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江戸小話, あててみな

あてて みな

人通り の 多い にぎやかな ところ に 、 易者 ( えきしゃ → 占い 師 ) が 店 を 出して い ました 。 その 前 を 、 今日 は どういう わけ か 、 大勢 の 子ども が こま 回し を して 遊んで い ます 。 「 まったく 、 いまいましい 子ども め 。 これ で は 商売 の じゃまだ 。 どこ か よそ で 遊べば いい のに 」 易者 が 、 に が 虫 を かみ つぶした 様 な 顔 を して 、 子ども を にらんで おり ます と 、 向こう から 男 が やって 来て 子ども たち に 聞き ました 。 「 これ 、 この 辺 に 易者 が いた はずだ が 、 どこ い ら であった かな ? 」 する と 子ども たち は 、 「 易者 に 用 が ある の なら 、 あっ ち の 方 が 上手だ よ 。 あっ ち へ 行き な よ 」 と 、 来た 客 を 追い返して しまい ました 。 それ を 聞いた 易者 は 、 かんかんに 怒って 言い ました 。 「 この 、 くそ が きど も ! よくも 商売 の じゃま を して くれた な 。 今 から 親 に 言いつけて やる から 、 どこ の 子 か 、 言え ! 」 する と 子ども たち は 、 平然と 言い ました 。 「 あんた は 、 易者 じゃ ろ 。 占う の が 商売 なら 、 それ くらい 当てて み な 」 する と 易者 は 、 くやし そうに 言い ました 。 「 ええ い 、 それ が 出来る くらい なら 、 ちゃんと した 店 を かまえて おる わ い 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


あてて みな

人通り の 多い にぎやかな ところ に 、 易者 ( えきしゃ → 占い 師 ) が 店 を 出して い ました 。 その 前 を 、 今日 は どういう わけ か 、 大勢 の 子ども が こま 回し を して 遊んで い ます 。 「 まったく 、 いまいましい 子ども め 。 これ で は 商売 の じゃまだ 。 どこ か よそ で 遊べば いい のに 」   易者 が 、 に が 虫 を かみ つぶした 様 な 顔 を して 、 子ども を にらんで おり ます と 、 向こう から 男 が やって 来て 子ども たち に 聞き ました 。 「 これ 、 この 辺 に 易者 が いた はずだ が 、 どこ い ら であった かな ? 」   する と 子ども たち は 、 「 易者 に 用 が ある の なら 、 あっ ち の 方 が 上手だ よ 。 あっ ち へ 行き な よ 」 と 、 来た 客 を 追い返して しまい ました 。 それ を 聞いた 易者 は 、 かんかんに 怒って 言い ました 。 「 この 、 くそ が きど も ! よくも 商売 の じゃま を して くれた な 。 今 から 親 に 言いつけて やる から 、 どこ の 子 か 、 言え ! 」   する と 子ども たち は 、 平然と 言い ました 。 「 あんた は 、 易者 じゃ ろ 。 占う の が 商売 なら 、 それ くらい 当てて み な 」   する と 易者 は 、 くやし そうに 言い ました 。 「 ええ い 、 それ が 出来る くらい なら 、 ちゃんと した 店 を かまえて おる わ い 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )