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盾の勇者の成り上がり (The Rising of the Shield Hero ), 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 10

盾 の 勇者 の 成り 上がり 01 Chapter 10

十 話 お 子 様 ランチ

「 アン ちゃん ……」

武器 屋 に 顔 を 出す と 、 親父 が ラフタリア を 連れた 俺 を 見て 呆れた 様 な 声 を 絞り出す 。

そう 、 俺 が 欲しい の は 戦う 物 …… 攻撃 力 な のだ 。

武器 を 持た せ なければ 話 に なら ない 。

「 コイツ が 使え そうで 銀貨 六 枚 の 範囲 の 武器 を 寄越せ 」

「…… は ぁ 」

武器 屋 の 親父 は 深い 溜息 を 吐いた 。

「 国 が 悪い の か 、 それとも アン ちゃん が 汚れ ち まった の か …… まあ いい や 、 銀貨 六 枚 だ な 」

「 後 は 在庫 処分 の 服 と マント 、 まだ 残って る か ?

「…… 良い よ 。

オマケ して やる 」

武器 屋 の 親父 が 嘆かわしい と 呟き ながら 、 ナイフ を 数 本 持って くる 。

「 銀貨 六 枚 だ と コレ が 範囲 だ な 」

左 から 銅 、 青銅 、 鉄 の ナイフ だ 。

グリップ の 範囲 でも 値段 が 変わる ようだ 。

俺 は ラフタリア の 手 に 何度 も ナイフ を 持ち 比べ させ 、 一 番 持ち やす そうな ナイフ を 選ぶ 。

「 これ で 良い 」

ナイフ を 持た さ れて 顔面 蒼白 の ラフタリア は 俺 と 親父 に 視線 を 送る 。

「 ホラ 、 オマケ の 服 と マント 」

親父 は ぶっきらぼうに 俺 に オマケ の 品 を 渡し 、 更衣室 を 案内 する 。

ナイフ を 没収 した 後 、 ラフタリア に オマケ の 品 を 持た せて 行く 様 に 指示 する 。

よ ろ よ ろ と 咳 を し ながら ラフタリア は 更衣室 に 入り 、 着替えた 。

「…… 後 で 行水 でも さ せる か 」

草原 の 近く に 川 が 流れて いる 。

この 国 に 通る 川 は 上流 から 分岐 した 川 で 、 最近 で は 俺 の 生息 地域 は そこ に シフト して いる 。 魚 を 釣れば 食料 に も 困ら ない ので 良い 場所 だ 。

手掴み でも 取れる くらい 魚 が 居て 、 フィッシュシールド と 言う 解放 効果 、 釣り 技能 1 と いう 盾 も 既に 取得 して いる 。

おずおず と 着替え を 終えた ラフタリア は 俺 の 方 へ 無言 で 駈 け て くる 。

命令 無視 は 痛み を 伴う の が 分かって いる のだろう 。 俺 は ラフタリア の 視線 まで 腰 を 下ろして 話し かける 。

「 さて 、 ラフタリア 、 これ が お前 の 武器 だ 。

そして 俺 は お前 に 魔物 と 戦う 事 を 強要 する 。 分かる な ? 「……」

ラフタリア は 怯える 目 を 向け ながら コクリ と 頷く 。

そう し ない と 苦しく なる から だ 。

「 じゃあ 、 ナイフ を 渡す から ──」

俺 は マント の 下 で 食いついて いる オレンジバルーン を ラフタリア の 前 に 見せ付けて 取り出す 。

「 これ を 刺して 割れ 」

「 ヒィ !?」

俺 が 魔物 を 隠して いた 事 に ラフタリア は 武器 を 取り 落とし そうに なるほど 驚いた 声 を 上げる 。

「 え …… い …… いや 」

「 命令 だ 。

従え 」

「 い 、 いや 」

ブンブン と 首 を 振る ラフタリア 。

しかし ラフタリア に は 命令 を 拒む と 苦しむ 魔法 が 掛け られて いる 。

「 ぐ ……」

「 ほら 、 刺さ ない と 痛く なる の は お前 だ ぞ 」

「 コホ …… コホ !

苦痛 に 顔 を 歪ま せる ラフタリア は 震える 手 に 力 を 込めて 武器 を 握り締める 。

「 アンタ ……」

その 様子 を 武器 屋 の 親父 は 絶句 し ながら 見下ろして いた 。

ラフタリア は しっかり と 攻撃 の 意志 を 持って 、 俺 に 喰 ら いつく オレンジバルーン を 後ろ から 突き刺した 。

「 弱い !

もっと 力 を 入れろ ! 「……!? えい !

突き が 跳ね返さ れた ラフタリア は 驚き ながら 勢い を 込めて バルーン に もう 一 度 突き を 加える 。

大きな 音 を 立てて バルーン は 弾けた 。

ここ で 一 つ 、 俺 は 殺意 が 浮かんだ 。

あの クソ 女 。

俺 と 同行 して いる つもり も 無ければ システム 的な こと を する つもり すら なかった と いう 事 か 。

「 よし 、 良く やった 」

ラフタリア の 頭 を 撫でて やる 。

すると ラフタリア は 不思議 そうな 表情 を して 俺 に 顔 を 向けた 。

「 じゃあ 次 は これ だ 」

俺 に 一 週間 近く 喰 ら いついて いる 一 番 強い バルーン 。

レッドバルーン を 掴み 、 先ほど と 同じ ように 見せ付ける 。

一 週間 、 飲 まず 食わ ず で 噛み付いて いる レッドバルーン は 少し 弱って きて いる ようだ 。

これ なら Lv 1 の ひ弱な 少女 の 攻撃 だって 耐え られ ない だろう 。

コクリ と 頷いた ラフタリア は 先ほど より も しっかり した 目 で バルーン を 後ろ から 突き刺す 。

「 よし 、 どうやら 戦える ようだ な 、 行く と しよう 」

「…… コホ 」

武器 を 腰 に しまう ように 指示 を 出し 、 ラフタリア は 素直に 従う 。

「 あー あれ だ 。

言わ せて くれ 」

「 なんだ ?

親父 が 俺 を 睨み つけ ながら ほ ざ く 。

「 アンタ 、 絶対 、 ろくな 死に 方 し ない ぞ 」

「 お 褒め に 預かり 光栄です 」

嫌味に は 嫌味で 返して やった 。

店 を 出た 俺 は その 足 で 草原 の 方 へ 向 う 為 、 露店 街 を 進む 。

ラフタリア は 町並み を キョロキョロ と 見 ながら 手 を 繋いで 隣 を 歩く 。 その 途中 で 食い物 屋 の 屋台 の 匂い が 鼻 を 刺激 した 。

所持 銀貨 、 あと 三 枚 …… そう いえば 小 腹 が 空いて きた な 。

ぐう …… ラフタリア の 方 から そんな 音 が 聞こえて くる 。

顔 を 向ける と 。

「 あ !

ブンブン と 違う と 主張 して きた 。

何 を 我慢 して いる のだろう か 。

今 は 、 ラフタリア が 敵 を 仕留めて くれ ない と 俺 の 稼ぎ に なら ない 。

刃 の 無い ナイフ は 必要 無い 。 腹 が 空いて 力 が 出 ない ので は 困る 。 俺 は 手ごろな 定食 屋 を 探して 店 に 入った 。

「 いらっしゃい …… ませ !

ボロボロ の 格好な ので 、 店員 は 嫌な 顔 を し つつ 、 座る 場所 へ 案内 して くれる 。

その 途中 、 ラフタリア は 別の 席 に 座って いる 親子 を 眺めて いた 。

視線 の 先 は 子供 が おいし そうに 食べて いる お 子 様 ランチ の ような メニュー で 、 羨ま し そうに 指 を くわえて いる 。

アレ が 食べ たい の か 。

席 に 座った 俺 達 は 、 店員 が 去る 前 に 注文 する 。

「 えっ と 、 俺 は この 店 で 一 番 安い ランチ ね 。

こいつ に は 、 あそこ の 席 に いる 子供 が 食べて る メニュー で 」

「 え !?」

びっくり した 表情 で 俺 を 見つめる ラフタリア 。

何 か そんなに 驚く ような もの で も あった のだろう か ?

「 了解 し ました 。

銅貨 九 枚 です 」

「 ほ い 」

銀貨 を 渡し 、 お釣り を 貰う 。

ぼんやり と メニュー が 運ば れて くる の を 待ち ながら 店 内 を 見渡す 。

…… 俺 の 方 を 見 ながら ヒソヒソ と 内緒 話 を する 連中 が 多い な 。

まったく 、 とんだ 異 世界 だ 。

「 なん 、 で ?

「 ん ?

ラフタリア の 声 が 聞こえた ので 視線 を 下げる 。

すると ラフタリア は 不思議 そうな 顔 で 俺 を 見つめて いた 。 奴隷 に まともな 食い物 を 与えた 事 に 疑問 を 抱いて いる んだろう な 。

「 お前 が 食い たい って 顔 して た から だ ろ 。

別の を 食い たかった か ? ラフタリア は ブンブン と 頭 を 横 に 振る 。

「 なん 、 で 、 食べ させて くれる の ?

「 だ から 言って る だ ろ 、 お前 が 食べ たい って 顔 して いる から だ 」

「 でも ……」

何 を そんなに 意固地に なって いる の か 。

「 とにかく 飯 を 食って 栄養 を つけろ 。

そんな ガリガリ じゃ この先 、 死ぬ ぞ 」

まあ 、 死んだら それ まで の 稼ぎ で 新しい 奴隷 を 買う だけ だ けど な 。

「 お 待た せ し ました 」

しばらく して 注文 した メニュー が 運ば れて きた 。

俺 は ラフタリア の 前 に お 子 様 ランチ ? を 置いて 自分 の 飯 ( ベーコン 定食 ? ) に 手 を 伸ばす 。 うん 。 味 が し ない 。

みんな して 俺 を 嵌 め て いる の か と 疑い たく なる 程 、 味 が し なくて 不 味 い 定食 だ 。

周り は 美味 そうに 食べて いる が 、 頭 が おかしい と しか 思え ない 。

「……」

ラフタリア が お 子 様 ランチ ?

を 凝視 し ながら 固まって いる 。

「 食べ ない の か ?

「…… 良い の ?

「 は ぁ …… 良い から 食べろ 」

俺 の 命令 に ラフタリア の 顔 が 少し 歪む 。

「 うん 」

恐る恐る と 言った 様子 で ラフタリア は お 子 様 ランチ (?

) に 素手 で かぶり つく 。

ま 、 奴隷 だ から 育ち の 悪い の は しょうがない 。

何やら ヒソヒソ 話 が 大きく なって いる ような 気 が する けど 、 気 に する 必要 も 無い 。

チキンライス っぽい 主食 の 上 に ある 旗 を ラフタリア は 大事 そうに 握り ながら 、 もぐもぐ と 一心不乱 に 食べる 。

「 美味 いか ?

「 はい !

やはり 俺 だけ 味 が し ない の か ?

それとも こいつ も グル な の か ? 奴隷 紋 で 嘘 を 見破る か …… って この 奴隷 紋 自体 が 嘘 かも しれ ない んだ から 調べ よう が ない 。

俺 は そんな 奴隷 と の 食事 を し ながら 、 これ から の 方針 を 頭 に 浮かべて いる のだった 。


盾 の 勇者 の 成り 上がり 01 Chapter 10 たて||ゆうしゃ||なり|あがり|chapter Der Aufstieg der Schildhelden 01 Kapitel 10 The Rising of the Shield Hero 01 Chapter 10 Rise of the Shield Heroes 01 Capítulo 10 Rise of the Shield Heroes 01 Rozdział 10 盾之勇者成名录 01 第 10 章 盾之勇者成名錄 01 第 10 章

十 話   お 子 様 ランチ じゅう|はなし||こ|さま|らんち 10 story children's lunch

「 アン ちゃん ……」 "Ann-chan..."

武器 屋 に 顔 を 出す と 、 親父 が ラフタリア を 連れた 俺 を 見て 呆れた 様 な 声 を 絞り出す 。 ぶき|や||かお||だす||おやじ||||つれた|おれ||みて|あきれた|さま||こえ||しぼりだす When I showed up at the weapon shop, my father let out an exasperated voice when he saw me with Raphtalia.

そう 、 俺 が 欲しい の は 戦う 物 …… 攻撃 力 な のだ 。 |おれ||ほしい|||たたかう|ぶつ|こうげき|ちから|| That's right, what I want is something to fight with... attack power.

武器 を 持た せ なければ 話 に なら ない 。 ぶき||もた|||はなし||| It's no use unless you give them weapons.

「 コイツ が 使え そうで 銀貨 六 枚 の 範囲 の 武器 を 寄越せ 」 ||つかえ|そう で|ぎんか|むっ|まい||はんい||ぶき||よこせ "Give me a weapon within the range of 6 silver coins that this guy can use."

「…… は ぁ 」

武器 屋 の 親父 は 深い 溜息 を 吐いた 。 ぶき|や||おやじ||ふかい|ためいき||はいた The father of the weapon shop let out a deep sigh.

「 国 が 悪い の か 、 それとも アン ちゃん が 汚れ ち まった の か …… まあ いい や 、 銀貨 六 枚 だ な 」 くに||わるい|||||||けがれ||||||||ぎんか|むっ|まい|| "Is it the country's fault, or is it that Ann-chan has become dirty... well, it's six silver coins."

「 後 は 在庫 処分 の 服 と マント 、 まだ 残って る か ? あと||ざいこ|しょぶん||ふく||まんと||のこって|| "After that, do you still have the clothes and cloak from the stock clearance?

「…… 良い よ 。 よい| "... good.

オマケ して やる 」 I'll give you a bonus."

武器 屋 の 親父 が 嘆かわしい と 呟き ながら 、 ナイフ を 数 本 持って くる 。 ぶき|や||おやじ||なげかわしい||つぶやき||ないふ||すう|ほん|もって| The father of the weapon shop brought out several knives while muttering that it was deplorable.

「 銀貨 六 枚 だ と コレ が 範囲 だ な 」 ぎんか|むっ|まい|||||はんい|| "This is the range for six silver coins."

左 から 銅 、 青銅 、 鉄 の ナイフ だ 。 ひだり||どう|せいどう|くろがね||ないふ| From left to right: copper, bronze, and iron knives.

グリップ の 範囲 でも 値段 が 変わる ようだ 。 ||はんい||ねだん||かわる| The price seems to change depending on the grip range. 價格似乎也根據握力範圍而變動。

俺 は ラフタリア の 手 に 何度 も ナイフ を 持ち 比べ させ 、 一 番 持ち やす そうな ナイフ を 選ぶ 。 おれ||||て||なんど||ないふ||もち|くらべ|さ せ|ひと|ばん|もち||そう な|ないふ||えらぶ I have Raphtalia compare the knives in her hand many times and choose the knife that seems to be the easiest to hold.

「 これ で 良い 」 ||よい "This is fine"

ナイフ を 持た さ れて 顔面 蒼白 の ラフタリア は 俺 と 親父 に 視線 を 送る 。 ないふ||もた|||がんめん|そうはく||||おれ||おやじ||しせん||おくる Having a knife, facial pale rough terrier sends a line of sight to me and my father.

「 ホラ 、 オマケ の 服 と マント 」 |||ふく||まんと "Horror, bonus clothes and cloak"

親父 は ぶっきらぼうに 俺 に オマケ の 品 を 渡し 、 更衣室 を 案内 する 。 おやじ|||おれ||||しな||わたし|こういしつ||あんない| Father bluntly handed me a bonus item and showed me around the changing room.

ナイフ を 没収 した 後 、 ラフタリア に オマケ の 品 を 持た せて 行く 様 に 指示 する 。 ないふ||ぼっしゅう||あと|||||しな||もた||いく|さま||しじ| After confiscating the knife, instruct the rough terriers to bring the items of boneless. 沒收刀後,他指示拉芙塔莉亞多帶一些東西。

よ ろ よ ろ と 咳 を し ながら ラフタリア は 更衣室 に 入り 、 着替えた 。 |||||せき||||||こういしつ||はいり|きがえた Raphtalia stumbled into the changing room while coughing and changed.

「…… 後 で 行水 でも さ せる か 」 あと||ぎょうずい|||| "... do you want me to run water later?"

草原 の 近く に 川 が 流れて いる 。 そうげん||ちかく||かわ||ながれて| A river flows near the meadow.

この 国 に 通る 川 は 上流 から 分岐 した 川 で 、 最近 で は 俺 の 生息 地域 は そこ に シフト して いる 。 |くに||とおる|かわ||じょうりゅう||ぶんき||かわ||さいきん|||おれ||せいそく|ちいき||||しふと|| The river that runs through this country diverges from upstream, and recently my habitat has shifted there. 魚 を 釣れば 食料 に も 困ら ない ので 良い 場所 だ 。 ぎょ||つれば|しょくりょう|||こまら|||よい|ばしょ| It's a good place because if you catch fish, you won't have to worry about food.

手掴み でも 取れる くらい 魚 が 居て 、 フィッシュシールド と 言う 解放 効果 、 釣り 技能 1 と いう 盾 も 既に 取得 して いる 。 てづかみ||とれる||ぎょ||いて|||いう|かいほう|こうか|つり|ぎのう|||たて||すでに|しゅとく|| There are so many fish that you can grab it with your hand, and you've already acquired a release effect called Fish Shield and a shield called Fishing Skill 1.

おずおず と 着替え を 終えた ラフタリア は 俺 の 方 へ 無言 で 駈 け て くる 。 ||きがえ||おえた|||おれ||かた||むごん||く||| After timidly changing her clothes, Raphtalia runs towards me without a word.

命令 無視 は 痛み を 伴う の が 分かって いる のだろう 。 めいれい|むし||いたみ||ともなう|||わかって|| They probably know that ignoring orders is painful. 俺 は ラフタリア の 視線 まで 腰 を 下ろして 話し かける 。 おれ||||しせん||こし||おろして|はなし| I sit down to Raphtalia's line of sight and talk to her.

「 さて 、 ラフタリア 、 これ が お前 の 武器 だ 。 ||||おまえ||ぶき| "Now then, Raphtalia, this is your weapon.

そして 俺 は お前 に 魔物 と 戦う 事 を 強要 する 。 |おれ||おまえ||まもの||たたかう|こと||きょうよう| And I will force you to fight monsters. 分かる な ? わかる| Do you understand? 「……」 "......"

ラフタリア は 怯える 目 を 向け ながら コクリ と 頷く 。 ||おびえる|め||むけ||||うなずく Raphtalia nodded her head with frightened eyes.

そう し ない と 苦しく なる から だ 。 ||||くるしく||| It will be painful if you do not do so.

「 じゃあ 、 ナイフ を 渡す から ──」 |ないふ||わたす| "Well then, I'll give you the knife—"

俺 は マント の 下 で 食いついて いる オレンジバルーン を ラフタリア の 前 に 見せ付けて 取り出す 。 おれ||まんと||した||くいついて||||||ぜん||みせつけて|とりだす I show the orange balloon biting under my cloak in front of Raphtalia and take it out.

「 これ を 刺して 割れ 」 ||さして|われ "Stab this and break"

「 ヒィ !?」 "Hey!?"

俺 が 魔物 を 隠して いた 事 に ラフタリア は 武器 を 取り 落とし そうに なるほど 驚いた 声 を 上げる 。 おれ||まもの||かくして||こと||||ぶき||とり|おとし|そう に||おどろいた|こえ||あげる Raphtalia was so surprised that I was about to drop her weapon because I was hiding a monster. 拉芙塔莉雅驚訝得差點丟掉武器,以為我藏了怪物。

「 え …… い …… いや 」 "Eh... I... No."

「 命令 だ 。 めいれい| " that's an order .

従え 」 したがえ follow

「 い 、 いや 」 " No "

ブンブン と 首 を 振る ラフタリア 。 ||くび||ふる| Raphtalia shook her head.

しかし ラフタリア に は 命令 を 拒む と 苦しむ 魔法 が 掛け られて いる 。 ||||めいれい||こばむ||くるしむ|まほう||かけ|| However, Raphtalia has a spell that makes her suffer if she refuses to do so.

「 ぐ ……」 " ingredient ……"

「 ほら 、 刺さ ない と 痛く なる の は お前 だ ぞ 」 |ささ|||いたく||||おまえ|| "Here, you are painful if you do not get stabbed"

「 コホ …… コホ ! "Koho... Koho!

苦痛 に 顔 を 歪ま せる ラフタリア は 震える 手 に 力 を 込めて 武器 を 握り締める 。 くつう||かお||ゆがま||||ふるえる|て||ちから||こめて|ぶき||にぎりしめる With a pained expression on her face, Raphtalia squeezed her weapon tightly into her trembling hands.

「 アンタ ……」 "You..."

その 様子 を 武器 屋 の 親父 は 絶句 し ながら 見下ろして いた 。 |ようす||ぶき|や||おやじ||ぜっく|||みおろして| The father of the weapon shop was speechless as he looked down at the situation.

ラフタリア は しっかり と 攻撃 の 意志 を 持って 、 俺 に 喰 ら いつく オレンジバルーン を 後ろ から 突き刺した 。 ||||こうげき||いし||もって|おれ||しょく|||||うしろ||つきさした Raphtalia has a firm will to attack and thrusts an orange balloon from behind that eats me.

「 弱い ! よわい " weak !

もっと 力 を 入れろ ! |ちから||いれろ Put in more effort! 「……!?  えい ! "……!? ray !

突き が 跳ね返さ れた ラフタリア は 驚き ながら 勢い を 込めて バルーン に もう 一 度 突き を 加える 。 つき||はねかえさ||||おどろき||いきおい||こめて||||ひと|たび|つき||くわえる Surprised by the bounced back, Raphtalia charged the balloon with momentum.

大きな 音 を 立てて バルーン は 弾けた 。 おおきな|おと||たてて|||はじけた The balloon popped with a loud noise.

ここ で 一 つ 、 俺 は 殺意 が 浮かんだ 。 ||ひと||おれ||さつい||うかんだ At this point, murderous intent came to my mind.

あの クソ 女 。 |くそ|おんな That fucking woman.

俺 と 同行 して いる つもり も 無ければ システム 的な こと を する つもり すら なかった と いう 事 か 。 おれ||どうこう|||||なければ|しすてむ|てきな|||||||||こと| You didn't intend to accompany me, and you didn't even intend to do anything related to the system? 如果他沒有任何陪伴我的意思,他甚至沒有任何系統性做任何事的意思。

「 よし 、 良く やった 」 |よく| "Good job."

ラフタリア の 頭 を 撫でて やる 。 ||あたま||なでて| I stroke Raphtalia's head.

すると ラフタリア は 不思議 そうな 表情 を して 俺 に 顔 を 向けた 。 |||ふしぎ|そう な|ひょうじょう|||おれ||かお||むけた Then Raphtalia turned to face me with a strange expression.

「 じゃあ 次 は これ だ 」 |つぎ||| "Then next is this."

俺 に 一 週間 近く 喰 ら いついて いる 一 番 強い バルーン 。 おれ||ひと|しゅうかん|ちかく|しょく||||ひと|ばん|つよい| The strongest balloon that's been eating me for almost a week.

レッドバルーン を 掴み 、 先ほど と 同じ ように 見せ付ける 。 ||つかみ|さきほど||おなじ||みせつける Grab the red balloon and show it off just like before.

一 週間 、 飲 まず 食わ ず で 噛み付いて いる レッドバルーン は 少し 弱って きて いる ようだ 。 ひと|しゅうかん|いん||くわ|||かみついて||||すこし|よわって||| Drinking for a week, the red balloon biting without eating first seems to be getting weaker a bit. 已經一週沒吃沒喝的紅氣球,似乎有些虛弱了。

これ なら Lv 1 の ひ弱な 少女 の 攻撃 だって 耐え られ ない だろう 。 ||lv||ひよわな|しょうじょ||こうげき||たえ||| This would not be able to bear the weak girl 's attack by Lv 1. 如果真是這樣的話,我連一個弱小的Lv1少女的攻擊都抵擋不住。

コクリ と 頷いた ラフタリア は 先ほど より も しっかり した 目 で バルーン を 後ろ から 突き刺す 。 ||うなずいた|||さきほど|||||め||||うしろ||つきさす Raphtalia, who nodded her head, pierced the balloon from behind with a firmer gaze than before.

「 よし 、 どうやら 戦える ようだ な 、 行く と しよう 」 ||たたかえる|||いく|| "Okay, it looks like we can fight, let's go."

「…… コホ 」

武器 を 腰 に しまう ように 指示 を 出し 、 ラフタリア は 素直に 従う 。 ぶき||こし||||しじ||だし|||すなおに|したがう Raphtalia obediently obeyed the order to put the weapon on her waist.

「 あー あれ だ 。 "Oh, that's it.

言わ せて くれ 」 いわ|| Let me tell you. "

「 なんだ ? " what ?

親父 が 俺 を 睨み つけ ながら ほ ざ く 。 おやじ||おれ||にらみ||||| My father glares at me and smiles. 父親瞪著我說。

「 アンタ 、 絶対 、 ろくな 死に 方 し ない ぞ 」 |ぜったい||しに|かた||| "You will never die, I will never die" “你絕對不會死得很慘。”

「 お 褒め に 預かり 光栄です 」 |ほめ||あずかり|こうえいです "It's an honor to receive your compliment." “能夠得到您的稱讚,我感到非常榮幸。”

嫌味に は 嫌味で 返して やった 。 いやみに||いやみで|かえして| I responded with sarcasm with sarcasm.

店 を 出た 俺 は その 足 で 草原 の 方 へ 向 う 為 、 露店 街 を 進む 。 てん||でた|おれ|||あし||そうげん||かた||むかい||ため|ろてん|がい||すすむ After leaving the store, I head towards the grassland on my feet, so I proceed through the street stalls.

ラフタリア は 町並み を キョロキョロ と 見 ながら 手 を 繋いで 隣 を 歩く 。 ||まちなみ||||み||て||つないで|となり||あるく Raphtalia looked at the townscape restlessly while holding hands and walking beside her. その 途中 で 食い物 屋 の 屋台 の 匂い が 鼻 を 刺激 した 。 |とちゅう||くいもの|や||やたい||におい||はな||しげき| On the way, the smell of food stalls pungent my nose.

所持 銀貨 、 あと 三 枚 …… そう いえば 小 腹 が 空いて きた な 。 しょじ|ぎんか||みっ|まい|||しょう|はら||あいて|| I have three more silver coins... Now that I think about it, I'm getting hungry.

ぐう …… ラフタリア の 方 から そんな 音 が 聞こえて くる 。 |||かた|||おと||きこえて| Guuu... Raphtalia heard that sound.

顔 を 向ける と 。 かお||むける| when you turn your face

「 あ !

ブンブン と 違う と 主張 して きた 。 ||ちがう||しゅちょう|| I've been claiming it's different from Boom Boom.

何 を 我慢 して いる のだろう か 。 なん||がまん|||| I wonder what he holds.

今 は 、 ラフタリア が 敵 を 仕留めて くれ ない と 俺 の 稼ぎ に なら ない 。 いま||||てき||しとめて||||おれ||かせぎ||| Now, if Raphtalia doesn't kill the enemy, I won't be able to make any money. 現在,如果拉芙塔莉亞不殺掉敵人,我就賺不到錢。

刃 の 無い ナイフ は 必要 無い 。 は||ない|ないふ||ひつよう|ない You do not need a knife without a blade. 腹 が 空いて 力 が 出 ない ので は 困る 。 はら||あいて|ちから||だ||||こまる It would be a problem if you were hungry and didn't have the energy. 俺 は 手ごろな 定食 屋 を 探して 店 に 入った 。 おれ||てごろな|ていしょく|や||さがして|てん||はいった I went in looking for a reasonably priced set meal restaurant.

「 いらっしゃい …… ませ !

ボロボロ の 格好な ので 、 店員 は 嫌な 顔 を し つつ 、 座る 場所 へ 案内 して くれる 。 ぼろぼろ||かっこうな||てんいん||いやな|かお||||すわる|ばしょ||あんない|| I'm dressed in tatters, so the clerk gives me a disgusted look and guides me to a place to sit.

その 途中 、 ラフタリア は 別の 席 に 座って いる 親子 を 眺めて いた 。 |とちゅう|||べつの|せき||すわって||おやこ||ながめて| On the way, Raphtalia was looking at her parent and child sitting in another seat.

視線 の 先 は 子供 が おいし そうに 食べて いる お 子 様 ランチ の ような メニュー で 、 羨ま し そうに 指 を くわえて いる 。 しせん||さき||こども|||そう に|たべて|||こ|さま|らんち|||めにゅー||うらやま||そう に|ゆび||| Ahead of his gaze is a menu that looks like a children's lunch that children are eating deliciously, and he is holding his finger in his mouth enviously.

アレ が 食べ たい の か 。 ||たべ||| Do you want to eat it?

席 に 座った 俺 達 は 、 店員 が 去る 前 に 注文 する 。 せき||すわった|おれ|さとる||てんいん||さる|ぜん||ちゅうもん| We sit at the table, we will order before the clerk leaves.

「 えっ と 、 俺 は この 店 で 一 番 安い ランチ ね 。 ||おれ|||てん||ひと|ばん|やすい|らんち| "Well, I have the cheapest lunch at this restaurant.

こいつ に は 、 あそこ の 席 に いる 子供 が 食べて る メニュー で 」 |||||せき|||こども||たべて||めにゅー| For this guy, it's the menu that the kid over there is eating."

「 え !?」

びっくり した 表情 で 俺 を 見つめる ラフタリア 。 ||ひょうじょう||おれ||みつめる| Raphtalia stares at me with a surprised expression.

何 か そんなに 驚く ような もの で も あった のだろう か ? なん|||おどろく||||||| Was there anything so surprising? 有這麼令人驚訝的事嗎?

「 了解 し ました 。 りょうかい|| " I got it .

銅貨 九 枚 です 」 どうか|ここの|まい| It's nine copper coins."

「 ほ い 」 "Hoi"

銀貨 を 渡し 、 お釣り を 貰う 。 ぎんか||わたし|おつり||もらう Hand over the silver coin and get your change.

ぼんやり と メニュー が 運ば れて くる の を 待ち ながら 店 内 を 見渡す 。 ||めにゅー||はこば|||||まち||てん|うち||みわたす I absentmindedly waited for the menu to be brought out and looked around the store.

…… 俺 の 方 を 見 ながら ヒソヒソ と 内緒 話 を する 連中 が 多い な 。 おれ||かた||み||ひそひそ||ないしょ|はなし|||れんちゅう||おおい| …… There are a lot of people who are looking at me and whispering secrets.

まったく 、 とんだ 異 世界 だ 。 ||い|せかい| It's a totally different world.

「 なん 、 で ? " why ?

「 ん ?

ラフタリア の 声 が 聞こえた ので 視線 を 下げる 。 ||こえ||きこえた||しせん||さげる I lowered my gaze as I heard Raphtalia's voice.

すると ラフタリア は 不思議 そうな 顔 で 俺 を 見つめて いた 。 |||ふしぎ|そう な|かお||おれ||みつめて| Then Raphtalia stared at me with a puzzled look on her face. 奴隷 に まともな 食い物 を 与えた 事 に 疑問 を 抱いて いる んだろう な 。 どれい|||くいもの||あたえた|こと||ぎもん||いだいて||| You must have doubts about giving the slaves decent food.

「 お前 が 食い たい って 顔 して た から だ ろ 。 おまえ||くい|||かお||||| "Because you looked like you wanted to eat it.

別の を 食い たかった か ? べつの||くい|| Did you want to eat another? ラフタリア は ブンブン と 頭 を 横 に 振る 。 ||||あたま||よこ||ふる Raphtalia shakes her head sideways.

「 なん 、 で 、 食べ させて くれる の ? ||たべ|さ せて|| "What, are you going to let me eat? 「為什麼要讓我吃飯?

「 だ から 言って る だ ろ 、 お前 が 食べ たい って 顔 して いる から だ 」 ||いって||||おまえ||たべ|||かお|||| "That's why I'm telling you, because you look like you want to eat it."

「 でも ……」

何 を そんなに 意固地に なって いる の か 。 なん|||いこじに|||| What are you so obstinate about? 你這麼固執做什麼?

「 とにかく 飯 を 食って 栄養 を つけろ 。 |めし||くって|えいよう|| "Anyway, eat and get your nutrition.

そんな ガリガリ じゃ この先 、 死ぬ ぞ 」 |||このさき|しぬ| If you're so skinny, you'll die in the future."

まあ 、 死んだら それ まで の 稼ぎ で 新しい 奴隷 を 買う だけ だ けど な 。 |しんだら||||かせぎ||あたらしい|どれい||かう|||| Well, when I die, all I can do is buy new slaves with the earnings I've earned up until then. 好吧,如果我死了,我會用我賺的錢去買一個新奴隸。

「 お 待た せ し ました 」 |また||| " Sorry I made you wait "

しばらく して 注文 した メニュー が 運ば れて きた 。 ||ちゅうもん||めにゅー||はこば|| After a while, the menus we ordered were brought to us.

俺 は ラフタリア の 前 に お 子 様 ランチ ? おれ||||ぜん|||こ|さま|らんち I have a kid lunch before the rough terrier? 我可以在拉芙塔莉亞之前和孩子們一起吃午餐嗎? を 置いて 自分 の 飯 ( ベーコン 定食 ? |おいて|じぶん||めし|べーこん|ていしょく Put your own rice (bacon set meal? ) に 手 を 伸ばす 。 |て||のばす ). うん 。 味 が し ない 。 あじ||| It doesn't taste good.

みんな して 俺 を 嵌 め て いる の か と 疑い たく なる 程 、 味 が し なくて 不 味 い 定食 だ 。 ||おれ||かん|||||||うたがい|||ほど|あじ||||ふ|あじ||ていしょく| It is a set meal that I do not taste enough to want to suspect that everyone is fitting me. 套餐太平淡了,我懷疑大家是不是想騙我。

周り は 美味 そうに 食べて いる が 、 頭 が おかしい と しか 思え ない 。 まわり||びみ|そう に|たべて|||あたま|||||おもえ| I eat deliciously around, but I can only think that it is crazy.

「……」

ラフタリア が お 子 様 ランチ ? |||こ|さま|らんち Is Raphtalia the child's lunch?

を 凝視 し ながら 固まって いる 。 |ぎょうし|||かたまって| Staring while staring at.

「 食べ ない の か ? たべ||| "Don't you eat?

「…… 良い の ? よい| "…… good ?

「 は ぁ …… 良い から 食べろ 」 ||よい||たべろ "Well ... good to eat from good"

俺 の 命令 に ラフタリア の 顔 が 少し 歪む 。 おれ||めいれい||||かお||すこし|ゆがむ Raphtalia's face twisted a little at my order.

「 うん 」

恐る恐る と 言った 様子 で ラフタリア は お 子 様 ランチ (? おそるおそる||いった|ようす|||||こ|さま|らんち It seems terrible to say Raftalaria is a child lunch (? 拉芙塔莉亞一臉膽怯地去參加孩子們的午餐了(?

) に 素手 で かぶり つく 。 |すで||| ) With bare hands. )用你的雙手。

ま 、 奴隷 だ から 育ち の 悪い の は しょうがない 。 |どれい|||そだち||わるい||| Well, since he's a slave, it can't be helped that he was badly raised.

何やら ヒソヒソ 話 が 大きく なって いる ような 気 が する けど 、 気 に する 必要 も 無い 。 なにやら|ひそひそ|はなし||おおきく||||き||||き|||ひつよう||ない I feel like the whispering is getting louder, but there's no need to worry about it.

チキンライス っぽい 主食 の 上 に ある 旗 を ラフタリア は 大事 そうに 握り ながら 、 もぐもぐ と 一心不乱 に 食べる 。 ||しゅしょく||うえ|||き||||だいじ|そう に|にぎり||||いっしんふらん||たべる Raphtalia carefully grasped the flag on top of the chicken rice-like staple food and ate it wholeheartedly.

「 美味 いか ? びみ| "How about deliciousness?"

「 はい !

やはり 俺 だけ 味 が し ない の か ? |おれ||あじ||||| Am I the only one who can't taste it?

それとも こいつ も グル な の か ? Or is this guy a guru too? 奴隷 紋 で 嘘 を 見破る か …… って この 奴隷 紋 自体 が 嘘 かも しれ ない んだ から 調べ よう が ない 。 どれい|もん||うそ||みやぶる||||どれい|もん|じたい||うそ||||||しらべ||| Do you see a lie with a slave crest ... ... because this slave itself may be a lie, there is no way to investigate. 看奴隸徽章可以說謊嗎……奴隸徽章本身可能就是謊言,所以沒辦法查出來。

俺 は そんな 奴隷 と の 食事 を し ながら 、 これ から の 方針 を 頭 に 浮かべて いる のだった 。 おれ|||どれい|||しょくじ|||||||ほうしん||あたま||うかべて|| While having a meal with such a slave, I was thinking about my future policy.