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盾の勇者の成り上がり (The Rising of the Shield Hero ), 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 16

盾 の 勇者 の 成り 上がり 01 Chapter 16

十六 話 黒 頭 双 犬

俺 達 は 武器 屋 の 親父 から 聞いた 通り 、 村 に 向 った 。

村 の 名前 は リユート 村 。

拠点 に する に は 良 さ そうな 村 であり 、 宿 は 一 つ しか ない が 宿泊 費 は 銀貨 一 枚 。 買取 商人 も 二 日 に 一 度 は 滞在 する と いう 好 立地 。

薬屋 は 無い が 村人 が 薬 を 欲して いる ので 城下町 の 薬屋 より も 安 めに 売る 。

その代わり 品質 が 悪い と 念 を 押す 。

ちなみに 俺 の 悪 名 は 響き 渡って おり 、 村 に 来た 当初 、 戯 けた 事 を する ので バルーン の 刑 に 処して やった 。

で 、 旅 の 行商 に 村 の 周辺 で 倒した 魔物 の 素材 を 売った 時 の 事 。

「 ふむ …… こんな 所 です ね 」

「 そう か 」

銀貨 数 枚 を 受け取り 、 俺 は 唸る 。

良い 値 で 売れて は いる けれど 、 決定 的な 物 に 欠ける 。

「 もっと 、 手っ取り早く 稼げる 手段 は 無い か ……」

「 何 か 物 入り な ので ?

「 まあ な 」

俺 が 盾 の 勇者 だって 知ら ない の か ?

いや 、 知って いて 俺 を 騙そう と して いる の かも 知れ ない な 、 この 行商 は 。

「 では 、 この リユート 村 近隣 に ある 炭鉱 で 採れる 鉱石 を 採って くる と いう の が 良い でしょう ね 」

「 そう な の か ?

「 ええ 、 上手く 採掘 できれば 、 多少 金銭 を 稼げる と 思い ます よ 」

「…… なんで みんな やら ない んだ ?

こういう 儲け 話 って 皆 やって いる もの だ と 思う が 。

「 ええ 、 波 の 到来 前 に は 若干 活気 が あった のです けど ね …… 危険な 魔物 が 生息 して から は ……」

「 なるほど 」

「 冒険 者 や 騎士 団 、 召喚 さ れた 勇者 様 は 何 を して くださって いる の か …… まあ 、 廃 坑 寸前 の 炭鉱 なんて こんな 物 です か ね 」

ふむ …… これ は 良い 話 を 聞いた 。

炭鉱 か 。 上手く 鉱石 を 獲得 できれば 金銭 に なる 。

「 一応 、 そこ で 採れる 鉱石 に は 珍しい 物 も あり ます から ね 。

もしも 手 に 入ったら 良い 値 で 売れ ます よ 」

「 そう か 、 情報 提供 感謝 する 」

本当 か どう か は 怪しい けど 、 廃 坑 と いう 名 の 洞窟 に 行く の も 一 つ の 手 だ 。

「…… 今日 は どこ に 行く の ?

ラフタリア が 怯え つつ 聞いて くる 。

「 今日 は 近く の 廃 坑 に 行く 」

「 うん ……」

「 危険な 魔物 が いる らしい 、 何 か あったら 逃げる から ちゃんと 付いて こい よ 」

「 はい !

地図 を 広げ 、 その 廃 坑 が ある 場所 を 確認 する 。

人 の 手 が 入ら ない 山 の 近く 、 雑草 が 生え だした 道 の 先 に 廃 坑 が あった 。

入口 に は 放置 さ れた ツルハシ が 数 本 、 落ちて いる 。

ボロボロ だ けど 使え なく は ない だろう 。

その 隣 に 放置 さ れた 休憩 所 を 見つけた 。

扉 に は 鍵 が 掛かって いる 。

誰 も 使って い ない の なら 入って も 問題 ない だろう 。

「 ラフタリア 、 鍵 を 壊す ぞ 」

「 え ?

…… うん 」

ラフタリア が 石 を 持って 扉 の 錠 前 を 叩く 。

元々 錆びて ボロボロ だった から か 数 回 叩く だけ で 壊れた 。

中 に 入る と ロープ を 発見 。

他 に も 雑貨 が 転がって いる 。

と は いえ 、 捨て 置か れた みたいで 目ぼしい もの は 無い 。

炭鉱 の 地図 が あった の が 救い だ な 。

ロープシールド の 条件 が 解放 さ れ ました 。

なんだろう ?

と いう か スキル って どう やって 使う んだ ?

一応 、 ロープシールド に 変えて みる 。

ロープ を 丸く さ せた 盾 だ 。

防御 力 は 冗談 じゃ ない ほど 低い 。

実戦 で 使う の は 厳しい な 。

専用 効果 、 ロープ は な んだ ?

試しに 使って みよう と 思う 。

こう 言う の って 鉤縄 みたいな 感じ で 何 か に 引っかける の か な ?

そう 思って 、 小屋 の 梁 に ロープ が 飛んで いく 様子 を イメージ したら 盾 の ロープ が 伸びて 結びついた 。

おお !

便利だ 。

エアストシールド に 関して は …… 一応 ヘルプ で 探して みる 。

あった 。

他 、 モーション で 発動 する スキル も 存在 し ます 。 MMO だ と スキル で 統一 さ れて いる もの も ある 。 それ と 同じだ 。

よし 、 とりあえず 唱えて みる 。

「 エアストシールド !

唱える と 同時に 視界 に 何 処 へ 出す か を 指示 する ように と 表示 さ れ 、 出 せる 範囲 が サークル 範囲 で 地面 に 写った 。

とりあえず は 目の前 に 出る ように 意識 する 。

すると エアストシールド は イメージ 通り の 場所 に 出現 した 。

形状 は …… やや 大き めな 盾 っぽい 。

不思議な 力 で 作ら れた 盾 だ 。

持て ない の か ?

触れて みた 。

だけど 、 俺 が 出した ところ から 全く 動く 気配 が ない 。 単純に 盾 を 呼び 出す スキル と いう こと か 。 初めて の スキル が これ と は …… 何 処 まで も 攻撃 力 が 期待 でき ない ようだ 。

「 どうした の ?

ラフタリア が 首 を 傾げて 聞いて くる 。

「 なんでもない 。

少し 便利な 力 を 手 に 入れた だけ さ 」

「 そう …… 行か ない の ?

「 行く さ 」

ラフタリア はやる 気 を 最近 出して いる けど 、 こう 言う 慣れ 始め が 一 番 怖い んだ 。

注意 して い ない と な 。

ツルハシ の 盾 は 、 採掘 を しよう と して いる 俺 たち に 調度 いい 技能 だ 。

さて 、 と 。

松明 を 片手 に 廃 坑 に 足 を 踏み入れる 。

「 危険な 魔物 が 生息 して いる らしい から 気 を つけろ よ 」

「 うん 」

俺 が 先頭 で 廃 坑 の 中 を 進む 。

途中 まで は 木 で 補強 さ れた 洞窟 みたいだった が 、 しばらく する と 鍾乳洞 みたいに なった 。

流れ の 緩やかな 小さな 滝 や 泉 も ある し 、 薄 ら と 上 から の 明かり が ある 。 穴 が 開いて いて 、 その 光 が 洞窟 内 の 埃 を 幻想 的に 瞬いて いた 。

さて …… 何 処 に 行けば 目当て の 鉱石 が 採掘 できる か な 。

地図 を 広げ 、 確認 する 。

迷路 …… じゃ ない な 。

滝 の 上 を 迂回 した 辺り で × 印 が 付いて いる 。 そこ を 目標 に しよう 。

「 ご 主人 様 ……」

「 ん ?

ラフタリア が クイクイ と 俺 の 服 の 裾 を 引っ張る 。

「 あの …… これ 」

ラフタリア が 下 を 指差した 。

見る と 、 何 か …… 犬 の ような 物 の 足跡 が ある の を 発見 する 。

ああ 、 化け物 が 住み 着いて いる と か 言って いた けど 本当だった の か 。

廃 坑 だ から な 、 野犬 が 住み 着いた んだ ろ 。 足跡 から 見て 、 俺 の 知る 犬 サイズ だ 。 大き さ は 中型 犬 くらい 。

「 とりあえず は 行く しか ないだ ろ 」

危険 を 避けて いて も 結果 は 良く なら ない 。

魔物 を 倒す 延長 線上 だ 。

この サイズ なら 問題 ないだ ろ 。

「 よし 行く ぞ 」

「 う 、 うん 」

「 安心 しろ 、 何時も 通り に 倒せば 良い さ 」

「 頑張る 」

良い 傾向 だ な 。

「 グゥルルルル ……」

滝 の 上 に まで 登った ところ で 遭遇 した 。

なんか 、 頭 が 二 つ も ある 黒い 犬 。

で 、 さっき の 足跡 …… 子供 の 時 だった の か ?

俺 の 身長 くらい まで 大きく なって る !

やる しか ない か 。

「 ワオォオオオオオオオオオン !

犬 が 遠吠え を して 俺 たち に 向かって 突撃 して くる 。

今 まで の 敵 から ダメージ を 受けた 事 は 無い が 、 耐え られる か ?

いや 、 仮に 受けた と して も 即死 は 無い だろう 。

盾 を 構えて 犬 の 突進 に 耐える 。

ぐ …… 重い 。

「 ガアアアア !

爪 で ガリガリ と 盾 を 引っかき 、 二 つ ある 頭 で 俺 に 噛みつこう と して くる 。

さ せる かって の !

噛みつか れ ない ように 上半身 を 仰け反ら せて 避ける 。

耐え きれ なく は ない 。

と いう 所 だ な 。

「 よし !

押さえ つけた ! 後 は 隙 を 見て ラフタリア が …… と いう 所 で 気 が 付いた 。

「 あ …… ああ ああ ……」

ガクガク と 震えた ラフタリア が 虚 空 を 見つめて いる こと に 。

ヤバイ !

この 症状 は 夜 の 叫び だ 。

「 イヤ アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア !

キーン と 耳 が 遠く なる ほど の 絶叫 。

「 キャン !

双 頭 の 犬 が 叫び を あげて 、 一 度 俺 から 距離 を 取る 。

その後 、 ターゲット を 叫ぶ ラフタリア に 切り替えて 走って きた 。

「 さ せる か !

咄嗟に ラフタリア を 突き飛ばして 守る 。

のだ が 、 ラフタリア が 滝 の 方 へ 落ち かける 。

「 ひ !? た 、 助け ──」

落ちて も 、 死に は し ない だろう 。

だが 、 今にも 落ち そうに なって いる 。

「 ダメ 、 ダメ !

お 父さん ! お 母さん ! ぐ …… ここ は 一旦 、 引き下がる べき か 。

少々 命がけ だ けど やる しか ない 。

俺 は 犬 の 猛攻 から 引いて 、 ラフタリア を 抱えて 滝 に 身 を 任せる 。

ゲーム だ と 滝 から 落ちる と か は よく ある けど 、 現実 で やる と めまぐるしく 景色 が 変わって 、 状況 が 掴め ない 。

一瞬 だけ 滝 から 放り 出さ れた が 、 重力 に 従って 落下 。

滝つぼ 兼 、 泉 に 落ちた 。

後 は …… まあ 、 流れ が 緩やかだ から 泳いで 岸 に 上がる 。

「 ゲホ …… ゲホ ……」

「 まったく 、 いきなり パニック に なる んじゃ ない !

「 お 父さん ?

「 違う 。

何の 事 を 言って いる んだ ? 話 を し つ つ 上 を 見る 。

双 頭 の 黒い 犬 が 崖 から 岸 に 上がった 俺 達 を 睨み つけて 踵 を 返す 。

絶対 に こっち へ 来る な 。

「 大丈夫 か ?

意識 は しっかり して いる の か ? 「 あ …… 私 ……」

「 一体 どうした ん だ ?

「 その ……」

「 ちゃんと 話せ 」

「 う …… はい 」

ラフタリア は ポツリポツリ と 話しだした 。

「 私 は この 国 の 辺境 、 海 の ある 、 街 から 少し 離れた 農村 部 に ある 亜人 の 村 の 出身 な んです …… この 国 です から 裕福 と は 言え ない けど 」

両親 は 優しく 、 村 の みんな と も 仲良く 平和に 過ごして いた 。

しかし ある 日 、 骸骨 兵 が 大量に 、 災厄 の 波 から 溢れ出て きた と いう 。

骸骨 兵 は 数 こそ 多かった が 、 最初 は 近隣 に 居た 冒険 者 達 で 対処 できて いた 。

が 、 獣 、 大きな 甲 虫 など が 大量に 溢れ 返り 、 防衛 線 は 決壊 。

その 果て に 黒い 三 つ の 頭 を 持つ 犬 の ような 化け物 が 現れ 、 人々 は まるで 無抵抗な 草花 の ように 蹂躙 さ れて いった 。

ラフタリア の 村 も その 被害 を 抑え きれ ず 、 必死に 、 化け物 達 から 逃げ 出した 。

しかし 、 化け物 たち は 逃亡 を 許さ ず 、 まるで 遊び の ように 見 知った 人々 を 殺して 回った 。

ラフタリア の 両親 も 同様で 、 一緒に 逃げて いた が 、 海 の 上 の 崖 まで 化け物 たち は 追い かけて きた 。

逃げ 切れ ない と 悟った ラフタリア の 両親 は 顔 を 合わせ 、 ラフタリア に 微笑む 。

そんな 状況 だ と いう のに 、 優しく 、 怯える ラフタリア の 頭 を 撫でた 。

両親 が 命 を 掛けて 助けよう と して いる の が 幼い 彼女 でも 理解 できた らしい 。

『 いや ぁ !

お 父さん ! お 母さん ! ドン !

二 人 は 、 ラフタリア に 生きて 欲しい と 願い を 込めて 、 崖 から 海 へ 突き飛ばす 。

ラフタリア は 突き飛ばさ れ 、 海 へ 落ちる 最中 、 化け物 たち が 両親 に 向 って 襲い 掛かる の を 目撃 して しまった 。

これ を 語る ラフタリア の 顔色 が 青い 。

話す の も 辛い 記憶 な んだ と 思う 。

「 それ から 私 は 海 に 落ちて 、 奇跡 的に 近く の 浜 に 流れ 着き ました 」

気 が 付いた 時 、 ラフタリア は 体 を 起こして 、 両親 を 探す ため に あの 崖 へ 足 を 運んだ らしい 。

既に 化け物 は 国 が 出した 冒険 者 と 騎士 団 に よって 辛うじて 討伐 さ れて いた らしい 。

死骸 の 転がる 荒野 を 歩き 、 やっと の 事 で 両親 と 別れた 崖 に たどり着いた 。

そこ に は おびただしい 血 と …… 肉 の 切れ端 が 点々 と 転がって いた 。

両親 の 死 を 理解 した 時 、 ぷつり と ラフタリア の 中 で 何 か が 弾けた そうだ 。

「 イヤ ア ア ア ア ア ア ア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア !

その後 、 ラフタリア は 両親 の 死 を 心 の 傷 に し つつ も 健 気 に 頑張ろう と した 。

今 の ラフタリア を 見る と 想像 も 付か ない が 、 元々 は 頑張り 屋 だった らしい 。

それ も 奴隷 生活 で 少しずつ 磨 耗 して いった のだろう 。

俺 と 出会う 道中 は 壮絶な もの であった 。

生き残った 村人 と 一緒に 村 の 復興 を 目指し も した が 、 運 悪く 奴隷 狩り に 遭い 、 拷問 も 経験 した そうだ 。

やがて 、 あの サーカス テント の ような 場所 に 収監 さ れた と いう 。

逃げ なきゃ ! また パニック に 陥り かけて いる 。

トラウマ の 原因 か 。

「 落ちつけ !

「 で 、 でも ──」

「 あれ は お前 の 両親 を 殺した 奴 じゃ ない 。

頭 だって 二 つ だ ろ ! それ に …… お前 は 俺 を 誰 だ と 思って いる んだ ? 「 え ……」

「 俺 は 盾 の 勇者 だ 。

今 まで だって 、 俺 は ずっと 、 お前 を 守って い ただ ろ ? だけど 、 俺 は お前 を 守る こと は 出来て も 、 敵 を 倒せ ない んだ 」

そっと ラフタリア の 頬 に 手 を 添える 。

「 お前 の 両親 は 帰って こ ない 。

だけど 、 お前 と 同じ 境遇 に なって しまい そうな 子 を 助ける 事 は 出来る 」

詭弁 だ な 。

俺 は 生き残り たい から 強く なり たい だけ だ 。 だけど ラフタリア に とって 波 と いう の は 災厄 だ 。

「 俺 に 出来る の は お前 が 最大 限 戦える 環境 を 整える だけ 、 それ でも イヤ なら …… 前 に も 言った よ な 」

「 う 、 うん !

「 ガア !

犬 が どうやら 追いついて きた ようだ 。

「 とにかく 、 戦え ない の なら 下がって ここ から 出ろ 」

「 ご 主人 様 は ?

「 俺 は コイツ の 注意 を ひいて から 逃げる !

「 そんな !

「 しょう が ないだ ろ 、 俺 は 守る 事 は 出来て も 戦え ない んだ 」

「 行っちゃ イヤ !

「 じゃあ どう する んだ ?

このまま 死ね と ? 「…… イヤ !

ラフタリア が 剣 を 強く 持って 、 犬 の 横 に 回り 込んで 突き刺した 。

「 キャン !

犬 が 悲鳴 を 上げる 。

「 死んじゃ ダメ !

「…… 死な ない さ 、 俺 が 死ぬ とき は 攻め手 から 、 お前 を 守り 切れ なかった 時 だろう な 」

死な ない ため に 、 俺 は 強く なり たい んだ 。

こんな 所 で 死んで たまる か !

犬 が ラフタリア に 向かって 噛みつこう と して くる 。

咄嗟に ロープシールド に 変えて 唱える 。

「 エアストシールド !

その 直後 に 戦闘 用 の 盾 に 変化 。

思い切り 犬 の 体 に 組み ついた 。

「 ガァア !?」

ラフタリア に 噛み つけ ず 、 俺 に 組み つかれて 犬 は 吠える 。

もう 一 つ の 頭 が 俺 の 肩 に 食らいつく 。

痛み と 共に 鮮血 が 飛び散る 。

「 ご 主人 様 !?」

「 落ちつけ !

まだ 大丈夫だ ! 防御 力 と やら は 相当な 効果 らしい な 。

あんな 鋭い 牙 で 噛ま れて いる のに 致命 傷 に なら ない と は 。

これ も 盾 の 力 だろう 。

流血 こそ して いる が 痛み は 耐え られ ない 程 じゃ ない 。

「 はい !

ラフタリア は 渾身 の 力 を 込めて 、 隙 を 作った 犬 の 心臓 の ある 位置 を 剣 で 突く 。

「 でりゃ ああ ああ ああ ああ ああ ああ あ ああ !

ず ぶり と 音 を 立てて 犬 の 体 に 剣 は 突き刺さった 。

「 ガアアアアアアアアアアアア ……」

想像 以上 に 抵抗 する 犬 の 心臓 を ラフタリア は 何度 も 突き刺す 。

やがて 双 頭 の 黒い 犬 は 動か なく なり 、 倒れた 。

「 は ぁ …… は ぁ ……」

「 よく 、 やった ぞ 」

血まみれに なった ラフタリア と 俺 。

俺 は ラフタリア の 頭 を 撫でる 。

「 ご 主人 様 …… 絶対 に 、 死な ないで 、 私 に …… 居場所 を 」

つたない 言葉 で ラフタリア は 俺 に 状況 の 維持 を 懇願 する 。

奴隷 生活 は 大変だった のだろう 。

普通に 考えて 戻り たく は ない はずだ 。

環境 に 不満 は ない 。

だから 評価 して ほしい か ……。

俺 と して も 簡単に 手放す つもり は ない 。

そして 要求 する 事 は 戦う こと だけ だ 。

「 ご 主人 様 …… まだ 、 お 名前 を 聞いて ませ ん よ ね ?

「 ああ 、 そう だった な 。

岩谷 尚 文 、 岩谷 が 姓 で 名前 は 尚 文 だ 」

「 ナオフミ …… 様 …… 改めて よろしく お 願い し ます 」

ぺこ り と 頭 を 下げた ラフタリア が そう 俺 に 言った 。

名前 …… か 。

勇者 様 と 呼ば れる より は 遥かに マシ だ な 。

解体 して ……。

犬 を 解体 する って 、 あんまり 気持 が 良い もの じゃ ない な 。

結果 。

皮 製 で 、 頭 の 部分 が 生きて いる ような 迫力 が ある 。

能力 は 程々に 高い な 。

悪く は ない だろう 。

アラートシールド って な んだ ?

専用 効果 の ドッグバイト と いう の も 気 に なる 。

後 で 調べて おこう 。

ひんやり した 感覚 と 共に 徐々に 傷 が 治って いく の を 感じた 。

宿 に 戻ったら 、 回復 魔法 と か が 使える 冒険 者 に 金 を 払って 治して もらう か 。

そう いえば 、 この 世界 に 来て 初めて の 痛み だ 。

やはり 、 痛み は ある んだ よ な 。

戦え なく は ない けど …… やはり 痛い の は いやだ な 。

解体 して も 他の 部位 の 盾 は 出 ない の か …… もしくは 材料 と か Lv が 足り ない んだ な 。

「 さて 、 魔物 は 倒した し 、 鉱石 を 掘り に 行く か 」

「 はい !

お ?

さっき より も 元気だ な 。

採掘 技能 1 を 持つ ツルハシ の 盾 に 変え 、 ツルハシ を 持って 、 廃 坑 の × 印 の 場所 を 掘る 。

徐に 俺 は ツルハシ を 振り 上げる 。

すると 壁 に 十字 に 輝く ポイント が 浮かび 上がる 。 なんだ ? ここ に 突き 立てれば 良い の か ?

「 てい !

勢い を つけて 、 俺 は ツルハシ を 振るった 。

ガツン と いう 音 と 共に 壁 に ヒビ が 入る 。

その 亀裂 が メキメキ と 広がって 崩れた 。

「 お わ !

凄く 脆い な ぁ この 壁 。

崩落 の 危険 性 を 視野 に 入れ ながら 、 鉱石 を 探す 。

…… あんまり 芳しく ない な ぁ 。

と 、 何 回 か 掘り 進めて いく と 光る 鉱石 を 発掘 できた 。

「 ライトメタル ?

ライトメタル と いう 鉱石 が 出て きた 。

これ が 高く 売れる 鉱石 な の か ……?

純度 が 高 そうだ 。

産出 量 は 良く ない けど 、 その 日 は 夕方 に なる まで 掘り 進め 、 十 個 ほど 見つけた 。

あんまり 効率 は 良く な さ そうだ 。

一 個 、 盾 に 吸わ せる 。

必要 個数 が 足り ない っぽい 。

もう 一 個 。

こりゃ あ 、 強い 魔物 と 戦う 時 は これ が 一 番 だ な 。

「 どう です か ?

「 ま 、 こんな 物 だ ろ 」

「 わかり ました 。

じゃあ 帰り ましょう 。 ナオフミ 様 」

ラフタリア が 俺 の 手 を 握って 前 を 歩こう と する 。

「 絶対 に 、 生き残り ましょう ね 」

「 ああ 」

当たり前だ 。

俺 は 生きて 元 の 世界 に 帰る んだ 。 こんな 糞 みたいな 世界 で 死ぬ もん か 。

やはり 高値 で 売れた 。

これ で 当分 の 活動 資金 や 装備 を 整え られる な 。


盾 の 勇者 の 成り 上がり 01 Chapter 16 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Rise of the Shield Heroes 01 Kapitel 16. The Rising of the Shield Hero 01 Chapter 16 Rise of the Shield Heroes 01 Capítulo 16. Rise of the Shield Heroes 01 Rozdział 16. Ascensão dos Heróis do Escudo 01 Capítulo 16. 盾之勇者成名錄 01 第 16 章

十六 話   黒 頭 双 犬 じゅうろく|はなし|くろ|あたま|そう|いぬ sixteen black headed twin dogs

俺 達 は 武器 屋 の 親父 から 聞いた 通り 、 村 に 向 った 。 おれ|さとる||ぶき|や||おやじ||きいた|とおり|むら||むかい| We headed for the village, just as we heard from the weapon shop's father.

村 の 名前 は リユート 村 。 むら||なまえ|||むら The name of the village is Ryuuto Village.

拠点 に する に は 良 さ そうな 村 であり 、 宿 は 一 つ しか ない が 宿泊 費 は 銀貨 一 枚 。 きょてん|||||よ||そう な|むら||やど||ひと|||||しゅくはく|ひ||ぎんか|ひと|まい It seems like a good village to use as a base, and although there is only one inn, the lodging fee is one silver coin. 買取 商人 も 二 日 に 一 度 は 滞在 する と いう 好 立地 。 かいとり|しょうにん||ふた|ひ||ひと|たび||たいざい||||よしみ|りっち It's a good location where even a purchasing merchant stays once every two days.

薬屋 は 無い が 村人 が 薬 を 欲して いる ので 城下町 の 薬屋 より も 安 めに 売る 。 くすりや||ない||むらびと||くすり||ほっして|||じょうかまち||くすりや|||やす||うる There is no pharmacy, but the villagers want medicine, so they sell it cheaper than the drugstore in the castle town.

その代わり 品質 が 悪い と 念 を 押す 。 そのかわり|ひんしつ||わるい||ねん||おす Instead, I remind you that the quality is bad.

ちなみに 俺 の 悪 名 は 響き 渡って おり 、 村 に 来た 当初 、 戯 けた 事 を する ので バルーン の 刑 に 処して やった 。 |おれ||あく|な||ひびき|わたって||むら||きた|とうしょ|ぎ||こと||||||けい||しょして| By the way, my notoriety has resounded, and when I first came to the village, I did some silly things, so I sentenced him to balloon punishment.

で 、 旅 の 行商 に 村 の 周辺 で 倒した 魔物 の 素材 を 売った 時 の 事 。 |たび||ぎょうしょう||むら||しゅうへん||たおした|まもの||そざい||うった|じ||こと So, when I sold the materials for the monsters I defeated around the village to a traveling peddler.

「 ふむ …… こんな 所 です ね 」 ||しょ|| "Hmm... it's a place like this."

「 そう か 」 " Really "

銀貨 数 枚 を 受け取り 、 俺 は 唸る 。 ぎんか|すう|まい||うけとり|おれ||うなる After receiving a few silver coins, I groan.

良い 値 で 売れて は いる けれど 、 決定 的な 物 に 欠ける 。 よい|あたい||うれて||||けってい|てきな|ぶつ||かける It sells for a good price, but lacks a definitive one.

「 もっと 、 手っ取り早く 稼げる 手段 は 無い か ……」 |てっとりばやく|かせげる|しゅだん||ない| "Isn't there a way to earn more quickly..."

「 何 か 物 入り な ので ? なん||ぶつ|はいり|| "Is there something in it?

「 まあ な 」 "Well"

俺 が 盾 の 勇者 だって 知ら ない の か ? おれ||たて||ゆうしゃ||しら||| Don't you know I'm the Shield Hero?

いや 、 知って いて 俺 を 騙そう と して いる の かも 知れ ない な 、 この 行商 は 。 |しって||おれ||だまそう||||||しれ||||ぎょうしょう| No, this peddler might be trying to deceive me knowing.

「 では 、 この リユート 村 近隣 に ある 炭鉱 で 採れる 鉱石 を 採って くる と いう の が 良い でしょう ね 」 |||むら|きんりん|||たんこう||とれる|こうせき||とって||||||よい|| "Then, it would be better to collect the ore from the coal mines near this Ryuuto village."

「 そう な の か ? " Is it so ?

「 ええ 、 上手く 採掘 できれば 、 多少 金銭 を 稼げる と 思い ます よ 」 |うまく|さいくつ||たしょう|きんせん||かせげる||おもい|| "Yes, if you can mine well, I think you can earn some money."

「…… なんで みんな やら ない んだ ? "...why isn't everyone doing it?

こういう 儲け 話 って 皆 やって いる もの だ と 思う が 。 |もうけ|はなし||みな||||||おもう| I think that such a story is what everyone is doing.

「 ええ 、 波 の 到来 前 に は 若干 活気 が あった のです けど ね …… 危険な 魔物 が 生息 して から は ……」 |なみ||とうらい|ぜん|||じゃっかん|かっき||||||きけんな|まもの||せいそく||| "Yeah, it was a little lively before the arrival of the wave, but... after the dangerous monsters inhabited..."

「 なるほど 」 " I see "

「 冒険 者 や 騎士 団 、 召喚 さ れた 勇者 様 は 何 を して くださって いる の か …… まあ 、 廃 坑 寸前 の 炭鉱 なんて こんな 物 です か ね 」 ぼうけん|もの||きし|だん|しょうかん|||ゆうしゃ|さま||なん||||||||はい|こう|すんぜん||たんこう|||ぶつ||| "What are the adventurers, the knights, and the summoned hero doing... well, what is this like in a coal mine on the verge of being abandoned?"

ふむ …… これ は 良い 話 を 聞いた 。 |||よい|はなし||きいた Hmm... I've heard good things about this.

炭鉱 か 。 たんこう| A coal mine? 上手く 鉱石 を 獲得 できれば 金銭 に なる 。 うまく|こうせき||かくとく||きんせん|| If you can successfully acquire the ore, it will become money.

「 一応 、 そこ で 採れる 鉱石 に は 珍しい 物 も あり ます から ね 。 いちおう|||とれる|こうせき|||めずらしい|ぶつ||||| "There are some rare ores that can be mined there.

もしも 手 に 入ったら 良い 値 で 売れ ます よ 」 |て||はいったら|よい|あたい||うれ|| If you can get your hands on it, you can sell it for a good price.”

「 そう か 、 情報 提供 感謝 する 」 ||じょうほう|ていきょう|かんしゃ| "I see, thank you for providing the information."

本当 か どう か は 怪しい けど 、 廃 坑 と いう 名 の 洞窟 に 行く の も 一 つ の 手 だ 。 ほんとう|||||あやしい||はい|こう|||な||どうくつ||いく|||ひと|||て| I'm not sure if it's true or not, but one way to go is to go to the cave named Abandoned Mine.

「…… 今日 は どこ に 行く の ? きょう||||いく| ``Where are you going today?

ラフタリア が 怯え つつ 聞いて くる 。 ||おびえ||きいて| Raphtalia asks while being frightened.

「 今日 は 近く の 廃 坑 に 行く 」 きょう||ちかく||はい|こう||いく "I'm going to a nearby abandoned mine today."

「 うん ……」

「 危険な 魔物 が いる らしい 、 何 か あったら 逃げる から ちゃんと 付いて こい よ 」 きけんな|まもの||||なん|||にげる|||ついて|| "It seems that there is a dangerous monster. If anything happens, it will run away, so follow me."

「 はい !

地図 を 広げ 、 その 廃 坑 が ある 場所 を 確認 する 。 ちず||ひろげ||はい|こう|||ばしょ||かくにん| Open the map and confirm the location of the abandoned mineshaft.

人 の 手 が 入ら ない 山 の 近く 、 雑草 が 生え だした 道 の 先 に 廃 坑 が あった 。 じん||て||はいら||やま||ちかく|ざっそう||はえ||どう||さき||はい|こう|| There was an abandoned mine at the end of a road overgrown with weeds, near an untouched mountain.

入口 に は 放置 さ れた ツルハシ が 数 本 、 落ちて いる 。 いりぐち|||ほうち|||||すう|ほん|おちて| There are several abandoned pickaxes at the entrance.

ボロボロ だ けど 使え なく は ない だろう 。 ぼろぼろ|||つかえ|||| It's tattered, but it's probably not unusable.

その 隣 に 放置 さ れた 休憩 所 を 見つけた 。 |となり||ほうち|||きゅうけい|しょ||みつけた I found an abandoned resting place next to it.

扉 に は 鍵 が 掛かって いる 。 とびら|||かぎ||かかって| The door is locked.

誰 も 使って い ない の なら 入って も 問題 ない だろう 。 だれ||つかって|||||はいって||もんだい|| If it's not being used by anyone, it shouldn't be a problem to enter.

「 ラフタリア 、 鍵 を 壊す ぞ 」 |かぎ||こわす| "Raphtalia, I'm going to break the key."

「 え ?

…… うん 」

ラフタリア が 石 を 持って 扉 の 錠 前 を 叩く 。 ||いし||もって|とびら||じょう|ぜん||たたく Raphtalia picks up the stone and knocks on the lock of the door.

元々 錆びて ボロボロ だった から か 数 回 叩く だけ で 壊れた 。 もともと|さびて|ぼろぼろ||||すう|かい|たたく|||こぼれた Originally it was rusty and tattered, so it broke with just a few hits.

中 に 入る と ロープ を 発見 。 なか||はいる||ろーぷ||はっけん I found a rope when I went inside.

他 に も 雑貨 が 転がって いる 。 た|||ざっか||ころがって| Other miscellaneous goods are lying around.

と は いえ 、 捨て 置か れた みたいで 目ぼしい もの は 無い 。 |||すて|おか|||めぼしい|||ない That being said, it doesn't look anything like it's been abandoned.

炭鉱 の 地図 が あった の が 救い だ な 。 たんこう||ちず|||||すくい|| It was a relief that there was a map of the coal mine.

ロープシールド の 条件 が 解放 さ れ ました 。 ||じょうけん||かいほう|||

なんだろう ? I wonder what ?

と いう か スキル って どう やって 使う んだ ? |||||||つかう| Or rather, how do you use skills?

一応 、 ロープシールド に 変えて みる 。 いちおう|||かえて| Just in case, try changing to a rope shield.

ロープ を 丸く さ せた 盾 だ 。 ろーぷ||まるく|||たて| It's a shield with a rounded rope.

防御 力 は 冗談 じゃ ない ほど 低い 。 ぼうぎょ|ちから||じょうだん||||ひくい Defense power is low as it is not a joke.

実戦 で 使う の は 厳しい な 。 じっせん||つかう|||きびしい| It's tough to use in actual combat.

専用 効果 、 ロープ は な んだ ? せんよう|こうか|ろーぷ||| What's the special effect, Rope?

試しに 使って みよう と 思う 。 ためしに|つかって|||おもう I think I'll give it a try.

こう 言う の って 鉤縄 みたいな 感じ で 何 か に 引っかける の か な ? |いう|||こうなわ||かんじ||なん|||ひっかける||| Is it like a grappling hook to hook something?

そう 思って 、 小屋 の 梁 に ロープ が 飛んで いく 様子 を イメージ したら 盾 の ロープ が 伸びて 結びついた 。 |おもって|こや||りょう||ろーぷ||とんで||ようす||いめーじ||たて||ろーぷ||のびて|むすびついた Thinking that, I pictured a rope flying over the beams of the hut, and the rope of the shield stretched out and tied.

おお !

便利だ 。 べんりだ Convenient.

エアストシールド に 関して は …… 一応 ヘルプ で 探して みる 。 ||かんして||いちおう|||さがして| As for the East Shield... I'll try looking for it in Help.

あった 。 there were .

他 、 モーション で 発動 する スキル も 存在 し ます 。 た|もーしょん||はつどう||||そんざい|| There are also skills that activate with motion. MMO だ と スキル で 統一 さ れて いる もの も ある 。 mmo|||||とういつ|||||| Some MMOs have unified skills. それ と 同じだ 。 ||おなじだ It's the same.

よし 、 とりあえず 唱えて みる 。 ||となえて| Alright, I'll try chanting for now.

「 エアストシールド ! "East Shield!

唱える と 同時に 視界 に 何 処 へ 出す か を 指示 する ように と 表示 さ れ 、 出 せる 範囲 が サークル 範囲 で 地面 に 写った 。 となえる||どうじに|しかい||なん|しょ||だす|||しじ||||ひょうじ|||だ||はんい||さーくる|はんい||じめん||うつった At the same time as I chanted it, it was displayed in my field of vision to instruct me where to put it out, and the area where I could put it out was reflected on the ground in a circle.

とりあえず は 目の前 に 出る ように 意識 する 。 ||めのまえ||でる||いしき| For the time being, make a conscious effort to have it appear in front of you.

すると エアストシールド は イメージ 通り の 場所 に 出現 した 。 |||いめーじ|とおり||ばしょ||しゅつげん| Then, the East Shield appeared in the place exactly as I imagined it.

形状 は …… やや 大き めな 盾 っぽい 。 けいじょう|||おおき||たて| The shape is... somewhat like a large shield.

不思議な 力 で 作ら れた 盾 だ 。 ふしぎな|ちから||つくら||たて| It is a shield made with mysterious power.

持て ない の か ? もて||| can't you have it?

触れて みた 。 ふれて| I touched it.

だけど 、 俺 が 出した ところ から 全く 動く 気配 が ない 。 |おれ||だした|||まったく|うごく|けはい|| However, it doesn't seem to move at all from where I put it out. 単純に 盾 を 呼び 出す スキル と いう こと か 。 たんじゅんに|たて||よび|だす||||| Is it simply a skill that summons a shield? 初めて の スキル が これ と は …… 何 処 まで も 攻撃 力 が 期待 でき ない ようだ 。 はじめて|||||||なん|しょ|||こうげき|ちから||きたい||| This is my first skill... I can't expect any offensive power anywhere.

「 どうした の ? " what happened ?

ラフタリア が 首 を 傾げて 聞いて くる 。 ||くび||かしげて|きいて| Raphtalia tilts her head and asks.

「 なんでもない 。 " nothing .

少し 便利な 力 を 手 に 入れた だけ さ 」 すこし|べんりな|ちから||て||いれた|| I just got a little bit of useful power."

「 そう …… 行か ない の ? |いか|| "Yeah... aren't you going?

「 行く さ 」 いく| "Let's go"

ラフタリア はやる 気 を 最近 出して いる けど 、 こう 言う 慣れ 始め が 一 番 怖い んだ 。 ||き||さいきん|だして||||いう|なれ|はじめ||ひと|ばん|こわい| Raphtalia has been showing some motivation lately, but she's the scariest when she starts to get used to saying this.

注意 して い ない と な 。 ちゅうい||||| I have to be careful.

ツルハシ の 盾 は 、 採掘 を しよう と して いる 俺 たち に 調度 いい 技能 だ 。 ||たて||さいくつ||||||おれ|||ちょうど||ぎのう| A pickaxe shield is a good skill for those of us looking to mine.

さて 、 と 。 Well, and.

松明 を 片手 に 廃 坑 に 足 を 踏み入れる 。 たいまつ||かたて||はい|こう||あし||ふみいれる With a torch in hand, step into an abandoned mine.

「 危険な 魔物 が 生息 して いる らしい から 気 を つけろ よ 」 きけんな|まもの||せいそく|||||き||| "There seems to be a dangerous monster inhabiting here, so be careful."

「 うん 」

俺 が 先頭 で 廃 坑 の 中 を 進む 。 おれ||せんとう||はい|こう||なか||すすむ I'll lead the way through the abandoned mine.

途中 まで は 木 で 補強 さ れた 洞窟 みたいだった が 、 しばらく する と 鍾乳洞 みたいに なった 。 とちゅう|||き||ほきょう|||どうくつ||||||しょうにゅうどう|| It looked like a cave reinforced with trees until halfway through, but after a while it became like a limestone cave. 走到一半,它看起来像是一个用树木加固的洞穴,但过了一会儿,它变成了一个石灰岩洞穴。

流れ の 緩やかな 小さな 滝 や 泉 も ある し 、 薄 ら と 上 から の 明かり が ある 。 ながれ||ゆるやかな|ちいさな|たき||いずみ||||うす|||うえ|||あかり|| There are small waterfalls and springs with a gentle flow, and there is a faint light from above. 有小瀑布和泉水,水流平缓,上面有微弱的光。 穴 が 開いて いて 、 その 光 が 洞窟 内 の 埃 を 幻想 的に 瞬いて いた 。 あな||あいて|||ひかり||どうくつ|うち||ほこり||げんそう|てきに|またたいて| There was a hole, and the light was fantastically twinkling the dust inside the cave. 有一个洞口,光芒在洞内的尘土中闪烁着奇异的光芒。

さて …… 何 処 に 行けば 目当て の 鉱石 が 採掘 できる か な 。 |なん|しょ||いけば|めあて||こうせき||さいくつ||| Now then... where should I go to mine the ore I'm looking for? 那么……我应该去哪里开采我正在寻找的矿石?

地図 を 広げ 、 確認 する 。 ちず||ひろげ|かくにん| Spread out the map and check it.

迷路 …… じゃ ない な 。 めいろ||| A maze... it's not.

滝 の 上 を 迂回 した 辺り で × 印 が 付いて いる 。 たき||うえ||うかい||あたり||いん||ついて| The area around the waterfall is marked with an X. 瀑布周围的区域标有 X。 そこ を 目標 に しよう 。 ||もくひょう|| Let's aim there.

「 ご 主人 様 ……」 |あるじ|さま " master ……"

「 ん ?

ラフタリア が クイクイ と 俺 の 服 の 裾 を 引っ張る 。 ||||おれ||ふく||すそ||ひっぱる Raftalia tugs at the hem of my dress. 拉芙塔莉雅轻轻地拉扯我的衣摆。

「 あの …… これ 」 "Um... this"

ラフタリア が 下 を 指差した 。 ||した||ゆびさした Raphtalia pointed downwards.

見る と 、 何 か …… 犬 の ような 物 の 足跡 が ある の を 発見 する 。 みる||なん||いぬ|||ぶつ||あしあと|||||はっけん| When I looked, I found some ...... footprints of something that looked like a dog.

ああ 、 化け物 が 住み 着いて いる と か 言って いた けど 本当だった の か 。 |ばけもの||すみ|ついて||||いって|||ほんとうだった|| Ah, you said that there were monsters living here, but was it true? 啊,你说这里住着怪物,但这是真的吗?

廃 坑 だ から な 、 野犬 が 住み 着いた んだ ろ 。 はい|こう||||やけん||すみ|ついた|| It's an abandoned mine, so wild dogs have settled in. 足跡 から 見て 、 俺 の 知る 犬 サイズ だ 。 あしあと||みて|おれ||しる|いぬ|さいず| Judging from the footprints, it's the size of a dog I know. 从脚印看,是我认识的狗那么大。 大き さ は 中型 犬 くらい 。 おおき|||ちゅうがた|いぬ| It is about the size of a medium-sized dog.

「 とりあえず は 行く しか ないだ ろ 」 ||いく||| "For now, I have no choice but to go."

危険 を 避けて いて も 結果 は 良く なら ない 。 きけん||さけて|||けっか||よく|| Even if you avoid danger, the result will not be good. 避免危险并不能改善结果。

魔物 を 倒す 延長 線上 だ 。 まもの||たおす|えんちょう|せんじょう| It's an extension of defeating monsters.

この サイズ なら 問題 ないだ ろ 。 |さいず||もんだい|| There should be no problem with this size.

「 よし 行く ぞ 」 |いく| "Okay, let's go."

「 う 、 うん 」 " No "

「 安心 しろ 、 何時も 通り に 倒せば 良い さ 」 あんしん||いつも|とおり||たおせば|よい| "Don't worry, you can always defeat it on the street."

「 頑張る 」 がんばる

良い 傾向 だ な 。 よい|けいこう|| Good trend.

「 グゥルルルル ……」 "Gururururu..."

滝 の 上 に まで 登った ところ で 遭遇 した 。 たき||うえ|||のぼった|||そうぐう| I met him when I climbed to the top of the waterfall.

なんか 、 頭 が 二 つ も ある 黒い 犬 。 |あたま||ふた||||くろい|いぬ A black dog with two heads.

で 、 さっき の 足跡 …… 子供 の 時 だった の か ? |||あしあと|こども||じ||| So, the footprints just now...were they when you were a child?

俺 の 身長 くらい まで 大きく なって る ! おれ||しんちょう|||おおきく|| It's grown to about my height! 已经长到跟我一样高了!

やる しか ない か 。 Do you have no choice but to do it?

「 ワオォオオオオオオオオオン ! "Wowoooooooooooooooooooo!

犬 が 遠吠え を して 俺 たち に 向かって 突撃 して くる 。 いぬ||とおぼえ|||おれ|||むかって|とつげき|| A dog howls and charges at us.

今 まで の 敵 から ダメージ を 受けた 事 は 無い が 、 耐え られる か ? いま|||てき||だめーじ||うけた|こと||ない||たえ|| I've never taken damage from an enemy before, but can I endure it?

いや 、 仮に 受けた と して も 即死 は 無い だろう 。 |かりに|うけた||||そくし||ない| No, even if I received it, it wouldn't be an instant death.

盾 を 構えて 犬 の 突進 に 耐える 。 たて||かまえて|いぬ||とっしん||たえる He holds up his shield and resists the dog's rush.

ぐ …… 重い 。 |おもい Gu... Heavy.

「 ガアアアア !

爪 で ガリガリ と 盾 を 引っかき 、 二 つ ある 頭 で 俺 に 噛みつこう と して くる 。 つめ||||たて||ひっかき|ふた|||あたま||おれ||かみつこう||| It scratches the shield with its claws and tries to bite me with its two heads.

さ せる かって の ! I do not want to do! 我们开始做吧!

噛みつか れ ない ように 上半身 を 仰け反ら せて 避ける 。 かみつか||||じょうはんしん||のけぞら||さける Avoid being bitten by bending your upper body backwards.

耐え きれ なく は ない 。 たえ|||| I can not bear it.

と いう 所 だ な 。 ||しょ|| That's what it means.

「 よし ! "Alright!

押さえ つけた ! おさえ| I held it down! 後 は 隙 を 見て ラフタリア が …… と いう 所 で 気 が 付いた 。 あと||すき||みて|||||しょ||き||ついた After that, I noticed that Raphtalia was...

「 あ …… ああ ああ ……」

ガクガク と 震えた ラフタリア が 虚 空 を 見つめて いる こと に 。 がくがく||ふるえた|||きょ|から||みつめて||| Raphtalia was trembling and staring into the void.

ヤバイ ! Crazy!

この 症状 は 夜 の 叫び だ 。 |しょうじょう||よ||さけび| This symptom is a night cry.

「 イヤ アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア ! いや|

キーン と 耳 が 遠く なる ほど の 絶叫 。 きーん||みみ||とおく||||ぜっきょう Keen and deafening screams.

「 キャン ! "Can!

双 頭 の 犬 が 叫び を あげて 、 一 度 俺 から 距離 を 取る 。 そう|あたま||いぬ||さけび|||ひと|たび|おれ||きょり||とる The two-headed dog yells and distances itself from me.

その後 、 ターゲット を 叫ぶ ラフタリア に 切り替えて 走って きた 。 そのご|たーげっと||さけぶ|||きりかえて|はしって| After that, I switched to the screaming Raphtalia and ran.

「 さ せる か ! "Let me do it!

咄嗟に ラフタリア を 突き飛ばして 守る 。 とっさに|||つきとばして|まもる It immediately pushes Raphtalia away and protects it.

のだ が 、 ラフタリア が 滝 の 方 へ 落ち かける 。 ||||たき||かた||おち| However, Raphtalia begins to fall toward the waterfall.

「 ひ !?  た 、 助け ──」 ||たすけ "Hey!? Help me—"

落ちて も 、 死に は し ない だろう 。 おちて||しに|||| Even if you fall, you won't die.

だが 、 今にも 落ち そうに なって いる 。 |いまにも|おち|そう に|| But I'm still on the verge of falling.

「 ダメ 、 ダメ ! だめ|だめ

お 父さん ! |とうさん father ! お 母さん ! |かあさん ぐ …… ここ は 一旦 、 引き下がる べき か 。 |||いったん|ひきさがる|| Gu...should I back down for now?

少々 命がけ だ けど やる しか ない 。 しょうしょう|いのちがけ||||| It's a bit risky, but I have no choice but to do it. 这有点冒险,但我别无选择,只能这样做。

俺 は 犬 の 猛攻 から 引いて 、 ラフタリア を 抱えて 滝 に 身 を 任せる 。 おれ||いぬ||もうこう||ひいて|||かかえて|たき||み||まかせる I pull back from the dog's onslaught, hold Raphtalia and surrender myself to the waterfall.

ゲーム だ と 滝 から 落ちる と か は よく ある けど 、 現実 で やる と めまぐるしく 景色 が 変わって 、 状況 が 掴め ない 。 げーむ|||たき||おちる|||||||げんじつ|||||けしき||かわって|じょうきょう||つかめ| Falling from a waterfall is common in games, but in real life the scenery changes so fast that it's hard to grasp the situation. 从瀑布坠落在游戏中很常见,但在现实生活中,风景变化如此之快,以至于很难掌握情况。

一瞬 だけ 滝 から 放り 出さ れた が 、 重力 に 従って 落下 。 いっしゅん||たき||はな り|ださ|||じゅうりょく||したがって|らっか I was thrown out of the waterfall for a moment, but then I fell due to gravity.

滝つぼ 兼 、 泉 に 落ちた 。 たきつぼ|けん|いずみ||おちた I fell into the basin of a waterfall and into a spring.

後 は …… まあ 、 流れ が 緩やかだ から 泳いで 岸 に 上がる 。 あと|||ながれ||ゆるやかだ||およいで|きし||あがる After that...well, the current is gentle, so I swim to the shore.

「 ゲホ …… ゲホ ……」 "Geho... Geho..."

「 まったく 、 いきなり パニック に なる んじゃ ない ! ||ぱにっく|||| "Don't panic all of a sudden! “不要突然慌张!

「 お 父さん ? |とうさん " father ? " Padre ?

「 違う 。 ちがう " different .

何の 事 を 言って いる んだ ? なんの|こと||いって|| What are you talking about? 話 を し つ つ 上 を 見る 。 はなし|||||うえ||みる Look up while talking.

双 頭 の 黒い 犬 が 崖 から 岸 に 上がった 俺 達 を 睨み つけて 踵 を 返す 。 そう|あたま||くろい|いぬ||がけ||きし||あがった|おれ|さとる||にらみ||かかと||かえす A two-headed black dog glared at us who climbed from the cliff to the shore and turned on its heels.

絶対 に こっち へ 来る な 。 ぜったい||||くる| Never come here.

「 大丈夫 か ? だいじょうぶ| " Are you okay ?

意識 は しっかり して いる の か ? いしき|||||| Are you fully conscious? 「 あ …… 私 ……」 |わたくし "Ah... I..."

「 一体 どうした ん だ ? いったい||| "What's wrong?

「 その ……」 " the ……"

「 ちゃんと 話せ 」 |はなせ "Speak properly"

「 う …… はい 」 "Uh... yes"

ラフタリア は ポツリポツリ と 話しだした 。 ||ぽつりぽつり||はなしだした Raphtalia began to speak little by little.

「 私 は この 国 の 辺境 、 海 の ある 、 街 から 少し 離れた 農村 部 に ある 亜人 の 村 の 出身 な んです …… この 国 です から 裕福 と は 言え ない けど 」 わたくし|||くに||へんきょう|うみ|||がい||すこし|はなれた|のうそん|ぶ|||あにん||むら||しゅっしん||||くに|||ゆうふく|||いえ|| "I'm from a demi-human village in the frontier of this country, near the sea, in a rural area a little far from the city... but I can't say I'm wealthy in this country."

両親 は 優しく 、 村 の みんな と も 仲良く 平和に 過ごして いた 。 りょうしん||やさしく|むら|||||なかよく|へいわに|すごして| His parents were kind, and he lived in peace with everyone in the village.

しかし ある 日 、 骸骨 兵 が 大量に 、 災厄 の 波 から 溢れ出て きた と いう 。 ||ひ|がいこつ|つわもの||たいりょうに|さいやく||なみ||あふれでて||| However, it is said that one day, a large number of skeleton soldiers overflowed from the wave of disaster.

骸骨 兵 は 数 こそ 多かった が 、 最初 は 近隣 に 居た 冒険 者 達 で 対処 できて いた 。 がいこつ|つわもの||すう||おおかった||さいしょ||きんりん||いた|ぼうけん|もの|さとる||たいしょ|| Skeleton soldiers were numerous, but at first the adventurers in the neighborhood were able to deal with them.

が 、 獣 、 大きな 甲 虫 など が 大量に 溢れ 返り 、 防衛 線 は 決壊 。 |けだもの|おおきな|こう|ちゅう|||たいりょうに|あふれ|かえり|ぼうえい|せん||けっかい However, a large amount of beasts and large beetles flooded in, breaking the defense line.

その 果て に 黒い 三 つ の 頭 を 持つ 犬 の ような 化け物 が 現れ 、 人々 は まるで 無抵抗な 草花 の ように 蹂躙 さ れて いった 。 |はて||くろい|みっ|||あたま||もつ|いぬ|||ばけもの||あらわれ|ひとびと|||むていこうな|くさばな|||じゅうりん||| At the end, a dog-like monster with three black heads appeared, and people were trampled on like helpless flowers.

ラフタリア の 村 も その 被害 を 抑え きれ ず 、 必死に 、 化け物 達 から 逃げ 出した 。 ||むら|||ひがい||おさえ|||ひっしに|ばけもの|さとる||にげ|だした Raphtalia's village couldn't contain the damage and desperately ran away from the monsters.

しかし 、 化け物 たち は 逃亡 を 許さ ず 、 まるで 遊び の ように 見 知った 人々 を 殺して 回った 。 |ばけもの|||とうぼう||ゆるさ|||あそび|||み|しった|ひとびと||ころして|まわった However, the monsters did not allow them to escape, and went around killing people they knew as if it was just for fun. 然而,怪物们却不让他们逃跑,四处杀戮他们认识的人,仿佛只是为了好玩。

ラフタリア の 両親 も 同様で 、 一緒に 逃げて いた が 、 海 の 上 の 崖 まで 化け物 たち は 追い かけて きた 。 ||りょうしん||どうようで|いっしょに|にげて|||うみ||うえ||がけ||ばけもの|||おい|| Raphtalia's parents were the same, and they ran away together, but the monsters chased them to the cliff above the sea.

逃げ 切れ ない と 悟った ラフタリア の 両親 は 顔 を 合わせ 、 ラフタリア に 微笑む 。 にげ|きれ|||さとった|||りょうしん||かお||あわせ|||ほおえむ Raphtalia's parents, realizing that they can't escape, face each other and smile at Raphtalia.

そんな 状況 だ と いう のに 、 優しく 、 怯える ラフタリア の 頭 を 撫でた 。 |じょうきょう|||||やさしく|おびえる|||あたま||なでた Even in such a situation, he gently stroked the frightened Raphtalia's head.

両親 が 命 を 掛けて 助けよう と して いる の が 幼い 彼女 でも 理解 できた らしい 。 りょうしん||いのち||かけて|たすけよう||||||おさない|かのじょ||りかい|| Even though she was young, she seemed to understand that her parents risked their lives to save her.

『 いや ぁ ! "No!

お 父さん ! |とうさん father ! お 母さん ! |かあさん ドン !

二 人 は 、 ラフタリア に 生きて 欲しい と 願い を 込めて 、 崖 から 海 へ 突き飛ばす 。 ふた|じん||||いきて|ほしい||ねがい||こめて|がけ||うみ||つきとばす The two wish Raphtalia to live and push her off a cliff into the sea.

ラフタリア は 突き飛ばさ れ 、 海 へ 落ちる 最中 、 化け物 たち が 両親 に 向 って 襲い 掛かる の を 目撃 して しまった 。 ||つきとばさ||うみ||おちる|さい なか|ばけもの|||りょうしん||むかい||おそい|かかる|||もくげき|| Raphtalia was pushed away, and as she fell into the sea, she witnessed the monsters attacking her parents.

これ を 語る ラフタリア の 顔色 が 青い 。 ||かたる|||かおいろ||あおい Raphtalia's face turned blue when she said this.

話す の も 辛い 記憶 な んだ と 思う 。 はなす|||からい|きおく||||おもう I think it's a painful memory to talk about.

「 それ から 私 は 海 に 落ちて 、 奇跡 的に 近く の 浜 に 流れ 着き ました 」 ||わたくし||うみ||おちて|きせき|てきに|ちかく||はま||ながれ|つき| "Then I fell into the sea and miraculously washed ashore nearby."

気 が 付いた 時 、 ラフタリア は 体 を 起こして 、 両親 を 探す ため に あの 崖 へ 足 を 運んだ らしい 。 き||ついた|じ|||からだ||おこして|りょうしん||さがす||||がけ||あし||はこんだ| When she came to her senses, Raphtalia got up and apparently went to that cliff to find her parents.

既に 化け物 は 国 が 出した 冒険 者 と 騎士 団 に よって 辛うじて 討伐 さ れて いた らしい 。 すでに|ばけもの||くに||だした|ぼうけん|もの||きし|だん|||かろうじて|とうばつ|||| It seems that the monster had already been subjugated by the adventurers and knights sent by the country.

死骸 の 転がる 荒野 を 歩き 、 やっと の 事 で 両親 と 別れた 崖 に たどり着いた 。 しがい||ころがる|こうや||あるき|||こと||りょうしん||わかれた|がけ||たどりついた After walking through a wasteland strewn with corpses, I finally reached the cliff where I left my parents.

そこ に は おびただしい 血 と …… 肉 の 切れ端 が 点々 と 転がって いた 。 ||||ち||にく||きれはし||てんてん||ころがって| There was a lot of blood and... scraps of meat scattered here and there.

両親 の 死 を 理解 した 時 、 ぷつり と ラフタリア の 中 で 何 か が 弾けた そうだ 。 りょうしん||し||りかい||じ|||||なか||なん|||はじけた|そう だ It seems that something burst inside Raphtalia when she realized that her parents had died.

「 イヤ ア ア ア ア ア ア ア アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア ! いや||||||||

その後 、 ラフタリア は 両親 の 死 を 心 の 傷 に し つつ も 健 気 に 頑張ろう と した 。 そのご|||りょうしん||し||こころ||きず|||||けん|き||がんばろう|| After that, Raphtalia tried to do her best despite the trauma of her parents' death.

今 の ラフタリア を 見る と 想像 も 付か ない が 、 元々 は 頑張り 屋 だった らしい 。 いま||||みる||そうぞう||つか|||もともと||がんばり|や|| Looking at the current Raphtalia, it's hard to imagine, but it seems she used to be a hard worker.

それ も 奴隷 生活 で 少しずつ 磨 耗 して いった のだろう 。 ||どれい|せいかつ||すこしずつ|みがく|もう||| It must have worn out little by little in slave life.

俺 と 出会う 道中 は 壮絶な もの であった 。 おれ||であう|どうちゅう||そうぜつな|| The road to meet me was spectacular.

生き残った 村人 と 一緒に 村 の 復興 を 目指し も した が 、 運 悪く 奴隷 狩り に 遭い 、 拷問 も 経験 した そうだ 。 いきのこった|むらびと||いっしょに|むら||ふっこう||まなざし||||うん|わるく|どれい|かり||あい|ごうもん||けいけん||そう だ He tried to rebuild the village together with the surviving villagers, but he was unlucky enough to be hunted by slaves and tortured.

やがて 、 あの サーカス テント の ような 場所 に 収監 さ れた と いう 。 ||さーかす|てんと|||ばしょ||しゅうかん|||| Before long, it is said that he was imprisoned in a place that looked like that circus tent.

逃げ なきゃ ! にげ| I have to run away! また パニック に 陥り かけて いる 。 |ぱにっく||おちいり|| I'm panicking again.

トラウマ の 原因 か 。 ||げんいん| Cause of trauma?

「 落ちつけ ! おちつけ

「 で 、 でも ──」

「 あれ は お前 の 両親 を 殺した 奴 じゃ ない 。 ||おまえ||りょうしん||ころした|やつ|| "That's not the guy who killed your parents.

頭 だって 二 つ だ ろ ! あたま||ふた||| You even have two heads! それ に …… お前 は 俺 を 誰 だ と 思って いる んだ ? ||おまえ||おれ||だれ|||おもって|| And... who do you think I am? 「 え ……」

「 俺 は 盾 の 勇者 だ 。 おれ||たて||ゆうしゃ|

今 まで だって 、 俺 は ずっと 、 お前 を 守って い ただ ろ ? いま|||おれ|||おまえ||まもって||| Until now, I've always protected you, right? だけど 、 俺 は お前 を 守る こと は 出来て も 、 敵 を 倒せ ない んだ 」 |おれ||おまえ||まもる|||できて||てき||たおせ|| But even if I can protect you, I can't defeat the enemy."

そっと ラフタリア の 頬 に 手 を 添える 。 |||ほお||て||そえる I gently place my hand on Raphtalia's cheek.

「 お前 の 両親 は 帰って こ ない 。 おまえ||りょうしん||かえって|| "Your parents aren't coming home.

だけど 、 お前 と 同じ 境遇 に なって しまい そうな 子 を 助ける 事 は 出来る 」 |おまえ||おなじ|きょうぐう||||そう な|こ||たすける|こと||できる However, I can help a child who is likely to end up in the same situation as you."

詭弁 だ な 。 きべん|| Sophistry.

俺 は 生き残り たい から 強く なり たい だけ だ 。 おれ||いきのこり|||つよく|||| I want to survive, so I just want to be strong. だけど ラフタリア に とって 波 と いう の は 災厄 だ 。 ||||なみ|||||さいやく| But for Raphtalia, waves are a disaster.

「 俺 に 出来る の は お前 が 最大 限 戦える 環境 を 整える だけ 、 それ でも イヤ なら …… 前 に も 言った よ な 」 おれ||できる|||おまえ||さいだい|げん|たたかえる|かんきょう||ととのえる||||いや||ぜん|||いった|| "All I can do is create an environment where you can fight as much as possible, but if you still don't like it... I told you before."

「 う 、 うん ! " No !

「 ガア ! "Gaah!

犬 が どうやら 追いついて きた ようだ 。 いぬ|||おいついて|| The dog seems to have caught up.

「 とにかく 、 戦え ない の なら 下がって ここ から 出ろ 」 |たたかえ||||さがって|||でろ "Anyway, if you can't fight, back off and get out of here."

「 ご 主人 様 は ? |あるじ|さま| "What about your master?

「 俺 は コイツ の 注意 を ひいて から 逃げる ! おれ||||ちゅうい||||にげる "I'll get this guy's attention and run away!

「 そんな ! "That's right!

「 しょう が ないだ ろ 、 俺 は 守る 事 は 出来て も 戦え ない んだ 」 ||||おれ||まもる|こと||できて||たたかえ|| "There is no shower, I can protect it, but I can not fight."

「 行っちゃ イヤ ! おこなっちゃ|いや "I don't want to go!

「 じゃあ どう する んだ ? "Then what are you going to do?

このまま 死ね と ? |しね| Do you want me to die like this? 「…… イヤ ! いや

ラフタリア が 剣 を 強く 持って 、 犬 の 横 に 回り 込んで 突き刺した 。 ||けん||つよく|もって|いぬ||よこ||まわり|こんで|つきさした Raphtalia held her sword strongly, went around to the side of the dog and stabbed it.

「 キャン ! "Can!

犬 が 悲鳴 を 上げる 。 いぬ||ひめい||あげる A dog screams.

「 死んじゃ ダメ ! しんじゃ|だめ "Don't die!

「…… 死な ない さ 、 俺 が 死ぬ とき は 攻め手 から 、 お前 を 守り 切れ なかった 時 だろう な 」 しな|||おれ||しぬ|||せめて||おまえ||まもり|きれ||じ|| "... I won't die. When I die, it will be when I can't protect you from the attackers."

死な ない ため に 、 俺 は 強く なり たい んだ 。 しな||||おれ||つよく||| In order not to die, I want to become strong.

こんな 所 で 死んで たまる か ! |しょ||しんで|| You can't stand to die in a place like this!

犬 が ラフタリア に 向かって 噛みつこう と して くる 。 いぬ||||むかって|かみつこう||| A dog is trying to bite Raphtalia.

咄嗟に ロープシールド に 変えて 唱える 。 とっさに|||かえて|となえる Immediately change to a rope shield and chant.

「 エアストシールド !

その 直後 に 戦闘 用 の 盾 に 変化 。 |ちょくご||せんとう|よう||たて||へんか Immediately after that, it changed into a battle shield.

思い切り 犬 の 体 に 組み ついた 。 おもいきり|いぬ||からだ||くみ| I grabbed onto the dog's body with all my might.

「 ガァア !?」 "Gaaa!?"

ラフタリア に 噛み つけ ず 、 俺 に 組み つかれて 犬 は 吠える 。 ||かみ|||おれ||くみ|つか れて|いぬ||ほえる Without biting Raphtalia, the dog barks at me.

もう 一 つ の 頭 が 俺 の 肩 に 食らいつく 。 |ひと|||あたま||おれ||かた||くらいつく Another head clings to my shoulder.

痛み と 共に 鮮血 が 飛び散る 。 いたみ||ともに|せんけつ||とびちる Fresh blood splattered with pain.

「 ご 主人 様 !?」 |あるじ|さま

「 落ちつけ ! おちつけ "Calm down!

まだ 大丈夫だ ! |だいじょうぶだ It's still okay! 防御 力 と やら は 相当な 効果 らしい な 。 ぼうぎょ|ちから||||そうとうな|こうか|| The defensive power seems to have a considerable effect.

あんな 鋭い 牙 で 噛ま れて いる のに 致命 傷 に なら ない と は 。 |するどい|きば||かま||||ちめい|きず||||| I didn't think that being bitten by such sharp fangs wouldn't result in a fatal injury.

これ も 盾 の 力 だろう 。 ||たて||ちから|

流血 こそ して いる が 痛み は 耐え られ ない 程 じゃ ない 。 りゅうけつ|||||いたみ||たえ|||ほど|| I'm bleeding, but the pain isn't unbearable.

「 はい !

ラフタリア は 渾身 の 力 を 込めて 、 隙 を 作った 犬 の 心臓 の ある 位置 を 剣 で 突く 。 ||こんしん||ちから||こめて|すき||つくった|いぬ||しんぞう|||いち||けん||つく Raphtalia put all her strength into it and thrust her sword into the dog's heart.

「 でりゃ ああ ああ ああ ああ ああ ああ あ ああ ! "De ryari ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah ah!

ず ぶり と 音 を 立てて 犬 の 体 に 剣 は 突き刺さった 。 |||おと||たてて|いぬ||からだ||けん||つきささった With a loud noise, the sword pierced the dog's body.

「 ガアアアアアアアアアアアア ……」 “Gaaaaaaaaaaaaaaa……”

想像 以上 に 抵抗 する 犬 の 心臓 を ラフタリア は 何度 も 突き刺す 。 そうぞう|いじょう||ていこう||いぬ||しんぞう||||なんど||つきさす Raphtalia stabbed the dog's heart more than I could have imagined.

やがて 双 頭 の 黒い 犬 は 動か なく なり 、 倒れた 。 |そう|あたま||くろい|いぬ||うごか|||たおれた Before long, the two-headed black dog stopped moving and fell down.

「 は ぁ …… は ぁ ……」

「 よく 、 やった ぞ 」 "Well done."

血まみれに なった ラフタリア と 俺 。 ちまみれに||||おれ Raftalia and me who was bloody.

俺 は ラフタリア の 頭 を 撫でる 。 おれ||||あたま||なでる I pat Raftalia's head.

「 ご 主人 様 …… 絶対 に 、 死な ないで 、 私 に …… 居場所 を 」 |あるじ|さま|ぜったい||しな||わたくし||いばしょ| "Master... absolutely, don't die, give me... a place to belong."

つたない 言葉 で ラフタリア は 俺 に 状況 の 維持 を 懇願 する 。 |ことば||||おれ||じょうきょう||いじ||こんがん| With clumsy words, Raphtalia begs me to maintain the situation.

奴隷 生活 は 大変だった のだろう 。 どれい|せいかつ||たいへんだった| Slave life must have been hard.

普通に 考えて 戻り たく は ない はずだ 。 ふつうに|かんがえて|もどり|||| Thinking about it normally, you shouldn't want to go back.

環境 に 不満 は ない 。 かんきょう||ふまん|| I have no complaints about the environment.

だから 評価 して ほしい か ……。 |ひょうか||| That's why I want you to rate me...

俺 と して も 簡単に 手放す つもり は ない 。 おれ||||かんたんに|てばなす||| I will not let go, even if I am easy.

そして 要求 する 事 は 戦う こと だけ だ 。 |ようきゅう||こと||たたかう||| And all you need to do is fight.

「 ご 主人 様 …… まだ 、 お 名前 を 聞いて ませ ん よ ね ? |あるじ|さま|||なまえ||きいて|||| "Master... you haven't heard my name yet, have you?

「 ああ 、 そう だった な 。 "Oh, that's right.

岩谷 尚 文 、 岩谷 が 姓 で 名前 は 尚 文 だ 」 いわたに|しよう|ぶん|いわたに||せい||なまえ||しよう|ぶん| Naofumi Iwatani, my surname is Iwatani and my name is Naofumi.”

「 ナオフミ …… 様 …… 改めて よろしく お 願い し ます 」 |さま|あらためて|||ねがい|| "Naofumi... Dear... Thank you again."

ぺこ り と 頭 を 下げた ラフタリア が そう 俺 に 言った 。 |||あたま||さげた||||おれ||いった That's what Raphtalia told me, bowing her head.

名前 …… か 。 なまえ| Name... huh?

勇者 様 と 呼ば れる より は 遥かに マシ だ な 。 ゆうしゃ|さま||よば||||はるかに||| It's far better than being called Hero-sama.

解体 して ……。 かいたい| Dismantle it....

犬 を 解体 する って 、 あんまり 気持 が 良い もの じゃ ない な 。 いぬ||かいたい||||きもち||よい|||| Dismantling a dog doesn't feel so good.

結果 。 けっか Result.

皮 製 で 、 頭 の 部分 が 生きて いる ような 迫力 が ある 。 かわ|せい||あたま||ぶぶん||いきて|||はくりょく|| It is made of leather and has a powerful head that looks like it is alive.

能力 は 程々に 高い な 。 のうりょく||ほどほどに|たかい| Her ability is moderately high.

悪く は ない だろう 。 わるく||| It's not bad.

アラートシールド って な んだ ? What is Alert Shield?

専用 効果 の ドッグバイト と いう の も 気 に なる 。 せんよう|こうか|||||||き|| I'm also curious about the special effect Dog Bite.

後 で 調べて おこう 。 あと||しらべて| I'll find out later.

ひんやり した 感覚 と 共に 徐々に 傷 が 治って いく の を 感じた 。 ||かんかく||ともに|じょじょに|きず||なおって||||かんじた Along with the cooling sensation, I felt the wound gradually heal.

宿 に 戻ったら 、 回復 魔法 と か が 使える 冒険 者 に 金 を 払って 治して もらう か 。 やど||もどったら|かいふく|まほう||||つかえる|ぼうけん|もの||きむ||はらって|なおして|| When I get back to the inn, should I pay an adventurer who can use healing magic to heal me?

そう いえば 、 この 世界 に 来て 初めて の 痛み だ 。 |||せかい||きて|はじめて||いたみ| Come to think of it, it's the first time I've felt pain since I came to this world.

やはり 、 痛み は ある んだ よ な 。 |いたみ||||| After all, there is pain.

戦え なく は ない けど …… やはり 痛い の は いやだ な 。 たたかえ||||||いたい|||| It's not like I can't fight... but I don't like the pain.

解体 して も 他の 部位 の 盾 は 出 ない の か …… もしくは 材料 と か Lv が 足り ない んだ な 。 かいたい|||たの|ぶい||たて||だ|||||ざいりょう|||lv||たり||| Doesn't the other part of the shield come out even if you dismantle it...or is there not enough materials or Lv?

「 さて 、 魔物 は 倒した し 、 鉱石 を 掘り に 行く か 」 |まもの||たおした||こうせき||ほり||いく| "Now that we've defeated the monsters, let's go dig some ore."

「 はい !

お ?

さっき より も 元気だ な 。 |||げんきだ| I feel better than before.

採掘 技能 1 を 持つ ツルハシ の 盾 に 変え 、 ツルハシ を 持って 、 廃 坑 の × 印 の 場所 を 掘る 。 さいくつ|ぎのう||もつ|||たて||かえ|||もって|はい|こう||いん||ばしょ||ほる Switch to a pickaxe shield with Mining skill 1 and, with pickaxe in hand, dig in the area marked with an X in an abandoned mine.

徐に 俺 は ツルハシ を 振り 上げる 。 おもむろに|おれ||||ふり|あげる Gradually I raise my pickaxe.

すると 壁 に 十字 に 輝く ポイント が 浮かび 上がる 。 |かべ||じゅうじ||かがやく|ぽいんと||うかび|あがる Then, a shining cross point appears on the wall. なんだ ? ここ に 突き 立てれば 良い の か ? ||つき|たてれば|よい|| Should I stick it here?

「 てい ! " attitude !

勢い を つけて 、 俺 は ツルハシ を 振るった 。 いきおい|||おれ||||ふるった Gaining momentum, I swung my pickaxe.

ガツン と いう 音 と 共に 壁 に ヒビ が 入る 。 |||おと||ともに|かべ||ひび||はいる The wall cracks with a bang.

その 亀裂 が メキメキ と 広がって 崩れた 。 |きれつ||めきめき||ひろがって|くずれた The crack widened and collapsed.

「 お わ !

凄く 脆い な ぁ この 壁 。 すごく|もろい||||かべ This wall is so fragile.

崩落 の 危険 性 を 視野 に 入れ ながら 、 鉱石 を 探す 。 ほうらく||きけん|せい||しや||いれ||こうせき||さがす Search for ore while keeping in mind the danger of collapse.

…… あんまり 芳しく ない な ぁ 。 |かんばしく||| ……It doesn't look very good.

と 、 何 回 か 掘り 進めて いく と 光る 鉱石 を 発掘 できた 。 |なん|かい||ほり|すすめて|||ひかる|こうせき||はっくつ| And after digging a few times, I was able to excavate a glowing ore.

「 ライトメタル ?

ライトメタル と いう 鉱石 が 出て きた 。 |||こうせき||でて| The ore called "light metal" was found.

これ が 高く 売れる 鉱石 な の か ……? ||たかく|うれる|こうせき||| Is this an ore that sells for a high price...?

純度 が 高 そうだ 。 じゅんど||たか|そう だ The purity seems to be high.

産出 量 は 良く ない けど 、 その 日 は 夕方 に なる まで 掘り 進め 、 十 個 ほど 見つけた 。 さんしゅつ|りょう||よく||||ひ||ゆうがた||||ほり|すすめ|じゅう|こ||みつけた The yield wasn't great, but that day I dug until evening and found about 10 of them.

あんまり 効率 は 良く な さ そうだ 。 |こうりつ||よく|||そう だ It doesn't look very efficient.

一 個 、 盾 に 吸わ せる 。 ひと|こ|たて||すわ| One is sucked into the shield.

必要 個数 が 足り ない っぽい 。 ひつよう|こすう||たり|| It looks like you don't have enough of them.

もう 一 個 。 |ひと|こ one more.

こりゃ あ 、 強い 魔物 と 戦う 時 は これ が 一 番 だ な 。 ||つよい|まもの||たたかう|じ||||ひと|ばん|| Well, this is the best when fighting strong monsters.

「 どう です か ? " how is it ?

「 ま 、 こんな 物 だ ろ 」 ||ぶつ|| "Well, it's something like this."

「 わかり ました 。 " understood .

じゃあ 帰り ましょう 。 |かえり| ナオフミ 様 」 |さま Dear Naofumi

ラフタリア が 俺 の 手 を 握って 前 を 歩こう と する 。 ||おれ||て||にぎって|ぜん||あるこう|| Raphtalia grabbed my hand and tried to walk in front of me.

「 絶対 に 、 生き残り ましょう ね 」 ぜったい||いきのこり|| "Absolutely, let's survive."

「 ああ 」

当たり前だ 。 あたりまえだ No wonder .

俺 は 生きて 元 の 世界 に 帰る んだ 。 おれ||いきて|もと||せかい||かえる| I will live and return to my original world. こんな 糞 みたいな 世界 で 死ぬ もん か 。 |くそ||せかい||しぬ|| I wonder if I die in such a dung like world.

やはり 高値 で 売れた 。 |たかね||うれた It still sold at a high price.

これ で 当分 の 活動 資金 や 装備 を 整え られる な 。 ||とうぶん||かつどう|しきん||そうび||ととのえ|| With this, we can prepare the funds and equipment for our activities for the time being.