う わ あ !

えっ ! ? どう いう こと ?

機械 ?

ん ?

こっち も … どう いう 仕掛け で 勝手 に 動く ん だ ?

でも ブライアン まで 来 てる って こと は …

( 一弥 ) 間違い ない

この 列車 の 行き着く 先 に 必ず ヴィクトリカ が …

( 汽笛 )

( 一弥 ) 結局 ブライアン は 見つから ず じまい か …

( ハント ) ほう “ 落下 さ せる 聖 ( セント ) マリア の 怪 ” です か

( 女性 ) 今 から 10 年 前 1914 年 の こと で すわ

ドイツ 軍 の 飛行機 に 襲わ れ た 当時 の ベルゼブブ の 頭蓋 で

知って い ます よ

空 に 巨大 な マリア 像 が 現れ 爆撃 機 隊 を 全滅 さ せ た

しかし 当時 は ―

ソヴュール 王国 の 科学 アカデミー が 工作 活動 の ため ―

あそこ を 使って い た と の うわさ も あり ます が …

( 一弥 ) アカデミー ?

確か ブロワ 侯爵 の オカルト 省 と 対立 し てる …

眉 唾 でしょ う ?

科学 で 説明 の つく 出来事 で は あり ませ ん わ

なるほど なるほど フフ …

まあ

( 汽笛 ) ( 一弥 ) ん … あっ

( 一弥 ) 構う もん か ここ まで 来 た ん だ

何 が 待ち受けよ う と 必ず 助ける よ 君 を …

( 汽笛 )

あっ

あれ が ベルゼブブ の 頭蓋

( ハント ) その とおり

どう だい ?

ハエ の 王 ベルゼブブ に ち なん で ―

名付け られ た 理由 が 分かる だ ろ う ?

( 一弥 ) ええ 確か に ハエ の 頭 そっくり です

( 汽笛 )

( 車掌 ) 皆様 お 疲れ さま で し た

こちら が 当 列車 の 終点 に ござい ます

明朝 日の出 に は お迎え に 参り ます ので ―

何とぞ お 乗り遅れ なき よう

あっ

少年 あちら を 見 て ごらん

あの 水門 が ―

海 から ベルゼブブ の 頭蓋 を 守って いる

今夜 は 満潮 もし あれ が 開け ば …

( 老人 ) ようやく … ( 一弥 ) ん ?

ようやく 娘 に 再び 会 える

ん …

え ? あ はい !

あの 僕 友人 を 迎え に 来 た ん です

アルベール ・ ド ・ ブロワ 侯爵 の 娘 で ―

ヴィクトリカ と いう 女の子 な ん です が …

あっ …

( ドラ の 音 )

( 美 少女 ) 魔術 の 夜 へ ようこそ !

( 美 少女 ) 間もなく うた げ が 開幕 いたし ます !

( 一弥 ) えっ ! ? えっ ! ?

( けん 騒 )

( 招待 客 ) わ あ !

あの … これ って ?

( ロスコー ) フン … 変わり果て た もの だ

前 に 俺 が ここ を 訪れ た の は 1914 年

グレート ウォー の 最中 で の こと だった

( ロジェ ) 君 が ブライアン ・ ロスコー だ ね

ああ

ようこそ

私 が ソヴュール 王国 科学 アカデミー の 主宰 者 ―

ジュピター ・ ロジェ だ

( ロジェ ) 我々 科学 アカデミー に とって この 戦争 は 敵国 のみ なら ず ―

オカルト 省 と の 戦い で も ある

我々 は 祖国 発展 の ため ―

科学 と いう 新しい 力 を 積極 的 に 取り入れよ う と し て いる

それ に 対し オカルト 省 は …

この 大陸 の 古き 力 を 用い て 新た な 時代 と 渡り合 お う と し て いる

若き 灰色 狼 の 末 えい よ 君 は オカルト 省 の …

オカルト 省 は 俺 の 敵 だ

アルベール ・ ド ・ ブロワ を 俺 が 許す こと は 決して ない

うむ …

どう か その 力 を 貸し て くれ

我々 は 奇術 に よって 工作 活動 を なし たい と 考え て いる

( ロスコー ) ちょうど いい

幸い 俺 は うってつけ の 道具 を 携え て い て ね

今 世紀 最大 の ペテン 師 ―

ブライアン ・ ロスコー の 戦争 を ご覧 あれ

( ロスコー ) だ が ロジェ の 狙い は 無論 それ のみ で は なかった

やつ ら アカデミー が 真に 欲し て い た の は …

形見 箱 …

あの “ 名 も 無き 村 ” から 俺 が 持ち帰った 秘密 の 箱

必ず 取り戻さ ね ば なら ん

たとえ その ため に ―

か弱き 小 狼 が 危機 に ひんし て いよ う と

参った な

この 人 混 み じゃ ろくに 身動き 取れ ない よ

( 招待 客 ) 始まる ぞ !

( 招待 客 ) ファンタスマゴリア の 開幕 だ

( 歓声 )

( 男性 ) ファンタスマゴリア !

た … た ~ ま や ~ ハハ …

ん ?

あっ !

ヴィクトリカ !

ハァ ハァ ハァ …

あっ !

ヴィクトリカ !

ヴィクトリカ な ん だ ろ ? 待って よ !

( 一弥 ) ヴィクトリカ どう し て ?

( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ …

くっ !

( 一弥 ) 幻 なんか じゃ ない 確か に あれ は …

ハァ ハァ ハァ …

( 一弥 の 息切れ )

行き止まり ?

う っ !

あっ !

( せき払い )

入る よ

ヴィクトリカ … ヴィクトリカ だ ろ ?

ねえ 僕 だ よ

( せき込み )

僕 だって ば ヴィクトリカ 君 出 て き な よ

( くしゃみ )

あれ ? くしゃみ し た ?

寒い ん じゃ ない かい ?

ほら 君 の 荷物 … あっ

( ヴィクトリカ ) 遅い …

( 一弥 ) ご ごめん よ でも …

( ヴィクトリカ ) バカ ! 死ね !

な … 何 だ よ ?

これ でも 精いっぱい 急 い で 来 た !

言い訳 する な !

フッ

でも こう し て ちゃん と 見つけ た だ ろ ?

( ヴィクトリカ ) ぐ じゃ っ

( ヴィクトリカ ) 久 城 その 赤 すぐ り 色 の ドレス を 取れ

えっ これ ?

( ヴィクトリカ ) 違う ! ( 一弥 ) う あっ !

( ヴィクトリカ ) それ は 木 いちご 色 だ ろ う

色 の 違い も 分から ぬ か この 大 バカ

( 一弥 ) は いはい すみません

( ヴィクトリカ ) まったく 君 と いう 男 は

相変わらず バカ な 上 に 不 粋 極まりない の だ な

フフ やっと いつも の 調子 が 出 て き た みたい だ ね

でも さっき は なんで 逃げ たり し た の さ ?

( ヴィクトリカ ) は ?

“ は ? ” じゃ ない よ 庭 に い た ろ 君

だから 僕 は 追っかけ て …

( ヴィクトリカ ) 本当 か ? それ は

( 一弥 ) ん ?

( ヴィクトリカ ) 私 は ずっと ここ に い た

だから 君 が 見 た の は 別人 だ

( 一弥 ) え じゃあ …

恐らく 私 の 母 コル デリア ・ ギャロ

えっ

さて 役者 は そろった

月 の 光 が 人間 ども の 心 を 狂わ す

( コル デリア ) 魔術 の 夜 は ―

まだ これ から だ

♪ ~

~ ♪

( 一弥 ) やっと 見つけ た よ ヴィクトリカ

( ヴィクトリカ ) ああ 私 は ずっと ―

君 に 焦がれ 続け て い た

クリーム たっぷり の 甘い お 菓子 を

( 一弥 ) お 菓子 !


Gosick Episode 16 gosick|episode Gosick Episode 16

( 爆撃 機 の 飛行 音 ) ばくげき|き||ひこう|おと

( 爆撃 機 の 飛行 音 ) ばくげき|き||ひこう|おと

( 修道 女 ) ん ? はっ ! しゅうどう|おんな||

( 爆撃 機 の 飛行 音 ) ばくげき|き||ひこう|おと

( 悲鳴 ) ひめい

( 修道 女 ) やめ て ! ここ に は ケガ 人 しか … しゅうどう|おんな||||||けが|じん| Stop! Everyone here is wounded—

( 修道 女 ) う っ う … はっ ! しゅうどう|おんな||||

( 人々 の せき込み ) ひとびと||せきこみ

( 修道 女 ) 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ … しゅうどう|おんな|のろわ||のろわ||のろわ||のろわ||のろわ| Curse them... curse them... curse them...

呪わ れろ 呪わ れろ ! のろわ||のろわ|

呪わ れろ ! のろわ|

( 修道 女 たち ) 呪わ れろ 呪わ れろ 呪わ れろ … しゅうどう|おんな||のろわ||のろわ||のろわ| Curse them... curse them...

おお …

( ドイツ 兵 ) う わ あっ ! ( ドイツ 兵 ) は っ ! どいつ|つわもの||||どいつ|つわもの||

( ドイツ 兵 ) ひ い っ ! どいつ|つわもの|||

う わ あ !

( 修道 女 たち ) おお ! しゅうどう|おんな||

( ドイツ 兵 ) う う … あっ ああ ! どいつ|つわもの||||

( 修道 女 たち の 笑い声 ) しゅうどう|おんな|||わらいごえ

ウフフフ … ハハハハ

♪ ~

~ ♪

“ 学園 より 報告 が 届 い た ” がくえん||ほうこく||とどけ|| We received a report from the academy.

“ 聞け ば なかなか 優秀 な 成績 を 収め て いる と の こと ” きけ|||ゆうしゅう||せいせき||おさめ||||| It appears that you have excellent grades.

( アブリル ) あっ 褒め られ た ||ほめ|| He praised you!

“ だが お前 は 国 を 背負って 旅立った 身 ” |おまえ||くに||せおって|たびだった|み However, you are a traveler that shoulders this country.

“ 慢 心 せ ず より 一層 精進 に 励む よう … ” まん|こころ||||いっそう|しょうじん||はげむ| Don't be overconfident, and keep doing your best.

あら ら … 厳しい ね お 父さん ||きびしい|||とうさん Oh dear...

( 一弥 ) うん かずや| Yeah...

( アブリル ) 久 城 ( くじょう ) 君 は やっぱり その … |ひさ|しろ||きみ||| Kujō, will you also become a soldier when you return to your country?

お 国 に 帰ったら 軍人 さん に なる の ? |くに||かえったら|ぐんじん||||

( 一弥 ) まあ ね かずや|| I suppose.

ちっちゃな 頃 から ずっと 言い 聞か さ れ て き た から |ころ|||いい|きか|||||| That's what I've been told ever since I was little.

( 一弥 ) けど … かずや| But...

ア … アブリル は ? A-And you, Avril?

前 に 言って た よ ね 確か … ぜん||いって||||たしか Didn't you say you wanted to be...

うん 冒険 家 |ぼうけん|いえ Yep, an adventurer!

お じいちゃん み たい に 世界 中 を 旅 し て 回る の ! |||||せかい|なか||たび|||まわる| I'm gonna travel around the world like my grandpa!

すてき だ ね That sounds wonderful.

( アブリル ) フフ …

あっ おいし そう な お 菓子 ! |||||かし

フフ

( 一弥 ) う ~ ん … かずや|| Hmm...

やっぱり 洋 なし の タルト かな ? |よう|||| Maybe the pear tart?

随分 真剣 だ ね 久 城 君 ずいぶん|しんけん|||ひさ|しろ|きみ You're taking this pretty seriously, Kujō.

うん ヴィクトリカ は 甘い 物 に うるさい から ― |||あまい|ぶつ||| Yeah. Victorique is fussy about her sweets, so I'll get a full course of punishment if I don't please her.

機嫌 を 損ね たら お 仕置 き の フルコース だ よ きげん||そこね|||しおき|||ふるこーす||

お 仕 置き ? |し|おき Punishment?

う ~ ん

ヴィクトリカ ! あの ね お土産 が ある ん だ けど … |||おみやげ||||| Victorique!

ああ …

お ~ い ヴィクトリカ ~ ! Hey, Victorique!

いる ん だ ろ ? You're here, aren't you?

ん ?

あっ

ヴィクトリカ の … It's Victorique's...

( 走る 足音 ) はしる|あしおと

( 一弥 ) い ない ここ に も … かずや||||| She isn't here either...

ここ に も … Or here...

まさか … Don't tell me she...

( 足音 ) あしおと

( セシル ) あっ 久 城 君 … ||ひさ|しろ|きみ Kujō...

先生 ! ヴィクトリカ は ? せんせい|| Miss, where's Victorique?!

あの ね ― Late last night, I saw her with the inspector and one of her father's men...

ゆうべ 遅く 警部 さん が お 父 様 の 部下 の 方 と 一緒に 見え て … |おそく|けいぶ||||ちち|さま||ぶか||かた||いっしょに|みえ|

ブロワ 侯爵 の ! |こうしゃく| The Marquis de Blois?!

遠く の … 修道院 に 移送 する って とおく||しゅうどういん||いそう|| They said they're moving her to a convent!

( 一弥 ) どう し て こんな 急 に … かずや|||||きゅう| Why the sudden decision?

分から ない の 全然 わから|||ぜんぜん I have no idea.

でも 久 城 君 に って ヴィクトリカ さん が これ を … |ひさ|しろ|きみ||||||| But Victorique said to give this to you.

あっ …

ヴィクト リカ さん ― |りか| Victorique wrote that after asking them to wait.

“ ちょっと 待ち たまえ ” って 宣言 し て それ を … |まち|||せんげん||||

気丈 に 振る舞って た けど お 目 々 に 涙 いっぱい ため て た きじょう||ふるまって||||め|||なみだ||||

それ で 書き 終える と 自分 から 出 て いって … ||かき|おえる||じぶん||だ|| She walked away herself after she finished writing.

( セシル の 泣き声 ) ||なきごえ

( 鼻 を かむ 音 ) はな|||おと

ヴィクトリカ … Victorique...

( グレ ヴィール ) 仰せ の とおり に いたし まし た 父上 ||おおせ|||||||ちちうえ I did as you instructed, Father.

しかし この 移送 は 時期尚早 で は … ||いそう||じきしょうそう|| But don't you think it's too early to move her?

( ブロワ 侯爵 ) 情 で も 移った の か ね ? |こうしゃく|じょう|||うつった||| Have you become attached to her?

“ 心 弱き は 真理 に など 至 れ ぬ ” こころ|よわき||しんり|||いたる|| I thought I told you that the weak of heart will never reach the truth.

そう 教え た はず だ が ? |おしえ||||

( グレ ヴィール ) い … いえ 私 は 決して ||||わたくし||けっして Oh, I didn't mean...

( ブロワ 侯爵 ) 多少 の リスク を 冒し て も 我々 に は あれ が 必要 な の だ |こうしゃく|たしょう||りすく||おかし|||われわれ|||||ひつよう||| It's risky, but we need it.

( ヴィクトリカ の せき )

( 教師 ) え ~ この 問題 を 解ける 者 ? きょうし|||もんだい||とける|もの Who will solve this problem?

( 一弥 ) はい かずや| I will.

よろしい 戻り たまえ |もどり| Very good. Return to your seat.

では 次 の 問題 を … |つぎ||もんだい| Now, the next problem...

( 教師 ) ん ? ( 生徒 ) 聞こえ て ん の か ? きょうし||せいと|きこえ|||| Is he deaf?

あっ ! き … 君 ! 席 へ 戻り たまえ ||きみ|せき||もどり|

( 生徒 ) あいつ 大丈夫 か ? せいと||だいじょうぶ| Is he all right in the head?

( アブリル ) そ っか ヴィクト リカ さん が … ||||りか|| I see, Victorique is gone...

( 一弥 ) うん かずや| Yeah. I went to the police station, but Inspector Blois never showed up...

警察 署 に 行って も ブロワ 警部 は ずっと 留守 だ し … けいさつ|しょ||おこなって|||けいぶ|||るす||

きっと 大丈夫 よ |だいじょうぶ| I'm sure it'll be fine!

だって ヴィクト リカ さん と 修道院 なんて 全然 似合わ ない もの ||りか|||しゅうどういん||ぜんぜん|にあわ|| After all, Victorique doesn't belong in a convent.

すぐ 飛び出し て 帰って くる よ 甘い 物 食べ に |とびだし||かえって|||あまい|ぶつ|たべ| She'd quickly run away and come back here to eat sweets.

それ に お 父さん と 一緒 なら 心配 し なく て も … |||とうさん||いっしょ||しんぱい|||| Besides, you don't have to worry since she's with her father...

だから 心配 な ん だ よ 余計 に |しんぱい|||||よけい| That's exactly why I'm pretty worried about her.

あっ ご … ごめん

うん … 私 の ほう こそ |わたくし|||

ありがとう また あした ね Thank you. I'll see you tomorrow.

あの さ 久 城 君 ||ひさ|しろ|きみ Hey, Kujō...

久 城 君 … ひさ|しろ|きみ Kujō...

“ バカ ” ? ばか "Idiot"? What does she mean by that?

“ バカ ” って 何 だ よ こんな 時 まで 減らず口 ばっかり … ばか||なん||||じ||へらずぐち|

泣く ほど イヤ なら 素直 に 言え ば いい じゃ ない か ― なく||いや||すなお||いえ||||| If she was on the verge of tears, she should've been honest and written "Help"...

“ 助け て ” って たすけ||

君 は 今 どこ に ? きみ||いま|| Where are you now?

( ヴィクトリカ ) 君 は 私 を 見つけ られ ない の か ? |きみ||わたくし||みつけ||||

( 一弥 ) は っ ! かずや||

ヴィクトリカ … Victorique...

( ヴィクトリカ ) バカ |ばか Idiot.

う っ !

( 足音 ) あしおと

( 一弥 ) う ~ ん よし ! かずや|||

これ で ひととおり …

( グレ ヴィール ) 違う ||ちがう No.

その パニエ は そっち の ふわふわ ドレス 専用 だ ||||||どれす|せんよう| That panier only goes with that fluffy dress over there.

( 一弥 ) 警部 ! かずや|けいぶ Inspector!

まさか あれ を 捜し に 出る つもり か ね ? |||さがし||でる||| Don't tell me you're going to look for her.

手がかり も なし に ? てがかり||| Without any clues...

君 は もう 少し 賢明 な 子 リス か と 思って い た が きみ|||すこし|けんめい||こ|りす|||おもって||| I thought you were a slightly more prudent baby squirrel than that.

教え て ください ヴィクトリカ は ? おしえ|||| Please tell me where Victorique is.

灰色 狼 ( は い いろ おおかみ ) の 命 の ともし火 は 消え かかって いる はいいろ|おおかみ||||||いのち||ともしび||きえ|| The light of the Gray Wolf's life is about to go out.

移送 さ れ て 以来 ― いそう||||いらい She hasn't eaten or read since her transfer, and now she won't even howl.

食事 も せ ず 書物 も 読ま ず もはや ほえ も し ない しょくじ||||しょもつ||よま||||||

な っ … Huh?!

( グレ ヴィール ) あれ は もしかすると ― She may be a peculiar life form that can only live under specific conditions.

限ら れ た 条件 で しか 生き られ ぬ 異形 の もの な の かも しれ ん かぎら|||じょうけん|||いき|||いぎょう|||||||

ならば せめて 荷物 だけ でも 送って やろ う と ― ||にもつ|||おくって||| So I stopped by, thinking I could at least send her luggage over...

こう し て 立ち寄った が … |||たちよった|

幸い 間もなく 満月 さいわい|まもなく|まんげつ Fortunately, it's almost the full moon.

これ さえ あれ ば 君 でも あそこ に 入れる だ ろ う ||||きみ||||いれる||| Even you should be able to get in there with this.

あそこ ? In there?

“ ベルゼブブ の 頭蓋 ” だ よ ||ずがい|| "Beelzebub's Skull".

灰色 狼 は その 奥深く に 捕らわれ て いる はいいろ|おおかみ|||おくふかく||とらわれ|| The Gray Wolf is being held prisoner deep inside.

あ …

( セシル ) え ~ お っ ほん

久 城 君 は 一身 上 の 都合 で しばらく お 休み で ~ す ひさ|しろ|きみ||いっしん|うえ||つごう||||やすみ|| Kujō is taking a leave of absence due to personal reasons.

( 生徒 ) また 事件 を 起こし たん じゃ ? せいと||じけん||おこし||

( セシル ) で … でも ご 心配 は 無用 ||||しんぱい||むよう

( 生徒 ) 不吉 な こと ばかり ね せいと|ふきつ|||| He's nothing but bad luck.

2 ~ 3 日 中 に は たぶん … ひ|なか|||

いえ 必ず … あっ … |かならず| I mean, for sure...

( 生徒 ) 連れ 去ら れ た ん じゃ ない の ? せいと|つれ|さら|||||| Maybe he got kidnapped!

( グレ ヴィール ) リトアニア 沿岸 ||りとあにあ|えんがん The gulf coast of Lithuania.

中世 の いにしえ より 現代 まで 続く 人里 離れ た 修道院 ちゅうせい||||げんだい||つづく|ひとざと|はなれ||しゅうどういん There's a remote convent that's been around since the middle ages.

それ が “ ベルゼブブ の 頭蓋 ” だ ||||ずがい| That's "Beelzebub's Skull".

か の 国 と 我ら ソヴュール は 長く 同盟 関係 に ある ||くに||われら|||ながく|どうめい|かんけい|| That country and Sauville have a longstanding alliance.

あそこ は 灰色 狼 を おとなしく さ せ て おく のに ― ||はいいろ|おおかみ||||||| It was the perfect place to stow away the Gray Wolf and keep her quiet, but...

うってつけ の 場所 だった の だ が … ||ばしょ||||

( 一弥 ) なぜ そんな 所 へ ? かずや|||しょ| Why take her there?

我々 は ある 目的 から ― われわれ|||もくてき| Our aim dictates that we must lure out a certain person.

と ある 人物 を おびき寄せる 必要 が あった ||じんぶつ||おびきよせる|ひつよう||

その ため に どう し て も 灰色 狼 が 必要 だった の だ |||||||はいいろ|おおかみ||ひつよう|||

ある 人物 ? |じんぶつ A certain person?

久 城 君 我々 は あれ が 自由 に なって も 困る が ― ひさ|しろ|きみ|われわれ||||じゆう||||こまる| Kujō.

かといって 死な れ て も なおさら 困る の だ よ |しな|||||こまる||| However, it'll be worse if she dies.

父上 は 意 に 介し て い ない が ちちうえ||い||かいし|||| My father isn't worried...

しかし 今 の まま で は いずれ … |いま||||| But sooner or later, she'll...

( 一弥 ) 分かり まし た かずや|わかり||

迎え に 行き ます 僕 が むかえ||いき||ぼく| I'll go to her.

でも あなた や ブロワ 侯爵 の ため じゃ ない ||||こうしゃく|||| But this isn't for you or the Marquis de Blois.

僕 は … 僕 は ヴィクトリカ の … ぼく||ぼく||| I'm... I'm going because I'm...

友達 だ から ともだち|| ...Victorique's friend.

( 汽笛 ) きてき

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる Passengers for the Old Masquerade, please board immediately!

( 車掌 ) オールド ・ マスカレード 号 に ご 乗車 の 方 は お 急ぎ を しゃしょう|||ごう|||じょうしゃ||かた|||いそぎ|

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる The train will depart soon!

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる

間もなく 発車 いたし ます まもなく|はっしゃ||

どう も ご 一緒 し ます |||いっしょ|| Hello. Mind if I join you?

( ハント ) おや ? 東洋 の キュート な 少年 ||とうよう||きゅーと||しょうねん

君 も ベルゼブブ の 頭蓋 に ? きみ||||ずがい|

はい … Yes.

その 若 さ で ファンタスマゴリア に 招か れる と は ― |わか|||||まねか||| You must be a smooth operator to be invited to Phantasmagoria at your age.

君 も 隅 に 置け ない ね きみ||すみ||おけ||

( 一弥 ) ファン タス … ? かずや|ふぁん| Phantas...?

またまた これ だ よ Oh, come on.

あの 修道院 で は 月 に 一 度 ― |しゅうどういん|||つき||ひと|たび Once a month on the night of the full moon, a secret soirée is held at that convent.

満月 の 夜 に 秘密 の 夜会 が 開か れ て いる まんげつ||よ||ひみつ||やかい||あか|||

それ が … And that's...

ファンタスマゴリア ! Phantasmagoria!

( ハント ) いかに も Indeed!

まあ 一種 の ショー の よう な もの さ |いっしゅ||しょー||||| Well, it's a kind of show.

宙 を 舞う ゴースト 箱 の 中 で 消える 男 ― ちゅう||まう|ごーすと|はこ||なか||きえる|おとこ A floating ghost and a man who disappears while inside a box.

ヨーロッパ 中 から 集め られ た いにしえ の 魔術 師 たち よーろっぱ|なか||あつめ|||||まじゅつ|し| Venerable magicians gather from all over Europe.

この 20 世紀 に 時代遅れ 極まりない が ― |せいき||じだいおくれ|きわまりない| It's old-fashioned for the 20th century, but rumor has it the show's staff are all charming beauties.

何しろ ショー の 会場 係 は ― なにしろ|しょー||かいじょう|かかり|

なまめかしい 美女 ばかり と いう うわさ だ |びじょ|||||

ねえ ご 老人 あなた も ||ろうじん|| Right, old man? You too.

( 老人 ) 黙れ 罰 ( ばち ) 当たり が ( ハント ) ん ? ろうじん|だまれ|ばち||あたり||| Silence, damned wretch!

わし は ただ 娘 に 会い に 行く だけ だ |||むすめ||あい||いく|| I'm just going to visit my daughter.

あっ なるほど 修道 女 さん な ん です ね ||しゅうどう|おんな||||| I see. She must be a nun.

それ で はるばる You're traveling far.

( 老人 ) 黒い 髪 黒い 瞳 ろうじん|くろい|かみ|くろい|ひとみ Black hair, black eyes.

まるで 言い伝え に ある 死 に 神 の ごとき だ な |いいつたえ|||し||かみ|||| Just like the legendary reaper.

( 一弥 ) えっ ? かずや|

( ハント ) なるほど あの 修道院 は ― |||しゅうどういん| I've got it.

中世 の 黒 死 病 流行 の 折 に 建て られ た の だ よ ちゅうせい||くろ|し|びょう|りゅうこう||お||たて||||| That convent was built in the middle ages during a bubonic plague epidemic.

当時 の 人々 は 病 を 真っ黒 な 死 に 神 に 見立て て … とうじ||ひとびと||びょう||まっくろ||し||かみ||みたて| People at the time compared the disease to the black Grim Reaper.

よ … よし て ください よ ! P-Please stop!

そりゃ あ 確か に ― ||たしか| It's true that people at the academy call me the Grim Reaper, but...

僕 も 学園 で は “ 死に 神 ” なんて 呼ば れ てる けど ぼく||がくえん|||しに|かみ||よば|||

でも …

( 老人 ) ふん … ( ハント ) ハハハ ろうじん||| Hmph...

少年 ええ と … しょうねん|| Boy. Um...

( 一弥 ) 久 城 一弥 です かずや|ひさ|しろ|かずや| I'm Kujō Kazuya.

サイモン ・ ハント だ I'm Simon Hunt.

ソヴレム で と ある 大手 の 時計 メーカー に 勤め て いる ||||おおて||とけい|めーかー||つとめ|| I work for a major clock manufacturer in Saubreme.

もし 時計 の ご 購入 を お 考え なら どうぞ |とけい|||こうにゅう|||かんがえ|| Let me know if you're thinking about buying a new clock.

安く し とくよ やすく|| I'll give you a discount.

は … は あ … よろしく Th-Thank you. Nice to meet you...

( 汽笛 ) きてき

ダメ だ どう に も 寝つ け ない や だめ|||||ねつ||| It's no good.

( ドア が 閉まる 音 ) ( 一弥 ) ん ? どあ||しまる|おと|かずや|

あっ ブライアン ・ ロスコー ! ? |ぶらいあん|

( 羽ばたく 音 ) はばたく|おと

( 一弥 ) う わ っ ! かずや|||

は ぁ …

おかしい な 確か に ここ に 入った のに … ||たしか||||はいった| Strange. I thought I saw him come in here.

チェス ドール ? |どーる A chess doll?

やっぱり この 列車 に は ブライアン が ? ||れっしゃ|||ぶらいあん| So Brian is on this train.

変 な 顔 だ なあ へん||かお|| What a weird face...

イテッ ! う わ あ !

えっ ! ? どう いう こと ?

機械 ? きかい Mechanical parts...

ん ?

こっち も … どう いう 仕掛け で 勝手 に 動く ん だ ? ||||しかけ||かって||うごく|| Here, too...

でも ブライアン まで 来 てる って こと は … |ぶらいあん||らい|||| Anyway, if Brian is here too...

( 一弥 ) 間違い ない かずや|まちがい| There's no mistake.

この 列車 の 行き着く 先 に 必ず ヴィクトリカ が … |れっしゃ||ゆきつく|さき||かならず|| Victorique is definitely at this train's destination.

( 汽笛 ) きてき

( 一弥 ) 結局 ブライアン は 見つから ず じまい か … かずや|けっきょく|ぶらいあん||みつから||| I couldn't find Brian...

( ハント ) ほう “ 落下 さ せる 聖 ( セント ) マリア の 怪 ” です か ||らっか|||せい|せんと|まりあ||かい||

( 女性 ) 今 から 10 年 前 1914 年 の こと で すわ じょせい|いま||とし|ぜん|とし|||| It happened ten years ago, in 1914.

ドイツ 軍 の 飛行機 に 襲わ れ た 当時 の ベルゼブブ の 頭蓋 で どいつ|ぐん||ひこうき||おそわ|||とうじ||||ずがい| At Beelzebub's Skull, during the German air bombings...

知って い ます よ しって||| I know that one.

空 に 巨大 な マリア 像 が 現れ 爆撃 機 隊 を 全滅 さ せ た から||きょだい||まりあ|ぞう||あらわれ|ばくげき|き|たい||ぜんめつ||| A giant image of the Virgin Mary appeared in the sky and annihilated the bomber squadron.

しかし 当時 は ― |とうじ| However, there are rumors that Sauville's Science Academy used the place for their own construction activities.

ソヴュール 王国 の 科学 アカデミー が 工作 活動 の ため ― |おうこく||かがく|あかでみー||こうさく|かつどう||

あそこ を 使って い た と の うわさ も あり ます が … ||つかって|||||||||

( 一弥 ) アカデミー ? かずや|あかでみー Academy?

確か ブロワ 侯爵 の オカルト 省 と 対立 し てる … たしか||こうしゃく||おかると|しょう||たいりつ|| Wasn't that the organization that opposed Marquis de Blois's Ministry of the Occult?

眉 唾 でしょ う ? まゆ|つば|| Isn't it a cock-and-bull story?

科学 で 説明 の つく 出来事 で は あり ませ ん わ かがく||せつめい|||できごと|||||| It wasn't something that science could explain.

なるほど なるほど フフ … I see, I see...

まあ Sheesh...

( 汽笛 ) ( 一弥 ) ん … あっ きてき|かずや||

( 一弥 ) 構う もん か ここ まで 来 た ん だ かずや|かまう|||||らい||| You think I'd care?

何 が 待ち受けよ う と 必ず 助ける よ 君 を … なん||まちうけよ|||かならず|たすける||きみ| No matter what's waiting for me, I'll definitely rescue you!

( 汽笛 ) きてき

あっ

あれ が ベルゼブブ の 頭蓋 ||||ずがい Is that Beelzebub's Skull?

( ハント ) その とおり Yes.

どう だい ? Beelzebub's Skull

ハエ の 王 ベルゼブブ に ち なん で ― ||おう||||| Can you see why they named it after Beelzebub, Lord of the Flies?

名付け られ た 理由 が 分かる だ ろ う ? なづけ|||りゆう||わかる|||

( 一弥 ) ええ 確か に ハエ の 頭 そっくり です かずや||たしか||||あたま|| Yes. It looks just like the head of a fly.

( 汽笛 ) きてき

( 車掌 ) 皆様 お 疲れ さま で し た しゃしょう|みなさま||つかれ|||| Thank you all for your patronage!

こちら が 当 列車 の 終点 に ござい ます ||とう|れっしゃ||しゅうてん||| This is the end of the line.

明朝 日の出 に は お迎え に 参り ます ので ― みょうちょう|ひので|||おむかえ||まいり|| The train will be back tomorrow at sunrise to pick you up, so please don't be late!

何とぞ お 乗り遅れ なき よう なにとぞ||のりおくれ||

あっ

少年 あちら を 見 て ごらん しょうねん|||み|| Boy, take a look at that.

あの 水門 が ― |すいもん| That sluice gate protects Beelzebub's Skull from the sea.

海 から ベルゼブブ の 頭蓋 を 守って いる うみ||||ずがい||まもって|

今夜 は 満潮 もし あれ が 開け ば … こんや||まんちょう||||あけ| If that were to open during tonight's high tide...

( 老人 ) ようやく … ( 一弥 ) ん ? ろうじん||かずや| Finally...

ようやく 娘 に 再び 会 える |むすめ||ふたたび|かい| I can finally see my daughter again.

ん …

え ? あ はい !

あの 僕 友人 を 迎え に 来 た ん です |ぼく|ゆうじん||むかえ||らい|||

アルベール ・ ド ・ ブロワ 侯爵 の 娘 で ― |||こうしゃく||むすめ| She's the daughter of the Marquis Albert de Blois. Her name is Victorique...

ヴィクトリカ と いう 女の子 な ん です が … |||おんなのこ||||

あっ …

( ドラ の 音 ) どら||おと

( 美 少女 ) 魔術 の 夜 へ ようこそ ! び|しょうじょ|まじゅつ||よ|| Welcome to a night of magic!

( 美 少女 ) 間もなく うた げ が 開幕 いたし ます ! び|しょうじょ|まもなく||||かいまく|| The party will begin soon!

( 一弥 ) えっ ! ? えっ ! ? かずや||

( けん 騒 ) |さわ

( 招待 客 ) わ あ ! しょうたい|きゃく||

あの … これ って ? Excuse me, but what is this?

( ロスコー ) フン … 変わり果て た もの だ |ふん|かわりはて|||

前 に 俺 が ここ を 訪れ た の は 1914 年 ぜん||おれ||||おとずれ||||とし The last time I was here was in 1914.

グレート ウォー の 最中 で の こと だった |うぉー||さい なか|||| It was during the Great War.

( ロジェ ) 君 が ブライアン ・ ロスコー だ ね ろじぇ|きみ||ぶらいあん||| Brian Roscoe, I presume?

ああ Yeah.

ようこそ Welcome. I'm Jupiter Roger, the president of the Kingdom of Sauville Science Academy.

私 が ソヴュール 王国 科学 アカデミー の 主宰 者 ― わたくし|||おうこく|かがく|あかでみー||しゅさい|もの

ジュピター ・ ロジェ だ |ろじぇ|

( ロジェ ) 我々 科学 アカデミー に とって この 戦争 は 敵国 のみ なら ず ― ろじぇ|われわれ|かがく|あかでみー||||せんそう||てきこく||| From the Science Academy's perspective,

オカルト 省 と の 戦い で も ある おかると|しょう|||たたかい|||

我々 は 祖国 発展 の ため ― われわれ||そこく|はってん|| For the sake of expanding our country, we're aggressively trying to adopt the new force that is science.

科学 と いう 新しい 力 を 積極 的 に 取り入れよ う と し て いる かがく|||あたらしい|ちから||せっきょく|てき||とりいれよ|||||

それ に 対し オカルト 省 は … ||たいし|おかると|しょう| In that regard, the Ministry of the Occult...

この 大陸 の 古き 力 を 用い て 新た な 時代 と 渡り合 お う と し て いる |たいりく||ふるき|ちから||もちい||あらた||じだい||わたりあ|||||| ...is trying to employ this continent's ancient power to cross swords with the new age.

若き 灰色 狼 の 末 えい よ 君 は オカルト 省 の … わかき|はいいろ|おおかみ||すえ|||きみ||おかると|しょう| Young descendant of the Gray Wolves, are you from the Ministry of the Occult?

オカルト 省 は 俺 の 敵 だ おかると|しょう||おれ||てき| The Ministry of the Occult is my enemy.

アルベール ・ ド ・ ブロワ を 俺 が 許す こと は 決して ない ||||おれ||ゆるす|||けっして| I'll never forgive Albert de Blois.

うむ … Good. Please lend us your strength.

どう か その 力 を 貸し て くれ |||ちから||かし||

我々 は 奇術 に よって 工作 活動 を なし たい と 考え て いる われわれ||きじゅつ|||こうさく|かつどう|||||かんがえ|| We're thinking of using a conjuration to pull off an engineering feat.

( ロスコー ) ちょうど いい You're in luck.

幸い 俺 は うってつけ の 道具 を 携え て い て ね さいわい|おれ||||どうぐ||たずさえ|||| I happen to have just the right tool for the job.

今 世紀 最大 の ペテン 師 ― いま|せいき|さいだい|||し Gaze upon the war of Brian Roscoe, greatest swindler of the century!

ブライアン ・ ロスコー の 戦争 を ご覧 あれ ぶらいあん|||せんそう||ごらん|

( ロスコー ) だ が ロジェ の 狙い は 無論 それ のみ で は なかった |||ろじぇ||ねらい||むろん||||| But of course, that wasn't all Roger was after.

やつ ら アカデミー が 真に 欲し て い た の は … ||あかでみー||しんに|ほし||||| What the bastards at the academy truly wanted was...

形見 箱 … かたみ|はこ ...the memento box.

あの “ 名 も 無き 村 ” から 俺 が 持ち帰った 秘密 の 箱 |な||なき|むら||おれ||もちかえった|ひみつ||はこ The secret box that I brought back from that "nameless village".

必ず 取り戻さ ね ば なら ん かならず|とりもどさ|||| I swear I'll get it back.

たとえ その ため に ― Even if I must endanger a frail wolf cub.

か弱き 小 狼 が 危機 に ひんし て いよ う と かよわき|しょう|おおかみ||きき||||||

参った な まいった| Oh, boy...

この 人 混 み じゃ ろくに 身動き 取れ ない よ |じん|こん||||みうごき|とれ|| I can barely move around in this crowd.

( 招待 客 ) 始まる ぞ ! しょうたい|きゃく|はじまる| It's starting!

( 招待 客 ) ファンタスマゴリア の 開幕 だ しょうたい|きゃく|||かいまく| Phantasmagoria's signature opening!

( 歓声 ) かんせい

( 男性 ) ファンタスマゴリア ! だんせい| Phantasmagoria!

た … た ~ ま や ~ ハハ … H-Huzzah!

ん ?

あっ !

ヴィクトリカ ! Victorique!

ハァ ハァ ハァ …

あっ !

ヴィクトリカ ! Victorique! Is that you?

ヴィクトリカ な ん だ ろ ? 待って よ ! |||||まって|

( 一弥 ) ヴィクトリカ どう し て ? かずや|||| Victorique... why?

( 一弥 ) ハァ ハァ ハァ … かずや|||

ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ …

くっ !

( 一弥 ) 幻 なんか じゃ ない 確か に あれ は … かずや|まぼろし||||たしか||| It's not an illusion!

ハァ ハァ ハァ …

( 一弥 の 息切れ ) かずや||いきぎれ

行き止まり ? いきどまり A dead end...

う っ !

あっ !

( せき払い ) せきばらい

入る よ はいる| I'm coming in.

ヴィクトリカ … ヴィクトリカ だ ろ ? Victorique... is that you?

ねえ 僕 だ よ |ぼく|| Hey, it's me.

( せき込み ) せきこみ

僕 だって ば ヴィクトリカ 君 出 て き な よ ぼく||||きみ|だ|||| It's me.

( くしゃみ ) Huh? You sneezed.

あれ ? くしゃみ し た ?

寒い ん じゃ ない かい ? さむい|||| You must be cold.

ほら 君 の 荷物 … あっ |きみ||にもつ| Here, I have your things...

( ヴィクトリカ ) 遅い … |おそい You're late.

( 一弥 ) ご ごめん よ でも … かずや|||| I-I'm sorry, but...

( ヴィクトリカ ) バカ ! 死ね ! |ばか|しね Idiot! Die!

な … 何 だ よ ? |なん|| W-What the heck?! I got here as fast as I could!

これ でも 精いっぱい 急 い で 来 た ! ||せいいっぱい|きゅう|||らい|

言い訳 する な ! いいわけ|| Don't make excuses!

フッ

でも こう し て ちゃん と 見つけ た だ ろ ? ||||||みつけ||| But I found you as promised, didn't I?

( ヴィクトリカ ) ぐ じゃ っ

( ヴィクトリカ ) 久 城 その 赤 すぐ り 色 の ドレス を 取れ |ひさ|しろ||あか|||いろ||どれす||とれ Kujō, get me that red-currant dress.

えっ これ ?

( ヴィクトリカ ) 違う ! ( 一弥 ) う あっ ! |ちがう|かずや|| This one?

( ヴィクトリカ ) それ は 木 いちご 色 だ ろ う |||き||いろ||| That's raspberry!

色 の 違い も 分から ぬ か この 大 バカ いろ||ちがい||わから||||だい|ばか Can't you even tell which color is which, idiot?!

( 一弥 ) は いはい すみません かずや|||

( ヴィクトリカ ) まったく 君 と いう 男 は ||きみ|||おとこ| Honestly, you're unbelievable.

相変わらず バカ な 上 に 不 粋 極まりない の だ な あいかわらず|ばか||うえ||ふ|いき|きわまりない||| You're stupid as ever with no sense of refinement.

フフ やっと いつも の 調子 が 出 て き た みたい だ ね ||||ちょうし||だ||||||

でも さっき は なんで 逃げ たり し た の さ ? ||||にげ||||| But why were you running away from me?

( ヴィクトリカ ) は ? Huh?

“ は ? ” じゃ ない よ 庭 に い た ろ 君 ||||にわ|||||きみ What do you mean, "Huh"?

だから 僕 は 追っかけ て … |ぼく||おっかけ| That's why I followed you.

( ヴィクトリカ ) 本当 か ? それ は |ほんとう||| Are you serious?!

( 一弥 ) ん ? かずや| I was here the whole time.

( ヴィクトリカ ) 私 は ずっと ここ に い た |わたくし||||||

だから 君 が 見 た の は 別人 だ |きみ||み||||べつじん| The person you saw wasn't me.

( 一弥 ) え じゃあ … かずや|| Then...

恐らく 私 の 母 コル デリア ・ ギャロ おそらく|わたくし||はは||| That was probably my mother...

えっ

さて 役者 は そろった |やくしゃ|| Well, the actors have assembled.

月 の 光 が 人間 ども の 心 を 狂わ す つき||ひかり||にんげん|||こころ||くるわ| The light of the moon will drive humans mad.

( コル デリア ) 魔術 の 夜 は ― ||まじゅつ||よ| The night of magic has only just begun.

まだ これ から だ

♪ ~ Whenever, Wherever

~ ♪

( 一弥 ) やっと 見つけ た よ ヴィクトリカ かずや||みつけ||| I finally found you, Victorique.

( ヴィクトリカ ) ああ 私 は ずっと ― ||わたくし|| Yeah. I was yearning for you the whole time...

君 に 焦がれ 続け て い た きみ||こがれ|つづけ|||

クリーム たっぷり の 甘い お 菓子 を くりーむ|||あまい||かし| ...my cream-filled sweets.

( 一弥 ) お 菓子 ! かずや||かし Sweets?!