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江戸小話, 字の読めぬ犬

字 の 読め ぬ 犬

字 の 読め ぬ 犬

犬 の 大嫌いな 男 が 、 友だち に 聞き ました 。 「 なあ 、 犬 が いて も 平気で 通れる 方法 は ない だろう か ? 」 「 そい つ は 、 簡単な 事 さ 。 手 の 平に トラ と いう 字 を 書いて おいて 、 犬 が いたら そい つ を 見せる んだ 。 する と 犬 は 、 お っか な が って 逃げる から 」 「 ふむ ふむ 。 そい つ は 、 良い 事 を 聞いた 」 男 は さっそく 、 手 の 平に トラ と いう 字 を 書いて 出かけ ました 。 しばらく 行く と 、 向こう から 大きな 犬 が やってき ます 。 ( よし 、 さっそく 試して やろう ) 男 は 手 の 平 を 、 犬 の 前 に 突き出し ました 。 する と 犬 は 一瞬 びっくり した もの の 、 大きな 口 を 開けて その 手 を ガブリ と 噛んだ んです 。

次の 日 、 手 を 噛ま れた 男 が 友だち に 文句 を 言い ました 。 「 やい 、 お前 の 言う 様 に 、 手 に トラ と いう 字 を 書いて 犬 に 見せた が 、 ほれ この 様 に 、 食いつか れて しまった わ 」 する と 友だち は 、 こう 言い ました 。 「 やれやれ 、 それ は 不運な 事 だ 。 おそらく その 犬 は 、 字 の 読め ぬ 犬 だろう 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


字 の 読め ぬ 犬 あざ||よめ||いぬ

字 の 読め ぬ 犬 あざ||よめ||いぬ

犬 の 大嫌いな 男 が 、 友だち に 聞き ました 。 いぬ||だいきらいな|おとこ||ともだち||きき| 「 なあ 、 犬 が いて も 平気で 通れる 方法 は ない だろう か ? |いぬ||||へいきで|とおれる|ほうほう|||| 」 「 そい つ は 、 簡単な 事 さ 。 |||かんたんな|こと| 手 の 平に トラ と いう 字 を 書いて おいて 、 犬 が いたら そい つ を 見せる んだ 。 て||ひらに|とら|||あざ||かいて||いぬ||||||みせる| する と 犬 は 、 お っか な が って 逃げる から 」 「 ふむ ふむ 。 ||いぬ|||||||にげる||| そい つ は 、 良い 事 を 聞いた 」   男 は さっそく 、 手 の 平に トラ と いう 字 を 書いて 出かけ ました 。 |||よい|こと||きいた|おとこ|||て||ひらに|とら|||あざ||かいて|でかけ| しばらく 行く と 、 向こう から 大きな 犬 が やってき ます 。 |いく||むこう||おおきな|いぬ||| ( よし 、 さっそく 試して やろう )   男 は 手 の 平 を 、 犬 の 前 に 突き出し ました 。 ||ためして||おとこ||て||ひら||いぬ||ぜん||つきだし| する と 犬 は 一瞬 びっくり した もの の 、 大きな 口 を 開けて その 手 を ガブリ と 噛んだ んです 。 ||いぬ||いっしゅん|||||おおきな|くち||あけて||て||||かんだ|ん です

次の 日 、 手 を 噛ま れた 男 が 友だち に 文句 を 言い ました 。 つぎの|ひ|て||かま||おとこ||ともだち||もんく||いい| 「 やい 、 お前 の 言う 様 に 、 手 に トラ と いう 字 を 書いて 犬 に 見せた が 、 ほれ この 様 に 、 食いつか れて しまった わ 」   する と 友だち は 、 こう 言い ました 。 |おまえ||いう|さま||て||とら|||あざ||かいて|いぬ||みせた||||さま||くいつか||||||ともだち|||いい| 「 やれやれ 、 それ は 不運な 事 だ 。 |||ふうんな|こと| おそらく その 犬 は 、 字 の 読め ぬ 犬 だろう 」 ||いぬ||あざ||よめ||いぬ|

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )