第 三 章 彼女 は 誰 に 出会った か?【4】
朝 の 六 時 を 回った ばかりで 、 てっきり まだ 寝て いる と 思った 鶴田 が 電話 に 出た 。
出て ほしく なくて 電話 を かける わけ も ない のだ が 、 実際 に 鶴田 の 声 が 聞こえた とたん 、 増尾 圭 吾 は 「 出て くれる な 」 と 願って いた 自分 に 気づいた 。
場所 は 名古屋 市 内 に ある サウナ だった 。
赤い 絨毯 が 敷か れた 廊下 の 先 に は 、 真っ暗な 仮眠 室 が ある 。 公衆 電話 は 廊下 の 隅 に 置かれて いた 。 隣 に 滋養 強壮 剤 など を 売る 自動 販売 機 が ある が 、 五 つ ある ボタン の うち 、 三 つ が 売り切れ に なって いる 。
「 本当に 大丈夫 と や ? 受話器 から また 鶴田 の 声 が した 。
寝起き の くせ に 切迫 した その 声 が 、 やはり 現在 の 自分 の 立場 を 思い知ら せる 。
「 今 、 どこ に おる と ね ? 鶴田 の 声 が 、 とつぜん 優しく なった 。
増尾 は 思わず 受話器 を 強く 握った 。
実家 や 自宅 に かけた の なら いざ 知ら ず 、 まさか 鶴田 の 携帯 まで 逆 探知 されて いる と は 思って いない が 、 妙に 優しく 響いた 鶴田 の 声 が 、 誰 か の 目の前 で 演技 して いる ように 感じられた のだ 。 増尾 は フック に かけて いた 指 に 力 を 入れた 。
通話 が 切れ 、 何 枚 か の 十 円 玉 が 返却 口 へ 落ちて くる 。
その 音 が 静かな 廊下 に 響く 。 増尾 は 振り返った 。 廊下 に は 誰 の 姿 も なかった が 、 柱 の 鏡 に 水色 の サウナ 服 を 着た 自分 の 姿 が 映って いた 。
増尾 は 受話器 を フック に 戻した 。
公衆 電話 の 受話器 は こんなに 重かった の か と 妙な こと が 気 に なった 。
鶴田 に 電話 を かけて 何 か を 言おう と した わけで は なかった 。
捜査 の 様子 を 探ろう と した わけで も なかった 。 この 数 日 、 誰 と も 言葉 を 交わして い なかった 。 サウナ や ビジネス ホテル の フロント でも 、 質問 に は 全部 頷いたり 、 首 を 振ったり して 答えて いた 。 さっき 一言 だけ 、「 ああ 、 大丈夫 」 と 鶴田 に 答えた とき 、 久しぶりに 自分 の 声 を 聞いた ような 気 が した 。
増尾 は 赤い 絨毯 の 敷か れた 廊下 を 仮眠 室 へ 戻った 。
遮 光 カーテン の 向こう から 、 一晩 中 、 増尾 を 悩ま して いた 鼾 が まだ 聞こえて いる 。 鼾 の 主 は 増尾 が 陣取った 寝 椅子 の 横 で 眠って いた 。 蹴り 起こそう か と 何 度 思った か 知れ ない 。 しかし 、 その 度 に こんな ところ で 問題 を 起こし 、 通報 でも さ れたら 終わり だ と 堪えた 。 だだっ広い 広間 に は 、 五十 も の 寝 椅子 が 並んで いる 。 その 一 つ 、 合 革 が 破れ 、 スポンジ が はみ出した 寝 椅子 だけ が 、 今 の 増尾 に は 自由に なる 空間 だった 。
薄暗い サウナ の 仮眠 室 に 入る と 、 気のせい か 獣 の 臭い が すっと 鼻先 を 流れた 。 サウナ で 汗 を 流し 、 風呂 に 入って から だ 中 を きれいに 洗って いる はずの 男 たち でも 、 これ だけ 一 カ所 に 集まって くる と 、 こういう 臭い を 発散 する の かも しれ ない 。
非常口 の ライト だけ を 頼り に 、 増尾 は さっき まで 横 に なって いた 寝 椅子 へ 向かった 。
それぞれ の 寝 椅子 で 、 疲れ切った 男 たち が それぞれ の 格好で 眠って いる 。
眼鏡 を 額 の 上 に 置いた まま 眠って いる 者 。
小さな 毛布 で 器用に から だ の すべて を 覆って いる 者 。 そして 大口 を 開け 、 相変わらず 高鼾 を かき 続けて いる 隣 の 男 。
増尾 は 一 つ 大きく 咳払い する と 、 まだ 自分 の 体温 の 残る 毛布 を 纏って 寝 転がった 。
咳払い を して も 、 激しく 寝返り を 打って も 横 の 男 の 醜い 鼾 は 止まら ない 。
それ でも 目 を 閉じる と 、 電話 の 向こう で 狼狽 した であろう 鶴田 の 顔 が 浮かんで くる 。
なぜ 電話 を しよう と 思った の か 。
なぜ 電話 を しよう と 思った 相手 が 鶴田 だった の か 。
鶴田 なら この 窮地 から 救って くれる と でも 思って いた の か 。
考えれば 考える ほど 、 増尾 は 馬鹿らしく なった 。
学 内 でも 学 外 でも 、 友人 知人 は 多い ほう だった 。 ただ 、 こんな とき に 電話 を かけられる 相手 が 浮かば なかった 。 自分 の 周り に は よく 人 が 集まって くる 。
それ は 増尾 も 自覚 して いる 。 ただ 、 集まって くる の は ど いつも こいつ も 張り合い の ない 奴 ら ばかり で 、 心底 そい つら を 馬鹿に して 付き合って いる 自分 が いた 。
止ま ない 隣 の 男 の 鼾 を 聞き ながら 、 増尾 は 無理に でも 少し 寝よう と 、 強く 目 を 閉じた 。
強く 閉じる と 、 まるで 果物 を 絞る ように 、 記憶 が 押し潰さ れ 、 あの 夜 、 偶然 、 東公園 の 前 で 石橋 佳乃 と 出くわした とき の 光景 が 、 嫌で も 脳裏 に 浮かんで きて しまう 。
なんで あんな 女 の ため に 、 この 俺 が 逃げ回ら なければ なら ない の か 。
こんな サウナ で 見知らぬ 男 の 鼾 を 聞か さ れ ながら 。 考えれば 考える ほど 腹 が 立って くる 。
それにしても 、 なんで あんな 場所 で 、 あんな 女 と ばったり 再会 した の か 。
あそこ で 小便 を 我慢 して 、 マンション へ 帰って さえ いれば 、 こんな 目 に は 遭わ ず に 済んだ のだ 。
あの 夜 、 ムシャクシャ して いた の は 確かだ 。
ムシャクシャ して 天神 の バー で 飲んだ あと だった 。
そのまま マンション へ 戻る つもりで 路上 駐車 して いた 車 に 乗り込んだ 。
バー から マンション まで 五 分 と かから なかった のに 、 なぜ か 無性に 気 が 立って 、 そのまま 車 を 走ら せる こと に した 。
酔って いた 。
今 と なって は 、 どこ を どのように 走って 、 東公園 まで 行った の かも 覚えて いない 。 とにかく ムシャクシャ して 仕方なかった 。
自分 が 何 に ムシャクシャ して いる の か 分から ず 、 それ が また 自分 を ムシャクシャ さ せた 。
たとえば 電話 一 本 かけ さえ すれば 、 すぐに でも ヤラ して くれる 女 の 顔 など いくら でも 浮かんだ 。
ただ 、 あの 夜 、 抱えて いた の は もっと 凶暴な 欲求 で 、 たとえば 互い の 肌 を 噛み合って 血まみれに なりたい ような 、 そんな 獰猛な もの だった 。 今 と なって みれば 、 女 と ヤリ たかった ので は なくて 、 男 と 殴り合い たかった の かも しれ ない と 増尾 は 思う 。
しかし 今さら 気づいて も 、 あの 夜 に 戻れる わけ も ない 。
とにかく 博多 の 街 を 二 時間 近く 走り 続けて いる と 、 飲み 過ぎた 酒 の せい で 尿 意 を 感じた 。
通り の 先 に 森 の ような 東公園 が 見え 、 公園 ならば 公衆 便所 が ある だろう と 車 を 停めた 。
公園 沿い の 路上 パーキング に は 、 他の 車 が ちらほら と 停車 して いた 。
車 を 走ら せて いる うち に 、 すっかり 酔い も 醒 め ていた 。
車 を 降りる と 、 通り の 先 で 若い 男 が 立ち 小便 して いた 。
街灯 で 男 の 髪 が 金色 に 染められて いる の が 分かった 。 ガード レール を 跨ぎ 、 増尾 は 真っ暗な 園 内 に 入った 。
公衆 便所 は すぐに 見つかった 。
駆け込んで 、 汚れた 便器 に 酒 臭い 小便 を して いる と 、 個室 から 妙な 鼻息 が 漏れ 聞こえた 。
気味 は 悪かった が 、 小便 を 途中 で 止める こと も でき ない 。
扉 が 開いた の は その とき で 、 一瞬 、 ビクッ と からだ を 縮める と 、 ジッパー を 広げた 指 に 小便 が かかった 。
個室 から 出て きた の は 、 同 世代 の 男 だった 。
嫌な 目つき で こちら を 見て いる 。 増尾 は 咄嗟に 男 の 素性 を 理解 した 。 酔った 勢い も あって 、 出て 行こう と する 男 に 、「 しゃぶら せちゃ ろか ? 」 と 笑い かける と 、 ピタッ と 足 を 止めた 男 が 、「 フン 、 お め ぇが しゃぶれ 」 と 鼻 で 笑った 。
一瞬 、 カッ と なった が 、 殴り かかる に も 、 まだ 勢い よく 小便 が 出て いて 身動き でき ない 。
やっと 小便 を 終わら せ 、 増尾 は 若い 男 を 追って 公衆 便所 を 飛び出した 。
ぽつ ん ぽつんと 立って いる 街灯 が 、 園 内 を より 暗く 見せて いた 。 増尾 は 目 を こらして 男 を 探した が 、 茂み に も 遊歩道 に も その 姿 は なかった 。
馬鹿に した ヤツ に 、 逆に 馬鹿に されて しまった 悔し さ が 、 からだ 全体 に 伝わって いた 。 寒風 の 中 、 縮こまって も よ さ そうな から だ が 、 かっと 燃える ような 苛立ち だった 。 男 を 見つけ出して 殴り かかれば 、 今夜 の この 鬱憤 が 晴れて くれ そうな 気 が した 。
殴った 分 だけ 殴られて 、 鼻血 でも 噴き出せば 、 この 意味 不明な 苛立ち が すっと 解消 し そうな 気 が した 。 結局 、 公園 を 出る まで に 取り逃がした 男 を 見つける こと は でき ず 、 舌打ち し ながら 公園 の 柵 を 跨いだ 。
オレンジ色 の 街灯 が アスファルト 道路 を 照らして いた 。
通り の 向こう から 歩いて くる 女 が 見えた の は その とき だった 。
誰 か と 待ち合わせ でも して いる の か 、 女 は 通り に 停められた 車 を 一 台 ずつ 確認 する ように 歩いて きた 。 公園 の 柵 を 跨いだ 増尾 は 、 植え込み から 歩道 へ 飛び降りた 。
その 瞬間 だった 。 ちょうど その 女 と 増尾 の 中間 辺り に 停 まって いた 車 が 「 ファン ! 」 と クラクション を 鳴らした のだ 。
乾いた クラクション は 公園 沿い の アスファルト 道路 に 響いた 。
クラクション に 驚いた 女 が 立ち止まる 。
先 に 気づいた の は 女 の ほう だった 。 街灯 で 少し 影 に なった その 顔 に さっと 笑み が 広がる の が 増尾 に も 見えた 。
女 は すぐに 駆け寄って きた 。
歩道 を 蹴る ブーツ の 音 が 暗い 園 内 に 吸い込まれて いく ようだった 。 駆け寄って くる 途中 、 女 は ちらっと クラクション を 鳴らした 車 の 中 を 覗き込んだ が 、 歩調 は 弛 め なかった 。
ちょうど その 車 を 通り過ぎた ころ 、 増尾 は その 女 が 天神 の バー で 会った あと 、 しつこく メール を 送って くる 石橋 佳乃 だ と 気 が ついた 。
「 増尾 くん ! 声 を かけられ 、 増尾 も とりあえず 片手 を 挙げて 応えた 。 ただ 、 クラクション を 鳴らした 車 の ほう も 気 に なって 、 そちら へ 目 を 向ける と 、 ルーム ライト の ついた 運転 席 に 、 若い 男 の 顔 が ぼんやり と 浮かんで 見える 。 はっきり 見えた わけで は なかった が 、 髪 の 色 と いい 、 さっき そこ で 立ち 小便 を して いた 男らしかった 。
待ち合わせ して いた らしい 男 に 声 も かけ ず に 、 佳乃 は 増尾 の 元 へ 駆け寄って きた 。
「 なん しち ょる と ? こんな 所 で 」
薄暗い 通り でも 、 佳乃 の 顔 に 浮かんだ 喜色 が はっきり と 見てとれる 。
「 ちょっと 小便 」
増尾 は 抱きつか ん ばかりに 駆け寄って きた 佳乃 から 一 歩 あと ず さった 。
「 偶然 や ねぇ 。 私 たち の 寮 、 ここ の 裏 に ある と よ 」
訊 いて も いない のに 、 佳乃 が 暗い 公園 を 指さして 教えて くれる 。 「 車 で 来た と ? 」 と 佳乃 が 辺り を 見回す 。
「 あ 、 うん 」
増尾 は 曖昧に 答え ながら も 、 すぐ そこ に 停められて いる 車 の 中 で 、 じっと こちら を 見つめて いる 金髪 の 男 を 気 に して いた 。 「 よか と ? 増尾 が その 車 の ほう へ 顎 を しゃ くる と 、 今 、 思い出した ように 振り返った 佳乃 が 、「 ああ 」 と 面倒臭 そうに 顔 を 歪め 、「 よか と 、 よか と 」 と 首 を 振る 。
「 でも 、 待ち合わせ し とった と やろ ? 「…… そう やけど 、 ほんとに 気 に せ んで 」
「 気 に せ んでって ……」 増尾 は 呆れて 言い返した 。 佳乃 が 諦めた ように 、「 ちょっと 、 ちょっと だけ 待っとって 」 と 言い残し 、 男 が 待つ 車 の ほう へ 駆け 戻る 。 別に 佳乃 と 会う つもりで ここ へ 来た わけで は なかった 。
だが 、 佳乃 の 勢い に 押されて しまい 、 彼女 を 置いて いく わけに も いか なく なった 。 佳乃 が 駆けて 行く と 、 ルーム ライト に 浮かんで いた 男 の 顔 が ちょっと だけ 弛 んだ 。
しかし 、 車 に 駆け寄った 佳乃 は 助手 席 の ドア を 開け 、 何やら 一言 二 言 、 男 に 告げた だけ で 、 すぐに ドア を 閉め 、 また 増尾 の ほう へ 駆け 戻って くる 。
ドア の 閉め 方 が あまりに も 乱暴で 、 その 音 が 閉まった あと も ずっと 通り に 響いて いる ようだった 。
「 ごめん ね 」
戻って きた 佳乃 は 、 なぜ か そう 謝る と 、「 あの 人 、 友達 の 友達 なん やけど 、 前 に ちょっと お 金貸し とって 」 と 、 迷惑 そうな 顔 を する 。
「 金 、 返して もらわ んで よ か と ? 「 よか と 、 よか と 。 あと で 私 の 口座 に 振り込んでって 、 今 、 頼んで きた 」 佳乃 は さらっと そう 言った 。 増尾 は 車 へ 目 を 向けた 。 男 は まだ こちら を じっと 見て いた 。
「 寮 に 帰る と ? 」 と 増尾 は 尋ねた 。
待ち合わせ して いた 男 を 放ったら か して 、 わざわざ 戻って きた に も かかわら ず 、 佳乃 は じっと 増尾 を 見つめた まま 、 次の 言葉 を 待って いる 。
「 う 、 うん ……」
増尾 の 質問 に 、 佳乃 は 曖昧な 笑み を 浮かべた 。
正直 、 この 手 の 女 は 苦手だった 。
何 か を 待って いる くせ に 、 何も 待って いない ふり を して 、 待って いる だけ の ように 見せかけて 、 その実 、 様々な もの を 要求 して いる 。 もしも 、 この とき 、 佳乃 と 待ち合わせて いた 男 の 車 が 、 その 場 から 立ち去って いたら 、 増尾 は 自分 の 車 に 佳乃 を 乗せて い なかった と 思う 。
「 そんじゃ 、 俺 、 帰る から 」 と 、 その 場 に 佳乃 を 置いて 立ち去る こと など 、 増尾 に とって 難しい こと で は なかった 。 だが 、 佳乃 の 肩 越し に じっと 動か ない 車 が あった 。 運転 席 に は ルーム ライト に ぼんやり と 浮かび上がった 男 の 顔 が ある 。 怒って いる ように も 、 悲しんで いる ように も 見えた 。
男 が 車 から 降りて くる 気配 は ない 。
佳乃 の ほう も 男 の 車 に 戻る 素振り を 見せ ない 。
「 寮 、 近い と ? 沈黙 を 埋める ように 増尾 が 尋ねる と 、 佳乃 は 一瞬 、 答え に 迷って 、 近い と も 近く ない と も 取れる ような 笑み を 浮かべた 。
「 送ろう か ? 増尾 の 言葉 に 佳乃 は 嬉し そうに 頷いた 。
キーロック を 解除 し 、 ガード レール を 跨いだ 。 助手 席 の ドア を 開けて やる と 、 佳乃 は 這う ように 乗り込んだ 。
寒風 の 中 、 外 で 立ち話 を して いる とき に は 気づか なかった が 、「 やっぱり 車 の 中 、 暖かい ね ー 」 と 身 を 震わせた 佳乃 の 口臭 が 、 やけに ニンニク 臭かった 。
気分 が 変わった の は 、 運転 席 に 乗り込んだ とき だった 。
その 夜 、 感じて いた 苛立ち を 、 この 女 に なら ぶつけられ そうな 気 が した 。 「 時間 ない ? エンジン を かけ ながら 尋ねる と 、「 なんで ? 」 と 佳乃 が 訊 いて くる 。
「 ちょっと ドライブ せ ん ? 」 と 増尾 は 訊 いた 。
「 ドライブ ? どこ に ? 断る 気 も ない くせ に 、 佳乃 が 首 を 傾げる 。
「 別に どこ でも いい けど ……、 三瀬 峠 の ほう に 肝 試しに 行こう か ? 増尾 は からかう ように そう 言った 。
言い ながら すでに アクセル を 踏んで いた 。 走り出した 車 の ルームミラー に 、 金髪 男 の 白い スカイライン が 映って いた 。