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ヴァイオレット・エヴァーガーデン, Violet Evergarden Episode 9

Violet Evergarden Episode 9

( ヴァイオレット ) 少佐 ! 少佐 !

( ギルベルト ) う っ …

大丈夫だ

( 銃声 )

あっ …

( 敵 兵 ) ぐ わ っ … ( 敵 兵 ) あっ

あっ …

ハァ ハァ

ああ …

( ヴァイオレット ) 少佐 !

逃げろ 私 を 置いて 逃げろ

あっ …

でき ませ ん ! 少佐 を 連れて 逃げ ます

私 は いい

( ヴァイオレット ) 逃げ ませ ん !

少佐 が 残る のならば ここ で 戦い ます

逃げる と 言う なら 少佐 を 連れて 逃げ ます

( ギルベルト ) う っ …

( 銃声 )

ヴァイオレット !

くっ …

う っ …

( ヴァイオレット の 力み 声 )

( 荒い 息遣い )

( 敵 兵 ) えい

あっ …

( ヴァイオレット ) ハァ ハァ …

絶対 ! 絶対 少佐 を 死な せ ませ ん !

ん っ … ん ん ー !

( ギルベルト ) やめろ

もう やめて くれ !

生きる んだ

ヴァイオレット

君 は 生きて ―

自由に なり なさい

心から ―

愛して る

( ヴァイオレット )“ 愛 ”?

“ 愛 ” って 何 です か ?

“ 愛 ” って ...

何で すか ?

分かり … ませ ん

私 分かり ませ ん

少佐 !

( 爆発 音 )

( ギルベルト ) う っ …

( ホッジンズ ) ここ だ と 思った よ

ひどい 戦闘 だった

君 たち が 信号 弾 を 上げた あと 全員 が 突撃 し ―

負け を 悟った ガルダリク 軍 は ―

撤退 する 前 に 自ら の 総 本部 を 砲撃 した

君 は その 階段 の 下 で 見つかった

恐らく あいつ は 砲撃 の 瞬間 ―

君 を 守ろう と 突き飛ばした の か …

( ヴァイオレット ) 入院 して いる 間 ―

どなた に 伺って も 少佐 は ご 無事だ と

言え なかった んだ よ

君 は 自分 の こと より あいつ の 身 ばかり を 案じて いて

行こう

ヴァイオレット ちゃん

( ヴァイオレット ) どこ に 行く のです か ?

私 は 少佐 の いらっしゃる 所 に しか 行け ませ ん

会社 に 戻る んだ よ

君 は うち の 自動 手記 人形 だ ろ

じゃあ 俺 も ここ に いる

君 が 一緒に 戻って くれる まで

俺 は あいつ に 君 を 託さ れた んだ から な

決戦 開始 の 直前 ―

あいつ は 俺 の 所 へ 来て 言った んだ

( ギルベルト ) もし 私 に 何 か あったら

ヴァイオレット を 頼む

戦争 が 終結 したら ―

ライデン の エヴァーガーデン 家 まで ―

あの 子 を 送り届けて やって くれ

ギルベルト

頼む よ

( ホッジンズ ) あいつ は ―

決して 君 を 戦う 道具 と は 思って い なかった

1 人 の 女の子 と して の 君 の 将来 を 案じて いた んだ

( クラクション )

( ベネディクト ) おい

引っ張って 悪かった な

大丈夫 か ?

( ホッジンズ ) 大丈夫だ よ ね ?

退院 した ばかりの ころ は どう なる こと か と 思った けど ―

君 は ちゃんと ドール の 仕事 を こなせる ように なった

本当に 頑張った よ ね

あいつ の 命令 が なくて も 生きて いける はずだ

( ヴァイオレット ) もう 少佐 に 命令 は 頂け ない のでしょう か ?

( ギルベルト ) 君 は 悪く ない

この 話 は また 今度 に しよう

( ベネディクト ) 道 が 封鎖 さ れて る

( 兵士 ) あっ 中佐

俺 は 軍 は …

まあ いい 休め

( 兵士 ) はっ

( ホッジンズ ) 何 か あった の か ?

( 兵士 ) ケスクレール の 街 が ―

ガルダリク の 和平 反対 派 に 襲撃 を 受け ました

( ホッジンズ ) 反対 勢力 が 活発 化 して いる と は 聞いて いた が …

状況 は ?

制圧 し ました が

まだ 周辺 の 警戒 を 解ける 状態 で は あり ませ ん

( ドア の 開閉 音 ) ( ホッジンズ ) 別の 道 を 行こう か

( ベネディクト ) 了解

( 鐘 の 音 )

( アイリス ) ヴァイオレット 戻って きた んです よ ね ?

( エリカ ) みたいだ けど

( アイリス ) 仕事 に も 戻って き ます よ ね ?

( カトレア ) ちょっと 様子 見て きて よ

( ベネディクト ) お前 が 行けば いい だ ろ

( カトレア ) あんた くらい が ちょうど いい の

“ くらい ” って 何 だ よ

こっち は それ どころ じゃ ねえ んだ よ

( ローランド ) ベネディクト

12 区 辺り を 捜して みて くれる か ?

わし は 14 区 の ほう へ 行って みる

( カトレア ) 何 か あった の ?

( ローランド ) 新人 の 配達 員 が ―

配達 し きれ なかった 手紙 を 捨てて しまって な

え ?

これ から 捜し に 行く んだ よ

( ローランド ) 大丈夫

大体 あたり は ついて る から

( ノック )

( カトレア ) ヴァイオレット いる んでしょ ?

少し で いい から 顔 を 見せて

( ヴァイオレット ) ご 心配 おか けして 申し訳 あり ませ ん

あっ …

体 の 具合 は どう ? ちゃん と 食べて る ?

差し入れ 置 い と くわ ね

明日 は 顔 出せ そう ?

みんな 待って る し ―

あなた へ の 依頼 も たくさん 来て る の よ

( ヴァイオレット ) 私 は … ( カトレア ) え ?

( ヴァイオレット ) ホッジンズ 社長 が おっしゃった とおり ―

燃えて いる のです

自分 が して きた こと で …

( ホッジンズ ) いつか 俺 が 言った こと が 分かる とき が 来る

そして 初めて

自分 が たくさん ヤケド して いる こと に 気づく んだ

( カトレア ) どうして そんな こと 言った の よ !

あの 子 の 境遇 を 考えたら しかた の ない こと だった じゃ ない !

( ホッジンズ ) 境遇 が どう であれ 経緯 や 理由 が 何 であれ ―

して きた こと は 消せ ない

( カトレア ) だったら 忘れて 一 から また …

忘れる こと も でき ないだ ろ

あっ …

( ホッジンズ ) 燃えて いる の は あの 子 だけ じゃ ない

俺 や 君 だって

表面 上 は 消えた ように 見える ヤケド の 痕 も ―

ずっと 残って る

だったら

どう すれば いい の ? あの 子

( ホッジンズ ) どう する か は 自分 で 決める しか ない

燃え上がった 体 と 向き合って 受け入れた あと

( カトレア ) でも ―

あの 子 少佐 も …

何もかも なくして しまった の よ

( ホッジンズ ) 大丈夫

なくして ない よ

何も

( アイリス ) カトレア さん も 戻って こ ない

明日 は 私 が あの 子 の 様子 見 に 行って き ます

( エリカ ) しばらく そっと して おいて あげた ほう が …

でも …

“ 愛して る ” を 知り たい のです

私 は 少佐 の “ 愛して る ” が 知り たくて

ドール に なった のです

( アイリス ) 本当に ―

そっと して おく だけ で いい んです か ?

( エリカ ) え ?

このまま あの 子 もう ドール 辞めちゃ うんじゃ …

( ノック )

( スペンサー ) 代筆 を 頼み たい んだ が …

( ヴァイオレット ) 少佐

( ギルベルト ) どうした ん だ ?

ヴァイオレット

少佐 少佐 …

ご 無事だった のです ね

( ギルベルト ) その 服 は ?

( ヴァイオレット ) 今 私 は 自動 手記 人形 と して 働いて いる のです

君 が ?

( ヴァイオレット ) はい 手紙 を 代筆 して おり ます

( ギルベルト ) 手紙 か

多く の 命 を 奪った その 手 で …

少佐

人 を 結ぶ 手紙 を 書く の か ?

ハッ !

少佐

うわ ー !

う っ …

ん ん … う っ …

ん ん ー !

( ヴァイオレット の 泣き声 )

少佐 少佐 …

私 は どう したら …

命令 を …

命令 を くださ い

( ヴァイオレット の 泣き声 )

( ローランド ) 手紙 だ よ

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン

( 足音 )

お前 さん 宛て だ

エリカ と アイリス から 頼ま れた んだ

じゃあ 確かに 届けた よ

まだ 配達 を ?

ああ

捨て られた 手紙 が 見つかった んで ね

( ヴァイオレット ) ベネディクト さん は ?

ハハハ …

あいつ 足 くじいて な

あんな 靴 履いて る から だ よ

まったく 何 やって ん の よ

イテテ … 痛い !

( ローランド ) じゃあ わし は クラフト 通り を 回る から

あんた は 1 本 裏手 を 頼む よ

どれ 1 つ 取った って ―

誰 か の 大切な 思い だ から な

届か なくて いい 手紙 なんて ない んだ

( 男の子 ) 手紙 だ

お 母 さ ー ん ! お 父さん から だ よ

( ローランド ) 配達 終わった かい ?

お 疲れ さ ん

ん ?

よかった みんな ちゃんと 届いた んだ な

“ ヴァイオレット 大丈夫 ?”

“ 会い に 行こう と 思った けど ―”

“ アイリス と 相談 して 手紙 を 書く こと に し ました ”

“ ドール が ドール に 手紙 を 書く なんて ―”

“ 変 かも しれ ない けれど ―”

“ でも 伝え たかった の ”

“ 心配 して る って ”

“ それ から あなた の こと ―”

“ 待って る って ”

( エリカ )“ 今 は ―”

“ とても 仕事 に 戻る 気持ち に は なれ ない かも しれ ない から ―”

“ ゆっくり 休んで ”

“ でも 何 か あったら 遠慮 なく 私 たち を 呼んで ”

“ 私 も アイリス も あなた が 戻って くる の を 信じて る ”

( アイリス )“ それ から 今日 スペンサー さん って 人 が ―”

“ あなた に 代筆 を 頼み たい って 来た わ よ ”

“ 妹 さん に 感謝 と おわび の 手紙 を 書き たい んです って ”

“ あなた に 書いて ほしい そう よ ”

“ どうしても あなた じゃ なきゃ ダメな ん だって ”

( ヴァイオレット ) こちら で よろしい でしょう か ?

ああ

妹 に 手紙 を 書く なんて 何 か テレ くさい が

でも あいつ の おかげ で 仕事 も 決まった

もう 一 度 やり 直す 気持ち に なれた んだ

( スペンサー ) 悪かった な わざわざ 来て もらって

しばらく 休む と 聞いて いた んだ が …

同僚 が 知らせて くれた のです

手紙 で

それ は 私 が 生まれて 初めて もらった 手紙 です

手紙 を もらう と いう の は

とても うれしい こと な のだ と 分かり ました

ルクリア も 喜ぶ と 思い ます

( スペンサー ) ありがとう

あっ

( 男性 ) ん ?

〝 その 名 に ふさわしい 〞

〝 その 名 が 似合う 〞

( ローランド ) お ?

ヴァイオレット ?

( カトレア ) ヴァイオレット ?

( ホッジンズ ) あっ

( ヴァイオレット ) 社長 の おっしゃる とおり ―

私 は たくさんの ヤケド を して い ました

いい のでしょう か ?

私 は 自動 手記 人形 で いて いい のでしょう か ?

生きて …

生きて いて いい のでしょう か ?

あっ …

( ホッジンズ ) して きた こと は 消せ ない

でも …

でも ―

君 が 自動 手記 人形 と して やってきた こと も ―

消え ない んだ よ

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン

Violet Evergarden Episode 9 violet|evergarden|episode Violet Evergarden Episode 9

( ヴァイオレット ) 少佐 ! 少佐 ! |しょうさ|しょうさ

( ギルベルト ) う っ …

大丈夫だ だいじょうぶだ

( 銃声 ) じゅうせい

あっ …

( 敵 兵 ) ぐ わ っ … ( 敵 兵 ) あっ てき|つわもの||||てき|つわもの| (Aah!

あっ …

ハァ ハァ

ああ …

( ヴァイオレット ) 少佐 ! |しょうさ

逃げろ   私 を 置いて 逃げろ にげろ|わたくし||おいて|にげろ Run. Leave me. Run.

あっ …

でき ませ ん ! 少佐 を 連れて 逃げ ます |||しょうさ||つれて|にげ| I can't do it! I'm taking the Major and I'm leaving.

私 は いい わたくし|| I'm good.

( ヴァイオレット ) 逃げ ませ ん ! |にげ||

少佐 が 残る のならば ここ で 戦い ます しょうさ||のこる||||たたかい|

逃げる と 言う なら 少佐 を 連れて 逃げ ます にげる||いう||しょうさ||つれて|にげ|

( ギルベルト ) う っ …

( 銃声 ) じゅうせい (GUNSHOTS)

ヴァイオレット !

くっ …

う っ …

( ヴァイオレット の 力み 声 ) ||りきみ|こえ

( 荒い 息遣い ) あらい|いきづかい

( 敵 兵 ) えい てき|つわもの| (Ei!

あっ …

( ヴァイオレット ) ハァ ハァ …

絶対 ! 絶対 少佐 を 死な せ ませ ん ! ぜったい|ぜったい|しょうさ||しな||| I won't let him die! I won't let Major die!

ん っ … ん ん ー ! ||||-

( ギルベルト ) やめろ

もう やめて くれ !

生きる んだ いきる| Live.

ヴァイオレット

君 は 生きて ― きみ||いきて

自由に なり なさい じゆうに||

心から ― こころから From the bottom of my heart.

愛して る あいして|

( ヴァイオレット )“ 愛 ”? |あい

“ 愛 ” って 何 です か ? あい||なん||

“ 愛 ” って ... あい| Love...

何で すか ? なんで|

分かり … ませ ん わかり||

私 分かり ませ ん わたくし|わかり||

少佐 ! しょうさ

( 爆発 音 ) ばくはつ|おと

( ギルベルト ) う っ …

( ホッジンズ ) ここ だ と 思った よ ||||おもった|

ひどい 戦闘 だった |せんとう|

君 たち が 信号 弾 を 上げた あと 全員 が 突撃 し ― きみ|||しんごう|たま||あげた||ぜんいん||とつげき| After you raise the signal, we'll all go in.

負け を 悟った ガルダリク 軍 は ― まけ||さとった||ぐん|

撤退 する 前 に 自ら の 総 本部 を 砲撃 した てったい||ぜん||おのずから||そう|ほんぶ||ほうげき|

君 は その 階段 の 下 で 見つかった きみ|||かいだん||した||みつかった You were found at the bottom of those stairs.

恐らく あいつ は 砲撃 の 瞬間 ― おそらく|||ほうげき||しゅんかん

君 を 守ろう と 突き飛ばした の か … きみ||まもろう||つきとばした||

( ヴァイオレット ) 入院 して いる 間 ― |にゅういん|||あいだ (While I was in the hospital...

どなた に 伺って も 少佐 は ご 無事だ と ||うかがって||しょうさ|||ぶじだ| Whoever you're talking to says the Major is safe.

言え なかった んだ よ いえ|||

君 は 自分 の こと より あいつ の 身 ばかり を 案じて いて きみ||じぶん||||||み|||あんじて|

行こう いこう Let's go.

ヴァイオレット ちゃん

( ヴァイオレット ) どこ に 行く のです か ? |||いく||

私 は 少佐 の いらっしゃる 所 に しか 行け ませ ん わたくし||しょうさ|||しょ|||いけ|| I can only go where the Major is.

会社 に 戻る んだ よ かいしゃ||もどる||

君 は うち の 自動 手記 人形 だ ろ きみ||||じどう|しゅき|にんぎょう|| You're our automatic record-keeping puppet.

じゃあ 俺 も ここ に いる |おれ|||| Then I'm here, too.

君 が 一緒に 戻って くれる まで きみ||いっしょに|もどって||

俺 は あいつ に 君 を 託さ れた んだ から な おれ||||きみ||たくさ||||

決戦 開始 の 直前 ― けっせん|かいし||ちょくぜん

あいつ は 俺 の 所 へ 来て 言った んだ ||おれ||しょ||きて|いった| He came to me and said.

( ギルベルト ) もし 私 に 何 か あったら ||わたくし||なん||

ヴァイオレット を 頼む ||たのむ

戦争 が 終結 したら ― せんそう||しゅうけつ|

ライデン の エヴァーガーデン 家 まで ― |||いえ| Evergarden House in Leiden

あの 子 を 送り届けて やって くれ |こ||おくりとどけて||

ギルベルト

頼む よ たのむ|

( ホッジンズ ) あいつ は ―

決して 君 を 戦う 道具 と は 思って い なかった けっして|きみ||たたかう|どうぐ|||おもって|| I never thought of you as an instrument of war.

1 人 の 女の子 と して の 君 の 将来 を 案じて いた んだ じん||おんなのこ||||きみ||しょうらい||あんじて||

( クラクション )

( ベネディクト ) おい

引っ張って 悪かった な ひっぱって|わるかった| I'm sorry I pulled your chain.

大丈夫 か ? だいじょうぶ|

( ホッジンズ ) 大丈夫だ よ ね ? |だいじょうぶだ||

退院 した ばかりの ころ は どう なる こと か と 思った けど ― たいいん||||||||||おもった|

君 は ちゃんと ドール の 仕事 を こなせる ように なった きみ|||どーる||しごと|||| You've learned to do the doll thing just right.

本当に 頑張った よ ね ほんとうに|がんばった||

あいつ の 命令 が なくて も 生きて いける はずだ ||めいれい||||いきて|| You should be able to live without his orders.

( ヴァイオレット ) もう 少佐 に 命令 は 頂け ない のでしょう か ? ||しょうさ||めいれい||いただけ|||

( ギルベルト ) 君 は 悪く ない |きみ||わるく|

この 話 は また 今度 に しよう |はなし|||こんど||

( ベネディクト ) 道 が 封鎖 さ れて る |どう||ふうさ|||

( 兵士 ) あっ 中佐 へいし||ちゅうさ (Ah, Lieutenant Colonel.

俺 は 軍 は … おれ||ぐん|

まあ いい   休め ||やすめ

( 兵士 ) はっ へいし|

( ホッジンズ ) 何 か あった の か ? |なん|||| (Did something happen?

( 兵士 ) ケスクレール の 街 が ― へいし|||がい| (The city of Kesclair...

ガルダリク の 和平 反対 派 に 襲撃 を 受け ました ||わへい|はんたい|は||しゅうげき||うけ|

( ホッジンズ ) 反対 勢力 が 活発 化 して いる と は 聞いて いた が … |はんたい|せいりょく||かっぱつ|か|||||きいて||

状況 は ? じょうきょう|

制圧 し ました が せいあつ||| We're in control.

まだ 周辺 の 警戒 を 解ける 状態 で は あり ませ ん |しゅうへん||けいかい||とける|じょうたい||||| We're not in a position to alert the surrounding area just yet.

( ドア の 開閉 音 ) ( ホッジンズ ) 別の 道 を 行こう か どあ||かいへい|おと||べつの|どう||いこう|

( ベネディクト ) 了解 |りょうかい

( 鐘 の 音 ) かね||おと

( アイリス ) ヴァイオレット 戻って きた んです よ ね ? ||もどって|||| (Violet came back, right?

( エリカ ) みたいだ けど

( アイリス ) 仕事 に も 戻って き ます よ ね ? |しごと|||もどって||||

( カトレア ) ちょっと 様子 見て きて よ ||ようす|みて||

( ベネディクト ) お前 が 行けば いい だ ろ |おまえ||いけば|||

( カトレア ) あんた くらい が ちょうど いい の (You're just the right size.

“ くらい ” って 何 だ よ ||なん||

こっち は それ どころ じゃ ねえ んだ よ

( ローランド ) ベネディクト (Roland) Benedict

12 区 辺り を 捜して みて くれる か ? く|あたり||さがして|||

わし は 14 区 の ほう へ 行って みる ||く||||おこなって| I will go to the 14th district.

( カトレア ) 何 か あった の ? |なん|||

( ローランド ) 新人 の 配達 員 が ― |しんじん||はいたつ|いん|

配達 し きれ なかった 手紙 を 捨てて しまって な はいたつ||||てがみ||すてて|| I'm sorry I couldn't deliver the letter, but I had to throw it away.

え ?

これ から 捜し に 行く んだ よ ||さがし||いく||

( ローランド ) 大丈夫 |だいじょうぶ

大体 あたり は ついて る から だいたい|||||

( ノック )

( カトレア ) ヴァイオレット いる んでしょ ? (Violet, you're here, right?

少し で いい から 顔 を 見せて すこし||||かお||みせて Just let me see your face for a second.

( ヴァイオレット ) ご 心配 おか けして 申し訳 あり ませ ん ||しんぱい|||もうしわけ|||

あっ …

体 の 具合 は どう ? ちゃん と 食べて る ? からだ||ぐあい|||||たべて|

差し入れ 置 い と くわ ね さしいれ|お||||

明日 は 顔 出せ そう ? あした||かお|だせ|

みんな 待って る し ― |まって|| They're all waiting for you.

あなた へ の 依頼 も たくさん 来て る の よ |||いらい|||きて|||

( ヴァイオレット ) 私 は … ( カトレア ) え ? |わたくし|||

( ヴァイオレット ) ホッジンズ 社長 が おっしゃった とおり ― ||しゃちょう||| (I agree with what Hodgins said.

燃えて いる のです もえて||

自分 が して きた こと で … じぶん||||| I've been doing what I've been doing, and ...

( ホッジンズ ) いつか 俺 が 言った こと が 分かる とき が 来る ||おれ||いった|||わかる|||くる

そして 初めて |はじめて

自分 が たくさん ヤケド して いる こと に 気づく んだ じぶん||||||||きづく|

( カトレア ) どうして そんな こと 言った の よ ! ||||いった|| (Why did you say that?

あの 子 の 境遇 を 考えたら しかた の ない こと だった じゃ ない ! |こ||きょうぐう||かんがえたら|||||||

( ホッジンズ ) 境遇 が どう であれ 経緯 や 理由 が 何 であれ ― |きょうぐう||||けいい||りゆう||なん| (No matter the circumstances, no matter how it happened, no matter the reasons...

して きた こと は 消せ ない ||||けせ|

( カトレア ) だったら 忘れて 一 から また … ||わすれて|ひと||

忘れる こと も でき ないだ ろ わすれる|||||

あっ … Oh ...

( ホッジンズ ) 燃えて いる の は あの 子 だけ じゃ ない |もえて|||||こ|||

俺 や 君 だって おれ||きみ|

表面 上 は 消えた ように 見える ヤケド の 痕 も ― ひょうめん|うえ||きえた||みえる|||あと| Burn marks that on the surface appear to have disappeared.

ずっと 残って る |のこって| It's been here forever.

だったら

どう すれば いい の ? あの 子 |||||こ

( ホッジンズ ) どう する か は 自分 で 決める しか ない |||||じぶん||きめる||

燃え上がった 体 と 向き合って 受け入れた あと もえあがった|からだ||むきあって|うけいれた| I've faced my body on fire, and I've accepted it, and I'm ready to go.

( カトレア ) でも ―

あの 子 少佐 も … |こ|しょうさ| That boy, Major...

何もかも なくして しまった の よ なにもかも|||| I've lost everything.

( ホッジンズ ) 大丈夫 |だいじょうぶ

なくして ない よ

何も なにも

( アイリス ) カトレア さん も 戻って こ ない ||||もどって||

明日 は 私 が あの 子 の 様子 見 に 行って き ます あした||わたくし|||こ||ようす|み||おこなって|| I'm going to check on him tomorrow.

( エリカ ) しばらく そっと して おいて あげた ほう が … (It's better to leave her alone for a while.

でも …

“ 愛して る ” を 知り たい のです あいして|||しり||

私 は 少佐 の “ 愛して る ” が 知り たくて わたくし||しょうさ||あいして|||しり|

ドール に なった のです どーる|||

( アイリス ) 本当に ― |ほんとうに

そっと して おく だけ で いい んです か ?

( エリカ ) え ?

このまま あの 子 もう ドール 辞めちゃ うんじゃ … ||こ||どーる|やめちゃ| She's going to quit being a doll...

( ノック )

( スペンサー ) 代筆 を 頼み たい んだ が … |だいひつ||たのみ|||

( ヴァイオレット ) 少佐 |しょうさ (Major.

( ギルベルト ) どうした ん だ ?

ヴァイオレット

少佐   少佐 … しょうさ|しょうさ

ご 無事だった のです ね |ぶじだった|| I'm glad to hear that you are safe.

( ギルベルト ) その 服 は ? ||ふく|

( ヴァイオレット ) 今 私 は 自動 手記 人形 と して 働いて いる のです |いま|わたくし||じどう|しゅき|にんぎょう|||はたらいて||

君 が ? きみ|

( ヴァイオレット ) はい 手紙 を 代筆 して おり ます ||てがみ||だいひつ|||

( ギルベルト ) 手紙 か |てがみ| (A letter.

多く の 命 を 奪った その 手 で … おおく||いのち||うばった||て| With the hand that took so many lives...

少佐 しょうさ

人 を 結ぶ 手紙 を 書く の か ? じん||むすぶ|てがみ||かく|| Do you write letters to unite people?

ハッ !

少佐 しょうさ

うわ ー ! |-

う っ …

ん ん … う っ …

ん ん ー ! ||-

( ヴァイオレット の 泣き声 ) ||なきごえ

少佐   少佐 … しょうさ|しょうさ

私 は どう したら … わたくし||| How do I ...

命令 を … めいれい| Instructions ...

命令 を くださ い めいれい|||

( ヴァイオレット の 泣き声 ) ||なきごえ

( ローランド ) 手紙 だ よ |てがみ||

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン Violet Evergarden

( 足音 ) あしおと (Footsteps)

お前 さん 宛て だ おまえ||あて| It's for you.

エリカ と アイリス から 頼ま れた んだ ||||たのま||

じゃあ 確かに 届けた よ |たしかに|とどけた|

まだ 配達 を ? |はいたつ| Still want delivery?

ああ

捨て られた 手紙 が 見つかった んで ね すて||てがみ||みつかった|| I found a letter that had been thrown away.

( ヴァイオレット ) ベネディクト さん は ?

ハハハ …

あいつ 足 くじいて な |あし||

あんな 靴 履いて る から だ よ |くつ|はいて||||

まったく 何 やって ん の よ |なん|||| What the hell are you doing?

イテテ … 痛い ! |いたい

( ローランド ) じゃあ わし は クラフト 通り を 回る から ||||くらふと|とおり||まわる| (Then I'll go around the craft street.

あんた は 1 本 裏手 を 頼む よ ||ほん|うらて||たのむ|

どれ 1 つ 取った って ― ||とった|

誰 か の 大切な 思い だ から な だれ|||たいせつな|おもい|||

届か なくて いい 手紙 なんて ない んだ とどか|||てがみ||| There's no such thing as a letter that doesn't have to arrive.

( 男の子 ) 手紙 だ おとこのこ|てがみ|

お 母 さ ー ん ! お 父さん から だ よ |はは||-|||とうさん|||

( ローランド ) 配達 終わった かい ? |はいたつ|おわった| (Did you finish the delivery?

お 疲れ さ ん |つかれ||

ん ?

よかった みんな ちゃんと 届いた んだ な |||とどいた||

“ ヴァイオレット 大丈夫 ?” |だいじょうぶ

“ 会い に 行こう と 思った けど ―” あい||いこう||おもった| I was going to come see you, but...

“ アイリス と 相談 して 手紙 を 書く こと に し ました ” ||そうだん||てがみ||かく||||

“ ドール が ドール に 手紙 を 書く なんて ―” どーる||どーる||てがみ||かく| I can't believe Doll wrote to Doll.

“ 変 かも しれ ない けれど ―” へん||||

“ でも 伝え たかった の ” |つたえ||

“ 心配 して る って ” しんぱい|||

“ それ から あなた の こと ―” And that's why I'm talking about you.

“ 待って る って ” まって||

( エリカ )“ 今 は ―” |いま|

“ とても 仕事 に 戻る 気持ち に は なれ ない かも しれ ない から ―” |しごと||もどる|きもち|||||||| "I'm not sure I'll ever feel ready to go back to work.

“ ゆっくり 休んで ” |やすんで

“ でも 何 か あったら 遠慮 なく 私 たち を 呼んで ” |なん|||えんりょ||わたくし|||よんで

“ 私 も アイリス も あなた が 戻って くる の を 信じて る ” わたくし||||||もどって||||しんじて| Iris and I both know you'll come back.

( アイリス )“ それ から 今日 スペンサー さん って 人 が ―” |||きょう||||じん|

“ あなた に 代筆 を 頼み たい って 来た わ よ ” ||だいひつ||たのみ|||きた||

“ 妹 さん に 感謝 と おわび の 手紙 を 書き たい んです って ” いもうと|||かんしゃ||||てがみ||かき||| He wants to write a letter of thanks and apology to his sister.

“ あなた に 書いて ほしい そう よ ” ||かいて|||

“ どうしても あなた じゃ なきゃ ダメな ん だって ” ||||だめな||

( ヴァイオレット ) こちら で よろしい でしょう か ? (This way, okay?

ああ

妹 に 手紙 を 書く なんて 何 か テレ くさい が いもうと||てがみ||かく||なん||||

でも あいつ の おかげ で 仕事 も 決まった |||||しごと||きまった

もう 一 度 やり 直す 気持ち に なれた んだ |ひと|たび||なおす|きもち||| I could start over again.

( スペンサー ) 悪かった な わざわざ 来て もらって |わるかった|||きて|

しばらく 休む と 聞いて いた んだ が … |やすむ||きいて|||

同僚 が 知らせて くれた のです どうりょう||しらせて|| It was a colleague of mine who brought it to my attention.

手紙 で てがみ|

それ は 私 が 生まれて 初めて もらった 手紙 です ||わたくし||うまれて|はじめて||てがみ|

手紙 を もらう と いう の は てがみ|||||| Receiving a letter from a friend is

とても うれしい こと な のだ と 分かり ました ||||||わかり|

ルクリア も 喜ぶ と 思い ます ||よろこぶ||おもい|

( スペンサー ) ありがとう

あっ Ah!

( 男性 ) ん ? だんせい|

〝 その 名 に ふさわしい 〞 |な||

〝 その 名 が 似合う 〞 |な||にあう

( ローランド ) お ? (Oh?

ヴァイオレット ?

( カトレア ) ヴァイオレット ?

( ホッジンズ ) あっ

( ヴァイオレット ) 社長 の おっしゃる とおり ― |しゃちょう||| (I think the boss is right.

私 は たくさんの ヤケド を して い ました わたくし|||||||

いい のでしょう か ?

私 は 自動 手記 人形 で いて いい のでしょう か ? わたくし||じどう|しゅき|にんぎょう||||| Am I allowed to be an auto-note-puppet?

生きて … いきて

生きて いて いい のでしょう か ? いきて||||

あっ …

( ホッジンズ ) して きた こと は 消せ ない |||||けせ|

でも …

でも ― But -

君 が 自動 手記 人形 と して やってきた こと も ― きみ||じどう|しゅき|にんぎょう|||||

消え ない んだ よ きえ||| It won't go away.

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン