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ゴシック (Gosick), Gosick Episode 12

Gosick Episode 12

( 鐘 の 音 )

( 生徒 ) お前 夏 休み どこ 行く の ?

( 生徒 ) うち は 父さん が ヨット 買った から クルーズ だ ね

( 生徒 ) う ~ わ ! いい なあ

や っぱ 海 が いい よ うち の 別荘 は 高原 だ から

( 一弥 ( かず や ) ) 夏 休み か …

たった 2 か月 じゃ 日本 に 帰 れ そう に ない し な

避暑 か … いい なあ

避暑 か … いい なあ

( 走る 足音 )

( 走る 足音 )

( 走る 足音 )

( アブリル ) あっ い たい た 久 城 ( くじょう ) く ~ ん !

( アブリル ) あっ い たい た 久 城 ( くじょう ) く ~ ん !

( 一弥 ) え ?

地中海 に 行か ない ?

( 一弥 ) え ? 地中海 って … あの 地中海 ?

うん あの ね おばあ ちゃん が 別荘 を 持って いる の

で 友達 を 連れ て き て いい って

“ ただし 礼儀正しい 子 を ね ” って

だから その … もし よかったら

うん 行き たい … あっ

うん 行き たい … あっ

( 鐘 の 音 )

( 鐘 の 音 )

( 鐘 の 音 )

ちょ … ちょっと 待って て

( アブリル ) え … うん

( 一弥 ) フ ~ … 暑 さ が こたえる なあ

ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ ハァ …

ハァ … あ い たい た ヴィクトリカ

あ … あれ ?

( ヴィクトリカ ) 事件 は なし か ね ?

え ? な … 何 だ よ ? いきなり

違う よ 今日 は 話 が あって …

では お 菓子 は ?

あ それ も ない … ん だ けど

手 土産 の ひと つ も 持た ず ―

ここ に 足 を 踏み入れる と は …

君 も 偉く なった もの だ な 久 城

( 一弥 ) な っ …

( ヴィクトリカ ) 下界 から お 菓子 を 持ってこい

私 が 満足 する お 菓子 を 見つける まで 何度 も 何度 も

話 は それ から だ

むっ ! 分かった よ

君 に 地中海 の お 菓子 を 買って くる よ !

( ヴィクトリカ ) は ぁ …

愚 かな …

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) ふん 愚か な ヤツ ら だ

この 暑い さなか わざわざ いそいそ と の こ の こと …

その 中 でも 愚 の 骨 頂 大将 を 受賞 する の は 久 城 だ な

まったく 分かり やすい ヤツ な の だ

事件 も 土産 も なし に ―

しかも うれし そう に やって き て …

知恵 の 泉 など 使わ ず と も 用件 は 丸 分かり !

本当 に 愚 だ 愚 !

有害 な 日差し に 無駄 に 焼か れ 皮膚 を ペロペロ と むく より も …

ここ に …

ここ に …

私 の 隣 に いれ ば …

( 機関 車 の 汽笛 )

( アブリル ) 急 い で 急 い で !

( 一弥 ) ちょ っ … ちょっと 待って アブリル

( 女の子 ) ママ ~ ! ( 一弥 ) ん ?

フフ

( 女の子 ) わ あ ! フフ

久 城 君 ! 早く !

( 一弥 ) ごめん ! 僕 やっぱり 行け ない や !

え ~ ! どう し て ! ?

学園 に は ヴィクトリカ が いる ん だ

みんな 避暑 に 行っちゃ っ て さみしい と 思う

だから …

ごめん

( アブリル ) う うん

そ っか … しかたない ね

友達 思い な ん だ ね 久 城 君 うん 分かった

ホント に ごめん ね

いい の お土産 買って くる わ ヴィクトリカ 君 の 分 も

久 城 君 と お そろい の 麻 の シャツ と か どう かしら ?

シャツ ? どう だ ろ う …

いつも フリル が わんさ か 付い てる ―

やたら 難解 な 服 を 着 てる から …

へえ 男の子 な の に 奇抜 な センス の 持ち主 な の ね

あっ 女の子 だ よ

えっ ! ?

( 発車 の ベル )

( 発車 の ベル )

( 発車 の ベル )

( アブリル ) お … 女 ?

( 汽笛 ) ( アブリル ) ええ え ~ っ ! ?

( ヴィクトリカ ) う ~ ん

う ~ 日差し が …

文字 が 頭 に さっぱり 入って こ ない ぞ

これ は 発見 だ

退屈 な 本 でも これ なら …

かなり の 手応え … に …

( 足音 )

ん ?

な っ ! ?

何 し てる の ? ヴィクトリカ

く … く … 久 城 !

き … き … 君 出かけ た の で は ない の か ?

これ 日傘 買って き た ん だ

( ヴィクトリカ ) 余計 な こと を

せっかく 画期的 な 読書 法 を 見つけ た と いう のに

( 一弥 ) それ と 郵便 局 に 日本 から 荷物 が 届 い て た ん だ

まず はい ( ヴィクトリカ ) あっ …

( ヴィクトリカ ) これ は … 宝石 か ?

あめ だ よ 細工 が し て ある ん だ

( ヴィクトリカ ) わ あ …

あと 君 に 次兄 から この 前 の 手紙 の 返事 だって

( ヴィクトリカ ) ん …

( 一弥 ) 君 覚え てる か 分から ない けど さ

( あくび ) ( ヴィクトリカ ) ん ?

暴漢 の 襲って くる 力 を 逆 に …

こう … 利用 し て 懐 に 潜り込み …

何 を 読 ん で いる の だ ?

ああ 日本 から 送ら れ て き た 雑誌 だ よ

「 月刊 硬派 」 だって

( ヴィクトリカ ) 物騒 な 題名 だ な

“ 帝国 軍人 の 三男 たる もの ― ”

“ 遠く ソヴュール に い て も 日々 の 鍛錬 を 怠って は なら ず ”

… だって さ

( ヴィクトリカ ) これ … こっち は 科学 の 本 か ?

( 一弥 ) うん 長兄 は ムキムキ だ けど 次兄 は 頭 が いい ん だ

どっち に しろ 僕 は かなわない

( ヴィクトリカ ) これ を

この 本 が 何 か ?

( ヴィクトリカ ) 5 分 以内 に この 謎 を 解く よう に と ―

次兄 に 伝え た まえ

( 一弥 ) 何 ? これ

( ヴィクトリカ ) この 馬 の 他 に もう 一 頭 の “ 走る 馬 ” を 作る の だ

え ?

う ~ ん これ で もう 一 頭 の 馬 を ?

( ヴィクトリア ) 頭 が いい と いう の なら ―

これ しき の こと は 造作ない だ ろ う ( 一弥 ) う ~ ん …

( 一弥 ) あの 時 の 返事 みたい だ よ

( ヴィクトリカ ) フン … どうやら 5 分 以上 経った よう だ が ね

船便 だ から しかたない でしょ

えっ と … あっ !

白い 所 が 馬 の 絵 に なって る !

なるほど ねえ !

へ え ~ これ こそ 発想 の 転換 って やつ だ ね

面白い なあ

( 馬 の いななき )

なに なに 手紙 が 書 い て ある よ え えっ と …

“ こんな の 簡単 で ち ゅ よ ~ 3 分 で 解け まち たよ ~ と ― ”

“ その 小さな 女の子 に 伝え て くれ た まえ ” だって

( ヴィクトリカ ) む …

おかしい なあ

次兄 も こない だ 着物 を 送って くれ た 姉 も ―

君 の こと を 小さな 子供 だ と 勘違い し てる みたい な ん だ

まあ 君 は 確か に 子供 っぽい 人 だ けど ね

イッタ ~ ! うが が …

イッタ … もう

あっ 便せん の 隅 に 何 か 書 い て ある よ

瑠璃 ( るり ) 姉さん の 字 だ

( ヴィクトリカ ・ 一弥 ) プッ

( ヴィクトリカ ) ふん ! ( 一弥 ) ん ?

まあ 今回 は 私 の 勝利 と いう こと だ

それにしても 食欲 を そそら れ ない 色 だ な

気 に 入ら ない ? だったら 持って 帰って …

とりあえず もらって おい て やろ う

次 は もっと マシ な お 菓子 を 持って き た まえ

分かった よ もう …

( 一弥 ) ねえ まだ 戻ら ない の ?

( 一弥 の あくび )

( 一弥 ) よっ と … よっ と ( ヴィクトリカ ) ん ?

( 一弥 ) よっ と …

ああ … あっ …

( 一弥 ) よっ と … ん ?

( ヴィクトリカ ) あっ ! ゴ … ゴホンッ

( 一弥 ) ん ?

( 一弥 ) こう し て ヴィクトリカ と いる と ―

あれ だけ 怖かった 兄さん たち の こと も ―

( ヴィクトリカ の 鼻歌 )

( ヴィクトリカ の 鼻歌 )

( ヴィクトリカ の 鼻歌 )

ちょっと かわいく 思える

( ヴィクトリカ の 鼻歌 )

( 一弥 ) こっち も 日本 と 同じ で 夏 は 暑い ん だ な

でも 何 か 違う よう な 気 が する

( セミ の 鳴き声 )

( セミ の 鳴き声 )

( 一弥 ) ソヴュール の 夏 に は セミ の 鳴き 声 が し ない ん だ

( セミ の 鳴き声 )

( セミ の 鳴き声 )

( 一弥 ) う …

( セミ の 鳴き声 )

( セミ の 鳴き声 )

( 一弥 の 父 ) お前 の 教育 が なって ない から ―

一弥 は こんなに も ぜい弱 な ん だ !

( 一弥 の 母 ) 申し訳 あり ませ ん

( 一弥 の 父 ) そう やって お前 が かばう から !

( 一弥 の 母 ) 申し訳 あり ませ ん

( 一弥 の 父 ) ふん …

( セミ の 鳴き声 )

( 瑠璃 ) いい の よ 一弥 さん ( 一弥 ) ん ?

お 父 様 や お 兄 様 み たい に なら ない で

毛 むくじゃ ら だ し ―

無意味 に 食事 を 食べ 散らかし たり ―

無意味 に 食事 を 食べ 散らかし たり ―

( 一弥 の 父 の 説教 )

( 一弥 の 父 の 説教 )

( 一弥 の 父 の 説教 )

顔 も 無意味 に ひし形 だ し …

( 一弥 の 父 の 説教 )

( 一弥 の 父 の 説教 )

一弥 さん が あんな ふう に なる なんて ゾッと し ます わ

ねえ ? お 母 様

( 一弥 の 母 ) まあ 瑠璃 ったら

( 瑠璃 ) 一弥 さん は 女の子 に 生まれ て くれ ば よかった の よ

お手玉 を し て きれい な お べ べ を 着 て ねえ ?

( 一弥 の 母 ) そう かしら ?

一弥 さん は どんな 時 でも 優しい もの

それ は 強く なけ れ ば でき ない こと

一弥 さん は とても 男らしい わ

( 一弥 ) 僕 の 記憶 の 夏

母 さん が いつも 僕 を かばって くれ て い た

( 船 の 汽笛 )

( 見送り の 声 )

( 一弥 ) な の に 僕 は ソヴュール に …

( 久 城 家 の 人々 ) バンザーイ ! バンザーイ !

( 男性 ) 頑張って くる から な 見 て ろ よ おやじ

( 一弥 ) 僕 は ―

全て の こと から 逃げる よう に ソヴュール に …

あっ ! ね … 寝 ちゃ った

な … 何 だ よ ? 声 かけ て くれ れ ば よかった のに

君 が 取る に 足り ない 脳 で ―

これ また 取る に 足り ない 混沌 ( カオス ) を 再 構成 し て いる よう だった から ね

( 一弥 ) え ? ま … 待って !

ヴィクトリカ ! 本 ! 本 !

( 足音 )

( ヴィクトリカ ) ふん !

う う ~ ん !

ハァ ハァ ハァ …

ふん ぐ ~ !

うん っ !

ハァ …

あ …

( 一弥 の あくび )

( ゾフィ ) あっ お は よ 久 城 君

( 一弥 ) おはよう ございます

( ゾフィ ) あっ なあ に ? その オリエンタル な 服

( 一弥 ) あれ ? いい 匂い

他 に は 誰 も い ない し … フフフ

特別 に いい もの あげ よっ か ?

( 一弥 ) お ~ い ヴィクトリカ !

どこ に いる の ?

寮 母 さん が 焼 い て くれ た オレンジ ケーキ だ よ

これ だったら 文句 ない だ ろ ?

出 て おいで

チー チチチ … あっ !

大体 分かった よ ヴィクトリカ

君 木 から 下り られ なく なっちゃ っ た ん だ ね ? だ ろ ?

下ろし て あげよ う か ?

う っ !

だったら 一緒に 食べよ う よ

( ヴィクトリカ ) 今 は いい そこ に 置 い て おけ

僕 の 分 は ?

( ヴィクトリカ ) 置 い て い け !

分かった よ

じゃあ

( 足音 )

は ぁ …

う っ う う …

う う … う ~ ん …

( セシル の 鼻歌 ) ( ヴィクトリカ ) あっ

( セシル ) あら ! おいし そう な ケーキ

誰 の かしら ?

お ~ い ケーキ の 持ち主 さ ~ ん ! い ます か ~ ?

う ~ ん ?

い ませ ん ね え ~

クンクン … わ あ いい 匂い

もったいない から 食べ ちゃ お ~ っと

あ むっ うん うん うん うん

う ~ ん おいしい !

どこ に も 行け ず に 学園 で お 留守番 なんて …

あ むっ

ち ぇ ~ って 思って た けど

あ むっ ! フフフ …

いい こと あった わ ~ !

あら ら ? 夏 に なった ばかり な の に

あっ オレンジ の 種 …

ああ 紅茶 が あれ ば もっと よかった のに

あ ~ おいしかった ごちそうさま で し た !

お 皿 は 洗って 返し ま ~ す

( ヴィクトリカ ) う う う … う う …

( 遠 雷 )

( 一弥 ) フ ~ … こんなに 雑誌 送って き た って ―

読め ない よ もう …

あれ ? まだ 手紙 が 入って た ん だ

え ? “ 挑戦 いたす ” ?

これ って ヴィクトリカ に ?

フッ 大人げない ん だ から もう

ヴィクトリカ 部屋 に 戻った かな ?

( 雷鳴 ) ( 一弥 ) う っ !

( 雷鳴 ) ( 一弥 ) う っ !

( 雷鳴 )

う っ う う …

あっ あ …

あ … ヴィクトリカ

( セシル の 鼻歌 )

やっぱり …

ヴィクトリカ !

( ヴィクトリカ ) う っ …

もう ! 1 人 じゃ 下り られ なかった ん じゃ ない か !

ヴィクトリカ の 意地っ張り !

( ヴィクトリカ ) う う … う う …

ほら 受け止める から 飛 ん で !

( ヴィクトリカ ) む … 無理 だ

いい から 早く 飛 ん で !

( ヴィクトリカ ) う …

え い っ !

( 一弥 ) う が っ

あ … 足 から 落ち て くる の ? 普通 こう いう の って

( ヴィクトリカ ) 知ら ん ( 一弥 ) う わ っ

あっ 待って !

ヴィクトリカ 傘 ! アタ タタ …

( 一弥 ) ヴィクトリカ 大丈夫 ?

君 着替え は 1 人 で できる の ?

( ヴィクトリカ ) うるさい ! ( 一弥 ) ぐ えっ

は いはい …

あ … ハハ

何 だ 気 に 入った ん じゃ ない か

( ドア が ガタ つく 音 ) あっ ! ん ?

( ヴィクトリカ ) う … う う う … う う …

( 一弥 ) ヴィクトリカ ?

どう し た の ? 何 それ お 茶 ?

ウ … ウソ ? 君 お茶 なんて 入れ られる の ?

は … 話しかける な 気 が 散る !

信じ られ ない 靴 ひも さえ 自分 で ほどけ ない のに …

ヴィクトリカ が お 茶 …

( ヴィクトリカ ) あ ああ … ああ …

あ あー !

( 食器 が 割れる 音 )

( 一弥 ) う っ !

ああ … ダメ 動 い ちゃ

今 片づける から

もう ホント に 君 は ダメ な 人 だ なぁ

どう し て お 茶 なんて … あ !

もし かして 君 僕 の ため に お茶 を ?

( ヴィクトリカ ) う う …

久 城 ~ !

ひざまずけ ! 拭く こと は 許さ ない !

えっ !

はい つくば って ―

全て を 吸引 し 飲み干せ !

え え ~ ! そんな ~ !

( 雷鳴 )

あっ また 光った

僕 小さい 頃 雷 が 怖く て さ

兄 たち に 笑わ れ た な 父さん に は 怒ら れ て

雷 は もう 克服 し た の か ?

うん 怖 がって いる と ―

僕 だけ じゃ なく て 母 まで 父 に 怒ら れる から ね

( ヴィクトリカ ) 君 の 母上 は …

( 一弥 ) ん ?

いや …

あっ そう だ

次兄 が 君 に 挑戦 状 だって さ

え えっ と …

“ 3 秒 以内 に 解か ない と お 尻 ペンペン で ち ゅ よ ~ ” だって さ

ほう 無謀 な 男 だ な

受け て やろ う 読 ん で みろ

え えっ と …

“ 太郎 冠 者 ( たろう か じゃ ) と 次郎 ( じ ろう ) 冠 者 と 三郎 ( さ ぶろう ) 冠 者 が 山 に 行った ”

( ヴィクトリカ ) 待て 待て 待て ! その 名前 は 一体 何 だ ?

分かった よ

じゃあ そこ は 僕 が アレンジ する って ば

え えっ と … ジャン と フィル と ピエール が 山 に 行った

3 人 は 3 本 の 丸太 を 一 度 に 持って 山 を 下りる よう に と ―

殿 … いやいや 伯爵 に 命じ られ て い た

しかし 1 人 で 1 本 ずつ 持 と う と する と 長く て 無理

( ヴィクトリカ ) 非力 な ヤツ ら だ な

君 が 言う な って

え えっ と そこ で ピエール が 思い出し た の は ―

伯爵 が 3 人 で 1 人 2 本 ずつ 持って 下り て こい と ―

命じ て い た こと だ

( ヴィクトリカ ) ふむ …

( 一弥 ) 3 人 は 言わ れ た とおり に し て ―

無事 に 丸太 を 持って 山 から 下り た

で 3 人 は 果たし て どう やって 運 ん だ の か が 問題 みたい

わ あっ !

( ヴィクトリカ ) 解け た ! 解け た ぞ !

一瞬 だ ! 1 秒 弱 だ

私 の 知恵 の 泉 に 不可能 は ない

( 一弥 ) ちょ っ … ちょっと 待って よ

その 三角 は ?

( ヴィクトリカ ) こう やって だ ね …

三 角形 の 形 に 丸太 を 置く の だ

そして その 角 に ―

ジャン と フィル と ピエール が 立つ

それぞれ が 右手 と 左手 に 1 本 ずつ 持って 持ち上げる

すると “ 3 人 で 1 人 2 本 ずつ ” 丸太 を 持つ こと に なる

ああ そ っか ! 言わ れ て み れ ば !

( ヴィクトリカ ) 君 の 次兄 が 出し た 問題 など ―

私 は 1 秒 で 解ける

うん 君 は すごい よ 本当 に

だが ―

認め たく は ない が 君 は 私 より 高く 木 に 登 れる

え ?

恐らく 良 家 の 子女 ばかり が 集まった この 学園 に ―

君 より 高く 登 れる 者 は い ない だ ろ う

( 一弥 ) あ でも 僕 の 兄 たち なら …

( ヴィクトリカ ) 君 の 兄 たち は それ より 高く 登 れる かも しれ ない

しかし この 学園 に 彼ら は い ない

( 一弥 ) え ?

( ヴィクトリカ ) 君 は 出会った 頃 事 ある ごと に 言って い た な

“ 帝国 軍人 の 三男 ” だ と

あっ う … うん

( ヴィクトリカ ) その 口癖 は なかなか に 不快 だった ので ね

近頃 それ を 言わ なく なった の は 褒め て や れる

あっ ! ヴィクトリカ …

久 城 雨 が 上がった ぞ

あ …

( 鳥 の さえずり )

( 一弥 ) わ あ ~ !

あれ は ヴィクトリカ なり の 励まし だった の か な ?

( 一弥 ) あした は 街 に 出 て お 菓子 を 買って こよ う

ヴィクトリカ の 好き な マカロン が いい

そして ソヴュール の 夏 を …

セミ の 声 の し ない ソヴュール の 夏 を ―

ヴィクトリカ と 2 人 で …

♪ ~

~ ♪

( 一弥 ) アブリル と 映画 に 行く 約束 を し た ん だ

( ヴィクトリカ ) ふ ー ん … それ は よかった な

楽し ん で くる と いい 久 城

( 一弥 ) ひ い い ~ !


Gosick Episode 12 gosick|episode Gosick Episode 12

( 鐘 の 音 ) かね||おと Summer 1924

( 生徒 ) お前 夏 休み どこ 行く の ? せいと|おまえ|なつ|やすみ||いく| Where are you going for summer vacation?

( 生徒 ) うち は 父さん が ヨット 買った から クルーズ だ ね せいと|||とうさん||よっと|かった||くるーず|| My dad bought a yacht, so we're going on a cruise.

( 生徒 ) う ~ わ ! いい なあ せいと||||

や っぱ 海 が いい よ うち の 別荘 は 高原 だ から ||うみ||||||べっそう||こうげん|| Lucky...

( 一弥 ( かず や ) ) 夏 休み か … かずや|||なつ|やすみ|

たった 2 か月 じゃ 日本 に 帰 れ そう に ない し な |かげつ||にっぽん||かえ|||||| With just two months, I don't think I can go back to Japan...

避暑 か … いい なあ ひしょ||| Summer retreat... that's nice.

避暑 か … いい なあ ひしょ|||

( 走る 足音 ) はしる|あしおと (footsteps running)

( 走る 足音 ) はしる|あしおと

( 走る 足音 ) はしる|あしおと

( アブリル ) あっ い たい た 久 城 ( くじょう ) く ~ ん ! |||||ひさ|しろ|||

( アブリル ) あっ い たい た 久 城 ( くじょう ) く ~ ん ! |||||ひさ|しろ|||

( 一弥 ) え ? かずや|

地中海 に 行か ない ? ちちゅうかい||いか| How about going to the Mediterranean Sea?

( 一弥 ) え ? 地中海 って … あの 地中海 ? かずや||ちちゅうかい|||ちちゅうかい (Huh? The Mediterranean Sea?

うん あの ね おばあ ちゃん が 別荘 を 持って いる の ||||||べっそう||もって|| Yes, well, my grandmother has a villa.

で 友達 を 連れ て き て いい って |ともだち||つれ||||| And he said I could bring a friend.

“ ただし 礼儀正しい 子 を ね ” って |れいぎただしい|こ||| As long as he's well-mannered, she said.

だから その … もし よかったら So um... If you're interested...

うん 行き たい … あっ |いき|| Yeah, I'd love to go.

うん 行き たい … あっ |いき||

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( 鐘 の 音 ) かね||おと H-Hold on a minute.

ちょ … ちょっと 待って て ||まって|

( アブリル ) え … うん

( 一弥 ) フ ~ … 暑 さ が こたえる なあ かずや||あつ|||| (The heat is really getting to me.

ハァ ハァ ハァ …

ハァ ハァ ハァ ハァ …

ハァ … あ い たい た ヴィクトリカ Huh ... I wanted to see you, Victorica.

あ … あれ ?

( ヴィクトリカ ) 事件 は なし か ね ? |じけん|||| Huh?

え ? な … 何 だ よ ? いきなり ||なん||| What? What is it? Suddenly...

違う よ 今日 は 話 が あって … ちがう||きょう||はなし|| I just wanted to talk to you—

では お 菓子 は ? ||かし| Then where are the sweets?

あ それ も ない … ん だ けど Oh, no, not that either, but...

手 土産 の ひと つ も 持た ず ― て|みやげ|||||もた| You came up here without a single present?

ここ に 足 を 踏み入れる と は … ||あし||ふみいれる|| I never thought I'd set foot in here.

君 も 偉く なった もの だ な 久 城 きみ||えらく|||||ひさ|しろ You've come a long way, Hisashiro.

( 一弥 ) な っ … かずや|| Wha—

( ヴィクトリカ ) 下界 から お 菓子 を 持ってこい |げかい|||かし||もってこい (Bring me sweets from down below.

私 が 満足 する お 菓子 を 見つける まで 何度 も 何度 も わたくし||まんぞく|||かし||みつける||なんど||なんど| Until you find something that'll completely satisfy me...

話 は それ から だ はなし|||| I'll tell you first.

むっ ! 分かった よ |わかった|

君 に 地中海 の お 菓子 を 買って くる よ ! きみ||ちちゅうかい|||かし||かって|| I'll buy you sweets from the Mediterranean!

( ヴィクトリカ ) は ぁ …

愚 かな … ぐ| Stupid...

♪ ~

~ ♪

( ヴィクトリカ ) ふん 愚か な ヤツ ら だ ||おろか||やつ|| Hmph. The fools...

この 暑い さなか わざわざ いそいそ と の こ の こと … |あつい|||||||| They move about so cheerfully in this heat...

その 中 でも 愚 の 骨 頂 大将 を 受賞 する の は 久 城 だ な |なか||ぐ||こつ|いただ|たいしょう||じゅしょう||||ひさ|しろ|| But even among them, the award for the biggest fool of them all goes to Kujō.

まったく 分かり やすい ヤツ な の だ |わかり||やつ||| He's a very easy guy to figure out.

事件 も 土産 も なし に ― じけん||みやげ||| He comes in here without a crime to solve or a present...

しかも うれし そう に やって き て … On top of that, he was all smiles...

知恵 の 泉 など 使わ ず と も 用件 は 丸 分かり ! ちえ||いずみ||つかわ||||ようけん||まる|わかり It was so obvious that I didn't need the wellspring of wisdom to know what he wanted!

本当 に 愚 だ 愚 ! ほんとう||ぐ||ぐ He's such an idiot!

有害 な 日差し に 無駄 に 焼か れ 皮膚 を ペロペロ と むく より も … ゆうがい||ひざし||むだ||やか||ひふ|||||| Burning himself under the sun's harmful rays until his skin peels off...

ここ に … ...when...

ここ に … Here ...

私 の 隣 に いれ ば … わたくし||となり||| ...been right here with me.

( 機関 車 の 汽笛 ) きかん|くるま||きてき (Locomotive whistle)

( アブリル ) 急 い で 急 い で ! |きゅう|||きゅう|| Hurry up!

( 一弥 ) ちょ っ … ちょっと 待って アブリル かずや||||まって| W-Wait a second, Avril!

( 女の子 ) ママ ~ ! ( 一弥 ) ん ? おんなのこ|まま|かずや| (Mommy! (Huh?

フフ

( 女の子 ) わ あ ! フフ おんなのこ|||

久 城 君 ! 早く ! ひさ|しろ|きみ|はやく Kushiro-kun! Quickly!

( 一弥 ) ごめん ! 僕 やっぱり 行け ない や ! かずや||ぼく||いけ|| I'm sorry.

え ~ ! どう し て ! ? What? What are you doing? What?

学園 に は ヴィクトリカ が いる ん だ がくえん||||||| Victorique is at the academy.

みんな 避暑 に 行っちゃ っ て さみしい と 思う |ひしょ||おこなっちゃ|||||おもう I think Victorique will be lonely with everyone gone.

だから …

ごめん

( アブリル ) う うん I'm sorry.

そ っか … しかたない ね I see... well, that's just the way it is.

友達 思い な ん だ ね 久 城 君 うん 分かった ともだち|おもい|||||ひさ|しろ|きみ||わかった You're thoughtful when it comes to your friends, Kujō.

ホント に ごめん ね ほんと||| I'm really sorry.

いい の お土産 買って くる わ ヴィクトリカ 君 の 分 も ||おみやげ|かって||||きみ||ぶん| It's okay. I'll buy you a souvenir.

久 城 君 と お そろい の 麻 の シャツ と か どう かしら ? ひさ|しろ|きみ|||||あさ||しゃつ|||| How about if I buy you two matching hemp shirts?

シャツ ? どう だ ろ う … しゃつ|||| Shirts? I don't know...

いつも フリル が わんさ か 付い てる ― |||||つけい| There's always a lot of frills.

やたら 難解 な 服 を 着 てる から … |なんかい||ふく||ちゃく|| You're wearing these really complicated clothes...

へえ 男の子 な の に 奇抜 な センス の 持ち主 な の ね |おとこのこ||||きばつ||せんす||もちぬし||| Huh? It sounds like he has an eccentric sense of fashion for a boy.

あっ 女の子 だ よ |おんなのこ|| Oh, she's a girl.

えっ ! ?

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる (Departure bell)

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる

( 発車 の ベル ) はっしゃ||べる

( アブリル ) お … 女 ? ||おんな (Oh... woman?

( 汽笛 ) ( アブリル ) ええ え ~ っ ! ? きてき|||| (What? ?

( ヴィクトリカ ) う ~ ん (Hmmm...

う ~ 日差し が … |ひざし| The sun is shining...

文字 が 頭 に さっぱり 入って こ ない ぞ もじ||あたま|||はいって||| I can't get the words out of my head.

これ は 発見 だ ||はっけん| This is a discovery.

退屈 な 本 でも これ なら … たいくつ||ほん||| Even with a boring book...

かなり の 手応え … に … ||てごたえ| The response has been quite good ... to ...

( 足音 ) あしおと

ん ?

な っ ! ?

何 し てる の ? ヴィクトリカ なん|||| What are you doing? VICTORICA

く … く … 久 城 ! ||ひさ|しろ K-K-Kujō?!

き … き … 君 出かけ た の で は ない の か ? ||きみ|でかけ||||||| Y-Y-You...!

これ 日傘 買って き た ん だ |ひがさ|かって|||| Here, a parasol.

( ヴィクトリカ ) 余計 な こと を |よけい||| Never said I wanted one...

せっかく 画期的 な 読書 法 を 見つけ た と いう のに |かっきてき||どくしょ|ほう||みつけ|||| You had to come after I found a revolutionary method of reading...

( 一弥 ) それ と 郵便 局 に 日本 から 荷物 が 届 い て た ん だ かずや|||ゆうびん|きょく||にっぽん||にもつ||とどけ||||| (And a package from Japan had arrived at the post office.

まず はい ( ヴィクトリカ ) あっ … First, here.

( ヴィクトリカ ) これ は … 宝石 か ? |||ほうせき| Are these... precious stones?

あめ だ よ 細工 が し て ある ん だ |||さいく|||||| It's candy. It's been shredded.

( ヴィクトリカ ) わ あ …

あと 君 に 次兄 から この 前 の 手紙 の 返事 だって |きみ||じけい|||ぜん||てがみ||へんじ| And there's a response to your previous message to my brother.

( ヴィクトリカ ) ん …

( 一弥 ) 君 覚え てる か 分から ない けど さ かずや|きみ|おぼえ|||わから||| I don't know if you remember or not...

( あくび ) ( ヴィクトリカ ) ん ?

暴漢 の 襲って くる 力 を 逆 に … ぼうかん||おそって||ちから||ぎゃく| Turn the attacking thug's strength against him...

こう … 利用 し て 懐 に 潜り込み … |りよう|||ふところ||もぐりこみ And then, you know, you use it to get into their pockets...

何 を 読 ん で いる の だ ? なん||よ||||| What are you reading?

ああ 日本 から 送ら れ て き た 雑誌 だ よ |にっぽん||おくら|||||ざっし|| Oh. It's a magazine sent from Japan.

「 月刊 硬派 」 だって げっかん|こうは| “Monthly Hooligan”.

( ヴィクトリカ ) 物騒 な 題名 だ な |ぶっそう||だいめい|| That's a disturbing name.

“ 帝国 軍人 の 三男 たる もの ― ” ていこく|ぐんじん||さんなん|| Monthly Hooligan

“ 遠く ソヴュール に い て も 日々 の 鍛錬 を 怠って は なら ず ” とおく||||||ひび||たんれん||おこたって||| Even though you are far away in Sovereignty, you must not neglect your daily training.

… だって さ Monthly Hooligan

( ヴィクトリカ ) これ … こっち は 科学 の 本 か ? ||||かがく||ほん| This one...

( 一弥 ) うん 長兄 は ムキムキ だ けど 次兄 は 頭 が いい ん だ かずや||ちょうけい|||||じけい||あたま|||| Yeah. My eldest brother is muscular, but my other brother is especially bright.

どっち に しろ 僕 は かなわない |||ぼく|| I'm no match for either of them.

( ヴィクトリカ ) これ を Here.

この 本 が 何 か ? |ほん||なん| What is this book about?

( ヴィクトリカ ) 5 分 以内 に この 謎 を 解く よう に と ― |ぶん|いない|||なぞ||とく||| Tell your second elder brother to solve this within 5 minutes.

次兄 に 伝え た まえ じけい||つたえ|| Tell your second brother.

( 一弥 ) 何 ? これ かずや|なん| (What? This.

( ヴィクトリカ ) この 馬 の 他 に もう 一 頭 の “ 走る 馬 ” を 作る の だ ||うま||た|||ひと|あたま||はしる|うま||つくる|| What is this?

え ?

う ~ ん これ で もう 一 頭 の 馬 を ? |||||ひと|あたま||うま| Hmmm... now you want another horse?

( ヴィクトリア ) 頭 が いい と いう の なら ― |あたま|||||| If he really is as bright as you say, this should be child's play.

これ しき の こと は 造作ない だ ろ う ( 一弥 ) う ~ ん … |||||ぞうさない||||かずや|| I'm sure it's no problem for you to do this.

( 一弥 ) あの 時 の 返事 みたい だ よ かずや||じ||へんじ||| It looks like this is his response to that.

( ヴィクトリカ ) フン … どうやら 5 分 以上 経った よう だ が ね |ふん||ぶん|いじょう|たった|||| Hmph... looks like he took a lot longer than 5 minutes.

船便 だ から しかたない でしょ ふなびん|||| Well of course, the mail was delivered by boat.

えっ と … あっ ! Um...

白い 所 が 馬 の 絵 に なって る ! しろい|しょ||うま||え||| The white part is a picture of a horse!

なるほど ねえ ! I see!

へ え ~ これ こそ 発想 の 転換 って やつ だ ね ||||はっそう||てんかん|||| Wow, that's what I call a change of mindset.

面白い なあ おもしろい| How interesting!

( 馬 の いななき ) うま||

なに なに 手紙 が 書 い て ある よ え えっ と … ||てがみ||しょ||||||| What's that? There's a letter on it.

“ こんな の 簡単 で ち ゅ よ ~ 3 分 で 解け まち たよ ~ と ― ” ||かんたん|||||ぶん||とけ||| “This was really easy~"

“ その 小さな 女の子 に 伝え て くれ た まえ ” だって |ちいさな|おんなのこ||つたえ||||| “Tell that to the little girl”, he says.

( ヴィクトリカ ) む … (Victorica...

おかしい なあ That's odd.

次兄 も こない だ 着物 を 送って くれ た 姉 も ― じけい||||きもの||おくって|||あね| My second brother and my sister, who sent me a kimono the other day.

君 の こと を 小さな 子供 だ と 勘違い し てる みたい な ん だ きみ||||ちいさな|こども|||かんちがい|||||| It's like he thinks you're a little kid.

まあ 君 は 確か に 子供 っぽい 人 だ けど ね |きみ||たしか||こども||じん||| Well, it's true that you look like a child...

イッタ ~ ! うが が … |う が| Itta ..! Ugh...

イッタ … もう

あっ 便せん の 隅 に 何 か 書 い て ある よ |びんせん||すみ||なん||しょ|||| Oh. Something's written in a corner of the letter.

瑠璃 ( るり ) 姉さん の 字 だ るり||ねえさん||あざ| That's Ruri's character.

( ヴィクトリカ ・ 一弥 ) プッ |かずや|ぷっ (VICTORICA, ICHIYA) Pfft.

( ヴィクトリカ ) ふん ! ( 一弥 ) ん ? ||かずや|

まあ 今回 は 私 の 勝利 と いう こと だ |こんかい||わたくし||しょうり|||| Well, I guess that means I win this time.

それにしても 食欲 を そそら れ ない 色 だ な |しょくよく|||||いろ|| At any rate, these colors aren't very appetizing.

気 に 入ら ない ? だったら 持って 帰って … き||はいら|||もって|かえって You don't like them?

とりあえず もらって おい て やろ う Let's just take it for now.

次 は もっと マシ な お 菓子 を 持って き た まえ つぎ||||||かし||もって||| But next time, bring me better sweets.

分かった よ もう … わかった|| Fine. Sheesh...

( 一弥 ) ねえ まだ 戻ら ない の ? かずや|||もどら|| Say...

( 一弥 の あくび ) かずや|| (Kazuya's yawn)

( 一弥 ) よっ と … よっ と ( ヴィクトリカ ) ん ? かずや|||||| (Good... good... good...

( 一弥 ) よっ と … かずや||

ああ … あっ …

( 一弥 ) よっ と … ん ? かずや|||

( ヴィクトリカ ) あっ ! ゴ … ゴホンッ (Ah! Goh... goh...

( 一弥 ) ん ? かずや|

( 一弥 ) こう し て ヴィクトリカ と いる と ― かずや||||||| (Being with Victorica like this...

あれ だけ 怖かった 兄さん たち の こと も ― ||こわかった|にいさん|||| I was so scared of you and your brothers.

( ヴィクトリカ の 鼻歌 ) ||はなうた (Victorica humming)

( ヴィクトリカ の 鼻歌 ) ||はなうた

( ヴィクトリカ の 鼻歌 ) ||はなうた

ちょっと かわいく 思える ||おもえる I think it's kind of cute.

( ヴィクトリカ の 鼻歌 ) ||はなうた (Victorica humming)

( 一弥 ) こっち も 日本 と 同じ で 夏 は 暑い ん だ な かずや|||にっぽん||おなじ||なつ||あつい||| (It's hot here in summer just like in Japan.

でも 何 か 違う よう な 気 が する |なん||ちがう|||き|| But something feels different.

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ (Cicadas chirping)

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ Summers in Sauville aren't filled with the cries of cicadas...

( 一弥 ) ソヴュール の 夏 に は セミ の 鳴き 声 が し ない ん だ かずや|||なつ|||せみ||なき|こえ||||| (In Sovereign summer, there is no sound of cicadas.

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ (Cicadas chirping)

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ

( 一弥 ) う … かずや|

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ

( 一弥 の 父 ) お前 の 教育 が なって ない から ― かずや||ちち|おまえ||きょういく|||| (Because your education is not up to par...

一弥 は こんなに も ぜい弱 な ん だ ! かずや||||ぜいじゃく||| I don't know why Kazuya is so fragile!

( 一弥 の 母 ) 申し訳 あり ませ ん かずや||はは|もうしわけ||| (I'm sorry.

( 一弥 の 父 ) そう やって お前 が かばう から ! かずや||ちち|||おまえ||| You always do this...

( 一弥 の 母 ) 申し訳 あり ませ ん かずや||はは|もうしわけ||| (I'm sorry.

( 一弥 の 父 ) ふん … かずや||ちち|

( セミ の 鳴き声 ) せみ||なきごえ

( 瑠璃 ) いい の よ 一弥 さん ( 一弥 ) ん ? るり||||かずや||かずや| (It's okay, Kazuya.

お 父 様 や お 兄 様 み たい に なら ない で |ちち|さま|||あに|さま|||||| Don't be like your father or brother.

毛 むくじゃ ら だ し ― け|||| It's a hairy one.

無意味 に 食事 を 食べ 散らかし たり ― むいみ||しょくじ||たべ|ちらかし| They eat and scatter their food around for no reason.

無意味 に 食事 を 食べ 散らかし たり ― むいみ||しょくじ||たべ|ちらかし|

( 一弥 の 父 の 説教 ) かずや||ちち||せっきょう

( 一弥 の 父 の 説教 ) かずや||ちち||せっきょう

( 一弥 の 父 の 説教 ) かずや||ちち||せっきょう

顔 も 無意味 に ひし形 だ し … かお||むいみ||ひしがた|| And the face is rhombic...

( 一弥 の 父 の 説教 ) かずや||ちち||せっきょう I shudder at the thought of Kazuya becoming like them!

( 一弥 の 父 の 説教 ) かずや||ちち||せっきょう

一弥 さん が あんな ふう に なる なんて ゾッと し ます わ かずや||||||||ぞっと||| It's horrifying to see Kazuya turn out like that.

ねえ ? お 母 様 ||はは|さま Hey? Hey, Mom.

( 一弥 の 母 ) まあ 瑠璃 ったら かずや||はは||るり| Oh, Ruri!

( 瑠璃 ) 一弥 さん は 女の子 に 生まれ て くれ ば よかった の よ るり|かずや|||おんなのこ||うまれ|||||| Kazuya should've been born a girl.

お手玉 を し て きれい な お べ べ を 着 て ねえ ? おてだま||||||||||ちゃく|| Playing Otedama and wearing a pretty kimono... right?

( 一弥 の 母 ) そう かしら ? かずや||はは|| (Is that so?

一弥 さん は どんな 時 でも 優しい もの かずや||||じ||やさしい| Kazuya is always kind, no matter the situation.

それ は 強く なけ れ ば でき ない こと ||つよく|||||| That's not possible unless one is strong.

一弥 さん は とても 男らしい わ かずや||||おとこらしい| Kazuya is very manly.

( 一弥 ) 僕 の 記憶 の 夏 かずや|ぼく||きおく||なつ (The Summer of My Memory

母 さん が いつも 僕 を かばって くれ て い た はは||||ぼく|||||| My mother was always there for me.

( 船 の 汽笛 ) せん||きてき

( 見送り の 声 ) みおくり||こえ

( 一弥 ) な の に 僕 は ソヴュール に … かずや||||ぼく||| (And yet, I'm in Sauveur...

( 久 城 家 の 人々 ) バンザーイ ! バンザーイ ! ひさ|しろ|いえ||ひとびと||

( 男性 ) 頑張って くる から な 見 て ろ よ おやじ だんせい|がんばって||||み|||| (I'll do my best. Watch me, old man.

( 一弥 ) 僕 は ― かずや|ぼく| I went to Sauville to run away from everything...

全て の こと から 逃げる よう に ソヴュール に … すべて||||にげる|||| I went to Sauveur to get away from it all...

あっ ! ね … 寝 ちゃ った ||ね|| Oh! I fell asleep.

な … 何 だ よ ? 声 かけ て くれ れ ば よかった のに |なん|||こえ||||||| What the...? You should have called out to me.

君 が 取る に 足り ない 脳 で ― きみ||とる||たり||のう| You're an insignificant brain.

これ また 取る に 足り ない 混沌 ( カオス ) を 再 構成 し て いる よう だった から ね ||とる||たり||こんとん|かおす||さい|こうせい||||||| It seemed to be reconstructing insignificant chaos.

( 一弥 ) え ? ま … 待って ! かずや|||まって

ヴィクトリカ ! 本 ! 本 ! |ほん|ほん Victorique, your books...

( 足音 ) あしおと

( ヴィクトリカ ) ふん !

う う ~ ん !

ハァ ハァ ハァ …

ふん ぐ ~ !

うん っ !

ハァ …

あ …

( 一弥 の あくび ) かずや||

( ゾフィ ) あっ お は よ 久 城 君 |||||ひさ|しろ|きみ (Good morning, Hisashiro-kun.

( 一弥 ) おはよう ございます かずや|| (Good morning.

( ゾフィ ) あっ なあ に ? その オリエンタル な 服 |||||||ふく (Hey, what is it? Those oriental clothes.

( 一弥 ) あれ ? いい 匂い かずや|||におい (Huh? Smells good.

他 に は 誰 も い ない し … フフフ た|||だれ||||| There's no one else around...

特別 に いい もの あげ よっ か ? とくべつ|||||| How about I give you something special?

( 一弥 ) お ~ い ヴィクトリカ ! かずや||| Hey! Victorique!

どこ に いる の ? Where are you?

寮 母 さん が 焼 い て くれ た オレンジ ケーキ だ よ りょう|はは|||や|||||おれんじ|けーき|| The housemother baked us an orange cake!

これ だったら 文句 ない だ ろ ? ||もんく||| You can't complain about that, can you?

出 て おいで だ|| Come out, come out, wherever you are!

チー チチチ … あっ !

大体 分かった よ ヴィクトリカ だいたい|わかった|| I think I know, Victorique.

君 木 から 下り られ なく なっちゃ っ た ん だ ね ? だ ろ ? きみ|き||くだり|||||||||| You can't get down from the tree.

下ろし て あげよ う か ? おろし|||| Want some help?

う っ !

だったら 一緒に 食べよ う よ |いっしょに|たべよ|| Let's have some cake together!

( ヴィクトリカ ) 今 は いい そこ に 置 い て おけ |いま|||||お||| Not now.

僕 の 分 は ? ぼく||ぶん| What about my share?

( ヴィクトリカ ) 置 い て い け ! |お|||| Leave-it-there-and-go!

分かった よ わかった| Fine...

じゃあ then

( 足音 ) あしおと

は ぁ …

う っ う う …

う う … う ~ ん …

( セシル の 鼻歌 ) ( ヴィクトリカ ) あっ ||はなうた||

( セシル ) あら ! おいし そう な ケーキ |||||けーき Oh? A scrumptious-looking cake!

誰 の かしら ? だれ|| I wonder whose it is?

お ~ い ケーキ の 持ち主 さ ~ ん ! い ます か ~ ? ||けーき||もちぬし||||| Hey, owner of this cake! Are you around?

う ~ ん ?

い ませ ん ね え ~ Apparently not!

クンクン … わ あ いい 匂い ||||におい Smell... wow, that's a good smell.

もったいない から 食べ ちゃ お ~ っと ||たべ||| It'd be such a shame to let it go to waste, so...

あ むっ うん うん うん うん Ah, mmm, yeah, yeah, yeah.

う ~ ん おいしい ! Delicious!

どこ に も 行け ず に 学園 で お 留守番 なんて … |||いけ|||がくえん|||るすばん| I was told to stay at the academy and not go anywhere...

あ むっ

ち ぇ ~ って 思って た けど |||おもって|| I was thinking, "What the heck...

あ むっ ! フフフ … Mhm ..! Mwah...

いい こと あった わ ~ ! But there's a silver lining!

あら ら ? 夏 に なった ばかり な の に ||なつ|||||| Oh, no? It's just the beginning of summer.

あっ オレンジ の 種 … |おれんじ||しゅ Oh, orange seeds ...

ああ 紅茶 が あれ ば もっと よかった のに |こうちゃ|||||| Oh, a cup of tea would have been nice.

あ ~ おいしかった ごちそうさま で し た ! That was delicious.

お 皿 は 洗って 返し ま ~ す |さら||あらって|かえし|| I'll wash and return the plate!

( ヴィクトリカ ) う う う … う う …

( 遠 雷 ) とお|かみなり

( 一弥 ) フ ~ … こんなに 雑誌 送って き た って ― かずや|||ざっし|おくって||| I can't read all these magazines they keep sending me, sheesh.

読め ない よ もう … よめ||| I can't read it. I can't...

あれ ? まだ 手紙 が 入って た ん だ ||てがみ||はいって||| Huh? Another letter...

え ? “ 挑戦 いたす ” ? |ちょうせん| A challenge?

これ って ヴィクトリカ に ? To Victorique?

フッ 大人げない ん だ から もう |おとなげない|||| How childish... Geez...

ヴィクトリカ 部屋 に 戻った かな ? |へや||もどった| I wonder if Victorique went back to her room...

( 雷鳴 ) ( 一弥 ) う っ ! らいめい|かずや||

( 雷鳴 ) ( 一弥 ) う っ ! らいめい|かずや||

( 雷鳴 ) らいめい

う っ う う …

あっ あ …

あ … ヴィクトリカ Ah ... Victorica.

( セシル の 鼻歌 ) ||はなうた

やっぱり … I knew it!

ヴィクトリカ ! Victorique!

( ヴィクトリカ ) う っ …

もう ! 1 人 じゃ 下り られ なかった ん じゃ ない か ! |じん||くだり|||||| So you weren't able to get down by yourself after all!

ヴィクトリカ の 意地っ張り ! ||いじっぱり Victorique, you're too stubborn!

( ヴィクトリカ ) う う … う う …

ほら 受け止める から 飛 ん で ! |うけとめる||と|| Here, jump and I'll catch you!

( ヴィクトリカ ) む … 無理 だ ||むり| I-I can't...

いい から 早く 飛 ん で ! ||はやく|と|| It'll be fine, just jump!

( ヴィクトリカ ) う … (Ugh...

え い っ ! Yes, yes, yes!

( 一弥 ) う が っ かずや||| (Ugh!

あ … 足 から 落ち て くる の ? 普通 こう いう の って |あし||おち||||ふつう|||| Y-You came down feet first?

( ヴィクトリカ ) 知ら ん ( 一弥 ) う わ っ |しら||かずや||| (I don't know.

あっ 待って ! |まって Uh, wait!

ヴィクトリカ 傘 ! アタ タタ … |かさ|| Victorique! The umbrella!

( 一弥 ) ヴィクトリカ 大丈夫 ? かずや||だいじょうぶ Victorique, are you okay?

君 着替え は 1 人 で できる の ? きみ|きがえ||じん||| Can you change by yourself?

( ヴィクトリカ ) うるさい ! ( 一弥 ) ぐ えっ ||かずや||

は いはい … Okay, okay...

あ … ハハ

何 だ 気 に 入った ん じゃ ない か なん||き||はいった|||| I see, she liked them after all.

( ドア が ガタ つく 音 ) あっ ! ん ? どあ||||おと||

( ヴィクトリカ ) う … う う う … う う …

( 一弥 ) ヴィクトリカ ? かずや| Victorique?!

どう し た の ? 何 それ お 茶 ? ||||なん|||ちゃ What's wrong?

ウ … ウソ ? 君 お茶 なんて 入れ られる の ? |うそ|きみ|おちゃ||いれ|| No way!

は … 話しかける な 気 が 散る ! |はなしかける||き||ちる D-Don't talk!

信じ られ ない 靴 ひも さえ 自分 で ほどけ ない のに … しんじ|||くつ|||じぶん|||| Unbelievable!

ヴィクトリカ が お 茶 … |||ちゃ But you actually made tea...

( ヴィクトリカ ) あ ああ … ああ …

あ あー !

( 食器 が 割れる 音 ) しょっき||われる|おと (dishes breaking)

( 一弥 ) う っ ! かずや||

ああ … ダメ 動 い ちゃ |だめ|どう|| Wait, don't move.

今 片づける から いま|かたづける| I'll clean it up.

もう ホント に 君 は ダメ な 人 だ なぁ |ほんと||きみ||だめ||じん|| Man, you really are hopeless.

どう し て お 茶 なんて … あ ! ||||ちゃ|| Why did you even make tea?

もし かして 君 僕 の ため に お茶 を ? ||きみ|ぼく||||おちゃ| Wait, was that tea for me?

( ヴィクトリカ ) う う … (Ugh...

久 城 ~ ! ひさ|しろ Kujō!

ひざまずけ ! 拭く こと は 許さ ない ! |ふく|||ゆるさ| On your hands and knees!

えっ !

はい つくば って ― Get down on all fours and lap it up!

全て を 吸引 し 飲み干せ ! すべて||きゅういん||のみほせ Suck it all up and drink it all up!

え え ~ ! そんな ~ ! Eh, eh~! No way~!

( 雷鳴 ) らいめい

あっ また 光った ||ひかった Another flash...

僕 小さい 頃 雷 が 怖く て さ ぼく|ちいさい|ころ|かみなり||こわく|| I was scared of lightning when I was little.

兄 たち に 笑わ れ た な 父さん に は 怒ら れ て あに|||わらわ||||とうさん|||いから|| My brothers laughed at me, and my father was angry with me.

雷 は もう 克服 し た の か ? かみなり|||こくふく|||| Have you conquered the lightning yet?

うん 怖 がって いる と ― |こわ||| Yeah, because my father would be angry with my mother as well when I got scared.

僕 だけ じゃ なく て 母 まで 父 に 怒ら れる から ね ぼく|||||はは||ちち||いから||| Not only me, but my mother will also be angry with my father.

( ヴィクトリカ ) 君 の 母上 は … |きみ||ははうえ| Your mother...

( 一弥 ) ん ? かずや|

いや … Never mind.

あっ そう だ Oh, that's right.

次兄 が 君 に 挑戦 状 だって さ じけい||きみ||ちょうせん|じょう|| My second elder brother issued you a challenge.

え えっ と … Let's see...

“ 3 秒 以内 に 解か ない と お 尻 ペンペン で ち ゅ よ ~ ” だって さ びょう|いない||とか||||しり||||||| “If you don't solve it in 3 seconds, you'll get a spanky-spanky~”

ほう 無謀 な 男 だ な |むぼう||おとこ|| Oh? A foolhardy man, I see.

受け て やろ う 読 ん で みろ うけ||||よ||| Let's take it. Read it.

え えっ と …

“ 太郎 冠 者 ( たろう か じゃ ) と 次郎 ( じ ろう ) 冠 者 と 三郎 ( さ ぶろう ) 冠 者 が 山 に 行った ” たろう|かん|もの|||||じろう|||かん|もの||さぶろう|||かん|もの||やま||おこなった "Taro Kaja, Jiro Kaja and Saburo Kaja went to the mountain."

( ヴィクトリカ ) 待て 待て 待て ! その 名前 は 一体 何 だ ? |まて|まて|まて||なまえ||いったい|なん| Wait, wait, wait!

分かった よ わかった| All right.

じゃあ そこ は 僕 が アレンジ する って ば |||ぼく||あれんじ||| I'll substitute them for you.

え えっ と … ジャン と フィル と ピエール が 山 に 行った |||||ふぃる||||やま||おこなった Er... so Jean, Phil, and Pierre went to the mountain.

3 人 は 3 本 の 丸太 を 一 度 に 持って 山 を 下りる よう に と ― じん||ほん||まるた||ひと|たび||もって|やま||おりる||| The three were to bring three logs down the mountain at the same time,

殿 … いやいや 伯爵 に 命じ られ て い た しんがり||はくしゃく||めいじ|||| as ordered by their lord... I mean, the Count.

しかし 1 人 で 1 本 ずつ 持 と う と する と 長く て 無理 |じん||ほん||じ||||||ながく||むり However, they discovered that the logs were too long for one person to carry.

( ヴィクトリカ ) 非力 な ヤツ ら だ な |ひりき||やつ||| Incompetent fools.

君 が 言う な って きみ||いう|| You're one to talk.

え えっ と そこ で ピエール が 思い出し た の は ― |||||||おもいだし||| Um... so then, Pierre remembered the Count ordered that each man must carry two logs down.

伯爵 が 3 人 で 1 人 2 本 ずつ 持って 下り て こい と ― はくしゃく||じん||じん|ほん||もって|くだり||| The three Counts came downstairs with two bottles each.

命じ て い た こと だ めいじ||||| That's what I was ordered to do.

( ヴィクトリカ ) ふむ …

( 一弥 ) 3 人 は 言わ れ た とおり に し て ― かずや|じん||いわ|||||| (The three of you do as you're told.

無事 に 丸太 を 持って 山 から 下り た ぶじ||まるた||もって|やま||くだり| We got off the mountain safely with the logs.

で 3 人 は 果たし て どう やって 運 ん だ の か が 問題 みたい |じん||はたし||||うん||||||もんだい| So the question is, how did the three of them get there?

わ あっ ! I got it! I solved it!

( ヴィクトリカ ) 解け た ! 解け た ぞ ! |とけ||とけ|| (It's solved! It's solved!

一瞬 だ ! 1 秒 弱 だ いっしゅん||びょう|じゃく| A moment! Less than a second.

私 の 知恵 の 泉 に 不可能 は ない わたくし||ちえ||いずみ||ふかのう|| Nothing is impossible for my wellspring of wisdom.

( 一弥 ) ちょ っ … ちょっと 待って よ かずや||||まって| W-Wait a second.

その 三角 は ? |さんかく| What's that triangle for?

( ヴィクトリカ ) こう やって だ ね … Like this...

三 角形 の 形 に 丸太 を 置く の だ みっ|すみ かた||かた||まるた||おく|| They placed the logs in a triangular formation.

そして その 角 に ― ||かど| And then Jean, Phil, and Pierre stood at each of the corners.

ジャン と フィル と ピエール が 立つ ||ふぃる||||たつ Jean, Phil and Pierre stand up.

それぞれ が 右手 と 左手 に 1 本 ずつ 持って 持ち上げる ||みぎて||ひだりて||ほん||もって|もちあげる Each of you hold one in your right hand and one in your left hand.

すると “ 3 人 で 1 人 2 本 ずつ ” 丸太 を 持つ こと に なる |じん||じん|ほん||まるた||もつ||| And that's how each of the three men carried two logs.

ああ そ っか ! 言わ れ て み れ ば ! |||いわ||||| Ah, I see!

( ヴィクトリカ ) 君 の 次兄 が 出し た 問題 など ― |きみ||じけい||だし||もんだい| I was able to solve your older brother's puzzle in one second.

私 は 1 秒 で 解ける わたくし||びょう||とける I can solve it in a second.

うん 君 は すごい よ 本当 に |きみ||||ほんとう| Yeah! You really are amazing!

だが ― But--

認め たく は ない が 君 は 私 より 高く 木 に 登 れる みとめ|||||きみ||わたくし||たかく|き||のぼる| I hate to admit this, but...

え ? What?

恐らく 良 家 の 子女 ばかり が 集まった この 学園 に ― おそらく|よ|いえ||しじょ|||あつまった||がくえん| As this academy is filled with children from good families,

君 より 高く 登 れる 者 は い ない だ ろ う きみ||たかく|のぼる||もの|||||| I doubt anyone here can climb a tree higher than you can.

( 一弥 ) あ でも 僕 の 兄 たち なら … かずや|||ぼく||あに|| Oh, but my brothers can...

( ヴィクトリカ ) 君 の 兄 たち は それ より 高く 登 れる かも しれ ない |きみ||あに|||||たかく|のぼる|||| Your elder brothers may be able to climb higher than you can.

しかし この 学園 に 彼ら は い ない ||がくえん||かれら||| However, they're not at this academy.

( 一弥 ) え ? かずや| When you met people, you proclaimed yourself as "the third son of an Imperial soldier" at every opportunity.

( ヴィクトリカ ) 君 は 出会った 頃 事 ある ごと に 言って い た な |きみ||であった|ころ|こと||||いって||| (When we first met, you told me about this all the time.

“ 帝国 軍人 の 三男 ” だ と ていこく|ぐんじん||さんなん|| "The third son of an imperial soldier."

あっ う … うん Oh, uh... yeah.

( ヴィクトリカ ) その 口癖 は なかなか に 不快 だった ので ね ||くちぐせ||||ふかい||| That stock phrase was rather unpleasant.

近頃 それ を 言わ なく なった の は 褒め て や れる ちかごろ|||いわ|||||ほめ||| I ought to praise you for not using it recently.

あっ ! ヴィクトリカ … Ah ! Victorica...

久 城 雨 が 上がった ぞ ひさ|しろ|あめ||あがった| Kujō, the rain's stopped.

あ … Oh ...

( 鳥 の さえずり ) ちょう|| (Birds chirping)

( 一弥 ) わ あ ~ ! かずや|| Wow!

あれ は ヴィクトリカ なり の 励まし だった の か な ? |||||はげまし|||| Was that Victorica's way of encouraging me?

( 一弥 ) あした は 街 に 出 て お 菓子 を 買って こよ う かずや|||がい||だ|||かし||かって|| (Let's go to town tomorrow and buy some sweets.

ヴィクトリカ の 好き な マカロン が いい ||すき|||| Those macaroons that Victorique likes would be good...

そして ソヴュール の 夏 を … |||なつ| And then...

セミ の 声 の し ない ソヴュール の 夏 を ― せみ||こえ||||||なつ| A summer in Sauveur without the sound of cicadas.

ヴィクトリカ と 2 人 で … ||じん| ...alone together with Victorique.

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( 一弥 ) アブリル と 映画 に 行く 約束 を し た ん だ かずや|||えいが||いく|やくそく||||| I made plans to see a movie with Avril!

( ヴィクトリカ ) ふ ー ん … それ は よかった な ||-||||| (Hmm... that's good to hear.

楽し ん で くる と いい 久 城 たのし||||||ひさ|しろ I hope you have a good time, Kujō.

( 一弥 ) ひ い い ~ ! かずや||| (Ichiya) Hiii~!