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食戟のソーマ 弍ノ皿, Shokugeki no Souma: Ni no Sara (Food Wars! The Second Plate) Episode 9

Shokugeki no Souma : Ni no Sara (Food Wars ! The Second Plate ) Episode 9

( 4 人 ) ひ い い い いい !

( 青木 大 吾 ( あお き だ いご ) ) 何 だ あれ ? ( 佐藤 昭二 ( さとう しょ うじ ) ) なまくら 刀 ?

( 男子 生徒 A ) 編入 生 の ヤツ また おかしな こと を

( 男子 生徒 B ) 試合 捨て て ん の か ぁ ?

( 葉山 ( は やま ) アキラ ) なるほど な

今朝 魚河岸 に 来 なかった の は そういう こと か 幸平

( 幸平 創 真 ( ゆき ひ ら そう ま ) ) お っ ?

素材 の 差 を 埋める ため に お前 が 選 ん だ 手 は 熟成

( 黒 木場 ( くろ きば ) リョウ ) 見 た だけ で 何 を 使って 熟成 し た の か すぐ 分かった ぜ

だが その 程度 じゃ 旬 の 新鮮 さ に は 届か ねえ

( 創 真 ) そんな の 食って み なきゃ 分か ん ねえ だ ろ ?

料理 は お前 ら の 分 も 用意 して やっ から

ふざける な もう 勝負 は つい た

( 葉山 ) 3 位 入賞 おめでとう

十分 誇って いい 成績 だ ぜ

( 創 真 ) ん ?

( 一色 慧 ( いっしき さとし ) ) ご 来場 の 皆様 秋 の 選抜 決勝 戦 開始 時間 が 迫って まいり まし た

天井 に ご 注目 ください

( 観客 の 歓声 )

( 男子 生徒 C ) すげ え ~ ! 天井 が 割れ て いく ぞ !

間もなく だ

これ が “ 月 天 ( がって ん ) の 間 ” の 真 の 姿 …

( 観客 の どよめき )

( 一色 ) 決勝 戦 の 調理 時間 は およそ 2 時間

月 が 完全 に 現れ た 瞬間 から 天 の 道 を 渡り 終え ―

再び 姿 を 隠す まで と し ます

( 堂島 銀 ( どう じ ま ぎん ) ) フッフ … 毎年 恒例 と は いえ 大 仰 な こと です な

( 堂島 ) 思い出す 懐かしき 日々 を

自分 が 選抜 の 決勝 を 戦った あの 夜 を

この 舞台 に 立った すべて の 料理 人 が ―

同じ 月 を 見 て き た の だ

( 幸平 城 一郎 ( ゆき ひら じ ょ う い ち ろ う ) ) 次に 俺 に 負ける まで 誰 に も 負け ん じゃ ねえ ぜ

( 創 真 ) 獲 り に いく 遠 月 ( と お つき ) 1 年 最強 の 座 !

( 薙 切 仙 左 衛 門 ( な きり せ ん ざ え もん ) ) 構えよ !

( 仙 左 衛 門 ) 調理

開始 ぃ ~ !

♪~

~♪

( 堂島 ) どの 選手 も まだ ―

サンマ に は 手 を つけ ない な

他の 素材 から 下 処理 を 進める 定石 どおり か

余計 な 手数 は 魚 の 鮮度 を 落とす こと に つながる

可能 な 限り 新鮮 さ を 保た なけ れ ば なら ぬ から な

( 薙 切 ( な きり ) レオ ノーラ ) ウフフ … 何だか エキサイト し て き た です 私

若い 男の子 見る の こと この上 なき 眼 福 ( がん ぷ く ) です よ

( 薙 切 ( な きり ) アリス ) まあ お 母 様 ったら 何だか 淫 ( み だ ) ら

それ に 相変わらず 語彙 ( ご い ) に 偏り が

( 薙 切 ( な きり ) えり な ) アリス ! 客席 に 戻り なさい って ば !

えり な も こっち へ 来 れ ば いい のに

ねっ いい でしょ う お じい 様 ?

うむ 構わ ん

ほ ー ら ! えり な ったら ~

ハハハ 楽しい ご 家族 だ なぁ 薙 切 君

おや ? 幸平 が サンマ に 手 を つけ た よう だ ぞ

( 榊 涼子 ( さかき りょう こ ) ) 熟成 は 成功 し た の かしら ?

( 丸井 善 二 ( まるい ぜ ん じ ) ) ああ そして 一体 どんな 料理 を 作る ?

( 伊 武 崎 峻 ( いぶさ き しゅん ) ) 黒 木場 リョウ 葉山 アキラ

あの バケ モノ 2 人 に 勝て る の か ?

幸平 !

( 大泉 柿 之 進 ( お おい ずみ かき の しん ) ) おお お っ !

黒 木場 少年 の 調理 台 に は 数々 の 魚介 が !

それ に 完熟 し た トマト に オリーブ オイル

( 早乙女 星 周 ( さ お とめ せい しゅう ) ) 恐らく 彼 は アクアパッツア を 作る つもり です ね

( 堂島 ) アクアパッツア

南 イタリア で 生まれ た 郷土 料理 だ な

魚 を 中心 に 様々 な 具 材 を まとめ て 煮込 ん で 作る ―

シンプル かつ 豪快 な 一 品 だ

オリーブ オイル と トマト それ に 貝 類 を 入れる の が 定番 です !

調味料 を あまり 使わ ない の も 特徴 です ね

シンプル だ から こそ 素材 の 良し あし が ストレート に 出る

彼 の 目 利き を 生かす の に うってつけ の 料理 だ わ

( 大泉 ) しかし どの 食 材 も 味 の 主役 を 張れ る もの ばかり

あれ ら を 一緒 く た に 煮込 ん で は ―

サンマ の 良 さ が 霞 ( かす ) んで しまう の で は ない か ?

確かに せっかく の 旬 の サンマ が …

はっ 旬 の !

( 堂島 ) そういう こと だ な

旬 の サンマ なら 霞 む どころ か ―

料理 全体 の 土台 と なる 程 の ポテンシャル を 持って いる

目 利き に 自信 が ある から こそ あの 料理 を 選択 でき た の だ ろ う な

それにしても 落ち着 い て いる

決勝 へ の 緊張 や 気負い など 全く 感じ ない

大した もの だ

当然 です わ 堂島 シェフ

( 堂島 ) ん ん ?

リョウ 君 は 昔 から 私 と 真剣 勝負 し て き た ん です もの

フフ … 懐かしい です ね

2 人 と も まだ 幼き 時代 可愛かった です

北欧 に い た 時 の 彼 を ご存知 です もの ね

レオ ノーラ おば 様 も

おばあ 様 ?

失礼 です !

己 の 若 さ 自慢 する の こと さもしい です よ えり な ちゃん !

( えり な ) 違い ます !

“ おば 様 ” と “ おばあ 様 ” は 別 の 言葉 です !

この 子 が そう な の ? アリス

そう よ お 母 様 私 の お 付き に しよ う と 思って る の

放せ 仕込み 中 だ

えり な に だって 秘書 が 付い た ん でしょ ?

私 も 同年 代 の 付き人 が ほしい の !

( 黒 木場 の 鳴き声 ) ( レオ ノーラ ) そう ねえ ~

パパ に も 聞い て み ない と

勝手 に 話 進め ん な !

俺 は もう この 店 で トップ 張って ん だ

お前 の 下 に 付く 気 な ん か …

私 の こと は “ お 嬢 様 ” って 呼ぶ よう 伝え た はず だ けど ?

帰れ !

それ じゃあ 料理 勝負 を し ま しょ う

は あ ?

( アリス ) あなた が 負け たら 私 の 犬 に なり なさい

ワンワン !

は あ ああ ああ あ あっ !

( 料理 人 A ) そっち の 嬢 ちゃん の 方 が うめ え …

( 黒 木場 ) なあ あっ …

( アリス ) ほら “ ワン ” って 言って ごらん なさい

くう っ … もう 1 回 勝負 しろ お おお お っ !

( アリス ) クスス ~ N ( 黒 木場 ) ぐ ぬ ぬ う っ …

( 客 の 歓声 )

ぐ ああ ああ あ あっ !

( 黒 木場 ) 最初 の 勝負 から 2 年

ついに 来 た …

俺 の 勝ち だ !

( 料理 人 たち の 歓声 )

( 黒 木場 ) は あ あっ …

( アリス ) う う っ !

明日 も もう 一 度 勝負 よ !

いい わ ね リョウ 君 !

( 黒 木場 ) いい ぜ

( 黒 木場 ) お 嬢 ( アリス ) ん っ ?

( 黒 木場 ) 何度 でも 勝負 して やる よ

ウフフッ

( 料理 人 たち の 笑い声 )

じゃあ 次 私 が 勝ったら 敬語 を 使う の いい わ ね ?

っざ けん な !

フフッ …

( 創 真 ) ん ? ( 葉山 ) あっ …

( 葉山 ) 耐熱 フィルム か

へえ ~ あれ ラップ じゃ ねえ の か

( 丸井 ) 200 度 を 超える 耐熱 性 と ―

マイナス 40 度 まで の 耐 冷 性 を 持ち ―

包 ん だ まま で 加熱 調理 が 可能 な フィルム シート だ

( えり な ) アリス と の 勝負 の 中 で 吸収 し た ―

分子 ガストロノミー 的 引き出し

今 の 黒 木場 君 が 作る 料理 は ―

港町 の 酒場 で 料理 し て い た の で は 着想 し 得 ない もの ね

2 人 が 切磋琢磨 ( せっさたくま ) し て き た 歴史 そのもの な ん だ わ

( アリス ) 負け ちゃ ダメ よ リョウ 君

( 黒 木場 ) 言わ れる まで も ない です よ お 嬢

この フィルム が 俺 の 料理 の カギ に なる

( 黒 木場 ) 葉山 ! て め え を こいつ で 今度 こそ 仕留める

選抜 の 頂点 に 立つ の は ―

この 俺 だ !

( 田所 恵 ( た どころ めぐみ ) ) 月 が 道のり の 半分 まで …

( 水戸 ( み と ) 郁 魅 ( いく み ) ) 残り 1 時間 を 切った

( 吉野 悠 姫 ( よし の ゆうき ) ) あっ 見 て !

完成 だ !

一番乗り は 黒 木場 か

しかし 本当 に …

あれ が … 料理 ?

ずいぶん 急 い だ じゃ ねえ か 調理 に 見落とし が なけりゃ いい が な

今 の うち に 減らず口 を 叩 い とけ

俺 の 品 は て め え の 武器 を 圧 殺 する !

( 創 真 ) 黒 木場 の やつ 何 を やろ う って ん だ ?

あんな ペラペラ な フィルム で よ ぉ

たぶん お前 も よく 知って る こと だ ぜ

ん ?

まずは 黒 木場 選手 の サーブ です

( 堂島 ) 審査 台 へ と 進む 選手 を ―

月 の 舞台 照明 が 照らす

まるで 料理 人 と その 者 が 出す 品 を 清める か の よう に

ワーオッ !

袋 の 中 で まだ グツグツ 煮え てる です

すこぶる 熱々 です ね !

あの まま 審査 員 に 開封 さ せる の か ?

いざ ! 実 食 で ある !

( 堂島 ) あっ !

( 堂島 ) ぬう ん っ !

エビ ムール 貝 アサリ そして サンマ !

怒涛 ( ど とう ) の 香り グラデーション に 引きずり込ま れる ~ !

( レオ ノーラ ) は あ あっ ! 思わず 顔 が ほころび ま ~ す !

( 大泉 ・ 早乙女 ) う お っ ! 総帥 が !

あの 厳格 な 総帥 が ニヤケ て おる !

( 早乙女 ) “ お ニヤケ ” だ

まさか お ニヤケ が 飛び出す と は !

( 黒 木場 ) 使う 素材 は アクアパッツア と ほとんど 同じ だ が ―

耐熱 フィルム に 包 ん だ こと で ―

この 品 の 料理 名 は 変わる !

“ カルトッチョ ”

俺 の 出し た 料理 は “ 秋 サンマ の カルトッチョ ” だ !

( 創 真 ) ああ …

( 創 真 ) 準 決勝 で は 旨味 の 発火 装置

んで お 次 は 香り の 発火 装置 で 来 た って わけ か

なるほど な

さあ 味わい な !

ん ん ~ っ !

新鮮 すぎ て サンマ の 脂 が とろける よう に 甘い で ~ す !

( 堂島 ) 超 絶 鮮度 の 魚介 たっぷり と し た 旨味 !

これ だけ 豪快 な 旨味 を 力ずく で 閉じ込める と は …

何という 荒々し さ !

黒 木場 リョウ の 真骨頂 だ !

( 堂島 ) しかし 旬 と は いえ ―

ほとんど 調味料 も 使わ ず これほど の 濃厚 さ を …

ん ん っ ? 爽 やか な 香り 海産物 で は ない !

これ は !

ハーブ の 香気 だ !

その とおり !

フィルム に 包む 時 一緒 に 仕込 ん だ の さ

この ハーブ バター を な !

( えり な ) 常温 に し て 柔らかく し た バター に ―

細かく 刻 ん だ ハーブ や スパイス ニンニク など を 練り込 ん だ 物 を ―

一晩 冷蔵 庫 で 寝かせ れ ば 完成 する

( 黒 木場 ) コイツ が オーブン の 中 の 熱 で 時間 を かけ て 溶け て いき ―

その コク と 風味 が ―

サンマ や 他の 素材 に じっくり と 染み渡る !

( 仙 左 衛 門 ) 味 に も 香り に も ―

超 ド 級 の インパクト を 与え おった

徹底 的 な まで の 味 の 暴力

どうやら 出る よう だ わ

お 母 様 の “ お は だけ ” が !

( 悠 姫 ) う い いい いっ ? ( 涼子 ) こんな 公 の 場 で ?

マジ か !

そ っ … そそ そそれ は ダメ な ん じゃ …

( 4 人 の 叫び声 )

( 4 人 ) あ あっ ?

素晴らしい サンマ 料理 で し た

まず テーブル に 出さ れ た 際 の ビジュアル の 衝撃 !

サーブ の 仕方 も 料理 の 大切 な 要素 と 考える ―

現代 の 調理 トレンド を しっかり 踏襲 し て い ます

会場 中 が 前 のめり に なって 注目 し て い た こと から も ―

その 計画 は 見事 に 完遂 し た と 言 える でしょ う

アクアパッツア に は アンチョビ が 使わ れる こと が 多い …

お 母 様 は おいしい 品 を 食べる と 片言 が はだけ て ―

流暢 ( り ゅ う ちょう ) に しゃべり 出す の

そう だった わ ね …

片言 が はだける って 何 ?

( レオ ノーラ ) バター の まろやか さ は 素材 同士 の エキス を 1 つ に まとめる の に も ―

効果 を 発揮 しか し ハーブ に よって しつこく 後 を 引く こと も なく ―

強烈 な 味 の インパクト は 軽やか に 通り抜け …

( 仙 左 衛 門 ) 他の どの 魚 でも なく ―

旬 の サンマ で なけ れ ば 成立 し ない 一 品

彼 奴 ( き ゃ つ ) の 調理 技術 の 集大成 !

( 仙 左 衛 門 ) 身 も ! ( レオ ノーラ ) 心 も !

( 堂島 ) 海 と

( 3 人 ) 1 つ に !

( 男子 生徒 D ) すげ ー ぞ 黒 木場 ぁ !

( 男子 生徒 E ) 本家 お は だけ も 出 た ~ !

( 黒 木場 ) どう だ 俺 の 料理 の 膂力 ( り ょ り ょ く ) を ―

目 に 焼き付けろ 葉山 !

ふう …

( 一色 ) 続 い て 葉山 選手 が サーブ し ます

( 創 真 ) あ あっ ? ( 黒 木場 ) う う っ …

( 黒 木場 ) ふざけ ん な コラァ !

そんな 品 で 俺 に 勝つ 気 か よ ? 勝負 を 何 だ と 思って や がる !

( 黒 木場 ) 話 に なら ねえ ! ( 葉山 ) お前 は 知ら ない ん だ

( 葉山 ) 香り は 料理 の 概念 すら 作り替える こと を

( えり な ) まさか ―

カルパッチョ ?

( 男子 生徒 F ) 前菜 メニュー ?

( 女子 生徒 A ) ウソ でしょ ?

( 男子 生徒 G ) 決勝 戦 だ ぞ !

( 男子 生徒 H ) 前菜 なんか で 勝て る の か よ ?

( えり な ) 前菜 は コース 料理 序盤 で 客 の 食欲 を 開く ため の 品

必然 的 に 軽 め の メニュー と なる

そんな 料理 を 選ぶ なんて …

( 黒 木場 ) 葉山 て め え の 目 利き の 腕 は 完全 に 俺 と 互角 だ

最 上級 の サンマ が 誇る ―

生 ならでは の 新鮮 な 甘み を 生 かそ う と し た ん だ ろ う が

旨味 と 香り の 重厚 な インパクト で 圧 殺し た ―

俺 の カルトッチョ に 張り 合え る わけ が ない !

( 堂島 ) で は 実 食 を … N ( 葉山 ) 少々 お 待ち ください

( 葉山 ) 最後 の 仕上げ が 残って おり ます ので

バーナー で 炙 ( あぶ ) って 表面 に 焼き 目 を ?

だが そんな こと で 黒 木場 少年 の 香り の 発火 装置 に は ―

到底 及 ば …

( 創 真 ) あっ ( 黒 木場 ) ハッ

う はっ あ あ ~ っ !

( 早乙女 ・ 大泉 ) ぬ お おお っ !

( 葉山 ) 完成

俺 の 料理 は ―

“ 炙 り サンマ の カルパッチョ ” で ござい ます

( 観客 の 歓声 )

( 青木 ) うまい ! ( 佐藤 ) うまい !

( 青木 ・ 佐藤 ) 食わ なく て も うまい !

ものすごい ジューシー さ が 伝わって くる !

燻製 ( くんせい ) を 超える 勢い …

( 郁 魅 ) お ~ っ ! ( 涼子 ) すごい !

炙 る 前 と 全然 違う !

じ ゅ わ あ ああ ああ ああ あっ !

食事 する 者 を なまめかしく 誘惑 し て くる よう だ わ

もう … もう 1 秒 も 待て ない …

は ふ っ

あっ あ あ ~ っ N あ あ ~ ん は は ~ ん

ドレッシング に は エキストラ バージン オリーブ オイル や ―

ワイン ビネガー

そして サンマ の 肝 を 和 ( あ ) え て いる !

肝 の コク が 舌 に じん わり 染み渡り サンマ の 脂 の 甘 さ を 強調 !

溢れる 香ばし さ と 風味 で 溺れ そう !

一体 どれ だけ 多く の スパイス を 組み合わせ て …

( 仙 左 衛 門 ) いや ! 使用 し て いる の は オール スパイス ただ 1 つ

何 ?

香辛料 は 1 種類 だけ ?

多種多様 な スパイス で ―

極上 の 香り を 編み あげる の が 葉山 の 武器 な ん じゃ …

( えり な ) 違う 彼 の 香り を 操る 能力 は ―

ただ 足し て いく こと に 留まら ない

あえて 香辛料 を 引く こと で 旬 の サンマ の 風味 を ―

鮮明 に 浮かび上がら せる こと が でき た ん だ わ

それなのに この 香り の 豊か さ は 何 ?

リョウ 君 の カルトッチョ に 匹敵 する 勢い だった

ええ ただ 炙 った だけ で は あり え ね ~ です !

フッ … “ かえし ” です

サーブ する 直前 に 身 の 表面 に さっと 塗り まし た

かえし ? つばめ 返し です か ?

コジロー ・ ササキ ?

よく 知って い ます ね そんな 言葉

でも 違い ます

かえし と は ―

しょうゆ に みりん や 日本 酒 など を 加え て 作る 合わせ 調味料

この かえし を だし で 割る こと で そば つゆ が できる の です

日本 食 全般 に 使える 万能 調味料 だ と み なされ て い ます わ

道理で な 魚 の 身 は バーナー の 高い 火力 を もって し て も ―

焦げ 目 が 付き づらい もの な の だ

それ が かえ しに 含ま れる 糖分 に よって ―

焦げ やすく なる

加熱 が 長引 い て ―

新鮮 な サンマ の 風味 が 台無し に なって しまう の も ―

防 い だ と いう こと ね

( 葉山 ) サンマ の 表面 の 脂 と かえし の 糖分 が ―

加熱 に よって じ ゅ わ っと 沸き立つ

つまり 俺 は 香り の “ 引き算 ” と “ 強調 ”

相対 ( あい たい ) する 論理 を この 一 皿 の 上 で 同時に 披露 し た の です

( 堂島 ) 黒 木場 リョウ と 葉山 アキラ

( 仙 左 衛 門 ) 一 度 ぶつかり合った から こ その 進化 か

黒 木場 リョウ は 肉 厚 の 大 剣 を 振りかざす

決勝 でも 人 の 食欲 を 引きずり出す 爆発 力 を ―

さらに 高め て 見せ た

( 堂島 ) 対し て 準 決勝 で 葉山 アキラ が 出し た カモ 料理 は ―

煌 ( きら ) び やか な る スパイス の 狂 宴 ( きょう えん )

さながら 意匠 と 装飾 が 施さ れ た 宝 剣 だった !

( 仙 左 衛 門 ) それ が 今 宵 の 葉山 は どう だ ?

選別 択一 ゆえ の 洗練

鋭く 細く 研ぎ澄まさ れ た レイ ピア の 如し !

( 黒 木場 ) う ああ ああ あっ ! ( 葉山 ) う っ …

( 黒 木場 ) う う っ !

( 黒 木場 ) オラアアアア ! ( 葉山 ) フウッ !

( 黒 木場 ) くっ … くっ …

( 葉山 ) スパイス しか 能 が ない ワン パターン ―

だった か ?

香り を 従える と いう こと は こういう こと だ

くう う う っ !

( 堂島 ) これ が 香り の 名手 葉山 アキラ の 真骨頂 か

サンマ の 純粋 なる 威力 風味 を 真っ直ぐ に ―

解き放つ !

正 射 必中 ! お 見事 !

( 観客 の 歓声 )

( 男子 生徒 I ) 本家 お はだけ また 出 た ぁ ~ !

( 恵 ) あ あっ ! 月 が 隠れ 始め てる !

創 真 君 急 い で ~ !

幸平 ! 時間 ねえ ぞ ~ !

( 創 真 ) お 待ち どう !

こいつ で 〆 ( しめ ) だっ !

お ほっ !

フッフフ … N これ は たまらない な

米 を 主食 と する 者 なら ば 条件 反射 で 頬 ( ほお ) が ゆるむ ―

見た目 と 香気 の 破壊 力 !

“ 糠 ( ぬか ) サンマ の 炊き込み ご飯 ” っす

( 男子 生徒 J ) 糠 ? ( 女子 生徒 B ) 糠 漬け ?

( 男子 生徒 K ) 諦め た ん じゃ なかった の か よ !

( 郁 魅 ・ 悠 姫 ) おお お お っ !

おいし そう !

いや あ ~ あの モッサリ な サンマ を 見 た 時 に は ―

どう なる か と 思った けど なぁ ~

ああ なまくら に 見え た の は ―

サンマ の 糠 漬け だった ん だ な !

( レオ ノーラ ) お ~ っ !

炊き 立て の 香り たまり ませ ~ ん !

( 創 真 ) は い は ~ い すぐに よ そい ます んで ちょっと お 待ち ください っす

もう 幸平 君 いけ ず です ! 早く 早く !

( 大泉 ) 他の 2 人 も それぞれ 期待 を 高める 演出 を 仕掛け て い た が ―

幸平 創 真 も また 然 ( しか ) り !

客 の 期待 を 煽 ( あお ) る 術 ―

心得 て おる !

来 た 来 た ! やっと です ね ~ !

いざ 実 食 です !

ふ ー ふ ー は ふ っ

ふう っ ふう っ

ほふ ほふ ほふ

は あ ああ ああ ん っ !

秋 が もたらす サンマ の 幸せ が 体中 に 沁 ( し ) み 入る !

何という やわらか な うま さ

サンマ を 七輪 で 一 度 焼 い て …

一 度 焼 い て から ご飯 と 一緒 に 炊き込む !

そうした 細かい 仕事 に よって ―

ここ まで 見事 に 香ばし さ が ご飯 に 移って いる わけ です

そして サンマ が また 素晴らしい !

塩気 の 中 に ある 深い 旨味 と フワッ と 香る 風味 が ―

噛みしめる 度 に 口 の 中 に 広がり ます !

他の 2 名 に 勝る と も 劣ら ない 品質 です !

この 厚み の ある 味 が 糠 サンマ と いう もの な の です か ?

( 堂島 ) いかにも 北海道 で 古く から 親しま れ て き た 伝統 食

素材 の 旨味 を 引き出し 臭 み も 取って 栄養 価 も アップ する

最も うまく サンマ を 食う 方法 だ と 言い切る 者 も いる ほど

それにしても よくぞ ここ まで 味 を 高め た な

幸平

イチ か バチ か 時間 と の 勝負 で し た わ

魚河岸 で 上等 な サンマ を できる 限り 買い込 ん で ―

試作 を やり ながら 熟成 を 繰り返し まし た

もちろん 糠 漬け 以外 の 熟成 も 試し て 改良 し ながら ね

なかなか 旬 の 上物 に 対抗 できる もの は ―

でき なかった けど

本番 直前 ―

やっと 満足 いく 熟成 具合 に 届 い た の が ―

この 糠 漬け 熟成 だった ん す

( 創 真 ) ふみ 緒 さん の 言葉 や 寮 で 仕込 ん で た 糠 漬け

みんな から もらった 熟成 の ノウハウ

その 全部 が この 閃 ( ひらめ ) き に つながった !

あの 熟成 法 に 自力 で 辿り着 い た と いう の か !

なまくら か と 思い きや ―

とんだ 名 刀 が ―

姿 を 現し た !

鉄 を 鍛え て 名 刀 を 生み出す 刀工 の よう に ―

あの “ 秋 の 刀 ” を 彼 自身 が 育て た の だ !

( 観客 の 歓声 )

♪~

~♪

( 観客 の 歓声 )

すごい よ 創 真 君 !

ああ 文句なし だ ぜ !

あれ なら きっと 高 評価 を …

あ あっ ! 総帥 が … N は だけ て ない !

( 男子 生徒 L ) お おい … N ( 男子 生徒 M ) ああ …

( 男子 生徒 N ) うん …

( 丸井 ) 堂島 シェフ と レオ ノーラ 女史 も もう 箸 を 置 い てる

って こと は …

( 大泉 ) うーん …

目 利き の 差 を 埋める こと に 時間 を 取ら れ 過ぎ た か 幸平 少年

料理 の アイデア で は 2 人 に 届 い て おら ん !

( 女子 生徒 C ) やっぱり あの 2 人 に 敵 う わけ …

( 男子 生徒 O ) だ よ なぁ ~

( 女子 生徒 D ) 予想 どおり 優勝 を 争う の は …

( 男子 生徒 P ) 黒 木場 と 葉山 !

おかわり も 食べ て ほしい ん す けど ―

まだ 食べ たい 人 い ない っす か ?

ここ まで … だ な

創 真 君 …

ただ今 を もって 審査 を 終了 と …

( 創 真 ) おかわり し て 頂ける なら ―

こいつ を 注 い で 食べ て もら お う と 思って ん す けど

( 仙 左 衛 門 ) む う !

( レオ ノーラ ) は っ … N ( 堂島 ) う っ …

( 葉山 ) あっ … N ( 黒 木場 ) え えっ

( 創 真 ) 俺 の サンマ 料理 は まだ ―

完成 し て ない ん す よ

( 創 真 ) この 刀 の ほんと の 切れ味 ―

お 見せ し ます !


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( 4 人 ) ひ い い い いい ! じん||||| What?!

( 青木 大 吾 ( あお き だ いご ) ) 何 だ あれ ? ( 佐藤 昭二 ( さとう しょ うじ ) ) なまくら 刀 ? あおき|だい|われ|||||なん|||さとう|しょうじ|||||かたな What the hell is that?

( 男子 生徒 A ) 編入 生 の ヤツ また おかしな こと を だんし|せいと|a|へんにゅう|せい||やつ|||| The transfer student guy's done something weird again.

( 男子 生徒 B ) 試合 捨て て ん の か ぁ ? だんし|せいと|b|しあい|すて||||| Did he give up on the fight?

( 葉山 ( は やま ) アキラ ) なるほど な はやま||||| I see.

今朝 魚河岸 に 来 なかった の は そういう こと か 幸平 けさ|うおがし||らい|||||||こうへい So that's why you didn't come to the fish market this morning.

( 幸平 創 真 ( ゆき ひ ら そう ま ) ) お っ ? こうへい|はじめ|まこと||||||| Huh?

素材 の 差 を 埋める ため に お前 が 選 ん だ 手 は 熟成 そざい||さ||うずめる|||おまえ||せん|||て||じゅくせい You chose aging as a way to compensate for the difference in ingredient quality.

( 黒 木場 ( くろ きば ) リョウ ) 見 た だけ で 何 を 使って 熟成 し た の か すぐ 分かった ぜ くろ|きば||||み||||なん||つかって|じゅくせい||||||わかった| I could tell what you used to age the fish just by looking at it.

だが その 程度 じゃ 旬 の 新鮮 さ に は 届か ねえ ||ていど||しゅん||しんせん||||とどか| But that's not enough to reach the best of what the season has to offer.

( 創 真 ) そんな の 食って み なきゃ 分か ん ねえ だ ろ ? はじめ|まこと|||くって|||わか|||| You won't know that for sure until you eat it.

料理 は お前 ら の 分 も 用意 して やっ から りょうり||おまえ|||ぶん||ようい||| I'll cook enough for you guys to try, too.

ふざける な もう 勝負 は つい た |||しょうぶ|||

( 葉山 ) 3 位 入賞 おめでとう はやま|くらい|にゅうしょう| Congratulations for finishing third.

十分 誇って いい 成績 だ ぜ じゅうぶん|ほこって||せいせき|| That's good enough to be rightfully proud of.

( 創 真 ) ん ? はじめ|まこと|

( 一色 慧 ( いっしき さとし ) ) ご 来場 の 皆様 秋 の 選抜 決勝 戦 開始 時間 が 迫って まいり まし た いっしょく|さとし||||らいじょう||みなさま|あき||せんばつ|けっしょう|いくさ|かいし|じかん||せまって|||

天井 に ご 注目 ください てんじょう|||ちゅうもく| Please look up at the ceiling!

( 観客 の 歓声 ) かんきゃく||かんせい

( 男子 生徒 C ) すげ え ~ ! 天井 が 割れ て いく ぞ ! だんし|せいと|c|||てんじょう||われ||| Wow!

間もなく だ まもなく| Soon.

これ が “ 月 天 ( がって ん ) の 間 ” の 真 の 姿 … ||つき|てん||||あいだ||まこと||すがた This is Gatten Hall as it truly is.

( 観客 の どよめき ) かんきゃく||

( 一色 ) 決勝 戦 の 調理 時間 は およそ 2 時間 いっしょく|けっしょう|いくさ||ちょうり|じかん|||じかん The cooking time in the finals will span approximately two hours.

月 が 完全 に 現れ た 瞬間 から 天 の 道 を 渡り 終え ― つき||かんぜん||あらわれ||しゅんかん||てん||どう||わたり|おえ This is the time it takes from the moment the moon appears in full,

再び 姿 を 隠す まで と し ます ふたたび|すがた||かくす|||| and becomes hidden once more.

( 堂島 銀 ( どう じ ま ぎん ) ) フッフ … 毎年 恒例 と は いえ 大 仰 な こと です な どうじま|ぎん||||||まいとし|こうれい||||だい|あお||||

( 堂島 ) 思い出す 懐かしき 日々 を どうじま|おもいだす|なつかしき|ひび| I fondly remember those days...

自分 が 選抜 の 決勝 を 戦った あの 夜 を じぶん||せんばつ||けっしょう||たたかった||よ| That night when I fought in the Autumn Election finals...

この 舞台 に 立った すべて の 料理 人 が ― |ぶたい||たった|||りょうり|じん| All the chefs who have ever stood on this stage

同じ 月 を 見 て き た の だ おなじ|つき||み||||| has seen the same moon.

( 幸平 城 一郎 ( ゆき ひら じ ょ う い ち ろ う ) ) 次に 俺 に 負ける まで 誰 に も 負け ん じゃ ねえ ぜ こうへい|しろ|いちろう||||||||||つぎに|おれ||まける||だれ|||まけ|||| Don't lose to anyone else until you lose to me again next time!

( 創 真 ) 獲 り に いく 遠 月 ( と お つき ) 1 年 最強 の 座 ! はじめ|まこと|え||||とお|つき||||とし|さいきょう||ざ I'm gonna gun for the top seat among Totsuki's first-years!

( 薙 切 仙 左 衛 門 ( な きり せ ん ざ え もん ) ) 構えよ ! な|せつ|せん|ひだり|まもる|もん||||||||かまえよ Ready!

( 仙 左 衛 門 ) 調理 せん|ひだり|まもる|もん|ちょうり Let the cooking...

開始 ぃ ~ ! かいし| ...begin!

♪~

~♪

( 堂島 ) どの 選手 も まだ ― どうじま||せんしゅ|| None of the candidates have touched their Pacific saury.

サンマ に は 手 を つけ ない な さんま|||て||||

他の 素材 から 下 処理 を 進める 定石 どおり か たの|そざい||した|しょり||すすめる|じょうせき|| They'll start by prepping their other ingredients. Typical, I suppose.

余計 な 手数 は 魚 の 鮮度 を 落とす こと に つながる よけい||てすう||ぎょ||せんど||おとす||| Working the fish more than necessary will negatively impact its freshness.

可能 な 限り 新鮮 さ を 保た なけ れ ば なら ぬ から な かのう||かぎり|しんせん|||たもた||||||| They have to maintain the fish's freshness as much as possible.

( 薙 切 ( な きり ) レオ ノーラ ) ウフフ … 何だか エキサイト し て き た です 私 な|せつ||||||なんだか|えきさいと||||||わたくし

若い 男の子 見る の こと この上 なき 眼 福 ( がん ぷ く ) です よ わかい|おとこのこ|みる|||このうえ||がん|ふく||||| Watching young men... this is sight for sore eyes.

( 薙 切 ( な きり ) アリス ) まあ お 母 様 ったら 何だか 淫 ( み だ ) ら な|せつ||||||はは|さま||なんだか|いん||| Oh, Mother, you're being rather inappropriate.

それ に 相変わらず 語彙 ( ご い ) に 偏り が ||あいかわらず|ごい||||かたより| And your vocabulary is skewed, as usual.

( 薙 切 ( な きり ) えり な ) アリス ! 客席 に 戻り なさい って ば ! な|せつ||||||きゃくせき||もどり||| Alice!

えり な も こっち へ 来 れ ば いい のに |||||らい|||| Erina, you should come over here, too!

ねっ いい でしょ う お じい 様 ? ||||||さま She can, can't she, Grandfather?

うむ 構わ ん |かまわ| Yes. It doesn't matter.

ほ ー ら ! えり な ったら ~ |-|||| See, Erina?

ハハハ 楽しい ご 家族 だ なぁ 薙 切 君 |たのしい||かぞく|||な|せつ|きみ

おや ? 幸平 が サンマ に 手 を つけ た よう だ ぞ |こうへい||さんま||て|||||| Oh?

( 榊 涼子 ( さかき りょう こ ) ) 熟成 は 成功 し た の かしら ? さかき|りょうこ||||じゅくせい||せいこう|||| Maybe the aging was a success?

( 丸井 善 二 ( まるい ぜ ん じ ) ) ああ そして 一体 どんな 料理 を 作る ? まるい|ぜん|ふた|||||||いったい||りょうり||つくる Yeah. What kind of dish will he make with it?

( 伊 武 崎 峻 ( いぶさ き しゅん ) ) 黒 木場 リョウ 葉山 アキラ い|ぶ|さき|たかし||||くろ|きば||はやま| Kurokiba Ryo. Hayama Akira.

あの バケ モノ 2 人 に 勝て る の か ? ||もの|じん||かて||| Can you win against those two monsters, Yukihira?

幸平 ! こうへい

( 大泉 柿 之 進 ( お おい ずみ かき の しん ) ) おお お っ ! おおいずみ|かき|ゆき|すすむ||||||||| Ah!

黒 木場 少年 の 調理 台 に は 数々 の 魚介 が ! くろ|きば|しょうねん||ちょうり|だい|||かずかず||ぎょかい|

それ に 完熟 し た トマト に オリーブ オイル ||かんじゅく|||とまと||おりーぶ|おいる I also see ripe tomatoes and olive oil.

( 早乙女 星 周 ( さ お とめ せい しゅう ) ) 恐らく 彼 は アクアパッツア を 作る つもり です ね さおとめ|ほし|しゅう||||||おそらく|かれ||||つくる||| He probably intends to make acqua pazza.

( 堂島 ) アクアパッツア どうじま| Acqua pazza—a regional dish from Southern Italy.

南 イタリア で 生まれ た 郷土 料理 だ な みなみ|いたりあ||うまれ||きょうど|りょうり||

魚 を 中心 に 様々 な 具 材 を まとめ て 煮込 ん で 作る ― ぎょ||ちゅうしん||さまざま||つぶさ|ざい||||にこ|||つくる With fish as the main ingredient, many other ingredients are simmered into a stew.

シンプル かつ 豪快 な 一 品 だ しんぷる||ごうかい||ひと|しな| It's a simple yet dynamic dish.

オリーブ オイル と トマト それ に 貝 類 を 入れる の が 定番 です ! おりーぶ|おいる||とまと|||かい|るい||いれる|||じょうばん| It's traditional to use olive oil, tomatoes, and shellfish.

調味料 を あまり 使わ ない の も 特徴 です ね ちょうみりょう|||つかわ||||とくちょう|| It's also notable that the dish doesn't use much in the way of seasoning.

シンプル だ から こそ 素材 の 良し あし が ストレート に 出る しんぷる||||そざい||よし|||すとれーと||でる Because of its simplicity, the quality of its ingredients comes to the fore.

彼 の 目 利き を 生かす の に うってつけ の 料理 だ わ かれ||め|きき||いかす|||||りょうり||

( 大泉 ) しかし どの 食 材 も 味 の 主役 を 張れ る もの ばかり おおいずみ|||しょく|ざい||あじ||しゅやく||はれ||| But each and every ingredient is strong enough to be the main player.

あれ ら を 一緒 く た に 煮込 ん で は ― |||いっしょ||||にこ||| Wouldn't blindly boiling them down together

サンマ の 良 さ が 霞 ( かす ) んで しまう の で は ない か ? さんま||よ|||かすみ|||||||| actually eclipse the Pacific saury's strengths?

確かに せっかく の 旬 の サンマ が … たしかに|||しゅん||さんま| True, and the Pacific saury's in season, too...

はっ 旬 の ! |しゅん| In season!

( 堂島 ) そういう こと だ な どうじま|||| That's it.

旬 の サンマ なら 霞 む どころ か ― しゅん||さんま||かすみ||| Because it's in season, the Pacific saury won't be eclipsed.

料理 全体 の 土台 と なる 程 の ポテンシャル を 持って いる りょうり|ぜんたい||どだい|||ほど||||もって| Rather, it has the potential to become a solid foundation for the entire dish.

目 利き に 自信 が ある から こそ あの 料理 を 選択 でき た の だ ろ う な め|きき||じしん||||||りょうり||せんたく||||||| He was able to select that dish precisely because

それにしても 落ち着 い て いる |おちつ|||

決勝 へ の 緊張 や 気負い など 全く 感じ ない けっしょう|||きんちょう||きおい||まったく|かんじ| I don't sense any nerves or eagerness toward the match in him.

大した もの だ たいした|| Very impressive.

当然 です わ 堂島 シェフ とうぜん|||どうじま|しぇふ Of course you wouldn't, Chef Dojima.

( 堂島 ) ん ん ? どうじま||

リョウ 君 は 昔 から 私 と 真剣 勝負 し て き た ん です もの |きみ||むかし||わたくし||しんけん|しょうぶ||||||| Ryo-kun has faced me in cooking battles for a very long time now!

フフ … 懐かしい です ね |なつかしい||

2 人 と も まだ 幼き 時代 可愛かった です じん||||おさなき|じだい|かわいかった|

北欧 に い た 時 の 彼 を ご存知 です もの ね ほくおう||||じ||かれ||ごぞんじ||| You knew him back when he was still in Scandinavia, Leonora-obasama.

レオ ノーラ おば 様 も |||さま|

おばあ 様 ? |さま Obaa-sama?!

失礼 です ! しつれい| How rude!

己 の 若 さ 自慢 する の こと さもしい です よ えり な ちゃん ! おのれ||わか||じまん||||||||| Showing off your youth! Selfish, Erina-chan!

( えり な ) 違い ます ! ||ちがい| That's not what I said!

“ おば 様 ” と “ おばあ 様 ” は 別 の 言葉 です ! |さま|||さま||べつ||ことば| "Oba-sama" and "Obaa-sama" are two different words!

この 子 が そう な の ? アリス |こ||||| So this is the boy, Alice?

そう よ お 母 様 私 の お 付き に しよ う と 思って る の |||はは|さま|わたくし|||つき|||||おもって|| Yes, Mother!

放せ 仕込み 中 だ はなせ|しこみ|なか| Let go.

えり な に だって 秘書 が 付い た ん でしょ ? ||||ひしょ||つけい||| Erina has a secretary now!

私 も 同年 代 の 付き人 が ほしい の ! わたくし||どうねん|だい||つきびと||| I want an aide around my own age, too!

( 黒 木場 の 鳴き声 ) ( レオ ノーラ ) そう ねえ ~ くろ|きば||なきごえ||||

パパ に も 聞い て み ない と ぱぱ|||ききい||||

勝手 に 話 進め ん な ! かって||はなし|すすめ|| Don't act like I'm not even here!

俺 は もう この 店 で トップ 張って ん だ おれ||||てん||とっぷ|はって|| I'm already the head chef of this restaurant!

お前 の 下 に 付く 気 な ん か … おまえ||した||つく|き||| I'm not gonna serve you—

私 の こと は “ お 嬢 様 ” って 呼ぶ よう 伝え た はず だ けど ? わたくし|||||じょう|さま||よぶ||つたえ|||| I believe I told you to call me "miss."

帰れ ! かえれ Go home.

それ じゃあ 料理 勝負 を し ま しょ う ||りょうり|しょうぶ||||| Then let's do a cooking battle.

は あ ? Huh?

( アリス ) あなた が 負け たら 私 の 犬 に なり なさい |||まけ||わたくし||いぬ||| If you lose, become my loyal dog.

ワンワン ! わんわん Woof, woof!

は あ ああ ああ あ あっ !

( 料理 人 A ) そっち の 嬢 ちゃん の 方 が うめ え … りょうり|じん|a|||じょう|||かた||| That little girl's dish was better...

( 黒 木場 ) なあ あっ … くろ|きば||

( アリス ) ほら “ ワン ” って 言って ごらん なさい ||わん||いって|| Come on. Say "woof" for me.

くう っ … もう 1 回 勝負 しろ お おお お っ ! |||かい|しょうぶ|||||

( アリス ) クスス ~\ N ( 黒 木場 ) ぐ ぬ ぬ う っ … ||n|くろ|きば|||||

( 客 の 歓声 ) きゃく||かんせい

ぐ ああ ああ あ あっ !

( 黒 木場 ) 最初 の 勝負 から 2 年 くろ|きば|さいしょ||しょうぶ||とし Two years after our first match,

ついに 来 た … |らい| the moment's finally come!

俺 の 勝ち だ ! おれ||かち| I've won!

( 料理 人 たち の 歓声 ) りょうり|じん|||かんせい

( 黒 木場 ) は あ あっ … くろ|きば|||

( アリス ) う う っ !

明日 も もう 一 度 勝負 よ ! あした|||ひと|たび|しょうぶ| We'll face off again tomorrow!

いい わ ね リョウ 君 ! ||||きみ Okay, Ryo-kun?!

( 黒 木場 ) いい ぜ くろ|きば|| Fine... miss.

( 黒 木場 ) お 嬢 ( アリス ) ん っ ? くろ|きば||じょう|||

( 黒 木場 ) 何度 でも 勝負 して やる よ くろ|きば|なんど||しょうぶ||| I'll fight you any time.

ウフフッ

( 料理 人 たち の 笑い声 ) りょうり|じん|||わらいごえ

じゃあ 次 私 が 勝ったら 敬語 を 使う の いい わ ね ? |つぎ|わたくし||かったら|けいご||つかう|||| Then you'll be polite to me when I win next time?

っざ けん な ! No way!

フフッ …

( 創 真 ) ん ? ( 葉山 ) あっ … はじめ|まこと||はやま|

( 葉山 ) 耐熱 フィルム か はやま|たいねつ|ふぃるむ| Heat-resistant film?

へえ ~ あれ ラップ じゃ ねえ の か ||らっぷ|||| What, it's not cling wrap?

( 丸井 ) 200 度 を 超える 耐熱 性 と ― まるい|たび||こえる|たいねつ|せい| It's capable of withstanding heat of higher than 200 C, and cold up to -40 C.

マイナス 40 度 まで の 耐 冷 性 を 持ち ― まいなす|たび|||たい|ひや|せい||もち

包 ん だ まま で 加熱 調理 が 可能 な フィルム シート だ つつ|||||かねつ|ちょうり||かのう||ふぃるむ|しーと| Food can be wrapped in it and cooked.

( えり な ) アリス と の 勝負 の 中 で 吸収 し た ― |||||しょうぶ||なか||きゅうしゅう|| He's gained an arsenal of molecular gastronomy techniques

分子 ガストロノミー 的 引き出し ぶんし||てき|ひきだし that he absorbed through his battles with Alice.

今 の 黒 木場 君 が 作る 料理 は ― いま||くろ|きば|きみ||つくる|りょうり| His cooking now is not

港町 の 酒場 で 料理 し て い た の で は 着想 し 得 ない もの ね みなとまち||さかば||りょうり||||||||ちゃくそう||とく||| something he'd think up just from cooking in a port town pub.

2 人 が 切磋琢磨 ( せっさたくま ) し て き た 歴史 そのもの な ん だ わ じん||せっさたくま||||||れきし|その もの|||| This is indicative of their whole history working hard together.

( アリス ) 負け ちゃ ダメ よ リョウ 君 |まけ||だめ|||きみ Ryo-kun, don't lose, okay?

( 黒 木場 ) 言わ れる まで も ない です よ お 嬢 くろ|きば|いわ||||||||じょう No need to remind me... miss.

この フィルム が 俺 の 料理 の カギ に なる |ふぃるむ||おれ||りょうり||かぎ|| This film is the key to my dish!

( 黒 木場 ) 葉山 ! て め え を こいつ で 今度 こそ 仕留める くろ|きば|はやま|||||||こんど||しとめる Hayama!

選抜 の 頂点 に 立つ の は ― せんばつ||ちょうてん||たつ|| The one who will stand at the top of these elections... will be me!

この 俺 だ ! |おれ|

( 田所 恵 ( た どころ めぐみ ) ) 月 が 道のり の 半分 まで … たどころ|けい||||つき||みちのり||はんぶん| The moon's halfway across the sky...

( 水戸 ( み と ) 郁 魅 ( いく み ) ) 残り 1 時間 を 切った みと|||いく|み|||のこり|じかん||きった Less than an hour left now.

( 吉野 悠 姫 ( よし の ゆうき ) ) あっ 見 て ! よしの|ゆう|ひめ|||||み| Oh, look.

完成 だ ! かんせい| I'm done.

一番乗り は 黒 木場 か いちばんのり||くろ|きば|

しかし 本当 に … |ほんとう| But...

あれ が … 料理 ? ||りょうり Is that... really his dish?

ずいぶん 急 い だ じゃ ねえ か 調理 に 見落とし が なけりゃ いい が な |きゅう||||||ちょうり||みおとし||||| In a rush, huh?

今 の うち に 減らず口 を 叩 い とけ いま||||へらずぐち||たた|| Run your mouth while you still can.

俺 の 品 は て め え の 武器 を 圧 殺 する ! おれ||しな||||||ぶき||あっ|ころ| My dish will crush your weapon.

( 創 真 ) 黒 木場 の やつ 何 を やろ う って ん だ ? はじめ|まこと|くろ|きば|||なん|||||| What's Kurokiba trying to do with that flimsy film?

あんな ペラペラ な フィルム で よ ぉ |||ふぃるむ|||

たぶん お前 も よく 知って る こと だ ぜ |おまえ|||しって|||| Something you're very familiar with, I bet.

ん ?

まずは 黒 木場 選手 の サーブ です |くろ|きば|せんしゅ||さーぶ| Candidate Kurokiba will serve first!

( 堂島 ) 審査 台 へ と 進む 選手 を ― どうじま|しんさ|だい|||すすむ|せんしゅ| The moon serves to illuminate the candidate who is

月 の 舞台 照明 が 照らす つき||ぶたい|しょうめい||てらす

まるで 料理 人 と その 者 が 出す 品 を 清める か の よう に |りょうり|じん|||もの||だす|しな||きよめる|||| It's as though the light is purifying the chef and his dish!

ワーオッ ! Wow!

袋 の 中 で まだ グツグツ 煮え てる です ふくろ||なか||||にえ|| Still simmering inside the pouch!

すこぶる 熱々 です ね ! |あつあつ|| Very piping hot!

あの まま 審査 員 に 開封 さ せる の か ? ||しんさ|いん||かいふう|||| He's going to make the judges open the dish?

いざ ! 実 食 で ある ! |み|しょく|| Now, have a taste!

( 堂島 ) あっ ! どうじま|

( 堂島 ) ぬう ん っ ! どうじま|||

エビ ムール 貝 アサリ そして サンマ ! えび||かい|あさり||さんま Shrimp!

怒涛 ( ど とう ) の 香り グラデーション に 引きずり込ま れる ~ ! どとう||||かおり|||ひきずりこま| I'm getting dragged into a torrent of different aromas!

( レオ ノーラ ) は あ あっ ! 思わず 顔 が ほころび ま ~ す ! |||||おもわず|かお||||

( 大泉 ・ 早乙女 ) う お っ ! 総帥 が ! おおいずみ|さおとめ||||そうすい|

あの 厳格 な 総帥 が ニヤケ て おる ! |げんかく||そうすい|||| He's usually so stern, yet he's grinning!

( 早乙女 ) “ お ニヤケ ” だ さおとめ||| It's The Grin!

まさか お ニヤケ が 飛び出す と は ! ||||とびだす|| Who knew we'd see The Grin here?!

( 黒 木場 ) 使う 素材 は アクアパッツア と ほとんど 同じ だ が ― くろ|きば|つかう|そざい|||||おなじ||

耐熱 フィルム に 包 ん だ こと で ― たいねつ|ふぃるむ||つつ|||| but wrapping them in a heat-resistant film changes the dish's name.

この 品 の 料理 名 は 変わる ! |しな||りょうり|な||かわる

“ カルトッチョ ” It's a cartoccio!

俺 の 出し た 料理 は “ 秋 サンマ の カルトッチョ ” だ ! おれ||だし||りょうり||あき|さんま|||

( 創 真 ) ああ … はじめ|まこと|

( 創 真 ) 準 決勝 で は 旨味 の 発火 装置 はじめ|まこと|じゅん|けっしょう|||うまみ||はっか|そうち He served an umami detonator in the semi-finals.

んで お 次 は 香り の 発火 装置 で 来 た って わけ か ||つぎ||かおり||はっか|そうち||らい|||| He followed that up with an aroma detonator, I guess.

なるほど な I see.

さあ 味わい な ! |あじわい| Go on! Taste it!

ん ん ~ っ !

新鮮 すぎ て サンマ の 脂 が とろける よう に 甘い で ~ す ! しんせん|||さんま||あぶら|||||あまい|| So fresh! The Pacific saury's fat is meltingly sweet!

( 堂島 ) 超 絶 鮮度 の 魚介 たっぷり と し た 旨味 ! どうじま|ちょう|た|せんど||ぎょかい|||||うまみ The seafood ingredients are all extraordinarily fresh!

これ だけ 豪快 な 旨味 を 力ずく で 閉じ込める と は … ||ごうかい||うまみ||ちからずく||とじこめる||

何という 荒々し さ ! なんという|あらあらし|

黒 木場 リョウ の 真骨頂 だ ! くろ|きば|||しんこっちょう| This is Kurokiba Ryo's true worth!

( 堂島 ) しかし 旬 と は いえ ― どうじま||しゅん||| The Pacific saury may be in season,

ほとんど 調味料 も 使わ ず これほど の 濃厚 さ を … |ちょうみりょう||つかわ||||のうこう|| but how could he craft such richness in flavor without much seasoning to speak of?

ん ん っ ? 爽 やか な 香り 海産物 で は ない ! |||そう|||かおり|かいさんぶつ||| Hm?

これ は !

ハーブ の 香気 だ ! ||こうき| It's from herbs.

その とおり !

フィルム に 包む 時 一緒 に 仕込 ん だ の さ ふぃるむ||つつむ|じ|いっしょ||しこ|||| I added them to the packet when I wrapped the ingredient with the film.

この ハーブ バター を な ! ||ばたー|| I used this herb butter!

( えり な ) 常温 に し て 柔らかく し た バター に ― ||じょうおん||||やわらかく|||ばたー| After softening butter at room temperature,

細かく 刻 ん だ ハーブ や スパイス ニンニク など を 練り込 ん だ 物 を ― こまかく|きざ|||||すぱいす|にんにく|||ねりこ|||ぶつ|

一晩 冷蔵 庫 で 寝かせ れ ば 完成 する ひとばん|れいぞう|こ||ねかせ|||かんせい|

( 黒 木場 ) コイツ が オーブン の 中 の 熱 で 時間 を かけ て 溶け て いき ― くろ|きば|||おーぶん||なか||ねつ||じかん||||とけ||

その コク と 風味 が ― |||ふうみ| and its richness and flavor

サンマ や 他の 素材 に じっくり と 染み渡る ! さんま||たの|そざい||||しみわたる gradually seeped into the Pacific saury and other ingredients!

( 仙 左 衛 門 ) 味 に も 香り に も ― せん|ひだり|まもる|もん|あじ|||かおり|| It gave an incredible boost to the flavors and the fragrance!

超 ド 級 の インパクト を 与え おった ちょう||きゅう||いんぱくと||あたえ|

徹底 的 な まで の 味 の 暴力 てってい|てき||||あじ||ぼうりょく It's a violence of flavor that is absolute!

どうやら 出る よう だ わ |でる||| It seems we'll see my mother's "baring."

お 母 様 の “ お は だけ ” が ! |はは|さま|||||

( 悠 姫 ) う い いい いっ ? ( 涼子 ) こんな 公 の 場 で ? ゆう|ひめ|||||りょうこ||おおやけ||じょう| What?!

マジ か ! Seriously?!

そ っ … そそ そそれ は ダメ な ん じゃ … |||||だめ||| Th-Th-That'd be really bad!

( 4 人 の 叫び声 ) じん||さけびごえ

( 4 人 ) あ あっ ? じん|| What a wonderful Pacific saury dish.

素晴らしい サンマ 料理 で し た すばらしい|さんま|りょうり|||

まず テーブル に 出さ れ た 際 の ビジュアル の 衝撃 ! |てーぶる||ださ|||さい||びじゅある||しょうげき First, it had immediate visual impact upon arriving at the table.

サーブ の 仕方 も 料理 の 大切 な 要素 と 考える ― さーぶ||しかた||りょうり||たいせつ||ようそ||かんがえる You have a firm grasp of the modern cooking trend

現代 の 調理 トレンド を しっかり 踏襲 し て い ます げんだい||ちょうり|とれんど|||とうしゅう|||| that acknowledges the importance of a dish's aesthetics.

会場 中 が 前 のめり に なって 注目 し て い た こと から も ― かいじょう|なか||ぜん||||ちゅうもく||||||| Given that the entire audience had leaned forward to look at the dish,

その 計画 は 見事 に 完遂 し た と 言 える でしょ う |けいかく||みごと||かんすい||||げん||| your plan can be said to be a success.

アクアパッツア に は アンチョビ が 使わ れる こと が 多い … |||||つかわ||||おおい Anchovies are often used in acqua pazza,

お 母 様 は おいしい 品 を 食べる と 片言 が はだけ て ― |はは|さま|||しな||たべる||かたこと||| but not in this dish, since herb butter was used.

流暢 ( り ゅ う ちょう ) に しゃべり 出す の りゅうちょう|||||||だす| and "bares" a fluent command of the language.

そう だった わ ね … Right, I remember.

片言 が はだける って 何 ? かたこと||||なん "Shedding" broken Japanese? How's that work?!

( レオ ノーラ ) バター の まろやか さ は 素材 同士 の エキス を 1 つ に まとめる の に も ― ||ばたー|||||そざい|どうし||えきす||||||| The mellow butter serves to meld the flavors from each ingredient.

効果 を 発揮 しか し ハーブ に よって しつこく 後 を 引く こと も なく ― こうか||はっき|||||||あと||ひく|||

強烈 な 味 の インパクト は 軽やか に 通り抜け … きょうれつ||あじ||いんぱくと||かろやか||とおりぬけ

( 仙 左 衛 門 ) 他の どの 魚 でも なく ― せん|ひだり|まもる|もん|たの||ぎょ|| Flavors only made possible with Pacific saury in season, and no other fish!

旬 の サンマ で なけ れ ば 成立 し ない 一 品 しゅん||さんま|||||せいりつ|||ひと|しな

彼 奴 ( き ゃ つ ) の 調理 技術 の 集大成 ! かれ|やつ|||||ちょうり|ぎじゅつ||しゅうたいせい This is a culmination of his culinary techniques!

( 仙 左 衛 門 ) 身 も ! ( レオ ノーラ ) 心 も ! せん|ひだり|まもる|もん|み||||こころ| ...soul...

( 堂島 ) 海 と どうじま|うみ| ...and ocean!

( 3 人 ) 1 つ に ! じん||

( 男子 生徒 D ) すげ ー ぞ 黒 木場 ぁ ! だんし|せいと|d||-||くろ|きば|

( 男子 生徒 E ) 本家 お は だけ も 出 た ~ ! だんし|せいと|e|ほんけ|||||だ|

( 黒 木場 ) どう だ 俺 の 料理 の 膂力 ( り ょ り ょ く ) を ― くろ|きば|||おれ||りょうり||りょりょく|||||| Sear my dish's power into your eyes, Hayama...

目 に 焼き付けろ 葉山 ! め||やきつけろ|はやま

ふう …

( 一色 ) 続 い て 葉山 選手 が サーブ し ます いっしょく|つづ|||はやま|せんしゅ||さーぶ|| Next, Candidate Hayama will serve his dish!

( 創 真 ) あ あっ ? ( 黒 木場 ) う う っ … はじめ|まこと|||くろ|きば|||

( 黒 木場 ) ふざけ ん な コラァ ! くろ|きば|||| The hell, asshole?!

そんな 品 で 俺 に 勝つ 気 か よ ? 勝負 を 何 だ と 思って や がる ! |しな||おれ||かつ|き|||しょうぶ||なん|||おもって|| You think you can win against me with that kind of dish?!

( 黒 木場 ) 話 に なら ねえ ! ( 葉山 ) お前 は 知ら ない ん だ くろ|きば|はなし||||はやま|おまえ||しら||| Forget it—

( 葉山 ) 香り は 料理 の 概念 すら 作り替える こと を はやま|かおり||りょうり||がいねん||つくりかえる||

( えり な ) まさか ― It can't be...

カルパッチョ ?

( 男子 生徒 F ) 前菜 メニュー ? だんし|せいと|f|ぜんさい|めにゅー An antipasto?!

( 女子 生徒 A ) ウソ でしょ ? じょし|せいと|a|うそ| No way!

( 男子 生徒 G ) 決勝 戦 だ ぞ ! だんし|せいと|g|けっしょう|いくさ|| These are the finals!

( 男子 生徒 H ) 前菜 なんか で 勝て る の か よ ? だんし|せいと|h|ぜんさい|||かて|||| How can he win with an antipasto dish?

( えり な ) 前菜 は コース 料理 序盤 で 客 の 食欲 を 開く ため の 品 ||ぜんさい||こーす|りょうり|じょばん||きゃく||しょくよく||あく|||しな The antipasto is a dish intended to pique the diners' appetite at the start of a course.

必然 的 に 軽 め の メニュー と なる ひつぜん|てき||けい|||めにゅー|| It is, by necessity, a lighter dish than others.

そんな 料理 を 選ぶ なんて … |りょうり||えらぶ| Why did he choose that?

( 黒 木場 ) 葉山 て め え の 目 利き の 腕 は 完全 に 俺 と 互角 だ くろ|きば|はやま|||||め|きき||うで||かんぜん||おれ||ごかく| Your ability to judge ingredients is equal to mine.

最 上級 の サンマ が 誇る ― さい|じょうきゅう||さんま||ほこる I bet you tried to take advantage

生 ならでは の 新鮮 な 甘み を 生 かそ う と し た ん だ ろ う が せい|||しんせん||あまみ||せい|||||||||| of the best Pacific saury's fresh flavor in the raw,

旨味 と 香り の 重厚 な インパクト で 圧 殺し た ― うまみ||かおり||じゅうこう||いんぱくと||あっ|ころし| but there's no way your dish can contend with my cartoccio.

俺 の カルトッチョ に 張り 合え る わけ が ない ! おれ||||はり|あえ|||| Not after it crushed the judges with its heavy umami and aroma impact!

( 堂島 ) で は 実 食 を …\ N ( 葉山 ) 少々 お 待ち ください どうじま|||み|しょく||n|はやま|しょうしょう||まち| Well, let us taste—

( 葉山 ) 最後 の 仕上げ が 残って おり ます ので はやま|さいご||しあげ||のこって||| There's one last step.

バーナー で 炙 ( あぶ ) って 表面 に 焼き 目 を ? ばーなー||しゃ|||ひょうめん||やき|め| He's searing the surface with a torch.

だが そんな こと で 黒 木場 少年 の 香り の 発火 装置 に は ― ||||くろ|きば|しょうねん||かおり||はっか|そうち||

到底 及 ば … とうてい|およ|

( 創 真 ) あっ ( 黒 木場 ) ハッ はじめ|まこと||くろ|きば|

う はっ あ あ ~ っ !

( 早乙女 ・ 大泉 ) ぬ お おお っ ! さおとめ|おおいずみ||||

( 葉山 ) 完成 はやま|かんせい Done.

俺 の 料理 は ― おれ||りょうり| My dish is Seared Pacific Saury Carpaccio!

“ 炙 り サンマ の カルパッチョ ” で ござい ます しゃ||さんま|||||

( 観客 の 歓声 ) かんきゃく||かんせい

( 青木 ) うまい ! ( 佐藤 ) うまい ! あおき||さとう| Delicious!

( 青木 ・ 佐藤 ) 食わ なく て も うまい ! あおき|さとう|くわ|||| It's delicious without even having a single taste!

ものすごい ジューシー さ が 伝わって くる ! ||||つたわって|

燻製 ( くんせい ) を 超える 勢い … くんせい|||こえる|いきおい It goes above and beyond what curing can do.

( 郁 魅 ) お ~ っ ! ( 涼子 ) すごい ! いく|み|||りょうこ| Wow!

炙 る 前 と 全然 違う ! しゃ||ぜん||ぜんぜん|ちがう The dish became completely different after the fish was seared.

じ ゅ わ あ ああ ああ ああ あっ ! Sizzle!

食事 する 者 を なまめかしく 誘惑 し て くる よう だ わ しょくじ||もの|||ゆうわく||||||

もう … もう 1 秒 も 待て ない … ||びょう||まて| Oh!

は ふ っ

あっ あ あ ~ っ \ N あ あ ~ ん は は ~ ん ||||n||||||

ドレッシング に は エキストラ バージン オリーブ オイル や ― |||えきすとら||おりーぶ|おいる| The dressing consists of extra virgin olive oil, wine vinegar,

ワイン ビネガー わいん| and Pacific saury innards!

そして サンマ の 肝 を 和 ( あ ) え て いる ! |さんま||かん||わ||||

肝 の コク が 舌 に じん わり 染み渡り サンマ の 脂 の 甘 さ を 強調 ! かん||||した||||しみわたり|さんま||あぶら||あま|||きょうちょう The rich flavor of the innards floods the tongue,

溢れる 香ばし さ と 風味 で 溺れ そう ! あふれる|こうばし|||ふうみ||おぼれ| I'm drowning in the overflowing aromas and flavors!

一体 どれ だけ 多く の スパイス を 組み合わせ て … いったい|||おおく||すぱいす||くみあわせ| How many spices did you add to this dish?!

( 仙 左 衛 門 ) いや ! 使用 し て いる の は オール スパイス ただ 1 つ せん|ひだり|まもる|もん||しよう||||||おーる|すぱいす|| Nay!

何 ? なん What?!

香辛料 は 1 種類 だけ ? こうしんりょう||しゅるい| He only used one spice?

多種多様 な スパイス で ― たしゅたよう||すぱいす| I thought Hayama's special weapon

極上 の 香り を 編み あげる の が 葉山 の 武器 な ん じゃ … ごくじょう||かおり||あみ||||はやま||ぶき||| was to weave various spices into the best aroma possible...

( えり な ) 違う 彼 の 香り を 操る 能力 は ― ||ちがう|かれ||かおり||あやつる|のうりょく| No.

ただ 足し て いく こと に 留まら ない |たし|||||とどまら|

あえて 香辛料 を 引く こと で 旬 の サンマ の 風味 を ― |こうしんりょう||ひく|||しゅん||さんま||ふうみ|

鮮明 に 浮かび上がら せる こと が でき た ん だ わ せんめい||うかびあがら|||||||| by intentionally subtracting spices from the dish.

それなのに この 香り の 豊か さ は 何 ? ||かおり||ゆたか|||なん And yet, how did he manage such richness of fragrance?

リョウ 君 の カルトッチョ に 匹敵 する 勢い だった |きみ||||ひってき||いきおい| It's on par with the aromatic force of Ryo-kun's cartoccio.

ええ ただ 炙 った だけ で は あり え ね ~ です ! ||しゃ|||||||| Yes, and it's not possible to achieve through searing alone!

フッ … “ かえし ” です

サーブ する 直前 に 身 の 表面 に さっと 塗り まし た さーぶ||ちょくぜん||み||ひょうめん|||ぬり|| I brushed it over the fish, right before serving.

かえし ? つばめ 返し です か ? ||かえし|| The kaeshi?

コジロー ・ ササキ ? Kojiro Sasaki?

よく 知って い ます ね そんな 言葉 |しって|||||ことば I'm surprised you know that word.

でも 違い ます |ちがい|

かえし と は ― Kaeshi is a seasoning made by a mixture of soy sauce with mirin, sake,

しょうゆ に みりん や 日本 酒 など を 加え て 作る 合わせ 調味料 ||||にっぽん|さけ|||くわえ||つくる|あわせ|ちょうみりょう

この かえし を だし で 割る こと で そば つゆ が できる の です |||||わる|||||||| You can make soba dipping sauce by diluting kaeshi with stock.

日本 食 全般 に 使える 万能 調味料 だ と み なされ て い ます わ にっぽん|しょく|ぜんぱん||つかえる|ばんのう|ちょうみりょう|||||||| It's considered an all-purpose seasoning for most Japanese dishes.

道理で な 魚 の 身 は バーナー の 高い 火力 を もって し て も ― どうりで||ぎょ||み||ばーなー||たかい|かりょく||||| No wonder.

焦げ 目 が 付き づらい もの な の だ こげ|め||つき|||||

それ が かえ しに 含ま れる 糖分 に よって ― ||||ふくま||とうぶん|| Kaeshi contains sugar, which makes the fish much easier to sear!

焦げ やすく なる こげ||

加熱 が 長引 い て ― かねつ||ながび|| So he prevented the loss of flavor

新鮮 な サンマ の 風味 が 台無し に なって しまう の も ― しんせん||さんま||ふうみ||だいなし||||| that would have resulted from a more prolonged exposure to heat.

防 い だ と いう こと ね ふせ||||||

( 葉山 ) サンマ の 表面 の 脂 と かえし の 糖分 が ― はやま|さんま||ひょうめん||あぶら||||とうぶん| The surface fat of the fish and the sugars in the kaeshi

加熱 に よって じ ゅ わ っと 沸き立つ かねつ|||||||わきたつ sizzle and bubble from the heat.

つまり 俺 は 香り の “ 引き算 ” と “ 強調 ” |おれ||かおり||ひきざん||きょうちょう

相対 ( あい たい ) する 論理 を この 一 皿 の 上 で 同時に 披露 し た の です そうたい||||ろんり|||ひと|さら||うえ||どうじに|ひろう|||| the subtraction of aroma and its emphasis— in unison with this single dish.

( 堂島 ) 黒 木場 リョウ と 葉山 アキラ どうじま|くろ|きば|||はやま| Kurokiba Ryo and Hayama Akira...

( 仙 左 衛 門 ) 一 度 ぶつかり合った から こ その 進化 か せん|ひだり|まもる|もん|ひと|たび|ぶつかりあった||||しんか| They both evolved because of their previous match.

黒 木場 リョウ は 肉 厚 の 大 剣 を 振りかざす くろ|きば|||にく|こう||だい|けん||ふりかざす Kurokiba Ryo wields a massive sword.

決勝 でも 人 の 食欲 を 引きずり出す 爆発 力 を ― けっしょう||じん||しょくよく||ひきずりだす|ばくはつ|ちから| He further improved the explosive, appetizing power of his dish at the finals.

さらに 高め て 見せ た |たかめ||みせ|

( 堂島 ) 対し て 準 決勝 で 葉山 アキラ が 出し た カモ 料理 は ― どうじま|たいし||じゅん|けっしょう||はやま|||だし||かも|りょうり| In contrast, the duck dish that Hayama Akira served at the semi-finals

煌 ( きら ) び やか な る スパイス の 狂 宴 ( きょう えん ) こう||||||すぱいす||くる|えん|| was a brilliant feast of spices.

さながら 意匠 と 装飾 が 施さ れ た 宝 剣 だった ! |いしょう||そうしょく||ほどこさ|||たから|けん| It was like a finely crafted, ornate sword.

( 仙 左 衛 門 ) それ が 今 宵 の 葉山 は どう だ ? せん|ひだり|まもる|もん|||いま|よい||はやま||| But look at Hayama tonight.

選別 択一 ゆえ の 洗練 せんべつ|たくいつ|||せんれん Refinement through differentiation and selection

鋭く 細く 研ぎ澄まさ れ た レイ ピア の 如し ! するどく|ほそく|とぎすまさ|||れい|||ごとし has produced a blade that is as sharp and fine as a well-honed rapier!

( 黒 木場 ) う ああ ああ あっ ! ( 葉山 ) う っ … くろ|きば|||||はやま||

( 黒 木場 ) う う っ ! くろ|きば|||

( 黒 木場 ) オラアアアア ! ( 葉山 ) フウッ ! くろ|きば||はやま|

( 黒 木場 ) くっ … くっ … くろ|きば||

( 葉山 ) スパイス しか 能 が ない ワン パターン ― はやま|すぱいす||のう|||わん|ぱたーん What did you call me before? A one-trick pony with spices?

だった か ?

香り を 従える と いう こと は こういう こと だ かおり||したがえる|||||||

くう う う っ !

( 堂島 ) これ が 香り の 名手 葉山 アキラ の 真骨頂 か どうじま|||かおり||めいしゅ|はやま|||しんこっちょう| So this is the master of fragrance, Hayama Akira's, true worth!

サンマ の 純粋 なる 威力 風味 を 真っ直ぐ に ― さんま||じゅんすい||いりょく|ふうみ||まっすぐ|

解き放つ ! ときはなつ

正 射 必中 ! お 見事 ! せい|い|ひっちゅう||みごと

( 観客 の 歓声 ) かんきゃく||かんせい

( 男子 生徒 I ) 本家 お はだけ また 出 た ぁ ~ ! だんし|せいと|i|ほんけ||||だ|| The director's gone bare-chested again!

( 恵 ) あ あっ ! 月 が 隠れ 始め てる ! けい|||つき||かくれ|はじめ| Oh!

創 真 君 急 い で ~ ! はじめ|まこと|きみ|きゅう|| Hurry, Soma-kun!

幸平 ! 時間 ねえ ぞ ~ ! こうへい|じかん|| Yukihira, you're running out of time!

( 創 真 ) お 待ち どう ! はじめ|まこと||まち| Sorry to keep you waiting.

こいつ で 〆 ( しめ ) だっ ! This will be the finish!

お ほっ !

フッフフ …\ N これ は たまらない な |n|||| This is irresistible to anyone

米 を 主食 と する 者 なら ば 条件 反射 で 頬 ( ほお ) が ゆるむ ― べい||しゅしょく|||もの|||じょうけん|はんしゃ||ほお||| who eats rice on a daily basis.

見た目 と 香気 の 破壊 力 ! みため||こうき||はかい|ちから from the sight of it, and the destructive aroma!

“ 糠 ( ぬか ) サンマ の 炊き込み ご飯 ” っす ぬか||さんま||たきこみ|ごはん|

( 男子 生徒 J ) 糠 ? ( 女子 生徒 B ) 糠 漬け ? だんし|せいと|j|ぬか|じょし|せいと|b|ぬか|つけ Pickled with salted rice bran?!

( 男子 生徒 K ) 諦め た ん じゃ なかった の か よ ! だんし|せいと|k|あきらめ||||||| So he didn't give up.

( 郁 魅 ・ 悠 姫 ) おお お お っ ! いく|み|ゆう|ひめ||||

おいし そう ! It looks delicious!

いや あ ~ あの モッサリ な サンマ を 見 た 時 に は ― |||||さんま||み||じ|| Well, I was thinking it would be the worst case scenario

どう なる か と 思った けど なぁ ~ ||||おもった|| when I saw that dull-looking Pacific saury.

ああ なまくら に 見え た の は ― |||みえ|||

サンマ の 糠 漬け だった ん だ な ! さんま||ぬか|つけ||||

( レオ ノーラ ) お ~ っ !

炊き 立て の 香り たまり ませ ~ ん ! たき|たて||かおり||| I can't bear the piping hot fragrance!

( 創 真 ) は い は ~ い すぐに よ そい ます んで ちょっと お 待ち ください っす はじめ|まこと||||||||||||まち|| Yes, yes.

もう 幸平 君 いけ ず です ! 早く 早く ! |こうへい|きみ||||はやく|はやく Oh, Yukihira-kun!

( 大泉 ) 他の 2 人 も それぞれ 期待 を 高める 演出 を 仕掛け て い た が ― おおいずみ|たの|じん|||きたい||たかめる|えんしゅつ||しかけ|||| The other two were also creative about heightening our expectations,

幸平 創 真 も また 然 ( しか ) り ! こうへい|はじめ|まこと|||ぜん|| but Yukihira Soma is not taking a back seat to them!

客 の 期待 を 煽 ( あお ) る 術 ― きゃく||きたい||あお|||じゅつ He knows how to make his guests eager for his dish!

心得 て おる ! こころえ||

来 た 来 た ! やっと です ね ~ ! らい||らい|||| Here it comes!

いざ 実 食 です ! |み|しょく|

ふ ー ふ ー は ふ っ |-||-|||

ふう っ ふう っ

ほふ ほふ ほふ

は あ ああ ああ ん っ !

秋 が もたらす サンマ の 幸せ が 体中 に 沁 ( し ) み 入る ! あき|||さんま||しあわせ||たいちゅう||しん|||はいる The happiness of Pacific saury brought by autumn

何という やわらか な うま さ なんという|||| What gentle flavor!

サンマ を 七輪 で 一 度 焼 い て … さんま||しちりん||ひと|たび|や|| He grilled the fish on a clay cooking stove first—

一 度 焼 い て から ご飯 と 一緒 に 炊き込む ! ひと|たび|や||||ごはん||いっしょ||たきこむ He grilled it first, then cooked it with the rice!

そうした 細かい 仕事 に よって ― |こまかい|しごと|| Such meticulous prep work allowed this much of the Pacific saury's aroma

ここ まで 見事 に 香ばし さ が ご飯 に 移って いる わけ です ||みごと||こうばし|||ごはん||うつって|||

そして サンマ が また 素晴らしい ! |さんま|||すばらしい

塩気 の 中 に ある 深い 旨味 と フワッ と 香る 風味 が ― しおけ||なか|||ふかい|うまみ||||かおる|ふうみ|

噛みしめる 度 に 口 の 中 に 広がり ます ! かみしめる|たび||くち||なか||ひろがり|

他の 2 名 に 勝る と も 劣ら ない 品質 です ! たの|な||まさる|||おとら||ひんしつ| This is on par with the Pacific saury in the other two's dishes!

この 厚み の ある 味 が 糠 サンマ と いう もの な の です か ? |あつみ|||あじ||ぬか|さんま||||||| Is this deep flavor due to the salted rice bran?!

( 堂島 ) いかにも 北海道 で 古く から 親しま れ て き た 伝統 食 どうじま||ほっかいどう||ふるく||したしま|||||でんとう|しょく Indeed. It's a traditional favorite from Hokkaido.

素材 の 旨味 を 引き出し 臭 み も 取って 栄養 価 も アップ する そざい||うまみ||ひきだし|くさ|||とって|えいよう|か||あっぷ| The salted rice bran draws out an ingredient's umami,

最も うまく サンマ を 食う 方法 だ と 言い切る 者 も いる ほど もっとも||さんま||くう|ほうほう|||いいきる|もの||| Some insist that it is the best preparation for Pacific saury.

それにしても よくぞ ここ まで 味 を 高め た な ||||あじ||たかめ|| Still, I'm impressed you managed to improve the flavor to this degree, Yukihira.

幸平 こうへい

イチ か バチ か 時間 と の 勝負 で し た わ いち||||じかん|||しょうぶ|||| I took a big risk. It was a race against time!

魚河岸 で 上等 な サンマ を できる 限り 買い込 ん で ― うおがし||じょうとう||さんま|||かぎり|かいこ|| I bought as many high-quality Pacific saury from the fish market as I could,

試作 を やり ながら 熟成 を 繰り返し まし た しさく||||じゅくせい||くりかえし||

もちろん 糠 漬け 以外 の 熟成 も 試し て 改良 し ながら ね |ぬか|つけ|いがい||じゅくせい||ためし||かいりょう||| Of course, I tried and improved other aging methods than salted rice bran, too.

なかなか 旬 の 上物 に 対抗 できる もの は ― |しゅん||じょうもの||たいこう||| It was hard to make something that could compete with top-quality Pacific saury in season,

でき なかった けど

本番 直前 ― ほんばん|ちょくぜん but I finally found one that was satisfactory right before the match.

やっと 満足 いく 熟成 具合 に 届 い た の が ― |まんぞく||じゅくせい|ぐあい||とどけ||||

この 糠 漬け 熟成 だった ん す |ぬか|つけ|じゅくせい||| That was this fish, aged using salted rice bran!

( 創 真 ) ふみ 緒 さん の 言葉 や 寮 で 仕込 ん で た 糠 漬け はじめ|まこと||お|||ことば||りょう||しこ||||ぬか|つけ Hints from Fumio-san's words, the salted rice bran pickles at the dorm...

みんな から もらった 熟成 の ノウハウ |||じゅくせい||のうはう All the tips and tricks about aging I learned from my friends...

その 全部 が この 閃 ( ひらめ ) き に つながった ! |ぜんぶ|||せん||||

あの 熟成 法 に 自力 で 辿り着 い た と いう の か ! |じゅくせい|ほう||じりき||たどりつ|||||| He discovered that aging method on his own?!

なまくら か と 思い きや ― |||おもい| Though we thought it was a worthless blade,

とんだ 名 刀 が ― |な|かたな| it has shown itself to be a fine sword!

姿 を 現し た ! すがた||あらわし|

鉄 を 鍛え て 名 刀 を 生み出す 刀工 の よう に ― くろがね||きたえ||な|かたな||うみだす|とうこう|||

あの “ 秋 の 刀 ” を 彼 自身 が 育て た の だ ! |あき||かたな||かれ|じしん||そだて||| he has created that sword of autumn on his own!

( 観客 の 歓声 ) かんきゃく||かんせい

♪~

~♪

( 観客 の 歓声 ) かんきゃく||かんせい

すごい よ 創 真 君 ! ||はじめ|まこと|きみ Soma-kun's amazing!

ああ 文句なし だ ぜ ! |もんくなし||

あれ なら きっと 高 評価 を … |||たか|ひょうか| I bet he'll get high marks for that!

あ あっ ! 総帥 が …\ N は だけ て ない ! ||そうすい||n|||| The director hasn't gone bare-chested!

( 男子 生徒 L ) お おい …\ N ( 男子 生徒 M ) ああ … だんし|せいと|l|||n|だんし|せいと|m| Yeah.

( 男子 生徒 N ) うん … だんし|せいと|n| Right.

( 丸井 ) 堂島 シェフ と レオ ノーラ 女史 も もう 箸 を 置 い てる まるい|どうじま|しぇふ||||じょし|||はし||お|| Chef Dojima and Ms. Leonora have also already rested their chopsticks!

って こと は … That means...

( 大泉 ) うーん … おおいずみ| Hmm...

目 利き の 差 を 埋める こと に 時間 を 取ら れ 過ぎ た か 幸平 少年 め|きき||さ||うずめる|||じかん||とら||すぎ|||こうへい|しょうねん Did the Yukihira boy spend too much time trying to close the ingredient quality gap?

料理 の アイデア で は 2 人 に 届 い て おら ん ! りょうり||あいであ|||じん||とどけ|||| In terms of creativity, his dish is not on par with those two!

( 女子 生徒 C ) やっぱり あの 2 人 に 敵 う わけ … じょし|せいと|c|||じん||てき|| Of course he couldn't hope to compete with them...

( 男子 生徒 O ) だ よ なぁ ~ だんし|せいと|o||| Yeah.

( 女子 生徒 D ) 予想 どおり 優勝 を 争う の は … じょし|せいと|d|よそう||ゆうしょう||あらそう|| Like I thought, the match will be between...

( 男子 生徒 P ) 黒 木場 と 葉山 ! だんし|せいと|p|くろ|きば||はやま ...Kurokiba and Hayama!

おかわり も 食べ て ほしい ん す けど ― ||たべ||||| I'd like you to have seconds, too.

まだ 食べ たい 人 い ない っす か ? |たべ||じん|||| Does no one want more?

ここ まで … だ な It's the end of the line.

創 真 君 … はじめ|まこと|きみ Soma-kun!

ただ今 を もって 審査 を 終了 と … ただいま|||しんさ||しゅうりょう| With this, we conclude the evaluation—

( 創 真 ) おかわり し て 頂ける なら ― はじめ|まこと||||いただける|

こいつ を 注 い で 食べ て もら お う と 思って ん す けど ||そそ|||たべ||||||おもって||| I'd like you to pour this over the rice and dig in.

( 仙 左 衛 門 ) む う ! せん|ひだり|まもる|もん|| Hmm!

( レオ ノーラ ) は っ …\ N ( 堂島 ) う っ … ||||n|どうじま||

( 葉山 ) あっ …\ N ( 黒 木場 ) え えっ はやま||n|くろ|きば||

( 創 真 ) 俺 の サンマ 料理 は まだ ― はじめ|まこと|おれ||さんま|りょうり|| My Pacific saury dish...

完成 し て ない ん す よ かんせい|||||| ...is not yet complete.

( 創 真 ) この 刀 の ほんと の 切れ味 ― はじめ|まこと||かたな||||きれあじ I'll show you this blade's real edge!

お 見せ し ます ! |みせ||