×

We use cookies to help make LingQ better. By visiting the site, you agree to our cookie policy.


image

ヴァイオレット・エヴァーガーデン, Violet Evergarden Episode 1

Violet Evergarden Episode 1

( ギルベルト ) ん ? どうした ?

( ヴァイオレット ) 少佐 の 瞳 が あり ます

少佐 の 瞳 と 同じ 色 です

これ を 見た とき の …

こういう の を …

何と 言う のでしょう ?

う っ … う っ …

( ヴァイオレット ) “ ギルベルト 少佐 ”

“ 本日 入院 120 日 目 ”

“ 体力 は ほぼ 回復 ”

“ 動作 に 多少 支障 ある も ―”

“ 任務 の 遂行 は 可能 ”

“ 速やかに 職務 へ の 復帰 を …”

( ホッジンズ ) その 少女 の 存在 は ―

ひそかに 隠さ れて いた

だが その 少女 を 知る 者 は ―

彼女 を “ 武器 ” だ と 言った

命令 すれば 戦う

人 の 形 を 模して いる だけ の ―

心 を 持た ない ―

ただ の 道具 だ と

( 看護 師 ) ホッジンズ 中佐

こちら です

( ホッジンズ ) あっ … ああ

すまない

すまない

( 物音 )

( 看護 師 ) あっ

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん !

大丈夫 ?

ケガ は ない ?

少佐 は …

ギルベルト 少佐 は ?

あいつ は 来て ない

( ヴァイオレット ) どちら に いらっしゃる のです か ?

ご 実家 に 戻ら れて いる のでしょう か ?

少佐 の お ケガ の 具合 は ?

少佐 も 重傷 を 負わ れた はずです

生きて いらっしゃる のです か ?

少佐 は

あいつ は …

( 看護 師 ) あなた の 退院 の 許可 が 出た の

ホッジンズ 中佐 は わざわざ 迎え に 来て くださった の よ

まあ そういう こと

( ヴァイオレット ) 失礼 いたし ました

ホッジンズ 中佐

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

楽に して

( ヴァイオレット ) 中佐 の こと を 失念 して おり ました

申し訳 ございませ ん

( ホッジンズ ) いい んだ よ

さあ 座る んだ

と いう か ―

俺 の こと 覚えて くれて た んだ ね

訓練 施設 の 際 と

決戦 前夜 の 2 回 お 会い し ました

うん そう だ ね

何 して た の ?

( ヴァイオレット ) ギルベルト 少佐 に ―

報告 書 を 書いて おり ました

文字 を 書く こと は

状態 復帰 に も いい と 言わ れ ました ので

それ で 少佐 は ?

( ホッジンズ ) 安心 して よ ヴァイオレット ちゃん

俺 は あいつ から 頼ま れて 来た んだ

( ヴァイオレット ) ハァ …

では ご 無事な のです ね

大戦 に は 勝った と お 医者 様 から 教えて いただき ました

少佐 は 今 どんな 任務 に ?

いつ 合流 すれば よろしい でしょう か ?

( ホッジンズ ) とにかく 着替えて

その 間 に 車 を 出して もらう から

( 看護 師 ) これ やっと 届いた あなた の 荷物 よ

ずいぶん 遠く の 陸軍 基地 に ―

間違って 運ば れちゃ って た みたい

( ヴァイオレット ) ブローチ …

エメラルド の ブローチ が …

え ?

あなた が 見つかった 現場 と 駐屯 地 に あった 荷物 は ―

これ だけ だ と …

( ヴァイオレット ) ない なら 捜し に 行か なければ …

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん !

( ヴァイオレット ) 頂いた 物 な のです

少佐 に 頂いた 物 な のです !

分かった

捜して おく から

俺 が 必ず

ですが …

( ホッジンズ ) とにかく ―

君 は 俺 に 同行 する

それ が あいつ の 命令 だ

命令 ?

分かり ました

( ヴァイオレット ) 少佐 に ―

次の 命令 を 頂ける の は いつ な のでしょう ?

このような 状態 で は

できる 任務 に 制限 が ある と 思い ます が

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

退院 祝い

好み が 分か ん なくて 3 つ 買った んだ けど ―

どうか な ?

不要です

いや あ … どれ か 選ば ない と

世界 が 終わる と 仮定 して は い

3 2…

( ヴァイオレット ) で は 子 犬 を ( ホッジンズ ) はい

( ホッジンズ ) どうして 子 犬 を 選んだ の ?

以前 少佐 の 兄 上 に

“ お前 は ギルベルト の 犬 だ な ” と 言わ れ ました ので

( せきばらい )

少し 長い 旅 に なる よ

この 辺り の 線路 が 爆撃 で 壊れて 使え ない から

ライデン に は 行った こと あった っけ ?

いえ

( ヴァイオレット の 荒い 息遣い )

( ギルベルト ) ヴァイオレット

君 は 生きて ―

自由に なり なさい

( 荒い 息遣い )

心から …

( ホッジンズ ) ここ に いた の ?

中佐

( ホッジンズ ) 見えて きた ね

ライデン の 港

( ホッジンズ ) ギルベルト は 戦争 が 終わった あと の ―

君 の 身 の 振り 方 を ずっと 案じて いて ね

だから 自分 の 親戚 筋 で ―

一 番 信頼 できる エヴァーガーデン 家 に ―

君 を 預け たい と 言って いた んだ

( ホッジンズ ) 連絡 を 取ったら ご 夫妻 と も ―

喜んで 君 の 身元 引受 人 に なる こと を ―

了承 して くださった よ

( ドア が 開く 音 )

( ティファニー ) よく 来た わ ね

( ホッジンズ ) さあ ヴァイオレット ちゃん

こちら エヴァーガーデン 家 の 奥 方

ご挨拶 して

いや おじぎ で いい んだ けど …

( ティファニー ) 今 だ と アンシェネ から 3 日 がかり かしら ?

( ホッジンズ ) ええ

本来 なら 1 日 で 戻れた んです が ―

4 年 も 大戦 が 続き ました から ね

復旧 に は まだまだ 時間 が かかり そうです

さあ ヴァイオレット

あなた も 飲んで ちょうだい

あっ ! ごめんなさい

無理 し なくて いい の よ

大変 ! ヤケド する わ

問題 あり ませ ん

熱 さ は 感じ ませ ん

でも 包帯 が … 早く 冷やさ ない と

オリバー 氷 を 持ってきて !

( オリバー ) 承知 し ました

あっ !

( ヴァイオレット ) アダマン 銀 で 出来た 腕 です

無骨 です が 頑丈 です

まだ 不慣れ です が

いずれ 支障 なくなる と 思わ れ ます

ん …

ちょっと こっち へ 来て もらえる かしら ?

私 が 若い ころ に 使って た 物 だ けど

いい です ね

はめて ごらん

うん 似合って る よ

( ティファニー ) ホント

じゃあ 私 は これ で

会社 に 戻ら なくて は なら ない ので

( ティファニー ) あら

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

ティファニー さん の おっしゃる こと を

よく 聞く んだ よ

( ティファニー ) いい の よ

そんなに 気 を 使わ なくて も

本当の 親 だ と 思って 何でも 言って ちょうだい

ねっ ?

( ヴァイオレット ) 私 に は ―

もともと 親 は おり ませ ん ので 代わり も 不要 です

そう 言わ ないで

うち に は 息子 が いたんだ けど ―

大戦 で 亡くなって しまって

( ヴァイオレット ) 私 は 亡くなった 子供 の 代わり に は なり 得 ませ ん

まあ

ヴァイオレット ちゃん

ここ で 幸せに 暮らす こと が ギルベルト の 望み なんだ

だから 分かった ね ?

( ヴァイオレット ) 少佐 は ―

ギルベルト 少佐 は ―

どうして 私 を ここ に 置く のです か ?

私 が 腕 を 失って ―

武器 と して の 価値 が なくなった から です か ?

訓練 さえ すれば 私 は まだ 戦え ます !

ヴァイオレット ちゃん もう 戦争 は 終わった んだ

( ヴァイオレット ) 私 は 少佐 の 道具 です

ですが 不要に なった の なら ―

処分 さ れる べき です

捨てて ください

どこ か に 捨てて ください

( ヴァイオレット ) ホッジンズ 中佐 …

( ホッジンズ ) ああ 言い 忘れた んだ けど ―

軍 は 辞めた んだ

俺 は もう 中佐 じゃ ない

( ヴァイオレット ) で は 何と お呼び すれば ?

( ホッジンズ )“ 社長 ” かな

ここ は 俺 の 会社 だ

古い 邸宅 を 買い取って 少し 手 を 入れた んだ

1 階 は 受付 窓口 に なって る

( リリアン ) お 客 様

こちら の 伝票 に 配達 先 と

差出人 様 の ご 住所 を お 願い いたし ます

( ネリネ ) 配達 まで に は 3 日 少々 お 時間 を 頂いて おり ます

( ホッジンズ ) 2 階 は 事務 所 と 代筆 部門

( ヴァイオレット ) 代筆 ? ( ホッジンズ ) ああ

( ホッジンズ ) 依頼 者 の 要望 に 応じて 手紙 と か を 代わり に 書く 部門 な んだ

まだ 字 が 書け ない 人 も 多い から ね

( ヴァイオレット ) 私 も 書け ませ ん でした

少佐 に 教えて いただく 前 は

そ っか

戦争 が 終わったら 何 か 事業 を 始めよう と 思って いて ね

政府 の 郵政 業務 は 民間 に まで 手 が 回って い ない から ―

いける んじゃ ない か と 思って さ

で 命令 だ

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン

ギルベルト は 君 を 俺 に 託した

だから 代わり に 命令 を 下す

君 は まだ 役 に 立つ

働ける ここ で な

ベネディクト

( ベネディクト ) 何 だ よ ? 社長

( ホッジンズ ) そこ は “ 何で しょうか ? 社長 ” だ ろ

( ベネディクト ) で 何 だ よ ?

イッテー な ! 何 な んだ よ !

( ホッジンズ ) お前 今 わざと !

こいつ は ポスト マン の ベネディクト

会社 作る 前 から の 腐れ縁 で ね

ベネディクト

彼女 は ヴァイオレット

今日 から ポスト マン と して 働く

こんな ガキ が ?

( ホッジンズ ) 任務 遂行 能力 は 抜群だ

俺 は 銀行 回って くるんで ―

お前 いろいろ 教えて やって ね

ハァ …

荷物 ここ な

( ヴァイオレット ) 了解 し ました

( ベネディクト ) 制服

着替えて

了解 し ました

お前 ! ちょ … ちょっと 待て !

あー デカ いな

問題 あり ませ ん

( ベネディクト ) それ は 外した ほう が よく ない か ?

郵便 物 分ける の は 難しい か ?

( ヴァイオレット ) いえ 大きく 問題 は あり ませ ん

( ベネディクト ) ここ に 書いて ある とおり 別に ―

そこ の 棚 に 入れる んだ

郵便 物 は どっさり ある けど 焦 ん なくて いい から な

2 階 に 休憩 室 も あっ から

了解 し ました

( ベネディクト ) じゃあ な

( ヴァイオレット ) もう すぐ 任務 完了 です

( ベネディクト ) ずっと やって た の か ?

休憩 も 取ら ず に ?

( ヴァイオレット ) 長 時間 の 作戦 に は 慣れて い ます

ハァ …

じゃあ 今度 は 配達 行って みる か

配達 ?

( ベネディクト ) 書か れた 住所 の とおり に 手紙 を 届ける んだ よ

じゃあ 俺 帰る から

また 明日 な

( ホッジンズ ) ハァ …

“ 業績 を 見て から 融資 を 検討 する ” ね

夜間 の 配達 やって る とこ も ある の か

うち に は まだ 無理 …

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん !

ハァ ハァ …

何 やって る の ?

配達 です

( ベネディクト ) いや 俺 配達 は 明日 の つもり だった んだ けど

( ホッジンズ ) それ と 仕事 の 途中 に ちゃんと 休憩 取って ね

退院 した ばかりな んだ し

問題 あり ませ ん

お前 な

ある んだ よ 問題 が

ヴァイオレット ちゃん 食べて い いよ

食べ ます

食べたら 会社 まで 送って いく よ

屋根 裏 しか 空いて ない けど ―

寝泊まり できる ように して おいた から

ああ … エヴァーガーデン 家 は

身元 引受 人 に は なって くれる そうだ

君 が 成人 する まで

でも 屋敷 に 置く の は …

問題 あった んだ な

( ベネディクト ) イッタ !

お前 ! 俺 が やんわり 言って ん のに !

お前 ! 俺 が やんわり 言って ん のに !

( ベネディクト ) 知ら ねえ よ

( ベネディクト ) じゃ また 明日 な

( ホッジンズ ) 送る よ

君 は ギルベルト から 最後に どんな 命令 を もらった ?

( ヴァイオレット ) “ 逃げて 自由に 生きろ ” と

それ から

あ …

( ホッジンズ ) 君 は 小さい ころ から ずっと 軍 に いて ―

任務 を 遂行 する だけ の 毎日 を 送って きた

でも これ から 君 は たくさんの こと を 学ぶ よ

だけど 学ば ない ほう が ―

知ら ない ほう が 楽に 生き られる かも しれ ない

君 は 自分 が して きた こと で ―

どんどん 体 に 火 が ついて ―

燃え上がって いる こと を まだ 知ら ない

燃えて い ませ ん

( ホッジンズ ) 燃え てるよ

燃えて い ませ ん おかしい です

( ホッジンズ ) いや ―

燃えて る んだ

俺 は そんな 君 を 見て いて 放置 した

だから ギルベルト に 君 を 託さ れた とき

これ は 俺 の 機会 だ と 思った

いつか 俺 が 言った こと が 分かる とき が 来る

そして 初めて ―

自分 が たくさん ヤケド して いる こと に 気づく んだ

( ヴァイオレット が 手 を 開く 音 )

( 男性 ) ドール さん ?

いえ 私 は ヴァイオレット です

( 男性 ) あっ …

えっ と … ミス ・ ヴァイオレット

代筆 を 頼み たい んだ けど

代筆 ?

( 男性 ) うん

僕 字 が 書け なくて

だから 代わり に 手紙 を 書いて ほしい んだ

( ヴァイオレット ) 何 を 書く のです か ?

あっ …

ここ で 話す の かい ?

何 か 問題 が あり ます か ?

え ?

えっ と その …

田舎 に いる 幼なじみ に

あいつ ほか の 男 と の 縁談 が ある って 聞いて

だから ―

伝えて ほしい んだ !

( 男性 )“ 僕 に 初めて 優しく して くれた の は …”

( カトレア )“ 君 だった ”

“ 君 が 世界 の すべて だった ”

“ 君 の ため なら 僕 は 何でも できた ”

( ギルベルト ) 行け !

( カトレア ) “ 君 の 気持ち が 知り たい ”

“ 君 の 心 を 分かり たい ”

“ 今 は 離れて いる けれど ”

“ 君 の こと を …”

“ 愛して る ”

で よろしい でしょう か ?

はい

“ 愛して る ”

では 配送 手続き は ―

1 階 の 受付 で お 願い いたし ます

旦那 様

自動 手記 人形 サービス の ご 利用

誠に ありがとう ございました

( ドア の 開閉 音 )

で あなた は 誰 ?

どうして 分かる のです か ?

え ?

( ヴァイオレット ) 先ほど の 方 の “ 愛して る ” が

なぜ 分かる のです か ?

( ホッジンズ ) 自動 手記 人形 の 仕事 が し たい ?

( ヴァイオレット ) はい

ペン を 握る の は まだ 困難 です ―

タイプ ライター なら 操作 可能 です

( ホッジンズ ) いや そう じゃ なくて

聞き たい の は どうして その 仕事 が ?

知り たい のです !

“ 愛して る ” を

知り たい のです

少佐 は 最後 の 命令 の あと に ―

その 言葉 を 私 に おっしゃい ました

少佐 から その 言葉 が 出た の は 初めて でした

それ は どのような 状態 を 意味 する の か ―

私 に は 理解 でき ない のです

( ホッジンズ ) 普通 は

それ が 分かる から 自動 手記 人形 に なる んだ けど ね

でも

いい よ

( ホッジンズ ) ギルベルト の 命令 に ただ 従って いた 彼女 が ―

( ドア が 開く 音 ) 初めて 自分 の 意志 を 主張 した

心 を 持た ない 道具 と 言わ れた 彼女 が ―

“ 愛して る を 知り たい ” と 言った

( ヴァイオレット 荒い 息 )

う っ

絶対 ! 絶対 少佐 を 死な せ ませ ん !

ん っ … ん ん ー !

( ギルベルト ) やめろ

もう やめて くれ !

生きる んだ

ヴァイオレット

君 は 生きて ―

自由に なり なさい

心から ―

愛して る


Violet Evergarden Episode 1 violet|evergarden|episode Violet Evergarden Episode 1 Violet Evergarden Episodio 1 Violet Evergarden Episode 1 Violet Evergarden Episodio 1 Violet Evergarden Aflevering 1 紫羅蘭永恆花園第1集

( ギルベルト ) ん ? どうした ? (Gilbert) Hmm? What happened ?

( ヴァイオレット ) 少佐 の 瞳 が あり ます |しょうさ||ひとみ||| (Violet) There is a Major's eyes

少佐 の 瞳 と 同じ 色 です しょうさ||ひとみ||おなじ|いろ| It ’s the same color as the Major ’s eyes.

これ を 見た とき の … ||みた|| When I saw this ...

こういう の を …

何と 言う のでしょう ? なんと|いう| What do you say?

う っ … う っ … uh... uh...

( ヴァイオレット ) “ ギルベルト 少佐 ” ||しょうさ (Violet) “Major Gilbert”

“ 本日 入院 120 日 目 ” ほんじつ|にゅういん|ひ|め Today is my 120th day in the hospital.

“ 体力 は ほぼ 回復 ” たいりょく|||かいふく "My strength is almost back." “体力恢复的差不多了”

“ 動作 に 多少 支障 ある も ―” どうさ||たしょう|ししょう|| "Some trouble moving." “虽然操作上出了点问题——”

“ 任務 の 遂行 は 可能 ” にんむ||すいこう||かのう The mission is still possible.

“ 速やかに 職務 へ の 復帰 を …” すみやかに|しょくむ|||ふっき| You are to return to work immediately...

( ホッジンズ ) その 少女 の 存在 は ― ||しょうじょ||そんざい| (The existence of that girl...

ひそかに 隠さ れて いた |かくさ|| Hidden in plain sight.

だが その 少女 を 知る 者 は ― ||しょうじょ||しる|もの| But no one knows the girl.

彼女 を “ 武器 ” だ と 言った かのじょ||ぶき|||いった You called her a weapon.

命令 すれば 戦う めいれい||たたかう You give the order, we fight.

人 の 形 を 模して いる だけ の ― じん||かた||もして||| It's just a human figure.

心 を 持た ない ― こころ||もた| I don't have a heart.

ただ の 道具 だ と ||どうぐ|| It's just a tool.

( 看護 師 ) ホッジンズ 中佐 かんご|し||ちゅうさ (Hodgins, Lt. Col.

こちら です

( ホッジンズ ) あっ … ああ

すまない unpardonable

すまない

( 物音 ) ものおと

( 看護 師 ) あっ かんご|し|

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん !

大丈夫 ? だいじょうぶ

ケガ は ない ? けが|| Are you hurt?

少佐 は … しょうさ|

ギルベルト 少佐 は ? |しょうさ|

あいつ は 来て ない ||きて| He's not here.

( ヴァイオレット ) どちら に いらっしゃる のです か ? (Where are you located?

ご 実家 に 戻ら れて いる のでしょう か ? |じっか||もどら|||| Are you returning to your parents' home?

少佐 の お ケガ の 具合 は ? しょうさ|||けが||ぐあい|

少佐 も 重傷 を 負わ れた はずです しょうさ||じゅうしょう||おわ|| I understand the Major has been seriously wounded.

生きて いらっしゃる のです か ? いきて||| Are you still alive?

少佐 は しょうさ|

あいつ は …

( 看護 師 ) あなた の 退院 の 許可 が 出た の かんご|し|||たいいん||きょか||でた| (You've been given permission to leave the hospital.

ホッジンズ 中佐 は わざわざ 迎え に 来て くださった の よ |ちゅうさ|||むかえ||きて||| Commander Hodgins came all the way out here to pick me up.

まあ そういう こと Well, that's that.

( ヴァイオレット ) 失礼 いたし ました |しつれい|| (Excuse me.

ホッジンズ 中佐 |ちゅうさ

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

楽に して らくに| Easy, easy.

( ヴァイオレット ) 中佐 の こと を 失念 して おり ました |ちゅうさ||||うしな ねん||| (I'm sorry, I'd forgotten about Commander Violet.

申し訳 ございませ ん もうしわけ|| I am sorry.

( ホッジンズ ) いい んだ よ

さあ 座る んだ |すわる|

と いう か ―

俺 の こと 覚えて くれて た んだ ね おれ|||おぼえて|||| You remembered me, didn't you?

訓練 施設 の 際 と くんれん|しせつ||さい| At training facilities and

決戦 前夜 の 2 回 お 会い し ました けっせん|ぜんや||かい||あい|| We met twice on the eve of the final battle.

うん   そう だ ね

何 して た の ? なん||| What did you do?

( ヴァイオレット ) ギルベルト 少佐 に ― ||しょうさ|

報告 書 を 書いて おり ました ほうこく|しょ||かいて|| I was writing a report.

文字 を 書く こと は もじ||かく|| Writing is a form of

状態 復帰 に も いい と 言わ れ ました ので じょうたい|ふっき|||||いわ||| I was told that it is also good for recovery.

それ で 少佐 は ? ||しょうさ| And you, Major?

( ホッジンズ ) 安心 して よ ヴァイオレット ちゃん |あんしん||||

俺 は あいつ から 頼ま れて 来た んだ おれ||||たのま||きた| I'm here because he asked me to.

( ヴァイオレット ) ハァ …

では ご 無事な のです ね ||ぶじな|| So you're safe.

大戦 に は 勝った と お 医者 様 から 教えて いただき ました たいせん|||かった|||いしゃ|さま||おしえて|| The doctor told me that you won the war.

少佐 は 今 どんな 任務 に ? しょうさ||いま||にんむ| What is your mission now, Major?

いつ 合流 すれば よろしい でしょう か ? |ごうりゅう|||| When would you like me to join you?

( ホッジンズ ) とにかく 着替えて ||きがえて (Anyway, get dressed.

その 間 に 車 を 出して もらう から |あいだ||くるま||だして|| I'll have my car out in the meantime.

( 看護 師 ) これ やっと 届いた あなた の 荷物 よ かんご|し|||とどいた|||にもつ| (This is your package that finally arrived.

ずいぶん 遠く の 陸軍 基地 に ― |とおく||りくぐん|きち| It's a long way from here, on an army base.

間違って 運ば れちゃ って た みたい まちがって|はこば|||| It looks like it was taken by mistake.

( ヴァイオレット ) ブローチ … |ぶろーち

エメラルド の ブローチ が … ||ぶろーち|

え ?

あなた が 見つかった 現場 と 駐屯 地 に あった 荷物 は ― ||みつかった|げんば||ちゅうとん|ち|||にもつ| The package you were found with at the scene and on the garrison ground

これ だけ だ と …

( ヴァイオレット ) ない なら 捜し に 行か なければ … |||さがし||いか| (If it's not there, we should go look for it.

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん !

( ヴァイオレット ) 頂いた 物 な のです |いただいた|ぶつ|| (It was a gift.

少佐 に 頂いた 物 な のです ! しょうさ||いただいた|ぶつ|| It was given to me by Major!

分かった わかった

捜して おく から さがして|| Find it.

俺 が 必ず おれ||かならず I'll make sure of it.

ですが …

( ホッジンズ ) とにかく ―

君 は 俺 に 同行 する きみ||おれ||どうこう|

それ が あいつ の 命令 だ ||||めいれい| Those are his orders.

命令 ? めいれい

分かり ました わかり|

( ヴァイオレット ) 少佐 に ― |しょうさ|

次の 命令 を 頂ける の は いつ な のでしょう ? つぎの|めいれい||いただける||||| When will I get my next order?

このような 状態 で は |じょうたい|| In this situation, the

できる 任務 に 制限 が ある と 思い ます が |にんむ||せいげん||||おもい||

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

退院 祝い たいいん|いわい Discharge from hospital

好み が 分か ん なくて 3 つ 買った んだ けど ― よしみ||わか||||かった|| I couldn't decide which one I liked best, so I bought three.

どうか な ? What do you think?

不要です ふようです Not required.

いや あ … どれ か 選ば ない と ||||えらば|| Well, I have to choose one.

世界 が 終わる と 仮定 して は い せかい||おわる||かてい||| Let's not assume that the world is going to end.

3 2…

( ヴァイオレット ) で は 子 犬 を ( ホッジンズ ) はい |||こ|いぬ|||

( ホッジンズ ) どうして 子 犬 を 選んだ の ? ||こ|いぬ||えらんだ|

以前 少佐 の 兄 上 に いぜん|しょうさ||あに|うえ|

“ お前 は ギルベルト の 犬 だ な ” と 言わ れ ました ので おまえ||||いぬ||||いわ||| He told me, "You are Gilbert's dog.

( せきばらい )

少し 長い 旅 に なる よ すこし|ながい|たび|||

この 辺り の 線路 が 爆撃 で 壊れて 使え ない から |あたり||せんろ||ばくげき||こぼれて|つかえ|| The tracks around here were damaged by the bombing and are unusable.

ライデン に は 行った こと あった っけ ? |||おこなった||| Have you ever been to Leiden?

いえ

( ヴァイオレット の 荒い 息遣い ) ||あらい|いきづかい (Violet's breathing is ragged.)

( ギルベルト ) ヴァイオレット

君 は 生きて ― きみ||いきて

自由に なり なさい じゆうに|| Be free

( 荒い 息遣い ) あらい|いきづかい

心から … こころから

( ホッジンズ ) ここ に いた の ?

中佐 ちゅうさ

( ホッジンズ ) 見えて きた ね |みえて|| (I can see it now.

ライデン の 港 ||こう

( ホッジンズ ) ギルベルト は 戦争 が 終わった あと の ― |||せんそう||おわった|| (Gilbert was a man who, after the war was over...

君 の 身 の 振り 方 を ずっと 案じて いて ね きみ||み||ふり|かた|||あんじて|| I've been wondering what you're going to do with yourself.

だから 自分 の 親戚 筋 で ― |じぶん||しんせき|すじ| So, I'm going to use my own relatives.

一 番 信頼 できる エヴァーガーデン 家 に ― ひと|ばん|しんらい|||いえ|

君 を 預け たい と 言って いた んだ きみ||あずけ|||いって||

( ホッジンズ ) 連絡 を 取ったら ご 夫妻 と も ― |れんらく||とったら||ふさい||

喜んで 君 の 身元 引受 人 に なる こと を ― よろこんで|きみ||みもと|ひきうけ|じん|||| I am willing to be your sponsor.

了承 して くださった よ りょうしょう||| He's agreed to do it.

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ティファニー ) よく 来た わ ね ||きた||

( ホッジンズ ) さあ   ヴァイオレット ちゃん

こちら エヴァーガーデン 家 の 奥 方 ||いえ||おく|かた This is Evergarden, the lady of the house.

ご挨拶 して ごあいさつ|

いや おじぎ で いい んだ けど … No, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no, no...

( ティファニー ) 今 だ と アンシェネ から 3 日 がかり かしら ? |いま|||||ひ||

( ホッジンズ ) ええ

本来 なら 1 日 で 戻れた んです が ― ほんらい||ひ||もどれた|| Normally, I would have been back in a day.

4 年 も 大戦 が 続き ました から ね とし||たいせん||つづき|||

復旧 に は まだまだ 時間 が かかり そうです ふっきゅう||||じかん|||そう です

さあ ヴァイオレット

あなた も 飲んで ちょうだい ||のんで| You, too. Take a drink.

あっ ! ごめんなさい

無理 し なくて いい の よ むり|||||

大変 ! ヤケド する わ たいへん|||

問題 あり ませ ん もんだい|||

熱 さ は 感じ ませ ん ねつ|||かんじ||

でも 包帯 が … 早く 冷やさ ない と |ほうたい||はやく|ひやさ||

オリバー 氷 を 持ってきて ! |こおり||もってきて

( オリバー ) 承知 し ました |しょうち||

あっ !

( ヴァイオレット ) アダマン 銀 で 出来た 腕 です ||ぎん||できた|うで| (An arm made of adamantine silver.

無骨 です が 頑丈 です ぶこつ|||がんじょう| Rugged but sturdy

まだ 不慣れ です が |ふなれ|| I'm still new at this.

いずれ 支障 なくなる と 思わ れ ます |ししょう|||おもわ|| I think it will be a problem soon.

ん …

ちょっと こっち へ 来て もらえる かしら ? |||きて|| Can you come over here for a minute?

私 が 若い ころ に 使って た 物 だ けど わたくし||わかい|||つかって||ぶつ|| I used to use them when I was younger.

いい です ね

はめて ごらん Try it on. Try it on.

うん   似合って る よ |にあって|| Yeah, it looks good on you.

( ティファニー ) ホント |ほんと

じゃあ 私 は これ で |わたくし|||

会社 に 戻ら なくて は なら ない ので かいしゃ||もどら||||| I have to go back to work.

( ティファニー ) あら

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん

ティファニー さん の おっしゃる こと を I'd like to echo what Tiffany said.

よく 聞く んだ よ |きく||

( ティファニー ) いい の よ

そんなに 気 を 使わ なくて も |き||つかわ|| You don't have to be so careful.

本当の 親 だ と 思って 何でも 言って ちょうだい ほんとうの|おや|||おもって|なんでも|いって| Just think of me as your real parent, and tell me everything.

ねっ ?

( ヴァイオレット ) 私 に は ― |わたくし||

もともと 親 は おり ませ ん ので 代わり も 不要 です |おや||||||かわり||ふよう| We don't have a parent, so we don't need a replacement.

そう 言わ ないで |いわ| Don't say that.

うち に は 息子 が いたんだ けど ― |||むすこ||| I had a son.

大戦 で 亡くなって しまって たいせん||なくなって| He died in the Great War.

( ヴァイオレット ) 私 は 亡くなった 子供 の 代わり に は なり 得 ませ ん |わたくし||なくなった|こども||かわり||||とく|| (I can't take the place of a dead child.

まあ

ヴァイオレット ちゃん

ここ で 幸せに 暮らす こと が ギルベルト の 望み なんだ ||しあわせに|くらす|||||のぞみ| It's Gilbert's wish that we live happily ever after here.

だから 分かった ね ? |わかった| So you get it, right?

( ヴァイオレット ) 少佐 は ― |しょうさ|

ギルベルト 少佐 は ― |しょうさ|

どうして 私 を ここ に 置く のです か ? |わたくし||||おく||

私 が 腕 を 失って ― わたくし||うで||うしなって When I lost my arm...

武器 と して の 価値 が なくなった から です か ? ぶき||||かち||||| Is it because it has lost its value as a weapon?

訓練 さえ すれば 私 は まだ 戦え ます ! くんれん|||わたくし|||たたかえ| If only I could train, I would still be able to fight!

ヴァイオレット ちゃん もう 戦争 は 終わった んだ |||せんそう||おわった|

( ヴァイオレット ) 私 は 少佐 の 道具 です |わたくし||しょうさ||どうぐ|

ですが 不要に なった の なら ― |ふように||| But if you no longer need it...

処分 さ れる べき です しょぶん|||| They should be punished.

捨てて ください すてて| Please throw it away.

どこ か に 捨てて ください |||すてて| Please throw it away somewhere.

( ヴァイオレット ) ホッジンズ 中佐 … ||ちゅうさ (Violet Hodgins, Lieutenant Colonel...

( ホッジンズ ) ああ 言い 忘れた んだ けど ― ||いい|わすれた|| (Oh, I forgot to tell you.

軍 は 辞めた んだ ぐん||やめた|

俺 は もう 中佐 じゃ ない おれ|||ちゅうさ||

( ヴァイオレット ) で は 何と お呼び すれば ? |||なんと|および|

( ホッジンズ )“ 社長 ” かな |しゃちょう|

ここ は 俺 の 会社 だ ||おれ||かいしゃ|

古い 邸宅 を 買い取って 少し 手 を 入れた んだ ふるい|ていたく||かいとって|すこし|て||いれた| I bought an old mansion and did a little work on it.

1 階 は 受付 窓口 に なって る かい||うけつけ|まどぐち||| The first floor is a reception area.

( リリアン ) お 客 様 ||きゃく|さま

こちら の 伝票 に 配達 先 と ||でんぴょう||はいたつ|さき| Please write the delivery address on this form.

差出人 様 の ご 住所 を お 願い いたし ます さしだしにん|さま|||じゅうしょ|||ねがい||

( ネリネ ) 配達 まで に は 3 日 少々 お 時間 を 頂いて おり ます |はいたつ||||ひ|しょうしょう||じかん||いただいて|| (Please allow 3 days for delivery.

( ホッジンズ ) 2 階 は 事務 所 と 代筆 部門 |かい||じむ|しょ||だいひつ|ぶもん

( ヴァイオレット ) 代筆 ? ( ホッジンズ ) ああ |だいひつ||

( ホッジンズ ) 依頼 者 の 要望 に 応じて 手紙 と か を 代わり に 書く 部門 な んだ |いらい|もの||ようぼう||おうじて|てがみ||||かわり||かく|ぶもん|| (It's a department that writes letters and things like that on behalf of clients.

まだ 字 が 書け ない 人 も 多い から ね |あざ||かけ||じん||おおい|| Many people can't write yet.

( ヴァイオレット ) 私 も 書け ませ ん でした |わたくし||かけ|||

少佐 に 教えて いただく 前 は しょうさ||おしえて||ぜん| Before you taught me.

そ っか

戦争 が 終わったら 何 か 事業 を 始めよう と 思って いて ね せんそう||おわったら|なん||じぎょう||はじめよう||おもって|| I was thinking of starting some kind of business after the war.

政府 の 郵政 業務 は 民間 に まで 手 が 回って い ない から ― せいふ||ゆうせい|ぎょうむ||みんかん|||て||まわって||| The government's postal services are not being handled by the private sector.

いける んじゃ ない か と 思って さ |||||おもって| I thought it might work.

で 命令 だ |めいれい|

ヴァイオレット ・ エヴァーガーデン

ギルベルト は 君 を 俺 に 託した ||きみ||おれ||たくした Gilbert left you to me.

だから 代わり に 命令 を 下す |かわり||めいれい||くだす So I'm giving the order instead.

君 は まだ 役 に 立つ きみ|||やく||たつ You're still useful.

働ける   ここ で な はたらける||| I can work here.

ベネディクト

( ベネディクト ) 何 だ よ ? 社長 |なん|||しゃちょう

( ホッジンズ ) そこ は “ 何で しょうか ? 社長 ” だ ろ |||なんで||しゃちょう|| (What is that? It's the boss.

( ベネディクト ) で 何 だ よ ? ||なん||

イッテー な ! 何 な んだ よ ! ||なん|||

( ホッジンズ ) お前 今 わざと ! |おまえ|いま| (You did that on purpose!

こいつ は ポスト マン の ベネディクト ||ぽすと|まん|| This is Postman Benedict.

会社 作る 前 から の 腐れ縁 で ね かいしゃ|つくる|ぜん|||くされえん|| We've had a long-standing relationship since before we formed the company.

ベネディクト

彼女 は ヴァイオレット かのじょ||

今日 から ポスト マン と して 働く きょう||ぽすと|まん|||はたらく Starting today, I'll be working as a postman.

こんな ガキ が ? |がき| A kid like this?

( ホッジンズ ) 任務 遂行 能力 は 抜群だ |にんむ|すいこう|のうりょく||ばつぐんだ (Your ability to accomplish this mission is outstanding.

俺 は 銀行 回って くるんで ― おれ||ぎんこう|まわって|

お前 いろいろ 教えて やって ね おまえ||おしえて|| You, teach me all kinds of things.

ハァ …

荷物 ここ な にもつ|| Luggage here.

( ヴァイオレット ) 了解 し ました |りょうかい||

( ベネディクト ) 制服 |せいふく

着替えて きがえて Get dressed.

了解 し ました りょうかい||

お前 ! ちょ … ちょっと 待て ! おまえ|||まて You! Wait a minute!

あー デカ いな Oh, it's huge.

問題 あり ませ ん もんだい|||

( ベネディクト ) それ は 外した ほう が よく ない か ? |||はずした||||| (Wouldn't it be better to remove that?

郵便 物 分ける の は 難しい か ? ゆうびん|ぶつ|わける|||むずかしい| Is it difficult to separate mail?

( ヴァイオレット ) いえ 大きく 問題 は あり ませ ん ||おおきく|もんだい|||| (No, there's no big problem.

( ベネディクト ) ここ に 書いて ある とおり 別に ― |||かいて|||べつに (I'll tell you exactly what it says here.

そこ の 棚 に 入れる んだ ||たな||いれる| Put it on the shelf right there.

郵便 物 は どっさり ある けど 焦 ん なくて いい から な ゆうびん|ぶつ|||||あせ||||| There's a lot of mail, but there's no need to rush.

2 階 に 休憩 室 も あっ から かい||きゅうけい|しつ||| There was also a rest room on the second floor.

了解 し ました りょうかい||

( ベネディクト ) じゃあ な

( ヴァイオレット ) もう すぐ 任務 完了 です |||にんむ|かんりょう|

( ベネディクト ) ずっと やって た の か ? (Have you been doing this for a long time?

休憩 も 取ら ず に ? きゅうけい||とら|| Without even taking a break?

( ヴァイオレット ) 長 時間 の 作戦 に は 慣れて い ます |ちょう|じかん||さくせん|||なれて|| (I'm used to long missions.

ハァ …

じゃあ 今度 は 配達 行って みる か |こんど||はいたつ|おこなって|| I'll try delivery next time.

配達 ? はいたつ

( ベネディクト ) 書か れた 住所 の とおり に 手紙 を 届ける んだ よ |かか||じゅうしょ||||てがみ||とどける||

じゃあ 俺 帰る から |おれ|かえる| Okay, I'm going home.

また 明日 な |あした|

( ホッジンズ ) ハァ …

“ 業績 を 見て から 融資 を 検討 する ” ね ぎょうせき||みて||ゆうし||けんとう|| "We will consider financing after looking at the business performance.

夜間 の 配達 やって る とこ も ある の か やかん||はいたつ||||||| Do some companies offer nighttime delivery?

うち に は まだ 無理 … ||||むり We're not ready for this...

( ホッジンズ ) ヴァイオレット ちゃん !

ハァ ハァ …

何 やって る の ? なん||| What are you doing?

配達 です はいたつ|

( ベネディクト ) いや 俺 配達 は 明日 の つもり だった んだ けど ||おれ|はいたつ||あした||||| (No, I was going to deliver it tomorrow.

( ホッジンズ ) それ と 仕事 の 途中 に ちゃんと 休憩 取って ね |||しごと||とちゅう|||きゅうけい|とって| (And be sure to take breaks during work.

退院 した ばかりな んだ し たいいん|||| I just got out of the hospital.

問題 あり ませ ん もんだい|||

お前 な おまえ| You.

ある んだ よ 問題 が |||もんだい| I have a problem.

ヴァイオレット ちゃん 食べて い いよ ||たべて|| You can have it, Violet.

食べ ます たべ|

食べたら 会社 まで 送って いく よ たべたら|かいしゃ||おくって|| I'll walk you back to the office after you eat.

屋根 裏 しか 空いて ない けど ― やね|うら||あいて|| The only vacant space is in the attic, but...

寝泊まり できる ように して おいた から ねとまり||||| I made sure that you had a place to sleep.

ああ … エヴァーガーデン 家 は ||いえ| Oh ... Evergarden, the house.

身元 引受 人 に は なって くれる そうだ みもと|ひきうけ|じん|||||そう だ He'll be able to underwrite the case.

君 が 成人 する まで きみ||せいじん|| Until you come of age.

でも 屋敷 に 置く の は … |やしき||おく|| But to put it in the mansion...

問題 あった んだ な もんだい||| There was a problem, wasn't there?

( ベネディクト ) イッタ !

お前 ! 俺 が やんわり 言って ん のに ! おまえ|おれ|||いって||

お前 ! 俺 が やんわり 言って ん のに ! おまえ|おれ|||いって||

( ベネディクト ) 知ら ねえ よ |しら||

( ベネディクト ) じゃ また 明日 な |||あした|

( ホッジンズ ) 送る よ |おくる| (I'll send it.

君 は ギルベルト から 最後に どんな 命令 を もらった ? きみ||||さいごに||めいれい||

( ヴァイオレット ) “ 逃げて 自由に 生きろ ” と |にげて|じゆうに|いきろ|

それ から

あ …

( ホッジンズ ) 君 は 小さい ころ から ずっと 軍 に いて ― |きみ||ちいさい||||ぐん|| (You've been in the military since you were a little girl.

任務 を 遂行 する だけ の 毎日 を 送って きた にんむ||すいこう||||まいにち||おくって| I've spent my entire life just doing my job.

でも これ から 君 は たくさんの こと を 学ぶ よ |||きみ|||||まなぶ| But you'll learn a lot from this.

だけど 学ば ない ほう が ― |まなば||| But it's better not to learn.

知ら ない ほう が 楽に 生き られる かも しれ ない しら||||らくに|いき|||| Maybe it's easier to live without knowing.

君 は 自分 が して きた こと で ― きみ||じぶん||||| Because of what you've done.

どんどん 体 に 火 が ついて ― |からだ||ひ|| My body was on fire, and it was getting hotter and hotter.

燃え上がって いる こと を まだ 知ら ない もえあがって|||||しら| They don't know it's burning yet.

燃えて い ませ ん もえて||| Not burning.

( ホッジンズ ) 燃え てるよ |もえ| (I'm on fire.

燃えて い ませ ん おかしい です もえて||||| It's not burning. It's not right.

( ホッジンズ ) いや ―

燃えて る んだ もえて||

俺 は そんな 君 を 見て いて 放置 した おれ|||きみ||みて||ほうち| I watched you, and I left you alone.

だから ギルベルト に 君 を 託さ れた とき |||きみ||たくさ||

これ は 俺 の 機会 だ と 思った ||おれ||きかい|||おもった I thought this was my chance.

いつか 俺 が 言った こと が 分かる とき が 来る |おれ||いった|||わかる|||くる Someday you'll understand what I'm talking about.

そして 初めて ― |はじめて And for the first time--

自分 が たくさん ヤケド して いる こと に 気づく んだ じぶん||||||||きづく| You realize you're getting burned a lot.

( ヴァイオレット が 手 を 開く 音 ) ||て||あく|おと (sound of violet opening her hand)

( 男性 ) ドール さん ? だんせい|どーる|

いえ   私 は ヴァイオレット です |わたくし|||

( 男性 ) あっ … だんせい|

えっ と … ミス ・ ヴァイオレット ||みす|

代筆 を 頼み たい んだ けど だいひつ||たのみ|||

代筆 ? だいひつ

( 男性 ) うん だんせい|

僕 字 が 書け なくて ぼく|あざ||かけ|

だから 代わり に 手紙 を 書いて ほしい んだ |かわり||てがみ||かいて||

( ヴァイオレット ) 何 を 書く のです か ? |なん||かく||

あっ …

ここ で 話す の かい ? ||はなす||

何 か 問題 が あり ます か ? なん||もんだい||||

え ?

えっ と その …

田舎 に いる 幼なじみ に いなか|||おさななじみ|

あいつ ほか の 男 と の 縁談 が ある って 聞いて |||おとこ|||えんだん||||きいて

だから ―

伝えて ほしい んだ ! つたえて||

( 男性 )“ 僕 に 初めて 優しく して くれた の は …” だんせい|ぼく||はじめて|やさしく||||

( カトレア )“ 君 だった ” |きみ|

“ 君 が 世界 の すべて だった ” きみ||せかい|||

“ 君 の ため なら 僕 は 何でも できた ” きみ||||ぼく||なんでも|

( ギルベルト ) 行け ! |いけ

( カトレア ) “ 君 の 気持ち が 知り たい ” |きみ||きもち||しり|

“ 君 の 心 を 分かり たい ” きみ||こころ||わかり|

“ 今 は 離れて いる けれど ” いま||はなれて||

“ 君 の こと を …” きみ|||

“ 愛して る ” あいして|

で よろしい でしょう か ?

はい

“ 愛して る ” あいして|

では 配送 手続き は ― |はいそう|てつづき|

1 階 の 受付 で お 願い いたし ます かい||うけつけ|||ねがい||

旦那 様 だんな|さま

自動 手記 人形 サービス の ご 利用 じどう|しゅき|にんぎょう|さーびす|||りよう

誠に ありがとう ございました まことに||

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

で あなた は 誰 ? |||だれ

どうして 分かる のです か ? |わかる||

え ?

( ヴァイオレット ) 先ほど の 方 の “ 愛して る ” が |さきほど||かた||あいして||

なぜ 分かる のです か ? |わかる||

( ホッジンズ ) 自動 手記 人形 の 仕事 が し たい ? |じどう|しゅき|にんぎょう||しごと|||

( ヴァイオレット ) はい

ペン を 握る の は まだ 困難 です   ― ぺん||にぎる||||こんなん|

タイプ ライター なら 操作 可能 です たいぷ|らいたー||そうさ|かのう|

( ホッジンズ ) いや そう じゃ なくて

聞き たい の は どうして その 仕事 が ? きき||||||しごと|

知り たい のです ! しり||

“ 愛して る ” を あいして||

知り たい のです しり||

少佐 は 最後 の 命令 の あと に ― しょうさ||さいご||めいれい|||

その 言葉 を 私 に おっしゃい ました |ことば||わたくし|||

少佐 から その 言葉 が 出た の は 初めて でした しょうさ|||ことば||でた|||はじめて|

それ は どのような 状態 を 意味 する の か ― |||じょうたい||いみ|||

私 に は 理解 でき ない のです わたくし|||りかい|||

( ホッジンズ ) 普通 は |ふつう|

それ が 分かる から 自動 手記 人形 に なる んだ けど ね ||わかる||じどう|しゅき|にんぎょう|||||

でも

いい よ

( ホッジンズ ) ギルベルト の 命令 に ただ 従って いた 彼女 が ― |||めいれい|||したがって||かのじょ|

( ドア が 開く 音 ) 初めて 自分 の 意志 を 主張 した どあ||あく|おと|はじめて|じぶん||いし||しゅちょう|

心 を 持た ない 道具 と 言わ れた 彼女 が ― こころ||もた||どうぐ||いわ||かのじょ|

“ 愛して る を 知り たい ” と 言った あいして|||しり|||いった

( ヴァイオレット 荒い 息 ) |あらい|いき

う っ

絶対 ! 絶対 少佐 を 死な せ ませ ん ! ぜったい|ぜったい|しょうさ||しな|||

ん っ … ん ん ー ! ||||-

( ギルベルト ) やめろ

もう やめて くれ !

生きる んだ いきる|

ヴァイオレット

君 は 生きて ― きみ||いきて

自由に なり なさい じゆうに||

心から ― こころから

愛して る あいして|