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Aozora Bunko, 蜘蛛 の 糸 (2/3)

蜘蛛 の 糸 (2/3)

こちら は 地獄 の 底 の 血 の 池 で 、 ほか の 罪人 と 一しょに 、 浮いたり 沈んだり して いた 犍陀多 で ございます 。

何しろ どちら を 見て も 、 まっ 暗 で 、 たまに その くら 暗 から ぼんやり 浮き上って いる もの が ある と 思い ます と 、 それ は 恐し い 針 の 山 の 針 が 光る ので ございます から 、 その 心細 さ と 云 ったら ございませ ん 。 その 上 あたり は 墓 の 中 の ように しんと 静まり返って 、 たまに 聞える もの と 云 って は 、 ただ 罪人 が つく 微 な 嘆息 ばかり で ございます 。 これ は ここ へ 落ちて 来る ほど の 人間 は 、 もう さまざまな 地獄 の 責苦 に 疲れはてて 、 泣声 を 出す 力 さえ なくなって いる ので ございましょう 。 ですから さすが 大 泥坊 の 犍陀多 も 、 やはり 血 の 池 の 血 に 咽び ながら 、 まるで 死に かかった 蛙 の ように 、 ただ もがいて ばかり 居り ました 。 ところ が ある 時 の 事 で ございます 。 何気なく 犍陀多 が 頭 を 挙げて 、 血 の 池 の 空 を 眺め ます と 、 その ひっそり と した 暗 の 中 を 、 遠い 遠い 天上 から 、 銀色 の 蜘蛛 の 糸 が 、 まるで 人目 に かかる の を 恐れる ように 、 一すじ 細く 光り ながら 、 するする と 自分 の 上 へ 垂れて 参る ので は ございませ ん か 。 犍陀多 は これ を 見る と 、 思わず 手 を 拍って 喜び ました 。 この 糸 に 縋りついて 、 どこまでも のぼって 行けば 、 きっと 地獄 から ぬけ出せる の に 相違 ございませ ん 。 いや 、 うまく 行く と 、 極楽 へ は いる 事 さえ も 出来 ましょう 。 そう すれば 、 もう 針 の 山 へ 追い上げ られる 事 も なくなれば 、 血 の 池 に 沈め られる 事 も ある 筈 は ございませ ん 。 こう 思い ました から 犍陀多 は 、 早速 その 蜘蛛 の 糸 を 両手 で しっかり と つかみ ながら 、 一生懸命に 上 へ 上 へ と たぐり のぼり 始め ました 。 元 より 大 泥坊 の 事 で ございます から 、 こう 云 う 事 に は 昔 から 、 慣れ 切って いる ので ございます 。 しかし 地獄 と 極楽 と の 間 は 、 何 万里 と なく ございます から 、 いくら 焦って 見た 所 で 、 容易に 上 へ は 出 られ ませ ん 。 やや しばらく のぼる 中 に 、 とうとう 犍陀多 も くたびれて 、 もう 一 たぐり も 上 の 方 へ は のぼれ なく なって しまい ました 。 そこ で 仕方 が ございませ ん から 、 まず 一休み 休む つもりで 、 糸 の 中途 にぶら 下り ながら 、 遥かに 目 の 下 を 見下し ました 。 する と 、 一生懸命に のぼった 甲斐 が あって 、 さっき まで 自分 が いた 血 の 池 は 、 今では もう 暗 の 底 に いつの間にか かくれて 居り ます 。 それ から あの ぼんやり 光って いる 恐しい 針 の 山 も 、 足 の 下 に なって しまい ました 。 この 分 で のぼって 行けば 、 地獄 から ぬけ出す の も 、 存外 わけ が ない かも知れません 。 犍陀多 は 両手 を 蜘蛛 の 糸 に からみ ながら 、 ここ へ 来て から 何 年 に も 出した 事 の ない 声 で 、「 しめた 。 しめた 。 」 と 笑い ました 。 ところが ふと 気 が つき ます と 、 蜘蛛 の 糸 の 下 の 方 に は 、 数 限 も ない 罪人 たち が 、 自分 の のぼった 後 を つけて 、 まるで 蟻 の 行列 の ように 、 やはり 上 へ 上 へ 一心に よじのぼって 来る で は ございませ ん か 。 犍陀多 は これ を 見る と 、 驚いた の と 恐し い の と で 、 しばらく は ただ 、 莫迦 の ように 大きな 口 を 開いた まま 、 眼 ばかり 動かして 居り ました 。 自分 一 人 で さえ 断れ そうな 、 この 細い 蜘蛛 の 糸 が 、 どうして あれ だけ の 人数 の 重み に 堪える 事 が 出来 ましょう 。 もし 万一 途中 で 断れた と 致し ましたら 、 折角 ここ へ まで のぼって 来た この 肝腎 な 自分 まで も 、 元 の 地獄 へ 逆落し に 落ちて しまわ なければ なり ませ ん 。 そんな 事 が あったら 、 大変で ございます 。 が 、 そう 云 う 中 に も 、 罪人 たち は 何 百 と なく 何 千 と なく 、 まっ 暗 な 血 の 池 の 底 から 、 うようよ と 這い上って 、 細く 光って いる 蜘蛛 の 糸 を 、 一 列 に なり ながら 、 せっせと のぼって 参り ます 。 今 の 中 に どうかし なければ 、 糸 は まん 中 から 二 つ に 断れて 、 落ちて しまう の に 違い あり ませ ん 。 そこ で 犍陀多 は 大きな 声 を 出して 、「 こら 、 罪人 ども 。 この 蜘蛛 の 糸 は 己 の もの だ ぞ 。 お前たち は 一体 誰 に 尋いて 、 のぼって 来た 。 下りろ 。 下りろ 。 」 と 喚きました 。 その 途端 で ございます 。 今 まで 何とも なかった 蜘蛛 の 糸 が 、 急に 犍陀多 の ぶら 下って いる 所 から 、 ぷつり と 音 を 立てて 断れ ました 。 ですから 犍陀多 も たまり ませ ん 。 あっ と 云 う 間もなく 風 を 切って 、 独楽 の ように くるくる まわり ながら 、 見る見る 中 に 暗 の 底 へ 、 まっさかさまに 落ちて しまい ました 。 後 に は ただ 極楽 の 蜘蛛 の 糸 が 、 きらきら と 細く 光り ながら 、 月 も 星 も ない 空 の 中途 に 、 短く 垂れて いる ばかりで ございます 。


蜘蛛 の 糸 (2/3) くも||いと Spinnenfaden (2/3) Spider Threads (2/3) Hilo de araña (2/3) 蜘蛛线 (2/3) 蜘蛛线 (2/3)

こちら は 地獄 の 底 の 血 の 池 で 、 ほか の 罪人 と 一しょに 、 浮いたり 沈んだり して いた 犍陀多 で ございます 。 ||じごく||そこ||ち||いけ||||ざいにん||いっしょに|ういたり|しずんだり|||犍だ た|| This is a pond of blood at the bottom of hell, and it is a bamboo that was floating and sunk with the other sinners.

何しろ どちら を 見て も 、 まっ 暗 で 、 たまに その くら 暗 から ぼんやり 浮き上って いる もの が ある と 思い ます と 、 それ は 恐し い 針 の 山 の 針 が 光る ので ございます から 、 その 心細 さ と 云 ったら ございませ ん 。 なにしろ|||みて|||あん|||||あん|||うきあがって||||||おもい|||||こわし||はり||やま||はり||ひかる|||||こころぼそ|||うん||| Whatever you look at, whatever you see, it is dark, sometimes you are lying idly from the dark, because it is because the needle of a scary needle shines, so that its heartfelt I will not say that. その 上 あたり は 墓 の 中 の ように しんと 静まり返って 、 たまに 聞える もの と 云 って は 、 ただ 罪人 が つく 微 な 嘆息 ばかり で ございます 。 |うえ|||はか||なか||||しずまりかえって||きこえる|||うん||||ざいにん|||び||たんそく||| On top of that, the only thing that can be heard once and for all, as if in a grave, is just a slight sigh of sinners. これ は ここ へ 落ちて 来る ほど の 人間 は 、 もう さまざまな 地獄 の 責苦 に 疲れはてて 、 泣声 を 出す 力 さえ なくなって いる ので ございましょう 。 ||||おちて|くる|||にんげん||||じごく||せき く||つかれはてて|なきごえ||だす|ちから||||| This is because humans who have fallen here are already tired of the tribulations of various hells, and even have the power to cry out. ですから さすが 大 泥坊 の 犍陀多 も 、 やはり 血 の 池 の 血 に 咽び ながら 、 まるで 死に かかった 蛙 の ように 、 ただ もがいて ばかり 居り ました 。 ||だい|どろ ぼう||犍だ た|||ち||いけ||ち||むせび|||しに||かえる||||||おり| So, as expected, the great mud of the mud was still struggling as if it were a dead spider, crying into the blood of the blood pond. ところ が ある 時 の 事 で ございます 。 |||じ||こと|| However, there is a time. 何気なく 犍陀多 が 頭 を 挙げて 、 血 の 池 の 空 を 眺め ます と 、 その ひっそり と した 暗 の 中 を 、 遠い 遠い 天上 から 、 銀色 の 蜘蛛 の 糸 が 、 まるで 人目 に かかる の を 恐れる ように 、 一すじ 細く 光り ながら 、 するする と 自分 の 上 へ 垂れて 参る ので は ございませ ん か 。 なにげなく|犍だ た||あたま||あげて|ち||いけ||から||ながめ|||||||あん||なか||とおい|とおい|てんじょう||ぎんいろ||くも||いと|||ひとめ|||||おそれる||ひとすじ|ほそく|ひかり||||じぶん||うえ||しだれて|まいる||||| Suddenly raising a head and looking at the blood of the pond of blood, I was afraid that the thread of the silver cocoon would be caught in the eyes of the dark darkness, from the distant heavens. Isn't there a thing that hangs down on you while you shine thinly? 犍陀多 は これ を 見る と 、 思わず 手 を 拍って 喜び ました 。 犍だ た||||みる||おもわず|て||はく って|よろこび| When he saw this, he was delighted to clap his hands. この 糸 に 縋りついて 、 どこまでも のぼって 行けば 、 きっと 地獄 から ぬけ出せる の に 相違 ございませ ん 。 |いと||すがりついて|||いけば||じごく||ぬけだせる|||そうい|| If you cling to this thread, go up anywhere, surely there is no difference in getting out of hell. いや 、 うまく 行く と 、 極楽 へ は いる 事 さえ も 出来 ましょう 。 ||いく||ごくらく||||こと|||でき| No, if you go well, you can even go to paradise. そう すれば 、 もう 針 の 山 へ 追い上げ られる 事 も なくなれば 、 血 の 池 に 沈め られる 事 も ある 筈 は ございませ ん 。 |||はり||やま||おいあげ||こと|||ち||いけ||しずめ||こと|||はず||| Then, if there is no chance of catching up with a pile of needles, there may be no chance of being submerged in a blood pond. こう 思い ました から 犍陀多 は 、 早速 その 蜘蛛 の 糸 を 両手 で しっかり と つかみ ながら 、 一生懸命に 上 へ 上 へ と たぐり のぼり 始め ました 。 |おもい|||犍だ た||さっそく||くも||いと||りょうて||||||いっしょうけんめいに|うえ||うえ|||||はじめ| 元 より 大 泥坊 の 事 で ございます から 、 こう 云 う 事 に は 昔 から 、 慣れ 切って いる ので ございます 。 もと||だい|どろ ぼう||こと|||||うん||こと|||むかし||なれ|きって||| Because it is about a big mud boy than originally, it is because it has been accustomed to it for a long time from this. しかし 地獄 と 極楽 と の 間 は 、 何 万里 と なく ございます から 、 いくら 焦って 見た 所 で 、 容易に 上 へ は 出 られ ませ ん 。 |じごく||ごくらく|||あいだ||なん|まり||||||あせって|みた|しょ||よういに|うえ|||だ||| However, since there are tens of thousands of miles between hell and paradise, it is easy to get out of the way, even if you look at it in a hurry. やや しばらく のぼる 中 に 、 とうとう 犍陀多 も くたびれて 、 もう 一 たぐり も 上 の 方 へ は のぼれ なく なって しまい ました 。 |||なか|||犍だ た||||ひと|||うえ||かた||||||| In the midst of a while it finally got tired of getting rid of a lot of buddies and it stopped climbing upwards one more. そこ で 仕方 が ございませ ん から 、 まず 一休み 休む つもりで 、 糸 の 中途 にぶら 下り ながら 、 遥かに 目 の 下 を 見下し ました 。 ||しかた||||||ひとやすみ|やすむ||いと||ちゅうと||くだり||はるかに|め||した||みくだし| There was no way I could do it, so I intended to take a rest first, and while hanging in the middle of the thread, I looked down far below my eyes. する と 、 一生懸命に のぼった 甲斐 が あって 、 さっき まで 自分 が いた 血 の 池 は 、 今では もう 暗 の 底 に いつの間にか かくれて 居り ます 。 ||いっしょうけんめいに||かい|||||じぶん|||ち||いけ||いまでは||あん||そこ||いつのまにか||おり| Then, it was worth the effort, and the pond of blood that I had been in until a while ago is now hidden in the bottom of the darkness. それ から あの ぼんやり 光って いる 恐しい 針 の 山 も 、 足 の 下 に なって しまい ました 。 ||||ひかって||こわし い|はり||やま||あし||した|||| Then that dimly shining pile of scary needles fell under my feet. この 分 で のぼって 行けば 、 地獄 から ぬけ出す の も 、 存外 わけ が ない かも知れません 。 |ぶん|||いけば|じごく||ぬけだす|||ぞんがい||||かも しれ ませ ん 犍陀多 は 両手 を 蜘蛛 の 糸 に からみ ながら 、 ここ へ 来て から 何 年 に も 出した 事 の ない 声 で 、「 しめた 。 犍だ た||りょうて||くも||いと||||||きて||なん|とし|||だした|こと|||こえ|| He looked at his hands on the thread of the spider, and he said, "With a voice that has never been published for years since I came here. しめた 。 」 と 笑い ました 。 ||わらい| I closed it. I laughed. ところが ふと 気 が つき ます と 、 蜘蛛 の 糸 の 下 の 方 に は 、 数 限 も ない 罪人 たち が 、 自分 の のぼった 後 を つけて 、 まるで 蟻 の 行列 の ように 、 やはり 上 へ 上 へ 一心に よじのぼって 来る で は ございませ ん か 。 ||き|||||くも||いと||した||かた|||すう|げん|||ざいにん|||じぶん|||あと||||あり||ぎょうれつ||||うえ||うえ||いっしんに||くる||||| However, suddenly I noticed that in the lower part of the spider's thread, the infinite number of sinners wore their own ascendant, and as if in a line of ants, to the top. Isn't it going up? 犍陀多 は これ を 見る と 、 驚いた の と 恐し い の と で 、 しばらく は ただ 、 莫迦 の ように 大きな 口 を 開いた まま 、 眼 ばかり 動かして 居り ました 。 犍だ た||||みる||おどろいた|||こわし||||||||ばか|||おおきな|くち||あいた||がん||うごかして|おり| When he saw this, he was surprised and scared, and for a while he kept his eyes open, with his big mouth open like a monster. 自分 一 人 で さえ 断れ そうな 、 この 細い 蜘蛛 の 糸 が 、 どうして あれ だけ の 人数 の 重み に 堪える 事 が 出来 ましょう 。 じぶん|ひと|じん|||ことわれ|そう な||ほそい|くも||いと||||||にんずう||おもみ||こらえる|こと||でき| How can this thin spider's thread, which even one person could refuse, bear the weight of that many people? もし 万一 途中 で 断れた と 致し ましたら 、 折角 ここ へ まで のぼって 来た この 肝腎 な 自分 まで も 、 元 の 地獄 へ 逆落し に 落ちて しまわ なければ なり ませ ん 。 |まんいち|とちゅう||ことわれた||いたし||せっかく|||||きた||かん じん||じぶん|||もと||じごく||さかおとし||おちて||||| In the unlikely event that I was refused on the way, I would have to fall back to the original hell, even to this hepatorenal me who came up here. そんな 事 が あったら 、 大変で ございます 。 |こと|||たいへんで| が 、 そう 云 う 中 に も 、 罪人 たち は 何 百 と なく 何 千 と なく 、 まっ 暗 な 血 の 池 の 底 から 、 うようよ と 這い上って 、 細く 光って いる 蜘蛛 の 糸 を 、 一 列 に なり ながら 、 せっせと のぼって 参り ます 。 ||うん||なか|||ざいにん|||なん|ひゃく|||なん|せん||||あん||ち||いけ||そこ||||はいあがって|ほそく|ひかって||くも||いと||ひと|れつ||||||まいり| 今 の 中 に どうかし なければ 、 糸 は まん 中 から 二 つ に 断れて 、 落ちて しまう の に 違い あり ませ ん 。 いま||なか||||いと|||なか||ふた|||ことわれて|おちて||||ちがい||| Unless something is wrong with the current situation, there is no doubt that the thread is cut from the middle into two and falls. そこ で 犍陀多 は 大きな 声 を 出して 、「 こら 、 罪人 ども 。 ||犍だ た||おおきな|こえ||だして||ざいにん| There, Saidata shouted, "Here, sinners. この 蜘蛛 の 糸 は 己 の もの だ ぞ 。 |くも||いと||おのれ|||| This spider's thread is my own. お前たち は 一体 誰 に 尋いて 、 のぼって 来た 。 おまえたち||いったい|だれ||じん いて||きた Who on earth did you ask and climb up? 下りろ 。 おりろ 下りろ 。 」 と 喚きました 。 おりろ||かん き ました Get off. I screamed. その 途端 で ございます 。 |とたん|| 今 まで 何とも なかった 蜘蛛 の 糸 が 、 急に 犍陀多 の ぶら 下って いる 所 から 、 ぷつり と 音 を 立てて 断れ ました 。 いま||なんとも||くも||いと||きゅうに|犍だ た|||くだって||しょ||||おと||たてて|ことわれ| A spider's thread, which had never been seen before, suddenly fell from the place where the sword of the sword was hung, and it was refused with a sound. ですから 犍陀多 も たまり ませ ん 。 |犍だ た|||| That's why I don't have a lot of swords. あっ と 云 う 間もなく 風 を 切って 、 独楽 の ように くるくる まわり ながら 、 見る見る 中 に 暗 の 底 へ 、 まっさかさまに 落ちて しまい ました 。 ||うん||まもなく|かぜ||きって|こま||||||みるみる|なか||あん||そこ|||おちて|| I quickly cut the wind and swirled around like a top, and while I was watching, I fell to the bottom of the darkness and headed down. 後 に は ただ 極楽 の 蜘蛛 の 糸 が 、 きらきら と 細く 光り ながら 、 月 も 星 も ない 空 の 中途 に 、 短く 垂れて いる ばかりで ございます 。 あと||||ごくらく||くも||いと||||ほそく|ひかり||つき||ほし|||から||ちゅうと||みじかく|しだれて||| After that, the spider's thread of paradise is shining thinly, but it just hangs short in the middle of the sky without the moon and stars.