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この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (KonoSuba), この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (14)

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (14)

3.

「 カズマ 、 早速 討伐 に 行きましょう ! それ も 、 沢山の 雑魚 モンスター が いる ヤツ です ! 新調 した 杖 の 威力 を 試す のです ! 突然 、 めぐみ ん が そんな 事 を 言い出した 。

ふむ 。

「 まあ 俺 も 、 ゾンビメーカー 討伐 じゃ 、 結局 覚え たて の スキル を 試す 暇 も なかった し な 。 安全で 無難な クエスト でも こなし に いく か 」

「 いいえ 、 お 金 に なる クエスト を やりましょう ! ツケ を 払った から 今日 の ご飯 代 も 無い の ! 「 いや 、 ここ は 強敵 を 狙う べきだ ! 一撃 が 重くて 気持ち いい 、 凄く 強い モンスター を ……! まとまり が 無い に も 程 が ある だろう 。

「 とりあえず 、 掲示板 の 依頼 を 見て から 決めよう ぜ 」

俺 の 意見 に 、 全員 が ゾロゾロ と 掲示板 に 移動 する 。

そして ……。

「…… あれ ? 何 だ これ 、 依頼 が 殆ど 無い じゃ ない か 」

そう 、 普段 は 所 狭し と 大量に 貼られて いる 依頼 の 紙 。 それ が 、 今 は 数 枚 しか 貼られて いない 。 しかも ……。

「 カズマ ! これ だ 、 これ に しよう で は ない か ! 山 に 出没 する ブラックファング と 呼ば れる 巨大 熊 を ……」

「 却下 だ 却下 ! おい 、 何 だ よ これ ! 高 難易 度 の クエスト しか 残って ない ぞ ! そう 、 残されて いる の は どれ も が 、 今 の 俺 達 に は 手 に 余る もの ばかり 。 そんな 俺 達 の もと に 、 ギルド 職員 が やって 来た 。

「 ええ と …… 申し訳 ありません 。 最近 、 魔 王 の 幹部 らしき 者 が 、 街 の 近く の 小城 に 住み着き まして ……。 その 魔 王 の 幹部 の 影響 か 、 この 近辺 の 弱い モンスター は 隠れて しまい 、 仕事 が 激減 して おります 。 来月 に は 、 国 の 首都 から 幹部 討伐 の ため の 騎士 団 が 派遣 さ れる ので 、 それ まで は 、 そこ に 残って いる 高 難易 度 の お 仕事 しか ……」

申し訳無 さ そうな 職員 の 言葉 に 、 文無し の アクア が 悲鳴 を 上げた 。

「 な 、 なんで よ おお おお おっ!?」 …… コレ ばっかり は 流石 に アクア に 同情 した 。 「 全く ……! 何で この タイミング で 引っ越して 来る の よ ! 幹部 だ か 何だか 知ら ない けど 、 もし アンデッド なら 見て なさい よ ! アクア が 涙 目 で 愚痴 り ながら 、 バイト 雑誌 を めくって いた 。

他の 冒険 者 達 も みんな 思い は 同じな ようで 、 やって られ ない と ばかり に 普段 より 多く の 人間 が 、 昼間 から 飲んだ くれて いる 。

魔 王 の 幹部 は 、 一体 何の 目的 で こんな 所 に 来た の やら 。

ハッキリ 言って 、 この 街 の 冒険 者 達 の 実力 は 俺 達 と それ 程 変わら ない 。

俺 達 より 強い 冒険 者 パーティー は もちろん たくさん ある だろう が 、 それ に したって たかが 知れて いる 。

ここ は 、 駆け出し 冒険 者 が 最初に 訪れる 、 初心 者 の ため の 修行 の 街 。

魔 王 の 幹部 なんて 、 ゲーム で 言えば ラスト の 方 で 出て くる もの だ 。

カエル 相手 に 苦戦 する 俺 達 が 、 どれ だけ 集まって も 勝負 に すら なら ない だろう 。

4.

「 つまり 、 国 の 首都 から 腕利き の 冒険 者 や 騎士 達 が ここ に 来る 来月 まで は 、 まともな 仕事 が でき ないって 事 か 」 「 そういう 事 です 。 …… と なる と 、 クエスト の 無い 間 は しばらく 私 に 付き合って 貰う 事 に なり そうです が ……」

俺 は めぐみ ん と 共に 、 街 の 外 へ と 出て いた 。

現在 、 街 の 近く に は 危険な モンスター は いない 。 魔 王 の 幹部 の 出現 に より 、 弱い モンスター は 怯えて 身 を 隠して いる から 。

俺 は 、 クエスト が 請け られ ない 事 で 爆裂 魔法 が 撃て ず 、 悶々 と して いる め ぐみん に 付き合い 、 散歩 して いた 。

こいつ は 、 一 日 に 一 度 、 必ず 爆裂 魔法 を 放つ 事 を 日課 に して いる らしい 。

ひょっとして 、 俺 は これ から 毎日 、 来月 まで ずっと これ に 付き 合わさ れる のだろう か ?

めぐみ んに 一 人 で 行け と 突き放したら 、 帰り は 一体 誰 が お ぶって 連れ帰って くれる んです か と 開き直ら れた のだ が 。

「 もう その辺 で いい だ ろ 。 適当に 魔法 撃って 帰ろう ぜ 」

街 から ちょっと 出た 所 で 、 俺 は めぐみ んに 魔法 を 放つ よう 促した 。

だが め ぐみん が 首 を 振る 。

「 駄目な のです 。 街 から 離れた 所 じゃ ない と 、 また 守衛 さん に 叱ら れます 」 「 今 お前 、 またって 言った な 。 音 が うるさい と か 迷惑 だって 怒ら れた の か 」

俺 の 言葉 に めぐみ ん が コクリ と 頷く 。

しょうがない 、 丸 腰 で ちょっと 不安だ が 、 どうせ モンスター は いない のだ 。 たまに は 遠出 して みる 事 に した 。

思えば 、 この 世界 に 来て から 、 こうして 外 を ぶらぶら する 事 は あまり 無かった 。

出歩く と して も 、 それ は モンスター 討伐 の クエスト 絡み 。

こうして 、 のどかに 散歩 する なんて 事 は ……。

「……? あれ は 何 でしょう か 。 廃 城 ? 遠く 離れた 丘 の 上 。

そこ に 、 ぽつんと 佇む 、 朽ち果てた 古い 城 。

それ は 、 まるで お化け 屋敷 みたいな ……。

「 薄気味悪い なあ ……。 お化け でも 住んで そうな ……」

俺 の 呟き に 、

「 アレ に しましょう ! あの 廃 城 なら 、 盛大に 破壊 して も 誰 も 文句 は 言わ ない でしょう 」

そう 言って 、 ウキウキ と 魔法 の 準備 を 始める めぐみ ん 。

心地よい 風 が 吹く 丘 の 上 。

のどかな 雰囲気 に は 場違いな 、 爆裂 魔法 の 詠 唱 が 風 に 乗った ……!

………… こうして 、 俺 と めぐみ ん の 新しい 日課 が 始まった 。

文無し の アクア は 、 毎日 アルバイト に 励んで いる 。

ダクネス は 、 しばらく は 実家 で 筋 トレ して くる と 言って いた 。

特に やる 事 の ない め ぐみん は 、 その 廃 城 の 傍 へ と 毎日 通い 、 爆裂 魔法 を 放ち 続けた 。

それ は 、 寒い 氷雨 が 降る 夕方 。

それ は 、 穏やかな 食後 の 昼下がり 。

それ は 、 早朝 の 爽 や かな 散歩 の ついで に 。

どんな 時 でも めぐみ ん は 、 毎日 その 廃 城 に 魔法 を 放ち ……。

めぐみ ん の 傍 で 魔法 を 見 続けて いた 俺 は 、 その 日 の 爆裂 魔法 の 出来 が 分かる まで に なって いた 。

「『 エクスプロージョン 』 ッッッ ! 「 おっ、 今日 の は 良い 感じ だ な 。 爆裂 の 衝撃 波 が 、 ズン と 骨身 に 浸透 する か の 如く 響き 、 それでいて 肌 を 撫でる か の ように 空気 の 振動 が 遅れて くる 。 相変わらず 、 不思議 と あの 廃 城 は 無事な 様 だ が 、 それ でも 。 ナイス 爆裂 ! 「 ナイス 爆裂 ! ふ ふっ、 カズマ も 爆裂 道 が 段々 分かって 来 ました ね 。 今日 の 評価 は なかなか に 的 を 射て いて 詩人 でした よ 。 …… どう です ? カズマ も 、 冗談 で は なく 、 いっそ 本当に 爆裂 魔法 を 覚える 事 を 考えて みて は 」

「 うーん 、 爆裂 道 も 面白 そうだ が なぁ 、 今 の パーティー 編 制 だ と 魔法使い が 二 人って の も な 。 でも 冒険 者 稼業 を 引退 する 際 に は 、 余裕 が あったら 最後に 爆裂 魔法 を 習得 して みる の も 面白 そうだ な 」

俺 と めぐみ ん は 、 そんな 事 を 言い ながら 笑い 合う 。

今日 の 爆裂 魔法 の 音 は 何 点 だった 、 いや 、 音量 は 小さかった が 音色 が 良かった 等 、 そんな 事 を 語り ながら 。

5.

日課 の 爆裂 散歩 を 続け 、 一 週間 が 経った 、 その 日 の 朝 。

『 緊急 ! 緊急 ! 全 冒険 者 の 皆さん は 、 直ちに 武装 し 、 戦闘 態勢 で 街 の 正門 に 集まって くださいっっ! 街 中 に 、 お 馴染み の 緊急 アナウンス が 響き渡った 。

その アナウンス を 聞いて 、 俺 達 も しっかり と 装備 を 調え 、 現場 へ 向かう 。

街 の 正門 前 に 多く の 冒険 者 が 集まる 中 、 そこ に 着いた 俺 達 は 、 凄ま じい 威圧 感 を 放つ その モンスター の 前 に 、 呆然と 立ち尽くした 。

デュラハン 。

それ は 人 に 死 の 宣告 を 行い 、 絶望 を 与える 首 無し 騎士 。

アンデッド と なり 、 生前 を 凌 駕 する 肉体 と 特殊 能力 を 手 に 入れた モンスター 。

正門 前 に 立つ 漆黒 の 鎧 を 着た 騎士 は 、 左 脇 に 己 の 首 を 抱え 、 街 中 の 冒険 者 達 が 見守る 中 、 フルフェイス の 兜 で 覆わ れた 自分 の 首 を 目の前 に 差し出した 。

差し出さ れた 首 から 、 くぐもった 声 が 放た れる 。

「…… 俺 は 、 つい 先日 、 この 近く の 城 に 越して きた 魔 王 軍 の 幹部 の 者 だ が ……」

やがて 、 首 が プルプル と 小刻みに 震え 出し …………!

「 まま まま 、 毎日 毎日 毎日 毎日っっ!! おお 、 俺 の 城 に 、 毎日 欠かさ ず 爆裂 魔法 撃ち込んで く 頭 の おかしい 大 馬鹿 は 、 誰 だ ああ ああ ああ あー !!」 魔 王 の 幹部 は 、 それ は もう お 怒り だった 。 ずっと 何 か に 耐えて いた が 、 とうとう 我慢 でき ず に 切れて しまった と いう ような デュラハン の 叫び に 、 俺 の 周り の 冒険 者 達 が ざ わ ついた 。

と いう か 、 その 場 の だれ も が 、 一体 何 が 起こって いる の か の 理解 が 追いついて いない 。 とりあえず 、 俺 達 が 急に 呼び出さ れた の は 、 目の前 に いる 怒り狂った デュラハン が 原因 の ようだった 。

「…… 爆裂 魔法 ? 「 爆裂 魔法 を 使える 奴って 言ったら ……」 「 爆裂 魔法って 言ったら ……」 俺 の 隣 に 立つ め ぐみん へ 、 自然 と 周り の 視線 が 集まった 。 …… 周囲 の 視線 を 寄せ られ ため ぐみん は 、 フイッ と 自分 の 隣 に いた 魔法使い の 女の子 を 見る 。

それ に 釣られて 俺 も その 子 を 見る と 、 周り の みんな も 同じく 釣られ 、 その 子 に 視線 を ……。

「 え えっ!? あ 、 あたしっ!? なんで あたし が 見 られて ん のっ!? 爆裂 魔法 なんて 使え ない よっ! 突然 濡れ衣 を なすりつけ られ 、 慌てる 魔法使い の 女の子 。

……って 、 もし かして 。 …… 毎日 魔法 ぶっ放して た あの 廃 城 ! あれ は ……。

俺 は 隣 を チラッ と 見る と 、 めぐみ ん が 冷や汗 を 垂らして いた 。

どうやら こいつ も 気づいた ようだ 。

やがて めぐみ ん が ため息 を 吐き 、 嫌 そうな 顔 で 前 に 出た 。

それ に 伴い 、 冒険 者 達 が デュラハン へ の 道 を 空けて くれる 。

街 の 正門 の 前 に 佇む デュラハン 。

その デュラハン から 十 メートル ほど 離れた 場所 に めぐみ ん が 対峙 した 。

俺 を はじめ 、 ダクネス や アクア も めぐみ ん の 後 に つき 従う 。

アンデッド を 見つける と 、 まるで 親 の 敵 の ように 襲いかかった アクア も 、 これほど まで に 怒り狂う デュラハン は 珍しい の か 、 興味 津 々 で 事 の 成り行き を 見守って いた 。

「 お前 が ……! お前 が 、 毎日 毎日 俺 の 城 に 爆裂 魔法 ぶち 込んで 行く 大 馬鹿 者 か ! 俺 が 魔 王 軍 幹部 だ と 知っていて 喧嘩 を 売って いる なら 、 堂々と 城 に 攻めて くる が いい ! その 気 が 無い の なら 、 街 で 震えて いる が いい ! 何故 こんな 陰湿な 嫌がらせ を する !? この 街 に は 低 レベル の 冒険 者 しか いない 事 は 知っている ! どうせ 雑魚 しか いない 街 だ と 放置 して おれば 、 調子 に 乗って 毎日 毎日 ポンポン ポンポン 撃ち込み に きおって ……っ!! 頭 おかしい んじゃ ない の か 、 貴 様っ! 連日 の 爆裂 魔法 が よほど 応えた の か 、 デュラハン の 兜 が 激しい 怒り で プルプル と 震えた 。

流石 に 気圧され 、 めぐみ ん は 若干 怯 む も 、 肩 の マント を バサッ と ひるがえし ……!

「 我が 名 は めぐみ ん 。 アークウィザード に して 、 爆裂 魔法 を 操る 者 ……! 「…… め ぐみんって 何 だ 。 バカに して ん の か ? 「 ちっ、 違わ い ! 名乗り を 受けた デュラハン に 突っこま れる が 、 めぐみ ん は 気 を 取り 直す と 。

「 我 は 紅 魔 族 の 者 に して 、 この 街 随一 の 魔法使い 。 我が 爆裂 魔法 を 放ち 続けて いた の は 、 魔 王 軍 幹部 の あなた を おびき出す ため の 作戦 ……! こうして まんまと この 街 に 、 一 人 で 出て 来た の が 運 の 尽き です ! ノリ ノリ で デュラハン に 杖 を 突きつける め ぐみん を 後ろ で 見守り ながら 、 俺 は ダクネス と アクア に ぼそぼそ と 囁いた 。

「…… おい 、 あいつ あんな 事 言って る ぞ 。 毎日 爆裂 魔法 撃た なきゃ 死ぬ と か 駄々 こねる から 、 仕方なく あの 城 の 近く まで 連れてって やった のに 。 いつの間に 作戦 に なった んだ 」

「…… うむ 、 しかも さらっと 、 この 街 随一 の 魔法使い と か 言い張って いる な 」

この素晴らしい世界に祝福を! あぁ、駄女神さま (14) この すばらしい せかい に しゅくふく を||だおんな かみさま Segne diese wunderbare Welt! Oh, verdammte Göttin (14) A blessing to this wonderful world! Ah, the goddess (14) 為這個美好的世界送上祝福!啊,無用的女神(14)

3.

「 カズマ 、 早速 討伐 に 行きましょう ! |さっそく|とうばつ||いき ましょう "Kazuma, let's go to subjugation! それ も 、 沢山の 雑魚 モンスター が いる ヤツ です ! ||たくさんの|ざこ||||やつ| 新調 した 杖 の 威力 を 試す のです ! しんちょう||つえ||いりょく||ためす| 突然 、 めぐみ ん が そんな 事 を 言い出した 。 とつぜん|||||こと||いいだした

ふむ 。

「 まあ 俺 も 、 ゾンビメーカー 討伐 じゃ 、 結局 覚え たて の スキル を 試す 暇 も なかった し な 。 |おれ|||とうばつ||けっきょく|おぼえ|||||ためす|いとま|||| "Well, I didn't have time to test the skills I had learned in the end, because I was subduing the zombie maker. 安全で 無難な クエスト でも こなし に いく か 」 あんぜんで|ぶなんな|||||| Do you want to do a safe and safe quest? "

「 いいえ 、 お 金 に なる クエスト を やりましょう ! ||きむ|||||やり ましょう ツケ を 払った から 今日 の ご飯 代 も 無い の ! つけ||はらった||きょう||ごはん|だい||ない| I don't even have money for today's meal because I paid the bill! 「 いや 、 ここ は 強敵 を 狙う べきだ ! |||きょうてき||ねらう| 一撃 が 重くて 気持ち いい 、 凄く 強い モンスター を ……! いちげき||おもくて|きもち||すごく|つよい|| まとまり が 無い に も 程 が ある だろう 。 ||ない|||ほど||| There will be a degree even if it is not cohesive.

「 とりあえず 、 掲示板 の 依頼 を 見て から 決めよう ぜ 」 |けいじばん||いらい||みて||きめよう|

俺 の 意見 に 、 全員 が ゾロゾロ と 掲示板 に 移動 する 。 おれ||いけん||ぜんいん||ぞろぞろ||けいじばん||いどう|

そして ……。

「…… あれ ? 何 だ これ 、 依頼 が 殆ど 無い じゃ ない か 」 なん|||いらい||ほとんど|ない||| What is this, isn't there almost no request? "

そう 、 普段 は 所 狭し と 大量に 貼られて いる 依頼 の 紙 。 |ふだん||しょ|せまし||たいりょうに|はら れて||いらい||かみ Yes, there are usually a large number of request forms posted all over the place. それ が 、 今 は 数 枚 しか 貼られて いない 。 ||いま||すう|まい||はら れて| しかも ……。

「 カズマ ! これ だ 、 これ に しよう で は ない か ! 山 に 出没 する ブラックファング と 呼ば れる 巨大 熊 を ……」 やま||しゅつぼつ||||よば||きょだい|くま|

「 却下 だ 却下 ! きゃっか||きゃっか おい 、 何 だ よ これ ! |なん||| 高 難易 度 の クエスト しか 残って ない ぞ ! たか|なんい|たび||||のこって|| Only high difficulty quests remain! そう 、 残されて いる の は どれ も が 、 今 の 俺 達 に は 手 に 余る もの ばかり 。 |のこさ れて|||||||いま||おれ|さとる|||て||あまる|| Yes, all that is left is too much for us today. 是的,剩下的就是我们剩下的。 そんな 俺 達 の もと に 、 ギルド 職員 が やって 来た 。 |おれ|さとる||||ぎるど|しょくいん|||きた

「 ええ と …… 申し訳 ありません 。 ||もうしわけ|あり ませ ん 最近 、 魔 王 の 幹部 らしき 者 が 、 街 の 近く の 小城 に 住み着き まして ……。 さいきん|ま|おう||かんぶ||もの||がい||ちかく||おぎ||すみつき| その 魔 王 の 幹部 の 影響 か 、 この 近辺 の 弱い モンスター は 隠れて しまい 、 仕事 が 激減 して おります 。 |ま|おう||かんぶ||えいきょう|||きんぺん||よわい|||かくれて||しごと||げきげん||おり ます 来月 に は 、 国 の 首都 から 幹部 討伐 の ため の 騎士 団 が 派遣 さ れる ので 、 それ まで は 、 そこ に 残って いる 高 難易 度 の お 仕事 しか ……」 らいげつ|||くに||しゅと||かんぶ|とうばつ||||きし|だん||はけん|||||||||のこって||たか|なんい|たび|||しごと| Next month, a knight order will be dispatched from the capital of the country to subdue the executives, so until then, only the high-difficulty work that remains there ... "

申し訳無 さ そうな 職員 の 言葉 に 、 文無し の アクア が 悲鳴 を 上げた 。 もうしわけな||そう な|しょくいん||ことば||もんなし||||ひめい||あげた

「 な 、 なんで よ おお おお おっ!?」 …… コレ ばっかり は 流石 に アクア に 同情 した 。 |||||お っ||||さすが||||どうじょう| "Why, oh oh !?" …… This was just a sympathy for Aqua. 「 全く ……! まったく 何で この タイミング で 引っ越して 来る の よ ! なんで||たいみんぐ||ひっこして|くる|| 幹部 だ か 何だか 知ら ない けど 、 もし アンデッド なら 見て なさい よ ! かんぶ|||なんだか|しら||||||みて|| I don't know if you're an officer or what, but if you're undead, watch out! アクア が 涙 目 で 愚痴 り ながら 、 バイト 雑誌 を めくって いた 。 ||なみだ|め||ぐち|||ばいと|ざっし|||

他の 冒険 者 達 も みんな 思い は 同じな ようで 、 やって られ ない と ばかり に 普段 より 多く の 人間 が 、 昼間 から 飲んだ くれて いる 。 たの|ぼうけん|もの|さとる|||おもい||おなじな||||||||ふだん||おおく||にんげん||ひるま||のんだ|| All the other adventurers seem to have the same feelings, and more people than usual drink it from daytime just because they can't do it.

魔 王 の 幹部 は 、 一体 何の 目的 で こんな 所 に 来た の やら 。 ま|おう||かんぶ||いったい|なんの|もくてき|||しょ||きた|| What was the purpose of the Demon King's executives coming to such a place?

ハッキリ 言って 、 この 街 の 冒険 者 達 の 実力 は 俺 達 と それ 程 変わら ない 。 はっきり|いって||がい||ぼうけん|もの|さとる||じつりょく||おれ|さとる|||ほど|かわら| To be clear, the adventurers in this city are not as strong as we are. 說穿了,這座城市裡冒險者的能力和我們並沒有太大差別。

俺 達 より 強い 冒険 者 パーティー は もちろん たくさん ある だろう が 、 それ に したって たかが 知れて いる 。 おれ|さとる||つよい|ぼうけん|もの|ぱーてぃー|||||||||||しれて| There will of course be many adventurer parties stronger than us, but we know how to do it. 當然,或許還有很多比我們更強的冒險者隊伍,但即便如此,也很難知道。

ここ は 、 駆け出し 冒険 者 が 最初に 訪れる 、 初心 者 の ため の 修行 の 街 。 ||かけだし|ぼうけん|もの||さいしょに|おとずれる|しょしん|もの||||しゅぎょう||がい This is a training town for beginners, first visited by fledgling adventurers.

魔 王 の 幹部 なんて 、 ゲーム で 言えば ラスト の 方 で 出て くる もの だ 。 ま|おう||かんぶ||げーむ||いえば|らすと||かた||でて||| The cadre of the demon king is something that appears in the last part of the game.

カエル 相手 に 苦戦 する 俺 達 が 、 どれ だけ 集まって も 勝負 に すら なら ない だろう 。 かえる|あいて||くせん||おれ|さとる||||あつまって||しょうぶ||||| No matter how many we get together, we will not even be able to compete against the frogs.

4.

「 つまり 、 国 の 首都 から 腕利き の 冒険 者 や 騎士 達 が ここ に 来る 来月 まで は 、 まともな 仕事 が でき ないって 事 か 」 「 そういう 事 です 。 |くに||しゅと||うできき||ぼうけん|もの||きし|さとる||||くる|らいげつ||||しごと|||ない って|こと|||こと| "In other words, you can't do a decent job until next month when skilled adventurers and knights from the capital of the country come here." "That's right. …… と なる と 、 クエスト の 無い 間 は しばらく 私 に 付き合って 貰う 事 に なり そうです が ……」 |||||ない|あいだ|||わたくし||つきあって|もらう|こと|||そう です| When it comes to that, it seems that I'll be going out with me for a while while there is no quest ... "

俺 は めぐみ ん と 共に 、 街 の 外 へ と 出て いた 。 おれ|||||ともに|がい||がい|||でて| I was out of town with Megumi.

現在 、 街 の 近く に は 危険な モンスター は いない 。 げんざい|がい||ちかく|||きけんな||| 魔 王 の 幹部 の 出現 に より 、 弱い モンスター は 怯えて 身 を 隠して いる から 。 ま|おう||かんぶ||しゅつげん|||よわい|||おびえて|み||かくして|| The appearance of the demon king's leader has caused the weaker monsters to hide in fear.

俺 は 、 クエスト が 請け られ ない 事 で 爆裂 魔法 が 撃て ず 、 悶々 と して いる め ぐみん に 付き合い 、 散歩 して いた 。 おれ||||うけ|||こと||ばくれつ|まほう||うて||もんもん|||||||つきあい|さんぽ||

こいつ は 、 一 日 に 一 度 、 必ず 爆裂 魔法 を 放つ 事 を 日課 に して いる らしい 。 ||ひと|ひ||ひと|たび|かならず|ばくれつ|まほう||はなつ|こと||にっか||||

ひょっとして 、 俺 は これ から 毎日 、 来月 まで ずっと これ に 付き 合わさ れる のだろう か ? |おれ||||まいにち|らいげつ|||||つき|あわさ||| Perhaps I'll be with this every day, until next month?

めぐみ んに 一 人 で 行け と 突き放したら 、 帰り は 一体 誰 が お ぶって 連れ帰って くれる んです か と 開き直ら れた のだ が 。 ||ひと|じん||いけ||つきはなしたら|かえり||いったい|だれ||||つれかえって|||||ひらきなおら||| 当我独自放开惠惠的时候,我被重新开放,以决定谁将我带回家。

「 もう その辺 で いい だ ろ 。 |そのへん|||| 適当に 魔法 撃って 帰ろう ぜ 」 てきとうに|まほう|うって|かえろう|

街 から ちょっと 出た 所 で 、 俺 は めぐみ んに 魔法 を 放つ よう 促した 。 がい|||でた|しょ||おれ||||まほう||はなつ||うながした

だが め ぐみん が 首 を 振る 。 ||||くび||ふる

「 駄目な のです 。 だめな| 街 から 離れた 所 じゃ ない と 、 また 守衛 さん に 叱ら れます 」 「 今 お前 、 またって 言った な 。 がい||はなれた|しょ|||||しゅえい|||しから|れ ます|いま|おまえ|また って|いった| 音 が うるさい と か 迷惑 だって 怒ら れた の か 」 おと|||||めいわく||いから||| Did you get angry because the sound was noisy or annoying? "

俺 の 言葉 に めぐみ ん が コクリ と 頷く 。 おれ||ことば|||||||うなずく Megumi nodded her head in agreement.

しょうがない 、 丸 腰 で ちょっと 不安だ が 、 どうせ モンスター は いない のだ 。 |まる|こし|||ふあんだ|||||| たまに は 遠出 して みる 事 に した 。 ||とおで|||こと||

思えば 、 この 世界 に 来て から 、 こうして 外 を ぶらぶら する 事 は あまり 無かった 。 おもえば||せかい||きて|||がい||||こと|||なかった

出歩く と して も 、 それ は モンスター 討伐 の クエスト 絡み 。 であるく|||||||とうばつ|||からみ

こうして 、 のどかに 散歩 する なんて 事 は ……。 ||さんぽ|||こと|

「……? あれ は 何 でしょう か 。 ||なん|| 廃 城 ? はい|しろ Abandoned castle? 遠く 離れた 丘 の 上 。 とおく|はなれた|おか||うえ On a hill far away.

そこ に 、 ぽつんと 佇む 、 朽ち果てた 古い 城 。 |||たたずむ|くちはてた|ふるい|しろ There, a rotten old castle that stands alone.

それ は 、 まるで お化け 屋敷 みたいな ……。 |||おばけ|やしき|

「 薄気味悪い なあ ……。 うすきみわるい| お化け でも 住んで そうな ……」 おばけ||すんで|そう な Even a ghost seems to live ... "

俺 の 呟き に 、 おれ||つぶやき|

「 アレ に しましょう ! ||し ましょう Let's do Ale! あの 廃 城 なら 、 盛大に 破壊 して も 誰 も 文句 は 言わ ない でしょう 」 |はい|しろ||せいだいに|はかい|||だれ||もんく||いわ||

そう 言って 、 ウキウキ と 魔法 の 準備 を 始める めぐみ ん 。 |いって|うきうき||まほう||じゅんび||はじめる|| Saying this, Megumi excitedly begins to prepare for the magic.

心地よい 風 が 吹く 丘 の 上 。 ここちよい|かぜ||ふく|おか||うえ On a hill where a pleasant breeze blows.

のどかな 雰囲気 に は 場違いな 、 爆裂 魔法 の 詠 唱 が 風 に 乗った ……! |ふんいき|||ばちがいな|ばくれつ|まほう||よ|しょう||かぜ||のった

………… こうして 、 俺 と めぐみ ん の 新しい 日課 が 始まった 。 |おれ|||||あたらしい|にっか||はじまった

文無し の アクア は 、 毎日 アルバイト に 励んで いる 。 もんなし||||まいにち|あるばいと||はげんで| Aqua, who has no sentence, works hard every day to work part-time.

ダクネス は 、 しばらく は 実家 で 筋 トレ して くる と 言って いた 。 ||||じっか||すじ|||||いって| Dakness said that he would be training at his parents' house for a while.

特に やる 事 の ない め ぐみん は 、 その 廃 城 の 傍 へ と 毎日 通い 、 爆裂 魔法 を 放ち 続けた 。 とくに||こと|||||||はい|しろ||そば|||まいにち|かよい|ばくれつ|まほう||はなち|つづけた

それ は 、 寒い 氷雨 が 降る 夕方 。 ||さむい|ひさめ||ふる|ゆうがた

それ は 、 穏やかな 食後 の 昼下がり 。 ||おだやかな|しょくご||ひるさがり

それ は 、 早朝 の 爽 や かな 散歩 の ついで に 。 ||そうちょう||そう|||さんぽ||| In addition to a refreshing walk in the early morning.

どんな 時 でも めぐみ ん は 、 毎日 その 廃 城 に 魔法 を 放ち ……。 |じ|||||まいにち||はい|しろ||まほう||はなち

めぐみ ん の 傍 で 魔法 を 見 続けて いた 俺 は 、 その 日 の 爆裂 魔法 の 出来 が 分かる まで に なって いた 。 |||そば||まほう||み|つづけて||おれ|||ひ||ばくれつ|まほう||でき||わかる|||| I kept watching the magic beside Megumi, and I wasn't sure how the explosive magic was done that day. 當我繼續在惠惠身邊觀看魔法時,我已經意識到那天的爆炸魔法做了什麼。

「『 エクスプロージョン 』 ッッッ ! 「 おっ、 今日 の は 良い 感じ だ な 。 お っ|きょう|||よい|かんじ|| 爆裂 の 衝撃 波 が 、 ズン と 骨身 に 浸透 する か の 如く 響き 、 それでいて 肌 を 撫でる か の ように 空気 の 振動 が 遅れて くる 。 ばくれつ||しょうげき|なみ||||ほねみ||しんとう||||ごとく|ひびき||はだ||なでる||||くうき||しんどう||おくれて| The shock wave of the explosion resonates as if it penetrates the body and bones, yet the vibration of the air is delayed as if it were stroking the skin. 相変わらず 、 不思議 と あの 廃 城 は 無事な 様 だ が 、 それ でも 。 あいかわらず|ふしぎ|||はい|しろ||ぶじな|さま|||| As usual, mysteriously, the abandoned castle seems to be safe, but nevertheless. ナイス 爆裂 ! |ばくれつ 「 ナイス 爆裂 ! |ばくれつ ふ ふっ、 カズマ も 爆裂 道 が 段々 分かって 来 ました ね 。 |ふ っ|||ばくれつ|どう||だんだん|わかって|らい|| Hmmm, Kazuma has gradually come to understand the explosive path. 今日 の 評価 は なかなか に 的 を 射て いて 詩人 でした よ 。 きょう||ひょうか||||てき||いて||しじん|| Today's evaluation was quite on target and was a poet. 今天的评估是一个目标和一个诗人。 …… どう です ? カズマ も 、 冗談 で は なく 、 いっそ 本当に 爆裂 魔法 を 覚える 事 を 考えて みて は 」 ||じょうだん|||||ほんとうに|ばくれつ|まほう||おぼえる|こと||かんがえて|| Kazuma isn't a joke, but think about learning the magic of explosive magic. "

「 うーん 、 爆裂 道 も 面白 そうだ が なぁ 、 今 の パーティー 編 制 だ と 魔法使い が 二 人って の も な 。 |ばくれつ|どう||おもしろ|そう だ|||いま||ぱーてぃー|へん|せい|||まほうつかい||ふた|じん って||| "Hmm, the explosive road seems to be interesting, but with the current party organization, there are two wizards. でも 冒険 者 稼業 を 引退 する 際 に は 、 余裕 が あったら 最後に 爆裂 魔法 を 習得 して みる の も 面白 そうだ な 」 |ぼうけん|もの|かぎょう||いんたい||さい|||よゆう|||さいごに|ばくれつ|まほう||しゅうとく|||||おもしろ|そう だ| But when retiring from an adventurer's business, it seems interesting to try learning explosive magic at the end if you can afford it. "

俺 と めぐみ ん は 、 そんな 事 を 言い ながら 笑い 合う 。 おれ||||||こと||いい||わらい|あう Megumi and I laugh while saying such a thing.

今日 の 爆裂 魔法 の 音 は 何 点 だった 、 いや 、 音量 は 小さかった が 音色 が 良かった 等 、 そんな 事 を 語り ながら 。 きょう||ばくれつ|まほう||おと||なん|てん|||おんりょう||ちいさかった||ねいろ||よかった|とう||こと||かたり| They would talk about how many points the sound of today's magic was, or how the volume was low but the color was good, etc.

5.

日課 の 爆裂 散歩 を 続け 、 一 週間 が 経った 、 その 日 の 朝 。 にっか||ばくれつ|さんぽ||つづけ|ひと|しゅうかん||たった||ひ||あさ

『 緊急 ! きんきゅう 緊急 ! きんきゅう 全 冒険 者 の 皆さん は 、 直ちに 武装 し 、 戦闘 態勢 で 街 の 正門 に 集まって くださいっっ! ぜん|ぼうけん|もの||みなさん||ただちに|ぶそう||せんとう|たいせい||がい||せいもん||あつまって|ください っっ 街 中 に 、 お 馴染み の 緊急 アナウンス が 響き渡った 。 がい|なか|||なじみ||きんきゅう|あなうんす||ひびきわたった

その アナウンス を 聞いて 、 俺 達 も しっかり と 装備 を 調え 、 現場 へ 向かう 。 |あなうんす||きいて|おれ|さとる||||そうび||ととのえ|げんば||むかう After hearing the announcement, we also prepared the equipment and headed to the site.

街 の 正門 前 に 多く の 冒険 者 が 集まる 中 、 そこ に 着いた 俺 達 は 、 凄ま じい 威圧 感 を 放つ その モンスター の 前 に 、 呆然と 立ち尽くした 。 がい||せいもん|ぜん||おおく||ぼうけん|もの||あつまる|なか|||ついた|おれ|さとる||すごま||いあつ|かん||はなつ||||ぜん||ぼうぜんと|たちつくした As many adventurers gathered in front of the main gate of the city, we arrived there and stood stunned in front of the monster, which gave off a tremendous sense of intimidation.

デュラハン 。

それ は 人 に 死 の 宣告 を 行い 、 絶望 を 与える 首 無し 騎士 。 ||じん||し||せんこく||おこない|ぜつぼう||あたえる|くび|なし|きし It is a headless knight who declares death to a person and gives despair.

アンデッド と なり 、 生前 を 凌 駕 する 肉体 と 特殊 能力 を 手 に 入れた モンスター 。 |||せいぜん||しの|が||にくたい||とくしゅ|のうりょく||て||いれた| A monster that has become undead and has acquired a physical body and special abilities that surpass life.

正門 前 に 立つ 漆黒 の 鎧 を 着た 騎士 は 、 左 脇 に 己 の 首 を 抱え 、 街 中 の 冒険 者 達 が 見守る 中 、 フルフェイス の 兜 で 覆わ れた 自分 の 首 を 目の前 に 差し出した 。 せいもん|ぜん||たつ|しっこく||よろい||きた|きし||ひだり|わき||おのれ||くび||かかえ|がい|なか||ぼうけん|もの|さとる||みまもる|なか|||かぶと||おおわ||じぶん||くび||めのまえ||さしだした Standing in front of the main gate, the knight in jet-black armor, holding his neck on his left side, held his neck in front of him, covered with a full-faced helmet, while adventurers in the city were watching. ..

差し出さ れた 首 から 、 くぐもった 声 が 放た れる 。 さしで さ||くび|||こえ||はなた|

「…… 俺 は 、 つい 先日 、 この 近く の 城 に 越して きた 魔 王 軍 の 幹部 の 者 だ が ……」 おれ|||せんじつ||ちかく||しろ||こして||ま|おう|ぐん||かんぶ||もの|| "... I'm an executive of the Demon King's army who just came to a castle near here the other day ..."

やがて 、 首 が プルプル と 小刻みに 震え 出し …………! |くび||||こきざみに|ふるえ|だし Eventually, my neck quivered and quivered …………!

「 まま まま 、 毎日 毎日 毎日 毎日っっ!! おお 、 俺 の 城 に 、 毎日 欠かさ ず 爆裂 魔法 撃ち込んで く 頭 の おかしい 大 馬鹿 は 、 誰 だ ああ ああ ああ あー !!」 魔 王 の 幹部 は 、 それ は もう お 怒り だった 。 ||まいにち|まいにち|まいにち|まいにち っっ||おれ||しろ||まいにち|かかさ||ばくれつ|まほう|うちこんで||あたま|||だい|ばか||だれ||||||ま|おう||かんぶ||||||いかり| ずっと 何 か に 耐えて いた が 、 とうとう 我慢 でき ず に 切れて しまった と いう ような デュラハン の 叫び に 、 俺 の 周り の 冒険 者 達 が ざ わ ついた 。 |なん|||たえて||||がまん||||きれて|||||||さけび||おれ||まわり||ぼうけん|もの|さとる||||

と いう か 、 その 場 の だれ も が 、 一体 何 が 起こって いる の か の 理解 が 追いついて いない 。 ||||じょう|||||いったい|なん||おこって|||||りかい||おいついて| とりあえず 、 俺 達 が 急に 呼び出さ れた の は 、 目の前 に いる 怒り狂った デュラハン が 原因 の ようだった 。 |おれ|さとる||きゅうに|よびださ||||めのまえ|||いかりくるった|||げんいん||

「…… 爆裂 魔法 ? ばくれつ|まほう 「 爆裂 魔法 を 使える 奴って 言ったら ……」 「 爆裂 魔法って 言ったら ……」 俺 の 隣 に 立つ め ぐみん へ 、 自然 と 周り の 視線 が 集まった 。 ばくれつ|まほう||つかえる|やつ って|いったら|ばくれつ|まほう って|いったら|おれ||となり||たつ||||しぜん||まわり||しせん||あつまった "If you say someone who can use explosive magic ..." "If you say explosive magic ..." To Megumi, who stands next to me, the gaze of the surroundings naturally gathered. …… 周囲 の 視線 を 寄せ られ ため ぐみん は 、 フイッ と 自分 の 隣 に いた 魔法使い の 女の子 を 見る 。 しゅうい||しせん||よせ|||||||じぶん||となり|||まほうつかい||おんなのこ||みる ...... As the others look around, Magumin looks at the wizard girl next to her.

それ に 釣られて 俺 も その 子 を 見る と 、 周り の みんな も 同じく 釣られ 、 その 子 に 視線 を ……。 ||つられて|おれ|||こ||みる||まわり||||おなじく|つられ||こ||しせん| When I was caught by it and saw the child, everyone around me was also caught, and I gazed at the child ....

「 え えっ!? あ 、 あたしっ!? なんで あたし が 見 られて ん のっ!? 爆裂 魔法 なんて 使え ない よっ! |||あたし っ||||み|||の っ|ばくれつ|まほう||つかえ|| 突然 濡れ衣 を なすりつけ られ 、 慌てる 魔法使い の 女の子 。 とつぜん|ぬれぎぬ||||あわてる|まほうつかい||おんなのこ A witch girl who is suddenly rubbed with a wet garment and is in a hurry. 突然,一个女巫的女孩穿着湿衣服,惊慌失措。

……って 、 もし かして 。 …… 毎日 魔法 ぶっ放して た あの 廃 城 ! まいにち|まほう|ぶ っぱなして|||はい|しろ あれ は ……。

俺 は 隣 を チラッ と 見る と 、 めぐみ ん が 冷や汗 を 垂らして いた 。 おれ||となり||||みる|||||ひやあせ||たらして| I glanced next to Megumi and saw her dripping with cold sweat.

どうやら こいつ も 気づいた ようだ 。 |||きづいた|

やがて めぐみ ん が ため息 を 吐き 、 嫌 そうな 顔 で 前 に 出た 。 ||||ためいき||はき|いや|そう な|かお||ぜん||でた Eventually, Megumi sighed and came forward with a disgusting face.

それ に 伴い 、 冒険 者 達 が デュラハン へ の 道 を 空けて くれる 。 ||ともない|ぼうけん|もの|さとる|||||どう||あけて| Along with that, adventurers will pave the way for Dullahan.

街 の 正門 の 前 に 佇む デュラハン 。 がい||せいもん||ぜん||たたずむ| Dullahan stands in front of the main gate of the city.

その デュラハン から 十 メートル ほど 離れた 場所 に めぐみ ん が 対峙 した 。 |||じゅう|めーとる||はなれた|ばしょ|||||たいじ|

俺 を はじめ 、 ダクネス や アクア も めぐみ ん の 後 に つき 従う 。 おれ||||||||||あと|||したがう Including me, Dakness and Aqua also follow Megumi.

アンデッド を 見つける と 、 まるで 親 の 敵 の ように 襲いかかった アクア も 、 これほど まで に 怒り狂う デュラハン は 珍しい の か 、 興味 津 々 で 事 の 成り行き を 見守って いた 。 ||みつける|||おや||てき|||おそいかかった||||||いかりくるう|||めずらしい|||きょうみ|つ|||こと||なりゆき||みまもって| When he found the undead, Aqua attacked him like a parent's enemy, and Dullahan, who was so angry, was rare, and he was curiously watching what happened. 當阿克婭發現不死者時,她就像是父母的敵人一樣攻擊它。無頭節如此憤怒的人很少見嗎?她饒有興趣地看著事態的發展。

「 お前 が ……! おまえ| お前 が 、 毎日 毎日 俺 の 城 に 爆裂 魔法 ぶち 込んで 行く 大 馬鹿 者 か ! おまえ||まいにち|まいにち|おれ||しろ||ばくれつ|まほう||こんで|いく|だい|ばか|もの| 俺 が 魔 王 軍 幹部 だ と 知っていて 喧嘩 を 売って いる なら 、 堂々と 城 に 攻めて くる が いい ! おれ||ま|おう|ぐん|かんぶ|||しっていて|けんか||うって|||どうどうと|しろ||せめて||| If you know that I'm the leader of the Demon King's Army and you're trying to pick a fight with me, then you can come at the castle with impunity! その 気 が 無い の なら 、 街 で 震えて いる が いい ! |き||ない|||がい||ふるえて||| If you don't feel like it, you should tremble in the city! 何故 こんな 陰湿な 嫌がらせ を する !? この 街 に は 低 レベル の 冒険 者 しか いない 事 は 知っている ! なぜ||いんしつな|いやがらせ||||がい|||てい|れべる||ぼうけん|もの|||こと||しっている Why do you do this insidious harassment !? I know there are only low-level adventurers in this city! どうせ 雑魚 しか いない 街 だ と 放置 して おれば 、 調子 に 乗って 毎日 毎日 ポンポン ポンポン 撃ち込み に きおって ……っ!! 頭 おかしい んじゃ ない の か 、 貴 様っ! |ざこ|||がい|||ほうち|||ちょうし||のって|まいにち|まいにち|ぽんぽん|ぽんぽん|うちこみ||||あたま||||||とうと|さま っ 連日 の 爆裂 魔法 が よほど 応えた の か 、 デュラハン の 兜 が 激しい 怒り で プルプル と 震えた 。 れんじつ||ばくれつ|まほう|||こたえた|||||かぶと||はげしい|いかり||||ふるえた

流石 に 気圧され 、 めぐみ ん は 若干 怯 む も 、 肩 の マント を バサッ と ひるがえし ……! さすが||けおされ||||じゃっかん|きょう|||かた||まんと||||

「 我が 名 は めぐみ ん 。 わが|な||| アークウィザード に して 、 爆裂 魔法 を 操る 者 ……! |||ばくれつ|まほう||あやつる|もの 「…… め ぐみんって 何 だ 。 |ぐみん って|なん| バカに して ん の か ? ばかに|||| 「 ちっ、 違わ い ! ち っ|ちがわ| 名乗り を 受けた デュラハン に 突っこま れる が 、 めぐみ ん は 気 を 取り 直す と 。 なのり||うけた|||つっこま||||||き||とり|なおす| Dullahan, who received the name, rushes into him, but Megumi regains his temper.

「 我 は 紅 魔 族 の 者 に して 、 この 街 随一 の 魔法使い 。 われ||くれない|ま|ぞく||もの||||がい|ずいいち||まほうつかい 我が 爆裂 魔法 を 放ち 続けて いた の は 、 魔 王 軍 幹部 の あなた を おびき出す ため の 作戦 ……! わが|ばくれつ|まほう||はなち|つづけて||||ま|おう|ぐん|かんぶ||||おびきだす|||さくせん こうして まんまと この 街 に 、 一 人 で 出て 来た の が 運 の 尽き です ! |||がい||ひと|じん||でて|きた|||うん||つき| In this way, I was out of luck to come out alone to this city! ノリ ノリ で デュラハン に 杖 を 突きつける め ぐみん を 後ろ で 見守り ながら 、 俺 は ダクネス と アクア に ぼそぼそ と 囁いた 。 のり|のり||||つえ||つきつける||||うしろ||みまもり||おれ||||||||ささやいた I whispered to Dullahan and Aqua, watching Gumin behind me, pointing a cane at Dullahan with a slapstick.

「…… おい 、 あいつ あんな 事 言って る ぞ 。 |||こと|いって|| ...... Hey, he's saying things like that. 毎日 爆裂 魔法 撃た なきゃ 死ぬ と か 駄々 こねる から 、 仕方なく あの 城 の 近く まで 連れてって やった のに 。 まいにち|ばくれつ|まほう|うた||しぬ|||だだ|||しかたなく||しろ||ちかく||つれて って|| Exploding every day I had to shoot magic, and I would die or knead, so I had no choice but to take him near that castle. いつの間に 作戦 に なった んだ 」 いつのまに|さくせん||| Before I knew it, it became a strategy. "

「…… うむ 、 しかも さらっと 、 この 街 随一 の 魔法使い と か 言い張って いる な 」 ||||がい|ずいいち||まほうつかい|||いいはって|| "... Um, and moreover, I'm insisting that I'm the best wizard in this city."