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銀河鉄道の夜 『宮沢賢治』(Night on the Galactic Railroad), 7. 北 十字 と プリオシン 海岸

7. 北 十字 と プリオシン 海岸

「 おっか さん は 、 ぼく を ゆるして くださる だろう か 」 いきなり 、 カムパネルラ が 、 思い切った と いう ように 、 少し どもり ながら 、 せきこんで 言いました 。 ジョバンニ は 、( ああ 、 そう だ 、 ぼく の おっか さん は 、 あの 遠い 一 つ の ちり の ように 見える 橙 いろ の 三角 標 の あたり に いらっしゃって 、 いま ぼく の こと を 考えて いる んだった ) と 思い ながら 、 ぼんやり して だまって いました 。 「 ぼく は おっか さん が 、 ほんとうに 幸いに なる なら 、 どんな こと でも する 。 けれども 、 いったい どんな こと が 、 おっか さん の いちばん の 幸いな んだろう 」 カムパネルラ は 、 なんだか 、 泣きだしたい の を 、 一生 けん命 こらえて いる ようでした 。 「 きみ の おっか さん は 、 なんにも ひどい こと ない じゃ ない の 」 ジョバンニ は びっくり して 叫びました 。 「 ぼく わから ない 。 けれども 、 誰 だって 、 ほんとうに いい こと を したら 、 いちばん 幸いな んだ ねえ 。 だから 、 おっか さん は 、 ぼく を ゆるして くださる と 思う 」 カムパネルラ は 、 なに か ほんとうに 決心 して いる ように 見えました 。 にわかに 、 車 の なか が 、 ぱっと 白く 明るく なりました 。 見る と 、 もう じつに 、 金剛 石 や 草 の 露 や あらゆる 立派 さ を あつめた ような 、 きらびやかな 銀河 の 河 床 の 上 を 、 水 は 声 も なく かたち も なく 流れ 、 その 流れ のま ん 中 に 、 ぼうっと 青白く 後光 の 射 した 一 つ の 島 が 見える のでした 。 その 島 の 平らな いただき に 、 立派な 眼 も さめる ような 、 白い 十字架 が たって 、 それ は もう 、 凍った 北極 の 雲 で 鋳た と いったら いい か 、 す きっと した 金 いろ の 円 光 を いただいて 、 しずかに 永久 に 立って いる のでした 。

「 ハレルヤ 、 ハレルヤ 」 前 から もう しろから も 声 が 起こりました 。 ふりかえって 見る と 、 車 室 の 中 の 旅人 たち は 、 みな まっすぐに きもの の ひだ を 垂れ 、 黒い バイブル を 胸 に あてたり 、 水晶 の 数珠 を かけたり 、 どの 人 も つつましく 指 を 組み合わせて 、 そっち に 祈って いる のでした 。 思わず 二 人 と も まっすぐに 立ちあがりました 。 カムパネルラ の 頬 は 、 まるで 熟した りんご の あかし の ように うつくしく かがやいて 見えました 。 そして 島 と 十字架 と は 、 だんだん うしろ の 方 へ うつって 行きました 。 向こう岸 も 、 青じろく ぼうっと 光って けむり 、 時々 、 やっぱり すすき が 風 に ひるがえる らしく 、 さっと その 銀 いろ が けむって 、 息 でも かけた ように 見え 、 また 、 たくさんの りんどう の 花 が 、 草 を かくれたり 出たり する の は 、 やさしい 狐 火 の ように 思わ れました 。 それ も ほんの ちょっと の 間 、 川 と 汽車 と の 間 は 、 すすきの 列 で さえぎら れ 、 白鳥 の 島 は 、 二 度 ばかり 、 うしろ の 方 に 見えました が 、 じき もう ず うっと 遠く 小さく 、 絵 の ように なって しまい 、 また すすき が ざ わざ わ 鳴って 、 とうとう すっかり 見え なく なって しまいました 。 ジョバンニ の うしろ に は 、 いつ から 乗って いた の か 、 せい の 高い 、 黒い か つぎ を した カトリック ふう の 尼 さん が 、 まんまるな 緑 の 瞳 を 、 じっと まっすぐに 落として 、 まだ 何 か ことば か 声 か が 、 そっち から 伝わって 来る の を 、 つつしんで 聞いて いる と いう ように 見えました 。 旅人 たち は しずかに 席 に 戻り 、 二 人 も 胸 いっぱい の かなしみ に 似た 新しい 気持ち を 、 何気なく ちがった ことば で 、 そっと 談 し 合った のです 。

「 もう じき 白鳥 の 停車場 だ ねえ 」「 ああ 、 十一 時 かっきり に は 着く んだ よ 」 早くも 、 シグナル の 緑 の 燈 と 、 ぼんやり 白い 柱 と が 、 ちらっと 窓 の そと を 過ぎ 、 それ から 硫黄 の ほのお の ような くらい ぼんやり した 転てつ機 の 前 の あかり が 窓 の 下 を 通り 、 汽車 は だんだん ゆるやかに なって 、 まもなく プラットホーム の 一 列 の 電灯 が 、 うつくしく 規則正しく あらわれ 、 それ が だんだん 大きく なって ひろがって 、 二 人 は ちょうど 白鳥 停車場 の 、 大きな 時計 の 前 に 来て とまりました 。 さわやかな 秋 の 時計 の 盤面 に は 、 青く 灼 かれた はがね の 二 本 の 針 が 、 くっきり 十一 時 を 指しました 。 みんな は 、 一ぺん に おりて 、 車 室 の 中 は がらんと なって しまいました 。 〔 二十 分 停車 〕 と 時計 の 下 に 書いて ありました 。 「 ぼくたち も 降りて 見よう か 」 ジョバンニ が 言いました 。 「 降りよう 」 二 人 は 一度に はねあがって ドア を 飛び出して 改札口 へ かけて 行きました 。 ところが 改札口 に は 、 明るい 紫 が かった 電灯 が 、 一 つ 点いて いる ばかり 、 誰 も いま せ ん でした 。 そこら じゅう を 見て も 、 駅長 や 赤 帽 らしい 人 の 、 影 も なかった のです 。

二 人 は 、 停車場 の 前 の 、 水晶 細工 の ように 見える 銀杏 の 木 に 囲ま れた 、 小さな 広場 に 出ました 。 そこ から 幅 の 広い みち が 、 まっすぐに 銀河 の 青 光 の 中 へ 通って いました 。 さき に 降りた 人 たち は 、 もう どこ へ 行った か 一 人 も 見えません でした 。 二 人 が その 白い 道 を 、 肩 を ならべて 行きます と 、 二 人 の 影 は 、 ちょうど 四方 に 窓 の ある 部屋 の 中 の 、 二 本 の 柱 の 影 の ように 、 また 二 つ の 車輪 の 輻 の ように 幾 本 も 幾 本 も 四方 へ 出る のでした 。 そして まもなく 、 あの 汽車 から 見えた きれいな 河原 に 来ました 。 カムパネルラ は 、 その きれいな 砂 を 一つまみ 、 掌 に ひろげ 、 指で きしきし させ ながら 、 夢 の ように 言って いる のでした 。

「 この 砂 は みんな 水晶 だ 。 中 で 小さな 火 が 燃えて いる 」

「 そう だ 」 どこ で ぼく は 、 そんな こと を 習ったろう と 思い ながら 、 ジョバンニ も ぼんやり 答えて いました 。 河原 の 小石 は 、 みんな すきとおって 、 たしかに 水晶 や トパーズ や 、 また くしゃくしゃ の 皺曲 を あらわした の や 、 また 稜 から 霧 の ような 青白い 光 を 出す コランダム やら でした 。 ジョバンニ は 、 走って その 渚 に 行って 、 水 に 手 を ひたしました 。 けれども あやしい その 銀河 の 水 は 、 水素 より も もっと すきとおって いた のです 。 それ でも たしかに 流れて いた こと は 、 二 人 の 手首 の 、 水 に ひたった とこ が 、 少し 水銀 いろ に 浮いた ように 見え 、 その 手首 に ぶっつかって できた 波 は 、 うつくしい 燐光 を あげて 、 ちらちら と 燃える ように 見えた ので も わかりました 。 川上 の 方 を 見る と 、 すすき の いっぱいに はえて いる 崖 の 下 に 、 白い 岩 が 、 まるで 運動 場 の ように 平らに 川 に 沿って 出て いる のでした 。 そこ に 小さな 五 、 六 人 の 人かげ が 、 何 か 掘り出す か 埋める か して いる らしく 、 立ったり かがんだり 、 時々 なに か の 道具 が 、 ピカッ と 光ったり しました 。 「 行って みよう 」 二 人 は 、 まるで 一度に 叫んで 、 そっち の 方 へ 走りました 。 その 白い 岩 に なった ところ の 入口 に 、〔 プリオシン 海岸 〕 と いう 、 瀬戸物 の つるつる した 標札 が 立って 、 向こう の 渚 に は 、 ところどころ 、 細い 鉄 の 欄干 も 植えられ 、 木製 の きれいな ベンチ も 置いて ありました 。 「 おや 、 変な もの が ある よ 」 カムパネルラ が 、 不思議 そうに 立ちどまって 、 岩 から 黒い 細長い さき の とがった くるみ の 実 の ような もの を ひろいました 。 「 くるみ の 実 だ よ 。 そら 、 たくさん ある 。 流れて 来た んじゃ ない 。 岩 の 中 に はいって る んだ 」「 大きい ね 、 この くるみ 、 倍 ある ね 。 こいつ は すこしも いたんで ない 」「 早く あすこ へ 行って 見よう 。 きっと 何 か 掘って る から 」

二 人 は 、 ぎざぎざ の 黒い くるみ の 実 を 持ち ながら 、 また さっき の 方 へ 近よって 行きました 。 左手 の 渚 に は 、 波 が やさしい 稲妻 の ように 燃えて 寄せ 、 右手 の 崖 に は 、 いちめん 銀 や 貝殻 で こさえた ような すすきの 穂 が ゆれた のです 。

だんだん 近づいて 見る と 、 一 人 の せい の 高い 、 ひどい 近眼 鏡 を かけ 、 長靴 を はいた 学者 らしい 人 が 、 手帳 に 何 か せわし そうに 書きつけ ながら 、 つるはし を ふりあげたり 、 スコップ を つかったり して いる 、 三 人 の 助手 らしい 人 たち に 夢中で いろいろ 指図 を して いました 。 「 そこ の その 突起 を こわさ ない ように 、 スコップ を 使い たまえ 、 スコップ を 。 おっと 、 も 少し 遠く から 掘って 。 いけない 、 いけない 、 なぜ そんな 乱暴 を する んだ 」

見る と 、 その 白い 柔らかな 岩 の 中 から 、 大きな 大きな 青じろい 獣 の 骨 が 、 横 に 倒れて つぶれた と いう ふうに なって 、 半分 以上 掘り出されて いました 。 そして 気 を つけて 見る と 、 そこら に は 、 ひづめ の 二 つ ある 足跡 の ついた 岩 が 、 四角に 十 ばかり 、 きれいに 切り取られて 番号 が つけられて ありました 。 「 君 たち は 参観 か ね 」 その 大学 士 らしい 人 が 、 眼鏡 を きらっと さ せて 、 こっち を 見て 話しかけました 。 「 くるみ が たくさん あったろう 。 それ は まあ 、 ざっと 百二十万 年 ぐらい 前 の くるみ だ よ 。 ごく 新しい 方 さ 。 ここ は 百二十万 年 前 、 第 三 紀 の あと の ころ は 海岸 で ね 、 この 下 から は 貝がら も 出る 。 いま 川 の 流れて いる とこ に 、 そっくり 塩 水 が 寄せたり 引いたり も して いた のだ 。 この けもの か ね 、 これ は ボス と いって ね 、 おいおい 、 そこ 、 つるはし は よした まえ 。 ていねいに ノミ で やって くれた まえ 。 ボス と いって ね 、 いま の 牛 の 先祖 で 、 昔 は たくさん いた の さ 」

「 標本 に する んです か 」

「 いや 、 証明 する に 要る んだ 。 ぼくら から みる と 、 ここ は 厚い 立派な 地層 で 、 百二十万 年 ぐらい 前 に できた と いう 証拠 も いろいろ あがる けれども 、 ぼくら と ちがった やつ から みて も やっぱり こんな 地層 に 見える か どう か 、 あるいは 風 か 水 や 、 がらんと した 空 か に 見え やしない か と いう こと な のだ 。 わかった かい 。 けれども 、 おいおい 、 そこ も スコップ で は いけない 。 その すぐ 下 に 肋骨 が 埋もれて る はずじゃ ない か 」

大 学士 は あわてて 走って 行きました 。 「 もう 時間 だ よ 。 行こう 」 カムパネルラ が 地図 と 腕 時計 と を くらべ ながら 言いました 。 「 ああ 、 では わたくし ども は 失礼 いたします 」 ジョバンニ は 、 ていねいに 大 学士 に おじぎ しました 。 「 そう です か 。 いや 、 さよなら 」 大学 士 は 、 また 忙し そうに 、 あちこち 歩きまわって 監督 を はじめました 。 二 人 は 、 その 白い 岩 の 上 を 、 一生懸命 汽車 に おくれ ない ように 走りました 。 そして ほんとうに 、 風 の ように 走れた のです 。 息 も 切れ ず 膝 も あつく なりません でした 。 こんなに して かける なら 、 もう 世界 じゅう だって かけ れる と 、 ジョバンニ は 思いました 。 そして 二 人 は 、 前 の あの 河原 を 通り 、 改札口 の 電灯 が だんだん 大きく なって 、 まもなく 二 人 は 、 もと の 車 室 の 席 に すわって いま 行って 来 た方 を 、 窓 から 見て いました 。

7. 北 十字 と プリオシン 海岸 きた|じゅうじ|||かいがん 7. Nordkreuz und Pryosin-Küste 7\. North Cross and Priosin Coast 7\. Cruz del Norte y Costa de Priosin 7. 北 十字 と プリオシン 海岸 7. 북십자 및 프리오신 해안 7. costa norte de Cross e Pryosin 7. Norra korset och Pryosinkusten 7. Kuzey Cross ve Pryosin sahili 7. 北十字星和上新世海岸 7\. 北十字和上新世海岸 7. 北克罗斯和普里奥辛海岸

「 おっか さん は 、 ぼく を ゆるして くださる だろう か 」 いきなり 、 カムパネルラ が 、 思い切った と いう ように 、 少し どもり ながら 、 せきこんで 言いました 。 お っか||||||||||||おもいきった||||すこし||||いい ました "Will the old man forgive me?" Suddenly, Campanella said, with a little stuttering, as if he had taken the plunge. "¿Me perdonará el viejo?" De repente, dijo Kampanella, con un poco de tartamudeo, como si hubiera dado el paso. “媽媽會原諒我嗎?”康帕內拉頓時結結巴巴的咳嗽了一聲。 ジョバンニ は 、( ああ 、 そう だ 、 ぼく の おっか さん は 、 あの 遠い 一 つ の ちり の ように 見える 橙 いろ の 三角 標 の あたり に いらっしゃって 、 いま ぼく の こと を 考えて いる んだった ) と 思い ながら 、 ぼんやり して だまって いました 。 |||||||お っか||||とおい|ひと||||||みえる|だいだい|||さんかく|しるべ||||||||||かんがえて||||おもい|||||い ました Giovanni sat there in a daze, thinking, "Oh, yes, my mother is in that orange triangle that looks like a distant dustbowl, and she's thinking about me right now. Giovanni dijo: (Oh, sí, mi viejo estaba alrededor del triángulo naranja que parecía ese polvo distante, y ahora estaba pensando en mí.) Mientras pensaba, me engañé vagamente. 喬瓦尼說,(哦,是的,我媽媽就在那個遙遠的塵土般的橙色三角形周圍,她現在正在想我。) 我心不在焉,沉默著,想著它。 「 ぼく は おっか さん が 、 ほんとうに 幸いに なる なら 、 どんな こと でも する 。 ||お っか||||さいわいに|||||| "I will do anything if the old man is really fortunate. "Haré cualquier cosa si el viejo es realmente afortunado. “只要能讓媽媽開心,我什麼都願意做。 けれども 、 いったい どんな こと が 、 おっか さん の いちばん の 幸いな んだろう 」 カムパネルラ は 、 なんだか 、 泣きだしたい の を 、 一生 けん命 こらえて いる ようでした 。 |||||お っか|||||さいわいな|||||なきだし たい|||いっしょう|けんめい||| But what's the luckiest thing about the old man?” Kampantra seemed to hold her crying for the rest of her life. 「 きみ の おっか さん は 、 なんにも ひどい こと ない じゃ ない の 」 ジョバンニ は びっくり して 叫びました 。 ||お っか||||||||||||||さけび ました "There's nothing wrong with your mother," cried Giovanni, startled. "Tu viejo no es terrible en absoluto", gritó Giovanni con asombro. “你媽媽沒有任何問題,”喬瓦尼驚叫道。 「 ぼく わから ない 。 I don't know. けれども 、 誰 だって 、 ほんとうに いい こと を したら 、 いちばん 幸いな んだ ねえ 。 |だれ||||||||さいわいな|| But whoever would be most happy if they did something really good. Pero, todos serían los más felices si hicieran algo realmente bueno. だから 、 おっか さん は 、 ぼく を ゆるして くださる と 思う 」 カムパネルラ は 、 なに か ほんとうに 決心 して いる ように 見えました 。 |お っか||||||||おもう||||||けっしん||||みえ ました So I think the old man will forgive me. "Campanella seemed to be really determined. Así que creo que el viejo me perdonará". Campanella parecía estar realmente decidida. 所以我想我媽媽會原諒我的。”康帕內拉似乎下定了決心。 にわかに 、 車 の なか が 、 ぱっと 白く 明るく なりました 。 |くるま|||||しろく|あかるく|なり ました Suddenly, the inside of the car suddenly became white and bright. 頓時,車內變得雪白明亮。 見る と 、 もう じつに 、 金剛 石 や 草 の 露 や あらゆる 立派 さ を あつめた ような 、 きらびやかな 銀河 の 河 床 の 上 を 、 水 は 声 も なく かたち も なく 流れ 、 その 流れ のま ん 中 に 、 ぼうっと 青白く 後光 の 射 した 一 つ の 島 が 見える のでした 。 みる||||こんごう|いし||くさ||ろ|||りっぱ||||||ぎんが||かわ|とこ||うえ||すい||こえ||||||ながれ||ながれ|||なか|||あおじろく|ごこう||い||ひと|||しま||みえる| The water flowed silently and without a sound or form on the bed of a glistening silver river, which seemed to collect all the dew and splendor of the bricks and grass. Cuando lo miras, el agua fluye en silencio y en silencio sobre el lecho del río de una galaxia brillante, como el rocío de las piedras Kongo y la hierba, y todas las cosas espléndidas, y en medio de ese flujo, pude ver una isla que estaba tenuemente pálida y aureolada. 當我看到它時,我看到水在閃閃發光的銀河河床上無聲無形地流動,像鑽石的集合,草上的露水,所有的光輝,在溪流的中間,發呆,我看到了一個有著蒼白光環的島嶼。 その 島 の 平らな いただき に 、 立派な 眼 も さめる ような 、 白い 十字架 が たって 、 それ は もう 、 凍った 北極 の 雲 で 鋳た と いったら いい か 、 す きっと した 金 いろ の 円 光 を いただいて 、 しずかに 永久 に 立って いる のでした 。 |しま||たいらな|||りっぱな|がん||||しろい|じゅうじか||||||こおった|ほっきょく||くも||いた||||||||きむ|||えん|ひかり||||えいきゅう||たって|| On the flat top of the island stands a magnificent, eye-opening white cross, cast in the frozen Arctic clouds, bathed in a clear golden halo. , stood silently and forever. La parte superior plana de la isla tiene una cruz blanca que se ve muy bien, y me pregunto si debería haber sido proyectada en las nubes heladas del Ártico. Estaba parado en silencio y para siempre. 平坦的島頂上矗立著一座宏偉的、令人大開眼界的白色十字架,投在冰凍的北極雲層中,沐浴在清澈的金色光環中,靜靜地、永遠地矗立著。

「 ハレルヤ 、 ハレルヤ 」 前 から もう しろから も 声 が 起こりました 。 ||ぜん|||||こえ||おこり ました "Hallelujah, hallelujah." Voices arose from the front and from the back of the room. "Aleluya, aleluya" Había una voz de antes. “哈利路亞,哈利路亞!” ふりかえって 見る と 、 車 室 の 中 の 旅人 たち は 、 みな まっすぐに きもの の ひだ を 垂れ 、 黒い バイブル を 胸 に あてたり 、 水晶 の 数珠 を かけたり 、 どの 人 も つつましく 指 を 組み合わせて 、 そっち に 祈って いる のでした 。 |みる||くるま|しつ||なか||たびびと|||||||||しだれ|くろい|ばいぶる||むね|||すいしょう||じゅず||||じん|||ゆび||くみあわせて|||いのって|| I looked back and saw that the travelers in the car were all hanging straight from the folds of their kimonos, with black bibles on their chests or crystal beads, all knitting their fingers together and praying to you. Mirando hacia atrás, todos los viajeros en la sala del automóvil se colgaron de los pliegues del kimono, se pusieron la biblia negra en el pecho, se pusieron las cuentas de cristal en el pecho y todos humildemente juntaron los dedos. 回頭一看,車上的旅客都穿著和服,胸前掛著黑色的聖經,胸前掛著水晶珠子,所有人都在那邊謙卑地十指交叉祈禱,我也在場。 思わず 二 人 と も まっすぐに 立ちあがりました 。 おもわず|ふた|じん||||たちあがり ました Involuntarily, both of us stood up straight. カムパネルラ の 頬 は 、 まるで 熟した りんご の あかし の ように うつくしく かがやいて 見えました 。 ||ほお|||じゅくした||||||||みえ ました Campanella's cheeks looked beautiful and shiny, like a testimony of a ripe apple. Las mejillas de Kampanella se veían hermosas y brillantes, como un testimonio de una manzana madura. そして 島 と 十字架 と は 、 だんだん うしろ の 方 へ うつって 行きました 。 |しま||じゅうじか||||||かた|||いき ました The island and the cross gradually moved toward the rear. Y la isla y la cruz se movieron gradualmente hacia atrás. 向こう岸 も 、 青じろく ぼうっと 光って けむり 、 時々 、 やっぱり すすき が 風 に ひるがえる らしく 、 さっと その 銀 いろ が けむって 、 息 でも かけた ように 見え 、 また 、 たくさんの りんどう の 花 が 、 草 を かくれたり 出たり する の は 、 やさしい 狐 火 の ように 思わ れました 。 むこうぎし||あおじろく||ひかって||ときどき||||かぜ||||||ぎん||||いき||||みえ|||||か||くさ|||でたり|||||きつね|ひ|||おもわ|れ ました The other side of the river was also blue and shimmering, and sometimes the pampas grass seemed to flutter in the wind, its silver color shimmering as if it were breathing, and the many linden flowers coming and going from the grass seemed like a gentle fox fire. En el otro lado de la orilla, el zorro azul brilla intensamente y, a veces, la hierba de la pampa parece revolotear con el viento, y parece que el zorro plateado está respirando, y hay muchas flores y hierba de zorro. zorro fuego para salir. 河岸的另一邊,也冒著一團淡藍色的煙霧,時而彷彿蒲葦隨風飄揚,銀色的煙霧讓它看上去就像是被風吹走了一樣。一股溫和的狐火出現了。 それ も ほんの ちょっと の 間 、 川 と 汽車 と の 間 は 、 すすきの 列 で さえぎら れ 、 白鳥 の 島 は 、 二 度 ばかり 、 うしろ の 方 に 見えました が 、 じき もう ず うっと 遠く 小さく 、 絵 の ように なって しまい 、 また すすき が ざ わざ わ 鳴って 、 とうとう すっかり 見え なく なって しまいました 。 |||||あいだ|かわ||きしゃ|||あいだ|||れつ||||はくちょう||しま||ふた|たび||||かた||みえ ました|||||う っと|とおく|ちいさく|え|||||||||||なって|||みえ|||しまい ました For a short while, the river and the train were interrupted by a line of soot, and the swan island was twice visible in the distance, but then it was too far away and too small to be a picture, and the rustling of the soot made it impossible to see it at last. Por un momento, entre el río y el tren, fue bloqueado por una hilera de hierba de pampa, y la isla de los cisnes se vio dos veces, detrás de él, pero pronto quedó un poco lejos y pequeña, en la imagen. sonaba la hierba de la pampa, y finalmente no pude verla por completo. 有一段時間,河流和火車之間的線路被一排蒲葦擋住了,有兩次我可以看到背景中的天鵝島,但很快它就遠了,小了,風景如畫。蒲葦開始了又沙沙作響,最後完全看不見了。 ジョバンニ の うしろ に は 、 いつ から 乗って いた の か 、 せい の 高い 、 黒い か つぎ を した カトリック ふう の 尼 さん が 、 まんまるな 緑 の 瞳 を 、 じっと まっすぐに 落として 、 まだ 何 か ことば か 声 か が 、 そっち から 伝わって 来る の を 、 つつしんで 聞いて いる と いう ように 見えました 。 |||||||のって||||||たかい|くろい|||||かとりっく|||あま||||みどり||ひとみ||||おとして||なん||||こえ|||||つたわって|くる||||きいて|||||みえ ました Behind Giovanni, when did he get on, a high, black or next Catholic nun, with his round green eyes dropped straight down, still some words? However, it seemed that he was listening to what was coming from there. Detrás de Giovanni, ¿cuándo subió, una monja alta, negra o próximamente católica, con sus redondos ojos verdes caídos hacia abajo, todavía algunas palabras?Sin embargo, parecía que estaba escuchando lo que venía de allí. 喬瓦尼的身後,不知道他坐了多久的車,一個穿著黑色斗篷、身材高大、天主教模樣的修女,圓圓的綠眼睛直勾勾地盯著下方,還在喊叫。看來他在認真聽著。到從那里傳來的東西。 旅人 たち は しずかに 席 に 戻り 、 二 人 も 胸 いっぱい の かなしみ に 似た 新しい 気持ち を 、 何気なく ちがった ことば で 、 そっと 談 し 合った のです 。 たびびと||||せき||もどり|ふた|じん||むね|||||にた|あたらしい|きもち||なにげなく|||||だん||あった| The travelers returned to their seats at peace and quietly discussed their new feelings in different phrases in a casual manner. Los viajeros regresaron en silencio a sus asientos, y ambos hablaron en voz baja con diferentes palabras sobre nuevos sentimientos que se parecían a los de su corazón lleno de Shizuka Minamoto. 旅客們靜靜地回到座位上,兩人隨意地用不同的語言交談著,訴說著類似於心中悲傷的新感受。

「 もう じき 白鳥 の 停車場 だ ねえ 」「 ああ 、 十一 時 かっきり に は 着く んだ よ 」 早くも 、 シグナル の 緑 の 燈 と 、 ぼんやり 白い 柱 と が 、 ちらっと 窓 の そと を 過ぎ 、 それ から 硫黄 の ほのお の ような くらい ぼんやり した 転てつ機 の 前 の あかり が 窓 の 下 を 通り 、 汽車 は だんだん ゆるやかに なって 、 まもなく プラットホーム の 一 列 の 電灯 が 、 うつくしく 規則正しく あらわれ 、 それ が だんだん 大きく なって ひろがって 、 二 人 は ちょうど 白鳥 停車場 の 、 大きな 時計 の 前 に 来て とまりました 。 ||はくちょう||ていしゃば||||じゅういち|じ|か っきり|||つく|||はやくも|しぐなる||みどり||とも|||しろい|ちゅう||||まど||||すぎ|||いおう||||||||てんてつき||ぜん||||まど||した||とおり|きしゃ||||||ぷらっとほーむ||ひと|れつ||でんとう|||きそくただしく|||||おおきく|||ふた|じん|||はくちょう|ていしゃば||おおきな|とけい||ぜん||きて|とまり ました "It's almost time for the Swan to stop." "Oh, we'll be there by eleven o'clock." Soon the green light of the signaling lamp and the dim white pillar glanced past the window, and then the light in front of the turntable, which was so dim it had the faint scent of sulfur, passed under the window. The lights in front of the train gradually became larger and larger, and they came to a stop just in front of the big clock at the Shirotori stop. "Está a punto de ser una parada de cisne". "Oh, llegaré a las 11 en punto". Tan pronto como la luz verde de la señal, el vago pilar blanco, y un atisbo de la ventana, y luego el azufre La luz frente a la máquina rodante tenuemente iluminada pasó por debajo de la ventana, el tren disminuyó gradualmente la velocidad y pronto una fila de luces en la plataforma apareció hermosa y regularmente, y se hizo más y más grande. y se detuvo justo frente a un gran reloj en la parada Swan. “我們快到天鵝站了。”轉轍機前的燈光,暗淡得像一團溫暖的火,從車窗下掠過,火車放慢了速度,很快站台上的一排燈光呈現出美麗的樣子,常規的造型,越來越大,散開,兩人就停在了白鳥車站的大鐘前。 さわやかな 秋 の 時計 の 盤面 に は 、 青く 灼 かれた はがね の 二 本 の 針 が 、 くっきり 十一 時 を 指しました 。 |あき||とけい||ばんめん|||あおく|しゃく||||ふた|ほん||はり|||じゅういち|じ||さし ました On a crisp autumn clock face, the two hands of a blue-hot gold watch pointed clearly to 11 o'clock. En la cara del refrescante reloj otoñal, las dos manecillas de acero azul quemado apuntaban claramente a las 11 en punto. 清爽的秋日鐘面上,兩隻藍燒鋼指針清晰地指向十一點鐘方向。 みんな は 、 一ぺん に おりて 、 車 室 の 中 は がらんと なって しまいました 。 ||いっぺん|||くるま|しつ||なか||||しまい ました Everyone got out at once, leaving a mess in the car room. Todos estaban en un solo lugar, y el interior del auto estaba vacío. 每個人都在一層樓,小屋裡空無一人。 〔 二十 分 停車 〕 と 時計 の 下 に 書いて ありました 。 にじゅう|ぶん|ていしゃ||とけい||した||かいて|あり ました The sign below the clock said "20 minutes stop. 「 ぼくたち も 降りて 見よう か 」 ジョバンニ が 言いました 。 ||おりて|みよう||||いい ました Let's go down and see," Giovanni said. 「 降りよう 」 二 人 は 一度に はねあがって ドア を 飛び出して 改札口 へ かけて 行きました 。 おりよう|ふた|じん||いちどに||どあ||とびだして|かいさつぐち|||いき ました "Let's go down." They jumped up and down at once, ran out the door, and ran to the ticket gate. “Vamos a bajar.” Los dos se levantaron de un salto, saltaron por la puerta y se dirigieron a la puerta de entrada. 他们立刻起身,跑出大门,穿过旋转门。 ところが 改札口 に は 、 明るい 紫 が かった 電灯 が 、 一 つ 点いて いる ばかり 、 誰 も いま せ ん でした 。 |かいさつぐち|||あかるい|むらさき|||でんとう||ひと||ついて|||だれ||||| However, there was no one at the ticket gate except for a single bright purple-red light. Sin embargo, en la puerta de entrada, solo había una lámpara brillante teñida de púrpura y no había nadie allí. 然而,转门处空无一人,只有一盏亮紫色的灯。 そこら じゅう を 見て も 、 駅長 や 赤 帽 らしい 人 の 、 影 も なかった のです 。 |||みて||えきちょう||あか|ぼう||じん||かげ||| There was no sign of a stationmaster or a red-capped man in sight. Mirando por todos lados, no había sombra del jefe de estación o de la persona que parecía una gorra roja. 周围没有看到任何站长或红帽人的踪迹。

二 人 は 、 停車場 の 前 の 、 水晶 細工 の ように 見える 銀杏 の 木 に 囲ま れた 、 小さな 広場 に 出ました 。 ふた|じん||ていしゃば||ぜん||すいしょう|さいく|||みえる|いちょう||き||かこま||ちいさな|ひろば||で ました They walked out onto a small open space in front of the depot, surrounded by ginkgo trees that looked like crystal work. 他们来到车库前的一小块空地上,周围种满了银杏树,看上去就像水晶制品。 そこ から 幅 の 広い みち が 、 まっすぐに 銀河 の 青 光 の 中 へ 通って いました 。 ||はば||ひろい||||ぎんが||あお|ひかり||なか||かよって|い ました From there, a wide road led straight into the blue light of the galaxy. Desde allí, un camino ancho pasaba directamente a la luz azul de la galaxia. 从那里,一条宽阔的道路直通银河系的蓝光。 さき に 降りた 人 たち は 、 もう どこ へ 行った か 一 人 も 見えません でした 。 ||おりた|じん||||||おこなった||ひと|じん||みえ ませ ん| I couldn't see any of the people who had gotten off earlier, because they were already gone. 二 人 が その 白い 道 を 、 肩 を ならべて 行きます と 、 二 人 の 影 は 、 ちょうど 四方 に 窓 の ある 部屋 の 中 の 、 二 本 の 柱 の 影 の ように 、 また 二 つ の 車輪 の 輻 の ように 幾 本 も 幾 本 も 四方 へ 出る のでした 。 ふた|じん|||しろい|どう||かた|||いき ます||ふた|じん||かげ|||しほう||まど|||へや||なか||ふた|ほん||ちゅう||かげ||||ふた|||しゃりん||ふく|||いく|ほん||いく|ほん||しほう||でる| When they walk down the white road, their shadows are like the shadows of two pillars in a room with windows on all sides, and the spokes of two wheels. Like this, many and many went out in all directions. Cuando van por el camino blanco, sus sombras son como las sombras de dos columnas en una habitación con ventanas por todos lados, y los rayos de dos ruedas.Así, muchos y muchos salieron en todas direcciones. 当他们肩并肩走在白色的小路上时,他们的影子出现在四面八方,就像四面都有窗户的房间里两根柱子的影子,又像两个车轮的辐条。 そして まもなく 、 あの 汽車 から 見えた きれいな 河原 に 来ました 。 |||きしゃ||みえた||かわはら||き ました Soon after, we came to the beautiful riverbank that we could see from the train. 不久,我们来到了从火车上就能看到的美丽河岸。 カムパネルラ は 、 その きれいな 砂 を 一つまみ 、 掌 に ひろげ 、 指で きしきし させ ながら 、 夢 の ように 言って いる のでした 。 ||||すな||ひとつまみ|てのひら|||ゆび で|きし きし|さ せ||ゆめ|||いって|| Campanella took a pinch of that clean sand, spread it on his palm, and crunched it with his fingers as he said in a dream. Campanella dijo como en un sueño, tomando una pizca de arena limpia, extendiéndola en su palma y apretándola con sus dedos. 她撮了一撮干净的沙子,摊在掌心,手指吱吱作响,梦呓般地说:"我手里有一点沙子,但我不想吃它。

「 この 砂 は みんな 水晶 だ 。 |すな|||すいしょう| All this sand is crystal. 中 で 小さな 火 が 燃えて いる 」 なか||ちいさな|ひ||もえて| There's a little fire burning inside."

「 そう だ 」 どこ で ぼく は 、 そんな こと を 習ったろう と 思い ながら 、 ジョバンニ も ぼんやり 答えて いました 。 |||||||||ならったろう||おもい|||||こたえて|い ました "Yes." Giovanni answered vaguely, wondering where I had learned that. 河原 の 小石 は 、 みんな すきとおって 、 たしかに 水晶 や トパーズ や 、 また くしゃくしゃ の 皺曲 を あらわした の や 、 また 稜 から 霧 の ような 青白い 光 を 出す コランダム やら でした 。 かわはら||こいし|||||すいしょう|||||||しわ きょく||||||りょう||きり|||あおじろい|ひかり||だす||| The pebbles on the riverbed were all clear, and certainly crystals and topaz, and some with crumpled wrinkles, and some with corundum that gave off a misty pale light from the ridges. Los guijarros en la orilla del río eran todos como cristales, topacio, arrugas arrugadas y corindón que emitía una luz pálida como niebla desde las crestas. 河岸上的鹅卵石都是透明的,有水晶、黄玉、皱褶曲线、刚玉等,它们的棱角处散发着缥缈的淡光。 ジョバンニ は 、 走って その 渚 に 行って 、 水 に 手 を ひたしました 。 ||はしって||なぎさ||おこなって|すい||て||ひたし ました Giovanni ran to the shore and hastened his hand to the water. 乔瓦尼跑到沙滩上,把手从水里藏了起来。 けれども あやしい その 銀河 の 水 は 、 水素 より も もっと すきとおって いた のです 。 |||ぎんが||すい||すいそ|||||| But the water in that suspicious galaxy was even clearer than hydrogen. Pero el agua sospechosa de la galaxia era mucho mejor que el hidrógeno. 但是,那个神秘星系中的水比氢还要清澈。 それ でも たしかに 流れて いた こと は 、 二 人 の 手首 の 、 水 に ひたった とこ が 、 少し 水銀 いろ に 浮いた ように 見え 、 その 手首 に ぶっつかって できた 波 は 、 うつくしい 燐光 を あげて 、 ちらちら と 燃える ように 見えた ので も わかりました 。 |||ながれて||||ふた|じん||てくび||すい|||||すこし|すいぎん|||ういた||みえ||てくび||ぶっつ かって||なみ|||りん ひかり|||||もえる||みえた|||わかり ました I could tell that they were indeed flowing because their wrists seemed to float a little mercury-colored when hit by water, and the waves that hit their wrists seemed to flicker and burn with a beautiful phosphorescent glow. Pero lo que fluía era que el agua de sus muñecas parecía flotar un poco sobre el mercurio, y las olas que golpeaban sus muñecas despedían una hermosa fosforescencia, lo sabía porque parecía que ardía. 但你可以看出他们确实在流动,因为他们在水边的手腕似乎在水银中微微浮动,打在手腕上的波纹似乎在闪烁和燃烧,散发出美丽的磷光。 川上 の 方 を 見る と 、 すすき の いっぱいに はえて いる 崖 の 下 に 、 白い 岩 が 、 まるで 運動 場 の ように 平らに 川 に 沿って 出て いる のでした 。 かわかみ||かた||みる|||||||がけ||した||しろい|いわ|||うんどう|じょう|||たいらに|かわ||そって|でて|| Looking upstream, we could see white rocks, flat as a playground, protruding along the river below a cliff full of pampas grass. Mirando río arriba, bajo los acantilados llenos de hierba de la pampa, las rocas blancas aparecían planas a lo largo del río, como un patio de recreo. 向上游望去,我们可以看到白色的岩石,沿着河流平铺开来,就像一个游乐场,下面是长满潘帕斯草的悬崖。 そこ に 小さな 五 、 六 人 の 人かげ が 、 何 か 掘り出す か 埋める か して いる らしく 、 立ったり かがんだり 、 時々 なに か の 道具 が 、 ピカッ と 光ったり しました 。 ||ちいさな|いつ|むっ|じん||ひとかげ||なん||ほりだす||うずめる|||||たったり||ときどき||||どうぐ||||ひかったり|し ました There were five or six small shadows standing and crouching, who seemed to be digging or burying something. Allí, cinco o seis pequeñas sombras parecían estar cavando o enterrando algo, de pie o agachados, ya veces destellaban algunas herramientas. 有五六个小人或站或跪在那里,显然是在挖掘或掩埋什么东西,偶尔会有一些工具在闪烁。 「 行って みよう 」 二 人 は 、 まるで 一度に 叫んで 、 そっち の 方 へ 走りました 。 おこなって||ふた|じん|||いちどに|さけんで|||かた||はしり ました They ran in that direction, shouting at once, "Let's go! 他们大喊一声 "我们走",立刻朝那个方向跑去。 その 白い 岩 に なった ところ の 入口 に 、〔 プリオシン 海岸 〕 と いう 、 瀬戸物 の つるつる した 標札 が 立って 、 向こう の 渚 に は 、 ところどころ 、 細い 鉄 の 欄干 も 植えられ 、 木製 の きれいな ベンチ も 置いて ありました 。 |しろい|いわ|||||いりぐち|||かいがん|||せともの||つる つる||しるべさつ||たって|むこう||なぎさ||||ほそい|くろがね||らんかん||うえ られ|もくせい|||べんち||おいて|あり ました At the entrance to the white rocks, there stands a slippery crockery sign that says [Pliocene Coast], and on the beach beyond, here and there are planted slender iron railings and beautiful wooden benches. There was 在白色岩石海滩的入口处,有一块光滑的金属牌子,上面写着[普里奥辛海滩],海滩外的沙滩上,有的地方还种着细细的铁栏杆和漂亮的木制长凳。 「 おや 、 変な もの が ある よ 」 カムパネルラ が 、 不思議 そうに 立ちどまって 、 岩 から 黒い 細長い さき の とがった くるみ の 実 の ような もの を ひろいました 。 |へんな|||||||ふしぎ|そう に|たちどまって|いわ||くろい|ほそながい||||||み|||||ひろい ました "Oh, there's something strange." Camperanella stopped in wonder and pulled a long, thin, black, pointed walnut from the rock. “Oh, hay algo raro.” Campanella misteriosamente se detuvo y recogió algo como una nuez negra, delgada y puntiaguda de una roca. 他看到一个黑核桃,上面有一根又细又长的棱。 「 くるみ の 実 だ よ 。 ||み|| They are walnuts. "Es una fruta de nuez. 核桃 そら 、 たくさん ある 。 There you go, there's a lot. 流れて 来た んじゃ ない 。 ながれて|きた|| It didn't come down the river. 岩 の 中 に はいって る んだ 」「 大きい ね 、 この くるみ 、 倍 ある ね 。 いわ||なか|||||おおきい||||ばい|| It's inside a rock." "It's big. This walnut is twice as big. Está en la roca.” “Es grande, esta nuez es el doble de grande. 它很大,这些核桃有它的两倍大。 こいつ は すこしも いたんで ない 」「 早く あすこ へ 行って 見よう 。 |||||はやく|あす こ||おこなって|みよう This guy isn't hurt at all." "Let's go tomorrow and see. Este tipo no está un poco enfermo". "Vamos a ver a Asuko pronto. "我们过去看看吧。 きっと 何 か 掘って る から 」 |なん||ほって|| I'm sure I'm digging something. "

二 人 は 、 ぎざぎざ の 黒い くるみ の 実 を 持ち ながら 、 また さっき の 方 へ 近よって 行きました 。 ふた|じん||ぎ ざ ぎ ざ||くろい|||み||もち|||||かた||ちかよって|いき ました The two men approached again with their jagged black walnuts. Los dos, sosteniendo la fruta de nuez negra irregular, se acercaron al anterior. 左手 の 渚 に は 、 波 が やさしい 稲妻 の ように 燃えて 寄せ 、 右手 の 崖 に は 、 いちめん 銀 や 貝殻 で こさえた ような すすきの 穂 が ゆれた のです 。 ひだりて||なぎさ|||なみ|||いなずま|||もえて|よせ|みぎて||がけ||||ぎん||かいがら||こさ えた|||ほ||| On the shore to the left, the waves flashed like gentle lightning, and on the cliff to the right, ears of Japanese pampas grass, made of silver and shells, swayed. En la playa de la izquierda, las olas ardían como un suave relámpago, y en el acantilado de la derecha, las orejas de susukino, como las de plata o conchas, temblaban. 左边的海岸上,海浪像温柔的闪电一样闪烁着,右边的悬崖上,用银子和贝壳拼凑起来的潘帕斯草穗摇曳着。

だんだん 近づいて 見る と 、 一 人 の せい の 高い 、 ひどい 近眼 鏡 を かけ 、 長靴 を はいた 学者 らしい 人 が 、 手帳 に 何 か せわし そうに 書きつけ ながら 、 つるはし を ふりあげたり 、 スコップ を つかったり して いる 、 三 人 の 助手 らしい 人 たち に 夢中で いろいろ 指図 を して いました 。 |ちかづいて|みる||ひと|じん||||たかい||きんがん|きよう|||ながぐつ|||がくしゃ||じん||てちょう||なん|||そう に|かきつけ|||||すこっぷ|||||みっ|じん||じょしゅ||じん|||むちゅうで||さしず|||い ました As I got closer and closer, I saw a tall, scholarly man in boots, wearing a pair of heavy short-sighted glasses, hurriedly writing in his notebook, and giving orders to his three assistants who were busy hoisting pickaxes and shovels. Mientras me acercaba gradualmente, una persona parecida a un erudito que usaba un espejo de miopía alto y terrible y botas, culpando a una persona, escribió algo en su cuaderno, roció un pico y usó una pala. Estaba loco por los tres asistentes y di varias instrucciones. . 我越走越近,看到一个身材高大的学者,戴着一副可怕的近视眼镜,穿着靴子,正忙着在笔记本上写写画画,并向他的三个助手下达命令,他们正在吊起镐头和铁锹。 「 そこ の その 突起 を こわさ ない ように 、 スコップ を 使い たまえ 、 スコップ を 。 |||とっき||こわ さ|||すこっぷ||つかい||すこっぷ| "Use a shovel, scoop, so as not to break that protrusion there. "Usa una pala, un cucharón, para no romper esa protuberancia allí. "用铲子以免吓到外面的突起物,用铲子。 おっと 、 も 少し 遠く から 掘って 。 ||すこし|とおく||ほって Oops, dig a little farther. Ups, cava un poco lejos. いけない 、 いけない 、 なぜ そんな 乱暴 を する んだ 」 ||||らんぼう||| Don't, don't, why do you do such a violence? " No, no, ¿por qué haces tanta violencia?". 不,不,不,你为什么这么暴力?"

見る と 、 その 白い 柔らかな 岩 の 中 から 、 大きな 大きな 青じろい 獣 の 骨 が 、 横 に 倒れて つぶれた と いう ふうに なって 、 半分 以上 掘り出されて いました 。 みる|||しろい|やわらかな|いわ||なか||おおきな|おおきな|あおじろい|けだもの||こつ||よこ||たおれて||||||はんぶん|いじょう|ほりださ れて|い ました I looked and saw that a large, pale, pale bone of a beast had been dug out of the soft, white rock, more than half of which looked as if it had fallen over the side and crushed. Cuando lo vi, más de la mitad de los huesos de una gran bestia azul estaban excavados en la suave roca blanca, tirados de lado y aplastados. 我看了看,在松软的白色岩石中,挖出了一大片苍白苍白的野兽的一半以上的骨头,看起来就像是从旁边掉下来被压碎的。 そして 気 を つけて 見る と 、 そこら に は 、 ひづめ の 二 つ ある 足跡 の ついた 岩 が 、 四角に 十 ばかり 、 きれいに 切り取られて 番号 が つけられて ありました 。 |き|||みる|||||||ふた|||あしあと|||いわ||しかくに|じゅう|||きりとら れて|ばんごう||つけ られて|あり ました And when I looked carefully, there were about ten squares of rocks with two hoof prints, neatly cut out and numbered. Y cuando miré con cuidado, había rocas con dos huellas en los cascos, docenas de cuadrados, cuidadosamente recortados y numerados. 如果你仔细观察,就会发现在一个正方形中,有十块切割整齐并编号的石头,上面有两个马蹄印。 「 君 たち は 参観 か ね 」 その 大学 士 らしい 人 が 、 眼鏡 を きらっと さ せて 、 こっち を 見て 話しかけました 。 きみ|||さんかん||||だいがく|し||じん||めがね||きら っと|||||みて|はなしかけ ました "Are you guys in the audience?" The person who seemed to be a university student looked at me with a pair of glasses and spoke to me. "¿Ustedes no están de visita?" La persona que parece ser un estudiante universitario miró sus lentes, me miró y me habló. 「 くるみ が たくさん あったろう 。 "There must have been a lot of walnuts. "Debe haber habido muchas nueces. それ は まあ 、 ざっと 百二十万 年 ぐらい 前 の くるみ だ よ 。 ||||ひゃくにじゅうまん|とし||ぜん|||| Well, they are walnuts that are roughly 1,200,000 years old. ごく 新しい 方 さ 。 |あたらしい|かた| The newest one. ここ は 百二十万 年 前 、 第 三 紀 の あと の ころ は 海岸 で ね 、 この 下 から は 貝がら も 出る 。 ||ひゃくにじゅうまん|とし|ぜん|だい|みっ|き||||||かいがん||||した|||かいがら||でる This is the coastline after the Tertiary period, 120,000 years ago, and shells come out from under here. Esto es en la costa hace 1,2 millones de años, después del período Terciario, y también emergen mariscos desde abajo. いま 川 の 流れて いる とこ に 、 そっくり 塩 水 が 寄せたり 引いたり も して いた のだ 。 |かわ||ながれて|||||しお|すい||よせたり|ひいたり|||| The salt water was flowing over and under the very same river where the river is flowing now. El agua salada entraba y salía del río por donde fluía. この けもの か ね 、 これ は ボス と いって ね 、 おいおい 、 そこ 、 つるはし は よした まえ 。 ||||||ぼす||||||||| This beast, he said, this is the boss. Hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey, hey. Esta bestia, esto se llama jefe, oye, ahí, pico. ていねいに ノミ で やって くれた まえ 。 |のみ|||| Please do it carefully with a chisel. Hazlo con cuidado con las pulgas. ボス と いって ね 、 いま の 牛 の 先祖 で 、 昔 は たくさん いた の さ 」 ぼす||||||うし||せんぞ||むかし||||| They are called bosses, the ancestors of today's cows, and there used to be a lot of them. El jefe es el antepasado de las vacas de hoy, y solía haber muchas".

「 標本 に する んです か 」 ひょうほん|||| "Are you going to make a specimen?"

「 いや 、 証明 する に 要る んだ 。 |しょうめい|||いる| No, I need it to prove it. ぼくら から みる と 、 ここ は 厚い 立派な 地層 で 、 百二十万 年 ぐらい 前 に できた と いう 証拠 も いろいろ あがる けれども 、 ぼくら と ちがった やつ から みて も やっぱり こんな 地層 に 見える か どう か 、 あるいは 風 か 水 や 、 がらんと した 空 か に 見え やしない か と いう こと な のだ 。 ||||||あつい|りっぱな|ちそう||ひゃくにじゅうまん|とし||ぜん|||||しょうこ||||||||||||||ちそう||みえる|||||かぜ||すい||||から|||みえ||||||| From our point of view, this is a thick and splendid stratum, and there is a lot of evidence that it was formed about 1.2 million years ago. Or maybe it looks like wind, water, or a vacant sky. Desde nuestro punto de vista, este es un estrato espeso y espléndido, y hay mucha evidencia de que se formó hace aproximadamente 1,2 millones de años, o tal vez parece viento, agua o un cielo vacío. 从我们的角度看,这是一个厚重而绚丽的地层,有各种证据表明它形成于距今120万年左右,但即使从不同于我们的人的角度看,它像这样的地层吗,还是像风、像水,甚至像一个很大很大的天空? わかった かい 。 I understand. けれども 、 おいおい 、 そこ も スコップ で は いけない 。 ||||すこっぷ||| But hey, that shouldn't be a shovel either. その すぐ 下 に 肋骨 が 埋もれて る はずじゃ ない か 」 ||した||あばらぼね||うずもれて|||| The ribs should be buried just below that. " Las costillas deben enterrarse justo debajo de eso".

大 学士 は あわてて 走って 行きました 。 だい|がくし|||はしって|いき ました The bachelor ran in haste. 「 もう 時間 だ よ 。 |じかん|| It's time to go. 行こう 」 カムパネルラ が 地図 と 腕 時計 と を くらべ ながら 言いました 。 いこう|||ちず||うで|とけい|||||いい ました Let's go." Camperla compared the map and the wristwatch. Vamos”, dijo Campanella, comparando el mapa con el reloj del brazo. 「 ああ 、 では わたくし ども は 失礼 いたします 」 ジョバンニ は 、 ていねいに 大 学士 に おじぎ しました 。 |||||しつれい|いたし ます||||だい|がくし|||し ました "Ah, well, if you'll excuse us, we have to go." Giovanni politely congratulated the bachelor. 「 そう です か 。 I see. いや 、 さよなら 」 大学 士 は 、 また 忙し そうに 、 あちこち 歩きまわって 監督 を はじめました 。 ||だいがく|し|||いそがし|そう に||あるきまわって|かんとく||はじめ ました No, goodbye." The college student again busily walked around and began directing. No, adiós.” El graduado universitario, aparentemente ocupado de nuevo, caminó y comenzó a supervisar. 二 人 は 、 その 白い 岩 の 上 を 、 一生懸命 汽車 に おくれ ない ように 走りました 。 ふた|じん|||しろい|いわ||うえ||いっしょうけんめい|きしゃ|||||はしり ました They ran over the white rocks as hard as they could, trying not to lose time to the train. Los dos corrieron sobre la roca blanca para que no dejaran pasar el tren. そして ほんとうに 、 風 の ように 走れた のです 。 ||かぜ|||はしれた| And really, I could run like the wind. 息 も 切れ ず 膝 も あつく なりません でした 。 いき||きれ||ひざ|||なり ませ ん| I couldn't breathe and my knees didn't get hot. No podía respirar y mis rodillas no se calentaban. 我没有气喘吁吁,膝盖也没有太热。 こんなに して かける なら 、 もう 世界 じゅう だって かけ れる と 、 ジョバンニ は 思いました 。 |||||せかい||||||||おもい ました Giovanni thought that if he could make such a call, he could make it all over the world. Giovanni pensó que si podía hacer tal llamada, podría hacerlo en todo el mundo. そして 二 人 は 、 前 の あの 河原 を 通り 、 改札口 の 電灯 が だんだん 大きく なって 、 まもなく 二 人 は 、 もと の 車 室 の 席 に すわって いま 行って 来 た方 を 、 窓 から 見て いました 。 |ふた|じん||ぜん|||かわはら||とおり|かいさつぐち||でんとう|||おおきく|||ふた|じん||||くるま|しつ||せき||||おこなって|らい|たほう||まど||みて|い ました They passed the riverbank in front of them, the lights at the turnstiles grew louder and louder, and soon they were sitting in their original seats, looking out the window at the person who had just left. 他们经过前面的河岸,转车口的灯光越来越响,很快他们就坐在了原来车厢的座位上,望着窗外刚刚离开的人。