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屍鬼, Shiki Episode 20

Shiki Episode 20

( 武雄 ) こいつ が うち の 娘 を 殺し た ん だ ! →

うち の 娘 を 殺し た ん だ ! !

( 敏夫 ) 俺 は 屍 鬼 を 狩 ろ う と 思う 。

( 村人 たち ) う お ー !

( 富雄 ) おら ぁ !

( 広沢 ) い ない です ね 。 ( 敏夫 ) 連中 の 隠れ家 と して →

使わ れ て た こと は 間違い ない よう だ が 。

( 田代 ) 敏夫 ! これ … 。

( 広沢 ) い た … 。 ( 富雄 ) 開け て いい か ね ?

( 富雄 ) 大塚 製材 の 息子 さん だ 。

朝 の 光 を 手放し た 花

注が れ ない 雨 を 求め

覚め ない 眠り に つく

誰 か を そっと 呼ぶ 声

闇 の 楽園 は

嘘 か 夢 か

失う の は 身体 と

自分 と いう 心

その 対価 を 差し出し

何 を 得 られる の だ ろ う

この 涙 で 奪え る 程 に

命 は 脆く て 儚く て

全て に 訪れる

終わり を

「 恐怖 」 と 嘆く の か

終演 を 歌う 金 盞花

静か に 咲き誇る

憎しみ も

悲しみ も

その 根 で た くり 寄せ て

終焉 を 歌う 金 盞花

寂し さ を 潤す

注が れ ない 雨 を 求め て

覚め ない 眠り に つく

( 康幸 ) う ぅ ぅ ! やめ て ! やめ て もう ! あぁ ぁぁ !

田代 さん 。 くい !

( 広沢 ) どう する ん です ? ( 富雄 ) どう する も こう する も →

片付け ない こと に は 始まら ん だ ろ う が 。 →

とっとと やって か ない と 日 が 暮れ ち まう 。

あぁ … 。 それ は そう です ね 。

( 富雄 ) 怖い ん だったら ど っか その辺 を 捜し て き たら どう かね ?

ほか に も もっと 隠れ て いる かも しれ ない 。

ああ … そうだ ね 。

( 康幸 ) う わ ぁ ぁ ! ぐ ぅぅ ぅぅ !

( 田代 ) 敏夫 。 こいつ ら が やった ん だ な ?

こいつ ら が 息子 を … 。

( 敏夫 ) そうだ 。

( 田代 ) ここ か ? ( 敏夫 ) もう 少し … 。 ここ だ 。

( 康幸 ) う わ ぁ ぁ ! ( 田代 ) 動く ん じゃ ねえ ! !

( 康幸 ) ぐ わ ぁ ぁぁ ぁ !

首 は どう し ます か ? ( 敏夫 ) えっ ?

( 田代 ) 一思いに 落と そ う 。 →

なた を 使え ば いい の か ? ( 敏夫 ) 大丈夫 だ 。 →

間違い なく 急所 に 入って る 。 首 は いい 。

( 広沢 ) い た ぞ こっち に も ! ( 富雄 ) どこ だ ! ?

( 敏夫 ) 《 こんな もの か … 》

( 厚子 ) 先生 ! 若 先生 !

病院 が … 。 大奥 さん が … 。

( 田代 ) 敏夫 。

あんた ら も 家族 に は 注意 さ せ た 方 が いい 。

( 武雄 ) じゃあ … 。

( 敏夫 ) 俺 に 対 する 報復 だ ろ う 。 →

これ 以上 余計 な こと を する な と いう ね 。

( 広沢 ) あ … あの 窓 の 文字 は どういう … 。

( 敏夫 ) 言葉 どおり さ 。

母 は 起き上がら ない 。

襲わ れ た の で は なく 殺さ れ た から だ 。

( 女性 ) えっ ! ( 女性 ) どうして ?

逆らった から 仕返し さ れ た の よ 。 ( 広沢 ) ちょっと … 。

奥さん は ただ 死 ん じゃ った ん だ わ 。 →

殺さ れ たら 起き上がって 生き返る こと も でき ない 。

( 富雄 ) おい ! それ は どういう 意味 だ ?

殺さ れる の に 比べ たら 起き上がって 鬼 に なって →

人殺し を し た 方 が まし だって 意味 か ! ?

そういう わけ じゃ … 。 ( 敏夫 ) 大川 さん 。

とにかく 死体 を 運び出す ん だ 。

それ から 誰 か 落書き を 消し て くれ 。

( 田代 ) 敏夫 。 どう し た ?

( 敏夫 ) 上 に いる 。

あっ !

( 富雄 ) あっ ! →

篤 ぃぃ ぃ ! !

( 篤 ) う ぅ … 。 あっ … 。 ( 富雄 ) この くそ ガキ が !

( 武雄 ) 大川 さん … 。 ( 富雄 ) くい !

篤 君 … 。

この ガキ 大奥 さん を 殺し や がった ん だ 。

ろく でも ねえ ガキ だ と は 思って い た が →

ここ まで 性根 が 腐って る と は 思わ なかった !

( 広沢 ) でも … 。 ( 富雄 ) 同情 なんか し て もらう →

必要 は ねえ !

て め え の 息子 が やら かし た こと 。

て め え で 片 付ける の が 親 の 責任 って もん だ ! ! →

他人 に 仕置 き し て もらう の は それ こそ 筋違い だ ろ う 。 →

ここ で 間違い ない か ね ?

でき たら あんまり 苦しめ たく ない んで ね 。

間違い ない 。 ( 篤 ) 親父 ぃぃ !

勘弁 ! 勘弁 し て くれ よ ー ! 勘弁 ! ! あぁ ! あぁ ぁ … 。

( 富雄 ) 篤 ぃぃ ぃ ! !

ぬ ぉぉ ぉ ! ! ( 篤 ) あぁ ぁぁ ! !

( 男性 ) よし ! ( 男性 ) よい しょ ! よっ !

( 富雄 ) こんなに いやがった の か ! ( 敏夫 ) 《 少ない な … 》

先生 。 この 死体 どう し ます ? ( 敏夫 ) うん ?

( 富雄 ) いっそ 火葬 に でも し ち まった 方 が 早く ない です か ?

( 敏夫 ) いや 人 一 人 荼毘 に する の に は →

相当 な 火力 が 必要 な ん だ 。 →

土葬 の 外 場 村 で そんな 盛大 な たき火 を し たら →

右 から 左 に 消防 車 が 駆け付け て くる 。

それ に こんな もん じゃ ない ん だ 。 ( 富雄 ) えっ ?

最低 でも この 数 倍 。

たかが 20 と いう こと は 絶対 に ない 。 ( 富雄 ) でも … 。

どこ か に まだ 隠れ家 が ある ん だ 。 それ も かなり の 規模 の もの が 。

村中 捜し た ん だ が … 。

どこ か に 見落とし が ある ん だ 。 ( 富雄 ) うーん … 。

あと は 地面 の 下 ぐらい です よ 。

( 敏夫 ) うん ? ( 富雄 ) 見 て ねえ の は 。

それ だ ! ( 富雄 ) は っ ?

地下 だ よ 。 地下 トンネル だ 。 田 茂 さん ! →

あんた 水利 組合 に 顔 出し て た よ な 。

( 田 茂 ) は あ … 。 ( 敏夫 ) この 時 季 地下 トンネル は →

どう なって る ん だ ? ( 田 茂 ) パイプライン です か ? →

今 は 農閑期 な ん で 水 は 入って ませ ん ね 。

人 は 出入り できる ? ( 田 茂 ) ええ できる はず です よ 。

取り入れ口 は 閉まって る けど ポンプ 小屋 から は 出入り でき ます 。

それ だ ! 連中 そこ に 逃げ や がった ん だ !

( 田 茂 ) 案内 し ます 。

( 富雄 ) 先生 ! !

( 敏夫 ) 銃 だ !

えっ ! ? な … ? ( 着 弾 音 )

( どよめき )

( 敏夫 ) あそこ だ !

( 正 志郎 ) なぜ 邪魔 を する ん です か ?

人 狼 に なれ た お 前 が なぜ 邪魔 を する の か 。

失礼 だ が この 桐 敷 正 志郎 →

理解 に 苦しむ 。 ( 銃声 )

( 夏野 ) 俺 は 起き上がり を 許す つもり は ない 。

自分 が 人 狼 に なって も だ 。

フッ 。

屍 鬼 の 存在 は →

世間 一般 の 価値 基準 で 言う なら 悪 な の でしょ う 。 →

人 を 殺し て 生き て いる わけ です から →

文字どおり の 人でなし です 。 →

でも 屍 鬼 が 人 を 狩って なぜ いけない ん です ? →

人 だって 人 を 狩る で は あり ませ ん か 。 →

わたし の 父親 も そういう 人間 で し た 。

自分 の 欲望 を 満たす ため 優越 感 を 満たす ため に →

人 を 狩って そして 引き裂く 。 →

わたし は ずっと わたし を 虐げ た もの に →

復讐 し たい と 思って い まし た 。

わたし は ね 加害 者 に なり たかった ん です よ 。

屍 鬼 に なり たかった の か ?

そう です ね … 。 そうです 。

( 男性 ) い た ぞ ! ( 男性 ) こっち だ !

屍 鬼 に なり たい ん です よ わたし は 。

( 銃声 )

( 沙 子 ) 室井 さん ?

( 物音 )

( 沙 子 ) 室井 さん ! ( 物音 )

( 扉 の 開く 音 )

( 辰巳 ) どうやら ここ は 見つから ず に 済 ん だ よう です ね 。

( 沙 子 ) 村 は ? ( 辰巳 ) ひどい こと に なって る 。 →

3 割 以上 の 連中 が やら れ た だ ろ う 。

( 沙 子 ) 正 志郎 は ? ( 辰巳 ) 戻って き て ない 。 →

もう 駄目 だ 。 逃げ た 方 が いい 。 と 言い たい ところ だ けど →

今 は まだ 動け ない ん だ 。 →

屋敷 の 周辺 に ハンター が たむろ し てる 。 →

何とか 闇 に 乗じ て 忍び込 ん で こ られ た けど … 。 →

沙 子 ?

捜し に 行か なきゃ 。

千鶴 が 死 ん で 正 志郎 は 冷静 な 判断 が でき なく なって る ん だ わ 。

正 志郎 なら 大丈夫 です 。 ( 沙 子 ) でも … !

しっかり し なさい ! →

何とか 退路 を 見つけ て くる から 。 迎え に 来る まで 動か ない よう に 。

室井 さん が いる でしょ う 。

ここ に いる ん だ 。 いい ね ?

食事 を さ せ て ください 。

( 静 信 ) どうぞ 。 →

いや … 。 こちら に し ます か ?

どちら でも 。

不思議 だ ね 。 千鶴 さん の 死 を 聞い た とき →

悲し さ を 隠し 毅然 と 振る舞って い た 沙 子 が →

正 志郎 氏 が 戻ら ない こと で 取り乱し て いる 。

不思議 で は あり ませ ん よ 。

正 志郎 氏 が 父親 の よう な もの だ から ?

屍 鬼 で ある 自分 を 許し て くれ た 人間 だ から です よ 。

( 律子 ) う ぅ ぅぅ … 。 →

う っ … あっ ! う ぅ ぅぅ !

( 徹 ) あぁ ぁぁ !

( 律子 ) ハァ … う っ … ! →

ハァ ハァ … う ぅ ぅ ! う っ !

( 徹 ) 襲い たい ん だ ろ ! ? 腹 が 減って る ん だ ろ ! ? →

だったら 襲って くれよ !

( 律子 ) 嫌 … 。

連中 が 踏み込 ん で き たら あんた だって 殺さ れる ん だ !

そう やって 我慢 し た って 誰 も あんた を 褒め たり し ない ん だ よ !

( やす よ ) あっ !

( 律子 ) 嫌 な の … 。

お 願い 。 わたし か やす よ さ ん か どちら か を 出し て 。

( 徹 ) 駄目 だ … 。

( 律子 ) 襲い たく ない の 。 →

それ を し たら わたし 自分 を 嫌い に なる 。 →

あなた み たい に →

自分 を 憎 ん で しまわ ない と いけなく なる の 。 →

お 願い だ から やす よ さ ん を どこ か に やって 。

( 徹 ) そういう こと を する と 俺 が しから れる ん だ 。

( 律子 ) 分かって る 。

俺 の 家族 が 襲わ れる 。 報復 さ れる ん だ 。

( 律子 ) 分かって る わ … 。

お 願い 。

( 徹 ) 出ろ 。 あんた の 方 が 出る ん だ 。

( 律子 ) やす よ さ ん 逃げ て ! ( 徹 ) くっ !

何 やって ん だ よ ! こいつ を 逃がし たら 終わり だ ろ !

こいつ が 仲間 を 呼 ん で 俺 たち は 殺さ れ て しまう !

う ぅ … 。

わたし だって 死に たく ない … 。 →

でも やす よ さ ん に も あなた に も 死 ん で ほしく ない !

人 が 死ぬ の は 嫌 な の 。 それ を 平気 で い られる ぐらい なら →

看護 師 なんか に なったり し ない わ 。 →

ずっと 人 を 助ける ため に 働 い て き た の 。 →

それ が わたし の 誇り だった 。

でも 並び 立た ない の よ 。 分かる でしょ う ?

自分 が 生きる と いう こと は →

自分 以外 の 誰 か が 死ぬ こと に なる の 。

( 律子 ) 何で 起き上がっちゃ っ た ん だ ろ う ? →

せっかく 一 度 死 ん で い た のに 。

( 徹 ) これ を 持っていって 。

( やす よ ) ありがとう 。 ( 徹 ) 礼 なら 言わ ない で ください 。 →

仲間 を 危険 な 目 に 遭わ せる ん だ から →

これ は 全然 感謝 さ れる よう な こと じゃ ない 。

( やす よ ) そう … そう ね 。 →

でも やっぱり 一 つ だけ お 礼 を 言わ せ て もらう わ 。 →

律 ちゃん に 親切 に し て くれ て ありがとう ね 。

( 富雄 ) 先生 。

すいません 。

今日 は 月曜 な ん です が どう し た もん でしょ う ね ?

えっ ? ( 富雄 ) 郵便 だ 何 だ で →

外 から 人 が 来る と 思う ん です が … 。 ( 敏夫 ) ああ そう か 。

昨日 は どうして たん だ ?

( 富雄 ) 村 道 を 止め とい た 連中 が 大事 な 神事 の 最中 だ と か →

適当 な こと を 言って 追 っ 払った よう だ けど 。

それ で いく しか ない だ ろ う な 。

100 年 に 一 度 の 大 祭 だ と でも 言って やる か 。

変 に 思い ませ ん か ね 。 ( 敏夫 ) 思う だ ろ う さ 。 →

だから って 村 の 中 で こんな こと が 起こって る と は →

想像 も でき ん だ ろ う 。 ( 富雄 ) そりゃ まあ … 。

兼 正 の 連中 は 見つかった か ?

駄目 です ね 。 まだ 出 て き ませ ん や 。

ただ 駐在 の 佐々木 と 江 渕 って 医者 は →

パイプライン の 中 から 見つかり まし た 。

( 笈 太郎 ) あの 言い づらい ん じゃ が … 。

( 富雄 ) うん ? ( 敏夫 ) どう し た ? 笈 太郎 さん 。

( 笈 太郎 ) 実は あちこち の 世話 役 たち に →

襲い掛かって き た 連中 が いたん じゃ が →

それ が … 。 ( 敏夫 ) うん ?

( 笈 太郎 ) み ゃ … 脈 が ある ん じゃ よ 。 息 も し とって … 。

ありゃ 起き上がり じゃ ない 。

( 敏夫 ) 暗示 に かけ られ た ん だ ろ う 。 ( 笈 太郎 ) えっ ?

連中 は 血 を 吸った 人間 を 操る こと が できる ん だ 。

取りあえず 神社 に 引 っ 立て て くる しか ない な 。

襲撃 が 遠のき さえ すれ ば 正気 に 戻る 。

( 富雄 ) いや 。 屍 鬼 に 寝返った →

裏切り者 が いる って こと じゃ ない ん です かい ?

桐 敷 の だんな み たい な 。

( 富雄 ) 協力 者 です よ 。

だ と して も 殺す わけ に は いかん だ ろ 。

そう です か ね 。

( 敏夫 ) そりゃ あ 殺人 だ 。

( 沙 子 ) 山 入 は ? ( 辰巳 ) 時間 の 問題 だ ろ う 。 →

その うち 誰 か が 山 入 の こと を 思い出す 。

( 沙 子 ) そう ね 。 ( 辰巳 ) パイプライン も 見つかった 。 →

ハンター は 中 に い た 連中 を 引きずり出し て くい を 打って る よ 。

( 沙 子 ) 《 痛かった ? 千鶴 》

( 沙 子 ) 室井 さん 。

くい って 一撃 で 胸 を 貫く と 思う ?

沙 子 … 。

( 沙 子 ) わたし の 体 は 子供 だ わ 。 骨 だって 細い し 胸 だって 薄い 。 →

渾身 の 力 で 打ち込 ん だ ら 一撃 で 背中 まで 突き抜ける と 思う の 。

( 沙 子 ) 怖い の … 。

笑う でしょ ? たくさん の 人 を 殺し て き た のに 。

どんな 残忍 な 人殺し だって →

わたし ほど たくさん の 人 を 殺し たり し て ない と 思う わ 。 →

わたし が 殺さ れる の は その 報い な の 。 なのに 怖い … 。

( 柱 時計 の 時報 ) ( 沙 子 ) もう じき 夜 が 明ける 。

外 に は 狩人 が い て →

今 に も 踏み込 ん で くる かも しれ ない のに →

わたし は 眠って しまう 。 →

どうして ?

お 話 の 中 の 主人公 なら きっと 助け が 来る わ 。

奇跡 だって 起こる かも しれ ない 。

でも わたし を 助け て くれる 人 は い ない 。

どんな 神様 も わたし の ため に 奇跡 を 施し て くれ たり し ない 。

なぜなら わたし は 人殺し だ から よ 。

でも 悪い こと なんか し て ない わ 。 食事 を し た だけ 。

食べ ない と 飢え て 死 ん で しまう ん だ もの 。

そう し なかった から いけない の ? →

飢え て 死な なかった から わたし が 悪者 な の ?

答え て よ 室井 さん ! ! ( 静 信 ) それ は … 。

わたし だって 好き で こんな 生き物 に なった わけ じゃ ない 。

でも 命 が あれ ば それ が 惜しい わ 。

それ は わたし の 罪 な の ? 室井 さん ! →

これ が 神様 に 見放さ れる と いう こと よ 。

う っ … う ぅ … 。

( 徹 ) 律 ちゃん 。

( 律子 ) そば に 行っちゃ 駄目 ?

ありがとう 。

( 富雄 ) うん ? 松 。 →

お 前 逃げ出し た ん じゃ なかった の か ? →

うん ? お前 松 だ よ な ?

( 松村 ) は あ … 。

大川 さん 気 を 付けろ ! ( 富雄 ) あん ?

( 敏夫 ) 伏せろ ! !

( 銃声 )

( かず子 ) 厚子 さん ! ! ( 富雄 ) 松 ぅぅ ぅ ! !

( かず子 ) 先生 ! ! ( 男性 ) こいつ 脈 が ある !

( 富雄 ) 押さえ て ろ ! ( 敏夫 ) 大川 さん !

桐 敷 の だんな と 同じ だ よ 。

協力 者 だ 。

闇 に 紛れ て

息 を 殺す

闇 を まとって

ふっと 微笑む

気のせい さ

お前 など 誰 も 知る はず ない

月 だけ が

見つめ て いる

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て


Shiki Episode 20

( 武雄 ) こいつ が うち の 娘 を 殺し た ん だ ! → たけお|||||むすめ||ころし|||

うち の 娘 を 殺し た ん だ ! ! ||むすめ||ころし|||

( 敏夫 ) 俺 は 屍 鬼 を 狩 ろ う と 思う 。 としお|おれ||しかばね|おに||か||||おもう

( 村人 たち ) う お ー ! むらびと||||-

( 富雄 ) おら ぁ ! とみお||

( 広沢 ) い ない です ね 。 ( 敏夫 ) 連中 の 隠れ家 と して → ひろさわ|||||としお|れんちゅう||かくれが|| They're not here, huh?

使わ れ て た こと は 間違い ない よう だ が 。 つかわ||||||まちがい||||

( 田代 ) 敏夫 ! これ … 。 たしろ|としお|

( 広沢 ) い た … 。 ( 富雄 ) 開け て いい か ね ? ひろさわ|||とみお|あけ||||

( 富雄 ) 大塚 製材 の 息子 さん だ 。 とみお|おおつか|せいざい||むすこ||

朝 の 光 を 手放し た 花 あさ||ひかり||てばなし||か O flower, parched in the light of dawn,

注が れ ない 雨 を 求め そそが|||あめ||もとめ reaching for the unfallen rain,

覚め ない 眠り に つく さめ||ねむり||

誰 か を そっと 呼ぶ 声 だれ||||よぶ|こえ Someone calls out softly for a paradise of darkness.

闇 の 楽園 は やみ||らくえん|

嘘 か 夢 か うそ||ゆめ| Is it a lie or a dream?

失う の は 身体 と うしなう|||からだ| Either way, it's already lost.

自分 と いう 心 じぶん|||こころ What do you gain by putting forth your heart?

その 対価 を 差し出し |たいか||さしだし

何 を 得 られる の だ ろ う なん||とく|||||

この 涙 で 奪え る 程 に |なみだ||うばえ||ほど| Looking through those eyes,

命 は 脆く て 儚く て いのち||もろく||はかなく| life is foolish and fleeting enough to snatch away.

全て に 訪れる すべて||おとずれる Will today be the day you grieve the end

終わり を おわり| which comes to us all?

「 恐怖 」 と 嘆く の か きょうふ||なげく||

終演 を 歌う 金 盞花 しゅうえん||うたう|きむ|さかずきはな The calendula which sings of the abyss

静か に 咲き誇る しずか||さきほこる silently blooms full.

憎しみ も にくしみ| Hatred and sadness

悲しみ も かなしみ|

その 根 で た くり 寄せ て |ね||||よせ| are bound together in those eyes.

終焉 を 歌う 金 盞花 しゅうえん||うたう|きむ|さかずきはな The calendula which sings of demise

寂し さ を 潤す さびし|||うるおす

注が れ ない 雨 を 求め て そそが|||あめ||もとめ| reaching for the unfallen rain,

覚め ない 眠り に つく さめ||ねむり|| fall into a wakeless sleep.

( 康幸 ) う ぅ ぅ ! やめ て ! やめ て もう ! あぁ ぁぁ ! やすゆき|||||||||| D-Don't! Don't! Sunday, November 6, Senshou

田代 さん 。 くい ! たしろ|| Mr. Tashiro, give me the stake.

( 広沢 ) どう する ん です ? ( 富雄 ) どう する も こう する も → ひろさわ|||||とみお|||||| What're you going to do?

片付け ない こと に は 始まら ん だ ろ う が 。 → かたづけ|||||はじまら||||| We won't get anywhere unless we get rid of them.

とっとと やって か ない と 日 が 暮れ ち まう 。 |||||ひ||くれ|| We'd better hurry up and keep going or the day will be over.

あぁ … 。 それ は そう です ね 。

( 富雄 ) 怖い ん だったら ど っか その辺 を 捜し て き たら どう かね ? とみお|こわい|||||そのへん||さがし||||| If you're scared, why don't you look around?

ほか に も もっと 隠れ て いる かも しれ ない 。 ||||かくれ||||| There may be more hiding.

ああ … そうだ ね 。 |そう だ| Okay.

( 康幸 ) う わ ぁ ぁ ! ぐ ぅぅ ぅぅ ! やすゆき|||||||

( 田代 ) 敏夫 。 こいつ ら が やった ん だ な ? たしろ|としお||||||| Toshio!

こいつ ら が 息子 を … 。 |||むすこ| These guys killed my son?

( 敏夫 ) そうだ 。 としお|そう だ That's right.

( 田代 ) ここ か ? ( 敏夫 ) もう 少し … 。 ここ だ 。 たしろ|||としお||すこし|| Here?

( 康幸 ) う わ ぁ ぁ ! ( 田代 ) 動く ん じゃ ねえ ! ! やすゆき|||||たしろ|うごく||| Don't move!

( 康幸 ) ぐ わ ぁ ぁぁ ぁ ! やすゆき|||||

首 は どう し ます か ? ( 敏夫 ) えっ ? くび||||||としお|

( 田代 ) 一思いに 落と そ う 。 → たしろ|ひとおもいに|おと||

なた を 使え ば いい の か ? ( 敏夫 ) 大丈夫 だ 。 → ||つかえ|||||としお|だいじょうぶ|

間違い なく 急所 に 入って る 。 首 は いい 。 まちがい||きゅうしょ||はいって||くび|| The stake is definitely hammered into the vital spot.

( 広沢 ) い た ぞ こっち に も ! ( 富雄 ) どこ だ ! ? ひろさわ|||||||とみお|| I found more here!

( 敏夫 ) 《 こんな もの か … 》 としお||| I guess this was to be expected.

( 厚子 ) 先生 ! 若 先生 ! あつこ|せんせい|わか|せんせい Doctor!

病院 が … 。 大奥 さん が … 。 びょういん||おおおく|| The clinic is...

( 田代 ) 敏夫 。 たしろ|としお Then...

あんた ら も 家族 に は 注意 さ せ た 方 が いい 。 |||かぞく|||ちゅうい||||かた|| Tell your family to be careful.

( 武雄 ) じゃあ … 。 たけお|

( 敏夫 ) 俺 に 対 する 報復 だ ろ う 。 → としお|おれ||たい||ほうふく||| This is probably retaliation against me.

これ 以上 余計 な こと を する な と いう ね 。 |いじょう|よけい||||||||

( 広沢 ) あ … あの 窓 の 文字 は どういう … 。 ひろさわ|||まど||もじ||

( 敏夫 ) 言葉 どおり さ 。 としお|ことば|| Exactly what it says.

母 は 起き上がら ない 。 はは||おきあがら|

襲わ れ た の で は なく 殺さ れ た から だ 。 おそわ|||||||ころさ||||

( 女性 ) えっ ! ( 女性 ) どうして ? じょせい||じょせい| Why?

逆らった から 仕返し さ れ た の よ 。 ( 広沢 ) ちょっと … 。 さからった||しかえし||||||ひろさわ| They retaliated because he went against them.

奥さん は ただ 死 ん じゃ った ん だ わ 。 → おくさん|||し|||||| Mrs. Ozaki simply died.

殺さ れ たら 起き上がって 生き返る こと も でき ない 。 ころさ|||おきあがって|いきかえる|||| Since she was killed, she can't arise and come back to life.

( 富雄 ) おい ! それ は どういう 意味 だ ? とみお|||||いみ| Hey, what do you mean by that?!

殺さ れる の に 比べ たら 起き上がって 鬼 に なって → ころさ||||くらべ||おきあがって|おに|| Are you saying it's better to rise and become a demon that kills people than be killed?!

人殺し を し た 方 が まし だって 意味 か ! ? ひとごろし||||かた||||いみ|

そういう わけ じゃ … 。 ( 敏夫 ) 大川 さん 。 |||としお|おおかわ| I didn't mean it like that.

とにかく 死体 を 運び出す ん だ 。 |したい||はこびだす||

それ から 誰 か 落書き を 消し て くれ 。 ||だれ||らくがき||けし|| And would someone please erase that scribbling.

( 田代 ) 敏夫 。 どう し た ? たしろ|としお|||

( 敏夫 ) 上 に いる 。 としお|うえ|| He's upstairs.

あっ !

( 富雄 ) あっ ! → とみお|

篤 ぃぃ ぃ ! ! あつし|| Atsushi!

( 篤 ) う ぅ … 。 あっ … 。 ( 富雄 ) この くそ ガキ が ! あつし||||とみお|||がき|

( 武雄 ) 大川 さん … 。 ( 富雄 ) くい ! たけお|おおかわ||とみお|

篤 君 … 。 あつし|きみ Atsushi...

この ガキ 大奥 さん を 殺し や がった ん だ 。 |がき|おおおく|||ころし|||| This brat killed Mrs. Ozaki!

ろく でも ねえ ガキ だ と は 思って い た が → |||がき||||おもって|||

ここ まで 性根 が 腐って る と は 思わ なかった ! ||しょうね||くさって||||おもわ|

( 広沢 ) でも … 。 ( 富雄 ) 同情 なんか し て もらう → ひろさわ||とみお|どうじょう|||| But...

必要 は ねえ ! ひつよう||

て め え の 息子 が やら かし た こと 。 ||||むすこ||||| If my son committed a sin, it is my responsibility as a parent to settle it!

て め え で 片 付ける の が 親 の 責任 って もん だ ! ! → ||||かた|つける|||おや||せきにん|||

他人 に 仕置 き し て もらう の は それ こそ 筋違い だ ろ う 。 → たにん||しおき|||||||||すじちがい||| Asking someone else to punish him is wrong!

ここ で 間違い ない か ね ? ||まちがい|||

でき たら あんまり 苦しめ たく ない んで ね 。 |||くるしめ|||| If possible, I don't want to make him suffer much, so...

間違い ない 。 ( 篤 ) 親父 ぃぃ ! まちがい||あつし|おやじ|

勘弁 ! 勘弁 し て くれ よ ー ! 勘弁 ! ! あぁ ! あぁ ぁ … 。 かんべん|かんべん|||||-|かんべん||| Forgive me!

( 富雄 ) 篤 ぃぃ ぃ ! ! とみお|あつし||

ぬ ぉぉ ぉ ! ! ( 篤 ) あぁ ぁぁ ! ! |||あつし||

( 男性 ) よし ! ( 男性 ) よい しょ ! よっ ! だんせい||だんせい|||

( 富雄 ) こんなに いやがった の か ! ( 敏夫 ) 《 少ない な … 》 とみお|||||としお|すくない|

先生 。 この 死体 どう し ます ? ( 敏夫 ) うん ? せんせい||したい||||としお|

( 富雄 ) いっそ 火葬 に でも し ち まった 方 が 早く ない です か ? とみお||かそう||||||かた||はやく|||

( 敏夫 ) いや 人 一 人 荼毘 に する の に は → としお||じん|ひと|じん|だび||||| Well, cremating a person requires quite a bit of heat.

相当 な 火力 が 必要 な ん だ 。 → そうとう||かりょく||ひつよう|||

土葬 の 外 場 村 で そんな 盛大 な たき火 を し たら → どそう||がい|じょう|むら|||せいだい||たきび||| In Sotoba village, we bury the dead.

右 から 左 に 消防 車 が 駆け付け て くる 。 みぎ||ひだり||しょうぼう|くるま||かけつけ||

それ に こんな もん じゃ ない ん だ 。 ( 富雄 ) えっ ? ||||||||とみお|

最低 でも この 数 倍 。 さいてい|||すう|ばい There should be several times more than this.

たかが 20 と いう こと は 絶対 に ない 。 ( 富雄 ) でも … 。 |||||ぜったい|||とみお| There's no way in hell there were only twenty of them.

どこ か に まだ 隠れ家 が ある ん だ 。 それ も かなり の 規模 の もの が 。 ||||かくれが|||||||||きぼ||| But...

村中 捜し た ん だ が … 。 むらなか|さがし||||

どこ か に 見落とし が ある ん だ 。 ( 富雄 ) うーん … 。 |||みおとし|||||とみお| We must've missed somewhere.

あと は 地面 の 下 ぐらい です よ 。 ||じめん||した||| Underground is pretty much the only place we haven't searched.

( 敏夫 ) うん ? ( 富雄 ) 見 て ねえ の は 。 としお||とみお|み||||

それ だ ! ( 富雄 ) は っ ? ||とみお|| That's it!

地下 だ よ 。 地下 トンネル だ 。 田 茂 さん ! → ちか|||ちか|とんねる||た|しげる| Underground! The underground tunnel!

あんた 水利 組合 に 顔 出し て た よ な 。 |すいり|くみあい||かお|だし|||| You're part of the irrigation association, aren't you?

( 田 茂 ) は あ … 。 ( 敏夫 ) この 時 季 地下 トンネル は → た|しげる|||としお||じ|き|ちか|とんねる| Yes.

どう なって る ん だ ? ( 田 茂 ) パイプライン です か ? → |||||た|しげる|||

今 は 農閑期 な ん で 水 は 入って ませ ん ね 。 いま||のうかんき||||すい||はいって||| Since it's an off-season for farmers, there's no water in it.

人 は 出入り できる ? ( 田 茂 ) ええ できる はず です よ 。 じん||でいり||た|しげる||||| Can people get in and out?

取り入れ口 は 閉まって る けど ポンプ 小屋 から は 出入り でき ます 。 とりいれぐち||しまって|||ぽんぷ|こや|||でいり|| Although the intake is closed, you can go in and out from the pump shed.

それ だ ! 連中 そこ に 逃げ や がった ん だ ! ||れんちゅう|||にげ|||| That's it! They must've escaped there!

( 田 茂 ) 案内 し ます 。 た|しげる|あんない|| I'll take you there.

( 富雄 ) 先生 ! ! とみお|せんせい

( 敏夫 ) 銃 だ ! としお|じゅう| A gunshot!

えっ ! ? な … ? ( 着 弾 音 ) ||ちゃく|たま|おと

( どよめき )

( 敏夫 ) あそこ だ ! としお||

( 正 志郎 ) なぜ 邪魔 を する ん です か ? せい|しろう||じゃま|||||

人 狼 に なれ た お 前 が なぜ 邪魔 を する の か 。 じん|おおかみ|||||ぜん|||じゃま||||

失礼 だ が この 桐 敷 正 志郎 → しつれい||||きり|し|せい|しろう

理解 に 苦しむ 。 ( 銃声 ) りかい||くるしむ|じゅうせい cannot understand you.

( 夏野 ) 俺 は 起き上がり を 許す つもり は ない 。 なつの|おれ||おきあがり||ゆるす||| I'm not going to let the Risen be,

自分 が 人 狼 に なって も だ 。 じぶん||じん|おおかみ||||

フッ 。

屍 鬼 の 存在 は → しかばね|おに||そんざい| Shiki would probably be viewed as evil, according to conventional thought,

世間 一般 の 価値 基準 で 言う なら 悪 な の でしょ う 。 → せけん|いっぱん||かち|きじゅん||いう||あく||||

人 を 殺し て 生き て いる わけ です から → じん||ころし||いき|||||

文字どおり の 人でなし です 。 → もじどおり||ひとでなし| As people say, they're monsters.

でも 屍 鬼 が 人 を 狩って なぜ いけない ん です ? → |しかばね|おに||じん||かって||||

人 だって 人 を 狩る で は あり ませ ん か 。 → じん||じん||かる|||||| Humans also hunt humans.

わたし の 父親 も そういう 人間 で し た 。 ||ちちおや|||にんげん||| My father was such a person.

自分 の 欲望 を 満たす ため 優越 感 を 満たす ため に → じぶん||よくぼう||みたす||ゆうえつ|かん||みたす|| In order to fulfill his own desires

人 を 狩って そして 引き裂く 。 → じん||かって||ひきさく

わたし は ずっと わたし を 虐げ た もの に → |||||しいたげ||| and tore them apart.

復讐 し たい と 思って い まし た 。 ふくしゅう||||おもって|||

わたし は ね 加害 者 に なり たかった ん です よ 。 |||かがい|もの||||||

屍 鬼 に なり たかった の か ? しかばね|おに|||||

そう です ね … 。 そうです 。 |||そう です

( 男性 ) い た ぞ ! ( 男性 ) こっち だ ! だんせい||||だんせい|| There he is!

屍 鬼 に なり たい ん です よ わたし は 。 しかばね|おに||||||||

( 銃声 ) じゅうせい

( 沙 子 ) 室井 さん ? いさご|こ|むろい|

( 物音 ) ものおと

( 沙 子 ) 室井 さん ! ( 物音 ) いさご|こ|むろい||ものおと Mr. Muroi...

( 扉 の 開く 音 ) とびら||あく|おと

( 辰巳 ) どうやら ここ は 見つから ず に 済 ん だ よう です ね 。 たつみ||||みつから|||す|||||

( 沙 子 ) 村 は ? ( 辰巳 ) ひどい こと に なって る 。 → いさご|こ|むら||たつみ|||||

3 割 以上 の 連中 が やら れ た だ ろ う 。 わり|いじょう||れんちゅう||||||| It's terrible.

( 沙 子 ) 正 志郎 は ? ( 辰巳 ) 戻って き て ない 。 → いさご|こ|せい|しろう||たつみ|もどって|||

もう 駄目 だ 。 逃げ た 方 が いい 。 と 言い たい ところ だ けど → |だめ||にげ||かた||||いい||||

今 は まだ 動け ない ん だ 。 → いま|||うごけ||| That's what I want to say, but we can't leave yet.

屋敷 の 周辺 に ハンター が たむろ し てる 。 → やしき||しゅうへん||はんたー||||

何とか 闇 に 乗じ て 忍び込 ん で こ られ た けど … 。 → なんとか|やみ||じょうじ||しのびこ|||||| By taking advantage of the darkness, I was able to sneak in somehow, but...

沙 子 ? いさご|こ Sunako?

捜し に 行か なきゃ 。 さがし||いか|

千鶴 が 死 ん で 正 志郎 は 冷静 な 判断 が でき なく なって る ん だ わ 。 ちず||し|||せい|しろう||れいせい||はんだん|||||||| Because of Chizuru's death, he can no longer make levelheaded decisions.

正 志郎 なら 大丈夫 です 。 ( 沙 子 ) でも … ! せい|しろう||だいじょうぶ||いさご|こ|

しっかり し なさい ! → Pull yourself together!

何とか 退路 を 見つけ て くる から 。 迎え に 来る まで 動か ない よう に 。 なんとか|たいろ||みつけ||||むかえ||くる||うごか||| I'll find some way to escape.

室井 さん が いる でしょ う 。 むろい|||||

ここ に いる ん だ 。 いい ね ? Stay here, okay?

食事 を さ せ て ください 。 しょくじ|||||

( 静 信 ) どうぞ 。 → せい|しん|

いや … 。 こちら に し ます か ?

どちら でも 。

不思議 だ ね 。 千鶴 さん の 死 を 聞い た とき → ふしぎ|||ちず|||し||ききい||

悲し さ を 隠し 毅然 と 振る舞って い た 沙 子 が → かなし|||かくし|きぜん||ふるまって|||いさご|こ|

正 志郎 氏 が 戻ら ない こと で 取り乱し て いる 。 せい|しろう|うじ||もどら||||とりみだし||

不思議 で は あり ませ ん よ 。 ふしぎ||||||

正 志郎 氏 が 父親 の よう な もの だ から ? せい|しろう|うじ||ちちおや||||||

屍 鬼 で ある 自分 を 許し て くれ た 人間 だ から です よ 。 しかばね|おに|||じぶん||ゆるし||||にんげん||||

( 律子 ) う ぅ ぅぅ … 。 → りつこ|||

う っ … あっ ! う ぅ ぅぅ !

( 徹 ) あぁ ぁぁ ! てつ||

( 律子 ) ハァ … う っ … ! → りつこ|||

ハァ ハァ … う ぅ ぅ ! う っ !

( 徹 ) 襲い たい ん だ ろ ! ? 腹 が 減って る ん だ ろ ! ? → てつ|おそい|||||はら||へって|||| You want to attack her, right?!

だったら 襲って くれよ ! |おそって|

( 律子 ) 嫌 … 。 りつこ|いや

連中 が 踏み込 ん で き たら あんた だって 殺さ れる ん だ ! れんちゅう||ふみこ|||||||ころさ||| No.

そう やって 我慢 し た って 誰 も あんた を 褒め たり し ない ん だ よ ! ||がまん||||だれ||||ほめ||||||

( やす よ ) あっ !

( 律子 ) 嫌 な の … 。 りつこ|いや||

お 願い 。 わたし か やす よ さ ん か どちら か を 出し て 。 |ねがい|||||||||||だし|

( 徹 ) 駄目 だ … 。 てつ|だめ|

( 律子 ) 襲い たく ない の 。 → りつこ|おそい||| I don't want to attack her.

それ を し たら わたし 自分 を 嫌い に なる 。 → |||||じぶん||きらい|| If I do that,

あなた み たい に → I will have to detest myself, just like you do.

自分 を 憎 ん で しまわ ない と いけなく なる の 。 → じぶん||にく||||||||

お 願い だ から やす よ さ ん を どこ か に やって 。 |ねがい|||||||||||

( 徹 ) そういう こと を する と 俺 が しから れる ん だ 。 てつ||||||おれ||し から||| If I do something like that, I'll be scolded.

( 律子 ) 分かって る 。 りつこ|わかって| I know.

俺 の 家族 が 襲わ れる 。 報復 さ れる ん だ 。 おれ||かぞく||おそわ||ほうふく|||| My family will be attacked!

( 律子 ) 分かって る わ … 。 りつこ|わかって||

お 願い 。 |ねがい

( 徹 ) 出ろ 。 あんた の 方 が 出る ん だ 。 てつ|でろ|||かた||でる||

( 律子 ) やす よ さ ん 逃げ て ! ( 徹 ) くっ ! りつこ|||||にげ||てつ| Yasuyo! Run!

何 やって ん だ よ ! こいつ を 逃がし たら 終わり だ ろ ! なん|||||||にがし||おわり||

こいつ が 仲間 を 呼 ん で 俺 たち は 殺さ れ て しまう ! ||なかま||よ|||おれ|||ころさ||| She'll call in her people and we'll be killed!

う ぅ … 。

わたし だって 死に たく ない … 。 → ||しに||

でも やす よ さ ん に も あなた に も 死 ん で ほしく ない ! ||||||||||し|||| but I also don't want Yasuyo or you to die.

人 が 死ぬ の は 嫌 な の 。 それ を 平気 で い られる ぐらい なら → じん||しぬ|||いや|||||へいき||||| I don't want people to die.

看護 師 なんか に なったり し ない わ 。 → かんご|し||||||

ずっと 人 を 助ける ため に 働 い て き た の 。 → |じん||たすける|||はたら||||| I've worked all this time in order to help people.

それ が わたし の 誇り だった 。 ||||ほこり|

でも 並び 立た ない の よ 。 分かる でしょ う ? |ならび|たた||||わかる||

自分 が 生きる と いう こと は → じぶん||いきる|||| For me to live on, someone else has to die.

自分 以外 の 誰 か が 死ぬ こと に なる の 。 じぶん|いがい||だれ|||しぬ||||

( 律子 ) 何で 起き上がっちゃ っ た ん だ ろ う ? → りつこ|なんで|おきあがっちゃ|||||| Why did I have to rise...

せっかく 一 度 死 ん で い た のに 。 |ひと|たび|し|||||

( 徹 ) これ を 持っていって 。 てつ|||もっていって

( やす よ ) ありがとう 。 ( 徹 ) 礼 なら 言わ ない で ください 。 → |||てつ|れい||いわ|||

仲間 を 危険 な 目 に 遭わ せる ん だ から → なかま||きけん||め||あわ|||| I'm doing something that will endanger my people!

これ は 全然 感謝 さ れる よう な こと じゃ ない 。 ||ぜんぜん|かんしゃ|||||||

( やす よ ) そう … そう ね 。 → I-I guess.

でも やっぱり 一 つ だけ お 礼 を 言わ せ て もらう わ 。 → ||ひと||||れい||いわ||||

律 ちゃん に 親切 に し て くれ て ありがとう ね 。 りつ|||しんせつ|||||||

( 富雄 ) 先生 。 とみお|せんせい Doctor. Monday, November 7, Tomobiki

すいません 。

今日 は 月曜 な ん です が どう し た もん でしょ う ね ? きょう||げつよう||||||||||| It's Monday today.

えっ ? ( 富雄 ) 郵便 だ 何 だ で → |とみお|ゆうびん||なん|| Huh?

外 から 人 が 来る と 思う ん です が … 。 ( 敏夫 ) ああ そう か 。 がい||じん||くる||おもう||||としお|||

昨日 は どうして たん だ ? きのう|||| What did we do yesterday?

( 富雄 ) 村 道 を 止め とい た 連中 が 大事 な 神事 の 最中 だ と か → とみお|むら|どう||とどめ|||れんちゅう||だいじ||しんじ||さい なか|||

適当 な こと を 言って 追 っ 払った よう だ けど 。 てきとう||||いって|つい||はらった|||

それ で いく しか ない だ ろ う な 。

100 年 に 一 度 の 大 祭 だ と でも 言って やる か 。 とし||ひと|たび||だい|さい||||いって|| Maybe we'll tell them that it's a grand festival held once a century.

変 に 思い ませ ん か ね 。 ( 敏夫 ) 思う だ ろ う さ 。 → へん||おもい|||||としお|おもう|||| Wouldn't they think it's strange?

だから って 村 の 中 で こんな こと が 起こって る と は → ||むら||なか|||||おこって||| but they probably can't even imagine that something like this is going on in the village.

想像 も でき ん だ ろ う 。 ( 富雄 ) そりゃ まあ … 。 そうぞう|||||||とみお||

兼 正 の 連中 は 見つかった か ? けん|せい||れんちゅう||みつかった| Have we found the Kanemasa people?

駄目 です ね 。 まだ 出 て き ませ ん や 。 だめ||||だ||||| No, we haven't found them yet.

ただ 駐在 の 佐々木 と 江 渕 って 医者 は → |ちゅうざい||ささき||こう|ふち||いしゃ| But the resident police officer Sasaki and that doctor Ebuchi were found in the pipeline.

パイプライン の 中 から 見つかり まし た 。 ||なか||みつかり||

( 笈 太郎 ) あの 言い づらい ん じゃ が … 。 きゅう|たろう||いい|||| Excuse me, it's not easy to tell you this, but...

( 富雄 ) うん ? ( 敏夫 ) どう し た ? 笈 太郎 さん 。 とみお||としお||||きゅう|たろう|

( 笈 太郎 ) 実は あちこち の 世話 役 たち に → きゅう|たろう|じつは|||せわ|やく||

襲い掛かって き た 連中 が いたん じゃ が → おそいかかって|||れんちゅう||||

それ が … 。 ( 敏夫 ) うん ? ||としお|

( 笈 太郎 ) み ゃ … 脈 が ある ん じゃ よ 。 息 も し とって … 。 きゅう|たろう|||みゃく||||||いき||| Th-They have a pulse.

ありゃ 起き上がり じゃ ない 。 |おきあがり|| They're not Risen.

( 敏夫 ) 暗示 に かけ られ た ん だ ろ う 。 ( 笈 太郎 ) えっ ? としお|あんじ|||||||||きゅう|たろう|

連中 は 血 を 吸った 人間 を 操る こと が できる ん だ 。 れんちゅう||ち||すった|にんげん||あやつる||||| What?

取りあえず 神社 に 引 っ 立て て くる しか ない な 。 とりあえず|じんじゃ||ひ||たて||||| At any rate, we have no choice but to drag them to the shrine.

襲撃 が 遠のき さえ すれ ば 正気 に 戻る 。 しゅうげき||とおのき||||しょうき||もどる

( 富雄 ) いや 。 屍 鬼 に 寝返った → とみお||しかばね|おに||ねがえった No.

裏切り者 が いる って こと じゃ ない ん です かい ? うらぎりもの|||||||||

桐 敷 の だんな み たい な 。 きり|し|||||

( 富雄 ) 協力 者 です よ 。 とみお|きょうりょく|もの||

だ と して も 殺す わけ に は いかん だ ろ 。 ||||ころす|||||| Even so, we can't kill them, can we?

そう です か ね 。

( 敏夫 ) そりゃ あ 殺人 だ 。 としお|||さつじん|

( 沙 子 ) 山 入 は ? ( 辰巳 ) 時間 の 問題 だ ろ う 。 → いさご|こ|やま|はい||たつみ|じかん||もんだい|||

その うち 誰 か が 山 入 の こと を 思い出す 。 ||だれ|||やま|はい||||おもいだす

( 沙 子 ) そう ね 。 ( 辰巳 ) パイプライン も 見つかった 。 → いさご|こ|||たつみ|||みつかった

ハンター は 中 に い た 連中 を 引きずり出し て くい を 打って る よ 。 はんたー||なか||||れんちゅう||ひきずりだし||||うって||

( 沙 子 ) 《 痛かった ? 千鶴 》 いさご|こ|いたかった|ちず Did it hurt, Chizuru?

( 沙 子 ) 室井 さん 。 いさご|こ|むろい|

くい って 一撃 で 胸 を 貫く と 思う ? ||いちげき||むね||つらぬく||おもう

沙 子 … 。 いさご|こ

( 沙 子 ) わたし の 体 は 子供 だ わ 。 骨 だって 細い し 胸 だって 薄い 。 → いさご|こ|||からだ||こども|||こつ||ほそい||むね||うすい

渾身 の 力 で 打ち込 ん だ ら 一撃 で 背中 まで 突き抜ける と 思う の 。 こんしん||ちから||うちこ||||いちげき||せなか||つきぬける||おもう|

( 沙 子 ) 怖い の … 。 いさご|こ|こわい|

笑う でしょ ? たくさん の 人 を 殺し て き た のに 。 わらう||||じん||ころし|||| Isn't it funny?

どんな 残忍 な 人殺し だって → |ざんにん||ひとごろし|

わたし ほど たくさん の 人 を 殺し たり し て ない と 思う わ 。 → ||||じん||ころし||||||おもう|

わたし が 殺さ れる の は その 報い な の 。 なのに 怖い … 。 ||ころさ|||||むくい||||こわい Being killed is my punishment,

( 柱 時計 の 時報 ) ( 沙 子 ) もう じき 夜 が 明ける 。 ちゅう|とけい||じほう|いさご|こ|||よ||あける

外 に は 狩人 が い て → がい|||かりゅうど|||

今 に も 踏み込 ん で くる かも しれ ない のに → いま|||ふみこ|||||||

わたし は 眠って しまう 。 → ||ねむって|

どうして ? Why?

お 話 の 中 の 主人公 なら きっと 助け が 来る わ 。 |はなし||なか||しゅじんこう|||たすけ||くる|

奇跡 だって 起こる かも しれ ない 。 きせき||おこる||| Even a miracle may have occurred.

でも わたし を 助け て くれる 人 は い ない 。 |||たすけ|||じん||| But I have nobody to rescue me.

どんな 神様 も わたし の ため に 奇跡 を 施し て くれ たり し ない 。 |かみさま||||||きせき||ほどこし|||||

なぜなら わたし は 人殺し だ から よ 。 |||ひとごろし|||

でも 悪い こと なんか し て ない わ 。 食事 を し た だけ 。 |わるい|||||||しょくじ||||

食べ ない と 飢え て 死 ん で しまう ん だ もの 。 たべ|||うえ||し||||||

そう し なかった から いけない の ? →

飢え て 死な なかった から わたし が 悪者 な の ? うえ||しな|||||わるもの||

答え て よ 室井 さん ! ! ( 静 信 ) それ は … 。 こたえ|||むろい||せい|しん|| Answer me, Mr. Muroi!

わたし だって 好き で こんな 生き物 に なった わけ じゃ ない 。 ||すき|||いきもの|||||

でも 命 が あれ ば それ が 惜しい わ 。 |いのち||||||おしい|

それ は わたし の 罪 な の ? 室井 さん ! → ||||ざい|||むろい| Is it my sin?

これ が 神様 に 見放さ れる と いう こと よ 。 ||かみさま||みはなさ|||||

う っ … う ぅ … 。

( 徹 ) 律 ちゃん 。 てつ|りつ|

( 律子 ) そば に 行っちゃ 駄目 ? りつこ|||おこなっちゃ|だめ May I be by your side?

ありがとう 。 Thank you.

( 富雄 ) うん ? 松 。 → とみお||まつ

お 前 逃げ出し た ん じゃ なかった の か ? → |ぜん|にげだし|||||| Matsu?

うん ? お前 松 だ よ な ? |おまえ|まつ|||

( 松村 ) は あ … 。 まつむら||

大川 さん 気 を 付けろ ! ( 富雄 ) あん ? おおかわ||き||つけろ|とみお|

( 敏夫 ) 伏せろ ! ! としお|ふせろ

( 銃声 ) じゅうせい

( かず子 ) 厚子 さん ! ! ( 富雄 ) 松 ぅぅ ぅ ! ! かずこ|あつこ||とみお|まつ|| Atsuko!

( かず子 ) 先生 ! ! ( 男性 ) こいつ 脈 が ある ! かずこ|せんせい|だんせい||みゃく||

( 富雄 ) 押さえ て ろ ! ( 敏夫 ) 大川 さん ! とみお|おさえ|||としお|おおかわ| Hold him down!

桐 敷 の だんな と 同じ だ よ 。 きり|し||||おなじ||

協力 者 だ 。 きょうりょく|もの|

闇 に 紛れ て やみ||まぎれ| Enveloped in darkness, I snuff my breath.

息 を 殺す いき||ころす

闇 を まとって やみ|| Clad in the darkness, I suddenly grin.

ふっと 微笑む |ほおえむ

気のせい さ きのせい| It's just my imagination; no one knows you.

お前 など 誰 も 知る はず ない おまえ||だれ||しる||

月 だけ が つき|| I'm just staring at the moon.

見つめ て いる みつめ||

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う |おわり||ない|よ|さまよう Ah, I haunt the endless night.

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て |||ゆめ||ゆめみ| Ah, I just dream a dream of you.

ああ 終わり の 無い 夜 彷徨う |おわり||ない|よ|さまよう Ah, I haunt the endless night.

ああ あなた の 夢 ただ 夢見 て |||ゆめ||ゆめみ| Ah, I just dream a dream of you.