Hyouka Episode 5
( 福部 里志 ( ふく べ さとし ) ) 奉 太郎 ( ほう たろう ) の 推理 どおり なら ―
僕たち の カンヤ 祭 は ―
少なくとも 一 人 の 高校 生活 を 代償 に 成り立って いる こと に なる ね
でも 驚 い た よ
( 折 木 ( おれ き ) 奉 太郎 ) 何 が だ
奉 太郎 が 謎解き を しよ う と した こと 自体 に さ
俺 も 驚 い た
( 里志 ) 神 高 ( かみ こう ) 入学 以来 ―
奉 太郎 は いく つ か 謎解き を し て き た よ ね
なんで そんな 面倒 な こと を やった か 理由 は 分かって る
千 反 田 ( ち た ん だ ) さん の ため だ ろ
( 奉 太郎 ) 千 反 田 の せい だ
それ でも いい だ けど 今日 は 違った
引く こと も でき た はず な ん だ 奉 太郎 は
今日 謎 を 解く 責任 は 僕ら の あいだ で 4 等分 さ れ て い た
分から ない と 言って 逃げ て も 誰 も 何も 言わ なかった と 思う ん だ よ
なのに ―
なんで トイレ に こもって まで 解答 を 見つけよ う と した ん だい ?
あれ も 千 反 田 さん の ため だった の ?
いいかげん 灰色 に も 飽き たから な
千 反 田 と き たら ―
エネルギー 効率 が 悪い こと この上 ない
部長 職 文集 作り 試験 そして 過去 の 謎解き
よく 疲れ ない もん だ
お前 も 伊原 ( いばら ) も な
ムダ の 多い やり 方 し てる よ お前 ら は
まっ そう かも ね
でも な
隣 の 芝生 は 青く 見える もん だ
お前 ら を 見 てる と たまに 落ち着か なく なる
俺 は 落ち着き たい
だが …
それ でも 俺 は 何も 面白い と は 思え ない
だから せめて …
その … なん だ
推理 でも し て 一 枚 か み たかった の さ
お前 ら の やり 方 に な
何 か 言え よ
( 里志 ) 奉 太郎 は …
奉 太郎 は バラ 色 が うらやましかった の かい ?
かも な
バラ 色 … か
( 奉 太郎 ) あれ が バラ 色 な ん だ ろ う か
分から ん …
( 奉 太郎 ) 過去 を 探求 する 千 反 田 カンヤ 祭 を 守った 関谷 純 ( せき た に じゅん )
あんな ふう に 俺 は なり たい の か ?
ホント に バラ 色 に なり たい の か ?
分から ん
( 奉 太郎 ) そもそも バラ 色 と は 何 だ ?
分から ん
( 奉 太郎 ) バラ 色 と いったら 姉 貴 も そう だ
( 奉 太郎 ) “ きっと 10 年 後 この 毎日 の こと を 惜しま ない ” か
( 奉 太郎 ) 25 歳 の 俺 は 10 年 前 を どう 振り返って いる だ ろ う
関谷 純 は 惜しま なかった はず だ
俺 は …
( 電話 の 着信 音 )
( 奉 太郎 ) はい 折 木 です
( 折 木 供 恵 ( ともえ ) ) あれ 奉 太郎 ?
姉 貴 か 生き て た の か ?
( 供 恵 ) 失礼 ね
私 が 強盗 の 1 人 や 2 人 を 相手 に 殺さ れる と 思って る の ?
やっぱり そういう 目 に 遭って た の か
( 供 恵 ) 昨日 プリシュティナ に 入った ところ
資金 健康 ともに 問題 なし
次 は サラエヴォ に 入ったら 手紙 を 書く わ
以上 報告 終わり
… で そっち は どう ?
( 奉 太郎 ) うん ? あ あっ 文集 を 作って る 「 氷 菓 ( ひょう か ) 」
( 供 恵 ) ああ 「 氷 菓 」 ね
( 奉 太郎 ) 関谷 純 の こと を 調べ た よ
( 供 恵 ) 関谷 純 ? 懐かしい 名前 ね
へえ 今 でも 伝わって る ん だ
じゃあ まだ カンヤ 祭 は 禁句 な の ?
何 だって ?
( 供 恵 ) あれ も 悲劇 よ ね イヤ だった わ
禁句 ? 悲劇 ? イヤ だった ?
ちょっと 待て よ 関谷 純 の 話 だ ぞ
( 供 恵 ) 分かって る わ よ “ 優しい 英雄 ” でしょ
あんた こそ 分かって ん の ?
いや … N どうも 分かって ない らしい
姉 貴 聞か せ て くれ 関谷 純 の こと を
( 供 恵 ) そんな 暇 は な ー い ! じゃ ね !
( 通話 が 切れる 音 )
( 奉 太郎 ) こ … この …
この クソ 姉 貴 !
( 奉 太郎 ) まだ 終わって ない
千 反 田 たち に 披露 し た 俺 の 説
あれ は …
間違って いる か 不十分 だった ん だ
もし 生き て い た と し たら ―
関谷 純 は 高校 時代 を 惜しま ない だ ろ う か ?
惜しむ はず が ない と 思って い た
自ら の ―
そして 仲間 たち の 情熱 に 殉 じ て 高校 を 去った 英雄 は ―
その 自己 犠牲 を 悔や ん で いる はず も ない
どこ か で そう 思い込 ん で い た
だが 本当 に そう だ ろうか
たかが 文化 祭 で 学校 を 追わ れ 人生 の 局面 を 変え られ て
高校 生活 と いえ ば バラ 色 だ
だが その 高校 生活 を 途中 で 打ち切って しまう ほど の ―
強烈 な バラ 色 は …
それ でも バラ 色 と 呼べ る の だ ろ う か ?
そんな はず は ない
仲間 の ため に 殉 じ て すべて を 許す
そんな 英雄 が そう そう い て たまる もん か
それ に 姉 貴 は あれ を “ 悲劇 ” と 呼 ん だ
関谷 純 の 高校 生活 は 本当 に バラ 色 だった の か ?
突き止め て やる
( 伊原 摩耶 花 ( ま や か ) ) ああ 福 ちゃん
( 里志 ) や あ
摩耶 花 も 奉 太郎 に 呼ば れ た の かい ?
( 摩耶 花 ) うん 話 が ある から 放課後 部室 に 来い って
( 里志 ) あの 奉 太郎 が わざわざ 人 を 呼び出す なんて
僕 の 記憶 で は 前例 が ない こと だ ね
( 摩耶 花 ) 私 漫研 の ほう が 忙しい のに
( 千 反 田 える ) こんにちは
昨日 は ありがとう ござい まし た
( 摩耶 花 ) う うん 私 も 楽しかった から
( 里志 ) それ より 奉 太郎 は ?
( える ) あ の っ ( 里志 ) あっ
( 里志 ) 来 た みたい だ ね
( 奉 太郎 ) そろって る な
( 摩耶 花 ) 話 って なに よ
( 奉 太郎 ) 昨日 の 件 で 補足 する こと が ある
これ で 決着 に なる と 思う
は あ ? あんた ねえ
折 木 さん 私 この 件 に つい て は ―
まだ 知ら なけ れ ば なら ない こと が ある よう です
大丈夫 大抵 の こと は 今日 補足 できる はず だ
はい
どういう こと ? 折 木 補足 って 何 よ
補足 は 補足 だ
不完全 だった もの を 完全 に 近づける ため の 後 付け 作業 だ
( 里志 ) 不完全 ?
奉 太郎 の 説 が 間違って た って こと かい ?
分から ん 方向 が 間違って い た の か 踏み込み が 足り なかった の か
分 から ん って …
なのに 私 たち を 呼び出し た の ?
( 摩耶 花 ) 信じ らん ない … N ( 奉 太郎 ) まあ 聞け
もっと 「 氷 菓 」 を 大事 に する べき だった
関谷 純 の 物語 は 英雄 譚 ( たん ) なんか じゃ なかった と ―
はっきり 序文 に 書 い て ある
それ は 昨日 話し て 除外 し た じゃ ない か
あくまで 書き 手 の 心象 だ から って
ああ だ が ミスリード の 可能 性 も ある
( 里志 ) そんな こと 言って たら … N ( 奉 太郎 ) それ から
( 奉 太郎 ) この “ 争い も 犠牲 も ”
“ 先輩 の あの 微笑み さえ も ” の くだり
この “ 犠牲 ” は “ ギセイ ” で いい の か ?
“ イケニエ ” と も 読める よ な
“ イケニエ ” は 違う 字 でしょ ? 生きる って 字 で 始まる
いえ 犠牲 と 書 い て も “ イケニエ ” と 読め ます
本来 両者 は 同じ もの です
さすが は 成績 上 位 者 話 が 早い
読み 方 に 別 解 が ある の は 分かった よ
でも 本当 は どう 読む の が 正解 か なんて ―
それ こそ 書 い た 本人 じゃ ない と 分かる はず も ない だ ろ ?
( 奉 太郎 ) そう と も 本人 に 聞け ば いい
本人 ?
( 奉 太郎 ) 序文 を 書 い た 本人 さ 郡山 養子 ( こおり やま よう こ )
45 年 前 に 高校 1 年生 で 現在 は 60 か 61
探し た ん です か ? その 人 を ?
探す まで も ない すぐ そば に いる
そう だ な ? 図書 委員
あっ そう な の ?
( 奉 太郎 ) そう ( 里志 ) そう って ?
( える ) 何 が そう な ん です か ?
うち の 司書 の 糸魚川 ( いとい がわ ) 先生 ね
糸魚川 養子 先生
旧姓 が 郡山 な の ね
( 奉 太郎 ) そうだ
あの 養う って 字 の ヨウコ は なかなか ない だ ろ
まし て 糸魚川 先生 は 年 の 頃 も 完全 に 適合 する
加え て 俺 たち が 古典 部 と 知った とき の ―
あの 反応 だ
やっぱり 折 木 って 変 だ よ
ずっと 先生 の 近く に い た 私 でも 言わ れる まで 気付か なかった わ
本当 に ち ー ちゃん に 頭 の 中 の ぞい て もらえ ば ?
前 に も 言った が ひらめき ばかり は 運 が 絡む から な
それ で 千 反 田 に 解剖 さ れ て は たまら ん
じゃ … じゃあ 糸魚川 先生 に お 話 を 伺え ば
45 年 前 の こと は 分かる
なんで あれ が 英雄 譚 じゃ なかった の か
なんで あんな 表紙 な の か
なんで 「 氷 菓 」 なんて 奇妙 な タイトル な の か
そして お前 の 伯父 の こと も
でも 本当 に 糸魚川 先生 が そう だって 証拠 は ある の かい ?
抜かり は ない 実は もう 確認 を 取った
( 摩耶 花 ) 本人 に ? ( 奉 太郎 ) ああ
( 奉 太郎 ) 2 年生 の ころ は 部長 を 務め て い た と さ
話 を 聞く アポ も 取って ある
さあ そろそろ 時間 だ 図書 室 へ 行 こ う
( 摩耶 花 ) やけに 張り切って る じゃ ない
まあ な
糸魚川 先生 あっ
( 糸魚川 養子 ) ああ 古典 部 ね
ごめんなさい 少し 仕事 が 残って る の
話 は ここ でも いい かしら ?
私 手伝い ます
( 糸魚川 ) ありがとう 伊原 さん
何 か 私 に 聞き たい こと が ある そう ね
はい その 前 に ―
もう 一 度 こいつ ら の 前 で 確認 し たい ん です が
糸魚川 先生 の 旧姓 は 郡山 です ね ?
ええ
( 奉 太郎 ) じゃあ これ を 書 い た の は 先生 です ね ?
ええ そう よ
でも 驚 い た わ まだ そんな もの が 残って た の ね
何 を 聞き たい か は 大体 分かった わ
あなた たち
45 年 前 の あの 運動 の こと を 知り たい の ね
( 奉 太郎 ) ビンゴ だ やはり この 人 は 知って いる
( 糸魚川 ) でも どうして 今さら あんな 昔 の こと を ?
もう 忘れ られ た こと だ と 思って い た わ
( 奉 太郎 ) ええ
この 千 反 田 が 妙 な こと を 気 に する 好奇心 の 猛獣 で なけ れ ば ―
俺 たち も 気付か なかった でしょ う
好奇心 の 猛獣 ?
( 奉 太郎 ) すいません 亡者 で し た
( える ) そ … そんな 亡者 だ なんて …
あなた は どうして あの 運動 に 興味 を 持った の かしら ?
関谷 純 が 私 の 伯父 だ から です
( 糸魚川 ) あら そう な の
関谷 純 さん 懐かしい 名前 ね お 元気 な の かしら ?
( える ) 分かり ませ ん インド で 行方 不明 に なり まし た
ああ そう …
いつか もう 一 度 お 会い し たい と 思って い た のに
私 も もう 一 度 会い たい と 思って い ます
糸魚川 先生 教え て ください 45 年 前 何 が あった ん です か ?
伯父 の 事件 は ―
どうして 英雄 譚 じゃ なかった ん です か ?
どうして 古典 部 の 文集 は 「 氷 菓 」 なん です か ?
折 木 さん の 推測 は どこ まで 正しかった ん です か ?
折 木 君 の 推測 … 何 の こと かしら
( 里志 ) 先生
折 木 は 断片 的 な 資料 を つなぎ合わせ て ―
45 年 前 に 起き た こと を 推測 し た ん です
ちょっと こいつ の 話 を 聞い て やって ください
ええ じゃ その 話 は 司書 室 で 聞き ま しょ う か
( 糸魚川 ) なるほど ね
それ で 彼 の 退学 は 10 月 に ずれ こ ん だ と 考え た の ね
( 奉 太郎 ) はい 俺 の 推測 は 以上 です
この 資料 だけ で 今 の 話 を 組み立て た って いう の ?
こいつ ら の 推論 を まとめ た だけ です
( 糸魚川 ) あきれ た もの ね
( 奉 太郎 ) 見当違い です か ?
( 糸魚川 ) いえ 見 て き た よう だ わ
折 木 君 の 話 した こと は ほとんど 事実 よ
この上 何 を 私 に 聞く こと が ある の かしら
さあ …
でも 奉 太郎 が ―
なんだか 不十分 な ところ が ある って 言う ん です けど
俺 が 聞き たい の は 一 つ です
関谷 純 は ―
望 ん で 全 生徒 の 盾 に なった ん です か ?
全 生徒 の 代表 と して 英雄 らしく 胸 を 張り ―
バラ 色 の 高校 生活 に 殉 じ て 学校 を 去った ん です か ?
本当 に 見透かさ れ て いる よう ね
ええ ずいぶん 昔 の 話 だ けど 今 でも よく 覚え て いる わ
その ころ 神山 高校 の 文化 祭 って いえ ば ―
みんな の 生きる 目標 み たい な もの だった
当時 日本 中 に うねって い た エネルギー が ―
神 高 で は 文化 祭 で 形 に なって た って いう ところ かしら
でも 私 が 入学 し た 年 は ―
運動 が 行きすぎ て ほとんど 暴動 み たい に なって い た わ
その 年 当時 の 校長 先生 が ハッパ を かけ た らしい の
“ 寒村 の 寺子屋 に 甘んじ て は いけない ” って
それ を みんな は 文化 祭 潰し だ と 思った の ね
文化 祭 の 日程 を ―
これ まで の 5 日 間 から 2 日 に する って 一方的 に 通達 さ れ て
それ が 引き金 に なって 大騒ぎ に 発展 し た
学校 中 が ピリピリ し て い た わ
張り紙 や 演説 会
そして ―
学生 側 の 統一 意志 を 表明 しよ う って ところ まで 運動 は 進 ん だ わ
真剣 だった ん です ね
まっ 今 の 僕たち じゃ 想像 もつ か ない 世界 だ よ ね
そんな 立派 な 話 じゃ ない わ
要 は 自分 たち の おもちゃ を 取り上げ られ て ―
だ だ を こね て た よう な もの だ から
( 摩耶 花 ) そんな
( 糸魚川 ) まあ … N 今 だ から 言え る こと でしょ う けど ね
それ で 文化 祭 縮小 へ の 反対 運動 が 組織 さ れ た ん だ けど ―
リーダー に は 誰 も 立候補 し なかった
処罰 が 怖かった の ね 情けない 話 だ けど
そこ で 貧乏 くじ を 引か さ れ た の が ―
千 反 田 さん の 伯父さん 関谷 純 さん よ
実際 の 運営 は 別 の 人 が やって た ん だ けど ―
その 人 は 表 に 名前 を 出さ なかった
結局 文化 祭 の 縮小 計画 は 潰れる ん だ けど
熱 に 浮かされ て 激しく 盛り上がった 反対 運動 で ―
私 たち は やり すぎ た
運動 の 中 で 学生 は 授業 の ボイコット を うって い て
それ が 一 番 盛り上がった とき
私 たち は キャンプ ファイア で 気勢 を あげ た わ
事件 は そんな 夜 だった
格 技 場 で 火事 が 起き た の
建物 は 放水 で 半壊 し て しまった
あれ だけ は 学生 側 も 正当 化 でき なかった
学校 は 警察 に は 介入 さ せ なかった けど ―
あと で この 件 を 問題 に し た とき
反論 できる 生徒 は 一 人 も い なかった
結果 的 に 学校 側 が 見せしめ と して 退学 処分 に し た の が ―
運動 の 名目 上 の リーダー 関谷 さん だった
私 たち 学生 は 何も せ ず に ただ それ を 見て い た
それなのに 関谷 さん は 最後 まで 穏やか だった わ
関谷 さん が ―
自ら 進 ん で 学生 の 盾 に なった の か って 聞い た わ ね
もう 答え は 分かった でしょ ?
それ から 何 年 かたって なし崩し に 文化 祭 は 縮小 さ れ た わ
今 で は 3 日間 ね
話 は これ で 終わり よ
ほか に は ? 何 か 聞き たい こと は ある かしら ?
それ じゃあ あの 文集 の 表紙 は その とき の こと を 絵 に し た ん です ね
犬 は 学校 側 ウサギ は 生徒
犬 を 道連れ に し た ウサギ が 関谷 純
神 高 の 施設 の 中 で ―
格 技 場 だけ が 飛び抜け て 古い の は ―
その とき 再建 さ れ たから です か ?
そう よ
20 年 前 に 校舎 の 建て替え が あった とき ―
格 技 場 は まだ 古く なかった から そのまま に さ れ た の
あの 先生
先生 は カンヤ 祭って 言葉 を 使わ ない ん です ね
ひょっとして カンヤ 祭 の カンヤ って 字 は ―
神山 じゃ なく て 関谷 って 書く ん じゃ ない です か ?
福 ちゃん どういう こと ?
カンヤ 祭 の 由来 さ 英雄 を たたえ て セキ タニ 祭
その 読み を 変え て カンヤ 祭
ああ …
でも その 呼び 方 は 欺まん だ よ
関谷 純 は 望 ん で 英雄 に なった ん じゃ なかった
それ を 知って れ ば ―
カンヤ 祭 なんて 呼び 方 は 使わ ない よ ね
そう なん です か ?
( 糸魚川 ) ええ その 呼び名 は 古典 部 で は 禁句 に し た の
先生 伯父 が なぜ ―
古典 部 の 文集 を 「 氷 菓 」 と 名付け た の か
先生 は ご存じ です か ?
いいえ
その 名前 は 退学 を 予感 し た 関谷 さん が ―
珍しく 無理 を 通し て 決め た 名前 な の よ
自分 に は これ くらい しか でき ない って 言って ね
でも ごめんなさい ね 意味 は よく 分から ない の
分から ない ?
( 里志 ) うん ?
( 奉 太郎 ) 本当 に 分かって ない の か ? 誰 も 受け取れ なかった と いう の か ?
あの くだらない メッセージ を
折 木 どう し た の よ
分から ない の か ? 今 の 話 で ハッキリ し た だ ろ
「 氷 菓 」 って の は くだらない ダジャレ だ
ダジャレ ?
関谷 純 は 俺 たち み たい な 古典 部 の 末 裔 ( まつ えい ) に まで ―
自分 の 思い が 伝わる よう に し た ん だ
文集 の 名前 なんて もの に 込め て な
どういう こと です ?
折 木 さん は 「 氷 菓 」 の 意味 が 分かった ん です か ?
本当 に 分かった の ?
( 里志 ) 教え て よ 奉 太郎
奉 太郎 ?
氷 菓 を 英語 に し たら どう なる
アイスクリーム … です か ?
アイスクリーム … N それ が メッセージ な の ?
( 奉 太郎 ) だ から ダジャレ だ と 言った ろ
あっ
あっ ああ …
あの … みなさん ?
えっ と …
関谷 純 が 残し た 本当 の 言葉 は これ だ
( 奉 太郎 ) ああ …
思い … 出し まし た
私 は 伯父 に ―
「 氷 菓 」 と は 何 の こと か と 聞い た ん です
その とき 伯父 は 私 に …
そう です 強く なれ と 言った ん です
もし 私 が 弱かったら 悲鳴 も …
そう
悲鳴 も 上げ られ なく なる 日 が くる って
そう なったら 私 は 生き た まま …
( 獣 の 吠える 声 )
( える ) あっ ああ …
私 は 生き た まま 死ぬ の が 怖く て 泣 い た ん です
よかった 思い出せ まし た
これ で ちゃんと 伯父 を 送れ ます
折 木 さん の おかげ です
あっ
ありがとう ござい ます 折 木 さん
いや まあ … たまたま だ
はい “ たまたま ” です ね
( 奉 太郎 ) アイ スクリーム
私 は 叫ぶ か …
( 摩耶 花 ) … で 文集 の 台 割り と スケジュール を ―
ざ っく り 作って み た ん だ けど
台 割り って こう 書く ん です ね すごい です 摩耶 花 さん
そ … そう ?
でも どこ で こんな こと 覚え た ん です か ?
アハハ それ は まあ いい じゃ ん
なあ
この “ 優しき 英雄 事件 ”
“ 45 年 前 の 隠さ れ た 真相 ” と か いう 特集 記事 な ん だ が
何 ?
なぜ 俺 が 執筆 担当 な ん だ ?
折 木 が 解 い た 謎 な ん だ から 折 木 が 書く の が 筋 でしょ う ?
一 番 ページ 数 が 多い
( 里志 ) そりゃ そう だ よ な に しろ 目玉 記事 な ん だ から ね
う う …
大丈夫 です か ? 折 木 さん 大変 そう なら 私 が 書 い て み ます けど
お っ それ は …
( 摩耶 花 ) ダメ よ ち ー ちゃん
こういう とき ぐらい しか こいつ の 使い道 なんて ない ん だ から
アハハ そう そう こき使って あげ ない と ね
( 奉 太郎 ) フン
文句 言って ない で 折 木 も ちゃんと ―
構成 考え とい て よ ね
それ より 福 ちゃん の 担当 する コラム だ けど …
( える ) でも 意外 で し た
( 奉 太郎 ) 何 が
( える ) 文集 の 記事 です 結局 引き受け て くれ まし た よ ね
引き受け た と いう より 逃げ 切れ なかった だけ だ
( 奉 太郎 ) まっ 関谷 純 へ の 手 向け くらい に は なる か
( 奉 太郎 ) それ より 意外 と いえ ば
( える ) はい ?
前 里志 と 伊原 に も ―
協力 を 求め たら どう か と 言った だ ろ う ?
最初 は 渋って た のに どうして 急に その 気 に なった ん だ ?
ああ それ は …
あの とき 折 木 さん は 言い まし た よ ね
伯父 の 謎 が 解け なく て も いつか は 時効 に なって いく の かも と
確かに 10 年 後 の 私 は 気 に し ない の かも しれ ませ ん
でも 今 感じ た 私 の 気持ち
それ が 将来 どうでも よく なって る かも なんて
今 は 思い たく ない ん です
私 が 生き てる の は 今 な ん です
だから …
すみません まだ よく 分から ない ん です
いい さ
俺 も 同じ だ し
( える ) は あ
まあ とにかく お 疲れ
はい で は
( 奉 太郎 ) “ 折 木 供 恵 殿 聞き たい こと が あって 手紙 を 送る ”
“ 姉 貴 は 古典 部 の こと を どこ まで 知って い た の か ”
“ 姉 貴 なら 俺 の スタイル を 知って いる だ ろ う ? ”
“ そう 省エネ だ ”
“ 古典 部 に 入ら なけ れ ば ― ”
“ この スタイル を ― ”
“ 見つめ 直す こと さえ し なかった ”
“ あっ いや あくまで 相対 的 な 話 だ が ”
しかし これ で は まるで 姉 貴 は …
( 奉 太郎 ) うん まさか ね
( 奉 太郎 ) 次回 「 大 罪 を 犯す 」