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HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター), Hunter x Hunter (2011) Episode 111

Hunter x Hunter (2011) Episode 111

王 の 自 傷 行為

第 3 者 の 存在

この 仮定 から 紡が れる 正解 が まだ 出 て い ない

そんな 予感

その 答え の 意外 さ が 最悪 の 場合

俺 達 の 計画 を 全て 狂わせ そう な

時間 だ

突入 1 分 前 集まって くれ

くそ 時間 が ない

モラウ の げき の およそ 2 分 前

東 ゴルトー 共和 国 の はるか 上空 を 飛ぶ 怪 鳥 から

2 人 の 男 が 飛び降り た

最初 に 気付 い た の は ピトー

上空 を 見上げ た 理由 を 突き詰める なら ば

「 何となく 」 と いう 他 ない

それほど 幽 か な 予感 だった

何 か 来る

しかし それ は 数 秒 後 確信 に 変わる

敵 しかし この 時 賊 は まだ はるか 上空 ピトー の 並外れ た 感覚 器官 の どれ を 持って し て も

到達 は 不可能 な 位置 に い た

臨戦 態勢 に 入った ピトー が 確信 し た 根拠 は

野生 の 本能 に よる もの と 言わ ざる を 得 ない

ピトー の 「 円 」 が 消え た

護衛 軍 2 匹 が ここ で ほぼ 同時に

その もの を 視界 に 捉え た

龍 !

突入 10 秒 前

9 8 7 モラウ の カウント ダウン と ともに ゴン の 瞳 が 深く 暗く

そして 静か に 冷たく 沈 ん で 行く の を

横 の キルア だけ が 気付 い て い た

6 5 4 3 2 この 時 ピトー は 「 円 」 を 解 い た 完全 な 臨戦 態勢 に 入る ため に

だが …

1 ゴー 「 ドラゴン ダイヴ 」

敵 を 視 認 でき た こと と

臨戦 態勢 に よって 「 円 」 を 解 い た こと が 裏目 に 出る

奴 ら は

王 へ の 脅威 を 目の前 に し

極限 まで 研ぎ澄まさ れ た ピトー の 六 感 は

容易 に 自身 を 侵入 者 の 元 に 運 ん だ

降り注ぐ 無数 の 龍 より も

危険 な の は

あの 人間

「 テレプシコーラ 」

それ は ピトー が 全力 で 戦う 時 に 発現 さ せる 念 能力

能力 発動 から 攻撃 まで 要 する 時間 は 0.1 秒 を 切る

しかし ピトー は その はざま

確かに 聞い た

受け 攻め いく つか 予想 し とった が

そりゃ 悪 手 だ ろ アリ ん こ

確かに ある

あり 得 ない いや ある

走馬灯 の よう な もん じゃ

死ぬ って 瞬間 に 時間 が 超 スロー に なって

自分 の 人生 を 振り返る 感覚 ある じゃ ろ

あれ に 近い

むしろ それ より 信ぴょう性 は 測り やすい ぞ

何 しろ 自分 じゃ なく

相手 が その 時 思って い た こと を 聞き取る ん じゃ から のう

本人 の 他 は 絶対 に 知り 得 ぬ 情報 を 聞く こと も ある わけ じゃ

互い が 証人 よ

ある 武道 で は 「 心 滴 拳 聴 」 と 呼ば れる 現象 よ

まこと の 強者 同士 が ぶつかり合う 瞬間 に は

よく ある 時間 感覚 の 矛盾 じゃ

あの ジジイ の 強 さ の 秘密

ま ぁ いく つ か ある が

まず 「 念 」 が 恐ろしく 静か じゃ

奴 の オーラ の 流れ から 次 の 攻撃 を 読む の は

誰 に も でき ん な

だて に 長く 生き て ない わけ よ

精神 的 に は もう 植物 の 域 じゃ ろ

何 しろ あの ジジイ

わし が 乳飲み子 の 頃 から ジジイ じゃ

わし の ジジイ と ケンカ し て 生存 し て おる 唯一 の 人間 じゃ し

知人 に は 違いない

持ちつ持たれつ 陰 と 陽

アホ 対等 な わけ ある か

いつも こっち が 泣か さ れ とる わ い

強 さ の 秘密 じゃ った な

あと は そう さ な

戦闘 の ほう で いえ ば

「 百 式 観音 」

これ が 最も 厄介 じゃ ろ

ネテロ の 一 連 の 動作 は

この上 なく 流麗 かつ 緩やか に 行わ れ た よう

ピトー は 感じ た が

否 ピトー の 念 能力 の 発動 から 攻撃 まで の 刹那 に 全て が なされ た こと に 疑い の 余地 は なく

それ は ピトー が

己 の 体感 時間 を 限りなく 圧縮 し

自ら の 時 を 止める に 等しい 状態 に 置く こと で しか

ネテロ の 動き を 目 で 捉える こと が でき なかった こと に 起因 する

つまり 真相 は

不可避 の 速攻 で ある

ネテロ 46 歳 冬

己 の 肉体 と 武術 に 限界 を 感じ

悩み に 悩み抜 い た 結果

彼 が たどり着 い た 先 は

感謝 で あった

南 無

自分 自身 を 育て て くれ た

武道 へ の 限りなく 大きな 恩

自分 なり に 少し でも 返 そ う と 思い立った の が

一 日 1 万 回 感謝 の 正 拳 突き

気 を 整え 拝み

祈り 構えて

突く

一 連 の 動作 を 1 回 こなす のに 当初 は 5 6 秒

1 万 回 を 突き 終える まで に

初日 は 18 時間 以上 を 費やし た

突き 終え れ ば 倒れる よう に 寝る

起き て は また 突く を 繰り返す 日々

2 年 が 過ぎ た 頃

異変 に 気付く

1 万 回 突き 終え て も 日 が 暮れ て い ない

齢 50 歳 を 超え て 完全 に 羽化 する

感謝 の 正 拳 突き 1 万 回

1 時間 を 切る

代わり に 祈る 時間 が 増え た

山 を 下り た 時

ネテロ の 拳 は

音 を 置き去り に し た

気のせい だ よ な 一瞬 消え て

音 が 後 から

館長

か 観音 様 が

さて

看板 懸けて やる かい

看板 は 差し上げ ます る

ぜひ 私 め を 弟子 に し て いただき たい

怪物 が 誕生 し た

いい よ 飯 おごって くれ たら な

今 から 60 年 以上 昔 の こと で ある

落下 方向 の 先

あり 得 ない 場所 から 攻撃 が

一体

そのまま かなた へ 消え て くれる と ありがたい

このまま だ と 相当 遠く まで 吹き飛ばさ れる

王 プフ 聞こえ て ない

王 の こと で 頭 が いっぱい か

「 ドクター ブライス 」

それ は 本来

治療 意外 に は 全く 使い道 の ない 能力 で ある

「 ドクター ブライス 」 は 発現 さ せ た 場所 から

移動 が でき ず

術 者 の ピトー も 能力 と 尾 で 繋がって いる ため

行動 半径 が 20 m ほど に 限ら れる

その 制約 が

ピトー 離脱 の 窮地 を 救った

止まった

早く

早く

そこ で 彼ら が 目 に し た の は

計画 時 に は 誰しも が

そこ に 居る と は 考え も し なかった

ユピー の 姿 だった

朝 を むさぼり

夜 を 吐き出し

いかん と する 我 が 性

湧き出す この 感情 は

白 か 黒 か

目指す 未来 と

置いて け ぼ り に し て き た 過去

ねじれ ながら ぐるぐる と 繋がって いる

過ぎ ゆく 螺旋 に 目 を 細め て

不思議 な 夢 から

身 を 乗り出し た

表裏 一体 指 で 弾く コイン が 空 に 舞う

僕 は いったい どっち の 結末 願う

表裏 一体 光 輝く ほど 僕 が ある だけ

ならば どこ へ と 向かって ゆく

重なった 二 つ の 未来


Hunter x Hunter (2011) Episode 111 hunter||hunter|episode

王 の 自 傷 行為 おう||じ|きず|こうい

第 3 者 の 存在 だい|もの||そんざい

この 仮定 から 紡が れる 正解 が まだ 出 て い ない |かてい||つむが||せいかい|||だ|||

そんな 予感 |よかん

その 答え の 意外 さ が 最悪 の 場合 |こたえ||いがい|||さいあく||ばあい

俺 達 の 計画 を 全て 狂わせ そう な おれ|さとる||けいかく||すべて|くるわせ||

時間 だ じかん|

突入 1 分 前 集まって くれ とつにゅう|ぶん|ぜん|あつまって|

くそ 時間 が ない |じかん|| Verdammt, wir haben keine Zeit.

モラウ の げき の およそ 2 分 前 |||||ぶん|ぜん Two minutes before Morel issued the call to attack...

東 ゴルトー 共和 国 の はるか 上空 を 飛ぶ 怪 鳥 から ひがし||きょうわ|くに|||じょうくう||とぶ|かい|ちょう| Two men leaped from a giant bird flying high over

2 人 の 男 が 飛び降り た じん||おとこ||とびおり| the Republic of East Gorteau.

最初 に 気付 い た の は ピトー さいしょ||きづ||||| Pitou was the first one to notice.

上空 を 見上げ た 理由 を 突き詰める なら ば じょうくう||みあげ||りゆう||つきつめる|| The only reason Pitou decided to look up

「 何となく 」 と いう 他 ない なんとなく|||た| was "just because."

それほど 幽 か な 予感 だった |ゆう|||よかん| Pitou's hunch was just that faint.

何 か 来る なん||くる Something is coming.

しかし それ は 数 秒 後 確信 に 変わる |||すう|びょう|あと|かくしん||かわる However, a few seconds later, that hunch turned to certainty.

敵 しかし この 時 賊 は まだ はるか 上空 てき|||じ|ぞく||||じょうくう But at that point, the enemy was still very high up. ピトー の 並外れ た 感覚 器官 の どれ を 持って し て も ||なみはずれ||かんかく|きかん||||もって||| Too high for even Pitou's exceptional senses to ascertain.

到達 は 不可能 な 位置 に い た とうたつ||ふかのう||いち|||

臨戦 態勢 に 入った ピトー が 確信 し た 根拠 は りんせん|たいせい||はいった|||かくしん|||こんきょ| Pitou's decision to prepare for battle

野生 の 本能 に よる もの と 言わ ざる を 得 ない やせい||ほんのう|||||いわ|||とく| was based solely on primal instinct.

ピトー の 「 円 」 が 消え た ||えん||きえ| Pitou's En...

護衛 軍 2 匹 が ここ で ほぼ 同時に ごえい|ぐん|ひき|||||どうじに Two of the Royal Guard almost simultaneously spotted the approaching form.

その もの を 視界 に 捉え た |||しかい||とらえ|

龍 ! りゅう A dragon!

突入 10 秒 前 とつにゅう|びょう|ぜん Ten seconds to go.

9 8 7 モラウ の カウント ダウン と ともに ||かうんと|だうん|| As Morel counted down to the attack, ゴン の 瞳 が 深く 暗く ||ひとみ||ふかく|くらく Killua alone noticed that Gon's eyes sank

そして 静か に 冷たく 沈 ん で 行く の を |しずか||つめたく|しず|||いく||

横 の キルア だけ が 気付 い て い た よこ|||||きづ||||

6 5 4 3 2 この 時 ピトー は 「 円 」 を 解 い た |じ|||えん||かい|| This was when Pitou ceased using En, 完全 な 臨戦 態勢 に 入る ため に かんぜん||りんせん|たいせい||はいる|| in order to prepare for the coming fight.

だが … However...

1 ゴー Go! 「 ドラゴン ダイヴ 」 Dragon Meteor Shower Dragon Dive

敵 を 視 認 でき た こと と てき||し|にん|||| The sighting of the enemy

臨戦 態勢 に よって 「 円 」 を 解 い た こと が 裏目 に 出る りんせん|たいせい|||えん||かい|||||うらめ||でる and the decision to stop using En in preparation for battle had backfired.

奴 ら は やつ||

王 へ の 脅威 を 目の前 に し おう|||きょうい||めのまえ|| Faced with a serious threat to the King,

極限 まで 研ぎ澄まさ れ た ピトー の 六 感 は きょくげん||とぎすまさ|||||むっ|かん| Pitou's six senses, sharpened to their limits,

容易 に 自身 を 侵入 者 の 元 に 運 ん だ ようい||じしん||しんにゅう|もの||もと||うん|| immediately focused on the intruders.

降り注ぐ 無数 の 龍 より も ふりそそぐ|むすう||りゅう|| The countless dragons that rained down were less significant threats

危険 な の は きけん|||

あの 人間 |にんげん than the humans in the sky.

「 テレプシコーラ 」 Puppet Master's Serenity Terpsichora

それ は ピトー が 全力 で 戦う 時 に 発現 さ せる 念 能力 ||||ぜんりょく||たたかう|じ||はつげん|||ねん|のうりょく Pitou uses this Nen ability when full power is required to fight.

能力 発動 から 攻撃 まで 要 する 時間 は 0.1 秒 を 切る のうりょく|はつどう||こうげき||かなめ||じかん||びょう||きる It takes less than a tenth of a second after activation to launch the attack.

しかし ピトー は その はざま However, during that fraction of a second, Pitou could hear Netero speaking.

確かに 聞い た たしかに|ききい|

受け 攻め いく つか 予想 し とった が うけ|せめ|||よそう||| I prepared for a variety of responses.

そりゃ 悪 手 だ ろ アリ ん こ |あく|て|||あり|| But you've made a bad move, little Ant.

確かに ある たしかに| It really happens.

あり 得 ない いや ある |とく||| You don't think it's possible.

走馬灯 の よう な もん じゃ そうまとう|||||

死ぬ って 瞬間 に 時間 が 超 スロー に なって しぬ||しゅんかん||じかん||ちょう||| When you know you're about to die, you feel as though time slows, and you review your life.

自分 の 人生 を 振り返る 感覚 ある じゃ ろ じぶん||じんせい||ふりかえる|かんかく|||

あれ に 近い ||ちかい It's just like that.

むしろ それ より 信ぴょう性 は 測り やすい ぞ |||しんぴょうせい||はかり|| In fact, I'd consider this phenomenon even more credible.

何 しろ 自分 じゃ なく なん||じぶん|| Because you can hear what the other person is thinking.

相手 が その 時 思って い た こと を 聞き取る ん じゃ から のう あいて|||じ|おもって|||||ききとる||||

本人 の 他 は 絶対 に 知り 得 ぬ 情報 を 聞く こと も ある わけ じゃ ほんにん||た||ぜったい||しり|とく||じょうほう||きく||||| You can even obtain information known only to the other person.

互い が 証人 よ たがい||しょうにん| There is proof that it worked.

ある 武道 で は 「 心 滴 拳 聴 」 と 呼ば れる 現象 よ |ぶどう|||こころ|しずく|けん|き||よば||げんしょう| Martial artists call this "listening with the spirit."

まこと の 強者 同士 が ぶつかり合う 瞬間 に は ||きょうしゃ|どうし||ぶつかりあう|しゅんかん|| It's a time perception paradox that occurs commonly when two skilled warriors clash.

よく ある 時間 感覚 の 矛盾 じゃ ||じかん|かんかく||むじゅん|

あの ジジイ の 強 さ の 秘密 |||つよ|||ひみつ The secret behind the old man's strength?

ま ぁ いく つ か ある が I can think of a few possibilities.

まず 「 念 」 が 恐ろしく 静か じゃ |ねん||おそろしく|しずか| First, his Nen is very quiet.

奴 の オーラ の 流れ から 次 の 攻撃 を 読む の は やつ||||ながれ||つぎ||こうげき||よむ|| No one can predict his next attack by reading his aura.

誰 に も でき ん な だれ|||||

だて に 長く 生き て ない わけ よ ||ながく|いき|||| He's lived a long time for a reason.

精神 的 に は もう 植物 の 域 じゃ ろ せいしん|てき||||しょくぶつ||いき|| He has a plant's mental toughness.

何 しろ あの ジジイ なん||| Hell, he was an old man when I was still breast feeding.

わし が 乳飲み子 の 頃 から ジジイ じゃ ||ちのみご||ころ|||

わし の ジジイ と ケンカ し て 生存 し て おる 唯一 の 人間 じゃ し ||||けんか|||せいぞん||||ゆいいつ||にんげん|| He's the only man to fight my grandpa and survive.

知人 に は 違いない ちじん|||ちがいない I'd consider him an acquaintance.

持ちつ持たれつ 陰 と 陽 もちつもたれつ|かげ||よう We are like yin and yang.

アホ 対等 な わけ ある か |たいとう|||| Fool, we aren't evenly matched.

いつも こっち が 泣か さ れ とる わ い |||なか||||| He always has the upper hand.

強 さ の 秘密 じゃ った な つよ|||ひみつ||| The secret behind his strength?

あと は そう さ な I guess there's also that...

戦闘 の ほう で いえ ば せんとう||||| When it comes to battle,

「 百 式 観音 」 ひゃく|しき|かんのん he has the Hundred-type Guanyin Bodhisattva.

これ が 最も 厄介 じゃ ろ ||もっとも|やっかい|| That is his most dangerous ability.

ネテロ の 一 連 の 動作 は ||ひと|れん||どうさ| Netero's sequential movements appeared exceedingly gradual and fluid to Pitou.

この上 なく 流麗 かつ 緩やか に 行わ れ た よう このうえ||りゅうれい||ゆるやか||おこなわ|||

ピトー は 感じ た が ||かんじ||

否 ピトー の 念 能力 の 発動 から 攻撃 まで の 刹那 に いな|||ねん|のうりょく||はつどう||こうげき|||せつな| There was no doubt that Netero's motions had ended 全て が なされ た こと に 疑い の 余地 は なく すべて||||||うたがい||よち|| in the moment between Pitou's Nen activation and subsequent attack.

それ は ピトー が Essentially, this required the constriction of time perception,

己 の 体感 時間 を 限りなく 圧縮 し おのれ||たいかん|じかん||かぎりなく|あっしゅく|

自ら の 時 を 止める に 等しい 状態 に 置く こと で しか おのずから||じ||とどめる||ひとしい|じょうたい||おく||| almost to the point of stopping time entirely for Pitou alone,

ネテロ の 動き を 目 で 捉える こと が でき なかった こと に 起因 する ||うごき||め||とらえる|||||||きいん| in order to perceive Netero's actions.

つまり 真相 は |しんそう| In other words, the result was...

不可避 の 速攻 で ある ふかひ||そっこう|| an attack that could not be dodged.

ネテロ 46 歳 冬 |さい|ふゆ Netero, forty-six years old, in the dead of winter.

己 の 肉体 と 武術 に 限界 を 感じ おのれ||にくたい||ぶじゅつ||げんかい||かんじ Sensing that he had reached his limits of both body and technique,

悩み に 悩み抜 い た 結果 なやみ||なやみぬ|||けっか he spent much time in contemplation

彼 が たどり着 い た 先 は かれ||たどりつ|||さき| before he reached an answer.

感謝 で あった かんしゃ|| That answer was gratitude.

南 無 みなみ|む Amen...

自分 自身 を 育て て くれ た じぶん|じしん||そだて||| He owed a debt to the martial arts that had helped him to mature.

武道 へ の 限りなく 大きな 恩 ぶどう|||かぎりなく|おおきな|おん

自分 なり に 少し でも 返 そ う と 思い立った の が じぶん|||すこし||かえ||||おもいたった|| The method he came up with to repay that debt as best he could...

一 日 1 万 回 感謝 の 正 拳 突き ひと|ひ|よろず|かい|かんしゃ||せい|けん|つき was to throw 10,000 punches of gratitude every day.

気 を 整え 拝み き||ととのえ|おがみ

祈り 構えて いのり|かまえて pray,

突く つく then punch.

一 連 の 動作 を 1 回 こなす のに 当初 は 5 6 秒 ひと|れん||どうさ||かい|||とうしょ||びょう At first, completing the sequence took five or six seconds.

1 万 回 を 突き 終える まで に よろず|かい||つき|おえる|| On the first day, he required over 18 hours to complete 10,000 punches.

初日 は 18 時間 以上 を 費やし た しょにち||じかん|いじょう||ついやし|

突き 終え れ ば 倒れる よう に 寝る つき|おえ|||たおれる|||ねる Upon completion, he'd fall asleep on the spot.

起き て は また 突く を 繰り返す 日々 おき||||つく||くりかえす|ひび When he awoke, he resumed punching, day after day.

2 年 が 過ぎ た 頃 とし||すぎ||ころ After two years, he noticed a difference.

異変 に 気付く いへん||きづく

1 万 回 突き 終え て も 日 が 暮れ て い ない よろず|かい|つき|おえ|||ひ||くれ||| After he'd completed 10,000 punches, the sun was still up.

齢 50 歳 を 超え て 完全 に 羽化 する よわい|さい||こえ||かんぜん||うか| At age fifty, he had made a perfect metamorphosis.

感謝 の 正 拳 突き 1 万 回 かんしゃ||せい|けん|つき|よろず|かい He managed to complete 10,000 punches of gratitude

1 時間 を 切る じかん||きる in under an hour.

代わり に 祈る 時間 が 増え た かわり||いのる|じかん||ふえ| This left him more time for prayer.

山 を 下り た 時 やま||くだり||じ When Netero came down from the mountains, his fists

ネテロ の 拳 は ||けん|

音 を 置き去り に し た おと||おきざり||| were faster than sound.

気のせい だ よ な 一瞬 消え て きのせい||||いっしゅん|きえ| Was that my imagination?

音 が 後 から おと||あと|

館長 かんちょう Master?

か 観音 様 が |かんのん|さま| La—

さて So...

看板 懸けて やる かい かんばん|かけて|| Are you willing to defend your school?

看板 は 差し上げ ます る かんばん||さしあげ|| I offer you my school.

ぜひ 私 め を 弟子 に し て いただき たい |わたくし|||でし||||| Please accept me as a student!

怪物 が 誕生 し た かいぶつ||たんじょう|| A monster was born.

いい よ 飯 おごって くれ たら な ||めし|||| Sure, if you give me something to eat.

今 から 60 年 以上 昔 の こと で ある いま||とし|いじょう|むかし|||| This happened over six decades ago.

落下 方向 の 先 らっか|ほうこう||さき Considering where his hands stopped, the attack shouldn't come from there...

あり 得 ない 場所 から 攻撃 が |とく||ばしょ||こうげき|

一体 いったい How?!

そのまま かなた へ 消え て くれる と ありがたい |||きえ|||| I hope that you will not return.

このまま だ と 相当 遠く まで 吹き飛ばさ れる |||そうとう|とおく||ふきとばさ| This will force me a long distance away!

王 プフ おう| Pouf! 聞こえ て ない きこえ|| He can't hear me... He's too worried about the King.

王 の こと で 頭 が いっぱい か おう||||あたま|||

「 ドクター ブライス 」 どくたー|

それ は 本来 ||ほんらい By its nature, this ability could only be used for healing.

治療 意外 に は 全く 使い道 の ない 能力 で ある ちりょう|いがい|||まったく|つかいみち|||のうりょく||

「 ドクター ブライス 」 は 発現 さ せ た 場所 から どくたー|||はつげん||||ばしょ| Doctor Blythe cannot move from its initial summoned position.

移動 が でき ず いどう|||

術 者 の ピトー も 能力 と 尾 で 繋がって いる ため じゅつ|もの||||のうりょく||お||つながって|| Since the puppet is connected to Pitou's tail,

行動 半径 が 20 m ほど に 限ら れる こうどう|はんけい|||||かぎら| Pitou must stay within twenty meters.

その 制約 が |せいやく| That restriction

ピトー 離脱 の 窮地 を 救った |りだつ||きゅうち||すくった kept Pitou in the fight.

止まった とまった I've stopped?

早く はやく Quickly...

早く はやく Quickly!

そこ で 彼ら が 目 に し た の は ||かれら||め||||| There, they encountered someone they hadn't counted on seeing at this point.

計画 時 に は 誰しも が けいかく|じ|||だれしも|

そこ に 居る と は 考え も し なかった ||いる|||かんがえ|||

ユピー の 姿 だった ||すがた| It was Youpi.

朝 を むさぼり あさ||

夜 を 吐き出し よ||はきだし

いかん と する 我 が 性 |||われ||せい

湧き出す この 感情 は わきだす||かんじょう|

白 か 黒 か しろ||くろ|

目指す 未来 と めざす|みらい|

置いて け ぼ り に し て き た 過去 おいて|||||||||かこ

ねじれ ながら ぐるぐる と 繋がって いる ||||つながって|

過ぎ ゆく 螺旋 に 目 を 細め て すぎ||らせん||め||ほそめ|

不思議 な 夢 から ふしぎ||ゆめ|

身 を 乗り出し た み||のりだし|

表裏 一体 指 で 弾く コイン が 空 に 舞う ひょうり|いったい|ゆび||はじく|||から||まう

僕 は いったい どっち の 結末 願う ぼく|||||けつまつ|ねがう

表裏 一体 光 輝く ほど 僕 が ある だけ ひょうり|いったい|ひかり|かがやく||ぼく|||

ならば どこ へ と 向かって ゆく ||||むかって|

重なった 二 つ の 未来 かさなった|ふた|||みらい