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planetarian ~ちいさなほしのゆめ~, Planetarian: Chiisana Hoshi no Yume Episode 3

Planetarian : Chiisana Hoshi no Yume Episode 3

本日 は 花 菱 デパート 本店 、 屋上 プラネタリウム 館 に 、 ようこそ おい て ください まし た

私 は 当 館 解説 員 の ほし の ゆめ み と 申し ます

投影 を 始め ます 前 に 簡単 な 注意 事項 を お 伝 い し ます

投影 中 の 私 語 は …

そこ は もう 聞い た から 省略 し て くれ 投影 中 の 私 語 は …

そこ は もう 聞い た から 省略 し て くれ

いいえ 、 職務 規定 上 、 ここ は 省略 でき ない こと に なって い ます

わかった 、 好き に やって くれ

はい 、 ありがとう ござい ます

投影 中 の 私 語 は ほか の お 客 様 の ご 迷惑 と なり ます ので お 控え ください

携帯 電話 、 時計 の アラーム など は 予め お 切り ください

また 、 投影 中 の 飲食 及び 喫煙 は お 控え ください ます よう お 願い し ます

それでは 最後 に 、 皆さま を 星 の 世界 へ お 誘い する 大切 な パートナー を 紹介 し ます

盛大 な 拍手 で お 迎え ください

イエナ さん です

実は 、 イエナ さん と いう の は 、 この おっきな 機械 の 名前 な ん です ね

それでは 、 イエナ さん から 皆さま に お 近づき の ご挨拶 を

さて 、 本日 ついに 当 プラネタリウム は 開館 から 数え まし て

2487290 人 目 の お 客 様 に ご 来館 いただき まし た

スタッフ 一同 に 成り 代わり まし て 熱く 御礼 申し上げ ます

本日 は それ を 記念 し まし て 、 特別 投影 を ご 用意 し まし た

それでは 、 ご ゆっくり お 楽しみ ください

秋 の 一 日 、 外 は 雨 で し た

こういう 日 は 何となく 気分 が 沈み がち です

ですが 、 安心 し て ください

ここ で は 、 いつ でも 太陽 を 呼び出す こと が できる ん です

はい 、 これ が 太陽 です

ゆっくり と 西 の 空 に 沈 ん で いき ます

一番星 が 見え て き まし た

宵 の 明星 、 金星 です

空 は だんだん 暗く なって いき ます

さ ぁ 、 早く お 家 に 帰り ま しょ う

やがて 、 夜 の 帳 が 周り を ゆっくり と 包み ます

今晩 八 時 の 星空 です

天井 を 横切って いる の が 天の川 です

古代 の 人 は まるで ミルク が 流れ て いる よう だ と 思い

これ を ミルキー ウェイ と 名づけ まし た

一 番 高い ところ 、 空 の 天辺 に ある 星 が ご覧 に なれる でしょう か

これ が 白鳥 座 の 一 等 星 デネブ です

近く に ある 琴 座 の ベガ

鷲 座 の アル タイル と 合わせ て

夏 の 大 三角 と 言わ れ て い ます

今 見え て いる これ ら は 、 夏 の 星座 です

今日 は 肌寒い 一 日 で し た が

宵 の 星空 に 目 を 移せ ば

そこ に は まだ 夏 の 名残 を 見つける こと が でき ます

それでは 、 秋 の 星座 に は どの よう な もの ある でしょ う

デネブ から 少し 東 へ 目 を 向け て み て ください

背中 に 翼 を 持った 馬 が ペガサス 座

鎖 に 繋が れ た 姫 の 姿 が アンドロメダ です

秋 の 星座 に は 有名 な 神話 が あり ます 、 その ヒロイン は 彼女 です

星 に 吸い寄せ られ そう に なる な 秋 の 星座 に は 有名 な 神話 が あり ます 、 その ヒロイン は 彼女 です

アンドロメダ は 古代 エチオピア の 王 ケフェウス と

その 妃 カシオ ペア の 娘

カシオ ペア は 娘 の 美し さ を 自慢 する あまり

海 の 神 ポセイドン の 怒り を 買って しまい ます

ポセイドン は お化け クジラ を エチオピア の 海岸 へ 差し向け ます

エチオピア は お化け クジラ の 起こす 津波 で 大きな 被害 が 受け て しまい ます

ケフェウス は ポセイドン の 怒り を 静める ため に は

娘 の アンドロメダ を 生 贄 に 差し出せ と アモン の お告げ を 受け ます

思い悩む ケフェウス に

アンドロメダ は 自分 が 生 贄 に なり ます と 申し て まし た

ケフェウス は 悲しみ を 堪え

アンドロメダ を 海岸 の 岩 に 鎖 で 縛り付け ます

アンドロメダ が 海岸 で ひと り 震え て いる と

海 が 大きく 波立ち 始め ます

お化け クジラ が 現れ た の です

アンドロメダ に どんどん 迫って くる お化け クジラ

アンドロメダ は 必死 に 身 を よじり ます が 、 鎖 は びくとも し ませ ん

助け て ! 誰 か 助け て ! アンドロメダ は 心 の 中 で 助け を 呼び まし た

その 時 です

天馬 ペガサス に 跨った 勇者 ペルセウス が 現れ た の です

ペルセウス は ゴルゴーン の メデューサ を 討伐 し た 帰り道

海岸 の 様子 が おかしい と 気 に なり 、 見 に 来 た の です

今 この 世界 に おい て 、 彼女 は 万能 の 語り部 だ

星空 は 彼女 の 庭 で あり

王女 も 勇者 も 怪物 も 神々 も

すべて 彼女 の 思い の まま

恭しく か しず き

冥々 の 役柄 を 演じ て いる

こうして 、 アンドロメダ と ペルセウス は 星座 と なり

今 も 秋 の 夜空 で 幸せ に 暮らし て いる の です

さ ぁ 、 次 は いよいよ 特別 投影 です

題 し まし て 、 宇宙 に 羽ばたく 人類 の 夢

どう し た 、 故障 か

いや 、 まさか

こちら が ブレーカー に なり ます

お 客 様 、 イエナ さん が 反応 し ませ ん

すべて の 投影 装置 及び 稼働 軸 が 動き ませ ん

修理 する に は どの よう な 工具 が 必要 でしょ う か

やはり だ 、 これ は 投影 機 の 故障 じゃ ない

お 客 様 が いらっしゃる の に 投影 を 中断 する など 、 あって は なら ない 事態 です

一刻 も 早く 投影 を 再開 し なく て は なり ませ ん です から

電気 が 来 て ない ん だ

電気 が 、 来 て ない ん だ

申し訳 あり ませ ん が 、 意味 が よく わかり ませ ん で し た

どういう わけ が 、 ここ に は 30 年間

奇跡 の よう に 僅か な 電力 が 供給 さ れ て い た

だが それ が 止まった ん だ

つまり 停電 です ね

しばらく すれ ば 非 常用 電源 に 切り替わり ます

ここ は 元々 非 常用 電源 で 動 い て いた ん だ

もう 予備 は ない

それでは いつ 頃 元 に 戻る でしょ う

元 に は 戻ら ない

誰 か が なんとか できる 問題 じゃ ない ん だ

それでは どの よう に すれ ば 投影 を 再開 できる でしょ う

あの 、 お 客 様

それでは 、 特別 投影 は もう

いい か 、 俺 の 言う こと を よく 聞け

はい

投影 を 続けろ 、 お前 の 声 だけ で いい

申し訳 あり ませ ん が 、 意味 が よく わかり ませ ん で し た

続けろ 、 と 言った ん だ

投影 機 は 動かさ なく て いい から 、 お前 の 解説 だけ 聞か せ て くれ

できる だ ろ う

はい 、 でき ます

ですが 、 私 の 解説 だけ で は 投影 に なり ませ ん

大丈夫 だ 、 星 の こと なら 全部 頭 に 入って いる

お前 が 話せ ば 、 何 が 映って いる の か 俺 に は 全部 わかる

お 客 様 は 本当 に 星 が お 好き な ん です ね

お 客 様 の よう な 方 に ご 来館 いた だい て 、 私 は 本当 に 嬉しい です

ああ

それでは 、 お 言葉 に 甘え まし て 、 私 の 解説 のみ で 続け ます

どうぞ こちら へ

本当 に 、 疑う こと を 知ら ない やつ だ

それでは 、 特別 投影 を 再開 し ます

ずっと ずっと 、 ずーっと 昔 の こと です

冷たく て 暗い 洞穴 の 中 で

人 の 祖先 たち は 身 を 寄せ合って 暮らし て い まし た

世界 は 氷 に 覆わ れ

鋭い 牙 の ある 獣 は ウロウロ し て い ます

ある 凍 て つく 夜

一 人 の 若者 が 目 を 覚まし まし た

きっと 寒く て お腹 も ペコペコ で 、 眠れ なかった でしょ う

眠い 目 を こすり 、 彼 は 洞穴 の 入口 から 、 そっと 外 を 覗 い て み まし た

冴え渡った 夜空 いっぱい に 、 たくさん の 星 が キラキラ と 輝 い て い まし た

その 時代 から ずっと

人 は 無限 に 広がる 星 の 世界 に 憧れ 続け て き た の です

そんな 人類 が 、 空 の 先 、 宇宙 を 目指す の は 当然 の こと で し た

遥か な 高み へ 、 夜 の 闇 を 抜け て

たくさん の 涙 の 粒 を 新しい 夢 の 雫 に 変え て

いつしか その 手 は 宇宙 へ と 届 い て い まし た

太陽 系 第 三 惑星 、 これ が 私 たち の 地球 です

どこまでも 美しい 地球

しかし 今 、 様々 な 諍い や 争い

解決 でき て い ない 問題 が あり ます

人口 問題 、 エネルギー 問題 、 食糧 問題 、 宇宙 領土 問題

ですが 、 私 は 信じ て い ます

人 は すべて の 問題 を 必ず 解決 し

いつ の 日 か きっと 星 の 世界 を 駆け巡る こと でしょ う

さ ぁ 、 今 宵 は 特別 に とっておき の 秘密 を 打ち明け ます

プラネタリウム は タイム マシーン で も ある ん です

遠い 過去 から 遥か な 未来 まで

自由自在 に 時間 を 操る こと が できる ん です

ご 覧 ください 、 今 から ちょうど 千 年 後 の 夜 、 この 場所 から 見える 星空 です

投影 機 の イエナ さん と ロボット の ほし の ゆめ み が

一生懸命 に 紡 い だ 、 ささやか な 未来 の 星空 です

どうか 皆さん 、 ここ で 見 た 星空 を 忘れ ない で ください

あなた が 暗闇 に 迷い 、 本当 の 星空 が 見え なく なって しまった 時

そっと 思い出し て み て ください

それ が 、 小さな 、 私 の 夢 です

それでは 、 私 たち の 時代 に 帰る こと に し ま しょ う

星 が 巡って いき ます

東 の 地平 線 から

冬 の 星座 が 顔 を 出し て い ます

オリオン 座 、 馭者 座 、 おうし 座

夜毎 繰り広げ られる 雄大 な 季節 の 移ろい です

やがて 、 長かった 夜 は 終わり 、 世界 に 朝 が 訪れ ます

太陽 が 昇って き まし た

小鳥 の さえずり や 風 の さ ざ め き が 聞こえ ます

微 睡 ん で い た ビル や 並木 たち も

新しい 日差し に 眠い 目 を こすって い ます

もう すぐ 町 が 動き出し ます

今日 も 変わら ない 一 日 が 始 まじ ます

皆さま 、 おはよう ございます

これ で 、 特別 投影 を 終了 し ます

この 回 の 解説 は 私 、 ほし の ゆめ み で 送り し まし た

ご 清 聴 ありがとう ござい まし た

お 客 様 ?

本日 の 投影 は 終了 し まし た

お 客 様 ? お 客 様 ?

眠って しまった ん です ね

諸 事情 を 勘案 し ます と

客 様 に は このまま 朝 まで お 休み いただく の は 最善 と 考え ます

お 客 様 、 以前 に 館長 さん は

星空 の 下 で 眠る こと が 、 人間 に は 一 番 の 贅沢 な ん だ と 、 教え て くれ まし た

ですから きっと 、 お 客 様 は 特別 投影 に 満足 し て くれ た の だ と 思い ます

私 は 、 とても 嬉しい です

お 客 様 は 今 、 どんな 夢 を ご覧 に なって いる でしょ う

いつ まで も 話し 続ける 彼女 の 声 を 聞き ながら お 客 様 は 今 、 どんな 夢 を ご覧 に なって いる でしょ う

私 は ロボット な の で …

世界 に まだ 雨 が 降り 始める 前 の こと を 思い出 そう と して い た 私 は ロボット な の で …

世界 に まだ 雨 が 降り 始める 前 の こと を 思い出 そう と して い た

… 皆さま を お 待ち し て い ます

プラネタリウム を いかが でしょ う

どんな 時 も 決して 消える こと の ない 、 美しい 無 窮 の きらめき

満天 の 星 々 が …

こんにちは 、 お 客 様 。 ご 気分 は いかが でしょ う

良く も ない が 、 悪く も ない

そう です か 。 もし まだ ご 体調 が 優れ ない よう で し たら

大丈夫 だ

はい 、 それ は 良かった です

時 に 、 お 客 様 、 投影 が 不完全 で 本当 に 申し訳 あり ませ ん で し た

心 より お 詫び いたし ます

いや 、 お前 の 投影 は 悪く なかった

お 褒め いただき 、 本当 に 嬉しい です

それ に お 客 様 に は いろいろ と 助け て いただき まし た

なぁ 、 お前 は これ から

なん でしょう か

何でもない

俺 は もう 行く から な

はい 、 いろいろ と ありがとう ござい まし た

生き て 帰れ る よう に 祈って くれ 、 ロボット の 神様 に な

はい

お 客 様

失礼 です が 、 お 聞き し て も よろしい です か

なん だ

お 帰り の 道中 に 危険 は ござい ます か

ない … と 言ったら 嘘 に なる だ ろ う な

お 帰り の 際 は 電車 に お 乗り に なり ます か

電車 は 走って ない 、 停電 し てる から な

それでは 、 バス が タクシー か 、 お 車 で お 帰り です か

お 車 だ ろ う な

お 車 を 駐車 さ れ て いる 地点 は ここ から 半径 3 キロ メートル 以内 でしょう か

ちょうど その くらい だ な

なぜ そんな こと を 訊 く

サポート センター に 、 職務 規定 特例 に 基づく 行動 指示 要求 を 発信 し まし た が

受諾 さ れ ませ ん で し た

その ため 、 以後 は 私 が 独自 判断 に より 行動 する こと に なり ます

お 客 様 の お 車 まで 、 私 が ご 同行 し ます

は ぁ ?

体調 の 悪い 方 を エスコート する の は 、 私 たち ロボット の 役目 です から

正気 か

いいえ 、 少し だけ 壊れ て い ます


Planetarian : Chiisana Hoshi no Yume Episode 3

本日 は 花 菱 デパート 本店 、 屋上 プラネタリウム 館 に 、 ようこそ おい て ください まし た ほんじつ||か|ひし|でぱーと|ほんてん|おくじょう||かん|||||||

私 は 当 館 解説 員 の ほし の ゆめ み と 申し ます わたくし||とう|かん|かいせつ|いん|||||||もうし|

投影 を 始め ます 前 に 簡単 な 注意 事項 を お 伝 い し ます とうえい||はじめ||ぜん||かんたん||ちゅうい|じこう|||つたい|||

投影 中 の 私 語 は … とうえい|なか||わたくし|ご|

そこ は もう 聞い た から 省略 し て くれ 投影 中 の 私 語 は … |||ききい|||しょうりゃく||||とうえい|なか||わたくし|ご|

そこ は もう 聞い た から 省略 し て くれ |||ききい|||しょうりゃく|||

いいえ 、 職務 規定 上 、 ここ は 省略 でき ない こと に なって い ます |しょくむ|きてい|うえ|||しょうりゃく|||||||

わかった 、 好き に やって くれ |すき|||

はい 、 ありがとう ござい ます

投影 中 の 私 語 は ほか の お 客 様 の ご 迷惑 と なり ます ので お 控え ください とうえい|なか||わたくし|ご|||||きゃく|さま|||めいわく||||||ひかえ|

携帯 電話 、 時計 の アラーム など は 予め お 切り ください けいたい|でんわ|とけい|||||あらかじめ||きり|

また 、 投影 中 の 飲食 及び 喫煙 は お 控え ください ます よう お 願い し ます |とうえい|なか||いんしょく|および|きつえん|||ひかえ|||||ねがい||

それでは 最後 に 、 皆さま を 星 の 世界 へ お 誘い する 大切 な パートナー を 紹介 し ます |さいご||みなさま||ほし||せかい|||さそい||たいせつ||ぱーとなー||しょうかい||

盛大 な 拍手 で お 迎え ください せいだい||はくしゅ|||むかえ|

イエナ さん です

実は 、 イエナ さん と いう の は 、 この おっきな 機械 の 名前 な ん です ね じつは|||||||||きかい||なまえ||||

それでは 、 イエナ さん から 皆さま に お 近づき の ご挨拶 を ||||みなさま|||ちかづき||ごあいさつ|

さて 、 本日 ついに 当 プラネタリウム は 開館 から 数え まし て |ほんじつ||とう|||かいかん||かぞえ||

2487290 人 目 の お 客 様 に ご 来館 いただき まし た じん|め|||きゃく|さま|||らいかん|||

スタッフ 一同 に 成り 代わり まし て 熱く 御礼 申し上げ ます すたっふ|いちどう||なり|かわり|||あつく|おれい|もうしあげ|

本日 は それ を 記念 し まし て 、 特別 投影 を ご 用意 し まし た ほんじつ||||きねん||||とくべつ|とうえい|||ようい|||

それでは 、 ご ゆっくり お 楽しみ ください ||||たのしみ|

秋 の 一 日 、 外 は 雨 で し た あき||ひと|ひ|がい||あめ|||

こういう 日 は 何となく 気分 が 沈み がち です |ひ||なんとなく|きぶん||しずみ||

ですが 、 安心 し て ください |あんしん|||

ここ で は 、 いつ でも 太陽 を 呼び出す こと が できる ん です |||||たいよう||よびだす|||||

はい 、 これ が 太陽 です |||たいよう|

ゆっくり と 西 の 空 に 沈 ん で いき ます ||にし||から||しず||||

一番星 が 見え て き まし た いちばんぼし||みえ||||

宵 の 明星 、 金星 です よい||みょうじょう|きんせい|

空 は だんだん 暗く なって いき ます から|||くらく|||

さ ぁ 、 早く お 家 に 帰り ま しょ う ||はやく||いえ||かえり|||

やがて 、 夜 の 帳 が 周り を ゆっくり と 包み ます |よ||ちょう||まわり||||つつみ|

今晩 八 時 の 星空 です こんばん|やっ|じ||ほしぞら|

天井 を 横切って いる の が 天の川 です てんじょう||よこぎって||||あまのがわ|

古代 の 人 は まるで ミルク が 流れ て いる よう だ と 思い こだい||じん|||みるく||ながれ||||||おもい

これ を ミルキー ウェイ と 名づけ まし た |||||なづけ||

一 番 高い ところ 、 空 の 天辺 に ある 星 が ご覧 に なれる でしょう か ひと|ばん|たかい||から||てっぺん|||ほし||ごらん||||

これ が 白鳥 座 の 一 等 星 デネブ です ||はくちょう|ざ||ひと|とう|ほし||

近く に ある 琴 座 の ベガ ちかく|||こと|ざ||べが

鷲 座 の アル タイル と 合わせ て わし|ざ|||たいる||あわせ|

夏 の 大 三角 と 言わ れ て い ます なつ||だい|さんかく||いわ||||

今 見え て いる これ ら は 、 夏 の 星座 です いま|みえ||||||なつ||せいざ|

今日 は 肌寒い 一 日 で し た が きょう||はださむい|ひと|ひ||||

宵 の 星空 に 目 を 移せ ば よい||ほしぞら||め||うつせ|

そこ に は まだ 夏 の 名残 を 見つける こと が でき ます ||||なつ||なごり||みつける||||

それでは 、 秋 の 星座 に は どの よう な もの ある でしょ う |あき||せいざ|||||||||

デネブ から 少し 東 へ 目 を 向け て み て ください ||すこし|ひがし||め||むけ||||

背中 に 翼 を 持った 馬 が ペガサス 座 せなか||つばさ||もった|うま|||ざ

鎖 に 繋が れ た 姫 の 姿 が アンドロメダ です くさり||つなが|||ひめ||すがた|||

秋 の 星座 に は 有名 な 神話 が あり ます 、 その ヒロイン は 彼女 です あき||せいざ|||ゆうめい||しんわ|||||ひろいん||かのじょ|

星 に 吸い寄せ られ そう に なる な 秋 の 星座 に は 有名 な 神話 が あり ます 、 その ヒロイン は 彼女 です ほし||すいよせ||||||あき||せいざ|||ゆうめい||しんわ|||||ひろいん||かのじょ|

アンドロメダ は 古代 エチオピア の 王 ケフェウス と ||こだい|えちおぴあ||おう||

その 妃 カシオ ペア の 娘 |きさき|かしお|ぺあ||むすめ

カシオ ペア は 娘 の 美し さ を 自慢 する あまり かしお|ぺあ||むすめ||うつくし|||じまん||

海 の 神 ポセイドン の 怒り を 買って しまい ます うみ||かみ|||いかり||かって||

ポセイドン は お化け クジラ を エチオピア の 海岸 へ 差し向け ます ||おばけ|くじら||えちおぴあ||かいがん||さしむけ|

エチオピア は お化け クジラ の 起こす 津波 で 大きな 被害 が 受け て しまい ます えちおぴあ||おばけ|くじら||おこす|つなみ||おおきな|ひがい||うけ|||

ケフェウス は ポセイドン の 怒り を 静める ため に は ||||いかり||しずめる|||

娘 の アンドロメダ を 生 贄 に 差し出せ と アモン の お告げ を 受け ます むすめ||||せい|にえ||さしだせ||||おつげ||うけ|

思い悩む ケフェウス に おもいなやむ||

アンドロメダ は 自分 が 生 贄 に なり ます と 申し て まし た ||じぶん||せい|にえ|||||もうし|||

ケフェウス は 悲しみ を 堪え ||かなしみ||こらえ

アンドロメダ を 海岸 の 岩 に 鎖 で 縛り付け ます ||かいがん||いわ||くさり||しばりつけ|

アンドロメダ が 海岸 で ひと り 震え て いる と ||かいがん||||ふるえ|||

海 が 大きく 波立ち 始め ます うみ||おおきく|なみだち|はじめ|

お化け クジラ が 現れ た の です おばけ|くじら||あらわれ|||

アンドロメダ に どんどん 迫って くる お化け クジラ |||せまって||おばけ|くじら

アンドロメダ は 必死 に 身 を よじり ます が 、 鎖 は びくとも し ませ ん ||ひっし||み|||||くさり|||||

助け て ! 誰 か 助け て ! アンドロメダ は 心 の 中 で 助け を 呼び まし た たすけ||だれ||たすけ||||こころ||なか||たすけ||よび||

その 時 です |じ|

天馬 ペガサス に 跨った 勇者 ペルセウス が 現れ た の です てんば|||またがった|ゆうしゃ|||あらわれ|||

ペルセウス は ゴルゴーン の メデューサ を 討伐 し た 帰り道 ||||||とうばつ|||かえりみち

海岸 の 様子 が おかしい と 気 に なり 、 見 に 来 た の です かいがん||ようす||||き|||み||らい|||

今 この 世界 に おい て 、 彼女 は 万能 の 語り部 だ いま||せかい||||かのじょ||ばんのう||かたりべ|

星空 は 彼女 の 庭 で あり ほしぞら||かのじょ||にわ||

王女 も 勇者 も 怪物 も 神々 も おうじょ||ゆうしゃ||かいぶつ||かみがみ|

すべて 彼女 の 思い の まま |かのじょ||おもい||

恭しく か しず き うやうやしく|||

冥々 の 役柄 を 演じ て いる めい々||やくがら||えんじ||

こうして 、 アンドロメダ と ペルセウス は 星座 と なり |||||せいざ||

今 も 秋 の 夜空 で 幸せ に 暮らし て いる の です いま||あき||よぞら||しあわせ||くらし||||

さ ぁ 、 次 は いよいよ 特別 投影 です ||つぎ|||とくべつ|とうえい|

題 し まし て 、 宇宙 に 羽ばたく 人類 の 夢 だい||||うちゅう||はばたく|じんるい||ゆめ

どう し た 、 故障 か |||こしょう|

いや 、 まさか

こちら が ブレーカー に なり ます ||ぶれーかー|||

お 客 様 、 イエナ さん が 反応 し ませ ん |きゃく|さま||||はんのう|||

すべて の 投影 装置 及び 稼働 軸 が 動き ませ ん ||とうえい|そうち|および|かどう|じく||うごき||

修理 する に は どの よう な 工具 が 必要 でしょ う か しゅうり|||||||こうぐ||ひつよう|||

やはり だ 、 これ は 投影 機 の 故障 じゃ ない ||||とうえい|き||こしょう||

お 客 様 が いらっしゃる の に 投影 を 中断 する など 、 あって は なら ない 事態 です |きゃく|さま|||||とうえい||ちゅうだん|||||||じたい|

一刻 も 早く 投影 を 再開 し なく て は なり ませ ん です から いっこく||はやく|とうえい||さいかい|||||||||

電気 が 来 て ない ん だ でんき||らい||||

電気 が 、 来 て ない ん だ でんき||らい||||

申し訳 あり ませ ん が 、 意味 が よく わかり ませ ん で し た もうし わけ|||||いみ||||||||

どういう わけ が 、 ここ に は 30 年間 ||||||ねんかん

奇跡 の よう に 僅か な 電力 が 供給 さ れ て い た きせき||||わずか||でんりょく||きょうきゅう|||||

だが それ が 止まった ん だ |||とまった||

つまり 停電 です ね |ていでん||

しばらく すれ ば 非 常用 電源 に 切り替わり ます |||ひ|じょうよう|でんげん||きりかわり|

ここ は 元々 非 常用 電源 で 動 い て いた ん だ ||もともと|ひ|じょうよう|でんげん||どう|||||

もう 予備 は ない |よび||

それでは いつ 頃 元 に 戻る でしょ う ||ころ|もと||もどる||

元 に は 戻ら ない もと|||もどら|

誰 か が なんとか できる 問題 じゃ ない ん だ だれ|||||もんだい||||

それでは どの よう に すれ ば 投影 を 再開 できる でしょ う ||||||とうえい||さいかい|||

あの 、 お 客 様 ||きゃく|さま

それでは 、 特別 投影 は もう |とくべつ|とうえい||

いい か 、 俺 の 言う こと を よく 聞け ||おれ||いう||||きけ

はい

投影 を 続けろ 、 お前 の 声 だけ で いい とうえい||つづけろ|おまえ||こえ|||

申し訳 あり ませ ん が 、 意味 が よく わかり ませ ん で し た もうし わけ|||||いみ||||||||

続けろ 、 と 言った ん だ つづけろ||いった||

投影 機 は 動かさ なく て いい から 、 お前 の 解説 だけ 聞か せ て くれ とうえい|き||うごかさ|||||おまえ||かいせつ||きか|||

できる だ ろ う

はい 、 でき ます

ですが 、 私 の 解説 だけ で は 投影 に なり ませ ん |わたくし||かいせつ||||とうえい||||

大丈夫 だ 、 星 の こと なら 全部 頭 に 入って いる だいじょうぶ||ほし||||ぜんぶ|あたま||はいって|

お前 が 話せ ば 、 何 が 映って いる の か 俺 に は 全部 わかる おまえ||はなせ||なん||うつって||||おれ|||ぜんぶ|

お 客 様 は 本当 に 星 が お 好き な ん です ね |きゃく|さま||ほんとう||ほし|||すき||||

お 客 様 の よう な 方 に ご 来館 いた だい て 、 私 は 本当 に 嬉しい です |きゃく|さま||||かた|||らいかん||||わたくし||ほんとう||うれしい|

ああ

それでは 、 お 言葉 に 甘え まし て 、 私 の 解説 のみ で 続け ます ||ことば||あまえ|||わたくし||かいせつ|||つづけ|

どうぞ こちら へ

本当 に 、 疑う こと を 知ら ない やつ だ ほんとう||うたがう|||しら|||

それでは 、 特別 投影 を 再開 し ます |とくべつ|とうえい||さいかい||

ずっと ずっと 、 ずーっと 昔 の こと です |||むかし|||

冷たく て 暗い 洞穴 の 中 で つめたく||くらい|ほらあな||なか|

人 の 祖先 たち は 身 を 寄せ合って 暮らし て い まし た じん||そせん|||み||よせあって|くらし||||

世界 は 氷 に 覆わ れ せかい||こおり||おおわ|

鋭い 牙 の ある 獣 は ウロウロ し て い ます するどい|きば|||けだもの||うろうろ||||

ある 凍 て つく 夜 |こお|||よ

一 人 の 若者 が 目 を 覚まし まし た ひと|じん||わかもの||め||さまし||

きっと 寒く て お腹 も ペコペコ で 、 眠れ なかった でしょ う |さむく||おなか||||ねむれ|||

眠い 目 を こすり 、 彼 は 洞穴 の 入口 から 、 そっと 外 を 覗 い て み まし た ねむい|め|||かれ||ほらあな||いりぐち|||がい||のぞ|||||

冴え渡った 夜空 いっぱい に 、 たくさん の 星 が キラキラ と 輝 い て い まし た さえわたった|よぞら|||||ほし||きらきら||あきら|||||

その 時代 から ずっと |じだい||

人 は 無限 に 広がる 星 の 世界 に 憧れ 続け て き た の です じん||むげん||ひろがる|ほし||せかい||あこがれ|つづけ|||||

そんな 人類 が 、 空 の 先 、 宇宙 を 目指す の は 当然 の こと で し た |じんるい||から||さき|うちゅう||めざす|||とうぜん|||||

遥か な 高み へ 、 夜 の 闇 を 抜け て はるか||たかみ||よ||やみ||ぬけ|

たくさん の 涙 の 粒 を 新しい 夢 の 雫 に 変え て ||なみだ||つぶ||あたらしい|ゆめ||しずく||かえ|

いつしか その 手 は 宇宙 へ と 届 い て い まし た ||て||うちゅう|||とどけ|||||

太陽 系 第 三 惑星 、 これ が 私 たち の 地球 です たいよう|けい|だい|みっ|わくせい|||わたくし|||ちきゅう|

どこまでも 美しい 地球 |うつくしい|ちきゅう

しかし 今 、 様々 な 諍い や 争い |いま|さまざま||いさかい||あらそい

解決 でき て い ない 問題 が あり ます かいけつ|||||もんだい|||

人口 問題 、 エネルギー 問題 、 食糧 問題 、 宇宙 領土 問題 じんこう|もんだい|えねるぎー|もんだい|しょくりょう|もんだい|うちゅう|りょうど|もんだい

ですが 、 私 は 信じ て い ます |わたくし||しんじ|||

人 は すべて の 問題 を 必ず 解決 し じん||||もんだい||かならず|かいけつ|

いつ の 日 か きっと 星 の 世界 を 駆け巡る こと でしょ う ||ひ|||ほし||せかい||かけめぐる|||

さ ぁ 、 今 宵 は 特別 に とっておき の 秘密 を 打ち明け ます ||いま|よい||とくべつ||||ひみつ||うちあけ|

プラネタリウム は タイム マシーン で も ある ん です ||たいむ|ましーん|||||

遠い 過去 から 遥か な 未来 まで とおい|かこ||はるか||みらい|

自由自在 に 時間 を 操る こと が できる ん です じゆうじざい||じかん||あやつる|||||

ご 覧 ください 、 今 から ちょうど 千 年 後 の 夜 、 この 場所 から 見える 星空 です |み||いま|||せん|とし|あと||よ||ばしょ||みえる|ほしぞら|

投影 機 の イエナ さん と ロボット の ほし の ゆめ み が とうえい|き|||||ろぼっと||||||

一生懸命 に 紡 い だ 、 ささやか な 未来 の 星空 です いっしょうけんめい||つむ|||||みらい||ほしぞら|

どうか 皆さん 、 ここ で 見 た 星空 を 忘れ ない で ください |みなさん|||み||ほしぞら||わすれ|||

あなた が 暗闇 に 迷い 、 本当 の 星空 が 見え なく なって しまった 時 ||くらやみ||まよい|ほんとう||ほしぞら||みえ||||じ

そっと 思い出し て み て ください |おもいだし||||

それ が 、 小さな 、 私 の 夢 です ||ちいさな|わたくし||ゆめ|

それでは 、 私 たち の 時代 に 帰る こと に し ま しょ う |わたくし|||じだい||かえる||||||

星 が 巡って いき ます ほし||めぐって||

東 の 地平 線 から ひがし||ちへい|せん|

冬 の 星座 が 顔 を 出し て い ます ふゆ||せいざ||かお||だし|||

オリオン 座 、 馭者 座 、 おうし 座 |ざ|ぎょしゃ|ざ||ざ

夜毎 繰り広げ られる 雄大 な 季節 の 移ろい です よごと|くりひろげ||ゆうだい||きせつ||うつろい|

やがて 、 長かった 夜 は 終わり 、 世界 に 朝 が 訪れ ます |ながかった|よ||おわり|せかい||あさ||おとずれ|

太陽 が 昇って き まし た たいよう||のぼって|||

小鳥 の さえずり や 風 の さ ざ め き が 聞こえ ます ことり||||かぜ|||||||きこえ|

微 睡 ん で い た ビル や 並木 たち も び|すい|||||びる||なみき||

新しい 日差し に 眠い 目 を こすって い ます あたらしい|ひざし||ねむい|め||||

もう すぐ 町 が 動き出し ます ||まち||うごきだし|

今日 も 変わら ない 一 日 が 始 まじ ます きょう||かわら||ひと|ひ||はじめ||

皆さま 、 おはよう ございます みなさま||

これ で 、 特別 投影 を 終了 し ます ||とくべつ|とうえい||しゅうりょう||

この 回 の 解説 は 私 、 ほし の ゆめ み で 送り し まし た |かい||かいせつ||わたくし||||||おくり|||

ご 清 聴 ありがとう ござい まし た |きよし|き||||

お 客 様 ? |きゃく|さま

本日 の 投影 は 終了 し まし た ほんじつ||とうえい||しゅうりょう|||

お 客 様 ? お 客 様 ? |きゃく|さま||きゃく|さま

眠って しまった ん です ね ねむって||||

諸 事情 を 勘案 し ます と しょ|じじょう||かんあん|||

客 様 に は このまま 朝 まで お 休み いただく の は 最善 と 考え ます きゃく|さま||||あさ|||やすみ||||さいぜん||かんがえ|

お 客 様 、 以前 に 館長 さん は |きゃく|さま|いぜん||かんちょう||

星空 の 下 で 眠る こと が 、 人間 に は 一 番 の 贅沢 な ん だ と 、 教え て くれ まし た ほしぞら||した||ねむる|||にんげん|||ひと|ばん||ぜいたく|||||おしえ||||

ですから きっと 、 お 客 様 は 特別 投影 に 満足 し て くれ た の だ と 思い ます |||きゃく|さま||とくべつ|とうえい||まんぞく||||||||おもい|

私 は 、 とても 嬉しい です わたくし|||うれしい|

お 客 様 は 今 、 どんな 夢 を ご覧 に なって いる でしょ う |きゃく|さま||いま||ゆめ||ごらん|||||

いつ まで も 話し 続ける 彼女 の 声 を 聞き ながら お 客 様 は 今 、 どんな 夢 を ご覧 に なって いる でしょ う |||はなし|つづける|かのじょ||こえ||きき|||きゃく|さま||いま||ゆめ||ごらん|||||

私 は ロボット な の で … わたくし||ろぼっと|||

世界 に まだ 雨 が 降り 始める 前 の こと を 思い出 そう と して い た 私 は ロボット な の で … せかい|||あめ||ふり|はじめる|ぜん||||おもいで||||||わたくし||ろぼっと|||

世界 に まだ 雨 が 降り 始める 前 の こと を 思い出 そう と して い た せかい|||あめ||ふり|はじめる|ぜん||||おもいで|||||

… 皆さま を お 待ち し て い ます みなさま|||まち||||

プラネタリウム を いかが でしょ う

どんな 時 も 決して 消える こと の ない 、 美しい 無 窮 の きらめき |じ||けっして|きえる||||うつくしい|む|きゅう||

満天 の 星 々 が … まんてん||ほし||

こんにちは 、 お 客 様 。 ご 気分 は いかが でしょ う ||きゃく|さま||きぶん||||

良く も ない が 、 悪く も ない よく||||わるく||

そう です か 。 もし まだ ご 体調 が 優れ ない よう で し たら ||||||たいちょう||すぐれ|||||

大丈夫 だ だいじょうぶ|

はい 、 それ は 良かった です |||よかった|

時 に 、 お 客 様 、 投影 が 不完全 で 本当 に 申し訳 あり ませ ん で し た じ|||きゃく|さま|とうえい||ふかんぜん||ほんとう||もうし わけ||||||

心 より お 詫び いたし ます こころ|||わび||

いや 、 お前 の 投影 は 悪く なかった |おまえ||とうえい||わるく|

お 褒め いただき 、 本当 に 嬉しい です |ほめ||ほんとう||うれしい|

それ に お 客 様 に は いろいろ と 助け て いただき まし た |||きゃく|さま|||||たすけ||||

なぁ 、 お前 は これ から |おまえ|||

なん でしょう か

何でもない なんでもない

俺 は もう 行く から な おれ|||いく||

はい 、 いろいろ と ありがとう ござい まし た

生き て 帰れ る よう に 祈って くれ 、 ロボット の 神様 に な いき||かえれ||||いのって||ろぼっと||かみさま||

はい

お 客 様 |きゃく|さま

失礼 です が 、 お 聞き し て も よろしい です か しつれい||||きき||||||

なん だ

お 帰り の 道中 に 危険 は ござい ます か |かえり||どうちゅう||きけん||||

ない … と 言ったら 嘘 に なる だ ろ う な ||いったら|うそ||||||

お 帰り の 際 は 電車 に お 乗り に なり ます か |かえり||さい||でんしゃ|||のり||||

電車 は 走って ない 、 停電 し てる から な でんしゃ||はしって||ていでん||||

それでは 、 バス が タクシー か 、 お 車 で お 帰り です か |ばす||たくしー|||くるま|||かえり||

お 車 だ ろ う な |くるま||||

お 車 を 駐車 さ れ て いる 地点 は ここ から 半径 3 キロ メートル 以内 でしょう か |くるま||ちゅうしゃ|||||ちてん||||はんけい|きろ|めーとる|いない||

ちょうど その くらい だ な

なぜ そんな こと を 訊 く ||||じん|

サポート センター に 、 職務 規定 特例 に 基づく 行動 指示 要求 を 発信 し まし た が さぽーと|せんたー||しょくむ|きてい|とくれい||もとづく|こうどう|しじ|ようきゅう||はっしん||||

受諾 さ れ ませ ん で し た じゅだく|||||||

その ため 、 以後 は 私 が 独自 判断 に より 行動 する こと に なり ます ||いご||わたくし||どくじ|はんだん|||こうどう|||||

お 客 様 の お 車 まで 、 私 が ご 同行 し ます |きゃく|さま|||くるま||わたくし|||どうこう||

は ぁ ?

体調 の 悪い 方 を エスコート する の は 、 私 たち ロボット の 役目 です から たいちょう||わるい|かた||||||わたくし||ろぼっと||やくめ||

正気 か しょうき|

いいえ 、 少し だけ 壊れ て い ます |すこし||こぼれ|||