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三姉妹探偵団 4 怪奇篇, 三姉妹探偵団 4 Chapter 15

三 姉妹 探偵 団 4 Chapter 15

15 燃える 山荘

「 生きて 出 られた !

地下 道 から 外 へ 出て 、 珠美 は 叫んだ 。

「 危なかった わ 」

夕 里子 が 、 ギュッと 珠美 を 抱きしめる 。

「 夕 里子 姉ちゃん 、 サンキュー !

さすが に 、 珠美 も 、 生きる 喜び は 、 お 金 に かえ がたい もの だ と いう こと に 気付いた らしい 。

「 いくら 払えば いい ?

── そう で も ない らしい 。

「 夕 里子 」

と 、 綾子 が 少々 不満 げ に 、「 私 も 助かった の よ 。

どうして 珠美 と ばっかり 喜び 合って る の ? 「 姉妹 ゲンカ して る 場合 じゃ ないだ ろ 」

と 、 国 友 が 笑った 。

「 礼 は 、 片 瀬 に 言って くれ 」

と 、 水谷 が 、 敦子 の 肩 を 抱いて 、 言った 。

「 敦子 が 、 あの 地下 道 の こと を 思い出して くれた おかげ よ 」

と 、 夕 里子 は 言った 。

「 二 人 と も 、 よく お 礼 を 言って 」

「 いい の よ 」

と 、 敦子 も 、 嬉し そうである 。

「 だって 、 私 だけ 助かって 、 珠美 ちゃん が あんな 目 に あった んだ もの 。 その 埋め合せよ 」

「── さて 、 それ で どう する ?

と 、 国 友 が 言った 。

今 、 夕 里子 たち ── 三 姉妹 と 、 敦子 、 みどり 、 それ に 国 友 と 水谷 の 七 人 は 、 裏庭 に 立って いた 。

「 まぶしい わ 。

サングラス 持って 来りゃ 良かった 」

と 、 綾子 が 目 を 細く する 。

「 呑気 な こ と 言って 。

死んで た の よ 、 あと 少し で 」

「 分 って る けど ……。

でも 、 あの 二 人 、 どこ へ 行った の かしら ? 「 きっと 、 あの 地下 道 から 、 山荘 へ 出る 道 が ある の よ 」

と 夕 里子 は 言った 。

「 そう ね 、 きっと 」

と 、 敦子 は 肯 いて 、「 私 が 地下 道 を 戻ろう と して 、 別の 方 へ 出ちゃ った の は 、 きっと 、 隠れた わき道 へ 入り 込んだ から だ わ 」

「 ともかく 、 あの 二 人 は 山荘 へ 戻って る と 思って い い な 」

水谷 は 、 さっき の 意気消沈 ぶり が 噓 の ようで 、「 この 手 で 退治 して やる 」

と 、 ポキポキ 指 を 鳴らした 。

あんまり 詩人 らしく ない 光景 だ わ 、 と 綾子 は 思った 。

「 これ だけ いりゃ 、 絶対 に 負け ない 」

と 、 国 友 が 力強く 言った 。

「── 石垣 さん は ? 「 姿 が 見え ない の 」

と 、 夕 里子 が 言った 。

「 さっき は 一緒に 地下 道 へ 入った のに 」

「 山荘 へ 行った んじゃ ない か な 」

と 、 国 友 が 言った 。

「 じゃ 、 我々 も 行こう 」

「 待って 」

と 、 綾子 が 言った 。

「 どうかした の ?

と 、 夕 里子 が 訊 く 。

「 あの 二 人 は 病気 よ 。

罪 を 憎んで 人 を 憎ま ず だ わ 」

「 お 姉ちゃん たら 、 殺さ れ かけた んだ よ 」

と 、 珠美 が 呆れて 言った 。

「 いや 、 綾子 君 の 言う 通り だ よ 」

国 友 が 笑って 、「 刑事 の 僕 が 、 もう 少し 冷静に なら なきゃ いけなかった 。

── いい かい 」

と 、 真顔 に なる 。

「 ここ は 、 危険だ と いう こと を 忘れて は いけない 。

── いくら 相手 が 女 と 子供 でも 、 現実 に 何 人 も 殺して いる んだ 」

「 それ は そう だ な 」

「 だ から 、 僕 と 水谷 先生 で 中 へ 入ろう 。

君 ら は 外 で 待って いた まえ 」

「 でも ──」

と 、 珠美 は 不満 そうである 。

「 それ は 却って 危 いわ 」

と 、 夕 里子 が 言った 。

「 どうして ?

「 ここ は 、 外 の 方 が 安全 と は 限ら ない もの 。

まだ 、 どこ か に 秘密の 出入 口 が ある かも しれ ない わ 」

「 そりゃ まあ …… そう だ けど 」

「 だ から 、 水谷 先生 に は 、 ここ へ 残って もらい ましょう よ 。

護衛 役 と して 」

「 じゃ 、 僕 が 一 人 で 行く の かい ?

いや 、 怖い わけじゃ ない 。 僕 は もちろん 一 人 でも 構わ ない けど ね 」

「 一 人 じゃ ない わ 。

二 人 よ 」

「 しかし ……。

おい 、 夕 里子 君 」

と 、 国 友 は ため息 を ついた 。

「 僕 が 何の ため に 君 を 助けた と 思って る んだ ? 「 そりゃ 、 捜査 の 手伝い を さ せる ため でしょ ?

国 友 は 、 ジロッ と 夕 里子 を にらんだ 。

「── だって 、 他 に 誰 か いる ?

「 そりゃ まあ そう だ けど ……」

国 友 も 、 渋々 肯 いた 。

「 じゃ 、 水谷 先生 、 ここ を お 願い し ます よ 」

「 分 り ました 」

「 先生 、 女の子 に 囲ま れて 、 いい です ね 」

と 、 珠美 が 冷やかす 。

「 こんな とき に 、 よく そんな 言葉 が 出る な 」

と 、 水谷 が 半ば 呆れ顔 で 言った 。

かくて ── と いう ほど の こと で も ない が 、 夕 里子 と 国 友 は 、 山荘 へ 向 って 歩いて 行った 。

「 ちょっと 待って 」

夕 里子 は 走って 行く と 、 積み 上げた まき を 一 本 取って 来た 。

「── 武器 が ない と ね 」

「 よし 。

── じゃ 、 中 へ 入ろう 」

国 友 は 、 裏口 の ドア を 開けた 。

── 中 は 静かである 。

「 何だか …… 無気味 」

と 、 上り 込み ながら 、 夕 里子 は 言った 。

「 うん 。

あ ── そこ に 死体 が ある から 気 を 付けて 」

「 キャッ !

夕 里子 は 、 金田 の 死体 に 気付いて 、 飛び上り そうに なった 。

「 そういう こと は 、 もっと 早く 言って よ ! 「 すま ん 。

忘れて た んだ 」

「 大切な こと を 忘れ ないで 」

二 人 は 、 サロン を 覗いた 。

「── ここ に は 誰 も ……」

と 、 国 友 が 言い かける と 、

「 見て !

夕 里子 が 叫んだ 。

「 ソファ の 後ろ ! 誰 か の 足 が 見えて いる 。

夕 里子 は 急いで 駆け寄った 。 「 石垣 さん だ わ ! ── 石垣 さん ! しっかり して ! 石垣 は 、 ぐったり と 生気 なく 横たわって いた 。

しかし 、 国 友 が 急いで 手首 を 取る と 、 確実に 脈打って いる 。

「 大丈夫 。

生きて る 」

「 薬 でも の まさ れた の かしら 。

けが は して い ない ようだ けど 」

「 おそらく ね 。

── 今 は ともかく 、 ここ へ 置いて 行く しか ない 。 早く あの 二 人 を 見付けよう 」

トン 、 トン ……。

何 か 物音 が 頭上 で 聞こえた 。 夕 里子 と 国 友 は ハッと して 顔 を 見合わせた 。

「 二 階 に いる ぞ !

「 行き ましょう 」

国 友 が 先 に 立って 、 階段 を 上って 行く 。

二 階 は 、 静まり 返って いた 。

ただ 、 閉じた ドア が 並んで いる だけ だ 。

「── どこ から 出て 来る か 分 ら ない ぞ 」

国 友 が 緊張 した 声 で 言った 。

「 うん 」

夕 里子 が 肯 く 。

「 二手 に 分 れる ? 「 いや 、 危険だ 。

一緒に 行動 しよう 」

「 そう ね 」

夕 里子 が 、 ちょっと 微笑んで 見せ 、 国 友 の 手 を 握る 。

── 国 友 は 首 を 振って 、

「 大した 女の子 だ よ 、 君 は 」

と 言った 。

「 さあ 、 端 から 順に 当って 行こう 」

一 番 奥 の ドア から ──。

しかし 、 鍵 が かけ られて 、 びくとも し ない 。

どの ドア も そう な のだ 。

「── おい 、 出て 来い !

国 友 が 廊下 の 中央 に 立って 、 怒鳴った 。

「 どこ か に 隠れて る の は 、 分 って る んだ ぞ !

夕 里子 は 、 危険 を 感じ 始めて いた 。

女 の 直感 と でも いう か ── 超 能力 ほど で は なく と も 、 どことなく 、 危険 を 告げる 声 が 聞こえる こと が ある もの だ 。

「── ドア を ぶち 破る ぞ !

と 、 国 友 が 怒鳴る 。

「 こっち は 大勢 な んだ ! 観念 しろ ! 「 国 友 さん ──」

夕 里子 が 国 友 の 腕 を 押えた 。

声 が 緊張 して いる 。

「 どうした ?

「 匂い ── この 匂い 」

「 匂い だって ?

「 油 くさく ない ?

国 友 の 顔色 が 変った 。

「 ガソリン だ !

走れ ! 一 階 へ ! 国 友 は 、 夕 里子 を かかえる ように して 、 階段 の 方 へ 駆け 出した 。

が ── 手遅れだった 。

二 人 が 階段 の 上 に 来た とき 、 炎 が 音 を たてて 階段 を 這い上って 来た のだ 。

「 畜生 !

飛び 下り れ ない か ? 「 だめ よ !

下 は もう ──」

階段 の 下 は 、 火 の 海 だった 。

ガソリン を まいて 火 を つけた のだ 。 黒い 煙 が 二 人 の 方 へ 吹き 上って 来る 。

「 伏せて !

息 を 止める んだ ! 「 無 茶 言わ ないで よ !

罠 だった のだ 。

二 階 へ やって おいて 、 下 から 火 を 放つ 。 ── こんな 簡単な こと に 気付か なかった と は ……。 国 友 は 歯ぎしり した 。

「 下 へ は この 階段 だけ ?

「 そう よ 。

── どこ か の 部屋 の 窓 から 外 へ ──」

と 言い かけて 、 夕 里子 は ハッと した 。

そう か !

それ で どの ドア に も 鍵 が かかって いる のだ 。 部屋 の 中 に 入れば 、 窓 を 破って 逃げ られる から ──。

「 ドア を ぶち 破って やる !

国 友 が 、 起き上る と 、 駆け 出した 。

一方 、 外 で 待って いた 水谷 たち も 、 異変 に は 、 もちろん 気付いて いた 。

「 煙 だ !

と 、 最初に 叫んだ の は 珠美 だった 。

「 火 を つけた んだ !

と 、 水谷 が 青ざめる 。

「 夕 里子 たち が ?

と 、 訊 いた の は 、 もちろん 何も 分 って い ない 綾子 だった 。

「 助け に 行か なきゃ !

「 君 ら は ここ に いろ !

水谷 は 駆け 出した 。

雪 を けって 、 裏口 へ と 駆けつける と 、 ドア を 開けて 、

「 ワッ !

と 飛び す さった 。

火 を 放った 人間 は 、 ちゃんと 考え 抜いて いる ようだった 。

目の前 は 、 炎 の 壁 で 、 とても 通り抜け られ ない 。

どこ か ── 入る 所 は ある はずだ !

水谷 は 窓 の 方 へ と 走った 。

しかし 、 その 瞬間 に 、 窓 ガラス を 突き破って 、 炎 が 吹き 上げて 来る 。

水谷 は 、 建物 の わき を 回って 正面 の 玄関 へ と 駆けつけた 。

ドア が 焼け落ちて いる !

木造 の 山荘 である 。 ── 予想 以上 の 速 さ で 、 火 は 山荘 を 包み 始めて いた 。

「 国 友 さん !

佐々 本 ──」

と 、 水谷 が 大声 を 出した 。

「── ワッ ! 二 階 の 、 正面 へ 張り出した ベランダ が 、 いきなり 崩れ落ちて 来る 。

水谷 は 雪 の 中 へ 夢中で 転がり 出た 。 一 秒 足らず の 差 で 、 下敷き に なる ところ だった 。

「 畜生 !

水谷 は 、 再び 裏庭 へ 駆け 戻った 。

「 先生 !

珠美 が さすが に 青く なって いる 。

「 お 姉ちゃん たち は ? 「 とても 入れ ない !

おい !

雪 を かけて 火 を 消す んだ 」

あまり 効果 が ある と も 思え なかった が 、 みんな 一斉に 雪 を すくって は 、 炎 の 吹き出す 窓 から 投げ 込み 始めた 。

そして 奇跡 的に ── 火 は 、 やはり おさまら なかった のである ……。

思い切り ドア に 体当り した 国 友 は 、

「 いて っ !

と 呻いて 、 廊下 に 引っくり返った 。

「 とても だめだ わ 」

と 、 夕 里子 が 、 抱き 起す 。

「 ドア が 頑丈な の よ ! 「 拳銃 さえ あれば ──」

国 友 は 、 咳込んだ 。

煙 が 廊下 に 充満 し 始めて いる 。

「 他 に 何 か 方法 を ──」

と 、 夕 里子 も 咳込み ながら 涙 を 流して いる 。

悲しい ので は なく 、 煙 の せい である 。

「 君 だけ でも 何とか して 助け たい 」

「 馬鹿 言わ ないで 。

二 人 と も 助かる の よ ! 絶対 に ! 夕 里子 は 怒鳴った 。

「 男 の 人 って 、 すぐ そう やって 格好 つける から 嫌い よ ! こんな 所 でも 、 国 友 は 夕 里子 に 怒ら れて いる のだった 。

しかし 、 火の手 は 、 もう 階段 を 駆け上り 、 二 階 に も 広がり つつ あった 。

二 人 は 廊下 の 奥 へ と 追い 詰め られて いる 。

夕 里子 は 、 ふと 、 天井 を 見上げた 。

「 屋根 へ 出 られ ない かしら ?

「 屋根 に ?

「 そう 。

修理 や 雪 おろし の ため に 、 上 に 出る こと が ある んじゃ ない ? どこ かに 上 に 出る 口 が ──」

「 あれ かも しれ ない 」

天井 の 隅 の 、 四角い 切り 込み が 目 に 入る 。

「 私 を 肩車 して !

夕 里子 は 、 国 友 に 言った 。

「 やって みる しか ない わ ! 「 よし !

国 友 は 、 その 真 下 へ 行く と 、 夕 里子 を 肩車 して 立ち上った 。

「 落とさ ないで よ 。

── 開く わ 」

「 そのまま 上って みろ 」

「 うん 。

── よい しょ ! その 上げ 蓋 を 押し上げる と 、 夕 里子 は 両手 で 体 を 支えて 、 這い上った 。

「 屋根 裏 部屋 ── 物置 きみ たいよ !

かがんで やっと 頭 を ぶつけ なくて 済む くらい 天井 は 低い 。

しかし 、 明るかった 。 ── 天窓 が ある !

「 国 友 さん !

天窓 よ 。 出 られる わ ! と 、 夕 里子 は 怒鳴った 。

「 よし 、 待って ろ !

国 友 は 、 飛び上って 、 四角い 穴 の ヘリ に ぶら下がる と 、 必死で 上って 来た 。

夕 里子 も 体重 を かけて 引 張り上げる 。

「── やった !

国 友 は 、 やっと 這い上って 、 息 を ついた 。

「 天窓 を 破り ましょう 。

外 へ 出 られる わ 」

「 よし 」

国 友 は 、 その辺 に 積んで あった 木箱 を かかえ 上げる と 、 天窓 の ガラス に 叩きつけた 。

ガラス が 粉々に 砕けて 落ちる と 、 その 上 に 積って いた 雪 も 、 どっと 落ちて 来る 。

「── 屋根 の 上 に 出 られ そうだ な 」

「 そう ね 。

いざ と なったら 、 飛び 下りる しか ない わ 」

国 友 が 、 ガラス の 破片 を 叩き 落として 、 夕 里子 を 天窓 から 押し出す 。

夕 里子 は 、 冷たい 大気 の 中 へ 顔 を 出して 、 思わず 息 を ついた 。

もう 山荘 は 、 焼け落ち かけて いた 。

水谷 たち は 、 手 の 施し よう も なく 、 呆然と それ を 眺めて いる ばかり ……。

「── 夕 里子 姉ちゃん 」

珠美 は 、 気 が 抜けた ように 、「 こんな こと って ……」

「 俺 が 行けば 良かった んだ 」

と 、 水谷 が 呟く 。

「 諦めちゃ いけない わ 」

と 、 相 変ら ず な の は 、 綾子 である 。

「 二 人 と も 悪い こと なんか して ない んだ もの 。 神様 が 見捨て やしない わ 」

「 気持 は 分 る けど ──」

と 、 珠美 が 言い かけた とき 、

「 ほら !

屋根 の 上 ! と 、 川西 みどり が 叫んだ 。

「── 本当だ !

お 姉ちゃん ! 珠美 が 飛び上る 。

屋根 の 雪 の 上 に 、 夕 里子 と 国 友 が 這い 出して 来た のだ 。

だが 、 もう 建物 そのもの が 、 崩れ かけて いた 。

まだ 形 を 成して いる の が 、 不思議な くらい だ 。

「 国 友 さん !

水谷 は 大声 で 言った 。

「 飛び 下りる んだ ! 焼け落ちる ぞ ! 「 でも ──」

と 、 珠美 が 言った 。

「 あんな 所 から 飛び 下りたら 死んじゃ う ! いくら 雪 の 上 でも ──」

「 しかし 、 大けが で 助かる かも しれ ない 。

それ しか 方法 が ない 」

珠美 に も それ は 分 って いた 。

しかし ── 天 の 助け は ない の かしら ? こんなに ひどい 目 に ばっかり 遭わ さ れて !

神様 を 恨んで やる から ね !

する と ──。

何だか 聞き なれ ない 音 が 、 頭 の 上 を 近付いて 来た 。

バタバタバタ ……。

キョロキョロ と 頭上 を 見 回した 珠美 が 、

「 キャーッ !

と 金切り声 を 上げた ので 、 水谷 が 仰天 した 。

「 ど 、 どうした ?

「 見て !

青空 に 三 つ 、 黒々 と した 姿 を 見せて 、 ヘリコプター が 飛んで 来た のだった 。

「 助け に 来た !

オーイ ! ここ よ ! 珠美 が 手 を 振る 。

ヘリ の 方 も 、 もちろん 、 珠美 たち の こと を 見付けて いた 。

たちまち 、 山荘 の 上 へ と やって 来る 。

「 屋根 の 上 だ !

猛烈な 風 に 負け ない 大声 で 、 水谷 が 怒鳴る 。

水谷 が 教える まで も なく 、 ヘリ は 夕 里子 たち を 認めて いた らしい 。

一 機 が 、 山荘 の 真 上 に 飛んで 静止 する と 、 ロープ が スルスル と 降りて 行った 。

「 助かる よ 、 先生 」

珠美 が 水 谷 に しがみつく 。

「 うん 。

── 良かった 」

と 言った とたん 、 山荘 の 、 下 の 柱 が ドッと 音 を 立てて 崩れ 始めた 。

「 おい 、 焼け落ちる ぞ ! 水谷 が 力 の 限り を こめて 大声 を 張り上げる 。

そして ── 山荘 は 一気に 焼け落ちた 。

屋根 が 物 凄い 音 を たてて 、 炎 の 中 へ 落下 し 、 火 の 粉 と 煙 が 空 を 覆う ばかりに 舞い 上る 。

珠美 たち は 、 雪 の 上 に 引っくり返った 。

起き上った とき 、 頭上 に 飛んで 来た ヘリ から 下りた ロープ の 先 に 、 国 友 と 夕 里子 が 必死で しがみついて いる の が 目 に 入った 。

「 やった ね !

珠美 が 手 を 打って 叫んだ 。

ヘリ が 下りて 来て 、 夕 里子 と 国 友 は 、 雪 の 中 へ 、 二 、 三 メートル の 高 さ から 飛び 下りた 。

いや 、 落 っこ ち た 、 と 言った 方 が 正しい かも しれ ない 。

「 ああ ……。

死ぬ か と 思った ! 夕 里子 が 、 正直な (?

) 感想 を 述べ ながら 、 雪 だらけ に なって 起き上る 。

「 夕 里子 姉ちゃん !

珠美 が 走って 来る と 、「 やっぱり 、 二 人 と も 悪運 が 強い ね !

「 それ で お 祝い の つもり ?

夕 里子 は 苦笑 した 。

「── でも 、 石垣 さん が 中 に ……」

もう 焼け落ちて しまった 山荘 の 方 へ 、 夕 里子 は 目 を やって 、 首 を 振った 。

「 あの 母親 と 子供 も ?

と 、 珠美 が 訊 く 。

「 うん ……。

たぶん ね 」

と 、 夕 里子 は 呟いた 。

ヘリ から 、 ロープ で 下りて 来た の は 、 三崎 刑事 だった 。

「 おい !

無事 か ! 「 三崎 さん 」

国 友 が 啞然 と して 、「 よく ここ が ──」

「 やっと 捜し当てた んだ 」

三崎 が 息 を 弾ま せた 。

「 お前 も 一緒だ と は 思って た んだ が ……。 石垣 と いう 男 は ? 「 たぶん ── この 火 の 下 です 」

国 友 は 、 息 を ついた 。

「 助かり ました ! 「 こっち も 、 気 が 気 じゃ なかった ぞ 」

と 、 三崎 は ニヤリ と 笑って 、「 ヘリ 三 機 だ 。

いくら かかる と 思う ? また 、 山荘 の 柱 が 崩れる 音 が した 。

しばらく 、 なおも 炎 と 煙 は 、 雪 を 溶かし 、 黒く 汚し ながら 、 吹き 上げ 続けて いた ……。


三 姉妹 探偵 団 4 Chapter 15 みっ|しまい|たんてい|だん|chapter Three Sisters Detectives 4 Chapter 15 Три сестры Детективы 4 Глава 15

15  燃える 山荘 もえる|さんそう

「 生きて 出 られた ! いきて|だ|

地下 道 から 外 へ 出て 、 珠美 は 叫んだ 。 ちか|どう||がい||でて|たまみ||さけんだ

「 危なかった わ 」 あぶなかった|

夕 里子 が 、 ギュッと 珠美 を 抱きしめる 。 ゆう|さとご||ぎゅっと|たまみ||だきしめる

「 夕 里子 姉ちゃん 、 サンキュー ! ゆう|さとご|ねえちゃん|さんきゅー

さすが に 、 珠美 も 、 生きる 喜び は 、 お 金 に かえ がたい もの だ と いう こと に 気付いた らしい 。 ||たまみ||いきる|よろこび|||きむ||||||||||きづいた|

「 いくら 払えば いい ? |はらえば|

── そう で も ない らしい 。

「 夕 里子 」 ゆう|さとご

と 、 綾子 が 少々 不満 げ に 、「 私 も 助かった の よ 。 |あやこ||しょうしょう|ふまん|||わたくし||たすかった||

どうして 珠美 と ばっかり 喜び 合って る の ? |たまみ|||よろこび|あって|| 「 姉妹 ゲンカ して る 場合 じゃ ないだ ろ 」 しまい|げんか|||ばあい|||

と 、 国 友 が 笑った 。 |くに|とも||わらった

「 礼 は 、 片 瀬 に 言って くれ 」 れい||かた|せ||いって|

と 、 水谷 が 、 敦子 の 肩 を 抱いて 、 言った 。 |みずたに||あつこ||かた||いだいて|いった

「 敦子 が 、 あの 地下 道 の こと を 思い出して くれた おかげ よ 」 あつこ|||ちか|どう||||おもいだして|||

と 、 夕 里子 は 言った 。 |ゆう|さとご||いった

「 二 人 と も 、 よく お 礼 を 言って 」 ふた|じん|||||れい||いって

「 いい の よ 」

と 、 敦子 も 、 嬉し そうである 。 |あつこ||うれし|そう である

「 だって 、 私 だけ 助かって 、 珠美 ちゃん が あんな 目 に あった んだ もの 。 |わたくし||たすかって|たまみ||||め|||| その 埋め合せよ 」 |うめあわせよ

「── さて 、 それ で どう する ?

と 、 国 友 が 言った 。 |くに|とも||いった

今 、 夕 里子 たち ── 三 姉妹 と 、 敦子 、 みどり 、 それ に 国 友 と 水谷 の 七 人 は 、 裏庭 に 立って いた 。 いま|ゆう|さとご||みっ|しまい||あつこ||||くに|とも||みずたに||なな|じん||うらにわ||たって|

「 まぶしい わ 。

サングラス 持って 来りゃ 良かった 」 さんぐらす|もって|くりゃ|よかった

と 、 綾子 が 目 を 細く する 。 |あやこ||め||ほそく|

「 呑気 な こ と 言って 。 のんき||||いって

死んで た の よ 、 あと 少し で 」 しんで|||||すこし|

「 分 って る けど ……。 ぶん|||

でも 、 あの 二 人 、 どこ へ 行った の かしら ? ||ふた|じん|||おこなった|| 「 きっと 、 あの 地下 道 から 、 山荘 へ 出る 道 が ある の よ 」 ||ちか|どう||さんそう||でる|どう||||

と 夕 里子 は 言った 。 |ゆう|さとご||いった

「 そう ね 、 きっと 」

と 、 敦子 は 肯 いて 、「 私 が 地下 道 を 戻ろう と して 、 別の 方 へ 出ちゃ った の は 、 きっと 、 隠れた わき道 へ 入り 込んだ から だ わ 」 |あつこ||こう||わたくし||ちか|どう||もどろう|||べつの|かた||でちゃ|||||かくれた|わきみち||はいり|こんだ|||

「 ともかく 、 あの 二 人 は 山荘 へ 戻って る と 思って い い な 」 ||ふた|じん||さんそう||もどって|||おもって|||

水谷 は 、 さっき の 意気消沈 ぶり が 噓 の ようで 、「 この 手 で 退治 して やる 」 みずたに||||いきしょうちん|||||||て||たいじ|| Mizutani seems to be the last moment of disappointment, "I will kill you with this hand"

と 、 ポキポキ 指 を 鳴らした 。 ||ゆび||ならした

あんまり 詩人 らしく ない 光景 だ わ 、 と 綾子 は 思った 。 |しじん|||こうけい||||あやこ||おもった

「 これ だけ いりゃ 、 絶対 に 負け ない 」 |||ぜったい||まけ|

と 、 国 友 が 力強く 言った 。 |くに|とも||ちからづよく|いった

「── 石垣 さん は ? いしがき|| 「 姿 が 見え ない の 」 すがた||みえ||

と 、 夕 里子 が 言った 。 |ゆう|さとご||いった

「 さっき は 一緒に 地下 道 へ 入った のに 」 ||いっしょに|ちか|どう||はいった|

「 山荘 へ 行った んじゃ ない か な 」 さんそう||おこなった||||

と 、 国 友 が 言った 。 |くに|とも||いった

「 じゃ 、 我々 も 行こう 」 |われわれ||いこう

「 待って 」 まって

と 、 綾子 が 言った 。 |あやこ||いった

「 どうかした の ?

と 、 夕 里子 が 訊 く 。 |ゆう|さとご||じん|

「 あの 二 人 は 病気 よ 。 |ふた|じん||びょうき|

罪 を 憎んで 人 を 憎ま ず だ わ 」 ざい||にくんで|じん||にくま|||

「 お 姉ちゃん たら 、 殺さ れ かけた んだ よ 」 |ねえちゃん||ころさ||||

と 、 珠美 が 呆れて 言った 。 |たまみ||あきれて|いった

「 いや 、 綾子 君 の 言う 通り だ よ 」 |あやこ|きみ||いう|とおり||

国 友 が 笑って 、「 刑事 の 僕 が 、 もう 少し 冷静に なら なきゃ いけなかった 。 くに|とも||わらって|けいじ||ぼく|||すこし|れいせいに|||

── いい かい 」

と 、 真顔 に なる 。 |まがお||

「 ここ は 、 危険だ と いう こと を 忘れて は いけない 。 ||きけんだ|||||わすれて||

── いくら 相手 が 女 と 子供 でも 、 現実 に 何 人 も 殺して いる んだ 」 |あいて||おんな||こども||げんじつ||なん|じん||ころして||

「 それ は そう だ な 」

「 だ から 、 僕 と 水谷 先生 で 中 へ 入ろう 。 ||ぼく||みずたに|せんせい||なか||はいろう

君 ら は 外 で 待って いた まえ 」 きみ|||がい||まって||

「 でも ──」

と 、 珠美 は 不満 そうである 。 |たまみ||ふまん|そう である

「 それ は 却って 危 いわ 」 ||かえって|き|

と 、 夕 里子 が 言った 。 |ゆう|さとご||いった

「 どうして ?

「 ここ は 、 外 の 方 が 安全 と は 限ら ない もの 。 ||がい||かた||あんぜん|||かぎら||

まだ 、 どこ か に 秘密の 出入 口 が ある かも しれ ない わ 」 ||||ひみつの|しゅつにゅう|くち||||||

「 そりゃ まあ …… そう だ けど 」

「 だ から 、 水谷 先生 に は 、 ここ へ 残って もらい ましょう よ 。 ||みずたに|せんせい|||||のこって|||

護衛 役 と して 」 ごえい|やく||

「 じゃ 、 僕 が 一 人 で 行く の かい ? |ぼく||ひと|じん||いく||

いや 、 怖い わけじゃ ない 。 |こわい|| 僕 は もちろん 一 人 でも 構わ ない けど ね 」 ぼく|||ひと|じん||かまわ|||

「 一 人 じゃ ない わ 。 ひと|じん|||

二 人 よ 」 ふた|じん|

「 しかし ……。

おい 、 夕 里子 君 」 |ゆう|さとご|きみ

と 、 国 友 は ため息 を ついた 。 |くに|とも||ためいき||

「 僕 が 何の ため に 君 を 助けた と 思って る んだ ? ぼく||なんの|||きみ||たすけた||おもって|| 「 そりゃ 、 捜査 の 手伝い を さ せる ため でしょ ? |そうさ||てつだい||||| "Well, are you going to help the investigation?

国 友 は 、 ジロッ と 夕 里子 を にらんだ 。 くに|とも||||ゆう|さとご||

「── だって 、 他 に 誰 か いる ? |た||だれ||

「 そりゃ まあ そう だ けど ……」

国 友 も 、 渋々 肯 いた 。 くに|とも||しぶしぶ|こう|

「 じゃ 、 水谷 先生 、 ここ を お 願い し ます よ 」 |みずたに|せんせい||||ねがい|||

「 分 り ました 」 ぶん||

「 先生 、 女の子 に 囲ま れて 、 いい です ね 」 せんせい|おんなのこ||かこま||||

と 、 珠美 が 冷やかす 。 |たまみ||ひやかす

「 こんな とき に 、 よく そんな 言葉 が 出る な 」 |||||ことば||でる| "When such a case, such words will not come out well"

と 、 水谷 が 半ば 呆れ顔 で 言った 。 |みずたに||なかば|あきれがお||いった

かくて ── と いう ほど の こと で も ない が 、 夕 里子 と 国 友 は 、 山荘 へ 向 って 歩いて 行った 。 ||||||||||ゆう|さとご||くに|とも||さんそう||むかい||あるいて|おこなった It was not so much as it was, so, Riko Yuri and his national friend walked towards the mountain village.

「 ちょっと 待って 」 |まって

夕 里子 は 走って 行く と 、 積み 上げた まき を 一 本 取って 来た 。 ゆう|さとご||はしって|いく||つみ|あげた|||ひと|ほん|とって|きた

「── 武器 が ない と ね 」 ぶき||||

「 よし 。

── じゃ 、 中 へ 入ろう 」 |なか||はいろう

国 友 は 、 裏口 の ドア を 開けた 。 くに|とも||うらぐち||どあ||あけた

── 中 は 静かである 。 なか||しずかである

「 何だか …… 無気味 」 なんだか|ぶきみ

と 、 上り 込み ながら 、 夕 里子 は 言った 。 |のぼり|こみ||ゆう|さとご||いった

「 うん 。

あ ── そこ に 死体 が ある から 気 を 付けて 」 |||したい||||き||つけて

「 キャッ !

夕 里子 は 、 金田 の 死体 に 気付いて 、 飛び上り そうに なった 。 ゆう|さとご||かなだ||したい||きづいて|とびあがり|そう に|

「 そういう こと は 、 もっと 早く 言って よ ! ||||はやく|いって| 「 すま ん 。

忘れて た んだ 」 わすれて||

「 大切な こと を 忘れ ないで 」 たいせつな|||わすれ|

二 人 は 、 サロン を 覗いた 。 ふた|じん||さろん||のぞいた

「── ここ に は 誰 も ……」 |||だれ|

と 、 国 友 が 言い かける と 、 |くに|とも||いい||

「 見て ! みて

夕 里子 が 叫んだ 。 ゆう|さとご||さけんだ

「 ソファ の 後ろ ! ||うしろ 誰 か の 足 が 見えて いる 。 だれ|||あし||みえて|

夕 里子 は 急いで 駆け寄った 。 ゆう|さとご||いそいで|かけよった 「 石垣 さん だ わ ! いしがき||| ── 石垣 さん ! いしがき| しっかり して ! 石垣 は 、 ぐったり と 生気 なく 横たわって いた 。 いしがき||||せいき||よこたわって|

しかし 、 国 友 が 急いで 手首 を 取る と 、 確実に 脈打って いる 。 |くに|とも||いそいで|てくび||とる||かくじつに|みゃくうって|

「 大丈夫 。 だいじょうぶ

生きて る 」 いきて|

「 薬 でも の まさ れた の かしら 。 くすり||||||

けが は して い ない ようだ けど 」

「 おそらく ね 。

── 今 は ともかく 、 ここ へ 置いて 行く しか ない 。 いま|||||おいて|いく|| 早く あの 二 人 を 見付けよう 」 はやく||ふた|じん||みつけよう

トン 、 トン ……。 とん|とん

何 か 物音 が 頭上 で 聞こえた 。 なん||ものおと||ずじょう||きこえた 夕 里子 と 国 友 は ハッと して 顔 を 見合わせた 。 ゆう|さとご||くに|とも||はっと||かお||みあわせた

「 二 階 に いる ぞ ! ふた|かい|||

「 行き ましょう 」 いき|

国 友 が 先 に 立って 、 階段 を 上って 行く 。 くに|とも||さき||たって|かいだん||のぼって|いく

二 階 は 、 静まり 返って いた 。 ふた|かい||しずまり|かえって|

ただ 、 閉じた ドア が 並んで いる だけ だ 。 |とじた|どあ||ならんで|||

「── どこ から 出て 来る か 分 ら ない ぞ 」 ||でて|くる||ぶん|||

国 友 が 緊張 した 声 で 言った 。 くに|とも||きんちょう||こえ||いった

「 うん 」

夕 里子 が 肯 く 。 ゆう|さとご||こう|

「 二手 に 分 れる ? ふたて||ぶん| 「 いや 、 危険だ 。 |きけんだ

一緒に 行動 しよう 」 いっしょに|こうどう|

「 そう ね 」

夕 里子 が 、 ちょっと 微笑んで 見せ 、 国 友 の 手 を 握る 。 ゆう|さとご|||ほおえんで|みせ|くに|とも||て||にぎる

── 国 友 は 首 を 振って 、 くに|とも||くび||ふって

「 大した 女の子 だ よ 、 君 は 」 たいした|おんなのこ|||きみ|

と 言った 。 |いった

「 さあ 、 端 から 順に 当って 行こう 」 |はし||じゅんに|あたって|いこう "Now, let's hit in order from the end"

一 番 奥 の ドア から ──。 ひと|ばん|おく||どあ|

しかし 、 鍵 が かけ られて 、 びくとも し ない 。 |かぎ||||||

どの ドア も そう な のだ 。 |どあ||||

「── おい 、 出て 来い ! |でて|こい

国 友 が 廊下 の 中央 に 立って 、 怒鳴った 。 くに|とも||ろうか||ちゅうおう||たって|どなった

「 どこ か に 隠れて る の は 、 分 って る んだ ぞ ! |||かくれて||||ぶん||||

夕 里子 は 、 危険 を 感じ 始めて いた 。 ゆう|さとご||きけん||かんじ|はじめて|

女 の 直感 と でも いう か ── 超 能力 ほど で は なく と も 、 どことなく 、 危険 を 告げる 声 が 聞こえる こと が ある もの だ 。 おんな||ちょっかん|||||ちょう|のうりょく||||||||きけん||つげる|こえ||きこえる||||| It is a woman 's intuition or not - it is somewhat somewhat sometimes hears a voice that tells the danger.

「── ドア を ぶち 破る ぞ ! どあ|||やぶる|

と 、 国 友 が 怒鳴る 。 |くに|とも||どなる

「 こっち は 大勢 な んだ ! ||おおぜい|| 観念 しろ ! かんねん| 「 国 友 さん ──」 くに|とも|

夕 里子 が 国 友 の 腕 を 押えた 。 ゆう|さとご||くに|とも||うで||おさえた

声 が 緊張 して いる 。 こえ||きんちょう||

「 どうした ?

「 匂い ── この 匂い 」 におい||におい

「 匂い だって ? におい|

「 油 くさく ない ? あぶら||

国 友 の 顔色 が 変った 。 くに|とも||かおいろ||かわった

「 ガソリン だ ! がそりん|

走れ ! はしれ 一 階 へ ! ひと|かい| 国 友 は 、 夕 里子 を かかえる ように して 、 階段 の 方 へ 駆け 出した 。 くに|とも||ゆう|さとご|||||かいだん||かた||かけ|だした

が ── 手遅れだった 。 |ておくれだった

二 人 が 階段 の 上 に 来た とき 、 炎 が 音 を たてて 階段 を 這い上って 来た のだ 。 ふた|じん||かいだん||うえ||きた||えん||おと|||かいだん||はいあがって|きた|

「 畜生 ! ちくしょう

飛び 下り れ ない か ? とび|くだり||| 「 だめ よ !

下 は もう ──」 した||

階段 の 下 は 、 火 の 海 だった 。 かいだん||した||ひ||うみ|

ガソリン を まいて 火 を つけた のだ 。 がそりん|||ひ||| 黒い 煙 が 二 人 の 方 へ 吹き 上って 来る 。 くろい|けむり||ふた|じん||かた||ふき|のぼって|くる

「 伏せて ! ふせて

息 を 止める んだ ! いき||とどめる| 「 無 茶 言わ ないで よ ! む|ちゃ|いわ||

罠 だった のだ 。 わな||

二 階 へ やって おいて 、 下 から 火 を 放つ 。 ふた|かい||||した||ひ||はなつ ── こんな 簡単な こと に 気付か なかった と は ……。 |かんたんな|||きづか||| ─ ─ I did not notice such a simple thing ... .... 国 友 は 歯ぎしり した 。 くに|とも||はぎしり|

「 下 へ は この 階段 だけ ? した||||かいだん|

「 そう よ 。

── どこ か の 部屋 の 窓 から 外 へ ──」 |||へや||まど||がい|

と 言い かけて 、 夕 里子 は ハッと した 。 |いい||ゆう|さとご||はっと|

そう か !

それ で どの ドア に も 鍵 が かかって いる のだ 。 |||どあ|||かぎ|||| 部屋 の 中 に 入れば 、 窓 を 破って 逃げ られる から ──。 へや||なか||はいれば|まど||やぶって|にげ||

「 ドア を ぶち 破って やる ! どあ|||やぶって|

国 友 が 、 起き上る と 、 駆け 出した 。 くに|とも||おきあがる||かけ|だした

一方 、 外 で 待って いた 水谷 たち も 、 異変 に は 、 もちろん 気付いて いた 。 いっぽう|がい||まって||みずたに|||いへん||||きづいて|

「 煙 だ ! けむり|

と 、 最初に 叫んだ の は 珠美 だった 。 |さいしょに|さけんだ|||たまみ|

「 火 を つけた んだ ! ひ|||

と 、 水谷 が 青ざめる 。 |みずたに||あおざめる

「 夕 里子 たち が ? ゆう|さとご||

と 、 訊 いた の は 、 もちろん 何も 分 って い ない 綾子 だった 。 |じん|||||なにも|ぶん||||あやこ|

「 助け に 行か なきゃ ! たすけ||いか|

「 君 ら は ここ に いろ ! きみ|||||

水谷 は 駆け 出した 。 みずたに||かけ|だした

雪 を けって 、 裏口 へ と 駆けつける と 、 ドア を 開けて 、 ゆき|||うらぐち|||かけつける||どあ||あけて

「 ワッ !

と 飛び す さった 。 |とび||

火 を 放った 人間 は 、 ちゃんと 考え 抜いて いる ようだった 。 ひ||はなった|にんげん|||かんがえ|ぬいて||

目の前 は 、 炎 の 壁 で 、 とても 通り抜け られ ない 。 めのまえ||えん||かべ|||とおりぬけ||

どこ か ── 入る 所 は ある はずだ ! ||はいる|しょ|||

水谷 は 窓 の 方 へ と 走った 。 みずたに||まど||かた|||はしった

しかし 、 その 瞬間 に 、 窓 ガラス を 突き破って 、 炎 が 吹き 上げて 来る 。 ||しゅんかん||まど|がらす||つきやぶって|えん||ふき|あげて|くる

水谷 は 、 建物 の わき を 回って 正面 の 玄関 へ と 駆けつけた 。 みずたに||たてもの||||まわって|しょうめん||げんかん|||かけつけた

ドア が 焼け落ちて いる ! どあ||やけおちて|

木造 の 山荘 である 。 もくぞう||さんそう| ── 予想 以上 の 速 さ で 、 火 は 山荘 を 包み 始めて いた 。 よそう|いじょう||はや|||ひ||さんそう||つつみ|はじめて|

「 国 友 さん ! くに|とも|

佐々 本 ──」 ささ|ほん

と 、 水谷 が 大声 を 出した 。 |みずたに||おおごえ||だした

「── ワッ ! 二 階 の 、 正面 へ 張り出した ベランダ が 、 いきなり 崩れ落ちて 来る 。 ふた|かい||しょうめん||はりだした|べらんだ|||くずれおちて|くる

水谷 は 雪 の 中 へ 夢中で 転がり 出た 。 みずたに||ゆき||なか||むちゅうで|ころがり|でた 一 秒 足らず の 差 で 、 下敷き に なる ところ だった 。 ひと|びょう|たら ず||さ||したじき||||

「 畜生 ! ちくしょう

水谷 は 、 再び 裏庭 へ 駆け 戻った 。 みずたに||ふたたび|うらにわ||かけ|もどった

「 先生 ! せんせい

珠美 が さすが に 青く なって いる 。 たまみ||||あおく||

「 お 姉ちゃん たち は ? |ねえちゃん|| 「 とても 入れ ない ! |いれ|

おい !

雪 を かけて 火 を 消す んだ 」 ゆき|||ひ||けす|

あまり 効果 が ある と も 思え なかった が 、 みんな 一斉に 雪 を すくって は 、 炎 の 吹き出す 窓 から 投げ 込み 始めた 。 |こうか|||||おもえ||||いっせいに|ゆき||||えん||ふきだす|まど||なげ|こみ|はじめた

そして 奇跡 的に ── 火 は 、 やはり おさまら なかった のである ……。 |きせき|てきに|ひ|||||

思い切り ドア に 体当り した 国 友 は 、 おもいきり|どあ||たいあたり||くに|とも|

「 いて っ !

と 呻いて 、 廊下 に 引っくり返った 。 |うめいて|ろうか||ひっくりかえった

「 とても だめだ わ 」

と 、 夕 里子 が 、 抱き 起す 。 |ゆう|さとご||いだき|おこす

「 ドア が 頑丈な の よ ! どあ||がんじょうな|| 「 拳銃 さえ あれば ──」 けんじゅう||

国 友 は 、 咳込んだ 。 くに|とも||せきこんだ

煙 が 廊下 に 充満 し 始めて いる 。 けむり||ろうか||じゅうまん||はじめて|

「 他 に 何 か 方法 を ──」 た||なん||ほうほう|

と 、 夕 里子 も 咳込み ながら 涙 を 流して いる 。 |ゆう|さとご||せきこみ||なみだ||ながして|

悲しい ので は なく 、 煙 の せい である 。 かなしい||||けむり|||

「 君 だけ でも 何とか して 助け たい 」 きみ|||なんとか||たすけ|

「 馬鹿 言わ ないで 。 ばか|いわ|

二 人 と も 助かる の よ ! ふた|じん|||たすかる|| 絶対 に ! ぜったい| 夕 里子 は 怒鳴った 。 ゆう|さとご||どなった

「 男 の 人 って 、 すぐ そう やって 格好 つける から 嫌い よ ! おとこ||じん|||||かっこう|||きらい| こんな 所 でも 、 国 友 は 夕 里子 に 怒ら れて いる のだった 。 |しょ||くに|とも||ゆう|さとご||いから|||

しかし 、 火の手 は 、 もう 階段 を 駆け上り 、 二 階 に も 広がり つつ あった 。 |ひのて|||かいだん||かけあがり|ふた|かい|||ひろがり||

二 人 は 廊下 の 奥 へ と 追い 詰め られて いる 。 ふた|じん||ろうか||おく|||おい|つめ||

夕 里子 は 、 ふと 、 天井 を 見上げた 。 ゆう|さとご|||てんじょう||みあげた

「 屋根 へ 出 られ ない かしら ? やね||だ|||

「 屋根 に ? やね|

「 そう 。

修理 や 雪 おろし の ため に 、 上 に 出る こと が ある んじゃ ない ? しゅうり||ゆき|||||うえ||でる||||| Is there something for you to go up for repair or snow gratification? どこ かに 上 に 出る 口 が ──」 ||うえ||でる|くち|

「 あれ かも しれ ない 」

天井 の 隅 の 、 四角い 切り 込み が 目 に 入る 。 てんじょう||すみ||しかくい|きり|こみ||め||はいる

「 私 を 肩車 して ! わたくし||かたぐるま|

夕 里子 は 、 国 友 に 言った 。 ゆう|さとご||くに|とも||いった

「 やって みる しか ない わ ! 「 よし !

国 友 は 、 その 真 下 へ 行く と 、 夕 里子 を 肩車 して 立ち上った 。 くに|とも|||まこと|した||いく||ゆう|さとご||かたぐるま||たちのぼった

「 落とさ ないで よ 。 おとさ||

── 開く わ 」 あく|

「 そのまま 上って みろ 」 |のぼって|

「 うん 。

── よい しょ ! その 上げ 蓋 を 押し上げる と 、 夕 里子 は 両手 で 体 を 支えて 、 這い上った 。 |あげ|ふた||おしあげる||ゆう|さとご||りょうて||からだ||ささえて|はいあがった

「 屋根 裏 部屋 ── 物置 きみ たいよ ! やね|うら|へや|ものおき||

かがんで やっと 頭 を ぶつけ なくて 済む くらい 天井 は 低い 。 ||あたま||||すむ||てんじょう||ひくい

しかし 、 明るかった 。 |あかるかった ── 天窓 が ある ! てんまど||

「 国 友 さん ! くに|とも|

天窓 よ 。 てんまど| 出 られる わ ! だ|| と 、 夕 里子 は 怒鳴った 。 |ゆう|さとご||どなった

「 よし 、 待って ろ ! |まって|

国 友 は 、 飛び上って 、 四角い 穴 の ヘリ に ぶら下がる と 、 必死で 上って 来た 。 くに|とも||とびあがって|しかくい|あな||へり||ぶらさがる||ひっしで|のぼって|きた

夕 里子 も 体重 を かけて 引 張り上げる 。 ゆう|さとご||たいじゅう|||ひ|はりあげる

「── やった !

国 友 は 、 やっと 這い上って 、 息 を ついた 。 くに|とも|||はいあがって|いき||

「 天窓 を 破り ましょう 。 てんまど||やぶり|

外 へ 出 られる わ 」 がい||だ||

「 よし 」

国 友 は 、 その辺 に 積んで あった 木箱 を かかえ 上げる と 、 天窓 の ガラス に 叩きつけた 。 くに|とも||そのへん||つんで||きばこ|||あげる||てんまど||がらす||たたきつけた

ガラス が 粉々に 砕けて 落ちる と 、 その 上 に 積って いた 雪 も 、 どっと 落ちて 来る 。 がらす||こなごなに|くだけて|おちる|||うえ||つもって||ゆき|||おちて|くる

「── 屋根 の 上 に 出 られ そうだ な 」 やね||うえ||だ||そう だ|

「 そう ね 。

いざ と なったら 、 飛び 下りる しか ない わ 」 |||とび|おりる|||

国 友 が 、 ガラス の 破片 を 叩き 落として 、 夕 里子 を 天窓 から 押し出す 。 くに|とも||がらす||はへん||たたき|おとして|ゆう|さとご||てんまど||おしだす

夕 里子 は 、 冷たい 大気 の 中 へ 顔 を 出して 、 思わず 息 を ついた 。 ゆう|さとご||つめたい|たいき||なか||かお||だして|おもわず|いき||

もう 山荘 は 、 焼け落ち かけて いた 。 |さんそう||やけおち||

水谷 たち は 、 手 の 施し よう も なく 、 呆然と それ を 眺めて いる ばかり ……。 みずたに|||て||ほどこし||||ぼうぜんと|||ながめて||

「── 夕 里子 姉ちゃん 」 ゆう|さとご|ねえちゃん

珠美 は 、 気 が 抜けた ように 、「 こんな こと って ……」 たまみ||き||ぬけた||||

「 俺 が 行けば 良かった んだ 」 おれ||いけば|よかった| "I wish I could go"

と 、 水谷 が 呟く 。 |みずたに||つぶやく

「 諦めちゃ いけない わ 」 あきらめちゃ||

と 、 相 変ら ず な の は 、 綾子 である 。 |そう|かわら|||||あやこ|

「 二 人 と も 悪い こと なんか して ない んだ もの 。 ふた|じん|||わるい|||||| "Both of them do not do bad things. 神様 が 見捨て やしない わ 」 かみさま||みすて||

「 気持 は 分 る けど ──」 きもち||ぶん||

と 、 珠美 が 言い かけた とき 、 |たまみ||いい||

「 ほら !

屋根 の 上 ! やね||うえ と 、 川西 みどり が 叫んだ 。 |かわにし|||さけんだ

「── 本当だ ! ほんとうだ

お 姉ちゃん ! |ねえちゃん 珠美 が 飛び上る 。 たまみ||とびあがる

屋根 の 雪 の 上 に 、 夕 里子 と 国 友 が 這い 出して 来た のだ 。 やね||ゆき||うえ||ゆう|さとご||くに|とも||はい|だして|きた|

だが 、 もう 建物 そのもの が 、 崩れ かけて いた 。 ||たてもの|その もの||くずれ||

まだ 形 を 成して いる の が 、 不思議な くらい だ 。 |かた||なして||||ふしぎな||

「 国 友 さん ! くに|とも|

水谷 は 大声 で 言った 。 みずたに||おおごえ||いった

「 飛び 下りる んだ ! とび|おりる| 焼け落ちる ぞ ! やけおちる| 「 でも ──」

と 、 珠美 が 言った 。 |たまみ||いった

「 あんな 所 から 飛び 下りたら 死んじゃ う ! |しょ||とび|おりたら|しんじゃ| いくら 雪 の 上 でも ──」 |ゆき||うえ|

「 しかし 、 大けが で 助かる かも しれ ない 。 |おおけが||たすかる|||

それ しか 方法 が ない 」 ||ほうほう||

珠美 に も それ は 分 って いた 。 たまみ|||||ぶん||

しかし ── 天 の 助け は ない の かしら ? |てん||たすけ|||| こんなに ひどい 目 に ばっかり 遭わ さ れて ! ||め|||あわ||

神様 を 恨んで やる から ね ! かみさま||うらんで|||

する と ──。

何だか 聞き なれ ない 音 が 、 頭 の 上 を 近付いて 来た 。 なんだか|きき|||おと||あたま||うえ||ちかづいて|きた

バタバタバタ ……。

キョロキョロ と 頭上 を 見 回した 珠美 が 、 ||ずじょう||み|まわした|たまみ|

「 キャーッ !

と 金切り声 を 上げた ので 、 水谷 が 仰天 した 。 |かなきりごえ||あげた||みずたに||ぎょうてん|

「 ど 、 どうした ?

「 見て ! みて

青空 に 三 つ 、 黒々 と した 姿 を 見せて 、 ヘリコプター が 飛んで 来た のだった 。 あおぞら||みっ||くろぐろ|||すがた||みせて|へりこぷたー||とんで|きた|

「 助け に 来た ! たすけ||きた

オーイ ! ここ よ ! 珠美 が 手 を 振る 。 たまみ||て||ふる

ヘリ の 方 も 、 もちろん 、 珠美 たち の こと を 見付けて いた 。 へり||かた|||たまみ|||||みつけて|

たちまち 、 山荘 の 上 へ と やって 来る 。 |さんそう||うえ||||くる

「 屋根 の 上 だ ! やね||うえ|

猛烈な 風 に 負け ない 大声 で 、 水谷 が 怒鳴る 。 もうれつな|かぜ||まけ||おおごえ||みずたに||どなる

水谷 が 教える まで も なく 、 ヘリ は 夕 里子 たち を 認めて いた らしい 。 みずたに||おしえる||||へり||ゆう|さとご|||みとめて||

一 機 が 、 山荘 の 真 上 に 飛んで 静止 する と 、 ロープ が スルスル と 降りて 行った 。 ひと|き||さんそう||まこと|うえ||とんで|せいし|||ろーぷ||するする||おりて|おこなった

「 助かる よ 、 先生 」 たすかる||せんせい

珠美 が 水 谷 に しがみつく 。 たまみ||すい|たに||

「 うん 。

── 良かった 」 よかった

と 言った とたん 、 山荘 の 、 下 の 柱 が ドッと 音 を 立てて 崩れ 始めた 。 |いった||さんそう||した||ちゅう||どっと|おと||たてて|くずれ|はじめた

「 おい 、 焼け落ちる ぞ ! |やけおちる| 水谷 が 力 の 限り を こめて 大声 を 張り上げる 。 みずたに||ちから||かぎり|||おおごえ||はりあげる

そして ── 山荘 は 一気に 焼け落ちた 。 |さんそう||いっきに|やけおちた

屋根 が 物 凄い 音 を たてて 、 炎 の 中 へ 落下 し 、 火 の 粉 と 煙 が 空 を 覆う ばかりに 舞い 上る 。 やね||ぶつ|すごい|おと|||えん||なか||らっか||ひ||こな||けむり||から||おおう||まい|のぼる

珠美 たち は 、 雪 の 上 に 引っくり返った 。 たまみ|||ゆき||うえ||ひっくりかえった

起き上った とき 、 頭上 に 飛んで 来た ヘリ から 下りた ロープ の 先 に 、 国 友 と 夕 里子 が 必死で しがみついて いる の が 目 に 入った 。 おきあがった||ずじょう||とんで|きた|へり||おりた|ろーぷ||さき||くに|とも||ゆう|さとご||ひっしで|||||め||はいった

「 やった ね !

珠美 が 手 を 打って 叫んだ 。 たまみ||て||うって|さけんだ

ヘリ が 下りて 来て 、 夕 里子 と 国 友 は 、 雪 の 中 へ 、 二 、 三 メートル の 高 さ から 飛び 下りた 。 へり||おりて|きて|ゆう|さとご||くに|とも||ゆき||なか||ふた|みっ|めーとる||たか|||とび|おりた

いや 、 落 っこ ち た 、 と 言った 方 が 正しい かも しれ ない 。 |おと|||||いった|かた||ただしい|||

「 ああ ……。

死ぬ か と 思った ! しぬ|||おもった 夕 里子 が 、 正直な (? ゆう|さとご||しょうじきな

) 感想 を 述べ ながら 、 雪 だらけ に なって 起き上る 。 かんそう||のべ||ゆき||||おきあがる

「 夕 里子 姉ちゃん ! ゆう|さとご|ねえちゃん

珠美 が 走って 来る と 、「 やっぱり 、 二 人 と も 悪運 が 強い ね ! たまみ||はしって|くる|||ふた|じん|||あくうん||つよい|

「 それ で お 祝い の つもり ? |||いわい||

夕 里子 は 苦笑 した 。 ゆう|さとご||くしょう|

「── でも 、 石垣 さん が 中 に ……」 |いしがき|||なか|

もう 焼け落ちて しまった 山荘 の 方 へ 、 夕 里子 は 目 を やって 、 首 を 振った 。 |やけおちて||さんそう||かた||ゆう|さとご||め|||くび||ふった

「 あの 母親 と 子供 も ? |ははおや||こども|

と 、 珠美 が 訊 く 。 |たまみ||じん|

「 うん ……。

たぶん ね 」

と 、 夕 里子 は 呟いた 。 |ゆう|さとご||つぶやいた

ヘリ から 、 ロープ で 下りて 来た の は 、 三崎 刑事 だった 。 へり||ろーぷ||おりて|きた|||みさき|けいじ|

「 おい !

無事 か ! ぶじ| 「 三崎 さん 」 みさき|

国 友 が 啞然 と して 、「 よく ここ が ──」 くに|とも||啞ぜん|||||

「 やっと 捜し当てた んだ 」 |さがしあてた|

三崎 が 息 を 弾ま せた 。 みさき||いき||はずま|

「 お前 も 一緒だ と は 思って た んだ が ……。 おまえ||いっしょだ|||おもって||| 石垣 と いう 男 は ? いしがき|||おとこ| 「 たぶん ── この 火 の 下 です 」 ||ひ||した|

国 友 は 、 息 を ついた 。 くに|とも||いき||

「 助かり ました ! たすかり| 「 こっち も 、 気 が 気 じゃ なかった ぞ 」 ||き||き||| "I did not feel like this either"

と 、 三崎 は ニヤリ と 笑って 、「 ヘリ 三 機 だ 。 |みさき||||わらって|へり|みっ|き|

いくら かかる と 思う ? |||おもう また 、 山荘 の 柱 が 崩れる 音 が した 。 |さんそう||ちゅう||くずれる|おと||

しばらく 、 なおも 炎 と 煙 は 、 雪 を 溶かし 、 黒く 汚し ながら 、 吹き 上げ 続けて いた ……。 ||えん||けむり||ゆき||とかし|くろく|きたなし||ふき|あげ|つづけて|