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Fairy Tales, サル酒

サル 酒

サル 酒

むかし むかし 、 大分 県 の 府 内 ( ふ ない → 大分 市 ) と いう ところ に 、 中 屋 玄 通 ( なか や げん つう ) と いう 貧しい 商人 が い ました 。

ある 日 、 玄 通 が 浦 辺 ( うら べ ) の 町 へ お 酒 を 売り に 行こう と 、 高崎 山 ( たか さ きや ま ) の ふもと を 歩いて いる と 、 どこ から か 、 「 キーッ 、 キーッ 」 と 、 苦し そうな 声 が 聞こえて きた のです 。 「 なんだ 、 あの 声 は ! 」 玄 通 が 急いで 声 の する 方 へ 行って みる と 、 サル が 地面 を 転げ 回って いた のです 。 見て みる と 大きな 力 二 が サル の 片足 を 、 ギューッ と はさんで いる のでした 。 かわいそうに 思った 玄 通 は 、 急いで 力 二 を 取って やり ました 。 そして サル に 、 「 よし よし 。 さぞ 、 痛かったろう 。 だけど な 、 カニ も お前 や わし と 同じ 生き物 な んじゃ 。 許して お やり 」 と 、 言い聞かせる 様 に 言う と 、 サル と カニ を 放して やり ました 。

次の 日 、 玄 通 が 再び 高崎 山 の ふもと を 通って お 酒 を 売り に 行く と 、 「 キキーッ 、 キーッ 」 と 、 また サル の 声 が し ます 。 見る と 昨日 の サル が 、 しきりに 玄 通 を 誘って いる ようです 。 「 なん じゃ ? わし に 、 来て 欲しい の か ? 」 玄 通 は 不思議に 思い ながら も 、 サル に ついて 行き ました 。 する と その うち 、 水 が わき出る 大きな 岩 の 前 に 出 ました 。 「 キキーッ 、 キキーッ 」 サル が その わき水 を 指さす ので 、 玄 通 は 何気なく その わき水 を なめて み ました 。 「・・・! こっ 、 これ は 酒 じゃ 。 しかも 上等の 酒 じゃ 」 なんと その わき水 は 、 天然 の お 酒 だった のです 。 サル は 助けて もらった お 礼 に 、 サル 仲間 に 伝わる 秘密の お 酒 を 玄 通に 教えて くれた のでした 。

玄 通 は その お 酒 を 売って 歩き 、 やがて は 九州 一 の 酒 長者 に なり ました 。 その お 酒 は 『 サル 酒 』 と 呼ば れ 、 今 でも 高崎 山 で は この 伝説 に ちなんで サル 酒 が 売ら れて いる そうです 。

おしまい


サル 酒 さる|さけ monkey booze mono alcohol aap drank

サル 酒 さる|さけ

むかし むかし 、 大分 県 の 府 内 ( ふ ない → 大分 市 ) と いう ところ に 、 中 屋 玄 通 ( なか や げん つう ) と いう 貧しい 商人 が い ました 。 ||だいぶ|けん||ふ|うち|||だいぶ|し|||||なか|や|げん|つう|||||||まずしい|しょうにん|||

ある 日 、 玄 通 が 浦 辺 ( うら べ ) の 町 へ お 酒 を 売り に 行こう と 、 高崎 山 ( たか さ きや ま ) の ふもと を 歩いて いる と 、 どこ から か 、 「 キーッ 、 キーッ 」 と 、 苦し そうな 声 が 聞こえて きた のです 。 |ひ|げん|つう||うら|ほとり||||まち|||さけ||うり||いこう||たかさき|やま||||||||あるいて|||||||||にがし|そう な|こえ||きこえて|| 「 なんだ 、 あの 声 は ! ||こえ| 」   玄 通 が 急いで 声 の する 方 へ 行って みる と 、 サル が 地面 を 転げ 回って いた のです 。 げん|つう||いそいで|こえ|||かた||おこなって|||さる||じめん||ころげ|まわって|| 見て みる と 大きな 力 二 が サル の 片足 を 、 ギューッ と はさんで いる のでした 。 みて|||おおきな|ちから|ふた||さる||かたあし|||||| かわいそうに 思った 玄 通 は 、 急いで 力 二 を 取って やり ました 。 |おもった|げん|つう||いそいで|ちから|ふた||とって|| そして サル に 、 「 よし よし 。 |さる||| さぞ 、 痛かったろう 。 |いたかったろう だけど な 、 カニ も お前 や わし と 同じ 生き物 な んじゃ 。 ||かに||おまえ||||おなじ|いきもの|| 許して お やり 」 と 、 言い聞かせる 様 に 言う と 、 サル と カニ を 放して やり ました 。 ゆるして||||いいきかせる|さま||いう||さる||かに||はなして||

次の 日 、 玄 通 が 再び 高崎 山 の ふもと を 通って お 酒 を 売り に 行く と 、 「 キキーッ 、 キーッ 」 と 、 また サル の 声 が し ます 。 つぎの|ひ|げん|つう||ふたたび|たかさき|やま||||かよって||さけ||うり||いく||||||さる||こえ||| 見る と 昨日 の サル が 、 しきりに 玄 通 を 誘って いる ようです 。 みる||きのう||さる|||げん|つう||さそって|| 「 なん じゃ ? わし に 、 来て 欲しい の か ? ||きて|ほしい|| 」   玄 通 は 不思議に 思い ながら も 、 サル に ついて 行き ました 。 げん|つう||ふしぎに|おもい|||さる|||いき| する と その うち 、 水 が わき出る 大きな 岩 の 前 に 出 ました 。 ||||すい||わきでる|おおきな|いわ||ぜん||だ| 「 キキーッ 、 キキーッ 」   サル が その わき水 を 指さす ので 、 玄 通 は 何気なく その わき水 を なめて み ました 。 ||さる|||わきみず||ゆびさす||げん|つう||なにげなく||わきみず|||| 「・・・! こっ 、 これ は 酒 じゃ 。 こ っ|||さけ| しかも 上等の 酒 じゃ 」   なんと その わき水 は 、 天然 の お 酒 だった のです 。 |じょうとうの|さけ||||わきみず||てんねん|||さけ|| サル は 助けて もらった お 礼 に 、 サル 仲間 に 伝わる 秘密の お 酒 を 玄 通に 教えて くれた のでした 。 さる||たすけて|||れい||さる|なかま||つたわる|ひみつの||さけ||げん|つうに|おしえて||

玄 通 は その お 酒 を 売って 歩き 、 やがて は 九州 一 の 酒 長者 に なり ました 。 げん|つう||||さけ||うって|あるき|||きゅうしゅう|ひと||さけ|ちょうじゃ||| その お 酒 は 『 サル 酒 』 と 呼ば れ 、 今 でも 高崎 山 で は この 伝説 に ちなんで サル 酒 が 売ら れて いる そうです 。 ||さけ||さる|さけ||よば||いま||たかさき|やま||||でんせつ|||さる|さけ||うら|||そう です

おしまい