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盾の勇者の成り上がり (The Rising of the Shield Hero ), 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 20

盾 の 勇者 の 成り 上がり 01 Chapter 20

二十 話 剣

00‥17

後 、 十七 分 で 災厄 の 波 が 訪れる 。

城下町 で は 既に その 事 が 知れ 渡って いる のだろう 。 騎士 隊 と 冒険 者 が 準備 を 整え 出撃 に 備えて いて 、 民間 人 は 家 に 立てこもって いる 。

勇者 である 俺 は 時間 に なったら 砂時計 が 波 の 発生 地点 に 飛ばして くれる らしい 。

それ は パーティー メンバー に も 適応 して おり 、 ラフタリア も 一緒に 飛ばさ れる と いう 。

盾 は 今 の 所 一 番 防御 力 の 高い ライトメタルシールド に して おく の が 良い だろう な 。

「 あと 少し で 波 だ 。

ラフタリア 」

「 はい !

戦意 高揚 して いる の か ラフタリア は 若干 興奮 気味で 頷く 。

まあ 、 やる 気 が ある の なら 何も 言う まい 。

「 ナオフミ 様 …… ちょっと お 話 して 良い です か ?

「 ん ?

別に 良い が 、 どうした ? 「 いえ 、 これ から 、 波 と 戦う と 思って 感慨 深く なり まして 」

…… 死亡 フラグ っぽい 事 でも 呟く の か ?

死な れたら 困る から 守る が …… っと 、 俺 も 大概 、 アニメ や 漫画 に 影響 を 受け すぎ だ な 。

この 世界 は ゲーム でも なければ 、 本 の 世界 で も ない 。

現実 な んだ 。

何より も クソ 勇者 共 が あんなに 良い 装備 を して いた 。

俺 の 防 具 で 耐え られる か すら 分から ない 。

もしかしたら 怪我 を 負う かも しれ ない 。

怪我 で 済む なら まだ 良い 。

命 を 落とす かも しれ ない 。

そう なった 時 、 この 国 の 奴 等 は 俺 の 死体 を 見て こう 思う だろう 。

── 犯罪 者 の 末路 。

…… やめよう 。

俺 は 誰 の 為 で も ない 、 俺 の 為 に 戦う んだ 。 もう 一 ヶ月 生き残る 為 に 。

「 前 に お 話し し ました よ ね 。

ナオフミ 様 に 買わ れる 前 の お 話 です 」

その 場所 は …… 一言 で 例えれば 地獄 だった 。

毎日 、 誰 か が 購入 さ れ 、 戻って くる 。

ラフタリア も 一緒だった 。

最初 は 、 召使 に でも しよう と した のだろう 。

恰幅 の 良い 貴族 が 彼女 を 買って 、 色々 と 教えよう と した 。

この 時 に は 既に 咳 が 出る ように なり 、 夜中 寝て いる と あの 悪夢 を 見て 絶叫 する 。

その 所 為 で 翌日 に は 売ら れた 。

次の 買 主 も 同じ ように ラフタリア に 仕事 を 教えよう と して 次の 日 に は 別の 奴隷 商 に 売ら れた 。

俺 の 前 の 買い 主 が 一 番 酷 かった と いう 。

買った その 日 の 晩 に 、 彼女 を 鞭 で 打ち つけ 、 ボロボロ に して から 次の 日 に は 売り払った そうだ 。

この 国 に 加虐 趣味 を 持った 悪質な 変態 が いた 所 で 驚き も し ない 。

そうして 病 に 苦しみ 、 心 が 悪夢 に よって 壊さ れ かけ 、 買わ れる の が 何度 目 か 忘れた 頃 …… 俺 に 買わ れた と 彼女 は 言った 。

「 私 は 、 ナオフミ 様 に 出会えて よかった と 思って い ます 」

「…… そう か 」

「 だって 、 私 に 生きる 術 を 教えて ください ました 」

「…… そう か 」

俺 は ラフタリア の 話 を 半ば 事務 的に 聞き流して いた 。

それ くらい 、 どうでも 良かった から 。

今 は 、 生き たい 、 それ だけ で 精一杯 だった 。

「 そして 私 に チャンス を くださ い ました 。

あの 波 に 立ち向かう チャンス を 」

「…… そう か 」

「 だ から 、 頑張り ます 。

私 は アナタ の 剣 です 。 何 処 へ だって 付いて 行き ます 」

「 ああ …… 頑張れ 」

自分 でも 酷 い 対応 を した と 後 で 思う 。

けど 、 この 時 の 俺 に は 、 こんな 対応 しか 出来 なかった 。

00‥01

残り 時間 が あと 一 分 を 切った 。

俺 は 身構えて 、 転送 に 備える 。

00‥00

ビキン !

世界 中 に 響く 大きな 音 が 木霊 した 。

次の 瞬間 、 フッと 景色 が 一瞬にして 変わる 。

転送 さ れた のだろう 。

「 空 が ……」

まるで 空 に 大きな 亀裂 が 生まれた か の ように ヒビ が 入り 、 不気味な ワイン レッド に 染まって いる 。

「 ここ は ……」

何 処 に 飛ばさ れた の か 辺り を 確認 して いる と ダッ と 飛び出す 影 が 三 つ 。

そして それ を 追う 十二 人 。

あの クソ 勇者 共 だ 。

俺 と 同じく 転送 さ れた のだ から 当たり前だ けど 、 何 処 へ 向 って いる んだ ?

と 、 走って いく 先 を 見る と 亀裂 の 中 から 敵 が ウジャウジャ と 湧き 出して いた 。

「 リユート 村 近辺 です !

ラフタリア が 焦る ように 何 処 へ 飛ばさ れた か 分析 する 。

「 ここ は 農村 部 で 、 人 が かなり 住んで い ます よ 」

「 もう 避難 は 済んで ──」

ここ で ハッと 我 に 返る 。

何 処 で 起こる か 分から ない 災厄 の 波 だ ぞ ?

避難 なんて できる わけ が 無い 。

「 ちょっと 待てよ 、 お前 等 !

俺 の 制止 を 聞き入れ ず 、 三 人 の 勇者 と その 一行 は 波 の 根源 である 場所 に 駆け 出して いく 。

その 間 に も ワラ ワラ と 溢れ出た 化け物 達 が 、 蜘蛛 の 子 を 散らす ように 村 の ある 方向 へ 行く の が 見えた 。

で 、 勇者 一行 が 何 を した か と いう と 照明 弾 の ような 光る 何 か を 空 に 打ち上げた だけ だった 。

騎士 団 に この 場所 を 知らせる 為 と か 、 そんな 所 だろう 。

「 チッ !

ラフタリア ! 村 へ 行く ぞ ! リユート 村 の 奴 等 に は 色々 と 世話 に なった 。

波 で 死な れたら それ こそ 寝覚め が 悪い 。

「 はい !

俺 達 は クソ 勇者 共 と は 別の 方向 に 駆け 出した 。

盾 の 勇者 の 成り 上がり 01 Chapter 20 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter The Rise of the Shield Hero 01 Chapter 20 Rise of the shield hero 01 Capítulo 20. Powstanie bohatera tarczy 01 Rozdział 20. Ascensão do herói do escudo 01 Capítulo 20. 盾之勇者成名录 01 第 20 章 盾之勇者成名錄 01 第 20 章

二十 話   剣 にじゅう|はなし|けん Episode 20 Swords

00‥17

後 、 十七 分 で 災厄 の 波 が 訪れる 。 あと|じゅうしち|ぶん||さいやく||なみ||おとずれる In 17 minutes, the wave of disaster will arrive.

城下町 で は 既に その 事 が 知れ 渡って いる のだろう 。 じょうかまち|||すでに||こと||しれ|わたって|| The castle town must have already known about it. 騎士 隊 と 冒険 者 が 準備 を 整え 出撃 に 備えて いて 、 民間 人 は 家 に 立てこもって いる 。 きし|たい||ぼうけん|もの||じゅんび||ととのえ|しゅつげき||そなえて||みんかん|じん||いえ||たてこもって| The knights and adventurers are ready and prepared to march, while the civilians are holed up in their homes.

勇者 である 俺 は 時間 に なったら 砂時計 が 波 の 発生 地点 に 飛ばして くれる らしい 。 ゆうしゃ||おれ||じかん|||すなどけい||なみ||はっせい|ちてん||とばして|| I am a brave man, and when the time is right, the hourglass will send me to the place where the waves originate.

それ は パーティー メンバー に も 適応 して おり 、 ラフタリア も 一緒に 飛ばさ れる と いう 。 ||ぱーてぃー|めんばー|||てきおう|||||いっしょに|とばさ||| It's also adapted to party members, and Raphtalia is said to be flown with it.

盾 は 今 の 所 一 番 防御 力 の 高い ライトメタルシールド に して おく の が 良い だろう な 。 たて||いま||しょ|ひと|ばん|ぼうぎょ|ちから||たかい|||||||よい|| As for the shield, it would be best to keep it as the light metal shield, which has the highest defensive power so far.

「 あと 少し で 波 だ 。 |すこし||なみ| "It's just a few more waves.

ラフタリア 」

「 はい !

戦意 高揚 して いる の か ラフタリア は 若干 興奮 気味で 頷く 。 せんい|こうよう|||||||じゃっかん|こうふん|ぎみで|うなずく Raphtalia nodded in excitement, perhaps because her fighting spirit was heightened.

まあ 、 やる 気 が ある の なら 何も 言う まい 。 ||き|||||なにも|いう| Well, if you're motivated, don't say anything.

「 ナオフミ 様 …… ちょっと お 話 して 良い です か ? |さま|||はなし||よい|| Dear Mr. Naofumi, ......, may I talk to you for a moment?

「 ん ?

別に 良い が 、 どうした ? べつに|よい|| It's fine, but what happened? 「 いえ 、 これ から 、 波 と 戦う と 思って 感慨 深く なり まして 」 |||なみ||たたかう||おもって|かんがい|ふかく|| "No, I'm deeply moved by the thought that I'll be fighting the waves from now on."

…… 死亡 フラグ っぽい 事 でも 呟く の か ? しぼう|||こと||つぶやく|| ...... death flagging things? ……你還嘴裡念著死亡旗幟之類的話嗎?

死な れたら 困る から 守る が …… っと 、 俺 も 大概 、 アニメ や 漫画 に 影響 を 受け すぎ だ な 。 しな||こまる||まもる|||おれ||たいがい|あにめ||まんが||えいきょう||うけ||| I'll be in trouble if he dies, so I'll protect him, but... well, I'm probably too influenced by anime and manga.

この 世界 は ゲーム でも なければ 、 本 の 世界 で も ない 。 |せかい||げーむ|||ほん||せかい||| This world is neither a game nor a book world.

現実 な んだ 。 げんじつ|| It's real.

何より も クソ 勇者 共 が あんなに 良い 装備 を して いた 。 なにより||くそ|ゆうしゃ|とも|||よい|そうび||| Above all, the damned heroes were so well equipped.

俺 の 防 具 で 耐え られる か すら 分から ない 。 おれ||ふせ|つぶさ||たえ||||わから| I don't even know if my armor will hold up. 也不知道我的鎧甲能不能承受得住。

もしかしたら 怪我 を 負う かも しれ ない 。 |けが||おう||| You might get hurt.

怪我 で 済む なら まだ 良い 。 けが||すむ|||よい If it's just an injury, it's fine.

命 を 落とす かも しれ ない 。 いのち||おとす||| You may lose your life.

そう なった 時 、 この 国 の 奴 等 は 俺 の 死体 を 見て こう 思う だろう 。 ||じ||くに||やつ|とう||おれ||したい||みて||おもう| When that happens, the people in this country will look at my corpse and think like this.

── 犯罪 者 の 末路 。 はんざい|もの||まつろ The end of a criminal.

…… やめよう 。 ……Let's stop.

俺 は 誰 の 為 で も ない 、 俺 の 為 に 戦う んだ 。 おれ||だれ||ため||||おれ||ため||たたかう| I'm fighting for me, not for anyone else. もう 一 ヶ月 生き残る 為 に 。 |ひと|かげつ|いきのこる|ため| To survive another month.

「 前 に お 話し し ました よ ね 。 ぜん|||はなし|||| We talked about this before.

ナオフミ 様 に 買わ れる 前 の お 話 です 」 |さま||かわ||ぜん|||はなし| This is the story before Naofumi-sama bought it.”

その 場所 は …… 一言 で 例えれば 地獄 だった 。 |ばしょ||いちげん||たとえれば|じごく| The place was ...... in one word: hell.

毎日 、 誰 か が 購入 さ れ 、 戻って くる 。 まいにち|だれ|||こうにゅう|||もどって| Every day, someone is purchased and returns.

ラフタリア も 一緒だった 。 ||いっしょだった Raftalia was with me.

最初 は 、 召使 に でも しよう と した のだろう 。 さいしょ||めしつかい|||||| At first, he probably tried to become a servant.

恰幅 の 良い 貴族 が 彼女 を 買って 、 色々 と 教えよう と した 。 かつはば||よい|きぞく||かのじょ||かって|いろいろ||おしえよう|| A good-looking nobleman bought her and tried to teach her various things. 一位身材魁梧的貴族買下了她,並試圖教她很多東西。

この 時 に は 既に 咳 が 出る ように なり 、 夜中 寝て いる と あの 悪夢 を 見て 絶叫 する 。 |じ|||すでに|せき||でる|||よなか|ねて||||あくむ||みて|ぜっきょう| By this time, I was already coughing, and when I was sleeping at night, I would scream at that nightmare.

その 所 為 で 翌日 に は 売ら れた 。 |しょ|ため||よくじつ|||うら| Because of that, it was sold the next day.

次の 買 主 も 同じ ように ラフタリア に 仕事 を 教えよう と して 次の 日 に は 別の 奴隷 商 に 売ら れた 。 つぎの|か|おも||おなじ||||しごと||おしえよう|||つぎの|ひ|||べつの|どれい|しょう||うら| The next buyer also tried to teach Raphtalia a job in the same way, and the next day he was sold to another slave trader.

俺 の 前 の 買い 主 が 一 番 酷 かった と いう 。 おれ||ぜん||かい|おも||ひと|ばん|こく||| It is said that the buyer before me was the worst.

買った その 日 の 晩 に 、 彼女 を 鞭 で 打ち つけ 、 ボロボロ に して から 次の 日 に は 売り払った そうだ 。 かった||ひ||ばん||かのじょ||むち||うち||ぼろぼろ||||つぎの|ひ|||うりはらった|そう だ On the evening of the day he bought it, he beat her with a whip, ripped her to pieces, and sold it the next day.

この 国 に 加虐 趣味 を 持った 悪質な 変態 が いた 所 で 驚き も し ない 。 |くに||かぎゃく|しゅみ||もった|あくしつな|へんたい|||しょ||おどろき||| It doesn't surprise me that this country has vicious perverts with a taste for sadism.

そうして 病 に 苦しみ 、 心 が 悪夢 に よって 壊さ れ かけ 、 買わ れる の が 何度 目 か 忘れた 頃 …… 俺 に 買わ れた と 彼女 は 言った 。 |びょう||くるしみ|こころ||あくむ|||こわさ|||かわ||||なんど|め||わすれた|ころ|おれ||かわ|||かのじょ||いった And so, suffering from illness, her mind nearly destroyed by nightmares, and forgetting how many times she had been bought, she told me ...... that I had bought her.

「 私 は 、 ナオフミ 様 に 出会えて よかった と 思って い ます 」 わたくし|||さま||であえて|||おもって|| "I am glad that I met Naofumi-sama."

「…… そう か 」

「 だって 、 私 に 生きる 術 を 教えて ください ました 」 |わたくし||いきる|じゅつ||おしえて|| "Because you taught me how to live."

「…… そう か 」

俺 は ラフタリア の 話 を 半ば 事務 的に 聞き流して いた 。 おれ||||はなし||なかば|じむ|てきに|ききながして| I was half listening to Raphtalia's story.

それ くらい 、 どうでも 良かった から 。 |||よかった| I didn't care about that much.

今 は 、 生き たい 、 それ だけ で 精一杯 だった 。 いま||いき|||||せいいっぱい| Right now, I wanted to live, and that was all I could do.

「 そして 私 に チャンス を くださ い ました 。 |わたくし||ちゃんす|||| "And you gave me a chance.

あの 波 に 立ち向かう チャンス を 」 |なみ||たちむかう|ちゃんす| A chance to face that wave

「…… そう か 」

「 だ から 、 頑張り ます 。 ||がんばり|

私 は アナタ の 剣 です 。 わたくし||||けん| I am your sword. 何 処 へ だって 付いて 行き ます 」 なん|しょ|||ついて|いき| I will follow you wherever you go."

「 ああ …… 頑張れ 」 |がんばれ

自分 でも 酷 い 対応 を した と 後 で 思う 。 じぶん||こく||たいおう||||あと||おもう I think later that I made a terrible response. 後來我意識到我對待他們的方式很糟糕。

けど 、 この 時 の 俺 に は 、 こんな 対応 しか 出来 なかった 。 ||じ||おれ||||たいおう||でき| But at this time, all I could do was respond like this.

00‥01 00‥01

残り 時間 が あと 一 分 を 切った 。 のこり|じかん|||ひと|ぶん||きった There is less than a minute left to go.

俺 は 身構えて 、 転送 に 備える 。 おれ||みがまえて|てんそう||そなえる I brace myself and prepare for the transfer.

00‥00

ビキン !

世界 中 に 響く 大きな 音 が 木霊 した 。 せかい|なか||ひびく|おおきな|おと||こだま| A loud sound echoed throughout the world.

次の 瞬間 、 フッと 景色 が 一瞬にして 変わる 。 つぎの|しゅんかん|ふっと|けしき||いっしゅんにして|かわる

転送 さ れた のだろう 。 てんそう||| The transfer must have taken place.

「 空 が ……」 から| "The sky is..."

まるで 空 に 大きな 亀裂 が 生まれた か の ように ヒビ が 入り 、 不気味な ワイン レッド に 染まって いる 。 |から||おおきな|きれつ||うまれた||||ひび||はいり|ぶきみな|わいん|れっど||そまって| It is as if a huge crack has appeared in the sky, cracking and turning an eerie burgundy color. Se agrieta y está teñido de un espeluznante rojo vino, como si se hubiera creado una gran grieta en el cielo.

「 ここ は ……」

何 処 に 飛ばさ れた の か 辺り を 確認 して いる と ダッ と 飛び出す 影 が 三 つ 。 なん|しょ||とばさ||||あたり||かくにん||||||とびだす|かげ||みっ| As I was checking around to see where I had been sent, three shadows jumped out at me.

そして それ を 追う 十二 人 。 |||おう|じゅうに|じん And the twelve chasing it.

あの クソ 勇者 共 だ 。 |くそ|ゆうしゃ|とも| Those fucking heroes.

俺 と 同じく 転送 さ れた のだ から 当たり前だ けど 、 何 処 へ 向 って いる んだ ? おれ||おなじく|てんそう|||||あたりまえだ||なん|しょ||むかい||| It's obvious because you were transferred like me, but where are you going?

と 、 走って いく 先 を 見る と 亀裂 の 中 から 敵 が ウジャウジャ と 湧き 出して いた 。 |はしって||さき||みる||きれつ||なか||てき||||わき|だして| Then, when I looked where I was running, enemies were gushing out from within the cracks. 當我跑向他們時,我看到敵人從裂縫中衝了出來。

「 リユート 村 近辺 です ! |むら|きんぺん| "It's near Ryuuto Village! 「就在龍頭村附近!」

ラフタリア が 焦る ように 何 処 へ 飛ばさ れた か 分析 する 。 ||あせる||なん|しょ||とばさ|||ぶんせき| Analyze where Raphtalia was sent to in a hurry. 拉芙塔莉亞焦急地分析她被送到了哪裡。

「 ここ は 農村 部 で 、 人 が かなり 住んで い ます よ 」 ||のうそん|ぶ||じん|||すんで||| "This is a rural area, and quite a few people live there."

「 もう 避難 は 済んで ──」 |ひなん||すんで "We've already evacuated-"

ここ で ハッと 我 に 返る 。 ||はっと|われ||かえる Come back to me here. 這時,我突然回過神來。

何 処 で 起こる か 分から ない 災厄 の 波 だ ぞ ? なん|しょ||おこる||わから||さいやく||なみ|| It's a wave of calamity that you don't know where it's going to happen, you know?

避難 なんて できる わけ が 無い 。 ひなん|||||ない There's no way I can evacuate. 我們無法撤離。

「 ちょっと 待てよ 、 お前 等 ! |まてよ|おまえ|とう "Wait a minute, you guys!

俺 の 制止 を 聞き入れ ず 、 三 人 の 勇者 と その 一行 は 波 の 根源 である 場所 に 駆け 出して いく 。 おれ||せいし||ききいれ||みっ|じん||ゆうしゃ|||いっこう||なみ||こんげん||ばしょ||かけ|だして| Ignoring my restraint, the three heroes and their party rushed to the source of the wave.

その 間 に も ワラ ワラ と 溢れ出た 化け物 達 が 、 蜘蛛 の 子 を 散らす ように 村 の ある 方向 へ 行く の が 見えた 。 |あいだ|||わら|わら||あふれでた|ばけもの|さとる||くも||こ||ちらす||むら|||ほうこう||いく|||みえた In the meantime, I could see the overflowing monsters going in the direction of the village like scattering spiderlings.

で 、 勇者 一行 が 何 を した か と いう と 照明 弾 の ような 光る 何 か を 空 に 打ち上げた だけ だった 。 |ゆうしゃ|いっこう||なん|||||||しょうめい|たま|||ひかる|なん|||から||うちあげた|| So, what the heroes did was just launch something glowing like a flare into the sky.

騎士 団 に この 場所 を 知らせる 為 と か 、 そんな 所 だろう 。 きし|だん|||ばしょ||しらせる|ため||||しょ| To let the knights know about this place, or something like that. 大概是為了向騎士團通報這裡的情況吧。

「 チッ !

ラフタリア ! 村 へ 行く ぞ ! むら||いく| Let's go to the village! リユート 村 の 奴 等 に は 色々 と 世話 に なった 。 |むら||やつ|とう|||いろいろ||せわ|| The guys in Ryuuto Village took care of me in many ways.

波 で 死な れたら それ こそ 寝覚め が 悪い 。 なみ||しな||||ねざめ||わるい If you die in the waves it is bad awakening. 要是被海浪打死的話,想醒來就真的很難了。

「 はい !

俺 達 は クソ 勇者 共 と は 別の 方向 に 駆け 出した 。 おれ|さとる||くそ|ゆうしゃ|とも|||べつの|ほうこう||かけ|だした We ran off in a different direction than the fucking heroes.