×

We use cookies to help make LingQ better. By visiting the site, you agree to our cookie policy.

image

百物語 - Yōkai​ Stories, 鐘を鳴らした山鳥

鐘 を 鳴らした 山鳥

鐘 を 鳴らした 山鳥

むかし むかし 、ある 山小屋 に 、一人 の 木こり が 住んで い ました 。

ある 日 の 事 、木こり が 山 を 登っている と 、山鳥 が けたたましい 声 で 騒いでいました 。 木 こり が 鳴き声 の する 方 を 見上げて みる と 、岩 の 上 に ある 山鳥 の 巣 の 中 に 二羽 の ヒナ が いて 、何か に おびえている 様子 です 。 「何事 だ ? 」よく 見る と 巣 の 下 から 、大きな ヘビ が せまって いた のです 。 「こら 、しっ 、しっ 」木 こり は 木 の 棒 で 、その ヘビ を 追い払って やりました 。

さて 、それ から 何 年 か たった ある 日 、木こり が 用事 で 山道 を 歩いている と 、まだ 昼前 なのに 急に 辺り が 真夜中 の 様 に 暗く なって 、何も 見えなく なってしまった のです 。 「これ は 、どうした 事 だ ? 」木 こり が 困って いる と 、木々 の 向こう に 家 の 明かり が 見えました 。 「 助かった 。 とにかく 、あの 家 に 行って みよう 」木こり は その 家 に たどり着く と 、家 の 戸 を 叩いて 言い ました 。 「もしもし 、急に 日 が 暮れて 困って い ます 。 どうか 、中 に 入れて ください 」すると 中 から 、美しい 女 の 人 が 出て 来て 言い ました 。 「やっと 会えた ねえ 。 お前 が 来る の 、 ずっと 待って いた ん だ よ 」 ( 待って いた ? 変な 事 を 言う 女 だ )木 こり は 不思議に 思い ました が 、とにかく 家 の 中 に 入れて もらい ました 。

家 は とても 立派です が 、不思議な 事 に 人 が 住んでいる 様子 が ありませ ん 。 「お前 さん 、こんな 山中 の 家 に 、一人 で 住んで いる の か ? 」木 こり が 尋ねる と 、女 は 後ろ手 で 戸 を ピシャリ と 閉め ながら 、「この 家 は 、お前 を おびきよせる ワナ だ 」と 、太い 声 で 言った のです 。 その 声 は 、先ほど の 女 の 人 の 声 で は ありませ ん 。 「お っ 、お前 さん は ・・・」木こり が びっくり して 言う と 、女 の 人 の 肌 に うろこ が 浮かんで きて 、見る見る うちに ヘビ の 顔 に なった のです 。 「ヘ 、ヘビ 女 ! 」 木 こり は 逃げ出そう と しました が 、 その とたん に 氷 の 様 な 冷たい 手 で 襟首 ( えりくび ) を つかまれて 、 逃げる どころ か 動く 事 も 出来ません 。 ヘビ 女 は 木 こり に 不気味な 顔 を 近づける と 、こう 言った のです 。 「わたし は 数 年 前 、お前 に 食事 の 邪魔 を さ れた ヘビ だ 。 あの 時 の うらみ を 、ここ で はらして くれよう 」それ を 聞いた 木こり は 、山鳥 の ヒナ を 助ける 為 に 追い払った ヘビ の 事 を 思い出し ました 。 ( くそ ー ! こんな 事 なら 、あの 時 に ヘビ を 殺して おけば よかった )木こり は 気持ち を 落ち着かせる と 、ヘビ女 に こう 言い ました 。 「 待て ! おれ に は 、山 の 神さま が ついて いる んだ ぞ 。 もし おれ に 手 を 出す と 、お前 は 後 で ひどい 目 に 会う ぞ 」山 の 神 が ついている なんて 全く の でたらめ です が 、それ を 聞いた ヘビ 女 の 動き が ピタリ と 止まりました 。 「山 の 神 ? ・・・ ふん 。 なら 、試して やろう 。 お前 は この 近く に 、人 の いない 山寺 が ある の を 知っている だろう 。 本当に 山 の 神 が ついて いる と 言う なら 、その 山 の 神 に 頼んで 、夜中 まで に 山寺 の 鐘 を 二 つ 鳴らして みろ 。 もし 鐘 が 鳴ったら 、お前 の 命 は 助けて やろう 。 だが 鳴ら なかったら 、お前 を 頭 から 食って やる から な 」ヘビ 女 は そう 言う と 、長い 舌 で ペロリ と 舌なめずり を し ました 。

時間 が どんどん 過ぎて 、とうとう 夜中 に なり ました 。 ヘビ 女 は ニヤリ と 笑って 、木 こり に 言い ました 。 「さあ 、約束 の 夜中 に なった が 、鐘 は 鳴らなかった な 。 山 の 神 が ついている など と 、うそ を 言いやがって 。 約束 通り 、お前 を 頭 から 食って やる ぞ 」ヘビ 女 が 大きな 口 を 開けた その 時 、♪ゴーーン ♪ゴーーン と 、人 が いない はずの 山寺 の 鐘 が 、二つ 鳴った のです 。 それ を 聞いた ヘビ 女 は 、いまいまし そうに 舌打ち を する と 、「ち っ ! 本当に 、山 の 神 が ついて いた の か 」と 、そのまま どこ か へ 消えて しまいまし た 。 「たっ、助かった。 ・・・しかし 、誰 が 鐘 を 鳴らした のだろう ? やがて 夜 が 明けた ので 、木こり は 山寺 に 行って みました 。 「 も ー し 、 誰 かいます か ー ? 」木 こり が 声 を かけました が 、やはり 山寺 に は 誰 も いません 。 そこ で 木こり が 鐘 つき 堂 へ 行って みる と 、何と 釣鐘 の 下 で 、血だらけの 山鳥 が 二羽 、並んで 死んで いた のです 。 その 山鳥 は 、木こり が ヘビ から 助けて やった 山鳥 でした 。 「そう か 、お前たち が 鐘 を 」山鳥 は 命 の 恩人 を 助ける 為 に 、自分 を 勢いよく 鐘 に 打ち付けて 鐘 を 鳴らした のでした 。

おしまい

Learn languages from TV shows, movies, news, articles and more! Try LingQ for FREE