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ブギーポップは笑わない, Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 18

Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 18

( 羽原 ( は ばら ) ) く そ っ これ じゃ 話 に なら ねえ

( 羽原 ) 一体 どう なって ん だ ?

( ロック 音楽 ) ( 羽原 ) え ?

( 寺 月 ( てら つき ) ) 分から ない の か ね ?

そんな バカ な

( 寺 月 ) 簡単 な こと だ よ

実に 簡単 だ

この 映像 は きっかけ の 説明 で しか ない

ただ それ だけ の こと だ よ

( 羽原 ) じゃ じゃあ 歪曲 王 ( わ い きょく おう ) って の は この 現象 は 結局 …

( 寺 月 ) 合作 と いう こと に なる な ( 羽原 ) あっ …

( 寺 月 ) その 男 と 私 の な

いや あ ここ まで の 舞台 を 作り上げ て くれ た こと に は ―

感嘆 の 念 を 禁じ 得 ない が ね

( 羽原 ) ん っ

あっ …

( 田中 ( た なか ) ) 残念 だ が ―

まだ ムーン テンプル を 開け させる わけ に は いか ない

志郎 ( しろう ) …

お前 その 目 …

そう 僕 が 歪曲 王 の 本体 だ

( 敬 ( けい ) の 荒い 息 )

( 早乙女 ( さおとめ ) ) ほう 分かった と いう の です か ? 委員 長

( 敬 ) ええ

あなた が あの 場所 に 現れ た 時点 で 気づく べき だった

( 早乙女 ) 何 か 言い まし た か ねえ ? 早乙女 正美 ( まさみ ) は

私 も すっかり 忘れ て た

でも そう あなた の 流儀 で 言う なら ―

私 は それ を なかった こと に しよ う と ―

別 の 人格 に 押し込め て 忘れよ う と し て い た の かも しれ ない

( 早乙女 ) なるほど

さすが です ね

いくら 好意 を 抱 い て も 必ずしも 相手 が ―

その 気持ち を 肯定 的 に 捉え て くれる と は 限ら ない

そんな こと 知り たく も なかった

でも それ は 事実 な の

( 早乙女 ) それ は 自分 の こと を 言って いる ん です か ?

あなた が 竹田 ( たけ だ ) 啓司 ( けいじ ) の こと を 好き だ と いう ―

その 気持ち の こと を

( 敬 ) 分から ない わ まだ 苦しい もの

( 早乙女 ) ハハハ … 正直 です ね

( 敬 ) かも ね

委員 長 だ し

でも …

でも もう 逃げ たく ない

( ブギー ポップ ) さあ 僕 は 知ら ない けど ―

きっと 君 と 同じ 感じ な ん じゃ ない か な

( 敬 ) そう 恥じる 必要 なんか ない

お 見事 です よ

新 刻 ( に い とき ) 敬

大した もの だ あなた は

( ブギー ポップ ) 新 刻 敬 また 君 か

何 し に 来た ん だい ?

何 か 考え が あって 上って き た ん だ ろ う ね

まあ ない か 君 の こと だ から

( 足音 )

( 敬 ) えっ ? た 田中 君 ?

ちょ ちょっと 本物 よ ね ?

まさか また 幻覚 と か じゃ ない ん でしょ う ね ?

( ブギー ポップ ) なるほど それ で 僕 の こと を 知って い た わけ か

( 敬 ) ん ?

この 前 は 一緒に 戦った から 知って い て 当然 だ な

なあ 歪曲 王

あっ … 何 を 言って いる の ?

( 田中 ) 僕 は 誰 も 傷つける 気 は ない

これ は あくまで も 実験 な ん だ

どう すれ ば 人 の 心 の ゆがみ を 癒 やす こと が できる の か

皆 の 心 に は ―

ムダ な ゆがみ が あまり に も 大きく 残り すぎ て いる

僕 は それ を 指さし て 見せ た だけ だ

( ブギー ポップ ) なるほど

それ が 君 の 能力 か

人間 の 隠さ れ た ゆがみ を 指摘 し 引っ張り出す 能力

人 の 精神 と 共振 し て その 中 の 一部 を 拡大 さ せる 能力 …

と いった ところ か

生まれ た ばかり に し て は やる じゃ ない か

あっ …

そう だ ろ う ? 歪曲 王

君 が 出 て き た の は ごく 最近

恐らく ―

今朝 この ムーン テンプル に 来 た その とき だった ん じゃ ない か ?

その 未熟 さ ゆえ に 能力 を うまく 扱い き れ ず ―

ゾーラギ の 出現 など を 招 い て しまったり し た ん だ ろ う ?

なぜ 君 が 生まれ た ん だ ?

君 自身 は それ を 自覚 し て いる の かい ?

ああ 分かって いる

田中 志郎 に は 根深い 罪悪 感 が つきまとって い た

彼女 が 何 を 考え て い た の か 全然 分から ない … と いう ね

彼女 …

紙 木城 ( かみ きしろ ) 直子 ( なお こ ) か ?

あっ …

( 田中 ) 彼女 の 気持ち に 応え て あげ なけ れ ば なら なかった の で は ない か ―

と いう 思い が 形 に なって この 能力 が 作ら れ た よう だ

( ブギー ポップ ) なるほど ね

( 田中 ) だ から 未熟 でも 何でも ―

彼女 の ため に 僕 は ここ で 引く こと は でき ない ん だ

たとえ どんな に 道 が 長く と も … ね

( ブギー ポップ ) ご 立派 だ ね まったく

( 田中 ) どう する ? ブギー ポップ

やはり 僕 と 戦う の か ?

( 敬 ) ちょ ちょっと 待って よ 2 人 と も !

先輩 なら 分かる はず です

( 敬 ) えっ ?

ゆがみ を くぐり抜け た あなた なら 分かる はず だ

( 敬 ) だ と し たら 田中 君 自身 の 苦しみ は どう なる の ?

だって そう でしょ う ?

直子 さん が 死 ん で しまって ―

田中 君 は 罪悪 感 を 覚える ほど 苦し ん だ ん でしょ う ?

その 苦しみ は どう なっちゃ う の ?

それ は …

( 敬 ) “ 全て の 苦し み を 黄金 ( きん ) に 変え なきゃ なら ない ”

そう 言った の は あなた よ !

( ブギー ポップ ) かつて 1 人 の 少年 が い た

その 少年 は 別に それ 自体 で は 悪く も 何とも ない 人間 だった

だが 彼 は 実は 世界 の 敵 だった

彼 は 運命 の いたずら で 人 喰 ( ひと ぐ ) い と 出会い

自分 の 中 に 生きる こと に 対する 根深い 憎悪 が ある こと を ―

知って しまった

そして 彼 自身 が 人 を 喰 ( く ) う も のに なって しまった

そして 1 人 の 少女 が い た

彼女 は 人 の 死 を 見る こと が でき た

それ 自体 で は 何でもない 能力 だった が ―

彼女 は 死 を 絶対 的 な もの だ と 捉え

人 から 死 を 取り出し て 集め れ ば ―

何 か 巨大 な もの が 作 れる はず だ と いう 考え に ―

取りつか れ た

それ が 人 と いう 限界 を 突破 する こと だ と 思い込 ん だ 少女 は ―

世界 の 敵 に なった

( 田中 ) 何 の 話 を し て いる ?

( ブギー ポップ ) どちら も 僕 の 敵 に なって しまった 者 の 話 だ

彼ら に は 残念 ながら それ 以外 の 道 も 未来 も なかった

それ が 彼ら に とって 幸 か 不幸 か は 定か で ない

あるいは 彼ら は そんな こと は どう でも よく て

僕 と 同じ ように ―

ある 種 の 可能 性 が 形 に なって この 世界 に 現れ た だけ の ―

主体 の ない 存在 な の かも しれ ない

だが …

だが 君 は どう な ん だ ろ う ね

どう いう 意味 だ ?

( ブギー ポップ ) 君 は さっき “ どんな に 道 が 長く と も ” と 言った

つまり この 先 何 が あ ろ う と も 対応 しよ う と いう ―

柔軟 性 が ある と いう こと だ

ハッ

あっ …

あっ ああ …

( 田中 ) 僕 が まだ 迷って いる と でも 思って いる の か ?

( ブギー ポップ ) 無論 迷わ ぬ 存在 も ある

それ は この 世界 に 絶望 し て いる 者 だ

だ と し たら 僕 は それ 以上 進ま ぬ よう

道 を 遮断 する 以外 ない

くっ …

( ブギー ポップ ) … が 君 は そう で は ない

ここ で 受け た 傷 は 現実 に も 影響 が 出る ぞ

( ブギー ポップ ) 知って る よ それ は 君 も 同じ だ

恐らく 君 は 今 …

少し 意地 に なって いる だけ じゃ ない か ?

今 ここ で その 実験 と やら を やめ て も ―

実は あまり 未練 は ない ん じゃ ない の か ?

そんな こと は ! くっ …

( ブギー ポップ ) そもそも 君 は 僕 の こと を 敵視 し て いる よう だ が ―

どう し て 敵 だ と 思う ん だ ?

“ 敵 じゃ ない ” と でも 言い たい の か ?

もっと 正確 に 言 お う

君 は なぜ 自分 の こと を 悪 だ と 思う ん だ ?

君 が やって いる こと は 悪い こと な の か ?

君 自身 “ 誰 も 傷つけ て い ない ” と 言って い た

この ビル に 人 を 閉じ込め た の は 君 か ?

違う だ ろ う ?

なのに なぜ 周囲 に 敵 が 存在 する と 思い込む ん だ ?

そんなに つらかった の か ?

田中 志郎 は そんなに も 自分 は 悪い ヤツ だ と ―

自分 を 責め て い た の か ?

新 刻 先輩

先輩 は どう 思い ます か ?

えっ ?

( 田中 ) 彼女 は 何 を 考え て い た と 思い ます ?

それ は 分から ない

でも 彼女 は いつも 楽し そう に 言って た

“ 敬 私 さ 好き な 人 が いる の ” って

私 は そんな ふう に 言 える の が 少し 羨ま しかった

ねえ 田中 君 あなた 直子 さん の こと が 好き だった の ?

あっ …

( 敬 ) 恋 を し て い た の ?

今 の 私 なら 分かる

きっと 田中 君 は そこ まで いって なかった って

直子 さん は 田中 君 の こと を 本当 に 好き だった けど

田中 君 自身 は 自分 の 気持ち が 最後 まで 分から なかった

それ で そのまま 直子 さん が い なく なって しまって

どう し て いい か 分から なく て

罪悪 感 から 歪曲 王 を 作って …

でも つまり それ って …

( ブギー ポップ ) そう それ が 君 自身 の ゆがみ だ

くっ …

どうやら 君 が 倒す べき 相手 は 僕 で は ない よう だ な

でも 田中 君 !

直子 さん なら きっと 笑って こう 言う と 思う

“ 人 の こと を 気 に する 前 に 自分 の こと を なんとか し な よ ” って

田中 君 !

( 落ちる 音 )

( 敬 ) 田中 君 ?

ブギー ?

( 田中 ) 先輩 …

あの コード を …

( 敬 ) 田中 君 あなた な の ?

先輩 あそこ に ある キーボード に 解除 コード を …

あっ …

( 操作 音 )

( 敬 ) やっぱり これ な ん でしょ ? ブギー

♪ 「 ニュルンベルク の マイスター ジンガー 」

♪ 「 ニュルンベルク の マイスター ジンガー 」

( 静香 ( しずか ) ) あら ? これ クラシック ?

( 寺 月 ) ああ 終幕 に は 似つかわしく ない 曲 だ が ―

まあ しかたがない

( 静香 ) 終幕 って … 終わる の ?

ああ お 別れ だ

ゆがみ は ゆがみ らしく ―

元 の 場所 に 戻る こと に なった よ

( 静香 ) そう … な の 残念 だ わ

すごく 楽しかった から

それ は 何より だ よ

本当 よ

いろいろ な 胸 の つかえ が 取れ た よう な 気 が する

本物 と 話し て も こう は いか なかった わ きっと

( 寺 月 ) フン

( 静香 ) あなた の こと は 忘れ ない

いや 君 は 忘れる よ

ゆがみ が 解消 さ れ た あと で は それ が 何 だった の か ―

人 は 覚え て い ない もの な の さ

そう よく 分から ない けど

それ で いい

君 たち 親子 は くぐり抜け た ん だ

でも あなた は それ で 寂しく ない の ?

覚え て い て もら え ない なんて

あっ … あ …

本体 たち の 道 は 長い

寂しい と か 思って いる 余裕 は ない ん だ よ

( 静香 ) ねえ あなた は どこ に いる の ?

( 寺 月 ) 私 は どこ に でも い て ―

どこ に も い ない 存在

♪ 「 ニュルンベルク の マイスター ジンガー 」

( 静香 ) 真 ( まこと ) 起き なさい 真

( 真 ) ん ん … あれ お 母 さん ?

( 真 ) ブギー ポップ は ! ? ( 竹田 ) あっ

( 真 ) ゾーラギ … ゾーラギ を バシッ と やっつけ ちゃ って

ホント すごかった ん だ よ ブギー ポップ

( 静香 ) そう

や あ

( 咲子 ( さ きこ ) ) 終わった の ?

( ブギー ポップ ) ああ 僕 の 出番 は もう ない よう だ

そう

( ブギー ポップ ) それ じゃ

あっ あの … また 会え る ?

僕 なんか と は 二 度 と 会 お う なんて 思わ ない ほう が いい の さ

( 咲子 ) じゃ じゃ あさ

もし … もしも よ もしも 私 が …

その … あんた の 敵 に なったら ?

( ブギー ポップ ) 君 が 僕 の 敵 に ?

( 咲子 ) ええ もし そう なったら さ …

( 咲子 ) ええ もし そう なったら さ …

( 足音 )

( タケシ ) やっと 見つけ た … 大丈夫 か よ !

( タケシ の 荒い 息 )

( 咲子 ) 何 が よ ?

( タケシ ) は あ ? 何 が って お前 …

こんな 事件 が 起き てん だ ぞ

しかも 怒って い なく なった 直後 だ し …

( タケシ ) 俺 は 必死 で … ( 咲子 ) あっ

( ブギー ポップ ) その とき は 僕 も 君 に ―

容赦 し ない と 約束 しよ う

( 竹田 ) せっかく の デート だって の に 何 を やって る ん だ あいつ は

新 刻 なんで こんな 所 に ?

( 敬 ) 竹田 先輩

こんな 所 で 何 し てる ん です か ? 先輩

( 竹田 ) ああ いや その …

と いう か それ は こっち の セリフ だ よ

新 刻 こそ 何 してん だ ? こんな 所 で

私 は 気 に なる 人 を 追いかけ て き た だけ です

あっ …

( 敬 ) そ したら こんな こと に 巻き込ま れ ちゃ って

そ そ っか お互い 災難 だった な

( 敬 ) ええ でも おかげ で その 人 に は 会 え まし た けど ね

フフ …

もし かして 先輩 今 自分 の こと だって 思い まし た ?

( 竹田 ) えっ …

( 敬 ) それ って 自 意識 過剰 です よ

そ そう いう わけ じゃ ない けど

( 敬 ) 先輩 の こと じゃ あり ませ ん から

アハハ …

で 先輩 は なんで ここ に ?

( 竹田 ) そ そう だ 新 刻 変 な こと 聞く けど さ

この 曲 を かけ た 人 知ら ない か ?

知って ます けど

( 竹田 ) そい つ 今 どこ に ?

( 敬 ) ここ です ( 竹田 ) えっ …

( 敬 ) かけ た の 私 です けど

は あ ?

( 敬 ) 私 じゃ 変 です か ?

い いや …

先輩 宮下 ( みや した ) さん を 捜し てる ん でしょ ?

( 竹田 ) えっ ああ いや そう な ん だ けど …

やっぱり … 宮下 さん なら さっき 会い まし た よ

ここ の 下 で

あっ でも … ( メール の 着信 音 )

( 竹田 ) あっ …

電波 が 通じ て なかった から 入れ 違った ん じゃ ない です か ?

急 い で 行った ほう が いい と 思い ます よ

そ そう か じゃ 俺 は これ で

( 駆け て いく 足音 )

( 近づ い て くる 足音 )

( 竹田 ) あ あの さ 新 刻

悪かった な

何 が です ?

( 竹田 ) い いや なんか その … 一応 な

言った でしょ

追いかけ た の は 先輩 じゃ あり ませ ん から

あ …

フッ … だった な

( 敬 ) おかげ で 自分 の 気持ち も はっきり と 分かり まし た

どう も それ じゃ 先輩

ああ それ じゃ

さよう なら

( 羽原 ) 結局 これ は ―

“ 大 富豪 寺 月 の 孤独 が 生 ん だ 狂気 の 犯罪 ” と か ―

そんな 感じ で 処理 さ れる ん だ ろ う な

けど なんか なあ

なんか スッキリ し ねえ ん だ よ な

( 田中 ) そう いう もの さ

あっ …

フッ …

そう だ な

( 竹田 ) ブギー ポップ

( 足音 )

( ブギー ポップ ) なんで 僕 と 分かった ?

( 竹田 ) フッ

分かる よ 友達 の 顔 くらい

フッ …

( ブギー ポップ ) 危機 は 去った よ 竹田 君

♪ ~

~ ♪


Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 18 Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 18

( 羽原 ( は ばら ) ) く そ っ これ じゃ 話 に なら ねえ はばら||||||||はなし|||

( 羽原 ) 一体 どう なって ん だ ? はばら|いったい||||

( ロック 音楽 ) ( 羽原 ) え ? ろっく|おんがく|はばら|

( 寺 月 ( てら つき ) ) 分から ない の か ね ? てら|つき|||わから||||

そんな バカ な |ばか|

( 寺 月 ) 簡単 な こと だ よ てら|つき|かんたん||||

実に 簡単 だ じつに|かんたん|

この 映像 は きっかけ の 説明 で しか ない |えいぞう||||せつめい|||

ただ それ だけ の こと だ よ

( 羽原 ) じゃ じゃあ 歪曲 王 ( わ い きょく おう ) って の は この 現象 は 結局 … はばら|||わいきょく|おう|||||||||げんしょう||けっきょく

( 寺 月 ) 合作 と いう こと に なる な ( 羽原 ) あっ … てら|つき|がっさく|||||||はばら|

( 寺 月 ) その 男 と 私 の な てら|つき||おとこ||わたくし||

いや あ ここ まで の 舞台 を 作り上げ て くれ た こと に は ― |||||ぶたい||つくりあげ||||||

感嘆 の 念 を 禁じ 得 ない が ね かんたん||ねん||きんじ|とく|||

( 羽原 ) ん っ はばら||

あっ …

( 田中 ( た なか ) ) 残念 だ が ― たなか|||ざんねん||

まだ ムーン テンプル を 開け させる わけ に は いか ない ||||あけ||||||

志郎 ( しろう ) … しろう|

お前 その 目 … おまえ||め

そう 僕 が 歪曲 王 の 本体 だ |ぼく||わいきょく|おう||ほんたい|

( 敬 ( けい ) の 荒い 息 ) たかし|||あらい|いき

( 早乙女 ( さおとめ ) ) ほう 分かった と いう の です か ? 委員 長 さおとめ|||わかった||||||いいん|ちょう

( 敬 ) ええ たかし|

あなた が あの 場所 に 現れ た 時点 で 気づく べき だった |||ばしょ||あらわれ||じてん||きづく||

( 早乙女 ) 何 か 言い まし た か ねえ ? 早乙女 正美 ( まさみ ) は さおとめ|なん||いい|||||さおとめ|まさみ||

私 も すっかり 忘れ て た わたくし|||わすれ||

でも そう あなた の 流儀 で 言う なら ― ||||りゅうぎ||いう|

私 は それ を なかった こと に しよ う と ― わたくし|||||||||

別 の 人格 に 押し込め て 忘れよ う と し て い た の かも しれ ない べつ||じんかく||おしこめ||わすれよ||||||||||

( 早乙女 ) なるほど さおとめ|

さすが です ね

いくら 好意 を 抱 い て も 必ずしも 相手 が ― |こうい||いだ||||かならずしも|あいて|

その 気持ち を 肯定 的 に 捉え て くれる と は 限ら ない |きもち||こうてい|てき||とらえ|||||かぎら|

そんな こと 知り たく も なかった ||しり|||

でも それ は 事実 な の |||じじつ||

( 早乙女 ) それ は 自分 の こと を 言って いる ん です か ? さおとめ|||じぶん||||いって||||

あなた が 竹田 ( たけ だ ) 啓司 ( けいじ ) の こと を 好き だ と いう ― ||たけた|||けいじ|||||すき|||

その 気持ち の こと を |きもち|||

( 敬 ) 分から ない わ まだ 苦しい もの たかし|わから||||くるしい|

( 早乙女 ) ハハハ … 正直 です ね さおとめ||しょうじき||

( 敬 ) かも ね たかし||

委員 長 だ し いいん|ちょう||

でも …

でも もう 逃げ たく ない ||にげ||

( ブギー ポップ ) さあ 僕 は 知ら ない けど ― |ぽっぷ||ぼく||しら||

きっと 君 と 同じ 感じ な ん じゃ ない か な |きみ||おなじ|かんじ||||||

( 敬 ) そう 恥じる 必要 なんか ない たかし||はじる|ひつよう||

お 見事 です よ |みごと||

新 刻 ( に い とき ) 敬 しん|きざ||||たかし

大した もの だ あなた は たいした||||

( ブギー ポップ ) 新 刻 敬 また 君 か |ぽっぷ|しん|きざ|たかし||きみ|

何 し に 来た ん だい ? なん|||きた||

何 か 考え が あって 上って き た ん だ ろ う ね なん||かんがえ|||のぼって|||||||

まあ ない か 君 の こと だ から |||きみ||||

( 足音 ) あしおと

( 敬 ) えっ ? た 田中 君 ? たかし|||たなか|きみ

ちょ ちょっと 本物 よ ね ? ||ほんもの||

まさか また 幻覚 と か じゃ ない ん でしょ う ね ? ||げんかく||||||||

( ブギー ポップ ) なるほど それ で 僕 の こと を 知って い た わけ か |ぽっぷ||||ぼく||||しって||||

( 敬 ) ん ? たかし|

この 前 は 一緒に 戦った から 知って い て 当然 だ な |ぜん||いっしょに|たたかった||しって|||とうぜん||

なあ 歪曲 王 |わいきょく|おう

あっ … 何 を 言って いる の ? |なん||いって||

( 田中 ) 僕 は 誰 も 傷つける 気 は ない たなか|ぼく||だれ||きずつける|き||

これ は あくまで も 実験 な ん だ ||||じっけん|||

どう すれ ば 人 の 心 の ゆがみ を 癒 やす こと が できる の か |||じん||こころ||||いや||||||

皆 の 心 に は ― みな||こころ||

ムダ な ゆがみ が あまり に も 大きく 残り すぎ て いる むだ|||||||おおきく|のこり|||

僕 は それ を 指さし て 見せ た だけ だ ぼく||||ゆびさし||みせ|||

( ブギー ポップ ) なるほど |ぽっぷ|

それ が 君 の 能力 か ||きみ||のうりょく|

人間 の 隠さ れ た ゆがみ を 指摘 し 引っ張り出す 能力 にんげん||かくさ|||||してき||ひっぱりだす|のうりょく

人 の 精神 と 共振 し て その 中 の 一部 を 拡大 さ せる 能力 … じん||せいしん||きょうしん||||なか||いちぶ||かくだい|||のうりょく

と いった ところ か

生まれ た ばかり に し て は やる じゃ ない か うまれ||||||||||

あっ …

そう だ ろ う ? 歪曲 王 ||||わいきょく|おう

君 が 出 て き た の は ごく 最近 きみ||だ|||||||さいきん

恐らく ― おそらく

今朝 この ムーン テンプル に 来 た その とき だった ん じゃ ない か ? けさ|||||らい||||||||

その 未熟 さ ゆえ に 能力 を うまく 扱い き れ ず ― |みじゅく||||のうりょく|||あつかい|||

ゾーラギ の 出現 など を 招 い て しまったり し た ん だ ろ う ? ||しゅつげん|||まね|||||||||

なぜ 君 が 生まれ た ん だ ? |きみ||うまれ|||

君 自身 は それ を 自覚 し て いる の かい ? きみ|じしん||||じかく|||||

ああ 分かって いる |わかって|

田中 志郎 に は 根深い 罪悪 感 が つきまとって い た たなか|しろう|||ねぶかい|ざいあく|かん||||

彼女 が 何 を 考え て い た の か 全然 分から ない … と いう ね かのじょ||なん||かんがえ||||||ぜんぜん|わから||||

彼女 … かのじょ

紙 木城 ( かみ きしろ ) 直子 ( なお こ ) か ? かみ|きじょう|||なおこ|||

あっ …

( 田中 ) 彼女 の 気持ち に 応え て あげ なけ れ ば なら なかった の で は ない か ― たなか|かのじょ||きもち||こたえ||||||||||||

と いう 思い が 形 に なって この 能力 が 作ら れ た よう だ ||おもい||かた||||のうりょく||つくら||||

( ブギー ポップ ) なるほど ね |ぽっぷ||

( 田中 ) だ から 未熟 でも 何でも ― たなか|||みじゅく||なんでも

彼女 の ため に 僕 は ここ で 引く こと は でき ない ん だ かのじょ||||ぼく||||ひく||||||

たとえ どんな に 道 が 長く と も … ね |||どう||ながく|||

( ブギー ポップ ) ご 立派 だ ね まったく |ぽっぷ||りっぱ|||

( 田中 ) どう する ? ブギー ポップ たなか||||ぽっぷ

やはり 僕 と 戦う の か ? |ぼく||たたかう||

( 敬 ) ちょ ちょっと 待って よ 2 人 と も ! たかし|||まって||じん||

先輩 なら 分かる はず です せんぱい||わかる||

( 敬 ) えっ ? たかし|

ゆがみ を くぐり抜け た あなた なら 分かる はず だ ||くぐりぬけ||||わかる||

( 敬 ) だ と し たら 田中 君 自身 の 苦しみ は どう なる の ? たかし|||||たなか|きみ|じしん||くるしみ||||

だって そう でしょ う ?

直子 さん が 死 ん で しまって ― なおこ|||し|||

田中 君 は 罪悪 感 を 覚える ほど 苦し ん だ ん でしょ う ? たなか|きみ||ざいあく|かん||おぼえる||にがし|||||

その 苦しみ は どう なっちゃ う の ? |くるしみ|||||

それ は …

( 敬 ) “ 全て の 苦し み を 黄金 ( きん ) に 変え なきゃ なら ない ” たかし|すべて||にがし|||おうごん|||かえ|||

そう 言った の は あなた よ ! |いった||||

( ブギー ポップ ) かつて 1 人 の 少年 が い た |ぽっぷ||じん||しょうねん|||

その 少年 は 別に それ 自体 で は 悪く も 何とも ない 人間 だった |しょうねん||べつに||じたい|||わるく||なんとも||にんげん|

だが 彼 は 実は 世界 の 敵 だった |かれ||じつは|せかい||てき|

彼 は 運命 の いたずら で 人 喰 ( ひと ぐ ) い と 出会い かれ||うんめい||||じん|しょく|||||であい

自分 の 中 に 生きる こと に 対する 根深い 憎悪 が ある こと を ― じぶん||なか||いきる|||たいする|ねぶかい|ぞうお||||

知って しまった しって|

そして 彼 自身 が 人 を 喰 ( く ) う も のに なって しまった |かれ|じしん||じん||しょく||||||

そして 1 人 の 少女 が い た |じん||しょうじょ|||

彼女 は 人 の 死 を 見る こと が でき た かのじょ||じん||し||みる||||

それ 自体 で は 何でもない 能力 だった が ― |じたい|||なんでもない|のうりょく||

彼女 は 死 を 絶対 的 な もの だ と 捉え かのじょ||し||ぜったい|てき|||||とらえ

人 から 死 を 取り出し て 集め れ ば ― じん||し||とりだし||あつめ||

何 か 巨大 な もの が 作 れる はず だ と いう 考え に ― なん||きょだい||||さく||||||かんがえ|

取りつか れ た とりつか||

それ が 人 と いう 限界 を 突破 する こと だ と 思い込 ん だ 少女 は ― ||じん|||げんかい||とっぱ|||||おもいこ|||しょうじょ|

世界 の 敵 に なった せかい||てき||

( 田中 ) 何 の 話 を し て いる ? たなか|なん||はなし||||

( ブギー ポップ ) どちら も 僕 の 敵 に なって しまった 者 の 話 だ |ぽっぷ|||ぼく||てき||||もの||はなし|

彼ら に は 残念 ながら それ 以外 の 道 も 未来 も なかった かれら|||ざんねん|||いがい||どう||みらい||

それ が 彼ら に とって 幸 か 不幸 か は 定か で ない ||かれら|||こう||ふこう|||さだか||

あるいは 彼ら は そんな こと は どう でも よく て |かれら||||||||

僕 と 同じ ように ― ぼく||おなじ|よう に

ある 種 の 可能 性 が 形 に なって この 世界 に 現れ た だけ の ― |しゅ||かのう|せい||かた||||せかい||あらわれ|||

主体 の ない 存在 な の かも しれ ない しゅたい|||そんざい|||||

だが …

だが 君 は どう な ん だ ろ う ね |きみ||||||||

どう いう 意味 だ ? ||いみ|

( ブギー ポップ ) 君 は さっき “ どんな に 道 が 長く と も ” と 言った |ぽっぷ|きみ|||||どう||ながく||||いった

つまり この 先 何 が あ ろ う と も 対応 しよ う と いう ― ||さき|なん|||||||たいおう||||

柔軟 性 が ある と いう こと だ じゅうなん|せい||||||

ハッ

あっ …

あっ ああ …

( 田中 ) 僕 が まだ 迷って いる と でも 思って いる の か ? たなか|ぼく|||まよって||||おもって|||

( ブギー ポップ ) 無論 迷わ ぬ 存在 も ある |ぽっぷ|むろん|まよわ||そんざい||

それ は この 世界 に 絶望 し て いる 者 だ |||せかい||ぜつぼう||||もの|

だ と し たら 僕 は それ 以上 進ま ぬ よう ||||ぼく|||いじょう|すすま||

道 を 遮断 する 以外 ない どう||しゃだん||いがい|

くっ …

( ブギー ポップ ) … が 君 は そう で は ない |ぽっぷ||きみ|||||

ここ で 受け た 傷 は 現実 に も 影響 が 出る ぞ ||うけ||きず||げんじつ|||えいきょう||でる|

( ブギー ポップ ) 知って る よ それ は 君 も 同じ だ |ぽっぷ|しって|||||きみ||おなじ|

恐らく 君 は 今 … おそらく|きみ||いま

少し 意地 に なって いる だけ じゃ ない か ? すこし|いじ|||||||

今 ここ で その 実験 と やら を やめ て も ― いま||||じっけん||||||

実は あまり 未練 は ない ん じゃ ない の か ? じつは||みれん|||||||

そんな こと は ! くっ …

( ブギー ポップ ) そもそも 君 は 僕 の こと を 敵視 し て いる よう だ が ― |ぽっぷ||きみ||ぼく||||てきし||||||

どう し て 敵 だ と 思う ん だ ? |||てき|||おもう||

“ 敵 じゃ ない ” と でも 言い たい の か ? てき|||||いい|||

もっと 正確 に 言 お う |せいかく||げん||

君 は なぜ 自分 の こと を 悪 だ と 思う ん だ ? きみ|||じぶん||||あく|||おもう||

君 が やって いる こと は 悪い こと な の か ? きみ||||||わるい||||

君 自身 “ 誰 も 傷つけ て い ない ” と 言って い た きみ|じしん|だれ||きずつけ|||||いって||

この ビル に 人 を 閉じ込め た の は 君 か ? |びる||じん||とじこめ||||きみ|

違う だ ろ う ? ちがう|||

なのに なぜ 周囲 に 敵 が 存在 する と 思い込む ん だ ? ||しゅうい||てき||そんざい|||おもいこむ||

そんなに つらかった の か ?

田中 志郎 は そんなに も 自分 は 悪い ヤツ だ と ― たなか|しろう||||じぶん||わるい|やつ||

自分 を 責め て い た の か ? じぶん||せめ|||||

新 刻 先輩 しん|きざ|せんぱい

先輩 は どう 思い ます か ? せんぱい|||おもい||

えっ ?

( 田中 ) 彼女 は 何 を 考え て い た と 思い ます ? たなか|かのじょ||なん||かんがえ|||||おもい|

それ は 分から ない ||わから|

でも 彼女 は いつも 楽し そう に 言って た |かのじょ|||たのし|||いって|

“ 敬 私 さ 好き な 人 が いる の ” って たかし|わたくし||すき||じん||||

私 は そんな ふう に 言 える の が 少し 羨ま しかった わたくし|||||げん||||すこし|うらやま|

ねえ 田中 君 あなた 直子 さん の こと が 好き だった の ? |たなか|きみ||なおこ|||||すき||

あっ …

( 敬 ) 恋 を し て い た の ? たかし|こい||||||

今 の 私 なら 分かる いま||わたくし||わかる

きっと 田中 君 は そこ まで いって なかった って |たなか|きみ||||||

直子 さん は 田中 君 の こと を 本当 に 好き だった けど なおこ|||たなか|きみ||||ほんとう||すき||

田中 君 自身 は 自分 の 気持ち が 最後 まで 分から なかった たなか|きみ|じしん||じぶん||きもち||さいご||わから|

それ で そのまま 直子 さん が い なく なって しまって |||なおこ||||||

どう し て いい か 分から なく て |||||わから||

罪悪 感 から 歪曲 王 を 作って … ざいあく|かん||わいきょく|おう||つくって

でも つまり それ って …

( ブギー ポップ ) そう それ が 君 自身 の ゆがみ だ |ぽっぷ||||きみ|じしん|||

くっ …

どうやら 君 が 倒す べき 相手 は 僕 で は ない よう だ な |きみ||たおす||あいて||ぼく||||||

でも 田中 君 ! |たなか|きみ

直子 さん なら きっと 笑って こう 言う と 思う なおこ||||わらって||いう||おもう

“ 人 の こと を 気 に する 前 に 自分 の こと を なんとか し な よ ” って じん||||き|||ぜん||じぶん||||||||

田中 君 ! たなか|きみ

( 落ちる 音 ) おちる|おと

( 敬 ) 田中 君 ? たかし|たなか|きみ

ブギー ?

( 田中 ) 先輩 … たなか|せんぱい

あの コード を … |こーど|

( 敬 ) 田中 君 あなた な の ? たかし|たなか|きみ|||

先輩 あそこ に ある キーボード に 解除 コード を … せんぱい||||||かいじょ|こーど|

あっ …

( 操作 音 ) そうさ|おと

( 敬 ) やっぱり これ な ん でしょ ? ブギー たかし||||||

♪ 「 ニュルンベルク の マイスター ジンガー 」

♪ 「 ニュルンベルク の マイスター ジンガー 」

( 静香 ( しずか ) ) あら ? これ クラシック ? しずか||||くらしっく

( 寺 月 ) ああ 終幕 に は 似つかわしく ない 曲 だ が ― てら|つき||しゅうまく|||につかわしく||きょく||

まあ しかたがない |しかたが ない

( 静香 ) 終幕 って … 終わる の ? しずか|しゅうまく||おわる|

ああ お 別れ だ ||わかれ|

ゆがみ は ゆがみ らしく ―

元 の 場所 に 戻る こと に なった よ もと||ばしょ||もどる||||

( 静香 ) そう … な の 残念 だ わ しずか||||ざんねん||

すごく 楽しかった から |たのしかった|

それ は 何より だ よ ||なにより||

本当 よ ほんとう|

いろいろ な 胸 の つかえ が 取れ た よう な 気 が する ||むね||||とれ||||き||

本物 と 話し て も こう は いか なかった わ きっと ほんもの||はなし||||||||

( 寺 月 ) フン てら|つき|ふん

( 静香 ) あなた の こと は 忘れ ない しずか|||||わすれ|

いや 君 は 忘れる よ |きみ||わすれる|

ゆがみ が 解消 さ れ た あと で は それ が 何 だった の か ― ||かいしょう|||||||||なん|||

人 は 覚え て い ない もの な の さ じん||おぼえ|||||||

そう よく 分から ない けど ||わから||

それ で いい

君 たち 親子 は くぐり抜け た ん だ きみ||おやこ||くぐりぬけ|||

でも あなた は それ で 寂しく ない の ? |||||さびしく||

覚え て い て もら え ない なんて おぼえ|||||||

あっ … あ …

本体 たち の 道 は 長い ほんたい|||どう||ながい

寂しい と か 思って いる 余裕 は ない ん だ よ さびしい|||おもって||よゆう|||||

( 静香 ) ねえ あなた は どこ に いる の ? しずか|||||||

( 寺 月 ) 私 は どこ に でも い て ― てら|つき|わたくし||||||

どこ に も い ない 存在 |||||そんざい

♪ 「 ニュルンベルク の マイスター ジンガー 」

( 静香 ) 真 ( まこと ) 起き なさい 真 しずか|まこと||おき||まこと

( 真 ) ん ん … あれ お 母 さん ? まこと|||||はは|

( 真 ) ブギー ポップ は ! ? ( 竹田 ) あっ まこと||ぽっぷ||たけた|

( 真 ) ゾーラギ … ゾーラギ を バシッ と やっつけ ちゃ って まこと||||||||

ホント すごかった ん だ よ ブギー ポップ ほんと||||||ぽっぷ

( 静香 ) そう しずか|

や あ

( 咲子 ( さ きこ ) ) 終わった の ? さきこ|||おわった|

( ブギー ポップ ) ああ 僕 の 出番 は もう ない よう だ |ぽっぷ||ぼく||でばん|||||

そう

( ブギー ポップ ) それ じゃ |ぽっぷ||

あっ あの … また 会え る ? |||あえ|

僕 なんか と は 二 度 と 会 お う なんて 思わ ない ほう が いい の さ ぼく||||ふた|たび||かい||||おもわ||||||

( 咲子 ) じゃ じゃ あさ さきこ|||

もし … もしも よ もしも 私 が … ||||わたくし|

その … あんた の 敵 に なったら ? |||てき||

( ブギー ポップ ) 君 が 僕 の 敵 に ? |ぽっぷ|きみ||ぼく||てき|

( 咲子 ) ええ もし そう なったら さ … さきこ|||||

( 咲子 ) ええ もし そう なったら さ … さきこ|||||

( 足音 ) あしおと

( タケシ ) やっと 見つけ た … 大丈夫 か よ ! ||みつけ||だいじょうぶ||

( タケシ の 荒い 息 ) ||あらい|いき

( 咲子 ) 何 が よ ? さきこ|なん||

( タケシ ) は あ ? 何 が って お前 … |||なん|||おまえ

こんな 事件 が 起き てん だ ぞ |じけん||おき|||

しかも 怒って い なく なった 直後 だ し … |いかって||||ちょくご||

( タケシ ) 俺 は 必死 で … ( 咲子 ) あっ |おれ||ひっし||さきこ|

( ブギー ポップ ) その とき は 僕 も 君 に ― |ぽっぷ||||ぼく||きみ|

容赦 し ない と 約束 しよ う ようしゃ||||やくそく||

( 竹田 ) せっかく の デート だって の に 何 を やって る ん だ あいつ は たけた|||でーと||||なん|||||||

新 刻 なんで こんな 所 に ? しん|きざ|||しょ|

( 敬 ) 竹田 先輩 たかし|たけた|せんぱい

こんな 所 で 何 し てる ん です か ? 先輩 |しょ||なん||||||せんぱい

( 竹田 ) ああ いや その … たけた|||

と いう か それ は こっち の セリフ だ よ |||||||せりふ||

新 刻 こそ 何 してん だ ? こんな 所 で しん|きざ||なん||||しょ|

私 は 気 に なる 人 を 追いかけ て き た だけ です わたくし||き|||じん||おいかけ|||||

あっ …

( 敬 ) そ したら こんな こと に 巻き込ま れ ちゃ って たかし||||||まきこま|||

そ そ っか お互い 災難 だった な |||おたがい|さいなん||

( 敬 ) ええ でも おかげ で その 人 に は 会 え まし た けど ね たかし||||||じん|||かい|||||

フフ …

もし かして 先輩 今 自分 の こと だって 思い まし た ? ||せんぱい|いま|じぶん||||おもい||

( 竹田 ) えっ … たけた|

( 敬 ) それ って 自 意識 過剰 です よ たかし|||じ|いしき|かじょう||

そ そう いう わけ じゃ ない けど

( 敬 ) 先輩 の こと じゃ あり ませ ん から たかし|せんぱい|||||||

アハハ …

で 先輩 は なんで ここ に ? |せんぱい||||

( 竹田 ) そ そう だ 新 刻 変 な こと 聞く けど さ たけた||||しん|きざ|へん|||きく||

この 曲 を かけ た 人 知ら ない か ? |きょく||||じん|しら||

知って ます けど しって||

( 竹田 ) そい つ 今 どこ に ? たけた|||いま||

( 敬 ) ここ です ( 竹田 ) えっ … たかし|||たけた|

( 敬 ) かけ た の 私 です けど たかし||||わたくし||

は あ ?

( 敬 ) 私 じゃ 変 です か ? たかし|わたくし||へん||

い いや …

先輩 宮下 ( みや した ) さん を 捜し てる ん でしょ ? せんぱい|みやした|||||さがし|||

( 竹田 ) えっ ああ いや そう な ん だ けど … たけた||||||||

やっぱり … 宮下 さん なら さっき 会い まし た よ |みやした||||あい|||

ここ の 下 で ||した|

あっ でも … ( メール の 着信 音 ) ||めーる||ちゃくしん|おと

( 竹田 ) あっ … たけた|

電波 が 通じ て なかった から 入れ 違った ん じゃ ない です か ? でんぱ||つうじ||||いれ|ちがった|||||

急 い で 行った ほう が いい と 思い ます よ きゅう|||おこなった|||||おもい||

そ そう か じゃ 俺 は これ で ||||おれ|||

( 駆け て いく 足音 ) かけ|||あしおと

( 近づ い て くる 足音 ) ちかづ||||あしおと

( 竹田 ) あ あの さ 新 刻 たけた||||しん|きざ

悪かった な わるかった|

何 が です ? なん||

( 竹田 ) い いや なんか その … 一応 な たけた|||||いちおう|

言った でしょ いった|

追いかけ た の は 先輩 じゃ あり ませ ん から おいかけ||||せんぱい|||||

あ …

フッ … だった な

( 敬 ) おかげ で 自分 の 気持ち も はっきり と 分かり まし た たかし|||じぶん||きもち||||わかり||

どう も それ じゃ 先輩 ||||せんぱい

ああ それ じゃ

さよう なら

( 羽原 ) 結局 これ は ― はばら|けっきょく||

“ 大 富豪 寺 月 の 孤独 が 生 ん だ 狂気 の 犯罪 ” と か ― だい|ふごう|てら|つき||こどく||せい|||きょうき||はんざい||

そんな 感じ で 処理 さ れる ん だ ろ う な |かんじ||しょり|||||||

けど なんか なあ

なんか スッキリ し ねえ ん だ よ な |すっきり||||||

( 田中 ) そう いう もの さ たなか||||

あっ …

フッ …

そう だ な

( 竹田 ) ブギー ポップ たけた||ぽっぷ

( 足音 ) あしおと

( ブギー ポップ ) なんで 僕 と 分かった ? |ぽっぷ||ぼく||わかった

( 竹田 ) フッ たけた|

分かる よ 友達 の 顔 くらい わかる||ともだち||かお|

フッ …

( ブギー ポップ ) 危機 は 去った よ 竹田 君 |ぽっぷ|きき||さった||たけた|きみ

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