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盾の勇者の成り上がり (The Rising of the Shield Hero ), 盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 06

盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 06

六 話 地雷 と いう 名 の 裏切り

夕方 、 城下町 に 戻った 俺 達 は 武器 屋 に また 顔 を 出した 。

「 お 、 盾 の アン ちゃん じゃ ない か 。

他の 勇者 達 も 顔 を 出して た ぜ 」

みんな この 店 で 買った の か 。

ホクホク 顔 の 親父 が 俺 達 を 出迎える 。

「 そうだ 。

これ って 何 処 で 買い取って くれる ? オレンジバルーン 風船 を 親父 に 見せる と 親父 は 店 の 外 の 方 を 指差した 。

「 魔物 の 素材 買取 の 店 が ある 。

そこ へ 持ち 込めば 大抵 の 物 は 買い取って くれる ぜ 」

「 ありがとう 」

「 で 、 次 は 何の 用 で 来た んだ ?

「 ああ 、 マイン …… 仲間 の 装備 を 買おう と 決めて さ 」

俺 が マイン に 視線 を 向ける と マイン は 店 内 の 装備 を ジッと 凝視 して いた 。

「 予算 額 は ?

手元 に 残って いる の は 銀貨 六八〇 枚 。

そこ から どれ だけ の 装備 品 を 買う と 良い か 。

「 マイン 、 どれ くらい に して おいた 方 が 良い ?

「……」

マイン は とても 真面目な 表情 で 装備 品 を 見比べて いる 。

まるで 俺 の 言葉 など 耳 に 入って い ない 。

宿 代 が どれ くらい か 分から ない けど 、 一 ヶ月 の 生活 費 は 残して おか なきゃ いけない だろう し な ぁ 。

「 お 連れ さん の 装備 ね ぇ …… 確かに 良い もの を 着 さ せた 方 が 強く なれる だろう さ 」

「 はい 」

どうも 俺 は 攻撃 力 と は 無縁の ようだ し 、 マイン に 装備 の 代金 を 集中 さ せる 方 が 良 さ そうだ 。

「 割と 値 が 張り そうだ から 雑談 し ながら 今 の うち に 値引き して やる 」

「 お 、 面白い こと を 抜かす 勇者 様 だ 」

「 八 割引 !

「 幾ら なんでも 酷 すぎる !

二 割 増 」

「 増えて る じゃ ねえ か !

七 割 九 分 」

「 商品 を 見て ね ぇ で 値切る 野郎 に は 倍 額 でも 惜しい ぜ !

「 ふ 、 抜かせ !

九 割引 ! 「 チッ !

二 割 一 分 増 ! 「 だ から 増やす な !

十 割引 」

「 それ は タダ って んだ アン ちゃん !

しょう が ねえ 五 分 引き 」

「 少ない !

九 割 二 分 ──」

それ から しばらく して 、 マイン は デザイン が 可愛らしい 鎧 と 妙に 高 そうな 金属 が 使わ れて いる 剣 を 持って きた 。

「 勇者 様 、 私 は この 辺り が 良い です 」

「 親父 、 合計 どれ くらい の 品 ?

六 割引 」

「 オマケ して 銀貨 四八〇 枚 で さ ぁ 、 これ 以上 は 負け られ ねえ 五 割 九 分 だ 」

マイン が 決める 前 に 行って いた 値切り 交渉 が 身 を 結び 、 値段 は 下げる こと が 出来た 。

でも 、 さすが に 残金 、 銀貨 二〇〇 枚 は 厳しく ない か ?

「 マイン …… もう ちょっと 妥協 でき ない か ?

俺 は 宿 代 と か 生活 費 が どれ だけ 掛かる か 分から ない んだ 」

「 大丈夫です よ 勇者 様 、 私 が 強く なれば それ だけ 魔物 を 倒した とき の 戦 利 品 で どうにか 出来 ます 」

目 を キラキラ 輝か せ 、 俺 の 腕 に 胸 を 当てて マイン は お ねだり を して くる 。

さすが は 異 世界 召喚 、 王道 展開 。

今 まで 女の子 に モテ た 事 が 無い 俺 で すら こんなに かわいい 子 が 隣 に いる 。

うん 。

マイン の 言う 通り 攻撃 力 が 重要 かも しれ ない な 。

「 しょ 、 しょうがない な ぁ ……」

銀貨 二〇〇 枚 、 考えて みれば 錬 や 元 康 、 樹 は 最低 三 人 は 連れて いる のだ 。

活動 費 は 元 より 装備 品 に だって 金 を 回さ せる の が やっと だろう 。

ともすれば 二〇〇 枚 あれば 一 ヶ月 生活 する に は 十分である 可能 性 は 高い 。

仲間 を 募集 する の は Lv アップ して 稼ぎ が 軌道 に 乗って から でも 悪く は 無い かも 。

「 よし 、 親父 、 頼んだ ぞ 」

「 ありがとう ご ざいや した 。

まったく 、 とんで も ね ぇ 勇者 様 だ 」

「 は は 、 商売 は 割と 好きな んで な 」

ネット ゲーム でも 俺 は 金 を 稼ぐ の が 好きだった 。

オークションイベント でも 出来る 限り 安く 買い 、 最も 高く 売る を 繰り返す 手腕 は ある と 思う 。 それ に 人間 相手 の 値切り ほど 簡単な もの は 無い だろう 。 分かり やすい 金額 が 目の前 に ある のだ から 。

「 ありがとう 勇者 様 」

ご機嫌な マイン が 俺 の 手 に キス を した 。

これ は 好感 度 アップ !

明日 から の 冒険 が 楽に なる 。

装備 を 新調 した マイン と 一緒に 俺 は 町 の 宿屋 に 顔 を 出した 。

一 泊 一 人 銅貨 三十 枚 か ……。

「 二 部屋 で 」

と 、 マイン が 言った 。

「 一 部屋 じゃ ない の ?

「 勇者 様 ……」

無言 の 圧力 を マイン が 出して くる 。

う …… しょうがない 。

「 じゃあ 二 部屋 で 」

「 は いはい 。

ご ひいき に お 願い し ます ね 」

宿屋 の 店主 が 揉み 手 を し ながら 俺 達 が 泊まる 部屋 を 教えて くれた 。

値段 基準 を 頭 に 叩き込み ながら 、 宿屋 に 並列 して いる 酒場 で 晩 食 を 取る 。 別 料金 の 食事 銅貨 五 枚 × 二 を 注文 した 。

「 そう いえば …… 今日 、 俺 達 が 戦って いた 草原 は ここ だ よ な 」

俺 は 帰りがけ に 購入 した 地図 を 広げて マイン に 聞いた 。

地図 に は この 辺り の 地形 が 記さ れて いる 。

錬 や 元 康 に 聞いた 方 が 良い の かも しれ ない が 、 昨日 の 態度 から 見る に 教えて くれ そうに 無い 。 あの 手 の 連中 は 他者 を 出し抜く の に ためらい が 無い のだ 。 俺 が 完全に 無知な の を 良い こと に 強力な 魔物 の 巣 へ 導か れて は たまった もの で は ない 。

だ から その 辺り を 知って い そうな マイン に 聞く 。

「 はい 。

そう です よ 」

「 昼間 の 話 から 推察 する に 、 草原 を 抜けた 森 辺り が 次の 狩場 か ?

地図 を 広げる と この 国 の 地形 が 大まかに 分かる 。

基本 的に 城 を 中心 に 草原 が 広がり 、 そこ から 森 へ 続く 道 と 山 へ 続く 道 、 他 に 川 へ 突き当たる 場所 や 村 に 続く 道 が ある のだ 。

あんまり 大きな 地図 で は ない ので 、 近く の 村 も そんなに 分から ない 。

森 の 先 に 何 が ある か この 地図 で は 予想 が 出来 ない が 、 これ から 行く 道 と 適性 の 魔物 が いる の を 予測 して おか なくて は 戦い よう が 無い 。

「 ええ 、 この 地図 に は 載って い ませ ん が 私 達 が 行こう と して いる の は 森 を 抜けた ラファン 村 です 」

「 ふむ …… そう か 」

「 ラファン 村 を 抜けた 先 辺り に 初心 者 冒険 者 用 の ダンジョン が ある んです よ 」

「 ダンジョン ……」

夢 が 広がる な !

ネトゲ 基準 だ と モンスター 狩り しか し ない けど 。

「 あまり 実入り は 無い でしょう が 勇者 様 が Lv を 上げる に は 良い 場所 か と 思い ます 」

「 なるほど ね 」

「 装備 も 新調 し ました し 、 勇者 様 の 防御 力 に も より ます が 楽勝 です 」

「 そう か 、 ありがとう 。

参考 に なった よ 」

「 いえいえ 、 ところで 勇者 様 ?

ワイン は 飲ま ない のです か ? 酒場 故 に 酒 が 料理 と 一緒に 運ば れて きた のだ が 、 俺 は まったく 手 を つけて い なかった 。

「 ああ 、 俺 は あんまり 酒 が 好きじゃ なくて な 」

飲め ない 訳 じゃ ない 。

むしろ 殆ど 酔わ ない くらい 酒 に 強い 体質 だ 。

だが 、 大学 の サークル と か の 飲み 会 で 、 みんな へ べ れ け に なって いる 中 、 飲んで いる の に 酔わ ず 、 シラフ で いる うち に 嫌いに なった 。

「 そう な んです か 、 でも 一 杯 くらい なら 」

「 悪い ね 。

本当 、 嫌いな んだ 」

「 でも ……」

「 ごめん な 」

「 そう 、 です か 」

残念 そうに マイン は ワイン を 引っ込めた 。

「 まあ 、 明日 から の 方針 を 相談 できて 助かった よ 。

今日 は 早 めに 休む から 」

「 はい 、 また 明日 」

食事 を 終えた 俺 は 騒がしい 酒場 を 後 に して 割り当て られた 部屋 に 戻る 。

さすが に 寝る とき まで くさり かた びら を 着けて いる わけに は いか ない 。

脱いで 椅子 に 立てかけて おく 。

「……」

銀貨 の 入った 袋 を 備え 付け の テーブル に 置いた 。

残り 銀貨 二〇〇 枚 か …… 先払い の 宿 だ から 一九九 枚 と ちょっと 。

少し 心もとない 気 が して 落ち着か ない の は 俺 に 貧乏 人 根性 でも 染み付いて いる から だろう か 。

観光 地 に 行く 日本 人 の 如く 、 俺 は 銀貨 を 三十 枚 ほど 盾 の 中 に 隠す 。

うん 。

なんとなく 安心 した ような 気 が して きた 。

今日 は 色々 あった な ぁ 。

魔物 を 倒す 手ごたえ って あんな 感じ な の か 。

風船 を 割って いた だけ と しか 言い 様 が 無い けど 。

ベッド に 腰掛け 、 そのまま 横 に なる 。

見 慣れ ない 天井 。

昨日 も そう だった けど 、 俺 は 異 世界 に 来た んだ 。

ワクワク が 収まら ない 。

これ から 俺 の 輝かしい 日々 が 幕 を 開けて いく んだ 。 そりゃ あ 他の 勇者 仲間 に は 出遅れて いる けれど 、 俺 に は 俺 の 道 が ある 。 何も 最強 を 目指す 必要 は 無い 。 出来る 事 を やって いけば いい 。

なんだか …… 眠く なって 来た な 。

酒場 の 方 から 楽し げな 声 が 聞こえて くる 。

元 康 っぽい 声 や 樹 らしき 奴 が 雑談 を し ながら 部屋 の 前 を 通り 過ぎた ような 気 が した 。

あいつ ら も ここ を 宿 に した の か な 。

室 内 用 の ランプ に 手 を 伸ばして 消す 。

少し 早い けど 、 寝る と しよう ……。

チャリチャリ ……。

ん ~…… なんだ ぁ 、 今 の 音 ?

酒場 の 奴 等 、 まだ 騒いで いる の か ?

むに ゃ ……。

ゴソゴソ ………… 服 が 引っぱら れる 。

「 フフフ …… 馬鹿な 男 、 騙さ れちゃ って …… 明日 が 楽しみだ わ 」

誰 だろう ?

夢 か ……?

「 ん ?

寒い な ぁ ……。

陽光 が 顔 を 照らし 、 朝 である の を 俺 に 知らせる 。

寝ぼけ ま な こ を 凝らし ながら 起き上がって 窓 の 外 に 目 を 向ける 。 思いのほか 寝入って しまって いた らしい 。 太陽 が それなり に 高く なって きて いる 。

体 内 時計 に よる と 、 九 時 位 か な 。

「 あれ ?

何時の間にか 服装 が インナー だけ に なって いた 。

無意識に 脱いだ かな ?

まあ 、 いい や 。

外 の 景色 に 目 を 移す と 、 当たり前の ように 人々 が 通り を 行き交って いる 。

昼食 の 準備 に と 定食 屋 や 出店 が 大忙しで 材料 を 調理 して いる 光景 や 、 馬車 が トコトコ と 道 を 進んで いる 光景 を 見る と 、 何度 だって 俺 は 夢心地 の 気分 に なる こと が できた 。

ああ 、 本当に 異 世界 と は 素晴らしい 。

城下町 を 走る 馬車 に は 複数 の 種類 が ある らしい 。

鳥 は ダチョウ の ような 、 某 ゲーム で 言う 所 の チョ ○ ボ みたいな 生き物 だ 。 どちら か と いえば 馬 の 方 が 高級 品 の ようだ 。 時々 、 牛 が 引いて いたり と 、 なんとも 中世 チック で 素晴らしい な 。

「 さて 、 そろそろ 飯 に でも して 旅立つ か 」

脱いだ はずの 服 を 探して ベッド を 調べる 。

…… おかしい な 。

無い ぞ ?

椅子 に 立てかけて いた くさり かた びら も …… 何 処 に も 無い 。

テーブル に 置いた 銀貨 を 入れた 袋 も 無くなって いる !

しかも 予備 の 着替え に と 残して おいた 俺 の 私服 さえ 無い !

「 な ……」

まさか !

枕 荒らし か !? 寝て いる 最中 に 泥棒 を 働く と は 笑 止 千万 だ !

この 宿 …… 警備 が まったく 行き届いて い ない と は 何事 か !

とにかく 、 仲間 である マイン に 急いで 伝え ない と !

バンッ !

と 俺 は 扉 を 開けて 、 隣 で 寝て いる はずの マイン の 部屋 の 戸 を 叩く 。

「 マイン !

大変だ ! 俺 達 の 金 と 俺 の 装備 が ! ドンドンドン !

何度 叩いて も 一向に マイン が 出る 気配 が 無い 。

ザッザッザ !

なにやら 騒がしい 足音 が 近づいて くる 。

見る と 城 の 騎士 達 が 俺 の 方 へ やってきた 。 コレ は 闇夜 に 提灯 。 枕 荒らし に 遭った 事 を 説明 して 、 犯人 を 捕まえて もらおう 。

より に よって 勇者 の 寝 首 を 掻いて 泥棒 と は とんだ 馬鹿 が 居た もの だ 。

「 あなた 達 は 城 の 騎士 だった よ な 、 ちょっと 話 を 聞いて くれ ない か !

俺 は 騎士 の 方 を 向いて 懸命に アピール する 。

マイン 、 早く 部屋 から 出て きて くれ 、 今 大変な 事 が 起こって る んだ 。

「 盾 の 勇者 だ な !

「 そう 、 だけど 」

なんだ よ 。

妙に 敵 愾心 を 感じる 応答 だ な 。

「 王様 から 貴 様 に 召集 命令 が 下った 。

ご 同行 願おう 」

「 召集 命令 ?

いや 、 それ より も 俺 、 枕 荒らし に 遭 っ ち まったん だ 。 犯人 を ──」

「 さあ 、 さっさと 付いて 来い !

ぐ いっと 力強く 引っ張ら れる 。

「 痛い って !

話 を 聞けよ 」

騎士 達 は 俺 の 腕 を 掴む と 半ば 無理やり 連行 して いく 。

ほとんど 下着 だって いう のに な んだ よ 。

この 扱い は !

「 おい 、 マイン !

早く ──」

騎士 達 は 俺 の 事情 を 聞か ず 、 俺 は マイン を 宿屋 に 置いて 城 へ 強制 送還 さ れた 。

先ほど の 馬車 は 俺 を 連れて 行く ため に 来た 物 であった らしい 。

こうして 俺 は 訳 の 解ら ない まま 、 まるで 犯罪 者 でも 見る か の 様 な 視線 を 受け 続けた 。

盾の勇者の成り上がり 01 Chapter 06 たて の ゆうしゃ の なり あがり|chapter Aufstieg der Schildhelden 01 Kapitel 06 The Rising of the Shield Hero 01 Chapter 06 Rise of the Shield Heroes 01 Capítulo 06 L'ascesa degli eroi dello scudo 01 Capitolo 06 Rise of the Shield Heroes 01 Rozdział 06 盾之勇者成名錄 01 第 06 章

六 話   地雷 と いう 名 の 裏切り むっ|はなし|じらい|||な||うらぎり Betrayal of the name six-talk mine

夕方 、 城下町 に 戻った 俺 達 は 武器 屋 に また 顔 を 出した 。 ゆうがた|じょうかまち||もどった|おれ|さとる||ぶき|や|||かお||だした In the evening, we returned to the castle town and visited the weapon shop again.

「 お 、 盾 の アン ちゃん じゃ ない か 。 |たて|||||| "Oh, isn't that Ann-chan from the shield?

他の 勇者 達 も 顔 を 出して た ぜ 」 たの|ゆうしゃ|さとる||かお||だして|| The other heroes also showed their faces."

みんな この 店 で 買った の か 。 ||てん||かった|| Did everyone buy at this store?

ホクホク 顔 の 親父 が 俺 達 を 出迎える 。 ほくほく|かお||おやじ||おれ|さとる||でむかえる A warm-faced father greets us.

「 そうだ 。 そう だ " That's it .

これ って 何 処 で 買い取って くれる ? ||なん|しょ||かいとって| Where can I buy this? オレンジバルーン 風船 を 親父 に 見せる と 親父 は 店 の 外 の 方 を 指差した 。 |ふうせん||おやじ||みせる||おやじ||てん||がい||かた||ゆびさした When I showed the orange balloon to my father, he pointed to the outside of the store.

「 魔物 の 素材 買取 の 店 が ある 。 まもの||そざい|かいとり||てん|| "There's a shop that buys monster materials.

そこ へ 持ち 込めば 大抵 の 物 は 買い取って くれる ぜ 」 ||もち|こめば|たいてい||ぶつ||かいとって|| If you bring it there, they'll buy most things for you."

「 ありがとう 」 " Thank you "

「 で 、 次 は 何の 用 で 来た んだ ? |つぎ||なんの|よう||きた| "So what are you here for next?

「 ああ 、 マイン …… 仲間 の 装備 を 買おう と 決めて さ 」 ||なかま||そうび||かおう||きめて| "Oh, Mine... I decided to buy some equipment for my comrades."

俺 が マイン に 視線 を 向ける と マイン は 店 内 の 装備 を ジッと 凝視 して いた 。 おれ||||しせん||むける||||てん|うち||そうび||じっと|ぎょうし|| When I turned my gaze to Mine, Mine was staring at the equipment in the store.

「 予算 額 は ? よさん|がく| "What's your budget?

手元 に 残って いる の は 銀貨 六八〇 枚 。 てもと||のこって||||ぎんか|ろくはち|まい I have 680 silver coins left in my hand.

そこ から どれ だけ の 装備 品 を 買う と 良い か 。 |||||そうび|しな||かう||よい| How much equipment should I buy from there?

「 マイン 、 どれ くらい に して おいた 方 が 良い ? ||||||かた||よい "Mine, how long should I keep it?

「……」

マイン は とても 真面目な 表情 で 装備 品 を 見比べて いる 。 |||まじめな|ひょうじょう||そうび|しな||みくらべて| Mine is comparing the equipment with a very serious expression.

まるで 俺 の 言葉 など 耳 に 入って い ない 。 |おれ||ことば||みみ||はいって|| It's as if they didn't listen to my words.

宿 代 が どれ くらい か 分から ない けど 、 一 ヶ月 の 生活 費 は 残して おか なきゃ いけない だろう し な ぁ 。 やど|だい|||||わから|||ひと|かげつ||せいかつ|ひ||のこして||||||| I don't know how much the lodging fee will be, but I think I'll have to set aside a month's living expenses. 我不知道住宿费是多少,但我想我应该留下一个月的生活费。

「 お 連れ さん の 装備 ね ぇ …… 確かに 良い もの を 着 さ せた 方 が 強く なれる だろう さ 」 |つれ|||そうび|||たしかに|よい|||ちゃく|||かた||つよく||| "Your companion's equipment... It's true that wearing good clothes will make you stronger." “你同伴的装备是不是……穿上好东西,我相信你会变得更强。”

「 はい 」

どうも 俺 は 攻撃 力 と は 無縁の ようだ し 、 マイン に 装備 の 代金 を 集中 さ せる 方 が 良 さ そうだ 。 |おれ||こうげき|ちから|||むえんの|||||そうび||だいきん||しゅうちゅう|||かた||よ||そう だ It seems that I have nothing to do with offensive power, so it seems better to concentrate the money for the equipment on Mine. 看来我和攻击力无关,装备的价格还是集中在我身上就好了。

「 割と 値 が 張り そうだ から 雑談 し ながら 今 の うち に 値引き して やる 」 わりと|あたい||はり|そう だ||ざつだん|||いま||||ねびき|| "Because it seems that value is likely to rise, I will discount it now while chatting." “因为价格好像比较高,我边聊边给你打折。” “看來價格會很貴,所以我們邊聊邊給你打折。”

「 お 、 面白い こと を 抜かす 勇者 様 だ 」 |おもしろい|||ぬかす|ゆうしゃ|さま| "Oh, you're a hero who misses interesting things." “哦,你是个勇敢的人,会跳过有趣的事情。”

「 八 割引 ! やっ|わりびき "Eight discount! “八折!

「 幾ら なんでも 酷 すぎる ! いくら||こく| "No matter how you look at it, it's too cruel! “无论多么可怕!

二 割 増 」 ふた|わり|ぞう 20% increase

「 増えて る じゃ ねえ か ! ふえて|||| "Isn't it increasing! “是不是越来越多了!

七 割 九 分 」 なな|わり|ここの|ぶん 70% 90%"

「 商品 を 見て ね ぇ で 値切る 野郎 に は 倍 額 でも 惜しい ぜ ! しょうひん||みて||||ねぎる|やろう|||ばい|がく||おしい| "It's a shame even if it's double the price for a haggling bastard who hasn't seen the product! “一个看产品就降价的家伙,翻倍的价格是一种耻辱! 「如果付雙倍的價格給那些看著產品然後討價還價的人,那就太可惜了!

「 ふ 、 抜かせ ! |ぬかせ "Fu, get it out! “哼,拔出来吧!

九 割引 ! ここの|わりびき Nine discounts! 「 チッ ! “千!

二 割 一 分 増 ! ふた|わり|ひと|ぶん|ぞう Twenty percent increase one minute! 多出 20%! 「 だ から 増やす な ! ||ふやす| "So don't increase it! “所以不要增加它!

十 割引 」 じゅう|わりびき Ten discounts 十折”

「 それ は タダ って んだ アン ちゃん ! ||ただ|||| "It's free, Ann-chan! “那是免费的,小安!

しょう が ねえ 五 分 引き 」 |||いつ|ぶん|ひき It's gone rice cake " Shoga嘿五分钟折扣“

「 少ない ! すくない " Few ! “ 很少 !

九 割 二 分 ──」 ここの|わり|ふた|ぶん 90% two minutes ─ ─ "

それ から しばらく して 、 マイン は デザイン が 可愛らしい 鎧 と 妙に 高 そうな 金属 が 使わ れて いる 剣 を 持って きた 。 ||||||でざいん||かわいらしい|よろい||みょうに|たか|そう な|きんぞく||つかわ|||けん||もって| After a while, Mine brought a sword whose design is lovely armor and strangely high metal is used. 一段时间后,我带来了一把剑,它有着精美的盔甲和昂贵的金属。

「 勇者 様 、 私 は この 辺り が 良い です 」 ゆうしゃ|さま|わたくし|||あたり||よい| "Hero-sama, I like this area."

「 親父 、 合計 どれ くらい の 品 ? おやじ|ごうけい||||しな "Father, how many items in total?

六 割引 」 むっ|わりびき Six discounts "

「 オマケ して 銀貨 四八〇 枚 で さ ぁ 、 これ 以上 は 負け られ ねえ 五 割 九 分 だ 」 ||ぎんか|しはち|まい|||||いじょう||まけ|||いつ|わり|ここの|ぶん| "I'll give you 480 silver coins as a bonus, and I can't lose any more than this, so it's 59%."

マイン が 決める 前 に 行って いた 値切り 交渉 が 身 を 結び 、 値段 は 下げる こと が 出来た 。 ||きめる|ぜん||おこなって||ねぎり|こうしょう||み||むすび|ねだん||さげる|||できた The bargaining negotiations that Mine had been doing before deciding paid off, and I was able to lower the price. 在梅茵做出決定之前的討價還價談判取得了成功,價格得以降下來。

でも 、 さすが に 残金 、 銀貨 二〇〇 枚 は 厳しく ない か ? |||ざんきん|ぎんか|ふた|まい||きびしく|| But, as expected, the remaining balance, 200 silver coins, isn't it tough?

「 マイン …… もう ちょっと 妥協 でき ない か ? |||だきょう||| "Mine... can't we compromise a little more?

俺 は 宿 代 と か 生活 費 が どれ だけ 掛かる か 分から ない んだ 」 おれ||やど|だい|||せいかつ|ひ||||かかる||わから|| I don't know how much the lodging and living expenses will cost."

「 大丈夫です よ 勇者 様 、 私 が 強く なれば それ だけ 魔物 を 倒した とき の 戦 利 品 で どうにか 出来 ます 」 だいじょうぶです||ゆうしゃ|さま|わたくし||つよく||||まもの||たおした|||いくさ|り|しな|||でき| "It's okay hero-sama, if I become stronger, I can do something about it with the spoils from defeating monsters."

目 を キラキラ 輝か せ 、 俺 の 腕 に 胸 を 当てて マイン は お ねだり を して くる 。 め||きらきら|かがやか||おれ||うで||むね||あてて||||||| With sparkling eyes, Mine begged me with her chest on my arm.

さすが は 異 世界 召喚 、 王道 展開 。 ||い|せかい|しょうかん|おうどう|てんかい As expected of another world summoning, royal road development.

今 まで 女の子 に モテ た 事 が 無い 俺 で すら こんなに かわいい 子 が 隣 に いる 。 いま||おんなのこ||||こと||ない|おれ|||||こ||となり|| Even I, who has never been popular with a girl, has such a cute girl next to me.

うん 。

マイン の 言う 通り 攻撃 力 が 重要 かも しれ ない な 。 ||いう|とおり|こうげき|ちから||じゅうよう|||| As Mine said, offensive power may be important.

「 しょ 、 しょうがない な ぁ ……」 "I can't help it..."

銀貨 二〇〇 枚 、 考えて みれば 錬 や 元 康 、 樹 は 最低 三 人 は 連れて いる のだ 。 ぎんか|ふた|まい|かんがえて||||もと|やす|き||さいてい|みっ|じん||つれて|| Two hundred silver coins, if you think about it, Ren, Motoyasu, and Itsuki have at least three people with them.

活動 費 は 元 より 装備 品 に だって 金 を 回さ せる の が やっと だろう 。 かつどう|ひ||もと||そうび|しな|||きむ||まわさ||||| As for the activity expenses, it will be difficult to get the money to go to the equipment as well.

ともすれば 二〇〇 枚 あれば 一 ヶ月 生活 する に は 十分である 可能 性 は 高い 。 |ふた|まい||ひと|かげつ|せいかつ||||じゅうぶんである|かのう|せい||たかい It is highly probable that 200 sheets would be enough to live on for a month.

仲間 を 募集 する の は Lv アップ して 稼ぎ が 軌道 に 乗って から でも 悪く は 無い かも 。 なかま||ぼしゅう||||lv|あっぷ||かせぎ||きどう||のって|||わるく||ない| Recruiting friends may not be bad even after you level up and your earnings get on track.

「 よし 、 親父 、 頼んだ ぞ 」 |おやじ|たのんだ| "Okay, Father, I'm begging you."

「 ありがとう ご ざいや した 。 "Thank you very much.

まったく 、 とんで も ね ぇ 勇者 様 だ 」 |||||ゆうしゃ|さま| Seriously, it's unbelievable Hero-sama."

「 は は 、 商売 は 割と 好きな んで な 」 ||しょうばい||わりと|すきな|| "Haha, I like business relatively." “哈哈,我挺喜歡做生意的。”

ネット ゲーム でも 俺 は 金 を 稼ぐ の が 好きだった 。 ねっと|げーむ||おれ||きむ||かせぐ|||すきだった I also liked making money playing online games.

オークションイベント でも 出来る 限り 安く 買い 、 最も 高く 売る を 繰り返す 手腕 は ある と 思う 。 ||できる|かぎり|やすく|かい|もっとも|たかく|うる||くりかえす|しゅわん||||おもう Even at auction events, I think I have the ability to repeatedly buy at the lowest possible price and sell at the highest possible price. それ に 人間 相手 の 値切り ほど 簡単な もの は 無い だろう 。 ||にんげん|あいて||ねぎり||かんたんな|||ない| It will not be as simple as the price cut of a human opponent. 分かり やすい 金額 が 目の前 に ある のだ から 。 わかり||きんがく||めのまえ|||| Because an easy-to-understand amount of money is in front of me.

「 ありがとう 勇者 様 」 |ゆうしゃ|さま "Thank you hero-sama"

ご機嫌な マイン が 俺 の 手 に キス を した 。 ごきげんな|||おれ||て||きす|| Mine in a good mood kissed my hand.

これ は 好感 度 アップ ! ||こうかん|たび|あっぷ This will increase your favorability!

明日 から の 冒険 が 楽に なる 。 あした|||ぼうけん||らくに| Your adventure from tomorrow will be easier.

装備 を 新調 した マイン と 一緒に 俺 は 町 の 宿屋 に 顔 を 出した 。 そうび||しんちょう||||いっしょに|おれ||まち||やどや||かお||だした I went to an inn in town with Mine, who had new equipment.

一 泊 一 人 銅貨 三十 枚 か ……。 ひと|はく|ひと|じん|どうか|さんじゅう|まい| Thirty copper coins per person per night...

「 二 部屋 で 」 ふた|へや| "in two rooms"

と 、 マイン が 言った 。 |||いった Said Mine.

「 一 部屋 じゃ ない の ? ひと|へや||| "Isn't it just one room?

「 勇者 様 ……」 ゆうしゃ|さま "Hero-sama..."

無言 の 圧力 を マイン が 出して くる 。 むごん||あつりょく||||だして| Mine comes out with silent pressure.

う …… しょうがない 。 Uh...it can't be helped.

「 じゃあ 二 部屋 で 」 |ふた|へや| "Then two rooms."

「 は いはい 。 "Yes yes.

ご ひいき に お 願い し ます ね 」 ||||ねがい||| Thank you for your patronage." 我請求您的惠顧。”

宿屋 の 店主 が 揉み 手 を し ながら 俺 達 が 泊まる 部屋 を 教えて くれた 。 やどや||てんしゅ||もみ|て||||おれ|さとる||とまる|へや||おしえて| The owner of the inn rubbed our hands and showed us the room we were staying in.

値段 基準 を 頭 に 叩き込み ながら 、 宿屋 に 並列 して いる 酒場 で 晩 食 を 取る 。 ねだん|きじゅん||あたま||はたきこみ||やどや||へいれつ|||さかば||ばん|しょく||とる While driving the price standard into my head, I have dinner at the bar next to the inn. 別 料金 の 食事 銅貨 五 枚 × 二 を 注文 した 。 べつ|りょうきん||しょくじ|どうか|いつ|まい|ふた||ちゅうもん| I ordered 2 x 5 copper coins for a separate meal.

「 そう いえば …… 今日 、 俺 達 が 戦って いた 草原 は ここ だ よ な 」 ||きょう|おれ|さとる||たたかって||そうげん||||| "Come to think of it... this is the grassland where we were fighting today."

俺 は 帰りがけ に 購入 した 地図 を 広げて マイン に 聞いた 。 おれ||かえりがけ||こうにゅう||ちず||ひろげて|||きいた I opened the map I bought on the way home and asked Mine.

地図 に は この 辺り の 地形 が 記さ れて いる 。 ちず||||あたり||ちけい||しるさ|| The map shows the topography of this area.

錬 や 元 康 に 聞いた 方 が 良い の かも しれ ない が 、 昨日 の 態度 から 見る に 教えて くれ そうに 無い 。 ||もと|やす||きいた|かた||よい||||||きのう||たいど||みる||おしえて||そう に|ない Although it may be better to ask Ken or Masaru Yasushi, it will not tell me to see from the attitude of yesterday. あの 手 の 連中 は 他者 を 出し抜く の に ためらい が 無い のだ 。 |て||れんちゅう||たしゃ||だしぬく|||||ない| Those guys don't hesitate to outsmart others. 俺 が 完全に 無知な の を 良い こと に 強力な 魔物 の 巣 へ 導か れて は たまった もの で は ない 。 おれ||かんぜんに|むちな|||よい|||きょうりょくな|まもの||す||みちびか||||||| It's a shame that my complete ignorance led me to a nest of powerful monsters.

だ から その 辺り を 知って い そうな マイン に 聞く 。 |||あたり||しって||そう な|||きく That's why I asked Maine, who seems to know the area.

「 はい 。

そう です よ 」

「 昼間 の 話 から 推察 する に 、 草原 を 抜けた 森 辺り が 次の 狩場 か ? ひるま||はなし||すいさつ|||そうげん||ぬけた|しげる|あたり||つぎの|かりば| "Based on what we said during the day, is the next hunting ground around the forest past the grasslands?

地図 を 広げる と この 国 の 地形 が 大まかに 分かる 。 ちず||ひろげる|||くに||ちけい||おおまかに|わかる If you expand the map, you can roughly understand the topography of this country.

基本 的に 城 を 中心 に 草原 が 広がり 、 そこ から 森 へ 続く 道 と 山 へ 続く 道 、 他 に 川 へ 突き当たる 場所 や 村 に 続く 道 が ある のだ 。 きほん|てきに|しろ||ちゅうしん||そうげん||ひろがり|||しげる||つづく|どう||やま||つづく|どう|た||かわ||つきあたる|ばしょ||むら||つづく|どう||| Basically, the grassland spreads out around the castle, and from there there are roads leading to the forest, roads leading to the mountains, as well as places that end at rivers and roads leading to villages.

あんまり 大きな 地図 で は ない ので 、 近く の 村 も そんなに 分から ない 。 |おおきな|ちず|||||ちかく||むら|||わから| It's not a very big map, so I don't know much about nearby villages.

森 の 先 に 何 が ある か この 地図 で は 予想 が 出来 ない が 、 これ から 行く 道 と 適性 の 魔物 が いる の を 予測 して おか なくて は 戦い よう が 無い 。 しげる||さき||なん|||||ちず|||よそう||でき|||||いく|どう||てきせい||まもの|||||よそく|||||たたかい|||ない I can not predict what is at the end of the forest. I can not predict on this map, but I can not fight without predicting that there are roads and adequate demons from now.

「 ええ 、 この 地図 に は 載って い ませ ん が 私 達 が 行こう と して いる の は 森 を 抜けた ラファン 村 です 」 ||ちず|||のって|||||わたくし|さとる||いこう||||||しげる||ぬけた||むら| "Yeah, it's not on this map, but the place we're trying to go to is Rafan Village, through the forest."

「 ふむ …… そう か 」 "Hmm... I see."

「 ラファン 村 を 抜けた 先 辺り に 初心 者 冒険 者 用 の ダンジョン が ある んです よ 」 |むら||ぬけた|さき|あたり||しょしん|もの|ぼうけん|もの|よう|||||| "There's a dungeon for beginner adventurers around the corner after passing through Rafan Village."

「 ダンジョン ……」

夢 が 広がる な ! ゆめ||ひろがる| Don't spread your dreams!

ネトゲ 基準 だ と モンスター 狩り しか し ない けど 。 |きじゅん||||かり|||| By Netoge standards, there's nothing but monster hunting.

「 あまり 実入り は 無い でしょう が 勇者 様 が Lv を 上げる に は 良い 場所 か と 思い ます 」 |みいり||ない|||ゆうしゃ|さま||lv||あげる|||よい|ばしょ|||おもい| "It won't make much money, but I think it's a good place for Hero-sama to raise his level." “可能利潤不是很高,但我認為這是英雄升級的好地方。”

「 なるほど ね 」 " I see "

「 装備 も 新調 し ました し 、 勇者 様 の 防御 力 に も より ます が 楽勝 です 」 そうび||しんちょう||||ゆうしゃ|さま||ぼうぎょ|ちから||||||らくしょう| "The equipment is also new, and it depends on the hero's defensive power, but it's an easy victory." “我們有了新裝備,看英雄的防禦力,應該會輕鬆獲勝。”

「 そう か 、 ありがとう 。 "Yes, thank you.

参考 に なった よ 」 さんこう||| It was helpful."

「 いえいえ 、 ところで 勇者 様 ? ||ゆうしゃ|さま "No, no, by the way, Hero-sama?

ワイン は 飲ま ない のです か ? わいん||のま||| Don't you drink wine? 酒場 故 に 酒 が 料理 と 一緒に 運ば れて きた のだ が 、 俺 は まったく 手 を つけて い なかった 。 さかば|こ||さけ||りょうり||いっしょに|はこば|||||おれ|||て|||| Since it's a tavern, sake was brought along with the food, but I didn't touch it at all.

「 ああ 、 俺 は あんまり 酒 が 好きじゃ なくて な 」 |おれ|||さけ||すきじゃ|| "Oh, I don't really like alcohol."

飲め ない 訳 じゃ ない 。 のめ||やく|| I can not drink it. 這並不意味著我不能喝它。

むしろ 殆ど 酔わ ない くらい 酒 に 強い 体質 だ 。 |ほとんど|よわ|||さけ||つよい|たいしつ| Rather, he has a constitution that is strong enough to drink so much that he hardly gets drunk. 事實上,他的體質非常耐酒,幾乎不會喝醉。

だが 、 大学 の サークル と か の 飲み 会 で 、 みんな へ べ れ け に なって いる 中 、 飲んで いる の に 酔わ ず 、 シラフ で いる うち に 嫌いに なった 。 |だいがく||さーくる||||のみ|かい||||||||||なか|のんで||||よわ|||||||きらいに| However, while drinking party with the university 's circle, everyone was leaving, I did not get intoxicated while drinking, I hated it while I was a chiraf.

「 そう な んです か 、 でも 一 杯 くらい なら 」 |||||ひと|さかずき|| "Is that so, but for just one drink?"

「 悪い ね 。 わるい| " I'm sorry .

本当 、 嫌いな んだ 」 ほんとう|きらいな| I really hate it."

「 でも ……」 " but ……"

「 ごめん な 」 " I'm sorry "

「 そう 、 です か 」 "Ist das so?" " Is that so "

残念 そうに マイン は ワイン を 引っ込めた 。 ざんねん|そう に|||わいん||ひっこめた Regrettably, Mine withdrew the wine.

「 まあ 、 明日 から の 方針 を 相談 できて 助かった よ 。 |あした|||ほうしん||そうだん||たすかった| "Well, I'm glad I was able to discuss the policy from tomorrow.

今日 は 早 めに 休む から 」 きょう||はや||やすむ| I'm going to rest early today."

「 はい 、 また 明日 」 ||あした "Yes, see you tomorrow"

食事 を 終えた 俺 は 騒がしい 酒場 を 後 に して 割り当て られた 部屋 に 戻る 。 しょくじ||おえた|おれ||さわがしい|さかば||あと|||わりあて||へや||もどる After finishing my meal, I left the noisy bar and returned to my assigned room.

さすが に 寝る とき まで くさり かた びら を 着けて いる わけに は いか ない 。 ||ねる|||||||つけて||||| As expected, I can't wear the chain until I go to bed. 正如所料,我無法在睡覺之前一直扣著釦子。

脱いで 椅子 に 立てかけて おく 。 ぬいで|いす||たてかけて| Take it off and put it on the chair.

「……」

銀貨 の 入った 袋 を 備え 付け の テーブル に 置いた 。 ぎんか||はいった|ふくろ||そなえ|つけ||てーぶる||おいた I put the bag containing the silver coins on the table provided.

残り 銀貨 二〇〇 枚 か …… 先払い の 宿 だ から 一九九 枚 と ちょっと 。 のこり|ぎんか|ふた|まい||さきばらい||やど|||いちくく|まい|| 200 silver coins left... 199 because it's a prepaid inn.

少し 心もとない 気 が して 落ち着か ない の は 俺 に 貧乏 人 根性 でも 染み付いて いる から だろう か 。 すこし|こころもとない|き|||おちつか||||おれ||びんぼう|じん|こんじょう||しみついて|||| I wonder if the reason I feel a little uneasy and unsettled is because I have a poor mentality. 我感到有些不安和不安,也許是因為我身上有著根深蒂固的窮人本性。

観光 地 に 行く 日本 人 の 如く 、 俺 は 銀貨 を 三十 枚 ほど 盾 の 中 に 隠す 。 かんこう|ち||いく|にっぽん|じん||ごとく|おれ||ぎんか||さんじゅう|まい||たて||なか||かくす Like Japanese people who go to tourist spots, I hide about 30 silver coins in my shield.

うん 。

なんとなく 安心 した ような 気 が して きた 。 |あんしん|||き||| Somehow I felt relieved.

今日 は 色々 あった な ぁ 。 きょう||いろいろ||| A lot happened today.

魔物 を 倒す 手ごたえ って あんな 感じ な の か 。 まもの||たおす|てごたえ|||かんじ||| Is that what it feels like to defeat a monster?

風船 を 割って いた だけ と しか 言い 様 が 無い けど 。 ふうせん||わって|||||いい|さま||ない| All I can say is that I was just popping a balloon. 我只能說我只是在戳破氣球。

ベッド に 腰掛け 、 そのまま 横 に なる 。 べっど||こしかけ||よこ|| Sit on the bed and lie down.

見 慣れ ない 天井 。 み|なれ||てんじょう Unfamiliar ceiling.

昨日 も そう だった けど 、 俺 は 異 世界 に 来た んだ 。 きのう|||||おれ||い|せかい||きた| It was the same yesterday, but I came to another world.

ワクワク が 収まら ない 。 わくわく||おさまら| I can't contain my excitement.

これ から 俺 の 輝かしい 日々 が 幕 を 開けて いく んだ 。 ||おれ||かがやかしい|ひび||まく||あけて|| From now on, my bright days will begin. そりゃ あ 他の 勇者 仲間 に は 出遅れて いる けれど 、 俺 に は 俺 の 道 が ある 。 ||たの|ゆうしゃ|なかま|||でおくれて|||おれ|||おれ||どう|| Well, I'm behind the other heroes, but I have my own path. 好吧,我落後於我的英雄們,但我有我自己的路。 何も 最強 を 目指す 必要 は 無い 。 なにも|さいきょう||めざす|ひつよう||ない There is no need to aim for the strongest. 沒有必要以成為最強為目標。 出来る 事 を やって いけば いい 。 できる|こと|||| Just do what you can.

なんだか …… 眠く なって 来た な 。 |ねむく||きた| Somehow... I'm getting sleepy.

酒場 の 方 から 楽し げな 声 が 聞こえて くる 。 さかば||かた||たのし|げ な|こえ||きこえて| I hear happy voices coming from the bar.

元 康 っぽい 声 や 樹 らしき 奴 が 雑談 を し ながら 部屋 の 前 を 通り 過ぎた ような 気 が した 。 もと|やす||こえ||き||やつ||ざつだん||||へや||ぜん||とおり|すぎた||き|| I had a feeling that a voice that sounded like Motoyasu and a guy that looked like Itsuki had passed by the front of the room while chatting.

あいつ ら も ここ を 宿 に した の か な 。 |||||やど||||| I wonder if they also stayed here.

室 内 用 の ランプ に 手 を 伸ばして 消す 。 しつ|うち|よう||らんぷ||て||のばして|けす Reach out and turn off the indoor lamp.

少し 早い けど 、 寝る と しよう ……。 すこし|はやい||ねる|| A bit early, but let's sleep ... ....

チャリチャリ ……。 Charichari …….

ん ~…… なんだ ぁ 、 今 の 音 ? |||いま||おと Hmm... What is that sound?

酒場 の 奴 等 、 まだ 騒いで いる の か ? さかば||やつ|とう||さわいで||| Are those guys in the tavern still making noise?

むに ゃ ……。 Munya …….

ゴソゴソ ………… 服 が 引っぱら れる 。 |ふく||ひっぱら| Rumbling ………… My clothes are being pulled.

「 フフフ …… 馬鹿な 男 、 騙さ れちゃ って …… 明日 が 楽しみだ わ 」 |ばかな|おとこ|だまさ|||あした||たのしみだ| "Fufufu...you foolish man, you tricked me...I'm looking forward to tomorrow."

誰 だろう ? だれ| who might that be ?

夢 か ……? ゆめ| Dream or...?

「 ん ? " Hmm ?

寒い な ぁ ……。 さむい|| It's cold...

陽光 が 顔 を 照らし 、 朝 である の を 俺 に 知らせる 。 ようこう||かお||てらし|あさ||||おれ||しらせる Sunlight shines on the face and informs me that it is morning. 陽光照在我的臉上,讓我知道現在是早晨。

寝ぼけ ま な こ を 凝らし ながら 起き上がって 窓 の 外 に 目 を 向ける 。 ねぼけ|||||こらし||おきあがって|まど||がい||め||むける I get up and look out the window while I'm half asleep. 思いのほか 寝入って しまって いた らしい 。 おもいのほか|ねいって||| It seems that he fell asleep unexpectedly. 看來我睡得比我想像的還要多。 太陽 が それなり に 高く なって きて いる 。 たいよう||||たかく||| The sun is getting higher.

体 内 時計 に よる と 、 九 時 位 か な 。 からだ|うち|とけい||||ここの|じ|くらい|| According to my body clock, it's around 9 o'clock.

「 あれ ?

何時の間にか 服装 が インナー だけ に なって いた 。 いつのまにか|ふくそう|||||| Before I knew it, I was wearing nothing but underwear. 在我意識到之前,我唯一的衣服就是內衣。

無意識に 脱いだ かな ? むいしきに|ぬいだ| Did you unconsciously take it off?

まあ 、 いい や 。 whatever .

外 の 景色 に 目 を 移す と 、 当たり前の ように 人々 が 通り を 行き交って いる 。 がい||けしき||め||うつす||あたりまえの||ひとびと||とおり||ゆきかって| If you turn your attention to the scenery outside, you can see people coming and going on the street as if it were a matter of course.

昼食 の 準備 に と 定食 屋 や 出店 が 大忙しで 材料 を 調理 して いる 光景 や 、 馬車 が トコトコ と 道 を 進んで いる 光景 を 見る と 、 何度 だって 俺 は 夢心地 の 気分 に なる こと が できた 。 ちゅうしょく||じゅんび|||ていしょく|や||しゅってん||おおいそがしで|ざいりょう||ちょうり|||こうけい||ばしゃ||||どう||すすんで||こうけい||みる||なんど||おれ||ゆめごこち||きぶん||||| When I saw the food stalls and stalls busy preparing the ingredients for lunch, and the horse-drawn carriages trudging along the road, many times I was in a dreamy mood. . 很多時候,看到食堂、攤位忙著準備午餐的食材,看到馬車在路上艱難地行駛,我都覺得自己在做夢。

ああ 、 本当に 異 世界 と は 素晴らしい 。 |ほんとうに|い|せかい|||すばらしい Ah, it's really wonderful to be in another world.

城下町 を 走る 馬車 に は 複数 の 種類 が ある らしい 。 じょうかまち||はしる|ばしゃ|||ふくすう||しゅるい||| It seems that there are several types of carriages that run through the castle town.

鳥 は ダチョウ の ような 、 某 ゲーム で 言う 所 の チョ ○ ボ みたいな 生き物 だ 。 ちょう||だちょう|||ぼう|げーむ||いう|しょ|||||いきもの| Birds are creatures like ostriches, like cho*bos in certain games. どちら か と いえば 馬 の 方 が 高級 品 の ようだ 。 ||||うま||かた||こうきゅう|しな|| If anything, the horse seems to be a luxury item. 時々 、 牛 が 引いて いたり と 、 なんとも 中世 チック で 素晴らしい な 。 ときどき|うし||ひいて||||ちゅうせい|||すばらしい| Occasionally, cows are pulled, and it's really medieval and wonderful.

「 さて 、 そろそろ 飯 に でも して 旅立つ か 」 ||めし||||たびだつ| "Well, it's time to get some food and leave."

脱いだ はずの 服 を 探して ベッド を 調べる 。 ぬいだ||ふく||さがして|べっど||しらべる Search the bed for the clothes you should have taken off.

…… おかしい な 。 …… that's strange .

無い ぞ ? ない| No?

椅子 に 立てかけて いた くさり かた びら も …… 何 処 に も 無い 。 いす||たてかけて||||||なん|しょ|||ない The chain that was propped up against the chair... was nowhere to be seen.

テーブル に 置いた 銀貨 を 入れた 袋 も 無くなって いる ! てーぶる||おいた|ぎんか||いれた|ふくろ||なくなって| The bag containing the silver coins on the table is also gone!

しかも 予備 の 着替え に と 残して おいた 俺 の 私服 さえ 無い ! |よび||きがえ|||のこして||おれ||しふく||ない What's more, I didn't even have my own clothes that I left as a spare change of clothes!

「 な ……」

まさか !

枕 荒らし か !?  寝て いる 最中 に 泥棒 を 働く と は 笑 止 千万 だ ! まくら|あらし||ねて||さい なか||どろぼう||はたらく|||わら|や|せんまん| A pillow robbery!?

この 宿 …… 警備 が まったく 行き届いて い ない と は 何事 か ! |やど|けいび|||ゆきとどいて|||||なにごと| This inn... how can there be no security at all! 這家旅館怎麼了……治安一點都不好!?

とにかく 、 仲間 である マイン に 急いで 伝え ない と ! |なかま||||いそいで|つたえ|| Anyway, I must hurry and tell my friend Mine!

バンッ ! Bang!

と 俺 は 扉 を 開けて 、 隣 で 寝て いる はずの マイン の 部屋 の 戸 を 叩く 。 |おれ||とびら||あけて|となり||ねて|||||へや||と||たたく I open the door and knock on the door of Mine's room, who should be sleeping next to me.

「 マイン !

大変だ ! たいへんだ It's hard! 俺 達 の 金 と 俺 の 装備 が ! おれ|さとる||きむ||おれ||そうび| Our money and my gear! ドンドンドン ! Don, don, don!

何度 叩いて も 一向に マイン が 出る 気配 が 無い 。 なんど|たたいて||いっこうに|||でる|けはい||ない No matter how many times I hit it, there was no sign of Mine coming out.

ザッザッザ ! za za za!

なにやら 騒がしい 足音 が 近づいて くる 。 |さわがしい|あしおと||ちかづいて| Somehow, noisy footsteps approached.

見る と 城 の 騎士 達 が 俺 の 方 へ やってきた 。 みる||しろ||きし|さとる||おれ||かた|| When I looked, the knights of the castle came towards me. コレ は 闇夜 に 提灯 。 ||やみよ||ちょうちん This is lantern in the dark night. 這是黑夜裡的一盞燈籠。 枕 荒らし に 遭った 事 を 説明 して 、 犯人 を 捕まえて もらおう 。 まくら|あらし||あった|こと||せつめい||はんにん||つかまえて| Explain that you encountered a pillow robbery and have the culprit caught.

より に よって 勇者 の 寝 首 を 掻いて 泥棒 と は とんだ 馬鹿 が 居た もの だ 。 |||ゆうしゃ||ね|くび||かいて|どろぼう||||ばか||いた|| More than anything, there was an idiot who scratched the hero's sleep and called him a thief.

「 あなた 達 は 城 の 騎士 だった よ な 、 ちょっと 話 を 聞いて くれ ない か ! |さとる||しろ||きし|||||はなし||きいて||| "You guys used to be knights of the castle, so listen up!

俺 は 騎士 の 方 を 向いて 懸命に アピール する 。 おれ||きし||かた||むいて|けんめいに|あぴーる| I turned to face the knight and tried my best to appeal.

マイン 、 早く 部屋 から 出て きて くれ 、 今 大変な 事 が 起こって る んだ 。 |はやく|へや||でて|||いま|たいへんな|こと||おこって|| Mine, get out of the room quickly, something terrible is happening right now.

「 盾 の 勇者 だ な ! たて||ゆうしゃ|| "You're the Hero of the Shield!

「 そう 、 だけど 」 " that's right, but "

なんだ よ 。

妙に 敵 愾心 を 感じる 応答 だ な 。 みょうに|てき|きこころ||かんじる|おうとう|| It's a response that feels strangely hostile. 這個回答讓我產生一種奇怪的敵意感。

「 王様 から 貴 様 に 召集 命令 が 下った 。 おうさま||とうと|さま||しょうしゅう|めいれい||くだった "The king has sent you a convocation order.

ご 同行 願おう 」 |どうこう|ねがおう Please accompany me."

「 召集 命令 ? しょうしゅう|めいれい "A call-up order?

いや 、 それ より も 俺 、 枕 荒らし に 遭 っ ち まったん だ 。 ||||おれ|まくら|あらし||あ|||| No, more importantly, I was robbed of my pillow. 犯人 を ──」 はんにん| The culprit—”

「 さあ 、 さっさと 付いて 来い ! ||ついて|こい "Come on, hurry up and follow me!

ぐ いっと 力強く 引っ張ら れる 。 ||ちからづよく|ひっぱら| It pulls strongly.

「 痛い って ! いたい| "It hurts!

話 を 聞けよ 」 はなし||きけよ Listen to me."

騎士 達 は 俺 の 腕 を 掴む と 半ば 無理やり 連行 して いく 。 きし|さとる||おれ||うで||つかむ||なかば|むりやり|れんこう|| The knights grabbed my arm and half forcibly took me away.

ほとんど 下着 だって いう のに な んだ よ 。 |したぎ|||||| Even though it's mostly underwear.

この 扱い は ! |あつかい| This treatment!

「 おい 、 マイン ! "Hey, Mine!

早く ──」 はやく quickly"

騎士 達 は 俺 の 事情 を 聞か ず 、 俺 は マイン を 宿屋 に 置いて 城 へ 強制 送還 さ れた 。 きし|さとる||おれ||じじょう||きか||おれ||||やどや||おいて|しろ||きょうせい|そうかん|| The knights didn't listen to my circumstances, and I was forced to leave Mine at the inn and be sent back to the castle. 騎士們不聽我的勸告,我被強行送回城堡,把梅茵留在了旅館。

先ほど の 馬車 は 俺 を 連れて 行く ため に 来た 物 であった らしい 。 さきほど||ばしゃ||おれ||つれて|いく|||きた|ぶつ|| It seems that the carriage from earlier was the one that came to take me. 看來剛才的馬車是來接我去的。

こうして 俺 は 訳 の 解ら ない まま 、 まるで 犯罪 者 でも 見る か の 様 な 視線 を 受け 続けた 。 |おれ||やく||わから||||はんざい|もの||みる|||さま||しせん||うけ|つづけた In this way, without understanding, I continued to receive stares that made me look like I was a criminal.