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百物語 - Yōkai​ Stories, 人食い和尚

人食い和尚

人食い 和尚

むかし むかし 、 快 庵 ( か いあん ) と いう 、 とても 偉い お 坊さん が い ました 。 その お 坊さん が 、 修業 の 旅 を して いる 頃 の お 話 です 。

日 が 暮れて きた ので 、 お 坊さん は 一晩 泊めて もらおう と ある 村 に 立ち寄った のです が 、 畑 仕事 を すませた 村人 たち は お 坊さん を 見る なり 、 「 山 の 鬼 が 来た ぞ ! 」 と 、 大声 で 叫び ながら 、 手 に した クワ や 天秤 棒 ( てん びんぼう ) で 殴り かかって きた のです 。 「 こら ! いきなり 何 を する ! 」 お 坊さん は 素早く 身 を かわし 、 その は ずみ で かぶって いた 青い ずきん が 落ちた ので 、 村人 たち は 人違い だ と わかり ました 。 村人 たち は お 坊さん に 深々と 頭 を さげる と 、 お 坊さん に 事情 を 話し ました 。 「 この 村 の 近く に お 寺 が あり 、 そこ に 心 優しい 和尚 さま が い ました 。 和尚 さま に は 、 とても 可愛い がって いた 一 人 息子 が いた のです が 、 突然の 病気 に 亡くなって しまい ました 。 和尚 さま は あまり の 悲し さ に 息子 が 死んで しまった 事 を 認めよう と は せ ず 、 生きて いた 時 と 同じ 様 に 抱いたり お ぶったり して い ました 。 です が その うち に 、 その 息子 の 体 が 腐り 始めて 、 ひどい 臭い を 村中 に まき散らした のです 。 そこ で 我々 が 、 なんとか 和尚 さま と 息子 の 亡き がら を 引き離そう と した のです が 、 和尚 さま は 『 大事な 息子 を 取ら れる ぐらい なら 』 と 、 その 息子 の 肉 や 骨 を 食べて しまった のです 」 「 それ は 、 ひどい ! 」 お 坊さん は 、 思わず 顔 を そむけ ました 。 村人 たち は 、 そのまま 話 を 続け ました 。 「 そして その 時 に 人肉 の 味 を 覚えて しまった 和尚 さま は 、 毎晩 の 様 に 村 の 墓場 へ やって 来て は 墓 を 掘り起こして 、 死体 を むさぼる 様 に なった のです 。 あの 心 優しい 和尚 さま は 、 人食い 鬼 に なって しまった のです 。 それ で 我々 が 人食い 和尚 さま を 退治 しよう と 待ちかまえて いた ところ へ 、 あなた さま が やって 来た ので 、 間違えて 殴り かかって しまい ました 。 どう か 、 お 許し くだされ 」 村人 たち は お 坊さん に 、 もう 一 度 深々と 頭 を 下げ ました 。 お 坊さん は それ に 頷く と 、 「 お 話し は 、 わかり ました 。 殴り かから れた 事 は 、 もう 怒って は いま せ ん 。 それ より も 、 この 地 に わたし が 訪れた の も 何 か の 縁 です 。 人食い 和尚 の 事 は 、 わたし が 何とか し ましょう 」

お 坊さん は 、 村人 に 教えて もらった お 寺 へ と 出かけ ました 。 しかし その お 寺 は ずいぶん と 荒れ果て 、 まるで お化け 屋敷 の 様 です 。 「 すみません 。 わたし は 、 旅 の 坊主 です 。 どうか 今夜 一晩 、 ここ に 泊めて 下され 」 お 坊さん が 声 を かける と 、 寺 の 奥 から やせこけた 和尚 さん が 現れ ました 。 そして 、 お 坊さん を するどい 目 で 見る と 、 「 どこ へ でも 、 好きな 所 で 休む が よい 」 と 、 言って 、 そのまま 奥 へ 入って しまい ました 。

その 夜ふけ 、 お 坊さん が 寺 の 本堂 で 座禅 を 組んで いる と 、 あの 和尚 さん が やって 来て 、 あたり を キョロキョロ 見回し ながら 何 か を 探し 始め ました 。 目の前 に 座って いる お 坊さん に は 、 まったく 気 が つか ない 様子 です 。 そして 一晩 中 、 何 か を 探して いた 和尚 さん は 、 やがて 疲れ果てて 、 ばったり と 倒れて しまい ました 。

間もなく 東 の 空 が 明るく なる と 、 和尚 さん は 夢 から 覚めた 様 に 起き上がり ました 。 そして お 坊さん に 気付く と 、 へなへな と しゃがみ込んで 言い ました 。 「 わたし の 目 は 死人 を 食べて から 、 もう 死人 しか 見え なく なって しまい ました 。 わたし は 、 もう 人間 で は あり ませ ん 。 しかし 死ぬ 時 は 、 人間 と して 死に たい 。 その 為 なら 、 どんな 苦行 に も 耐え ます 。 どうぞ わたし を 、 お 助け ください まし 」 和尚 さん は 、 お 坊さん に 涙 を こぼして 頼み ました 。 「 わかり ました 。 その お 覚悟 が ある の なら 、 ここ へ お 座り なさい 」 お 坊さん は 和尚 さん を 大きな 石 の 上 に 座ら せて 、 自分 の かぶって いた 青 ずきん を その 頭 に かぶせて やり ました 。 「 石 の 上 で 一心に お 経 を 唱えれば 、 いつか 人間 の 心 に 戻れる はず 。 それ まで は 、 どんな 事 が あって も 動いて は なり ませ ん 」 そう 言って 、 お 坊さん は お 寺 を 出て 行き ました 。

さて 、 それ から 一 年 後 、 お 坊さん は 再び 、 あの お 寺 を 訪ねて み ました 。 する と お 寺 は 一 年 前 より も さらに ひどく 荒れ果てて いて 、 今にも くずれ そうです 。 「 まさか 、 まだ 人 に 戻って い ない の か ? 」 お 坊さん は 和尚 さん に 念仏 を 唱える 様 に 言った 、 大きな 石 の 所 へ 行って み ました 。 する と あの 石 の 上 に 、 まるで ガイコツ の 様 に やせ細った 和尚 さん が 、 蚊 の 泣く 様 な 声 で まだ 念仏 を 唱えて いた のです 。 「 この おろか 者 ! 人間 と して 、 死に たい ので は なかった の か ! まだ 人間 に 戻れ ぬ の は 、 お 主 の 心 に まよい が ある から だ ! 」 お 坊さん は 、 持って いた 杖 を 振り上げ ました 。 「 しかたがない 。 わたし が 、 お 主 を 成仏 さ せて やろう 。 ・・・ か っ ! 」 お 坊さん は するどく 叫んで 、 和尚 さん の 頭 に 杖 を 打ち おろし ました 。 する と 和尚 さん の 体 は 一瞬にして 砕け 散り 、 その あと に は 青い ずきん だけ が 残り ました 。

その後 、 村人 たち は 、 この 荒れ 寺 を 新しく 建て直す と 、 新しい 和尚 さん が 決まる まで 、 この お 坊さん に 住んで もらった そうです 。

おしまい

人食い和尚 ひとくい おしょう kannibalistischer Mönch cannibal priest monje caníbal moine cannibale monaco cannibale 식인종 승려 kannibalistische monnik monge canibal монах-каннибалист kannibalistisk munk yamyam keşiş монах-канібал 食人牧师 食人牧师 食人牧師

人食い 和尚 ひとくい|おしょう Man-eating Osho 食人牧师

むかし むかし 、 快 庵 ( か いあん ) と いう 、 とても 偉い お 坊さん が い ました 。 ||こころよ|いおり||||||えらい||ぼうさん||| Once upon a time, there was a very great Buddhist priest called Kaian. 从前,有一位非常重要的和尚,名叫凯安。 その お 坊さん が 、 修業 の 旅 を して いる 頃 の お 話 です 。 ||ぼうさん||しゅうぎょう||たび||||ころ|||はなし| This is the story of the monk when he was on a training trip. 这是和尚修行时的故事。

日 が 暮れて きた ので 、 お 坊さん は 一晩 泊めて もらおう と ある 村 に 立ち寄った のです が 、 畑 仕事 を すませた 村人 たち は お 坊さん を 見る なり 、 「 山 の 鬼 が 来た ぞ ! ひ||くれて||||ぼうさん||ひとばん|とめて||||むら||たちよった|||はたけ|しごと|||むらびと||||ぼうさん||みる||やま||おに||きた| As the sun went down, the monk stopped by a village to stay overnight, but the villagers who had done the field work saw the monk and said, "The demon of the mountain has come! 天快黑了,和尚路过一个村子,要找地方过夜。 」 と 、 大声 で 叫び ながら 、 手 に した クワ や 天秤 棒 ( てん びんぼう ) で 殴り かかって きた のです 。 |おおごえ||さけび||て|||くわ||てんびん|ぼう||||なぐり||| While yelling out, he was hit with a mulberry and a balance pole in his hand. ’,他对我大吼大叫,并用锄头或平衡杆攻击我。 「 こら ! " Hey ! “ 嘿 ! いきなり 何 を する ! |なん|| What do you do suddenly! 你突然来干什么! 」   お 坊さん は 素早く 身 を かわし 、 その は ずみ で かぶって いた 青い ずきん が 落ちた ので 、 村人 たち は 人違い だ と わかり ました 。 |ぼうさん||すばやく|み|||||||||あおい|||おちた||むらびと|||ひとちがい|||| The Buddhist priest swiftly dodged, and the blue hood that he was wearing had fallen off, and the villagers knew they were wrong. ”和尚连忙躲开,身上的蓝色兜帽在空中掉了下来,村民们才知道他错了。 村人 たち は お 坊さん に 深々と 頭 を さげる と 、 お 坊さん に 事情 を 話し ました 。 むらびと||||ぼうさん||しんしんと|あたま|||||ぼうさん||じじょう||はなし| The villagers bowed deeply to the monk and told the monk about the situation. 村民们向和尚深深地鞠了一躬,并把情况告诉了他。 「 この 村 の 近く に お 寺 が あり 、 そこ に 心 優しい 和尚 さま が い ました 。 |むら||ちかく|||てら|||||こころ|やさしい|おしょう|||| "There was a temple near this village, and there was a kind-hearted Osho-sama there. “这个村子附近有一座寺庙,有一位好心的牧师。 和尚 さま に は 、 とても 可愛い がって いた 一 人 息子 が いた のです が 、 突然の 病気 に 亡くなって しまい ました 。 おしょう|||||かわいい|||ひと|じん|むすこ|||||とつぜんの|びょうき||なくなって|| Mr. Osho had a son who was very cute, but he died of a sudden illness. 神父有一个独生子,他认为他很可爱,但他突然病死了。 和尚 さま は あまり の 悲し さ に 息子 が 死んで しまった 事 を 認めよう と は せ ず 、 生きて いた 時 と 同じ 様 に 抱いたり お ぶったり して い ました 。 おしょう|||||かなし|||むすこ||しんで||こと||みとめよう|||||いきて||じ||おなじ|さま||いだいたり||||| Osho refused to admit that his son had died because of so much sadness, but he hugged and shook him as he did when he was alive. 神父悲痛欲绝,不肯承认儿子死了,还像生前一样背着背着。 です が その うち に 、 その 息子 の 体 が 腐り 始めて 、 ひどい 臭い を 村中 に まき散らした のです 。 ||||||むすこ||からだ||くさり|はじめて||くさい||むらなか||まきちらした| But before long, the son's body began to rot, and a foul stench spread throughout the village. 但没过多久,儿子的尸体开始腐烂,一股恶臭传遍了整个村子。 そこ で 我々 が 、 なんとか 和尚 さま と 息子 の 亡き がら を 引き離そう と した のです が 、 和尚 さま は 『 大事な 息子 を 取ら れる ぐらい なら 』 と 、 その 息子 の 肉 や 骨 を 食べて しまった のです 」 「 それ は 、 ひどい ! ||われわれ|||おしょう|||むすこ||なき|||ひきはなそう|||||おしょう|||だいじな|むすこ||とら||||||むすこ||にく||こつ||たべて||||| There, we managed to separate Osho and his son's deceased, but Osho ate the flesh and bones of his son, saying, "If you can take your precious son." " " That's awful ! 我们试图将祭司和他儿子的尸体分开,但祭司吃掉了他儿子的肉和骨头,他说:“如果这就像带走我的宝贝儿子一样,”他说。 」   お 坊さん は 、 思わず 顔 を そむけ ました 。 |ぼうさん||おもわず|かお||| '' The monk involuntarily turned away. ’和尚不由自主的扭头就走。 村人 たち は 、 そのまま 話 を 続け ました 。 むらびと||||はなし||つづけ| The villagers continued their conversation. 村民们继续交谈。 「 そして その 時 に 人肉 の 味 を 覚えて しまった 和尚 さま は 、 毎晩 の 様 に 村 の 墓場 へ やって 来て は 墓 を 掘り起こして 、 死体 を むさぼる 様 に なった のです 。 ||じ||じんにく||あじ||おぼえて||おしょう|||まいばん||さま||むら||はかば|||きて||はか||ほりおこして|したい|||さま||| “And at that time, Osho, who remembered the taste of human flesh, came to the village graveyard every night, dug up the grave, and began to devour the corpse. “那时候,学会了人肉味道的祭司几乎每晚都会来到村里的墓地,挖开坟墓,吞食尸体。 あの 心 優しい 和尚 さま は 、 人食い 鬼 に なって しまった のです 。 |こころ|やさしい|おしょう|||ひとくい|おに|||| That kind-hearted priest has turned into a cannibal demon. それ で 我々 が 人食い 和尚 さま を 退治 しよう と 待ちかまえて いた ところ へ 、 あなた さま が やって 来た ので 、 間違えて 殴り かかって しまい ました 。 ||われわれ||ひとくい|おしょう|||たいじ|||まちかまえて||||||||きた||まちがえて|なぐり||| So when we were waiting to exterminate the cannibal priest, you came and accidentally attacked him. どう か 、 お 許し くだされ 」   村人 たち は お 坊さん に 、 もう 一 度 深々と 頭 を 下げ ました 。 |||ゆるし||むらびと||||ぼうさん|||ひと|たび|しんしんと|あたま||さげ| Please forgive me." The villagers bowed their heads to the monk once again. 请原谅我。”村民们再次向和尚低头。 お 坊さん は それ に 頷く と 、 「 お 話し は 、 わかり ました 。 |ぼうさん||||うなずく|||はなし||| The monk nodded and said, "I understand what you're saying. 和尚点点头,道:“我明白你的意思。 殴り かから れた 事 は 、 もう 怒って は いま せ ん 。 なぐり|||こと|||いかって|||| I'm no longer angry about being beaten. 我不再为被打而生气了。 それ より も 、 この 地 に わたし が 訪れた の も 何 か の 縁 です 。 ||||ち||||おとずれた|||なん|||えん| Rather than that, my visit to this place is also due to some kind of fate. 与其说是,我到这里来也是因为某种缘分。 人食い 和尚 の 事 は 、 わたし が 何とか し ましょう 」 ひとくい|おしょう||こと||||なんとか|| I'll do something about the cannibalism of Osho. " 我会为食人祭司做点什么。”

お 坊さん は 、 村人 に 教えて もらった お 寺 へ と 出かけ ました 。 |ぼうさん||むらびと||おしえて|||てら|||でかけ| The monk went to a temple that the villagers taught him. 和尚去了村民告诉他的寺庙。 しかし その お 寺 は ずいぶん と 荒れ果て 、 まるで お化け 屋敷 の 様 です 。 |||てら||||あれはて||おばけ|やしき||さま| However, the temple is so desolate that it looks like a haunted house. 然而,这座寺庙是如此荒凉,就像一座鬼屋。 「 すみません 。 I'm sorry. “ 打扰一下 。 わたし は 、 旅 の 坊主 です 。 ||たび||ぼうず| I am a traveling monk. 我是一个旅行的和尚。 どうか 今夜 一晩 、 ここ に 泊めて 下され 」   お 坊さん が 声 を かける と 、 寺 の 奥 から やせこけた 和尚 さん が 現れ ました 。 |こんや|ひとばん|||とめて|くだされ||ぼうさん||こえ||||てら||おく|||おしょう|||あらわれ| Please let me stay here for the night tonight." When the monk called out, a skinny priest appeared from the back of the temple. 今夜请让我在此过夜。”僧人一喊,一名瘦骨嶙峋的道士从殿后出现。 そして 、 お 坊さん を するどい 目 で 見る と 、 「 どこ へ でも 、 好きな 所 で 休む が よい 」 と 、 言って 、 そのまま 奥 へ 入って しまい ました 。 ||ぼうさん|||め||みる|||||すきな|しょ||やすむ||||いって||おく||はいって|| Then, when I looked at the monk with a sharp eye, he said, "You should rest wherever you like, wherever you go," and he went into the back as it was. 然后用锐利的目光看了和尚一眼,说:“你随便休息吧。”说完就钻进了后面。

その 夜ふけ 、 お 坊さん が 寺 の 本堂 で 座禅 を 組んで いる と 、 あの 和尚 さん が やって 来て 、 あたり を キョロキョロ 見回し ながら 何 か を 探し 始め ました 。 |よふけ||ぼうさん||てら||ほんどう||ざぜん||くんで||||おしょう||||きて||||みまわし||なん|||さがし|はじめ| At that night, when the Buddhist priest was meditation in the main hall of the temple, Mr. Kazuhisa came over and began to look around and look for something. 那天晚上晚些时候,当僧侣们坐在寺庙的主殿时,和尚来了,开始四处张望,寻找什么。 目の前 に 座って いる お 坊さん に は 、 まったく 気 が つか ない 様子 です 。 めのまえ||すわって|||ぼうさん||||き||||ようす| The monk sitting in front of me seems to be completely unaware. 他似乎根本没有注意到坐在他面前的和尚。 そして 一晩 中 、 何 か を 探して いた 和尚 さん は 、 やがて 疲れ果てて 、 ばったり と 倒れて しまい ました 。 |ひとばん|なか|なん|||さがして||おしょう||||つかれはてて|||たおれて|| Then, all night long, Osho, who was looking for something, eventually became exhausted and fell down. 找了一个晚上,和尚终于精疲力尽,倒下了。

間もなく 東 の 空 が 明るく なる と 、 和尚 さん は 夢 から 覚めた 様 に 起き上がり ました 。 まもなく|ひがし||から||あかるく|||おしょう|||ゆめ||さめた|さま||おきあがり| Soon after the eastern sky became brighter, Mr. Kazuhisa got up as if he had awakened from his dream. 很快东方的天空就亮了起来,神父如梦初醒般起身。 そして お 坊さん に 気付く と 、 へなへな と しゃがみ込んで 言い ました 。 ||ぼうさん||きづく||||しゃがみこんで|いい| And when he noticed the monk, he crouched down and said he was crazy. 当他看到那和尚时,他蹲下身来说道: 「 わたし の 目 は 死人 を 食べて から 、 もう 死人 しか 見え なく なって しまい ました 。 ||め||しにん||たべて|||しにん||みえ|||| "My eyes have been able to see only the dead since they ate the dead. “因为我的眼睛吃了死人,所以我只能看到死人。 わたし は 、 もう 人間 で は あり ませ ん 。 |||にんげん||||| I am no longer human. 我不再是人类了。 しかし 死ぬ 時 は 、 人間 と して 死に たい 。 |しぬ|じ||にんげん|||しに| But when I die, I want to die as a human being. 但当我死的时候,我想作为一个人而死。 その 為 なら 、 どんな 苦行 に も 耐え ます 。 |ため|||くぎょう|||たえ| For that, I will endure any kind of asceticism. 因此,我会忍受任何形式的苦行。 どうぞ わたし を 、 お 助け ください まし 」   和尚 さん は 、 お 坊さん に 涙 を こぼして 頼み ました 。 ||||たすけ|||おしょう||||ぼうさん||なみだ|||たのみ| Please help me. ”Kazuhisa asked the monk with tears. 请救救我吧。”和尚眼里含着泪水恳求和尚。 「 わかり ました 。 I understand. “ 知道了 。 その お 覚悟 が ある の なら 、 ここ へ お 座り なさい 」   お 坊さん は 和尚 さん を 大きな 石 の 上 に 座ら せて 、 自分 の かぶって いた 青 ずきん を その 頭 に かぶせて やり ました 。 ||かくご||||||||すわり|||ぼうさん||おしょう|||おおきな|いし||うえ||すわら||じぶん||||あお||||あたま|||| If you are prepared to do so, sit here. ”The monk sat Osho on a large stone and put his blue hood on his head. 如果你准备好了,就请来坐吧。”和尚让和尚坐在一块大石头上,并将他一直戴着的蓝色头巾戴在头上。 「 石 の 上 で 一心に お 経 を 唱えれば 、 いつか 人間 の 心 に 戻れる はず 。 いし||うえ||いっしんに||へ||となえれば||にんげん||こころ||もどれる| "If you chant sutras on the stone with all your heart, you should be able to return to your human mind someday. “如果你把心放在石头上念经,总有一天你应该能够回到人心。” それ まで は 、 どんな 事 が あって も 動いて は なり ませ ん 」   そう 言って 、 お 坊さん は お 寺 を 出て 行き ました 。 ||||こと||||うごいて||||||いって||ぼうさん|||てら||でて|いき| Until then, no matter what happened, the monk shouldn't move. "That said, the monk left the temple. 在那之前,无论发生什么,我都不会动。”说完,和尚就离开了寺庙。

さて 、 それ から 一 年 後 、 お 坊さん は 再び 、 あの お 寺 を 訪ねて み ました 。 |||ひと|とし|あと||ぼうさん||ふたたび|||てら||たずねて|| Well, a year later, the monk visited the temple again. 一年后,这位和尚再次来到那座寺庙。 する と お 寺 は 一 年 前 より も さらに ひどく 荒れ果てて いて 、 今にも くずれ そうです 。 |||てら||ひと|とし|ぜん|||||あれはてて||いまにも||そう です Then the temple is even worse than it was a year ago, and it looks like it's about to collapse. 这座寺庙比一年前更加破败,看上去快要倒塌了。 「 まさか 、 まだ 人 に 戻って い ない の か ? ||じん||もどって|||| "No way, haven't we returned to humans yet? “难道你还没有变回人类吗? 」   お 坊さん は 和尚 さん に 念仏 を 唱える 様 に 言った 、 大きな 石 の 所 へ 行って み ました 。 |ぼうさん||おしょう|||ねんぶつ||となえる|さま||いった|おおきな|いし||しょ||おこなって|| The Buddhist priest told Osho to chant the Nembutsu, and went to the big stone. ”僧人吩咐道士念念佛,就到了大石头那里。 する と あの 石 の 上 に 、 まるで ガイコツ の 様 に やせ細った 和尚 さん が 、 蚊 の 泣く 様 な 声 で まだ 念仏 を 唱えて いた のです 。 |||いし||うえ|||||さま||やせほそった|おしょう|||か||なく|さま||こえ|||ねんぶつ||となえて|| Then, on that stone, Mr. Kazuhisa, who was thin like a skeleton, was still chanting Nembutsu with a mosquito's crying voice. 而在那块石头之上,一名瘦如骷髅的修士,仍在念诵着念佛,声音如同蚊子的叫声。 「 この おろか 者 ! ||もの "This let alone! “你个傻冒! 人間 と して 、 死に たい ので は なかった の か ! にんげん|||しに|||||| Didn't you want to die as a human being! 不就是因为我作为一个人,就想死吗? まだ 人間 に 戻れ ぬ の は 、 お 主 の 心 に まよい が ある から だ ! |にんげん||もどれ|||||おも||こころ|||||| We cannot return to humans yet because there is something in the heart of the Lord! 我之所以还不能变回人类,是因为我的主人心乱了! 」   お 坊さん は 、 持って いた 杖 を 振り上げ ました 。 |ぼうさん||もって||つえ||ふりあげ| ” The monk raised the cane he was holding. ”和尚举起手中的拐杖。 「 しかたがない 。 " It can not be helped . “ 我别无选择 。 わたし が 、 お 主 を 成仏 さ せて やろう 。 |||おも||じょうぶつ||| I will make the Lord a Buddhahood. 我会助你成佛。 ・・・ か っ ! ... 」   お 坊さん は するどく 叫んで 、 和尚 さん の 頭 に 杖 を 打ち おろし ました 。 |ぼうさん|||さけんで|おしょう|||あたま||つえ||うち|| The Buddhist priest shouted and struck a cane down on Mr. Osho's head. 和尚大声喊叫,并把他的手杖放在了牧师的头上。 する と 和尚 さん の 体 は 一瞬にして 砕け 散り 、 その あと に は 青い ずきん だけ が 残り ました 。 ||おしょう|||からだ||いっしゅんにして|くだけ|ちり|||||あおい||||のこり| Then, the priest's body was shattered in an instant, leaving only a blue hood behind. 紧接着,修士的身体瞬间碎裂,只剩下蓝色的兜帽。

その後 、 村人 たち は 、 この 荒れ 寺 を 新しく 建て直す と 、 新しい 和尚 さん が 決まる まで 、 この お 坊さん に 住んで もらった そうです 。 そのご|むらびと||||あれ|てら||あたらしく|たてなおす||あたらしい|おしょう|||きまる||||ぼうさん||すんで||そう です After that, the villagers said that when they rebuilt this ruined temple, they had this monk live until a new Osho was decided. 此后,村民们决定重建这座破旧的寺庙,并让和尚住在那里,直到任命新的和尚。

おしまい the end 结束