ゆき の 物語 第八章
--若殿 と の 出逢い --
城 の 中 でも 新しい 茶道 家 の 腕 に ついて 皆 が 話題 に して いました 。
殿さま の 長男 が 家老 に 「その 新しい 茶道 家 の 名高い お点前 を 、今晩 に でも 見て みたい 。 温泉 に 行って 、手筈 を 整えてくれ 」と 言いました 。
「畏まりました 」と 家老 は 言って 、温泉 へ 出かけました 。
家老 は 温泉 に 到着する と 、「女将 、茶の湯 の 予約 を したい のだが 」と 言いました 。
「はい 。
来週 は いかが です か 」と 女将 は 言いました 。
「今晩 は どう だ 。
若殿 さま が 城 で 新しい 茶道 家 の お手前 を ご覧になりたい と おっしゃって おる 」と 少し 急き立てる ように 、家老 は 女将 に 言いました 。
「若君 さま です か 。
はい 、はい 、今晩 の 予約 を 入れて おきます 。 今晩 必ず 城 に 行かせます 」と 女将 は 快く 答えました 。
家老 が 去った 後 で 、女将 は ゆき の ところ に 行きました 。
「 ゆき ちゃん ! 今晩 、若さま が 城 で あなた の お手前 を 見て みたい そうです 。 新しい 真珠 の 首飾り と 一番 きれいな 絹 の 着物 を 着て いきなさい 」と 言いました 。
その 日 、温泉 は 早めに 店じまい しました 。
女将 は ゆき が 城 に 行く ため に 身支度 を する の を 手伝い ました 。 その 夕刻 、ゆき は 城 に 行きました 。 若殿 の 部屋 に 案内された 後 で 、「はじめまして 。 温泉 の 茶道 家 、ゆき と 申し ます 。 どうぞ よろしく お願い し ます 」と ゆき は 言いました 。
「はじめまして 、ゆき 殿 。
よろしく 」と 若殿 は 言いました 。
それから ゆき は お点前 を 披露しました 。
「あなた は 本当に 達者な 茶道家 です ね 。 毎晩 ここ に 来て 、お点前 を 披露して ください 」と 若殿 は 言いました 。
ゆき は 「誠に お粗末 で は ございます が 、お望み でしたら 、必ず 毎晩 ここ に 来て 、お茶 を 点てさせていただきます 」と 言って 、温泉 に 帰りました 。
ゆき が 去った 後 で 、「あんな 美しくて 達者な 茶道家 を 見た こと は 今まで なかった 。
姫 の ような 風貌 だ 。 彼女 の こと を もっと 知ら なければ ならん 。 彼女 の こと を 手 を 尽くして 調べて おく ように 」と 若殿 は 家老 に 言いました 。
家老 は 「お望み と あれば 、何でも いたし ます 」と 答えました 。