ひょうたん の 大入道
ひょうたん の 大入道
むかし むかし 、ある 浜辺 に 、一人 の 漁師 が 住んで い ました 。 漁師 は いつも の 様 に 浜辺 で 魚 を 釣って い ました が 、どうした わけ か 今日 は 一匹 も 釣れません 。 「仕方ない 、今日 は あきらめて 帰る か 」漁師 が さお を 引き上げよう と した 、その 時 です 。 ぐ ぐっ! と 、さお に 確かな 手応え が ありました 。 「よし よし 、何か が 釣れた ぞ 」漁師 が 喜んで 引き上げる と 、それ は 魚 で はなく 、ひょうたん の 入れ物 でした 。 「何 だ 、ひょうたん か 。 しかし 水 に 浮く はず の ひょうたん が 、なぜ 水 に 沈んで いた んだ ? ・・・中 に 、何か 入っている の か ? 」そう 言って 、ひょうたん の せん を 取った とたん 、もくもくもく と 中 から 煙 の 様な もの が 立ち登りました 。 そして その 煙 の 様な もの は みるみる 大きく なり 、やがて 大入道 の 姿 に なった のです 。 「で っ 、でた ー ! 」漁師 が びっくり している と 、大入道 が 言い ました 。 「わ あ は は は は 。 よくぞ 、わし の ひょうたん を 釣りあげてくれた な 。 わし は 何 百 年 も この 海 の 中 に いて 、死ぬ ほど たいくつしておった 。 まずは 釣り上げてくれた 礼 に 、お前 を 一口 で 食べてやろう 」大入道 は 大口 を 開ける と 、漁師 を つまみあげようとしました 。 「ま 、待って くれ ! 」漁師 が 、大入道 に 叫びました 。 「なん じゃ ? 今さら 逃げよう たって 、そう は いかん ぞ 」「いや 、逃げたり は せん 。 わし も 、男 じゃ 。 いさぎよく 、お前 に 食われて やろう 。 だが 、食われる 前 に 一つ だけ 頼み が ある 」「うん ? なんじゃ 、言うて みろ 」漁師 は 、いかにも 不思議 そうに 言い ました 。 「それ は 、お前 みたいに でっかい の が 、どう やって こんな 小さな ひょうたん に 入って おった んじゃ ? 悪い が 、もう 一度 見せて くれ 」「なんだ 、そんな 事 か 。 よし 、今 、見せて やる ぞ 」言った か と 思う と 、大入道 は みるみる 小さく なって 、ひょうたん の 中 へ 入って しまい ました 。 (よし 、今 だ ! )漁師 は 素早く ひょうたん の 口 に せん を して 、力いっぱい 海 の 中 へ 投げ込みました 。 「だっ 、だましたな~ ! 」ひょうたん に 閉じ込められた 大入道 は 、また 海 の 底 へ と 沈んでしまいました 。 「やれ 、助かった 」漁師 は ほっと して 家 に 帰り 、この 浜 で は 二度と 魚 釣り を し なかった そうです 。
おしまい