×

We use cookies to help make LingQ better. By visiting the site, you agree to our cookie policy.


image

江戸小話, 新しい

新しい

山 に 猟 に 行った 猟師 が 、 大きな イノシシ を 見つけ ました 。 ( しめ しめ 、 一 発 で 仕留めて やる ) 猟師 は 鉄砲 を かまえる と 、 イノシシ に 狙い を 定めて 引き金 を 引き ました 。 しかし 猟師 は うっかり して 、 鉄砲 に 火薬 だけ を 詰めて 、 肝心の 鉛 玉 を 入れて なかった のです 。 それ でも イノシシ は 、 火薬 の 『 パーン ! 』 と いう 音 に びっくり して 、 玉 が 当たって も い ない のに 目 を 回して 気絶 して しまい ました 。 ちょうど そこ へ 、 イノシシ の 肉 を 買う 商人 が 通りかかった ので 、 猟師 は 商人 に 声 を かけ ました 。 「 どう だ 、 仕留めた ばかりの イノシシ を 買わ ない か 」 する と 商人 は 、 イノシシ の 体 を 調べて こう 言い ました 。 「 何と 、 この イノシシ に は 鉄砲 の 玉 が 当たった 跡 が ない で は ない か 。 これ で は いつ 死んだ の か 、 わかった もの じゃ ない 。 仕留めた ばかり と 言った が 、 本当 は 古い んだろう ? 」 「 そんな 事 は ない ! たった今 、 仕留めた ばかりだ 」 「 いやいや 、 古 そうな 」 「 いい や 、 新しい 」 「 古 そうな 」 「 新しい 」 二 人 が 言い争って いる と 、 その うち に イノシシ が 目 を 覚まして 、 一目散に 逃げて 行って しまい ました 。 猟師 は それ を 指差す と 、 得意顔 で 言い ました 。 「 ほれ 、 見て みろ 。 あの 通り 、 新しい じゃ ねえ か 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


新しい あたらしい

山 に 猟 に 行った 猟師 が 、 大きな イノシシ を 見つけ ました 。 やま||りょう||おこなった|りょうし||おおきな|いのしし||みつけ| ( しめ しめ 、 一 発 で 仕留めて やる )   猟師 は 鉄砲 を かまえる と 、 イノシシ に 狙い を 定めて 引き金 を 引き ました 。 ||ひと|はつ||しとめて||りょうし||てっぽう||||いのしし||ねらい||さだめて|ひきがね||ひき| しかし 猟師 は うっかり して 、 鉄砲 に 火薬 だけ を 詰めて 、 肝心の 鉛 玉 を 入れて なかった のです 。 |りょうし||||てっぽう||かやく|||つめて|かんじんの|なまり|たま||いれて||の です それ でも イノシシ は 、 火薬 の 『 パーン ! ||いのしし||かやく|| 』 と いう 音 に びっくり して 、 玉 が 当たって も い ない のに 目 を 回して 気絶 して しまい ました 。 ||おと||||たま||あたって|||||め||まわして|きぜつ||| ちょうど そこ へ 、 イノシシ の 肉 を 買う 商人 が 通りかかった ので 、 猟師 は 商人 に 声 を かけ ました 。 |||いのしし||にく||かう|しょうにん||とおりかかった||りょうし||しょうにん||こえ||| 「 どう だ 、 仕留めた ばかりの イノシシ を 買わ ない か 」   する と 商人 は 、 イノシシ の 体 を 調べて こう 言い ました 。 ||しとめた||いのしし||かわ|||||しょうにん||いのしし||からだ||しらべて||いい| 「 何と 、 この イノシシ に は 鉄砲 の 玉 が 当たった 跡 が ない で は ない か 。 なんと||いのしし|||てっぽう||たま||あたった|あと|||||| これ で は いつ 死んだ の か 、 わかった もの じゃ ない 。 ||||しんだ|||||| 仕留めた ばかり と 言った が 、 本当 は 古い んだろう ? しとめた|||いった||ほんとう||ふるい| 」 「 そんな 事 は ない ! |こと|| たった今 、 仕留めた ばかりだ 」 「 いやいや 、 古 そうな 」 「 いい や 、 新しい 」 「 古 そうな 」 「 新しい 」   二 人 が 言い争って いる と 、 その うち に イノシシ が 目 を 覚まして 、 一目散に 逃げて 行って しまい ました 。 たったいま|しとめた|||ふる|そう な|||あたらしい|ふる|そう な|あたらしい|ふた|じん||いいあらそって||||||いのしし||め||さまして|いちもくさんに|にげて|おこなって|| 猟師 は それ を 指差す と 、 得意顔 で 言い ました 。 りょうし||||ゆびさす||とくいがお||いい| 「 ほれ 、 見て みろ 。 |みて| あの 通り 、 新しい じゃ ねえ か 」 |とおり|あたらしい|||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )