10.2 ハロウィーン
10.2 Halloween.
10.2 Halloween
10.2 Halloween.
10.2 Halloween.
10.2 Dia das Bruxas.
10.2 Хэллоуин.
10.2 Halloween.
10.2 万圣节
10.2 万圣节
毎日 たっぷり 宿題 が ある 上 、 週 三 回 の クィディッチ の 練習 で 忙しく なった 。
まいにち||しゅくだい|||うえ|しゅう|みっ|かい||||れんしゅう||いそがしく|
I had plenty of homework every day, and I was busy practicing Quidditch three times a week.
その せい か 、 気 が つく と 、 なんと ホグワーツ に 来て から もう 二 カ月 も 経って いた 。
|||き|||||||きて|||ふた|かげつ||たって|
Perhaps because of that, I realized that it had already been two months since I came to Hogwarts.
今では プリベット 通り より も 城 の 方 が 自分 の 家 だ と いう 気 が して いた 。
いまでは||とおり|||しろ||かた||じぶん||いえ||||き|||
I now felt that the castle was my home rather than Privet Street.
授業 の 方 も 、 基礎 が だいぶ わかって きた ので おもしろく なって きた 。
じゅぎょう||かた||きそ||||||||
The lessons have become more interesting because I have learned a lot about the basics.
ハロウィーン の 朝 、 パンプキンパイ を 焼く おいし そうな 匂い が 廊下 に 漂って きて 、 みんな 目 を 覚ました 。
||あさ|||やく||そう な|におい||ろうか||ただよって|||め||さました
On Halloween morning, the delicious smell of baking pumpkin pies drifted down the hallway, and everyone woke up.
もっと 嬉しい こと に 、「 妖精 の 魔法 」 の 授業 で フリットウィック 先生 が 、 そろそろ 物 を 飛ばす 練習 を しましょう と 言った 。
|うれしい|||ようせい||まほう||じゅぎょう|||せんせい|||ぶつ||とばす|れんしゅう||し ましょう||いった
Even better, Professor Flitwick said in the "Fairy Magic" class that it was time to practice flying things.
先生 が ネビル の ヒキガエル を ブンブン 飛び回ら せる の を 見て から と いう もの 、 みんな やって み たくて たまらなかった 。
せんせい||||ひきがえる|||とびまわら||||みて|||||||||
Ever since the teacher saw Neville's toads buzzing around, we've all been dying to try it.
先生 は 生徒 を 二 人 ずつ 組ま せて 練習 さ せた 。
せんせい||せいと||ふた|じん||くま||れんしゅう||
The teacher practiced with two students in pairs.
ハリー は シェーマス ・ フィネガン と 組んだ ( ネビル が ハリー と 組み たくて じっと こっち を 見て いた ので 、 これ で ホッと した )。
|||||くんだ|||||くみ|||||みて|||||ほっと|
Harry teamed up with Seamus Finnigan (I was relieved that Neville was looking at me because he wanted to work with Harry).
ロン は 、 なんと 、 ハーマイオニー と 組む こと に なった 。
|||||くむ|||
Ron ended up teaming up with Hermione.
二 人 と も これ に は カンカン だった 。
ふた|じん||||||かんかん|
Both of them were crazy about this.
ハリー が 箒 を 受け取って 以来 、 ハーマイオニー は 一 度 も 二 人 と 口 を きいて い なかった 。
||そう||うけとって|いらい|||ひと|たび||ふた|じん||くち||||
Hermione has never spoken to them since Harry received the broom.
「 さあ 、 今 まで 練習 して きた しなやかな 手首 の 動かし 方 を 思い出して 」
|いま||れんしゅう||||てくび||うごかし|かた||おもいだして
"Now, remember the supple wrist movements you've been practicing so far."
いつも の ように 積み重ねた 本 の 上 に 立って 、 フリットウィック 先生 は キーキー 声 で 言った 。
|||つみかさねた|ほん||うえ||たって||せんせい|||こえ||いった
Standing on top of the stack of books as usual, Professor Flitwick said in a squeaky voice.
「 ビューン 、 ヒョイ 、 です よ 。
"Viewn, Hyoy, right?
いい です か 、 ビューン 、 ヒョイ 。
Are you okay, Byun, Hyoi.
呪文 を 正確に 、 これ も また 大切です よ 。
じゅもん||せいかくに||||たいせつです|
Accurately spell, this is also important.
覚えてます ね 、 あの 魔法使い バルッフィオ は 、『 f 』 で なく 『 s 』 の 発音 を した ため 、 気 が ついたら 、 自分 が 床 に 寝転んで バッファロー が 自分 の 胸 に 乗っかって いました ね 」 これ は とても 難しかった 。
おぼえて ます|||まほうつかい||||||||はつおん||||き|||じぶん||とこ||ねころんで|||じぶん||むね||のっかって|い ました|||||むずかしかった
Remember, that wizard, Barufio, pronounced "s" instead of "f", so when he noticed, he was lying on the floor and Buffalo was on his chest. " was difficult .
ハリー も シェーマス も ビューン 、 ヒョイ 、 と やった のに 、 空中 高く 浮く はずの 羽 は 机 の 上 に はりついた まま だ 。
|||||||||くうちゅう|たかく|うく||はね||つくえ||うえ||||
Both Harry and Shamus did Boon, Hyoy, but the wings that were supposed to float high in the air remained clinging to the desk.
シェーマス が かんしゃく を 起こして 、 杖 で 羽 を 小突いて 火 を つけて しまった ので 、 ハリー は 帽子 で 火 を 消す はめになった 。
||||おこして|つえ||はね||こづいて|ひ|||||||ぼうし||ひ||けす|はめ に なった
Harry was forced to put out the fire with his hat, as Shamus had a tantrum and stabbed his wings with a wand to set it on fire.
隣 の ロン も 、 似たり寄ったり の 惨め さ だった 。
となり||||にたりよったり||みじめ||
Ron next door was also miserable.
「 ウィンガデイアム レヴィオーサ !
"Winga Diam Leviosa!
」
長い 腕 を 風車 の ように 振り回して ロン が 叫んで いる 。
ながい|うで||かざぐるま|||ふりまわして|||さけんで|
yells Ron, swinging his long arms like windmills.
ハーマイオニー の とんがった 声 が 聞こえる 。
|||こえ||きこえる
I hear Hermione's sharp voice.
「 言い 方 が まちがって る わ 。
いい|かた||||
You're saying the wrong thing.
ウィン 、 ガー ・ デイアム レヴィ ・ オーサ 。
『 ガー 』 と 長一 く きれいに 言わ なくちゃ 」
||ちょういち|||いわ|
I have to say "Gar" cleanly. "
「 そんなに よく ご存知 なら 、 君 が やって みろ よ 」 と ロン が 怒鳴って いる 。
||ごぞんじ||きみ||||||||どなって|
"If you know so well, you should try it," yells Ron.
ハーマイオニー は ガウン の 袖 を まくり 上げて 杖 を ビューン と 振り 、 呪文 を 唱えた 。
||がうん||そで|||あげて|つえ||||ふり|じゅもん||となえた
Hermione rolled up her gown's sleeves, shook her wand with Boon, and cast a spell.
「 ウィンガーデイアム レヴィオーサ !
」
すると 、 羽 は 机 を 離れ 、 頭上 一・二 メートル ぐらい の 所 に 浮いた で は ない か 。
|はね||つくえ||はなれ|ずじょう|ひと|ふた|めーとる|||しょ||ういた||||
Then, did the wings leave the desk and float about a meter or two above their heads?
「 オーッ 、 よく できました !
||でき ました
」 先生 が 拍手 を して 叫んだ 。
せんせい||はくしゅ|||さけんだ
The teacher applauded and shouted.
「 皆さん 、 見て ください 。
みなさん|みて|
グレンジャー さん が やりました !
|||やり ました
Granger did it!
」
クラス が 終わった 時 、 ロン は 最悪の 機嫌 だった 。
くらす||おわった|じ|||さいあくの|きげん|
When the class was over, Ron was in the worst mood.
「 だ から 、 誰 だって あいつ に は 我慢 でき ないって いう んだ 。
||だれ|||||がまん||ない って||
"That's why no one can put up with him.
まったく 悪夢 みたいな ヤツ さ 」
|あくむ||やつ|
It ’s like a nightmare. ”
廊下 の 人ごみ を 押し 分け ながら 、 ロン が ハリー に 言った 。
ろうか||ひとごみ||おし|わけ||||||いった
said Ron to Harry, pushing through the crowd in the hallway.
誰 か が ハリー に ぶつかり 、 急いで 追い越して いった 。
だれ||||||いそいで|おいこして|
Someone bumped into Harry and hurriedly overtook him.
ハーマイオニー だ 。
ハリー が 顔 を チラッ と 見る と ── 驚いた こと に 、 泣いて いる !
||かお||||みる||おどろいた|||ないて|
When Harry glanced at his face ── To my surprise, he was crying!
「 今 の 、 聞こえた みたい 」 と ハリー 。
いま||きこえた|||
"I think I heard it now," Harry said.
「 それ が どうした ?
" What about it ?
」
ロン も 少し 気 に して いた が 、「 誰 も 友達 が いないって こと は とっくに 気 が ついて いる だろう さ 」 と 言った 。
||すこし|き|||||だれ||ともだち||いない って||||き|||||||いった
Ron was a little worried, but he said, "I'm sure you've already noticed that no one has friends."
ハーマイオニー は 次の クラス に 出て 来 なかった し 、 その 日 の 午後 は 一 度 も 見かけ なかった 。
||つぎの|くらす||でて|らい||||ひ||ごご||ひと|たび||みかけ|
Hermione didn't come to the next class, and I never saw her that afternoon.
ハロウィーン の ご馳走 を 食べ に 大広間 に 向かう 途中 、 パーバティ ・ パチル が ラベンダー に 話して いる の を ハリー たち は 小 耳 に はさんだ 。
||ごちそう||たべ||おおひろま||むかう|とちゅう||||らべんだー||はなして|||||||しょう|みみ||
Harry and his friends overheard Parvati Patil talking to lavender on his way to the hall for a Halloween treat.
ハーマイオニー が トイレ で 泣いて いて 、 一 人 に して くれ と 言った らしい 。
||といれ||ないて||ひと|じん|||||いった|
Hermione was crying in the bathroom and told me to leave her alone.
ロン は また 少し バツ の 悪 そうな 額 を した が 、 大広間 で ハロウィーン の 飾りつけ を 見た 瞬間 、 ハーマイオニー の こと など 二 人 の 頭 から 吹っ飛んで しまった 。
|||すこし|ばつ||あく|そう な|がく||||おおひろま||||かざりつけ||みた|しゅんかん|||||ふた|じん||あたま||ふっとんで|
Ron also made a slightly ugly amount, but the moment he saw the Halloween decorations in the hall, Hermione and others were blown away from their heads.
千 匹 も の こうもり が 壁 や 天井 で 羽 を ば たつ か せ 、 もう 千 匹 が 低く たれこめた 黒雲 の ように テーブル の すぐ 上 まで 急 降下 し 、 くり抜いた かぼちゃ の 中 の ろうそく の 炎 を ちらつかせた 。
せん|ひき|||||かべ||てんじょう||はね|||||||せん|ひき||ひくく||くろ くも|||てーぶる|||うえ||きゅう|こうか||くりぬいた|||なか||||えん||
Thousands of bats flutter their wings on the walls and ceiling, and another thousand flutter down to just above the table, like a low-lying black cloud, and flicker the candle flame in a hollowed-out pumpkin. I let you.
新 学期 の 始まり の 時 と 同じ ように 、 突如 金色 の 皿 に 乗った ご馳走 が 現れた 。
しん|がっき||はじまり||じ||おなじ||とつじょ|きんいろ||さら||のった|ごちそう||あらわれた
Suddenly, a treat on a golden plate appeared, just as it did at the beginning of the new semester.
ハリー が 皮 つき ポテト を 皿 に よ そって いた ちょうど その 時 、 クィレル 先生 が 全速力 で 部屋 に かけこんで 来た 。
||かわ||ぽてと||さら|||||||じ||せんせい||ぜんそくりょく||へや|||きた
Just as Harry was putting the potatoes in the skin on his plate, Professor Quirrell sprinted into the room.
ターバン は ゆがみ 、 顔 は 恐怖 で 引きつって いる 。
たーばん|||かお||きょうふ||ひきつって|
His turban is contorted and his face is contorted with terror.
みんな が 見つめる 中 を 、 クィレル 先生 は ダンブルドア 先生 の 席 まで たどり着き 、 テーブル に もたれかかり 、 あえぎあえぎ 言った 。
||みつめる|なか|||せんせい|||せんせい||せき||たどりつき|てーぶる||||いった
As everyone stared, Dr. Quirel reached Dumbledore's seat, leaned against the table, and gasped.
「 トロール が …… 地下 室 に …… お 知らせ し なくて は と 思って 」
||ちか|しつ|||しらせ|||||おもって
"Trolls ... in the basement ... I thought I had to let you know."
クィレル 先生 は その場で バッタリ と 気 を 失って しまった 。
|せんせい||そのばで|ばったり||き||うしなって|
Sensei Quirel fainted on the spot.
大 混乱 に なった 。
だい|こんらん||
It was a big mess.
ダンブルドア 先生 が 杖 の 先 から 紫色 の 爆竹 を 何度 か 爆発 さ せて 、 やっと 静かに さ せた 。
|せんせい||つえ||さき||むらさきいろ||ばくちく||なんど||ばくはつ||||しずかに||
Dr. Dumbledore exploded a purple firecracker from the tip of his wand several times, and finally quietly.
「 監督 生 よ 」
かんとく|せい|
"Director student"
重々しい ダンブルドア 先生 の 声 が 轟いた 。
おもおもしい||せんせい||こえ||とどろいた
The heavy voice of Professor Dumbledore roared.
「 すぐさま 自分 の 寮 の 生徒 を 引率 して 寮 に 帰る ように 」
|じぶん||りょう||せいと||いんそつ||りょう||かえる|
"Immediately lead the students from your dormitory back to the dormitory."
パーシー は 水 を 飲み込んだ 。
||すい||のみこんだ
Percy is a fish that gets water.
「 僕 に ついて 来て !
ぼく|||きて
"Follow me!
一 年生 は みんな 一緒に 固まって !
ひと|ねんせい|||いっしょに|かたまって
All the first graders get together!
僕 の 言う とおり に して いれば 、 トロール は 恐 る る に 足ら ず !
ぼく||いう|||||||こわ||||たら|
If you do what I say, the trolls are scary enough!
さあ 、 僕 の 後ろ に ついて 離れ ないで !
|ぼく||うしろ|||はなれ|
Come on, don't leave behind me!
道 を 開けて くれ 。
どう||あけて|
Please open the way.
一 年生 を 通して くれ !
ひと|ねんせい||とおして|
Go through the first grade!
道 を 開けて 。
どう||あけて
Make way.
僕 は 監督 生 です !
ぼく||かんとく|せい|
」
「 いったい どう やって トロール は 入って きた んだろう 」 階段 を 上がり ながら ハリー は ロン に 聞いた 。
|||||はいって|||かいだん||あがり||||||きいた
'How the hell did the troll get in?' Harry asked Ron as he climbed the stairs.
「 僕 に 聞いた って 知ら ない よ 。
ぼく||きいた||しら||
"I don't know if you asked me.
トロールって 、 とっても バカな ヤツ らしい よ 。
トロール って||ばかな|やつ||
Trolls seem to be very stupid guys.
もしかしたら ハロウィーン の 冗談 の つもり で 、 ピーブズ が 入れた の か な 」 と ロン が 答えた 。
|||じょうだん||||||いれた|||||||こたえた
Maybe Peeves put it in there as a Halloween joke," Ron replied.
みんな が あっちこっち の 方向 に 急いで いた 。
||||ほうこう||いそいで|
Everyone was rushing in all directions.
いろんな グループ と すれ違い 、 右往左往 して いる ハッフルパフ の 一団 を 掻き分けて 進もう と して いた ちょうど その 時 、 ハリー が 突然 ロン の 腕 を つかんだ 。
|ぐるーぷ||すれちがい|うおうさおう|||||いちだん||かきわけて|すすもう||||||じ|||とつぜん|||うで||
Harry suddenly grabbed Ron's arm just as he was trying to squeeze through a group of huffle puffs, passing by various groups.
「 ちょっと 待って …… ハーマイオニー だ 」
|まって||
"Wait a minute... it's Hermione."
「 あいつ が どうかした かい ?
"What's wrong with him?
」
「 トロール の こと 知ら ない よ 」
|||しら||
I don't know anything about trolls.
ロン が 唇 を かんだ 。
||くちびる||
Ron bit his lips.
「 わかった 。
" all right .
だけど パーシー に 気づか れ ない ように し なきゃ 」
|||きづか|||||
But I have to keep Percy from noticing."
ヒョイ と 屈 んで 、 二 人 は 反対 方向 に 行く ハッフルパフ 寮生 に 紛れ込み 、 誰 も い なく なった 方 の 廊下 を すり抜け 、 女子 用 トイレ へ と 急いだ 。
||くっ||ふた|じん||はんたい|ほうこう||いく||りょうせい||まぎれこみ|だれ|||||かた||ろうか||すりぬけ|じょし|よう|といれ|||いそいだ
Crouching down, they slipped into the Hufflepuffs going in the opposite direction, slipped through the empty hallway, and hurried to the women's restroom.
角 を 曲がった とたん 、 後ろ から 急ぎ足 で やってくる 音 が 聞こえた 。
かど||まがった||うしろ||いそぎあし|||おと||きこえた
As soon as I turned the corner, I heard the sound of hurried feet coming from behind me.
「 パーシー だ !
"It's Percy!
」
ロン が ささやき 、 怪獣 グリフィン の 大きな 石像 の 後ろ に ハリー を 引っ張り込んだ 。
|||かいじゅう|||おおきな|せきぞう||うしろ||||ひっぱりこんだ
Ron whispered, pulling Harry behind a large stone statue of the monster Griffin.
石像 の 陰 から 目 を 凝らして 見る と 、 パーシー で は なく スネイプ だった 。
せきぞう||かげ||め||こらして|みる|||||||
When I looked closely from the shadow of the stone statue, it was Snape, not Percy.
廊下 を 渡り 、 視界 から 消えて いった 。
ろうか||わたり|しかい||きえて|
Crossed the corridor and disappeared from sight.
「 何 して る んだろう 。
なん|||
"What are you doing?
どうして 他の 先生 と 一緒に 地下 室 に 行か ない んだろう 」
|たの|せんせい||いっしょに|ちか|しつ||いか||
Why don't you go to the basement room with other teachers? "
ハリー が つぶやいた 。
Harry tweeted.
「 知る もん か 」
しる||
"Do you know?"
スネイプ の 足音 が だんだん 消えて いく 方 を 耳 で 迫って 、 二 人 は できる だけ 音 を たて ない ように 身 を 屈めて 廊下 を 歩いて いった 。
||あしおと|||きえて||かた||みみ||せまって|ふた|じん||||おと|||||み||かがめて|ろうか||あるいて|
As Snape's footsteps gradually disappeared, the two bowed down and walked down the hallway, trying not to make as much noise as possible.
「 スネイプ は 四 階 の 方 に 向かって る よ 」 と 言う ハリー を ロン が 手 を 上げて 制した 。
||よっ|かい||かた||むかって||||いう|||||て||あげて|せいした
Ron raised his hand to control Harry, who said, "Snape is heading towards the fourth floor."
「 なに か 匂わ ない か ?
||におわ||
"Do you smell anything?
」
ハリー が クンクン と 鼻 を 使う と 、 汚れた 靴下 と 、 掃除 を した こと が ない 公衆 トイレ の 匂い を 混ぜた ような 悪臭 が 鼻 を ついた 。
||||はな||つかう||けがれた|くつした||そうじ||||||こうしゅう|といれ||におい||まぜた||あくしゅう||はな||
Harry sniffed, and a foul smell hit his nostrils, like a mixture of dirty socks and the smell of a public restroom that had never been cleaned.
次に 音 が 聞こえた …… 低い プァープァー と いう うなり 声 、 巨大な 足 を 引きずる ように 歩く 音 。
つぎに|おと||きこえた|ひくい|||||こえ|きょだいな|あし||ひきずる||あるく|おと
Next, I heard a sound ... A low-pitched growl, the sound of a giant dragging foot.
ロン が 指さした …… 廊下 の むこう 側 左手 から 何 か 大きな 物 が こっち に 近づいて 来る 。
||ゆびさした|ろうか|||がわ|ひだりて||なん||おおきな|ぶつ||||ちかづいて|くる
Ron pointed to ... Something big came up to me from the left hand on the other side of the corridor.
二 人 が 物 影 に 隠れて 身 を 縮めて いる と 、 月 明り に 照らさ れた 場所 に その 大きな 物 が ヌーッ と 姿 を 現した 。
ふた|じん||ぶつ|かげ||かくれて|み||ちぢめて|||つき|あかり||てらさ||ばしょ|||おおきな|ぶつ||||すがた||あらわした
As the two crouched under the shadows, a large object appeared in the moonlight.
恐ろしい 光景 だった 。
おそろしい|こうけい|
It was a terrifying sight.
背 は 四 メートル も あり 、 墓石 の ような 鈍い 灰色 の 肌 、 岩石 の ように ゴツゴツ の ずんぐり した 巨体 、 ハゲ た 頭 は 小さく 、 ココナッツ が ちょこんと 載って いる ようだ 。
せ||よっ|めーとる|||はかいし|||にぶい|はいいろ||はだ|がんせき|||ごつごつ||||きょたい|||あたま||ちいさく||||のって||
It is four meters tall, has dull gray skin like a tombstone, a rugged, chunky giant like a rock, a small bald head, and a little coconut on it.
短い 脚 は 木 の 幹 ほど 太く 、 コブ だらけ の 平たい 足 が ついて いる 。
みじかい|あし||き||みき||ふとく|こぶ|||ひらたい|あし|||
The short legs are as thick as the trunk of a tree, with flat feet full of bumps.
ものすごい 悪臭 を 放って いる 。
|あくしゅう||はなって|
It emits a terrible stench.
腕 が 異常に 長い ので 、 手 に した 巨大な 棍棒 は 床 を 引きずって いる 。
うで||いじょうに|ながい||て|||きょだいな|こんぼう||とこ||ひきずって|
The arm is unusually long, so the giant club in his hand is dragging the floor.
トロール は ドア の 前 で 立ち止まり 、 中 を じっと 見た 。
||どあ||ぜん||たちどまり|なか|||みた
The troll stopped in front of the door and stared inside.
長い 耳 を ピク つか せ 、 中身 の ない 頭 で 考えて いた が 、 やがて 前屈み に ノロノロ と 中 に 入った 。
ながい|みみ|||||なかみ|||あたま||かんがえて||||まえかがみ||のろのろ||なか||はいった
He picked up his long ears and thought with an empty head, but eventually he leaned forward and slipped inside.
「 鍵 穴 に 鍵 が ついた まま だ 。
かぎ|あな||かぎ||||
"The key is still in the key hole.
あいつ を 閉じ込められる 」 ハリー が 声 を 殺して 言った 。
||とじこめ られる|||こえ||ころして|いった
He's trapped, "Harry said, killing his voice.
「 名案 だ 」 ロン の 声 は ビクビク して いる 。
めいあん||||こえ||びくびく||
"Good idea," Ron's voice trembled.
トロール が 出て きません ように と 祈り ながら 、 二 人 は 開けっぱなし の ドア の 方 に ジリジリ と 進んだ 。
||でて|き ませ ん|||いのり||ふた|じん||あけっぱなし||どあ||かた||じりじり||すすんだ
Praying that the troll would not come out, they scurried towards the door that was left open.
喉 が カラカラ だった 。
のど|||
My throat was empty.
最後 の 一 歩 は 大きく ジャンプ して 、 ハリー は 鍵 を つかみ ドア を ぴしゃり と 閉めて 鍵 を かけた 。
さいご||ひと|ふ||おおきく|じゃんぷ||||かぎ|||どあ||||しめて|かぎ||
With one final step, Harry took a big jump, grabbed the key and slammed the door shut and locked it.
「 やった !
" Hooray !
」 勝利 に 意気揚々 、 二 人 は もと 来た 廊下 を 走った が 、 曲り角 まで 来た 時 、 心臓 が 止まり そうな 声 を 聞いた ── かん高い 、 恐怖 で 立ちすくんだ ような 悲鳴 ── 今 、 鍵 を かけた ばかりの 部屋 の 中 から だ 。
しょうり||いきようよう|ふた|じん|||きた|ろうか||はしった||まがりかど||きた|じ|しんぞう||とまり|そう な|こえ||きいた|かんだかい|きょうふ||たちすくんだ||ひめい|いま|かぎ||||へや||なか||
With triumph, they ran down the corridor they originally came from, but when they reached the corner, they heard a voice that seemed to stop their hearts ── high, horrifying screams ── now, the key. It's from inside the room I just put on.
「 しまった 」 ロン の 顔 は 「 血みどろ 男爵 」 ぐらい 真っ青だった 。
|||かお||ちみどろ|だんしゃく||まっさおだった
"Oops," Ron's face was as pale as the "Bloody Baron."
「 女子 用 トイレ だ !
じょし|よう|といれ|
"It's a women's toilet!
」 ハリー も 息 を のんだ 。
||いき||
' Harry gasped too.
「 ハーマイオニー だ !
」 二 人 が 同時に 叫んだ 。
ふた|じん||どうじに|さけんだ
The two shouted at the same time.
これ だけ は 絶対 やり たく なかった が 、 他 に 手段 が ある だろう か ?
|||ぜったい|||||た||しゅだん||||
I definitely didn't want to do this, but is there any other way?
回れ 右 を して 二 人 は ドア へ と 全力 疾走 した 。
まわれ|みぎ|||ふた|じん||どあ|||ぜんりょく|しっそう|
They turned around and sprinted for the door.
気 が 動転 して 鍵 が うまく 回せ ない ── 開いた ── ハリー が ドア を 開けた ── 二 人 は 突入 した 。
き||どうてん||かぎ|||まわせ||あいた|||どあ||あけた|ふた|じん||とつにゅう|
I was upset and couldn't turn the key well ── opened ── Harry opened the door ── the two rushed in.
ハーマイオニー ・ グレンジャー は 奥 の 壁 に はりついて 縮みあがって いた 。
|||おく||かべ|||ちぢみあがって|
Hermione Granger was clinging to the back wall and shrinking.
いまにも 気 を 失わ ん ばかりだった 。
|き||うしなわ||
I was just fainting.
トロール は 洗面 台 を 次々 と なぎ倒し ながら 、 ハーマイオニー に 近づいて いく 。
||せんめん|だい||つぎつぎ||なぎたおし||||ちかづいて|
The troll approaches Hermione, knocking down the washbasin one after another.
「 こっち に 引きつけろ !
||ひきつけろ
"Attract me here!
」
ハリー は 無我夢中 で ロン に そう 言う と 、 蛇口 を 拾って 力いっぱい 壁 に 投げつけた 。
||むがむちゅう|||||いう||じゃぐち||ひろって|ちからいっぱい|かべ||なげつけた
Harry was crazy and said to Ron, picking up the faucet and throwing it at the wall with all his might.
トロール は ハーマイオニー の 一 メートル 手前 で 立ち止まった 。
||||ひと|めーとる|てまえ||たちどまった
The troll stopped just one meter before Hermione.
ドシンドシン と こっち に 向き を 変え 、 にぶ そうな 目 を パチクリ さ せ ながら 何の 音 だろう と こっち を 見た 。
||||むき||かえ||そう な|め||||||なんの|おと|||||みた
I turned around and saw what the sound was, with my eyes snapping.
卑しい 、 小さな 目 が ハリー を 捕らえた 。
いやしい|ちいさな|め||||とらえた
A lowly, small eye caught Harry.
一瞬 迷った ようだった が 、 今度 は ハリー の 方 に 棍棒 を 振り上げて 近づいて きた 。
いっしゅん|まよった|||こんど||||かた||こんぼう||ふりあげて|ちかづいて|
He seemed to hesitate for a moment, but this time he raised his club and approached Harry.
「 や ー い 、 ウスノロ !
|-||
Hey, Usnoro!
」
ロン が 反対 側 から 叫んで 、 金属 パイプ を 投げつけた 。
||はんたい|がわ||さけんで|きんぞく|ぱいぷ||なげつけた
yelled Ron from the other side, hurling a metal pipe.
トロール は パイプ が 肩 に あたって も 何も 感じ ない ようだった が 、 それ でも 叫び声 は 聞こえた らしく 、 また 立ち止まった 。
||ぱいぷ||かた||||なにも|かんじ||||||さけびごえ||きこえた|||たちどまった
The troll didn't seem to feel anything when the pipe hit his shoulder, but he still seemed to hear the screams and stopped again.
醜い 鼻面 を 今度 は ロン の 方 に 向けた ので 、 ハリー は その 後ろ に 回り込む 余裕 が できた 。
みにくい|はなづら||こんど||||かた||むけた|||||うしろ||まわりこむ|よゆう||
With his ugly nose now pointing towards Ron, Harry could afford to wrap around behind it.
「 早く 、 走れ 、 走る んだ !
はやく|はしれ|はしる|
"Hurry up, run, run!
」
ハリー は ハーマイオニー に 向かって 叫び ながら ドア の 方 に 引っぱろう と した が 、 ハーマイオニー は 動け なかった 。
||||むかって|さけび||どあ||かた||ひっぱろう||||||うごけ|
' Harry yelled at Hermione, trying to pull him toward the door, but Hermione couldn't move.
恐怖 で 口 を 開けた まま 、 壁 に ピッタリ と はりついて しまった ようだ 。
きょうふ||くち||あけた||かべ||ぴったり||||
I seem to have clung to the wall with my mouth open in fear.
叫び声 と その こだま が トロール を 逆上 さ せて しまった ようだ 。
さけびごえ|||||||ぎゃくじょう||||
It seems that the screams and their echoes have caused the trolls to turn upside down.
再び うなり 声 を 上げて 、 一 番 近く に いた もはや 逃げ場 の ない ロン の 方 に 向かって 来た 。
ふたたび||こえ||あげて|ひと|ばん|ちかく||||にげば|||||かた||むかって|きた
He roared again and came toward Ron, who was closest to him and no longer had a place to escape.
その 時 ハリー は 、 勇敢 と も 、 間抜け と も いえる ような 行動 に 出た 。
|じ|||ゆうかん|||まぬけ|||||こうどう||でた
At that time, Harry took actions that could be called brave or stupid.
走って 行って 後ろ から トロール に 飛びつき 、 腕 を トロール の 首 ねっこ に 巻きつけた 。
はしって|おこなって|うしろ||||とびつき|うで||||くび|||まきつけた
I ran and jumped at the troll from behind, wrapping my arm around the troll's neck.
トロール に とって ハリー が 首 に ぶら下がって る こと など 感じ も し ない が 、 さすが に 長い 棒切れ が 鼻 に 突き刺されば 気 に は なる 。
|||||くび||ぶらさがって||||かんじ|||||||ながい|ぼうきれ||はな||つきさされば|き|||
I don't feel that Harry is hanging around his neck for the troll, but it's annoying if a long stick is stuck in his nose.
ハリー が 飛びついた 時 、 杖 は 持った まま だった ── 杖 は トロール の 鼻 の 穴 を 突き上げた 。
||とびついた|じ|つえ||もった|||つえ||||はな||あな||つきあげた
The wand was still in his hand when Harry jumped—the wand poked up the troll's nostrils.
痛み に うなり 声 を 上げ ながら トロール は 棍棒 を メチャメチャに 振り回した が 、 ハリー は 渾身 の 力 で ピッタリ と しがみついて いた 。
いたみ|||こえ||あげ||||こんぼう||めちゃめちゃに|ふりまわした||||こんしん||ちから||ぴったり|||
Growling in pain, the troll jerked his club around, but Harry held on with all his might.
## トロール は しがみついて る ハリー を 振り払おう と もがき 、 今にも 棍棒 で ハリー に 強烈な 一撃 を 食らわし そうだった 。
||||||ふりはらおう|||いまにも|こんぼう||||きょうれつな|いちげき||くらわし|そう だった
The troll struggled to shake off Harry, who was clinging to him, and was about to hit Harry with a strong blow with a Kaji stick.
ハーマイオニー は 恐ろし さ の あまり 床 に 座り込んで いる 。
||おそろし||||とこ||すわりこんで|
Hermione is so scared that she sits on the floor.
ロン は 自分 の 杖 を 取り出した ── 自分 でも 何 を しよう と して いる の か わから ず に 、 最初に 頭 に 浮かんだ 呪文 を 唱えた 。
||じぶん||つえ||とりだした|じぶん||なん|||||||||||さいしょに|あたま||うかんだ|じゅもん||となえた
Ron pulled out his wand—and cast the first spell that came to mind, not even knowing what he was doing.
「 ウィンガ 一 ディアム レビオーサ !
|ひと||
」
突然 棍棒 が トロール の 手 から 飛び出し 、 空中 を 高く 高く 上がって 、 ゆっくり 一 回転 して から ボクッ と いう いやな 音 を 立てて 持ち主 の 頭 の 上 に 落ちた 。
とつぜん|こんぼう||||て||とびだし|くうちゅう||たかく|たかく|あがって||ひと|かいてん|||||||おと||たてて|もちぬし||あたま||うえ||おちた
Suddenly, the club jumped out of the troll's hand, climbed high and high in the air, made a slow full turn, and then fell on the owner's head with a jarring noise.
トロール は フラフラ した か と 思う と 、 ドサッ と 音 を 立てて その 場 に うつぶせ に 伸びて しまった 。
||ふらふら||||おもう||||おと||たてて||じょう||||のびて|
The troll staggered, then stretched out on its face with a thud.
倒れた 衝撃 が 部屋 中 を 揺すぶった 。
たおれた|しょうげき||へや|なか||ゆすぶった
The impact of the fall shook the room.
ハリー は 立ち上がった 。
||たちあがった
ブルブル 震え 、 息 も 絶え絶えだ 。
ぶるぶる|ふるえ|いき||たえだえだ
Shivering, breathless.
ロン は まだ 杖 を 振り上げた まま 突っ立って 、 自分 の やった こと を ボーッ と 見て いる 。
|||つえ||ふりあげた||つったって|じぶん|||||ぼーっ||みて|
Ron still stands up with his wand up and stares at what he has done.
ハーマイオニー が やっと 口 を きいた 。
|||くち||
Hermione finally spoke.
「 これ …… 死んだ の ?
|しんだ|
」
「 いや 、 ノックアウト さ れた だけ だ と 思う 」
|のっくあうと||||||おもう
No, I think he just got knocked out.
ハリー は 屈み込んで 、 トロール の 鼻 から 自分 の 杖 を 引っ張り出した 。
||くっみこんで|||はな||じぶん||つえ||ひっぱりだした
Harry bent over and pulled his wand out of the troll's nose.
灰色 の 糊 の 塊 の ような 物 が ベットリ と ついて いた 。
はいいろ||のり||かたまり|||ぶつ||べっとり|||
Something like a lump of gray glue was sticking to it.
「 ウエー 、 トロール の 鼻 くそ だ 」
|||はな||
"Wow, that troll's nose is crap."
ハリー は それ を トロール の ズボン で 拭き取った 。
||||||ずぼん||ふきとった
Harry wiped it off with the troll's pants.
急に バタン と いう 音 が して 、 バタバタ と 足音 が 聞こえ 、 三 人 は 顔 を 上げた 。
きゅうに||||おと|||||あしおと||きこえ|みっ|じん||かお||あげた
There was a sudden bang, followed by the clatter of footsteps, and the three looked up.
どんなに 大 騒動 だった か 三 人 は 気づき も し なかった が 、 物 が 壊れる 音 や 、 トロール の うなり 声 を 階下 の 誰 か が 聞きつけた に 違いない 。
|だい|そうどう|||みっ|じん||きづき|||||ぶつ||こぼれる|おと|||||こえ||かいか||だれ|||ききつけた||ちがいない
The three didn't realize how tumultuous it was, but someone downstairs must have heard the sound of things breaking and the roar of trolls.
まもなく マクゴナガル 先生 が 飛び込んで きた 。
||せんせい||とびこんで|
Soon after, Professor McGonagall came running into the room.
その すぐ 後 に スネイプ 、 最後 は クィレル だった 。
||あと|||さいご|||
Soon after that was Snape, and finally Quirrell.
クィレル は トロール を 一目 見た とたん 、 ヒーヒー と 弱々しい 声 を 上げ 、 胸 を 押さえて トイレ に 座り込んで しまった 。
||||いちもく|みた||||よわよわしい|こえ||あげ|むね||おさえて|といれ||すわりこんで|
As soon as Quirel glanced at the troll, he screamed and screamed, holding his chest down and sitting in the bathroom.
スネイプ は トロール を のぞき込んだ 。
||||のぞきこんだ
Snape took a peek at the troll.
マクゴナガル 先生 は ハリー と ロン を 見すえた 。
|せんせい||||||みすえた
McGonagall looked at Harry and Ron.
ハリー は こんなに 怒った 先生 の 顔 を 初めて 見た 。
|||いかった|せんせい||かお||はじめて|みた
Harry saw the face of such an angry teacher for the first time.
唇 が 蒼白 だ 。
くちびる||そうはく|
His lips are pale.
グリフィンドール の ため に 五十 点 もらえる か な と いう ハリー の 望み は 、 あっという間 に 消え去った 。
||||ごじゅう|てん||||||||のぞみ||あっというま||きえさった
Harry's desire to receive fifty points for Gryffindor disappeared in a blink of an eye.
「 いったい全体 あなた 方 は どういう つもり な んです か 」
いったいぜんたい||かた||||||
"What on earth are you going to do?"
マクゴナガル 先生 の 声 は 冷静だ が 怒り に 満ちて いた 。
|せんせい||こえ||れいせいだ||いかり||みちて|
Dr. McGonagall's voice was calm but full of anger.
ハリー は ロン を 見た 。
||||みた
まだ 杖 を 振り上げた まま の 格好 で 立って いる 。
|つえ||ふりあげた|||かっこう||たって|
He is still standing with his cane raised.
「 殺さ れ なかった の は 運 が よかった 。
ころさ|||||うん||
"I was lucky that I wasn't killed.
寮 に いる べき あなた 方 が どうして ここ に いる んです か ?
りょう|||||かた|||||||
Why are you here who should be in the dormitory?
」
スネイプ は ハリー に 素早く 、 鋭い 視線 を 投げかけた 。
||||すばやく|するどい|しせん||なげかけた
Snape cast a quick, sharp look at Harry.
ハリー は うつむいた 。
ロン が 杖 を 降ろせば いい のに と 思った 。
||つえ||おろせば||||おもった
I wish Ron had dropped his cane.
その 時 暗がり から 小さな 声 が した 。
|じ|くらがり||ちいさな|こえ||
At that time, a small voice was heard from the darkness.
「 マクゴナガル 先生 。
|せんせい
開いて ください ── 二 人 と も 私 を 探し に 来た んです 」
あいて||ふた|じん|||わたくし||さがし||きた|
Please open it ── They both came to look for me. "
「 ミス ・ グレンジャー !
みす|
」
ハーマイオニー は やっと 立ち上がった 。
|||たちあがった
Hermione finally got up.
「 私 が トロール を 探し に 来た んです 。
わたくし||||さがし||きた|
"I came looking for a troll.
私 …… 私 一 人 で やっつけられる と 思いました ── あの 、 本 で 読んで トロール に ついて は いろんな こと を 知って た ので 」 ロン は 杖 を 取り 落とした 。
わたくし|わたくし|ひと|じん||やっつけ られる||おもい ました||ほん||よんで||||||||しって|||||つえ||とり|おとした
I ... I thought I could beat him alone ── Well, I read in a book and knew a lot about trolls. ”Ron dropped his wand.
ハーマイオニー ・ グレンジャー が 先生 に 真っ赤な 嘘 を ついて いる ?
|||せんせい||まっかな|うそ|||
Is Hermione Granger telling a bright red lie to her teacher?
「 もし 二 人 が 私 を 見つけて くれ なかったら 、 私 、 今頃 死んで いました 。
|ふた|じん||わたくし||みつけて|||わたくし|いまごろ|しんで|い ました
"If they hadn't found me, I would be dead by now.
ハリー は 杖 を トロール の 鼻 に 刺し 込んで くれ 、 ロン は トロール の 棍棒 で ノックアウト して くれました 。
||つえ||||はな||さし|こんで||||||こんぼう||のっくあうと||くれ ました
Harry stuck his wand in the troll's nose and Ron knocked him out with the troll's club.
二 人 と も 誰 か を 呼び に いく 時間 が なかった んです 。
ふた|じん|||だれ|||よび|||じかん|||
Neither of them had time to call someone.
二 人 が 来て くれた 時 は 、 私 、 もう 殺さ れる 寸前 で ……」
ふた|じん||きて||じ||わたくし||ころさ||すんぜん|
By the time the two of you came, I was already on the verge of being killed..."
ハリー も ロン も 、 その とおり です 、 と いう 顔 を 装った 。
|||||||||かお||よそおった
Both Harry and Ron disguised themselves as saying, "That's right."
「 まあ 、 そういう こと でしたら ……」 マクゴナガル 先生 は 三 人 を じっと 見た 。
|||||せんせい||みっ|じん|||みた
"Well, if that's the case..." Professor McGonagall stared at them.
「 ミス ・ グレンジャー 、 なんと 愚 か しい こと を 。
みす|||ぐ||||
"Miss Granger, how stupid.
たった 一 人 で 野生 の トロール を 捕まえよう なんて 、 そんな こと を どうして 考えた のです か ?
|ひと|じん||やせい||||つかまえよう||||||かんがえた||
What made you think of catching a wild troll all by yourself?
」
ハーマイオニー は うなだれた 。
Hermione was drowning.
ハリー は 言葉 も 出 なかった 。
||ことば||だ|
Harry didn't even say a word.
規則 を 破る なんて 、 ハーマイオニー は 絶対 そんな こと を し ない 人間 だ 。
きそく||やぶる||||ぜったい||||||にんげん|
Hermione is a man who never breaks the rules.
その 彼女 が 規則 を 破った ふり を して いる 。
|かのじょ||きそく||やぶった||||
She pretends to have broken the rules.
僕たち を か ぼう ため に 。
ぼくたち|||||
To protect us.
まるで スネイプ が 菓子 を みんな に 配り はじめた ような もの だ 。
|||かし||||くばり||||
It's like Snape started distributing sweets to everyone.
「 ミス ・ グレンジャー 、 グリフィンドール から 五 点 減点 です 。
みす||||いつ|てん|げんてん|
"Miss Granger, five points from Gryffindor.
あなた に は 失望 しました 。
|||しつぼう|し ました
I was disappointed with you.
怪我 が ない なら グリフィンドール 塔 に 帰った 方 が よい でしょう 。
けが|||||とう||かえった|かた|||
If you are not injured, you should return to the Gryffindor Tower.
生徒 たち が 、 さっき 中断 した パーティー の 続き を 寮 で やって います 」 ハーマイオニー は 帰って いった 。
せいと||||ちゅうだん||ぱーてぃー||つづき||りょう|||い ます|||かえって|
The students are doing the continuation of the party they just interrupted in the dormitory. ”Hermione went home.
マクゴナガル 先生 は 今度 は ハリー と ロン の 方 に 向き直った 。
|せんせい||こんど||||||かた||むきなおった
Dr. McGonagall turned to Harry and Ron this time.
「 先ほど も 言いました が 、 あなた たち は 運 が よかった 。
さきほど||いい ました|||||うん||
"As I said earlier, you guys were lucky.
でも 大人 の 野生 トロール と 対決 できる 一 年生 は そう ざらに は いま せ ん 。
|おとな||やせい|||たいけつ||ひと|ねんせい|||||||
However, there aren't many first-year students who can confront adult wild trolls.
一 人 五 点 ずつ あげましょう 。
ひと|じん|いつ|てん||あげ ましょう
Let's give 5 points for each person.
ダンブルドア 先生 に ご 報告 して おきます 。
|せんせい|||ほうこく||おき ます
I would like to report to Professor Dumbledore.
帰って よろしい 」
かえって|
You're welcome to come home."
急いで 部屋 を 出て 、 二 つ 上 の 階 に 上がる まで 二 人 は 何も 話さ なかった 。
いそいで|へや||でて|ふた||うえ||かい||あがる||ふた|じん||なにも|はなさ|
They didn't say anything until they hurried out of the room and went up two floors.
何はともあれ 、 トロール の あの 匂い から 逃れられた の は 嬉しかった 。
なにはともあれ||||におい||のがれ られた|||うれしかった
Anyway, I'm glad I escaped that troll smell.
「 二 人 で 十 点 は 少ない よ な 」
ふた|じん||じゅう|てん||すくない||
"Two people have few ten points."
と ロン が ぶつ くさ 言った 。
|||||いった
Ron said in a hurry.
「 二 人 で 五 点 だ ろ 。
ふた|じん||いつ|てん||
"Two people have five points.
ハーマイオニー の 五 点 を 引く と 」 と ハリー が 訂正 した 。
||いつ|てん||ひく|||||ていせい|
Draw five points for Hermione, "Harry corrected.
「 ああ やって 彼女 が 僕たち を 助けて くれた の は たしかに ありがたかった よ 。
||かのじょ||ぼくたち||たすけて||||||
"Oh, I'm grateful that she helped us.
だけど 、 僕たち が あいつ を 助けた の も たしかな んだ ぜ 」
|ぼくたち||||たすけた|||||
But it's also true that we helped him."
「 僕たち が 鍵 を かけて ヤツ を ハーマイオニー と 一緒に 閉じ込めたり し なかったら 、 助け は 要ら なかった かも しれ ない よ 」 ハリー は ロン に 正確な 事実 を 思い出さ せた 。
ぼくたち||かぎ|||やつ||||いっしょに|とじこめたり|||たすけ||いら||||||||||せいかくな|じじつ||おもいださ|
"If we hadn't locked him in with Hermione, we might not have needed help," Harry reminded Ron of the exact facts.
二 人 は 太った 婦人 の 肖像 画 の 前 に 着いた 。
ふた|じん||ふとった|ふじん||しょうぞう|が||ぜん||ついた
They arrived in front of a portrait of a fat lady.
「 豚 の 鼻 」 の 合言葉 で 二 人 は 中 に 入って いった 。
ぶた||はな||あいことば||ふた|じん||なか||はいって|
With the slogan "Pig's nose," the two entered.
談話 室 は 人 が いっぱいで ガヤガヤ して いた 。
だんわ|しつ||じん|||がやがや||
The common room was full of people and buzzing.
みんな 談話 室 に 運ばれて きた 食べ物 を 食べて いた 。
|だんわ|しつ||はこば れて||たべもの||たべて|
Everyone was eating the food that was brought to the lounge.
ハーマイオニー だけ が 一 人 ポツンと 扉 の そば に 立って 二 人 を 待って いた 。
|||ひと|じん|ぽつんと|とびら||||たって|ふた|じん||まって|
Only Hermione stood by the door and waited for them.
互いに 気まずい 一瞬 が 流れた 。
たがいに|きまずい|いっしゅん||ながれた
An awkward moment flowed through each other.
そして 、 三 人 と も 顔 を 見 も せ ず 、 互いに 「 ありがとう 」 と 言って から 、 急いで 食べ物 を 取り に 行った 。
|みっ|じん|||かお||み||||たがいに|||いって||いそいで|たべもの||とり||おこなった
Without even looking at each other, the three of them said "thank you" to each other and then hurried off to get the food.
それ 以来 、 ハーマイオニー ・ グレンジャー は 二 人 の 友人 に なった 。
|いらい||||ふた|じん||ゆうじん||
Since then, Hermione Granger has become two friends.
共通 の 経験 を する こと で 互い を 好きに なる 、 そんな 特別な 経験 が ある もの だ 。
きょうつう||けいけん|||||たがい||すきに|||とくべつな|けいけん||||
There is such a special experience that you will like each other by having a common experience.
四 メートル も ある トロール を ノックアウト した と いう 経験 も まさしく それ だった 。
よっ|めーとる|||||のっくあうと||||けいけん||||
That was exactly the experience of knocking out a four-meter troll.